JP2018095847A - 配向膜および重合性液晶を用いた液晶重合膜類 - Google Patents

配向膜および重合性液晶を用いた液晶重合膜類 Download PDF

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大輔 大槻
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永久 宮川
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Norihisa Tamura
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Abstract

【課題】液晶表示装置のさらなる表示品位の向上のため、液晶重合膜類の正面コントラストを顕著に高める。【解決手段】式(1)の繰り返し単位で表されるポリマーを含む組成物を焼成して作成した配向膜上に、式(2)で表される重合性液晶化合物を含む重合性液晶組成物を塗布し、続けて、該重合性液晶組成物を重合させて作成した、液晶重合膜類。(式(1)中、R1は独立して4価の官能基、R2は独立して2価の官能基、R3は独立して水素原子または1価の官能基)(式(2)中、R4は脂環および/または芳香環を5つ以上9つ以下組合わせた2価の基、SP1およびSP2はスペーサー基、PG1およびPG2はアルキル基、アルコキシル基、シアノ基、フッ素、重合可能な官能基を表すが、どちらか一方は重合可能な官能基)【選択図】なし

Description

本発明は、液晶重合性組成物を原料とした液晶重合膜に関連する。より詳しくは、本発明は、光学異方性を有する液晶重合膜および該液晶重合膜の配向膜に関する。
重合性液晶組成物を重合させた液晶重合膜類は、位相差膜、光学補償膜、反射膜、選択反射膜、反射防止膜、視野角補償膜、液晶配向膜、偏光素子、円偏光素子、楕円偏光素子そのほかの光学異方性体から成る膜または素子として使用できる。
画像表示の品質向上を目的とした光学補償膜として、複屈折性を示す延伸ポリマーフィルムが、液晶表示装置に使用されてきた。液晶表示装置の表示品位のさらなる向上、及び、液晶表示装置の液晶表示素子の薄膜化のため、該ポリマーフィルムを、液晶重合膜類への置き換えることが検討されている。この場合、例えば該液晶重合膜類を+Aプレートとして使用する場合、理想的な光学補償を行うため、液晶をより高い秩序で配向させることが求められる。
液晶重合膜は、重合性液晶組成物を配向膜付き基材の上で重合させて作成する。配向膜中の分子の配向を一定方向に揃えた配向膜は、配向膜上の液晶性化合物の配向を誘導する。該配向膜は、特に基材平面に対して方位角または/および極角方向への、該液晶性化合物の配向を誘導する。
配向膜中の分子の配向を一定方向に揃える方法として、ラビング法、光配向法などがある。ラビング法は、配向膜表面を布で擦る事により、液晶配向能を配向膜に付与する方法である。光配向法は、配向膜への配向能付与を、光で行う方法である。従って光配向膜は、その材料内に感光性基を持つ。該感光性基としては、アゾベンゼン構造、シクロブタン構造、桂皮酸構造、カルコン構造、またはクマリン構造が知られている。
液晶重合膜の公知原料に関して、以下のような先行文献が挙げられる。
特開2014−205819号公報 特開2015−040950号公報 特開2015−212807号公報
本発明は、コントラストの高い位相差膜の提供を目的とする。
本発明者らは、特定の配向膜および特定の重合性液晶組成物を組み合わせて作成した液晶重合膜類は、その構成成分である液晶骨格が、従来になく高い秩序で配向する事を見出し、発明を完成させた。
本発明の内容は、以下の[1]から[12]である。
[1]式(1)の繰り返し単位で表されるポリマーを含む組成物を焼成して作成した配向膜上に、式(2)で表される化合物を含む重合性液晶組成物を塗布し、続けて、
該重合性液晶組成物を重合させて作成した、液晶重合膜類。
Figure 2018095847
(式(1)中、Rは独立して4価の基であり、Rは独立して2価の官能基であり、Rは独立して水素原子または1価の基である。)
Figure 2018095847
(式(2)中、Rは脂環および/または芳香環を5つ以上9つ以下組合わせた2価の基を表し、SPおよびSPはスペーサー基を表し、PGおよびPGはアルキル基、アルコキシル基、シアノ基、フッ素または重合可能な官能基であり、どちらか一方は重合可能な官能基である。)
[2]該配向膜中に含まれるヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシル基の含有量が、式(1)の繰り返し単位に対して0.1以上2未満である、[1]の液晶重合膜類。
[3]該重合性液晶組成物を重合させた後、140℃以上に焼成して作成した、[1]の液晶重合膜類。
[4]該配向膜が光配向膜である、[1]から[3]のいずれか一項に記載の液晶重合膜類。
[5]該光配向膜中の感光性基が、アゾベンゼン構造、シクロブタン構造、桂皮酸構造、カルコン構造、またはクマリン誘導体構造である、[4]に記載の液晶重合膜類。
[6]ポジティブAプレートの特性を有する、[1]から[5]のいずれか一項に記載の液晶重合膜類
[7]式(1)におけるRが式(1−A)から式(1−D)のいずれかで表される[1]から[6]に記載の液晶重合膜類。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
[8]式(1)におけるRが式(1−F)から式(1−N)のいずれかで表される基である[7]に記載の液晶重合膜類
Figure 2018095847
Figure 2018095847
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Figure 2018095847
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Figure 2018095847
Figure 2018095847
[9]式(2−A)で表される化合物を含む[8]に記載の液晶重合膜類
Figure 2018095847
(式(2−A)中、
4Aは独立して以下の式(2−A−a)から式(2−A−o)で表される基であり、
Figure 2018095847
(式(2−A−a)〜式(2−A−o)中、
*はSP1AまたはSP2Aへの結合位置を示し、
Arは、炭素数14までの芳香族基または芳香族が共役した基であり、
50は、−NH−、−O−または−S−であり、
51は、=CH−または=N−であり、
50は、単結合または−CH=CH−であり、
51は、−CO511または−CNであり、
511は、炭素数10以下のアルキル基を表し、このアルキル基中の1つのメチレンまたはメチル基の水素は(メタ)アクリルオキシ基で置換されていてもよく、
52は、水素原子、炭素数10以下のアルキル基を表し、このアルキル基中の1つのメチレンまたはメチル基の水素は(メタ)アクリルオキシ基で置換されていてもよく、
53は、独立して、水素原子、炭素数5以下のアルキル基、または炭素数10までの芳香族基であり、
54は、炭素数5以下のアルキル基を表し、2つのR54が結合して環構造となってもよく、
これら式(2−A−a)〜式(2−A−o)において
一つの水素は、炭素数1から5のアルキル基(ただし、該アルキル基の任意の−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、任意の−CH−CH−は、−CH=CH−で置換してもよく、該アルキル基中の水素は、ハロゲン基に置き換えてもいい。)またはハロゲン基に置き換えてもよく、
SP1AおよびSP2Aは、独立して、単結合、炭素数2から4のアルキレンであって、アルキレンの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、
SP1AおよびSP2Aは、独立して、単結合、炭素数2から4のアルキレンであって、アルキレンの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、
PG1Aは、式(2−B)で表される官能基であり、
Figure 2018095847
(式(2‐B)中、
は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、
は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、PGは(メタ)アクリル基である。
PGは、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、フッ素、または、式(2−B)で表される官能基であり、
nは、5から9の整数である。)
[10] 重合性液晶組成物中の式(2‐A)で表される化合物の含有量が、その他の重合性化合物に対して、70重量%以上である[9]に記載の液晶重合膜類
〔11〕 重合性液晶組成物が、式(2‐A)で表される化合物のみを含有する[9]に記載の液晶重合膜類
[12] [1]から[11]に記載の液晶重合膜類を用いた位相差膜
本発明によって、位相差膜に利用される液晶重合膜類の、コントラストが向上する。
本発明において、「コントラスト」とは、2枚の偏光板の間に、基材つき液晶重合膜の配向方向と一方の偏光板の軸と一致させ、該基材つき液晶重合膜を配置した際の、(パラレルニコル状態での輝度)/(クロスニコル状態での輝度)の値を意味する。
本発明において、「クロスニコル状態」とは対向配置した偏光板の偏光軸が直交した状態を指す。
本発明において、「パラレルニコル状態」とは対向配置した偏光板の偏光軸が一致した状態を指す。
本発明において、「Δn」は位相差膜の複屈折率を表す。
本発明において、「化合物(X)」とは、式(X)で表わされる化合物を、意味する。ここで「化合物(X)」中のXは文字列、数字、記号等を意味する。
本発明において、「液晶化合物」とは、(A)純物質として液晶相を有する化合物および(B)液晶組成物の成分となる化合物の総称である。
本発明において、「重合性基」とは、光、熱、触媒そのほかの手段により重合し、より大きな分子量を有する化合物に変わる能力を化合物に与える官能基である。アクリル基、メタアクリル基などが、重合性基である。
本発明において、「水素供与基」とは、ヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシル基その他の、炭素よりも電気陰性度の高い原子に水素が隣接している官能基である。
