JP2018095701A - ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】スチレン量30〜40質量%及びビニル量45〜55質量%のスチレンブタジエンゴムAと、スチレン量3〜15質量%及びビニル量35〜45質量%のスチレンブタジエンゴムBと、シリカとを配合したタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及び空気入りタイヤに関する。
近年、環境問題への関心の高まりから、自動車に対して低燃費化の要求が強くなっており、自動車用タイヤに用いるゴム組成物に対しても、低燃費性に優れることが求められている。
低燃費性を改善する方法として、例えば、補強用充填剤を減量する方法が知られているが、この方法では、ゴム組成物の発熱量や補強性の低下により、ウェットグリップ性能や耐摩耗性が悪化する傾向があった。このように、これらの性能は一般的に低燃費性と背反する関係にあり、それぞれの性能をバランス良く得ることは困難であった。
本発明は、上記課題を解決し、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善したゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、スチレンブタジエンゴムの含有量が80質量%以上であるゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して40〜80質量部のシリカとを含み、
前記スチレンブタジエンゴム100質量%中、スチレン量30〜40質量%及びビニル量45〜55質量%のスチレンブタジエンゴムAの含有量が50〜75質量%、スチレン量3〜15質量%及びビニル量35〜45質量%のスチレンブタジエンゴムBの含有量が20〜40質量%であるタイヤ用ゴム組成物に関する。
前記ゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの合計含有量が5〜15質量部であることが好ましい。
前記シリカ100質量%中、窒素吸着比表面積150〜200m/gのシリカ(1)の含有量が50〜75質量%、窒素吸着比表面積90〜120m/gのシリカ(2)の含有量が20〜40質量%であることが好ましい。
前記ゴム成分100質量部に対する前記スチレンブタジエンゴムA及びシリカ(1)の含有量が以下の式を満たすことが好ましい。
0.8≦スチレンブタジエンゴムAの含有量/シリカ(1)の含有量≦2.0
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、スチレンブタジエンゴムAと、スチレンブタジエンゴムBと、シリカとをそれぞれ所定量含むゴム組成物であるので、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムの含有量が80質量%以上であるゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して40〜80質量部のシリカとを含み、前記スチレンブタジエンゴム100質量%中、スチレン量30〜40質量%及びビニル量45〜55質量%のスチレンブタジエンゴムAの含有量が50〜75質量%、スチレン量3〜15質量%及びビニル量35〜45質量%のスチレンブタジエンゴムBの含有量が20〜40質量%である。
本発明のゴム組成物が上記効果を有する理由は以下のように推測される。
優れたウェットグリップ性能を得るために、高スチレン量、高ビニル量のスチレンブタジエンゴム(SBR A)を使用した場合、低燃費性や耐摩耗性が悪化するという問題が生じることが本発明者らの検討の結果明らかとなった。これに対し、本発明のゴム組成物においては、更に、低スチレン量のスチレンブタジエンゴム(SBR B)と、シリカとを配合しているため、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をバランス良く改善できる。
更に、水酸化アルミニウムと、比表面積の異なる2種類のシリカ(1)、(2)とを使用し、そして、SBR Aと高比表面積のシリカ(1)の含有量を調整することにより、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をよりバランス良く改善できる。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分として、スチレンブタジエンゴム(SBR)を含有する。
SBRとしては、スチレン量30〜40質量%及びビニル量45〜55質量%のスチレンブタジエンゴムA(SBR A)と、スチレン量3〜15質量%及びビニル量35〜45質量%のスチレンブタジエンゴムB(SBR B)とを含有する。また、SBRとして、SBR A、SBR Bに加えて、SBR A、SBR B以外のSBRを使用してもよい。
SBR A、SBR B等のSBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E−SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S−SBR)等を使用できる。
SBR Aのスチレン量は、30質量%以上、好ましくは33質量%以上である。スチレン量が30質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記スチレン量は、40質量%以下、好ましくは37質量%以下である。スチレン量が40質量%以下であると、発熱が小さくなり、良好な低燃費性が得られる。
なお、本明細書において、スチレン量は、H−NMR測定により算出される。
SBR Aのビニル量は、45質量%以上、好ましくは48質量%以上である。ビニル量が45質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記ビニル量は、55質量%以下、好ましくは51質量%以下である。ビニル量が55質量%以下であると、良好な耐摩耗性が得られる。
なお、本明細書において、ビニル量(1,2−結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBR Bのスチレン量は、3質量%以上、好ましくは7質量%以上である。スチレン量が3質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記スチレン量は、15質量%以下、好ましくは11質量%以下である。スチレン量が15質量%以下であると、発熱が小さくなり、良好な低燃費性が得られ、また良好な耐摩耗性が得られる。
SBR Bのビニル量は、35質量%以上、好ましくは39質量%以上である。ビニル量が35質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記ビニル量は、45質量%以下、好ましくは42質量%以下である。ビニル量が45質量%以下であると、良好な耐摩耗性が得られる。
SBR Aは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよいが、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、変性SBR(変性SBR A)が好ましい。
