JP2018094876A - 三次元造形装置および三次元造形方法 - Google Patents

三次元造形装置および三次元造形方法 Download PDF

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一樹 直木
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Abstract

【課題】複数のノズルを有する吐出ヘッドを備える三次元造形装置において、成形精度を向上させる技術の提供。
【解決手段】造形材からなる材料層が形成される造形ステージSと、造形ステージS上に液状の造形材を吐出して材料層を形成する積層部20と、材料層に硬化処理を行う硬化部40と、造形ステージSと積層部20及び硬化部40とを相対的に移動させる移動機構60とを有する三次元造形装置。積層部20は、造形ステージSに対して、複数のノズルから造形材を吐出する吐出ヘッド21,22を有し、吐出ヘッドが、一層毎に、造形ステージS上の立体物形成範囲に造形材を吐出して立体物を構成する材料層を形成し、立体物形成範囲とは異なる予備吐出範囲に全てのノズルから造形材を吐出し、使用されていないノズルのノズル詰まり等の吐出不良が抑制され、従がって、吐出不良に起因して立体物の成形精度の低下を抑制できる三次元造形装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、造形材を積層して立体物を形成する三次元造形装置および三次元造形方法に関する。
近年、3Dプリンティング等の三次元造形技術が急速に普及している。三次元造形により得られる造形物は、例えば、工業製品の試作品、展示品、医療用模型などに利用される。三次元造形の方式としては、インクジェット方式、光造形方式、粉末方式等が知られている。
一般的に、インクジェット方式の三次元造形装置は、吐出ヘッドから造形材料を吐出することで材料層を形成し、当該材料層を積み重ねることで、指定された立体形状の造形物を製造する。具体的には、造形ステージ上に紫外線硬化型の造形材を吐出することで材料層を形成する。そして、当該材料層に紫外線を照射することで、材料層を硬化させる。このような、造形材の吐出処理および照射部による紫外線照射処理を繰り返すことで、造形ステージ上に造形物が形成される。インクジェット方式の三次元造形技術については、例えば、特許文献1に記載される。
特許文献1に記載の三次元造形装置は、最終的に得られる最終造形物となるモデル材を吐出するモデル材吐出ヘッドと、最終造形物を支持するサポート部を形成するサポート材を吐出するサポート材吐出ヘッドと、液状のモデル材または液状のサポート材に紫外光を照射して硬化させるUVランプとを備える。
特開2015−150840号公報
特許文献1に記載の三次元造形装置では、モデル材吐出ヘッドや、サポート材吐出ヘッドは、モデル材やサポート材のような造形材を複数のノズルから吐出する。このような三次元造形装置では、形成する造形物の形状によっては、長時間使用されないノズルがある。長時間ノズルからの吐出がないと、当該ノズル内において液状の造形材が乾燥し、吐出不良が生じたり、吐出された造形材の濃度が濃くなる等の問題が生じる虞がある。そして、これにより、最終造形物の成形精度が低下する虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであり、複数のノズルを有する吐出ヘッドを備える三次元造形装置において、成形精度を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、造形材を積層して立体物を形成する三次元造形装置であって、造形材からなる材料層が形成される造形ステージと、前記造形ステージ上に液状の前記造形材を吐出して前記材料層を形成する積層部と、前記造形ステージ上の前記材料層に硬化処理を行う硬化部と、前記造形ステージと、前記積層部および前記硬化部とを、搬送方向に相対的に移動させる移動機構と、を有する。前記積層部は、搬送方向に相対的に移動する前記造形ステージに対して、幅方向に配列された複数のノズルから前記造形材を吐出する、1つ以上の吐出ヘッドを有する。前記吐出ヘッドはそれぞれ、一層ごとに、前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である立体物形成範囲に前記造形材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成するとともに、前記立体物形成範囲とは異なる前記造形ステージ上の搬送方向範囲である予備吐出範囲において前記吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記造形材を吐出する。
本願の第2発明は、第1発明の請求項1に記載の三次元造形装置であって、前記吐出ヘッドはそれぞれ、前記材料層の各層の吐出時に、前記立体物形成範囲における前記造形材の吐出の前に、前記予備吐出範囲における前記造形材の吐出を行う。