本発明において、「感光性基」とは、分子内の電子の励起により化学反応を起こす化合物に特有の官能基である。光分解反応、光異性化反応などが、該化学反応である。
本発明において、「重合性化合物」とは、重合性基を有する化合物である。
発明において、「単官能化合物」とは、重合性基を、一つ有する化合物である。
本発明において、「多官能化合物」とは、重合性基を、複数有する化合物である。
本発明において、「X官能化合物」とは、重合性基を、X個有する化合物である。ここで「X官能化合物」中のXは整数である。
本発明において、「重合性液晶化合物」とは、液晶化合物かつ重合性基をもつ化合物である。
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、重合性化合物であって、単体で液晶相を有さない化合物である。
本発明において、「重合性液晶組成物」とは、重合性化合物および液晶化合物を含む組成物、並びに「重合性液晶化合物」を含む組成物を意味する。
本発明において、「配向膜」とは、液晶を配向させる膜である。
本発明において、「光配向膜」とは、光によって形成される、配向膜である。
本発明において、「配向膜つき基材」とは、配向膜を有する基材である。
本発明において、「基材」とは、配向膜つき基材および配向膜がついていない基材の総称である。
本発明において、「液晶重合膜」とは、重合性液晶組成物を重合して得られた膜である。
本発明において、「基材つき液晶重合膜」とは、基材上の重合性液晶組成物を重合して得られる、基材を含む物である。
本発明において、「液晶重合膜類」とは、「液晶重合膜」および「基材つき液晶重合膜」の総称である。
本発明において、「位相差膜」とは、光学的異方性を有する光変換素子である。位相差膜は、液晶重合膜類を含む。
本発明において、「配向」とは、液晶分子の長軸(配向容易軸)が、光学的に利用可能な状態で、一定の方向に揃った状態を表す。
本発明において、「チルト角」とは、液晶分子の配向方向と基材の面の間の角度である。
本発明において、「ホモジニアス配向」とは、チルト角が0から5度であり、基材平面に対して方位角方向に一軸配向した状態を表す。
本発明において、「ホメオトロピック配向」とは、チルト角が85から90度で、一軸配向した状態を表す。
本発明において、「チルト配向」とは、チルト角が、基材面からの距離に従って大きくなるように配向した状態を表す。
本発明において、「ツイスト配向」とは、液晶分子の長軸方向の配向方向が基材に対して平行であり、かつ、液晶分子が基材から離れるにしたがって、基材表面の垂線を軸として、階段状にねじれている配向をいう。
化学式中に下記の官能基の記載があった場合には、波線部が該官能基の結合位置であることを意味するものとする。ここで下記のCは任意の原子または官能部である。
Figure 2018095847
≪配向膜≫
配向膜の、液晶化合物と接する官能基の配向を一定方向に揃えることで、基材の平面に対して方位角または/および極角方向への、重合性液晶の配向を誘導できる。
式(1)で表されるポリアミック酸及びその誘導体は、該配向膜の原料となる。
配向膜表面を布で擦るラビング法、偏光照射による光配向法などが、該配向を一定方向に揃える方法である。
本発明においては、液晶重合膜のコントラストを向上できるため、光配向法が好ましい。
該光配向法では、配向膜中に感光性基を組込む必要がある。少ない露光量で配向するため、該感光性基として、アゾベンゼン構造、シクロブタン構造、桂皮酸構造、カルコン構造、またはクマリン誘導体構造が好ましい。
コントラストを向上させるために、液晶化合物に対するアンカーエネルギーが高く、液晶化合物を配向させやすい、アゾベンゼン構造またはシクロブタン誘導体構造がより好しい。
複数の種類の感光性基を、組み合わせて使用できる。
配向膜の原料であるジアミンもしくは配向膜の原料であるジアミン誘導体、または配向膜の原料であるテトラカルボン酸二無水物もしくは配向膜の原料であるテトラカルボン酸二無水物誘導体に、感光性基を導入することによって、本発明の光配向膜が得られる。このような感光性基を有するジアミンと感光性基を有するテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体は併用してもよい。
式(P−1)〜式(P−7)で表される構造などが感光性基である。
Figure 2018095847
式(P−1)中、R10は独立して、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基である。
少ない露光量で配向させることができるため、式(P−1)を有する感光性基を有する化合物として、式(PA−1)〜式(PA−6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018095847
式(PA−4)および式(PA−5)において、
11およびR12の片方は、炭素数1〜5のアルキルオキシ基であり、R11およびR12の他方は、−OHまたは−Clである。
13およびR14のうちひとつは、炭素数1〜5のアルコキシ基であり、R13およびR14の他方は、−OHまたは−Clである。
少ない露光量で配向させることができるため、式(P−2)〜式(P−5)を有する感光性基を有する化合物として、式(II−1)、式(II−2)、式(III−1)、式(III−2)、式(IV−1)および式(VI−2)で表される化合物が、好ましい。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
式(V−2)において、
15は、独立して、−CH、−OCH、−CF、または−COOCHであり、
aは独立して0〜2の整数である。
式(V−3)において、
環Aおよび環Bは、独立して、単環式炭化水素、縮合多環式炭化水素および複素環であり、
20およびR21は、炭素数1〜20の直鎖アルキレン、−COO−、−OCO−、−NHCO−または−N(CH)CO−であり、該直鎖アルキレンの−CH−の1つまたは2つは−O−で置き換えられていてもよく、
16〜R19は、独立して、−F、−CH、−OCH、−CFまたは−OHであり、
b〜eは、独立して、0〜4の整数である。
液晶重合膜類のコントラストの向上の観点から、液晶重合膜の原料の成分として、上記式(V−2)、(V−3)および(VI−2)で表される化合物が、より好ましい。
感光性基による液晶化合物の配向を誘導するため、液晶重合膜の原料の成分として、式(V−2)において、−N=N−結合のパラ位にアミノ基がある化合物がより好ましい。
液晶重合膜類のコントラストの向上の観点から、液晶重合膜の原料の成分として、式(VI−2)において、環Aが六員環の場合、R20のパラ位にアミノ基がある化合物がより好ましい。
液晶重合膜類のコントラストの向上の観点から、液晶重合膜の原料の成分として、式(VI−2)において、環Bが六員環の場合、R21のパラ位にアミノ基がある化合物がより好ましい。
液晶重合膜類のコントラストの向上の観点から、液晶重合膜の原料の成分として、式(V−2)において、a=0の化合物が好ましい。
下記式の化合物などが、式(II−1)〜(VI−2)で表される化合物の例である。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
露光量が少なくても配向するため、光配向膜の原料の成分として、式(II−2−1)、式(III−1−1)、式(III−2−1)、式(IV−1−1)、式(IV−2−1)、式(V−2−1)、式(V−2−4)、式(V−2−6)、式(V−2−7)、式(V−3−1)、式(V−3−2)、式(V−3−3)、式(V−3−5)、式(V−3−7)、(VI−2−1)で表される化合物がより好ましい。
配向膜の着色が少ないため、光配向膜の原料の成分として、式(II−2−1)、式(III−1−1)、式(III−2−1)、式(IV−1−1)、式(V−2−1)、式(V−3−1)、式(V−3−2)、(VI−2−1)で表される化合物が、より好ましい。
配向膜の上に形成した液晶重合膜の異方性が増加するため、配向膜の原料の成分として、式(V−2−1)で表される化合物がより好ましい。
式(PDI-1)〜(PDI-5)の化合物などは、感光性基である桂皮酸構造を有する化合物の例である。
Figure 2018095847
式(PDI−4)において、R22は炭素数1〜10のアルキルまたはアルコキシであり、該アルキルまたは該アルコキシの少なくとも1つの水素はフッ素に置き換えられていてもよい。
露光量が少なくても配向するため、光配向法による配向膜の原料の成分として、式(PDI−1)および(PDI−3)で表される化合物がより好ましい。
液晶重合膜類のコントラストが向上するため、光配向膜として、焼成により液晶配向能が増幅するような材料が好ましい。このような材料の原料として、フレキシブルな骨格を有するジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体が好ましく、式(FL−1)〜式(FL−4)で表される化合物が、より好ましい。
Figure 2018095847
式(FL−1)〜式(FL−4)において、
30は炭素数2から12のアルキレンであり、このアルキレンの−CH−は、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−NCH−、−CO−、−CONR33−で置き換えられていてもよく、
31およびR32は単結合、または炭素数2から12のアルキレンであり、
33はHまたはCHであり、
pおよびqは0または1である。
式(FL−2)〜式(FL−3)のベンゼン環は、炭素数1から2の−CH、−CHCH、−OCH、またはフッ素で置き換えられていてもよい。
式(FL−1−1)〜(FL−4−6)の化合物などが、式(FL−1)〜(FL−4)で表される化合物の例である。コントラスト向上の観点から、この式(FL−1−1)〜(FL−4−6)の化合物において、式(FL−3−2)〜式(FL−3−5)で表される化合物が最も好ましい。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
Figure 2018095847