変性SBR Aとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するSBRであればよく、例えば、SBRの少なくとも一方の末端を、上記官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性SBR(末端に上記官能基を有する末端変性SBR)や、主鎖に上記官能基を有する主鎖変性SBRや、主鎖及び末端に上記官能基を有する主鎖末端変性SBR(例えば、主鎖に上記官能基を有し、少なくとも一方の末端を上記変性剤で変性された主鎖末端変性SBR)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性SBR等が挙げられる。このような変性SBRを変性SBR Aとして用いることによって、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性がより良好なものとなる。
上記官能基としては、例えば、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、これらの官能基は、置換基を有していてもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、アミノ基(好ましくはアミノ基が有する水素原子が炭素数1〜6のアルキル基に置換されたアミノ基)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシ基)、アルコキシシリル基(好ましくは炭素数1〜6のアルコキシシリル基)が好ましい。
変性SBR Aとしては、下記式(1)で表される化合物(変性剤)により変性されたSBRが好ましい。
Figure 2018095701
(式(1)中、R、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(−COOH)、メルカプト基(−SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を表す。R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。)
上記式(1)で表される化合物(変性剤)により変性された変性SBRとしては、なかでも、溶液重合のスチレンブタジエンゴム(S−SBR)の重合末端(活性末端)を上記式(1)で表される化合物により変性されたスチレンブタジエンゴム(特開2010−111753号公報に記載の変性SBR)が好適に用いられる。
上記式(1)において、優れた低燃費性、破壊特性、耐摩耗性が得られるという点から、R、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3である。また、R及びRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4〜8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、前述の性能を良好に改善できる点から、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBR Bは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよいが、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、変性SBR(変性SBR B)が好ましい。変性SBR Bとしては、変性SBR Aについて説明した変性SBRと同様の変性SBRが挙げられる。
また、変性SBR Bとしては、以下に示す化合物(群)により変性された変性SBRであることが好ましい。化合物(群)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
ビス−(1−メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4−モルホリンカルボニルクロリド、1−ピロリジンカルボニルクロリド、N,N−ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N−ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3−ビス−(グリシジルオキシプロピル)−テトラメチルジシロキサン、(3−グリシジルオキシプロピル)−ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
(トリメチルシリル)[3−(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3−(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN−置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジ−t−ブチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’−ビス−(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4−N,N−ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−フェニル−2−ピロリドン、N−t−ブチル−2−ピロリドン、N−メチル−5−メチル−2−ピロリドン等のN−置換ピロリドンN−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−フェニル−2−ピペリドン等のN−置換ピペリドン;N−メチル−ε−カプロラクタム、N−フェニル−ε−カプロラクタム、N−メチル−ω−ラウリロラクタム、N−ビニル−ω−ラウリロラクタム、N−メチル−β−プロピオラクタム、N−フェニル−β−プロピオラクタム等のN−置換ラクタム類;の他、
N,N−ビス−(2,3−エポキシプロポキシ)−アニリン、4,4−メチレン−ビス−(N,N−グリシジルアニリン)、トリス−(2,3−エポキシプロピル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン類、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルマレイミド、N,N−ジエチル尿素、1,3−ジメチルエチレン尿素、1,3−ジビニルエチレン尿素、1,3−ジエチル−2−イミダゾリジノン、1−メチル−3−エチル−2−イミダゾリジノン、4−N,N−ジメチルアミノアセトフェン、4−N,N−ジエチルアミノアセトフェノン、1,3−ビス(ジフェニルアミノ)−2−プロパノン、1,7−ビス(メチルエチルアミノ)−4−ヘプタノン等を挙げることができる。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、アルコキシシランにより変性された変性SBRが好ましい。
なお、上記化合物による変性は公知の方法により行うことができる。
SBR AやSBR B等のSBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
ゴム成分100質量%中のSBRの含有量(好ましくは、SBR A及びSBR Bの合計含有量)は、80質量%以上である。80質量%以上であると、本発明の効果が充分に得られる。上記含有量は、100質量%であってもよいが、好ましくは95質量%以下である。95質量%以下であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中のSBR Aの含有量は、好ましくは40質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。40質量%以上であると、ウェットグリップ性能がより良好に得られる傾向がある。上記含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。80質量%以下であると、低燃費性、耐摩耗性がより良好に得られる傾向がある。