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の三次元造形装置であって、前記吐出ヘッドを複数有する。複数の前記吐出ヘッドは、複数の前記ノズルから液状のモデル材を吐出する、モデル材吐出ヘッドと、複数の前記ノズルから液状のサポート材を吐出する、サポート材吐出ヘッドと、を含む。前記予備吐出範囲は、モデル材予備吐出範囲およびサポート材予備吐出範囲を含む。前記モデル材吐出ヘッドは、前記モデル材予備吐出範囲に全ての前記ノズルから前記モデル材の吐出を行い、前記サポート材吐出ヘッドは、前記サポート材予備吐出範囲に全ての前記ノズルから前記サポート材の吐出を行う。
本願の第4発明は、第3発明の三次元造形装置であって、前記モデル材予備吐出範囲と、前記サポート材予備吐出範囲とは、搬送方向に隣り合って配置される。
本願の第5発明は、第3発明の三次元造形装置であって、前記モデル材予備吐出範囲は、搬送方向の両側に配置された2つの前記サポート材予備吐出範囲と、搬送方向に隣り合って配置される。
本願の第6発明は、第1発明ないし第5発明のいずれかの三次元造形装置であって、前記造形材は、エネルギー硬化型の材料である。前記硬化部は、前記造形ステージ上の前記造形材に対してエネルギー線を照射する。
本願の第7発明は、第6発明の三次元造形装置であって、前記造形材は、紫外線硬化型の材料である。前記硬化部は、前記造形ステージ上の前記造形材に対して紫外線を照射する。
本願の第8発明は、第1発明ないし第7発明のいずれかの三次元造形装置であって、前記造形ステージ上に形成された硬化前の前記材料層を平坦化するローラをさらに有する。
本願の第9発明は、積層部および硬化部を有する三次元造形装置により造形ステージ上に立体物を形成する三次元造形方法である。前記積層部は、搬送方向に相対的に移動する前記造形ステージに対して、幅方向に配列された複数のノズルから液状の造形材を吐出する吐出ヘッドを有する。この三次元造形方法は、A)前記積層部が、前記吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記造形材を吐出する工程と、B)前記硬化部が、前記造形ステージ上の液状の前記造形材を硬化する工程と、を繰り返し行う。前記工程A)は、p)前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である予備吐出範囲に、前記吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記造形材を吐出する工程と、q)前記予備吐出範囲とは異なる前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である立体物造形領域に前記吐出ヘッドから前記造形材を吐出して、前記立体物を構成する材料層を形成する工程と、を含む。
本願の第10発明は、第9発明の三次元造形方法であって、前記工程A)において、前記工程q)は、前記工程p)の後に行われる。
本願の第11発明は、第9発明または第10発明の三次元造形方法であって、前記吐出ヘッドは、複数の前記ノズルから液状のモデル材を吐出する、モデル材吐出ヘッドと、複数の前記ノズルから液状のサポート材を吐出する、サポート材吐出ヘッドと、を含む。前記工程A)は、A1)前記モデル材吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記モデル材を吐出する工程と、A2)前記サポート材吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記サポート材を吐出する工程と、の少なくとも一方を含む。前記工程A1)は、p1)前記予備吐出範囲であるモデル材予備吐出範囲に、前記モデル材吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記モデル材を吐出する工程と、q1)前記立体物造形領域に、前記モデル材吐出ヘッドから前記モデル材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成する工程と、を含む。前記工程A2)は、p2)前記予備吐出範囲であってモデル材予備吐出範囲とは異なる搬送方向範囲であるサポート材予備吐出範囲に、前記サポート材吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記サポート材を吐出する工程と、q2)前記立体物造形領域に、前記サポート材吐出ヘッドから前記サポート材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成する工程と、を含む。
本願の第12発明は、第11発明の三次元造形方法であって、前記モデル材予備吐出範囲と、前記サポート材予備吐出範囲とは、搬送方向に隣り合って配置される。
本願の第13発明は、第11発明の三次元造形方法であって、前記モデル材予備吐出範囲は、搬送方向の両側に配置された2つの前記サポート材予備吐出範囲と、搬送方向に隣り合って配置される。