基材つき液晶重合膜のコントラストが向上し、かつ、液晶重合膜と基材の間の剥がれにくさが同時に向上するため、配向膜の原料中の繰り返し単位に対する水素供与基の量は、0.1から2が好ましく、0.1から1がさらに好ましい。 従来、配向膜と液晶重合膜との間の結合を強固にしようとすると、配向膜による液晶重合膜の配向が乱れ、基材つき液晶重合膜のコントラストが低下していた。このため、配向膜の改良によって、液晶重合膜のコントラストと液晶重合膜と基材の間の剥がれにくさは、両立しないと思われていた。
このような水素供与基を、配向膜の原料であるジアミンまたはテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体に導入する事で、本発明の配向膜が得られる。このような水素供与基を有するジアミンと水素供与基を有するテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体は併用してもよい。このようなジアミンやテトラカルボン酸二無水物およびその誘導体は、特に制限なく公知のものを用いる事が出来るが、入手しやすいため、式(PQ−1)で表される化合物を使用することが好ましい。
Figure 2018095847
式(PQ−1)において、
40、R41、R42およびR43は、独立して−OH、-CO−C(CH) 、−COOH、−CONH2または−NH−CO−C(CHを有する基であり、
a、b、cおよびdは、独立して、1から4であり、
44、R45およびR46は、単結合または炭素数2から12のアルキレンであり、このアルキレンの−CH−は、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−N(CH3)−、−COO−、−CONR43−で置き換えられていても良く、R43はーHまたはーCHであり、
p、qおよびrは、独立して、0または1である。
式(PQ−1)で表されるジアミンは、式(PQ−1−1)から式(PQ−1−17)が好ましい。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
水素供与基を有するジアミンのうち、以下の式(PQ−2)および(PQ−3)で表される化合物も好ましい。
Figure 2018095847
原料の調製、および温度などの反応条件の調整によって、式(1)で表されるポリアミック酸を用いて作成した配向膜に水素供与基の含有量が、調整できる。
基材への密着性を向上させるため、ポリアミック酸を用いて作成した配向膜にシランカップリング剤を含有させることが、好ましい。
≪重合性液晶化合物≫
コントラストの高い液晶重合体を得るため、以下の一般式(2−1)から(2−10)で表される重合性液晶化合物を原料とする事が好ましい。
Figure 2018095847
Figure 2018095847
式(2−1)において、
は、水素、フッ素、塩素、炭素数1〜5の有機基である。組成物としたときの液晶相を発現する温度範囲の拡大、他の液晶性化合物との相溶性、溶剤への溶解性などの観点(以下、この観点を、「取り扱いがしやすいという観点」という。)から、
は、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜4のアルキコキシカルボニル、アルデヒド、または炭素数1〜4のアルキルカルボニルが、より好ましい。
式(2−2)において、Wとして、水素、フッ素または炭素数1〜5の有機基である。取り扱いがしやすいという観点から、Wとして、炭素数1〜5のアルキルがより好ましい。
式(2−3)において、Wは、水素、フッ素または炭素数1〜5の有機基である。取り扱いがしやすいという観点から、Wとして、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル、アルデヒド、または炭素数1〜4のアルキルカルボニルが、好ましい。
式(2−4)において、Arは炭素数14までの芳香族基または芳香族が共役した基である。取り扱いがしやすいという観点から、Arとして、フェニル、ピリジル、ナフチルまたはチオフェン基が、より好ましい。
式(2−5)において、R50は、単結合または−CH=CH−を表す。耐光性の観点から、R50として、単結合が、好ましい。
式(2−6)において、R51は、−CO511または−CNを表し、R511は炭素数10以下の、(メタ)アクリルオキシ基で置換されてもよい、アルキル基を表す。組成物としたときの液晶相を発現する温度範囲の拡大、コントラストが向上するため、R51として、−COMeまたは−CNが、好ましい。
式(2−7)において、Arは炭素数14までの芳香族基または芳香族が共役した基である。取り扱いがしやすいという観点およびコントラストが向上するため、Arとして、フェニル、ピリジル、ナフチルおよびチオフェン基が、好ましい。
式(2−8)において、R52は、水素原子、炭素数10以下のアルキル基を表し、このアルキル基中の1つのメチレンまたはメチル基は(メタ)アクリルオキシ基で置換されていても良い。この時、組成物とした時の液晶温度範囲の拡大、コントラストが向上するため、Ak50として、水素原子、炭素数5以下のアルキル基が、より好ましい。
式(2−9)において、R531およびR532は、水素原子、炭素数3以下のアルキル基、または炭素数10までの芳香族基を表す。取り扱いがしやすいという観点およびコントラストが向上するため、R531およびR532として、独立して、水素原子、炭素数メチル基、フェニル基、ピリジル基、またはチオフェン基が、好ましい。
式(2−10)において、R54は炭素数3以下のアルキル基を表し、2つのR54が結合して環構造となっても良く、R55は水素原子または炭素数3以下のアルキル基を表す。取り扱いがしやすいという観点およびコントラストが向上するため、R54として炭素数3以下のアルキル基が好ましい、2つのR54が架橋して5または6員環構造となるのも好ましく、R55として、水素原子またはメチル基が、より好ましい。
さらに、式(2−1)から式(2−10)において、Aは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロヘキシレン、またはナフタレン−2,6−ジイルであり、1,4−フェニレンおよびナフタレン−2,6−ジイルにおいて、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、炭素数1〜5の有機基で置き換えられてもよい。コントラストが向上するため、Aとして、独立して1,4−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンが、より好ましい。
式(2−1)から式(2−10)において、Zは、独立して、単結合、−CHCH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−OCH2CH2O−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−CHCHCOO−、−OCOCHCH−、−CHCHOCO−または−COOCHCH−である。取り扱いがしやすいという観点から、Zのうち少なくとも一つは、−CHCHCOO−または−OCOCHCH−であることが、好ましい。
式(2−1)から式(2−10)において、mおよびnはそれぞれ0〜7の整数であり、かつ3≦m+n≦8である。コントラストが向上するため、式(2−1)から式(2−10)においてm+n≧3であることが、好ましい。取り扱いがしやすいという観点から、式(2−1)から式(2−10)において、m+n≦8であることが好ましい。
式(2−1)から式(2−10)において、Yは、独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−である。
式(2−1)から式(2−10)において、Qは、独立して、単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよい。取り扱いがしやすいという観点から、式(2−1)から式(2−10)において、Qとして、炭素数1〜20のアルキレンが、より好ましい。
式(2−1)から式(2−10)において、PGは、重合性基を示す。式(PG−1)〜式(PG−3)で表される基などが重合性基である。重合性基を有する化合物の重合反応の反応率の向上および溶剤への溶解性の向上の観点から、式(PG−1)およびその誘導体が好ましい。
Figure 2018095847
式(PG−1)および式(PG−2)中、Rは独立して水素、フッ素、メチル、エチルまたはトリフルオロメチルである。
該組成物の液晶相への誘導、他の液晶性化合物との相溶性、溶剤への溶解性の観点から、上記式(2−1)から式(2−10)で表される化合物のうち、
式(2−1−1)から式(2−10−6)で表される化合物が、特に好ましい。
Figure 2018095847
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上記式(2―1―1)〜式(2―9―6)において、
は、独立して、単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
は、独立して、単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH−は−O−、−COO−または−OCO−で置き換えられてもよく、
PGは、独立して、上記式(PG−1)〜式(PG−3)で表されるいずれか1つの官能基であり、
Ak50は、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、
Ak51は、水素原子または炭素数10以下のアルキル基を表す。
これらの式(2)で表される重合性液晶化合物は、「オーガニックシンセシス」(Organic Syntheses, John Wiley & Sons, Inc)、「オーガニック・リアクションズ」(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc)、「コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス」(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、「新実験化学講座」(丸善)などの成書、ならびに、当業者に知られた手法を組み合わせることにより合成できる。
≪重合性液晶組成物≫
製膜時の結晶の析出の防止、液晶相の誘導、溶剤への溶解性の向上の観点から、液晶重合体の原料は、組成物とする事が好ましい。