ゴム成分100質量%中のSBR Bの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%以上であると、低燃費性、耐摩耗性がより良好に得られる傾向がある。上記含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。50質量%以下であると、ウェットグリップ性能がより良好に得られる傾向がある。
SBR100質量%中のSBR Aの含有量は、50質量%以上、好ましくは60質量%以上である。50質量%以上であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。上記含有量は、75質量%以下、好ましくは70質量%以下である。75質量%以下であると、良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる。
SBR100質量%中のSBR Bの含有量は、20質量%以上、好ましくは25質量%以上である。20質量%以上であると、良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる。上記含有量は、40質量%以下である。40質量%以下であると、良好なウェットグリップ性能が得られる。
SBR100質量%中のSBR A及びSBR Bの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。80質量%以上であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
SBR A、SBR B等のSBR以外に本発明で使用できるゴム成分としては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合ゴム(SIBR)等のジエン系ゴムが挙げられる。これらジエン系ゴムは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、耐摩耗性、低燃費性をより改善できるという理由から、イソプレン系ゴム、BRが好ましく、BRがより好ましい。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは20質量%以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
BRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性が向上するという理由から、BRのシス含量は95質量%以上が好ましい。
また、BRとしては、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性SBR Aや変性SBR Bと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。3質量%以上であると、耐摩耗性がより良好に得られる傾向がある。また、上記BRの含有量は、好ましくは20質量%以下である。20質量%以下であると、SBR AやSBR Bの含有量が低下せずに確保され、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、シリカを含有する。
シリカとしては、窒素吸着比表面積150〜200m/gのシリカ(1)と、窒素吸着比表面積90〜120m/gのシリカ(2)とを含有することが好ましい。また、シリカとして、シリカ(1)、(2)に加えて、シリカ(1)、(2)以外のシリカを使用してもよい。
シリカ(1)、(2)等のシリカとしては例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。
シリカ(1)の窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは150m/g以上、より好ましくは170m/g以上である。150m/g以上であると、より良好な耐摩耗性が得られる。上記NSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは180m/g以下である。200m/g以下であると、より良好な低燃費性が得られる。
なお、シリカの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカ(2)の窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは90m/g以上、より好ましくは110m/g以上である。90m/g以上であると、より良好な耐摩耗性が得られる。上記NSAは、好ましくは120m/g以下である。120m/g以下であると、シリカ(1)との混合により得られる効果がより大きくなる。
シリカ(1)、(2)等のシリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの含有量(好ましくは、シリカ(1)及び(2)の合計含有量)は、ゴム成分100質量部に対して、40質量部以上、好ましくは60質量部以上である。40質量部以上であると、本発明の効果が充分に得られる。また、上記含有量は、80質量部以下である。80質量部以下であると、ゴム組成物中において、シリカが均一に分散することが容易となり、良好な低燃費性、耐摩耗性が得られる。
シリカ(1)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部以上であると、低燃費性がより良好に得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。70質量部以下であると、低燃費性がより良好に得られる傾向がある。
シリカ(2)の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは10質量部以上である。5質量部以上であると、耐摩耗性がより良好に得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。40質量部以下であると、加工性がより良好に得られる傾向がある。
シリカ100質量%中、シリカ(1)の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上である。50質量%以上であると、より良好な低燃費性が得られる。また、上記含有量は、好ましくは75質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。75質量%以下であると、より良好な低燃費性が得られる。
シリカ100質量%中、シリカ(2)の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。20質量%以上であると、より良好な耐摩耗性が得られる。また、上記含有量は、好ましくは40質量%以下である。40質量%以下であると、より良好な加工性が得られる。
シリカ100質量%中、シリカ(1)及び(2)の合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。80質量%以上であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対するSBR A及びシリカ(1)の含有量が、以下の式を満たすことが好ましい。これにより、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性をよりバランス良く改善できる。下限は、より好ましくは0.9である。一方、上限は、より好ましくは1.9、更に好ましくは1.6である。