本願の第1発明〜第13発明によれば、一層毎に全ノズルからの吐出を行うことにより、全ノズルから定期的に造形材の吐出がなされる。これにより、使用されていないノズルにおけるノズル詰まり等の吐出不良が抑制される。したがって、吐出不良に起因して立体物の成形精度が低下するのを抑制できる。
本願の第2発明および第10発明によれば、一層毎に、立体物部分を形成する箇所に造形材を吐出する前に、全ノズルから造形材の吐出を行う。これにより、立体物部分における吐出不良をより抑制できる。したがって、立体物の成形精度が低下するのをより抑制できる。
本願の第4発明および第12発明によれば、予備吐出範囲に成形される造形物が、目的とする造形物と同様に、サポート材と接する面を有する。これにより、予備吐出範囲に成形される造形物をサンプルとして用いる場合に、目的とする造形物と表面状態が同じとなるため有用である。また、モデル材が柔らかい素材である場合、細い領域で高く積み上げるとモデル材が倒れる虞がある。このため、サポート材を隣りに沿わせることにより、造形処理中にモデル材が倒れるのが抑制される。
本願の第5発明および第13発明によれば、モデル材が柔らかい素材である場合、搬送方向の両側にサポート材を沿わせることにより、造形処理中にモデル材が倒れるのがより抑制される。
第1実施形態に係る三次元造形装置の構成を示した図である。 第1実施形態に係る積層装置の構成を示した図である。 第1実施形態に係る積層装置の造形ステージ、遮蔽板、昇降機構および移動機構の正面図である。 第1実施形態に係る積層装置の造形ステージ、遮蔽板、昇降機構および移動機構の側面図である。 第1実施形態に係る積層装置の制御部と積層装置内の各部との接続を示したブロック図である。 第1実施形態に係る積層装置の三次元造形の過程を示したフローチャートである。 第1実施形態に係る積層装置により形成した立体物の一例である。 第2実施形態に係る積層装置の三次元造形の過程を示したフローチャートである。 第2実施形態に係る積層装置により形成した立体物の一例である。 第3実施形態に係る積層装置の構成を示した図である。 第3実施形態に係る積層装置の三次元造形の過程を示したフローチャートである。 第3実施形態に係る積層装置により形成した立体物の一例である。 第3実施形態に係る積層装置のモデル材吐出工程の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態に係る積層装置のサポート材吐出工程の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態に係る積層装置のサポート材吐出工程の流れを示したフローチャートである。 第3実施形態に係る積層装置のモデル材吐出工程の流れを示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
<1.第1実施形態>
<1−1.三次元造形装置の構成>
図1は、第1実施形態に係る三次元造形装置1の構成を示した図である。この三次元造形装置1は、搬入装置11、積層装置10、搬送装置12、洗浄装置13、および搬出装置14を有する。
搬入装置11は、後述する造形ステージSを積層装置10に搬送する装置である。搬入装置11は、第1搬送機構110を有する。第1搬送機構110は、例えば、ロボット機構、ローラ機構等により構成される。ただし、第1搬送機構110は、他の機構により構成されていてもよい。造形ステージSは、外部から搬入装置11内に搬入されると、第1搬送機構110により、積層装置10に搬送される。なお、積層装置10の構成については、後述する。
搬送装置12は、造形ステージSを積層装置10から洗浄装置13へと搬送する装置である。搬送装置12は、第2搬送機構120を有する。第2搬送機構120は、例えば、ロボット機構、ローラ機構等により構成される。ただし、第2搬送機構120は、他の機構により構成されていてもよい。積層装置10により、造形ステージSの上面にモデル材とサポート材とを積層させて成る立体物9が形成されると、造形ステージSは、第2搬送機構120により洗浄装置13に搬送される。
洗浄装置13は、立体物9からサポート材を除去する装置である。洗浄装置13は、薬液132に満たされた処理槽131を有する。造形ステージSが洗浄装置13内に搬入されると、立体物9は、処理槽131の薬液132内に浸漬される。これにより、立体物9からサポート材が除去される。その結果、造形ステージSの上面にモデル材から成る最終造形物900が残留する。
搬出装置14は、造形ステージSを洗浄装置13から三次元造形装置1の外部へと搬出する装置である。搬出装置14は、第3搬送機構140を有する。第3搬送機構140は、例えば、ロボット機構、ローラ機構等により構成される。ただし、第3搬送機構140は、他の機構により構成されていてもよい。洗浄装置13において立体物9からサポート材が除去された後、造形ステージSは、搬出装置14の第3搬送機構140により、装置外部へと搬出される。
<1−2.積層装置の構成>