式(1)の繰り返し単位で表されるポリマーを含む組成物を焼成して作成した配向膜上に、式(2)で表される化合物を含む重合性液晶組成物を塗布し、重合させることで、液晶重合体は、コントラストが向上する。コントラストの観点から、重合性液晶組成物中、式(2)で表される化合物の含有量として、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がさらに好ましい。
製膜時の結晶の析出の防止、液晶相の誘導、溶剤への溶解性の向上の観点から、重合性液晶組成物中に、他の重合性化合物を加えてもよい。高い液晶性、耐熱性、および製造の容易さの観点から、このような重合性化合物として、化合物(2M−1−1)から(2M−1−18)、化合物(2M−2−1)から(2M−2−30)および化合物(2M−3−1)から(2M−3−8)が、好ましい。
Figure 2018095847
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式(2M−1−1)〜(2M−1−18)、式(2M−2−1)〜(2M−2−30)および式(2M−3−1)〜(2M−3−8)において、Rは、独立して、水素またはメチルであり、aは独立して1〜12の整数である。
化合物(2M−1−1)から(2M−1−18)は、単官能化合物であって重合性液晶化合物であるものである。
重合性液晶組成物中の、単官能化合物であって重合性液晶化合物あるものの添加量の増加は、該重合性液晶組成物のチルト角を上昇させる。重合性液晶組成物中の単官能化合物であって重合性液晶化合物あるもの添加量の増加は、該重合性液晶組成物のホメオトロピック配向に誘導させる。
化合物(2M−2−1)〜(2M−2−30)は、2官能化合物であって重合性液晶化合物であるものである。
重合性液晶組成物中の2官能化合物であって重合性液晶化合物であるものの添加によって、重合性液晶組成物から作製した重合膜は、三次元構造となる。三次元構造の液晶重合膜の機械的強度若しくは耐薬品性又はその両方を向上させる。
基材つき液晶重合膜のコントラストの向上、該組成物中の他の液晶性化合物との相溶性、該組成物との溶解性の観点から、重合性液晶組成物中の化合物(2M−1−1)から(2M−3−8)の合計は、50重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましい。
式(1)の繰り返し単位を含むポリアミック酸を含む原料を重合して作成した配向膜に、偏光露光またはラビング等の配向処理を行い、該配向膜上に一般式(2)で表される重合性液晶を直接積層すると、液晶重合膜が均一に配向する。側鎖を有しないまたは側鎖が短い、液晶重合膜は、チルト配向およびホモジニアス配向を誘導する。液晶重合膜の側鎖に長鎖のアルキル基や連結した脂環構造等を導入し、式(1)の繰り返し単位で表されるポリアミック酸を用いて作成した該配向膜の表面自由エネルギーを低下させることで、重合性液晶のホメオトロピック配向が誘導されやすくなる。
ビスフェノール構造又はカルド構造を有する非液晶性重合性化合物の重合性液晶組成物への添加は、重合体の硬化度の向上及び液晶重合体のホメオトロピック配向を誘導する。化合物(α−1)〜(α−3)などがカルド構造を有する非液晶性重合性化合物である。
Figure 2018095847
式(α−1)〜(α−3)において、Rαは独立して水素またはメチルであり、sは独立して0〜4の整数である。
ホメオトロピック配向を誘導し、かつ、液晶性低下を抑制するため、上記垂直配向を誘起する添加剤の含有量として、組成物の固形分に対し、重量比で0.005以上0.1以下であることが好ましい。
≪重合性液晶組成物への添加物≫
本発明の重合性液晶組成物に1種類以上の添加物を添加してもよい。
重合性液晶組成物への界面活性剤の添加は、液晶重合膜の平滑性を向上させる。重合性液晶組成物への非イオン性界面活性剤の添加は、液晶重合膜の平滑性をより向上させる。非イオン性界面活性剤は、液晶重合膜の空気界面側のチルト配向を抑制する効果がある。シリコーン系非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、ビニル系非イオン性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界面活性剤などが、非イオン性界面活性剤である。
液晶重合膜表面の機械的強度および耐薬品性を向上させるため、重合性液晶組成物への重合性化合物である界面活性剤の添加が好ましく、紫外線で重合反応を開始する界面活性剤がさらに好ましい。
液晶重合膜が均一な配向になりやすいため、および、重合性液晶組成物の塗布性が向上するため、重合性液晶組成物中の界面活性剤は、重合性液晶組成物全量に対して、0.0001〜0.5重量%が好ましく、0.01〜0.2重量%がより好ましい。
界面活性剤は、イオン性界面活性剤および非イオン性界面活性剤に分類される。
シリコーン系非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、ビニル系非イオン性界面活性剤などが非イオン性界面活性剤である。
チタネート系化合物、イミダゾリン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンオキサイド、ポリアミン誘導体、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物、ポリエチレングリコール、およびそのエステル、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸アミン類、アルキル置換芳香族スルホン酸塩、アルキルリン酸塩、脂肪族、または芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、ラウリルアミドプロピルベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸塩などが、イオン性界面活性剤である。
シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーであって、側鎖および/または末端にポリエーテルや長鎖アルキルなどの有機基を導入した化合物などがシリコーン系非イオン性界面活性剤である。
炭素数2〜7のパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルケニル基を有する化合物などがフッ素系非イオン界面活性剤である。
重量平均分子量が1000〜1000000の(メタ)アクリル系高分子などが、ビニル系非イオン性界面活性剤である。
液晶重合体膜の原料である重合性液晶組成物への、重合性官能基を有する界面活性剤の添加は、液晶重合膜の表面硬度を向上する。
本発明の重合性液晶組成物は、非液晶性重合性化合物を含んでもよい。液晶相を維持するため、当該重合性液晶組成物中の非液晶性重合性化合物の合計重量は、重合性液晶組成物中の重合性化合物の合計重量の5分の1以下であることが好ましい。
重合性液晶組成物への多官能化合物の添加により、液晶重合膜類の機械的強度の強化若しくは耐薬品性の向上、又はその両方が期待できる。
非液晶性重合性化合物はビニル系重合性官能基を1つまたは2つ以上有する化合物が典型的である。
重合性液晶組成物への側鎖および/または末端に水素供与基を有する非液晶性重合性化合物の添加により、該重合性液晶組成物と基材との密着性が向上する。
スチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、脂肪酸ビニル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、アルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アミノアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル、エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、重合度2〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル、またはジ(メタ)アクリル酸エステル若しくは末端が炭素数1〜6のアルキルによってキャップされた重合度2〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルなどが、単官能化合物である非液晶性重合性化合物である。酢酸ビニルなどが「肪肪酸ビニル」である。アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などが、「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸」である。メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステルなどが、「エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル」である。
1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレートおよびポリエチレングリコールジアクリレートなど、並びに、これらの化合物のメタクリレート化合物などが、2官能化合物である非液晶性重合性化合物である。
ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリストールトリメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールEO付加トリメタアクリレート、トリスメタアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリメタアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレートなどが、2官能化合物ではない多官能化合物の非液晶性重合性化合である。重合性液晶組成物へのビスフェノール構造又はカルド構造を有する重合性化合物の添加は、重合体の硬化度の向上および液晶重合膜のホメオトロピック配向を誘導する。
重合開始剤の添加は、重合性液晶組成物の重合速度を最適化する。光ラジカル開始剤などが、重合開始剤である。