0.8≦スチレンブタジエンゴムAの含有量/シリカ(1)の含有量≦2.0
本発明のゴム組成物は、水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムを含有することが好ましい。水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
水酸化アルミニウムは、混練中などに一部又は全部が酸化アルミニウムに転化している可能性があるが、本発明のゴム組成物が含有する酸化アルミニウムは、水酸化アルミニウムが転化したものでもよいし、水酸化アルミニウムとは別個に配合したものでもよい。
水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムの窒素吸着比表面積(BET比表面積、NSA)は、ウェットグリップ性能の観点から、6.0m/g以上が好ましく、10m/g以上がより好ましい。また、上記窒素吸着比表面積は、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの分散性、再凝集防止、耐摩耗性の観点から、60m/g以下が好ましく、40m/g以下がより好ましく、20m/g以下が更に好ましい。
なお、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの窒素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
水酸化アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)は、水酸化アルミニウムや酸化アルミニウムの分散性、再凝集防止、耐摩耗性の観点から、0.1μm以上が好ましく、0.3μm以上がより好ましい。また、上記平均粒子径は、耐摩耗性の観点から、3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。
なお、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの平均粒子径(D50)とは、粒子径分布測定装置により求めた粒子径分布曲線の積算質量値50%の粒子径である。
水酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学(株)、昭和電工(株)、Nabaltec社等の製品を使用できる。酸化アルミニウムとしては、例えば、住友化学(株)、昭和電工(株)、日本軽金属(株)、新日鉄住金マテリアルズ(株)等の製品を使用できる。
水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜15質量部であることが好ましい。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより充分に得られる。
本発明のゴム組成物は、シリカと共にシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT−Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などがあげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、スルフィド系、メルカプト系が好ましく、メルカプト系が好ましい。
シランカップリング剤としては、式(2)で表されるシランカップリング剤を使用することが好ましい。これにより、優れた低燃費性、ウェットグリップ性能が得られる傾向がある。
Figure 2018095701
(式(2)中、pは1〜3の整数、qは1〜5の整数、kは5〜12の整数である。)
式(2)において、pは1〜3の整数であるが、2が好ましい。pが3以下であると、カップリング反応が速い傾向がある。
qは1〜5の整数であるが、2〜4が好ましく、3がより好ましい。qが1〜5であると合成が容易である傾向がある。
kは5〜12の整数であるが、5〜10が好ましく、6〜8がより好ましく、7が更に好ましい。
式(2)で表されるシランカップリング剤としては、例えば、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましい。3質量部以上であると、シランカップリング剤を配合したことによる効果が得られる傾向がある。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。20質量部以下であると、配合量に見合った効果が得られ、良好な混練時の加工性が得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラックを含むことが好ましい。
カーボンブラックとしては、特に限定されないが、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、5m/g以上が好ましく、50m/g以上が更に好ましく、100m/g以上が特に好ましい。5m/g以上であると、補強性が向上し、充分な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。200m/g以下であると、カーボンブラックの良好な分散が得られやすく、良好な耐摩耗性、低燃費性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックのジブチルフタレート吸油量(DBP)は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは50ml/100g以上、更に好ましくは100ml/100g以上である。5ml/100g以上であると、補強性が向上し、充分な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、上記DBPは、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは200ml/100g以下、更に好ましくは130ml/100g以下である。300ml/100g以下であると、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。
なお、カーボンブラックのDBPは、JIS K6217−4:2001の測定方法によって求められる。
カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。1質量部以上であると、十分な補強性を得ることができ、良好な耐摩耗性が得られる傾向がある。また、上記含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。30質量部以下であると、良好な転がり抵抗が得られる傾向がある。
シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム及びカーボンブラックの合計含有量は、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20〜150質量部、より好ましくは40〜120質量部、更に好ましくは60〜100質量部である。
本発明のゴム組成物は、オイルを含むことが好ましい。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油脂としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、ナフテン系プロセスオイルが好ましい。
オイルとしては、例えば、出光興産(株)、三共油化工業(株)、(株)ジャパンエナジー、オリソイ社、H&R社、豊国製油(株)、昭和シェル石油(株)、富士興産(株)等の製品を使用できる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、オイルの含有量には、ゴム(油展ゴム)に含まれるオイルの量も含まれる。