続いて、積層装置10の構成について説明する。図2は、本実施形態に係る積層装置10の構成を示した図である。なお、ここでは、水平方向に延びる搬送方向に沿って往復移動する造形ステージの、往路方向を前方とし、復路方向を後方として、各部の位置関係を説明する。また、搬送方向に直交し、かつ水平方向に延びる方向を幅方向と称する。ただし、この前後方向の定義によって、積層装置10および三次元造形装置1の向きを限定する意図はない。
この積層装置10は、三次元造形における最終造形物900の製造工程において、造形材であるモデル材およびサポート材からなる立体物9を形成する装置である。本実施形態のモデル材およびサポート材は、いずれも紫外線硬化型の材料である。モデル材は、目的とする最終造形物900を構成する造形材料である。サポート材は、造形物の製造中に造形材料が崩れたり撓んだりすることを防止するために、造形材料を支持する支持材料である。立体物9は、モデル材およびサポート材からなる材料層を積層することで形成される。
図2に示すように、本実施形態の積層装置10は、積層部20、ローラ部30、照射部40、昇降機構50、移動機構60および制御部100を有する。
積層部20は、搬入装置11から搬入された造形ステージS上にモデル材およびサポート材からなる材料層90を積層し、材料層90を形成する。造形ステージSは、材料層90を支持する支持台である。造形ステージSは、水平に拡がる上面を有する。図2の矢印および破線矢印に示すように、造形ステージSは、昇降機構50および移動機構60により前後方向および下方へ移動する。そして、造形ステージSが移動している間に、その上面に、モデル材およびサポート材からなる材料層90が順次積層形成される。これにより、造形ステージSの上面に立体物9が形成される。なお、後述する紫外線の反射を抑制するために、造形ステージSの表面は、黒色の被膜処理や、黒色フィルムの貼り付け等の、反射防止処理がされていてもよい。
積層部20は、造形ステージS上に液状の造形材(モデル材およびサポート材)を吐出することで、造形ステージSの上面に材料層90を形成する。積層部20は、第1吐出ヘッド21と、第1吐出ヘッド21よりも前方に配置された第2吐出ヘッド22とを有する。第1吐出ヘッド21および第2吐出ヘッド22はそれぞれ、造形ステージSの搬送経路の上方に配置される。第1吐出ヘッド21は、搬送方向である前後方向に相対的に移動する造形ステージSに対して、幅方向に配列された複数のノズルからモデル材の液滴を選択的に吐出するモデル材吐出ヘッドである。第2吐出ヘッド22は、搬送方向である前後方向に相対的に移動する造形ステージSに対して、幅方向に配列された複数のノズルからサポート材の液滴を選択的に吐出するサポート材吐出ヘッドである。
ローラ部30は、第1ローラ31と、第2ローラ32とを有する。第1ローラ31および第2ローラ32はそれぞれ、円筒状の外周面を有する回転体である。ローラ31,32の材料には、例えば、材料層90を構成するモデル材およびサポート材よりも硬度の高いSUS等の金属が用いられる。第1ローラ31は、第1吐出ヘッド21の前方かつ照射部40の後方に配置される。第2ローラ32は、第2吐出ヘッド22の後方かつ照射部40の前方に配置される。
ローラ31,32はそれぞれ、水平に延びる回転軸を中心として、回転可能に支持される。ローラ31,32は、例えば、図示を省略したモータ等の駆動源と接続されている。そして、当該モータを駆動させると、当該モータの出力軸とともにローラ31,32が回転軸を中心に回転する。ローラ部30は、吐出ヘッド21,22のいずれかが材料層90の最上層に液状の造形材を吐出した後、硬化前に、当該液状の材料層90の上面を平坦化する。平坦化処理を行うときには、造形ステージSを前後方向に移動させて、材料層90の上面にローラ31,32を接触させつつ、ローラ31,32を回転させる。これにより、材料層90の上面は平坦化される。第1ローラ31は、第1吐出ヘッド21の吐出した液状のモデル材の上面を平坦化する。第2ローラ32は、第2吐出ヘッド22の吐出した液状のサポート材の上面を平坦化する。
照射部40は、造形ステージS上の材料層90に硬化処理を行う硬化部である。具体的には、照射部40は、造形ステージSの上面に形成された材料層90に紫外線を照射する。照射部40は、第1吐出ヘッド21および第1ローラ31と、第2吐出ヘッド22および第2ローラ32と、の間に配置される。また、照射部40は、造形ステージSの搬送経路の上方に配置される。
照射部40は、後述する制御部100によって、照射タイミングや発光強度が制御される。照射部40の光源としては、例えば、UVランプが用いられる。ただし、照射部40の光源には、メタルハライドランプ、キセノンランプまたはLEDランプ等を用いてもよい。
昇降機構50は、造形ステージSを上下に移動させる機構である。図3は、造形ステージS、昇降機構50および移動機構60の正面図である。図4は、造形ステージS、昇降機構50および移動機構60の側面図である。本実施形態の昇降機構50には、モータの回転運動をボールねじを介して直進運動に変換する機構が用いられる。造形ステージSは、保持部51上に支持される。保持部51は、ボールねじの外周面に設けられた螺旋状のねじ溝と噛み合うように、ボールねじに取り付けられている。図示を省略したモータを駆動させると、ボールねじがその軸心周りに回転する。これにより、保持部51および造形ステージSが、ボールねじに沿って上下方向に移動する。ただし、昇降機構50には、リニアモータ等の他の機構を用いてもよい。