1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などが、光ラジカル開始剤である。
液晶重合膜類のコントラスト、べたつき防止、および、レターデーションの経時変化防止の観点から、重合性液晶組成物中の光ラジカル重合開始剤の総含有重量は、重合性液晶組成物全量に対して、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜4重量%がより好ましく、0.5〜4重量%が更に好ましい。
光ラジカル重合開始剤とともに増感剤を重合性液晶組成物に添加してもよい。イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチル−4ジメチルアミノベンゾエート、および2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエートなどが増感剤である。
重合性液晶組成物への連鎖移動剤の添加により、重合性液晶化合物の反応率および液晶重合膜中の重合体の鎖の長さが調整できる。
該連鎖移動剤の量の増加により、重合性液晶化合物の反応率は低下する。該連鎖移動剤の量の増加により、該重合体の鎖の長さは減少する。
チオール誘導体およびスチレンダイマー誘導体などが、連鎖移動剤である。
単官能化合物であるチオール誘導体および多官能化合物であるチオール誘導体が、チオール誘導体である。
ドデカンチオール、2−エチルへキシル−(3−メルカプト)プロピオネートなどが、単官能化合物であるチオール誘導体である。トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオンなどが、多官能化合物であるチオール誘導体である。
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−1−ブテンなどが、スチレンダイマー系連鎖移動剤である。
重合性液晶組成物への重合防止剤の添加は、重合性液晶組成物の保存時の重合開始を防止する。フェノール誘導体、フェノチアジン誘導体、ニトロソ基を有する化合物およびベンゾチアジン誘導体などが、重合防止剤である。2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、o−ヒドロキシベンゾフェノン、メチレンブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジドなどが、フェノール誘導体である重合防止剤である。フェノチアジン、メチレンブルーなどが、フェノチアジン誘導体である重合防止剤である。N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリンなどが、典型低的なニトロソ基を有する化合物である重合防止剤である。
重合性液晶組成物への重合阻害剤の添加は、重合性液晶組成物中のラジカルの発生による重合性液晶組成物中の重合反応を抑制する。重合阻害剤の添加は、重合性液晶組成物の保存性を向上させる。
(a)フェノール系酸化防止剤、(b)イオウ系酸化防止剤、(c)リン酸系酸化防止剤、(d)ヒンダードアミン系酸化防止剤などが、重合阻害剤である。重合性液晶組成物との相溶性や液晶重合膜類の透明性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。相溶性の観点から、水酸基のオルト位にt−ブチル基を有するフェノール系酸化防止剤が好ましい。
重合性液晶組成物への紫外線吸収剤の添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物への光安定剤の添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物への酸化防止剤の添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
重合性液晶組成物へのシランカップリング剤の添加は、基材と液晶重合膜との間の密着性を改善する。
塗布を容易にするため、重合性液晶組成物に、溶剤を添加することが好ましい。
エステル、アミド系化合物、アルコール、エーテル、グリコールモノアルキルエーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ケトン、アセテート系溶剤などが溶剤の成分となる。
該アミド系化合物とは、アミド基を有する化合物であって溶剤の成分となるものを指す。アセテート系溶剤とは、アセテート構造を有する化合物であって溶剤の成分となるものを指す。
酢酸アルキル、トリフルオロ酢酸エチル、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル、マロン酸ジアルキル、グリコール酸アルキル、乳酸アルキル、モノアセチン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが、エステルである。
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチルなどが、「酢酸アルキル」である。プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどが、「プロピオン酸アルキル」である。酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸プロピルなどが「酪酸アルキル」である。マロン酸ジエチルなどが「マロン酸ジアルキルである。グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが、「グリコール酸アルキル」である。乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n-プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシルなどが、「乳酸アルキル」である。
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール、N−メチルカプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノンなどが、アミド系化合物である。
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、1−ドデカノール、エチルヘキサノール、3、5、5−トリメチルヘキサノール、n−アミルアルコール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどが、アルコールである。
エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(2−プロピル)エーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどが、エーテルである。
エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどが、グリコールモノアルキルエーテルである。
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどが、エチレングリコールモノアルキルエーテルである。ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルである。プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが、プロピレングリコールモノアルキルエーテルである。ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルである。エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートである。ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテートである。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートである。ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートである。
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、テトラリンなどが、該芳香族炭化水素である。
クロロベンゼンなどが、ハロゲン化芳香族炭化水素である。ヘキサン、ヘプタンなどが、脂肪族炭化水素である。クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが、ハロゲン化脂肪族炭化水素である。シクロヘキサン、デカリンなどが、脂環式炭化水素である。
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルプロピルケトンなどが、ケトンである。
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテートなどが、アセテート系溶剤である。
重合性液晶化合物との相溶性の観点から、重合性液晶組成物中の溶剤は、重合性液晶組成物全量に対して、30〜96重量%が好ましく、50〜90重量%がより好ましく、60〜80重量%が更に好ましい。
本発明の重合性液晶組成物は光学活性を有する化合物を含有してもよい。液晶組成物への光学活性を有する化合物の添加は、液晶重合膜をツイスト配向に誘導させる。液晶重合膜は、300〜2000nmの波長領域における選択反射フィルムおよびネガティブ型Cプレートとして使用できる。
光学活性を有する化合物として、不斉炭素を有する化合物、ビナフチル構造およびヘリセン構造などを有する軸不斉化合物並びにシクロファン構造などを有する面不斉化合物などが挙げられる。ツイスト配向の螺旋ピッチを固定化する観点から、この場合の光学活性を有する化合物は、重合性化合物であることが好ましい。
本発明の液晶重合膜は二色性色素を含有してもよい。二色性色素と複合化した液晶重合膜類は、吸収型偏光板として使用することができる。
≪基材≫
基材の材質として、ガラス、プラスチック、金属などが挙げられる。該ガラスや金属は表面にスリット状の加工を施しても良い。該プラスチックは、延伸処理並びに親水化処理および疎水化処理などの表面処理を施しても良い。
≪液晶重合膜の作成≫
<配向膜の作成>