本発明のゴム組成物は、樹脂を含むことが好ましい。
樹脂としては、タイヤ工業において一般的に用いられているものであれば特に限定されないが、例えば、クマロンインデン樹脂、α−メチルスチレン系樹脂、テルペン系樹脂、p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという点から、α−メチルスチレン系樹脂が好ましい。
クマロンインデン樹脂は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として、クマロン及びインデンを含む樹脂であり、クマロン、インデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としては、スチレン、α−メチルスチレン、メチルインデン、ビニルトルエンなどが挙げられる。
α−メチルスチレン系樹脂としては、例えば、α−メチルスチレン単独重合体や、α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体等が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、ポリテルペン、テルペンフェノール、芳香族変性テルペン樹脂などが挙げられる。
ポリテルペンは、テルペン化合物を重合して得られる樹脂及びそれらの水素添加物である。テルペン化合物は、(Cの組成で表される炭化水素及びその含酸素誘導体で、モノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)などに分類されるテルペンを基本骨格とする化合物であり、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、オシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピノレン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオールなどが挙げられる。
ポリテルペンとしては、上述したテルペン化合物を原料とするα−ピネン樹脂、β−ピネン樹脂、リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、β−ピネン/リモネン樹脂などのテルペン樹脂の他、該テルペン樹脂に水素添加処理した水素添加テルペン樹脂も挙げられる。
テルペンフェノールとしては、上記テルペン化合物とフェノール系化合物とを共重合した樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられ、具体的には、上記テルペン化合物、フェノール系化合物及びホルマリンを縮合させた樹脂が挙げられる。なお、フェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノールなどが挙げられる。
芳香族変性テルペン樹脂としては、テルペン樹脂を芳香族化合物で変性して得られる樹脂、及び該樹脂に水素添加処理した樹脂が挙げられる。なお、芳香族化合物としては、芳香環を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、フェノール、アルキルフェノール、アルコキシフェノール、不飽和炭化水素基含有フェノールなどのフェノール化合物;ナフトール、アルキルナフトール、アルコキシナフトール、不飽和炭化水素基含有ナフトールなどのナフトール化合物;スチレン、アルキルスチレン、アルコキシスチレン、不飽和炭化水素基含有スチレンなどのスチレン誘導体;クマロン、インデンなどが挙げられる。
p−t−ブチルフェノールアセチレン樹脂としては、p−t−ブチルフェノールとアセチレンとを縮合反応させて得られる樹脂が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、不純物を少なく、分子量分布がシャープな樹脂にでき、本発明の効果がより良好に得られるという点で、無溶剤型アクリル系樹脂を好適に使用できる。
無溶剤型アクリル樹脂は、副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを極力使用せずに、高温連続重合法(高温連続塊重合法)(米国特許第4,414,370号明細書、特開昭59−6207号公報、特公平5−58005号公報、特開平1−313522号公報、米国特許第5,010,166号明細書、東亜合成研究年報TREND2000第3号p42−45等に記載の方法)により合成された(メタ)アクリル系樹脂(重合体)である。なお、本発明において、(メタ)アクリルは、メタクリル及びアクリルを意味する。
上記アクリル系樹脂は、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないことが好ましい。また、上記アクリル系樹脂は、本発明の効果の点で、連続重合により得られる組成分布や分子量分布が比較的狭いものが好ましい。
上述のように、上記アクリル系樹脂としては、実質的に副原料となる重合開始剤、連鎖移動剤、有機溶媒などを含まないもの、すなわち、純度が高いものが好ましい。上記アクリル系樹脂の純度(該樹脂中に含まれる樹脂の割合)は、好ましくは95質量%以上、より好ましくは97質量%以上である。
上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸や、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルなど)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
また、上記アクリル系樹脂を構成するモノマー成分として、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸誘導体と共に、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどの芳香族ビニルを使用してもよい。
上記アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル成分のみで構成される樹脂であっても、(メタ)アクリル成分以外の成分をも構成要素とする樹脂であっても良い。
また、上記アクリル系樹脂は、水酸基、カルボキシル基、シラノール基等を有していてよい。
樹脂の軟化点は、30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましい。30℃以上であると、所望のウェットグリップ性能が得られる傾向がある。また、上記軟化点は、160℃以下が好ましく、130℃以下がより好ましく、100℃以下が更に好ましい。160℃以下であると、樹脂の分散性が良好となり、ウェットグリップ性能、低燃費性が改善する傾向がある。
なお、本発明において、上記樹脂の軟化点は、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
樹脂としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、Rutgers Chemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
樹脂の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは50質量部以下、より好ましくは30質量部以下、更に好ましくは15質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。