移動機構60は、造形ステージSを前後方向に往復移動させる機構である。これにより、移動機構60は、造形ステージSと、積層部20、ローラ部30および照射部40とを、搬送方向に相対的に移動させる。本実施形態の移動機構60には、リニアモータ機構が用いられる。移動機構60は、ガイド61、駆動部62、および接続部63により構成される。接続部63は、駆動部62と、昇降機構50の筐体とを接続する。リニアモータを駆動すると、駆動部62がガイド61に沿って前後に移動する。これにより、駆動部62に接続された昇降機構50および造形ステージSが、一体として、ガイド61に沿って前後方向に移動する。ただし、移動機構60には、ボールねじ等の他の機構を用いてもよい。
制御部100は、積層装置10内の各部を動作制御するための手段である。図5は、制御部100と、積層装置10内の各部との接続を示したブロック図である。図5中に概念的に示したように、制御部100は、CPU等の演算処理部101、RAM等のメモリ102およびハードディスクドライブ等の記憶部103を有するコンピュータにより構成される。記憶部103内には、積層装置10による各処理を実行するためのコンピュータプログラムPが、インストールされている。
図5に示すように、制御部100は、積層部20の第1吐出ヘッド21および第2吐出ヘッド22と、ローラ部30の第1ローラ31および第2ローラ32と、照射部40と、昇降機構50と、移動機構60と、それぞれ通信可能に接続されている。制御部100は、記憶部103に記憶されたコンピュータプログラムPやデータをメモリ102に一時的に読み出し、当該コンピュータプログラムPに基づいて、演算処理部101が演算処理を行うことにより、上記の各部を動作制御する。これにより、造形ステージSの搬送処理、モデル材およびサポート材の吐出処理、紫外線照射処理および平坦化処理が進行する。
<1−3.積層処理について>
次に、上記の積層装置10による積層処理について、図6および図7を参照しつつ説明する。図6は、本実施形態の積層処理の過程を示したフローチャートである。図7は、本実施形態の積層処理によって得られる立体物9の一例を示した断面図である。
積層処理を行うときは、予め、製造したい立体物の形状を高さ位置ごとに分割した設計データが制御部100へと入力される。そして、制御部100が、当該設計データに従って、後述する積層処理を行う。これにより、図7に示すように、造形ステージS上に立体物9が得られる。
ここで、図7に示すように、造形ステージSの上面には、造形ステージS上の所定の搬送方向範囲である立体物形成範囲A1と、第1予備吐出範囲A2と、第2予備吐出範囲A3とを含む。立体物形成範囲A1には、後述する主造形物91が形成される。本実施形態では、第1予備吐出範囲A2は、立体物形成範囲A1の前方に配置される。また、第2予備吐出範囲A3は、立体物形成範囲A1の後方に配置される。
本実施形態の積層処理では、立体物9として、最終造形物900を含む主造形物91と、予備吐出工程により形成される第1副造形物921および第2副造形物922とが形成される。主造形物91は、造形ステージSの立体物形成範囲A1上に形成される。また、第1副造形物921は、造形ステージSの第1予備吐出範囲A2上に形成される。第2副造形物922は、造形ステージSの第2予備吐出範囲A3上に形成される。
積層処理においては、まず、造形ステージSが初期位置である後方端に配置される(ステップS11)。本実施形態において、後方端は、図2に示すように、第1吐出ヘッド21および第1ローラ31よりも後方である。また、ステップS11では、後方端において、造形ステージSの上面と、第1ローラ31および第2ローラ32の下端部とは、上下方向に材料層1層分の距離を開けて配置される。本実施形態の積層処理においては、移動機構60により造形ステージSを前後方向に搬送しつつ、造形材の積層および硬化を1層分行う。そして、昇降機構50により造形ステージSを造形した層の厚み分下降させる。このような造形材の積層・硬化と、造形ステージSの下降とを繰り返して、積層処理が進行する。
ステップS11において造形ステージSが後方端に配置されると、続いて、移動機構60が、造形ステージSを後方端から前方へ向けて移動させる。これにより、造形ステージSが第1吐出ヘッド21の下方を通過する。第1吐出ヘッド21は、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS12)。
ステップS12は、モデル材の予備吐出工程(ステップS121)と、モデル材の本吐出工程(ステップS122)とを含む。
ステップS12では、まず、第1吐出ヘッド21が、第1予備吐出範囲A2において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS121)。これにより、第1予備吐出範囲A2の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。当該モデル材の層が、第1副造形物921を形成する。このように、第1予備吐出範囲A2は、モデル材の予備吐出が行われるモデル材予備吐出範囲である。