以下の手順(I)または手順(II)によって、基材上に配向膜を形成できる。
手順(I)
手順(I−1)
式(1)の繰り返し単位で表されるポリアミック酸を含有する溶液を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を形成させ、
手順(I−2)
手順(I−1)で形成させたポリアミック酸から成る塗膜を、イミド化する温度以上で焼成し、イミド化した塗膜を形成させ、続けて、
手順(I−3)
手順(I−2)で形成させたイミド化した塗膜に対し、配向処理を施し、異方性を付与し、基材上に配向膜を形成させる;
手順(II)
手順(II−1)
式(1)の繰り返し単位で表されるポリアミック酸を含有する溶液を、基材上に塗布し、乾燥させて塗膜を形成させ、
手順(II−2)
手順(II−1)で形成させたポリアミック酸から成る塗膜に対し、配向処理を施し、異方性を付与し、続けて、
手順(II−3)
手順(II−2)のポリアミック酸から成る塗膜を、イミド化する温度以上で焼成し、イミド化した塗膜を形成させ、基材上に配向膜を形成させる。
この時膜厚及びその均一性の観点から、液晶重合膜の形成において、オフセット印刷法およびインクジェット印刷法が好ましい。基材上の溶液の溶媒を除去するために、手順(I−1)から(I−2)いずれかの段階において、ホットプレート、乾燥炉、および加温した風の吹き付けそのほかの熱処理を同時に行うことが好ましい。
配向の処理が容易なため、手順(I−3)または手順(II−2)では、光配向法およびラビング法を用いることが好ましい。
液晶重合膜類のコントラスト向上のため、手順(I−3)または手順(II−2)では、光配向法を用いる事がより好ましい。
低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、ショートアーク放電ランプなどが、光配向処理に利用できる。殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライトなどが、該低圧水銀ランプである。高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが、該高圧放電ランプである。超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプなどが、該ショートアーク放電ランプである。少ない露光量で配向膜を形成できるため、手順(I−3)または手順(II−3)では、直線偏光を使用することが好ましい。液晶表示装置のバックライトや可視光線による配向膜の損壊を防ぐため、塗膜の原料であるポリアミック酸として、400nm以上で光吸収波長を有しないものであることが好ましい。
<基材つき液晶重合膜の作成>
以下の手順で、基材つき液晶重合膜を形成できる。
手順(III−1)
式(2)で表される重合性液晶化合物を含有する溶液を、基材上の配向膜に塗布し、乾燥させて塗膜を形成させ、
手順(III−2)
塗膜が、液晶相を呈する温度にして、
手順(III−3)
塗膜に対して露光し、基材つき液晶重合膜を作成する。
液晶重合膜と基材との密着性の向上の観点から、手順(III−3)の後に、基材つき液晶重合膜を加熱することが好ましい。この加熱処理の温度は、基材つき液晶重合膜に求められる、耐久温度以下である。
手順(III−1)において、この時膜厚およびその均一性の観点から、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法およびダイコート法による塗布が、好ましい。
LCDにおいて、液晶重合膜は、加熱による位相差の低下が少なく、ネマチック液晶への不純物の溶出が少ないため、インセル用として使用できる。
偏光板を基材として、基材つき液晶重合膜を作成することで、光学補償などの機能を有する偏光板が製造できる。偏光板に、1/4波長の液晶重合膜を形成すれば、円偏光板である基材つき液晶重合膜が製造できる。ヨウ素又は二色性色素をドープした吸収型の偏光板、及びワイヤーグリッド偏光板等の反射型偏光板が、該偏光板となりうる。
本発明は公開した実施例のみに制限されない。
本発明の実施例において、室温とは、25℃である。
本発明の実施例において、化合物(DA−1)から化合物(DA−9)は、以下の式で表される化合物である。
Figure 2018095847
(DA−1)
Figure 2018095847
(DA−2)
Figure 2018095847
(DA−3)
Figure 2018095847
(DA−4)
Figure 2018095847
(DA−5)
Figure 2018095847
(DA−6)
Figure 2018095847
(DA−7)
Figure 2018095847
(DA−8)
Figure 2018095847
(DA−9)
化合物(DA−1)、化合物(DA−5)、化合物(DA−7)、化合物(DA−8)および化合物(DA−9)は市販品を使用した。化合物(DA−2)、化合物(DA−3)、化合物(DA−4)、化合物(DA−6)は、それぞれ、特許公報5929298号、特開2015−020999号、特許公報5643985号、WO2013/039168号に従い合成した。
本発明の実施例において、化合物(AA−1)から化合物(AA−4)および化合物(AE−1)は、以下の式で表される化合物である。
Figure 2018095847
(AA−1)
Figure 2018095847
(AA−2)
Figure 2018095847
(AA−3)
Figure 2018095847
(AA−4)
Figure 2018095847
(AE−1)
化合物(AA−2)および化合物(AA−3)は市販品を使用した。化合物(AA−1)、化合物(AA−4)は、特許公報5407394に従い合成した。、化合物(AE-1)は、WO2013/039168号に従い合成した。
化合物(DA−1)から化合物(DA−9)および化合物(AA−1)から化合物(AA−4)および化合物(AE−1)は、式(1)の繰り返し単位で表されるポリアミック酸の原料となる。
本発明の実施例において、「Irg−907」は、BASFジャパン(株)製のイルガキュアー(商標)907である。
本発明の実施例において、「NCI−930」は、(株)ADEKA製のアデカクルーズ(商標)NCI−930である。
本発明の実施例において、「FTX−218」は、(株)ネオス製のフタージェント(商標)FTX−218である。
本発明の実施例において、「TEGOFlow370」は、エボニック・ジャパン(株)製のTEGOFlow(商標)370である。
本発明の実施例において、「BOC」とは、官能基である−CO−C(CHを意味する。
本発明の実施例において、「NMP」とは、1−メチル−2−ピロリドンである。
本発明の実施例において、「BC」とは、エチレングリコール=モノブチル=エーテルである。
本発明の実施例において、「GBL」とは、γ-ブチロラクトンである。
本発明の実施例において、「IPA」とは、2−プロパノールである。
本発明の実施例において、ガラス基材は、コーニング社製のEagleXGである。
本発明の実施例において、「DMAP」とは、N,N−ジメチル−4−アミノピリジンである。
本発明の実施例において、「DCC」とは、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド である。
本発明の実施例において、「THF」とは、テトラヒドロフランである。
<重合性液晶組成物>
本発明の実施例において、重合性液晶組成物に用いた化合物の構造を以下に示す。これらの化合物はそれぞれ、化合物の構造の後ろに記載した文献に従い、合成した。
Figure 2018095847
(2−1−3−1)
特願2016−211212号
Figure 2018095847
(2−1−8−1)
WO2015−147243
Figure 2018095847
(2−1−9−1)
特開2008−239567号
Figure 2018095847
(2−1−11−1)
特願2016−211212号
Figure 2018095847
(2−1−17−1)
特願2016−156553号
Figure 2018095847
(2−1−18−1)
特願2016−156553号
Figure 2018095847
(2-1-19-1)
特願2016−156553号
Figure 2018095847
(2−1−35−1)
特願2016−211212号
Figure 2018095847
(2−2−1−1)
特願2016−171066号
Figure 2018095847
(2−4−1−1)
特許5453798号公報
Figure 2018095847
(2−5−4−1)
特願2015−040509号
Figure 2018095847
(2−6−4−1)
特開2009−242718号公報
Figure 2018095847
(2−−5−1)
WO2016−114211号公報
Figure 2018095847
(2−8−2−1)
特願2015−248226号
Figure 2018095847
(2−9−2−1)
特願2016−137262号
本発明の実施例において、「標準ポリスチレン」は東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンである。
本発明の実施例において、「GPC」は、Waters製の2695セパレーションモジュールおよびWaters製の2414示差屈折計からなるシステムである。
本発明の実施例において、「粘度計」は、東機産業社製、TV−22である。
本発明の実施例において、「光学膜厚測定システム」は、有限会社テクノ・シナジー製のDF−1030Rである。
本発明の実施例において、「段差計」は、KLA TENCOR(株)製のアルファステップIQである。
本発明の実施例において、「フーリエ変換赤外分光光度計」は、日本分光社製のFT/IR−610である。
本発明の実施例において、「光配向光源装置」は、ウシオ電機(株)製の型番APL−L01212S1−ASN01である。
本発明の実施例において、「超高圧水銀灯」は、出力が250Wである、ウシオ電機(株)製のマルチライト−250である。
本発明の実施例において、「偏光解析装置」は、シンテック(株)製のOPIPRO偏光解析装置である。
本発明の実施例において、「輝度計」は、YOKOGAWA 3298Fである。
<ポリアミック酸の分子量の測定>