ワックスとしては、特に限定されず、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;植物系ワックス、動物系ワックス等の天然系ワックス;エチレン、プロピレン等の重合物等の合成ワックスなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより良好に得られるという理由から、石油系ワックスが好ましく、パラフィンワックスがより好ましい。
ワックスとしては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
ワックスの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、老化防止剤を含むことが好ましい。
老化防止剤としては、例えば、フェニル−α−ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′−ビス(α,α′−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N−イソプロピル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、p−フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。
老化防止剤としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、ステアリン酸を含むことが好ましい。
ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、NOF社、花王(株)、和光純薬工業(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、酸化亜鉛を含むことが好ましい。
酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
酸化亜鉛の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果がより良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、硫黄を含むことが好ましい。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硫黄としては、例えば、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。
硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、加硫促進剤を含むことが好ましい。
加硫促進剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT−N)等のチウラム系加硫促進剤;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、本発明の効果がより好適に得られるという理由から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、上記含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは7質量部以下である。上記数値範囲内であると、本発明の効果が良好に得られる傾向がある。
本発明のゴム組成物には、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、カーボンブラック以外の無機充填剤や有機充填剤;オイル以外の軟化剤;硫黄以外の加硫剤(例えば、有機架橋剤);等を含んでもよい。
上記無機充填剤としては、タルク、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、チタン白、チタン黒、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化アルミニウムマグネシウム、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸マグネシウム、炭化ケイ素、ジルコニウム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。上記有機充填剤としては、セルロースナノファイバー等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記無機充填剤、有機充填剤は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以下で配合される。
上記軟化剤としては、液状ジエン系重合体等が挙げられる。
液状ジエン系重合体は、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。液状ジエン系重合体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、1.0×103〜2.0×105であることが好ましく、3.0×103〜1.5×104であることがより好ましい。
液状ジエン系重合体としては、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ジエン系重合体は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、50質量部以下で配合される。
有機架橋剤としては、特に限定されず、マレイミド化合物類、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物類、有機過酸化物類、アミン有機サルファイド類等が挙げられる。これらは、単独でも、2種以上を用いてもよく、硫黄と併用してもよい。
有機架橋剤は、例えば、ゴム成分100質量部に対して、10質量部以下で配合される。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法等により製造できる。
混練条件としては、加硫剤及び加硫促進剤以外の添加剤を配合する場合、混練温度は、通常50〜200℃であり、好ましくは80〜190℃であり、混練時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜30分である。
加硫剤、加硫促進剤を配合する場合、混練温度は、通常100℃以下であり、好ましくは室温〜80℃である。また、加硫剤、加硫促進剤を配合した組成物は、通常、プレス加硫などの加硫処理が施される。加硫温度としては、通常120〜200℃、好ましくは140〜180℃である。
本発明のゴム組成物は、トレッド(キャップトレッド)に好適に用いられるが、トレッド以外の部材、例えば、サイドウォール、ベーストレッド、アンダートレッド、クリンチエイペックス、ビードエイペックス、ブレーカークッションゴム、カーカスコード被覆用ゴム、インスレーション、チェーファー、インナーライナー等や、ランフラットタイヤのサイド補強層に用いてもよい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、実施例で用いた各種薬品について説明する。
SBR1:変性SBR(下記製造例1で調整、スチレン量:35質量%、ビニル量:50質量%)
SBR2:変性SBR(下記製造例2で調整、スチレン量:10質量%、ビニル量:40質量%)
BR:宇部興産(株)製のBR150B(シス含有量:97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220(NSA:111m/g、DBP吸収量:115ml/100g)