重量平均分子量は、GPCにより、標準ポリスチレンと比較して測定した。カラムは、Waters製のHSPgel RT MB−Mを使用した。
分析対象物をリン酸−DMF混合溶液に2重量%になるように溶解させた物を、カラム温度50℃、流速0.40ml/minの条件のGPCで展開した。該リン酸−DMF混合溶液の重量比は0.6/100であった。該展開剤は、該リン酸−DMF混合溶液であった。
<ポリアミック酸の粘度の測定>
粘度は、装置のマニュアルに従い、対象物が25℃の状態で、粘度計で、測定した。
<膜厚測定>
配向膜の膜厚は、光学膜厚測定システムで計測した。
ガラス基材を有する、液晶重合膜の膜厚は、以下の手順で計測した。
(1)液晶重合膜を有するガラス基材から、液晶重合膜を削り出し、
(2)液晶重合膜を有する部分と液晶重合膜を除いた部分の段差を計測し、
(3)その計測値を膜厚とした。
本発明の実施例において、液晶重合膜の部分の段差は、段差計で計測した。
<配向膜のイミド化率測定>
イミド化率は、以下の手順で求めた。
(1−1)基材から削り取った配向膜から、KBr錠剤を作成し、サンプルと名づけ、
(1−2)手順(1−1)と同様の方法で作成したサンプルを、280℃で、30分間焼成し、コントロールと名づけ、
(2−1)サンプルの1500cm−1付近のポリイミドの芳香環の吸収ピークの面積に対する、サンプルの1780cm−1付近のイミド基に由来する吸収ピークの面積比を、フーリエ変換赤外分光光度計で測定し、「サンプルの吸収ピークの面積比」と名づけ、
(2−2)手順(2−1)と同様の方法で、サンプルの代わりにコントロールの吸収ピークの面積比を測定し、「コントロールの吸収ピークの面積比」と名づけ、
(3)「サンプルの吸収ピークの面積比」/「コントロールの吸収ピークの面積比」*100で算出した値を、配向膜のイミド化率とした。ただしイミド化率の単位は、「%」とする。
<露光条件>
配向膜作成のための露光は、光配向光源装置で行った。
液晶重合膜作成のための露光は、超高圧水銀灯で行った。
<配向欠陥の有無の確認>
配向欠陥の有無は、基材つき液晶重合膜をクロスニコルに配置した2枚の偏光板の間に挟持し判定した。該基材を水平面内で回転させ、明暗の状態を目視で確認した。暗状態にて光が抜けて見える箇所がなく、かつ、明状態および暗状態を共に確認できるとき、「配向欠陥がなかった」とした。
<ホモジニアス配向の確認>
偏光解析装置を用いて、基材つき液晶重合膜の表面に対する光の入射角を−50°から50°まで5°刻みで変えて、レターデーションを計測した。ここで光の入射角の傾き方向は液晶重合膜の遅相軸と同じである。以下の両方の条件を満たすときは、液晶重合膜がホモジニアス配向であるとみなした。
(a)液晶重合膜の入射角に対するレターデーションが上に凸である場合、かつ
(b)それぞれの、入射角の絶対値(absolute value)が同じときのReの計測値の差が、5%以内である場合。
<レターデーションの測定>
液晶重合膜のレターデーションを、偏光解析装置で、表面に対する光の入射角を90°から減少させながら計測した。表中のレターデーションは測定波長550nmでの値である。
<複屈折率Δnの評価>
複屈折率Δnを、液晶重合膜のレターデーション/液晶重合膜の膜厚で、算出した。
<波長分散>
測定波長550nmに対する、測定波長450nmのレターデーション比を示した。
<クロスニコル状態での輝度およびパラレルニコル状態での輝度の計測>
クロスニコル状態での輝度およびパラレルニコル状態での輝度は、基材つき液晶重合膜を、偏光顕微鏡の2枚の偏光板の間に挟持し、輝度計を用いて計測した。クロスニコル状態で該基材を水平に回転させ、最小となる輝度を「クロスニコル状態での輝度」とみなした。パラレルニコル状態で該基材を水平面内で回転させ、最大となる輝度を「パラレルニコル状態での輝度」とみなした。
<密着性試験>
旧JIS K5400 「塗料一般試験方法」に従い、基材つき液晶重合膜の密着性試験を行った。本明細書の実施例において、枡数は、該試験法で試行した100枡中において、剥がれが発生しなかった枡の数である。
<ポリアミック酸溶液の調製>
[実施例1]
特開2012−193167に記載の方法と同様にして、温度計、攪拌機、原料投入口および窒素ガス導入口を備えた100mlの四つ口フラスコに、0.6605gの化合物(DA−1)、0.5328gの化合物(DA−2)および17.4mlのNMPを入れ、窒素気流下で攪拌し溶解させた。次いで1.8067gの化合物(AA−1)および10mlのNMPを入れ、室温で24時間攪拌した。得られた溶液に、20.8mlのBCを加え、ワニス溶液と名づけた。該ワニス溶液を、75℃で4時間撹拌し、ポリアミック酸溶液(PA−1)と名づけた。ポリアミック酸溶液(PA−1)の、ポリマー固形分の濃度は、6重量%であった。ポリアミック酸溶液(PA−1)の粘度は、11.3mPa・sであった。ポリアミック酸溶液(PA−1)の重量平均分子量は、23,000であった。
[実施例2]
ポリアミック酸溶液(PA−1)の作成において、化合物(DA−1)および化合物(DA−2)および/または酸二無水物(AA−1)を、表1に記載の、ジアミンおよび酸二無水物に置き換えポリマー固形分濃度が6重量%のポリアミック酸溶液(PA−2)から(PA−8)およびポリアミック酸溶液(PA−I)から(PA−II)を調製した。ポリアミック酸溶液(PA−1)からポリアミック酸溶液(PA−8)中のポリアミック酸が、本発明の式(1)で表されるポリアミック酸である。
Figure 2018095847
<ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)の調製>
[実施例3]
国際公開第2013/039168号に記載の合成例7および合成例8の方法と同様にして、100mlの四つ口フラスコに2.80gの化合物(DA−8)、1.45gの化合物(DA−6)、6.18gのピリジン および110mlのNMP を入れた。この四つ口フラスコを氷浴上に移し、この四つ口フラスコに、9.89gの化合物(AE−1) をゆっくり加え、室温で一晩撹拌した。その後0.38gのアクリロイルクロリド を加え、室温で5時間反応させた。その後、得られた溶液を1.2Lの純水中に加え、析出した白色沈殿をろ過し、1.2LのIPAで3回洗浄し、最後に真空乾燥させた。得られたポリアミック酸エステルは、9.5g (収率77%)であった。またこのポリマーのGPCで測定した重量平均分子量は、32,000であった。
1.00gの該ポリアミック酸エステルに、19.0gのGBLを加え、室温で30分撹拌し、溶解させた。この溶液に0.35gのN−α−(9−フルオレニルメトキシカルボニル)−N−τ−t−ブトキシカルボニルL-ヒスチジン 、および5.0gのBCを加え、約5.6重量%の溶液を得て、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)と名づけた。
<重合性液晶組成物の調製>
[実施例4]
重合性液晶組成物(LC−1)を以下の方法で作成した。
0.2040gの化合物(2−1−3−1)および0.3060gの化合物(2−1−19−1)を2.49gのシクロヘキサノンに溶解させ、0.0306gのIrg−907および0.0153gのTEGOFlow370を更に加えて、溶解させた。
重合性液晶組成物(LC−1)の作成において、対応する化合物とその量を、表2に記載のとおりに変更することで、重合性液晶組成物(LC−2)から重合性液晶組成物(LC−17)を調製した。ただし、重合性液晶組成物中の重合性液晶化合物の合計は17重量%になるように、シクロヘキサンの量を調節した。
Figure 2018095847

<光配向膜の作成>
[実施例5]
光配向膜のついた基材を次の手順で作成した。
(1)表3の溶液を作成し、
(2)その混合液にNMPを加えて、ポリマー固形分濃度が4重量%のポリアミック酸のブレンド溶液を得、
(3)該ブレンド溶液を、ガラス基材に、2000rpmで、スピンコートし、
(4)該ガラス基材を、80℃のホットプレート上に置いて、該ブレンド溶液の溶媒を、1分間を蒸発させ、塗膜を作成し、
(5)該塗膜に、室温で、塗布面に対して90度の方向から、365nmの波長の直線偏光を2J/cmのエネルギーで照射した。
(6)その後220℃に設定したオーブン中で、30分間焼成し、光配向膜を得た。
Figure 2018095847
またポリアミック酸溶液(PA−6)を用いた基材(AF−6)は、以下の手順で作成した。ポリアミック酸溶液(PA−6)にNMPを加え、ポリマー固形分濃度が4重量%のポリアミック酸を得た。上記溶液を、回転数2000rpmで、ガラス基材にスピンコートし、80℃のホットプレート上で1分間溶剤を蒸発させ、その後220℃のオーブン中で、10分間焼成し、塗膜を作成した。上記塗膜に、塗布面に対して90度の方向から、254nmの波長の直線偏光を照射した。この時の照射エネルギーは、5.0J/cmであった。)その後乳酸エチル溶液に室温で3分間浸漬させたのち、IPAで1分間リンスし、80℃のオーブンで10分間乾燥させ、基材(AF−6)を得た。
さらに、ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を用いた基材(AF−7)は、以下の手順で作成した。ポリアミック酸エステル溶液(PAE−1)を、回転数2500rpmで、ガラス基材にスピンコートし、80℃のホットプレート上で1分間溶剤を蒸発させ、その後220℃のオーブン中で、10分間焼成し、塗膜を作成した。上記塗膜に、塗布面に対して90度の方向から、254nmの波長の直線偏光を照射した。この時の照射エネルギーは、1.0J/cmであった。)その後乳酸エチル溶液に室温で3分間浸漬させたのち、IPAで1分間リンスし、80℃のオーブンで10分間乾燥させ、基材(AF−7)を得た。
<基材つき液晶重合膜の作製>
[実施例6]
基材つき液晶重合膜を以下の手順で作成した。
(1)表4に記載の基材に、表5に記載の重合性液晶組成物を、1000rpmで、スピンコートにより塗布し、膜を作成し、
(2)該膜を80℃で3分間ホットプレートにより加熱し、室温で3分間冷却し、
(3)該膜に、室温、窒素気流中で、塗布面に対して90度の方向から、該膜への露光量が1.0J/cmになるまでに照射し、表4の基材つき液晶重合膜を得た。ウシオ電機社製のUVD−S365による計測によると、この時の紫外線の照度は、30mW/cmであった。
(4)その後220℃で30分間焼成し、表5に記載の基材つき液晶重合膜の名称を名づけた。
基材つき液晶重合膜(RF−1)から(RF−28)の作成における手順(3)の終了時点で、これらの基材つき液晶重合膜は、配向欠陥がなく、かつ、均一なホモジニアス配向であった。
基材つき液晶重合膜(RF−1)から(RF−28)の作成における手順(4)の終了時点で、これらの基材つき液晶重合膜は、配向欠陥がなく、かつ、均一なホモジニアス配向であった。
基材つき液晶重合膜(RF−1)の作成における該手順(3)の終了時点の、該基材つき液晶重合膜を、基材つき液晶重合膜(RF−1b)と名づけた。
Figure 2018095847
<基材つき液晶重合膜の光学特性および密着性>
[実施例7]
基材つき液晶重合膜の、レターデーション、Δn、コントラスト、波長分散、および枡数を表5に記載した。
Figure 2018095847
表5において、「−」は、データ不足または未計測のため、数値が得られていないことを示す。
表5に示すように、本発明の重合性組成物を原料とした基材つき液晶重合膜は、コントラストが高い。
<光配向膜のイミド化率>
[実施例8]
光配向膜のついた基材の作成方法において、表6に記載の溶液、光線および露光量の条件で、光配向膜のついた基材を作成し、表6に記載の基材の名称を名づけた。それぞれの基材の配向膜のイミド化率を計測し、表6に記載した。
Figure 2018095847
表5に記載の枡数から、配向膜中に含まれるプロトン供与基の含有量が、繰り返し単位に対して0.1以上の場合、密着性が高いことがわかった。
表5に記載の実験結果にかかるプロトン供与基は、ヒドロキシル基やアミノ基である。
[比較例1]
ポリアミック酸溶液(PA-1)およびポリアミック酸溶液(PA-I)を用い、光配向膜の作成条件における焼成温度を100℃にした以外は、実施例3に従い、光配向膜(AF−1/I−2)を作成した。この光配向膜上に、実施例4に従い重合性液晶組成物(LC−1)を製膜し、液晶重合体(RF−1−2)を得た。
次に、上記光配向膜(AF−1/I−2)の液晶重合体(LC−1の重合物)に接する成分(AF−1−2)のイミド化率を実施例7と同様に測定した結果、0%であった。
この液晶重合膜類の特性を表7に示す。
Figure 2018095847
イミド化率が低く、上記式(1)の繰り返し単位で表されるポリアミック酸を用いて作成した、配向膜中に含まれるカルボキシル基の含有量が、繰り返し単位に対して2以上の場合、コントラストが顕著に低下する。
[比較例2]
<比較化合物(Ref.1)の合成>
Figure 2018095847
(Ref.1)
Figure 2018095847
(2M−21−1−1)
化合物(IM−1)を特許5453798号公報に記載されている方法で合成した。化合物(IM−2)を特開2016−047813号の実施例5に記載されている方法で合成した。5.0g(21mmol)の化合物(IM−1)、14.5g(45.2mmol)の化合物(IM−2)および0.25g(2.0mmol)のDMAPを、80mlのジクロロメタンに加え、窒素雰囲気下で冷却しながら撹拌した。そこへ、10.2g(49.4mmol)のDCCを溶解させた20mlのジクロロメタン溶液を滴下した。滴下後、室温で一晩撹拌した。析出した沈殿物をろ別し、有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下でジクロロメタンを留去し、残査をカラムクロマトグラフィーで精製し、メタノールで再結晶することにより、12.5gの化合物(Ref.1)を得た。ここで、カラムクロマトグラフィーの充填材はシリカゲルである。ここで、溶離液はトルエン−酢酸エチル混合物v/v=10/1である。化合物(Ref.1)は、融点81.7 ℃であった。
Figure 2018095847
<重合性液晶組成物の調製>
0.2550gの化合物(Ref.1)および0.2550gの化合物(2M−21−1−1)を2.49gのシクロヘキサノンに溶解させ、0.0306gのIrg−907および0.0153gのTEGOFlow370を更に加えて、溶解させ、重合性液晶組成物(RefLC−1)を得た。
<基材つき液晶重合膜の作成および該重合膜の特性>
実施例5と同様な方法で、重合性液晶組成物(RefLC−1)および基材(AF−4/II)を用い、基材つき液晶重合膜を作成した。この重合膜の特性を表8に示した。
Figure 2018095847

Claims (12)

  1. 式(1)の繰り返し単位で表されるポリマーを含む組成物を焼成して作成した配向膜上に、式(2)で表される化合物を含む重合性液晶組成物を塗布し、続けて、該重合性液晶組成物を重合させて作成した、液晶重合膜類。
    Figure 2018095847
    (式(1)中、Rは独立して4価の基であり、Rは独立して2価の官能基であり、Rは独立して水素原子または1価の基である。)
    Figure 2018095847
    (式(2)中、Rは脂環および/または芳香環を5つ以上9つ以下組合わせた2価の基を表し、SPおよびSPはスペーサー基を表し、PGおよびPGはアルキル基、アルコキシル基、シアノ基、フッ素または重合可能な官能基であり、どちらか一方は重合可能な官能基である。)
  2. 該配向膜中に含まれるヒドロキシル基、アミノ基、またはカルボキシル基の含有量が、式(1)の繰り返し単位に対して0.1以上2未満である、請求項1の液晶重合膜類。
  3. 該重合性液晶組成物を重合させた後、140℃以上に焼成して作成した、請求項1の液晶重合膜類。
  4. 該配向膜が光配向膜である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の液晶重合膜類。
  5. 該光配向膜中の感光性基が、アゾベンゼン構造、シクロブタン構造、桂皮酸構造、カルコン構造、またはクマリン誘導体構造である、請求項4に記載の液晶重合膜類。
  6. ポジティブAプレートの特性を有する、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液晶重合膜類
  7. 式(1)におけるRが式(1−A)から式(1−D)のいずれかで表される請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶重合膜類。
    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847
  8. 式(1)におけるRが式(1−F)から式(1−N)のいずれかで表される基である請求項7に記載の液晶重合膜類
    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847

    Figure 2018095847
  9. 式(2‐A)で表される化合物を含む請求項8に記載の液晶重合膜類
    Figure 2018095847
    (式(2−A)中、R4Aは独立して以下の式(2−A−a)から式(2−A−o)で表される基であり、
    Figure 2018095847
    (式(2−A−a)〜式(2−A−o)中、
    *はSP1AまたはSP2Aへの結合位置を示し、
    Arは、炭素数14までの芳香族基または芳香族が共役した基であり、
    50は、−NH−、−O−または−S−であり、
    51は、=CH−または=N−であり、
    50は、単結合または−CH=CH−であり、
    51は、−CO511または−CNであり、
    511は、炭素数10以下のアルキル基を表し、このアルキル基中の1つのメチレンまたはメチル基の水素は(メタ)アクリルオキシ基で置換されていてもよく、
    52は、水素原子、炭素数10以下のアルキル基を表し、このアルキル基中の1つのメチレンまたはメチル基の水素は(メタ)アクリルオキシ基で置換されていてもよく、
    53は、独立して、水素原子、炭素数5以下のアルキル基、または炭素数10までの芳香族基であり、
    54は、炭素数5以下のアルキル基を表し、2つのR54が結合して環構造となってもよく、
    これら式(2−A−a)〜式(2−A−o)において
    一つの水素は、炭素数1から5のアルキル基(ただし、該アルキル基の任意の−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、任意の−CH−CH−は、−CH=CH−で置換してもよく、該アルキル基中の水素は、ハロゲン基に置き換えてもいい。)またはハロゲン基に置き換えてもよく、
    SP1AおよびSP2Aは、独立して、単結合、炭素数2から4のアルキレンであって、アルキレンの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、
    SP1AおよびSP2Aは、独立して、単結合、炭素数2から4のアルキレンであって、アルキレンの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、
    SP1AおよびSP2Aは、独立して、単結合、炭素数2から4のアルキレンであって、アルキレンの−CH−は、−O−、−CO−、または−COO−に置き換えてもよく、
    PG1Aは、式(2−B)で表される官能基であり、
    Figure 2018095847
    (式(2−B)中、
    は単結合、−O−、−COO−、−OCO−、または−OCOO−であり、
    は単結合または炭素数1〜20のアルキレンであり、該アルキレンにおいて少なくとも一つの−CH−は−O−、−COO−、または−OCO−で置き換えられてもよく、PGは(メタ)アクリル基である。
    PGは、アルキル基、アルコキシル基、シアノ基、フッ素、または、式(2−B)で表される官能基であり、
    nは、5から9の整数である)
  10. 重合性液晶組成物中の式(2−A)で表される化合物の含有量が、その他の重合性化合物に対して、70重量%以上である請求項9に記載の液晶重合膜類
  11. 重合性液晶組成物が、式(2−A)で表される化合物のみを含有する請求項9に記載の液晶重合膜類
  12. 請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の液晶重合膜を用いた位相差膜。
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