シリカ1:エボニック社製のVN3(NSA:175m/g)
シリカ2:ソルベイジャパン(株)製の115GR(NSA:115m/g)
水酸化アルミニウム:水酸化アルミニウム(D50:0.4μm、NSA:15m/g、オイル吸収量:48ml/100g)
シランカップリング剤:3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン
オイル:ナフテン系プロセスオイル
樹脂:アリゾナケミカル社製のSylvatraxx4401(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Tg:43℃)
ワックス:パラフィンワックス
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
老化防止剤1:N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン
老化防止剤2:ポリ(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン)
加硫促進剤1:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
加硫促進剤2:ジフェニルグアニジン
(製造例1)
窒素雰囲気下、100mlメスフラスコに3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン(3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン)(アヅマックス(株)製)を入れ、さらに無水ヘキサン(関東化学(株)製)を加え、末端変性剤を作製した。
充分に窒素置換した耐圧容器に、n−ヘキサン、スチレン(関東化学(株)製)、ブタジエン、テトラメチルエチレンジアミンを加え、40℃に昇温した。次に、ブチルリチウム(関東化学(株)製)を加えた後、50℃に昇温し、撹拌した。次に四塩化ケイ素/ヘキサン溶液を加え、撹拌を行った。次に上記末端変性剤を追加し、撹拌を行った。反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール(大内新興化学工業(株)製)を溶かしたメタノール(関東化学(株)製)を添加後、反応溶液をメタノールが入ったステンレス容器に入れて凝集体を回収した。得られた凝集体を24時間減圧乾燥させ、変性SBR(SBR1)を得た。得られたSBR1のスチレン量は35質量%、ビニル量は50質量%、重量平均分子量Mwは70万であった。
(製造例2)
窒素置換されたオートクレーブ反応器に、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、スチレン、及び1,3−ブタジエンを仕込んだ。反応器の内容物の温度を20℃に調整した後、n−ブチルリチウムを添加して重合を開始した。断熱条件で重合し、最高温度は85℃に達した。重合転化率が99%に達した時点でブタジエンを追加し、更に5分重合させた後、メチルトリエトキシシランを変性剤として加えて反応を行った。重合反応終了後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを添加した。次いで、スチームストリッピングにより脱溶媒を行い、110℃に調温された熱ロールにより乾燥して変性スチレンブタジエンゴム(SBR2)を得た。得られたSBR2のスチレン量は10質量%、ビニル量は40質量%、重量平均分子量Mwは20万であった。
<実施例及び比較例>
表1に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物をトレッドの形状に成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃の条件下で10分間プレス加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15)を製造した。得られた試験用タイヤを用いて表1に示す評価を行い、結果を表1に示した。
(低燃費性)
転がり抵抗試験機を用い、試験用タイヤを、リム(15×6JJ)、内圧(230kPa)、荷重(3.43kN)、速度(80km/h)で走行させたときの転がり抵抗を測定し、比較例1を100とした時の指数で表示した(低燃費性指数)。指数が大きいほど、低燃費性に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能)
各試験用タイヤを車両(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求め、比較例1を100とした時の指数で表示した(ウェットグリップ性能指数)。指数が大きいほど制動距離が短く、ウェットグリップ性能に優れることを示す。
(耐摩耗性)
各試験用タイヤを国産FF車に装着し、走行距離8000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し、比較例1を100とした時の指数で表示した(耐摩耗性指数)。指数が大きいほど、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離が長く、耐摩耗性に優れることを示す。
Figure 2018095701
表1より、SBR Aと、SBR Bと、シリカとをそれぞれ所定量含むゴム組成物である実施例1〜10は、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性がバランス良く改善できることが明らかとなった。
特に、実施例1及び比較例1〜3により、所定量のSBR A及びSBR Bと、所定量のシリカ(1)及び(2)とを組み合わせることにより、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性の性能バランスが顕著に改善されることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. スチレンブタジエンゴムの含有量が80質量%以上であるゴム成分と、前記ゴム成分100質量部に対して40〜80質量部のシリカとを含み、
    前記スチレンブタジエンゴム100質量%中、スチレン量30〜40質量%及びビニル量45〜55質量%のスチレンブタジエンゴムAの含有量が50〜75質量%、スチレン量3〜15質量%及びビニル量35〜45質量%のスチレンブタジエンゴムBの含有量が20〜40質量%であるタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分100質量部に対して、水酸化アルミニウム及び酸化アルミニウムの合計含有量が5〜15質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記シリカ100質量%中、窒素吸着比表面積150〜200m/gのシリカ(1)の含有量が50〜75質量%、窒素吸着比表面積90〜120m/gのシリカ(2)の含有量が20〜40質量%である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分100質量部に対する前記スチレンブタジエンゴムA及びシリカ(1)の含有量が以下の式を満たす請求項3記載のタイヤ用ゴム組成物。
    0.8≦スチレンブタジエンゴムAの含有量/シリカ(1)の含有量≦2.0
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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