ここで、本実施形態では、「全てのノズル」とは、立体物形成範囲A1に主造形物91が形成される幅方向範囲に配置された全てのノズルを意味する。また、「幅方向の全ての領域」とは、立体物形成範囲A1に主造形物91が形成される幅方向範囲の全ての領域を意味する。このため、主造形物91の形成が行われない幅方向範囲に配置されたノズルについては、ステップS121におけるモデル材の予備吐出を行わなくてもよい。
なお、モデル材の予備吐出工程において、吐出が行われる「全てのノズル」は、立体物形成範囲A1に形成される主造形物91を形成する際にモデル材が吐出されるノズルの全てが含まれれば、立体物形成範囲A1に主造形物91が形成される幅方向範囲に配置された全てのノズルを含まなくてもよい。
その後、第1吐出ヘッド21が、立体物形成範囲A1において、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS122)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のモデル材の層が形成される。当該モデル材の層が、主造形物91を構成する材料層90を形成する。また、当該モデル材の層が、主造形物91のうち、最終造形物900となる部位を形成する。
次に、移動機構60は、造形ステージSをさらに前方へと移動させる。これにより、ステップS12で形成された液状のモデル材の層の上面と、第1ローラ31の外周面とが接触する。その結果、モデル材の層の上面が第1ローラ31により平坦化される(ステップS13)。このとき、図2中に矢印で示したように、第1ローラ31は、造形ステージSの前方への移動に逆らう向きに回転している。これにより、モデル材の層を効率的に平坦化できる。
モデル材の層が平坦化されると、続いて、移動機構60は、造形ステージSをさらに前方へと移動させ、照射部40の下方を通過させる。照射部40は、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS14)。これにより、造形ステージSの上面に形成されたモデル材の層が硬化する。
続いて、移動機構60は造形ステージSをさらに前方へと移動させる。そうすると、造形ステージSは、第2ローラ32の下方を通過する。このとき、硬化後のモデル材の層が第2ローラ32と接触する。そして、引き続き、移動機構60は、造形ステージSを前方へと移動させる。これにより、造形ステージSは、第2吐出ヘッド22の下方を通過する。そして、移動機構60はさらに造形ステージSを前方へと移動させ、造形ステージSが前方端に配置される。
次に、移動機構60は、造形ステージSを前方端から後方へ向けて移動させる。これにより、造形ステージSが第2吐出ヘッド22の下方を通過する。第2吐出ヘッド22は、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS15)。
ステップS15は、サポート材の予備吐出工程(ステップS151)と、サポート材の本吐出工程(ステップS152)とを含む。
ステップS15では、まず、第2吐出ヘッド22が、第2予備吐出範囲A3において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS151)。これにより、第2予備吐出範囲A3の幅方向の全ての領域に、サポート材の層が1層形成される。当該サポート材の層が、第2副造形物922を形成する。このように、第2予備吐出範囲A3は、サポート材の予備吐出が行われるサポート材予備吐出範囲である。
ここで、本実施形態では、「全てのノズル」とは、立体物形成範囲A1に主造形物91が形成される幅方向範囲に配置された全てのノズルを意味する。また、「幅方向の全ての領域」とは、立体物形成範囲A1に立体物9が形成される幅方向の全ての領域を意味する。このため、主造形物91の形成が行われない幅方向範囲に配置されたノズルについては、ステップS151におけるサポート材の予備吐出を行わなくてもよい。
なお、サポート材の予備吐出工程において、吐出が行われる「全てのノズル」は、立体物形成範囲A1に形成される主造形物91を形成する際にサポート材が吐出されるノズルの全てが含まれれば、立体物形成範囲A1に主造形物91が形成される幅方向範囲に配置された全てのノズルを含まなくてもよい。
その後、第2吐出ヘッド22が、立体物形成範囲A1において、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS152)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のサポート材の層が形成される。当該サポート材の層が、主造形物91を構成する材料層90を形成する。
続いて、移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。これにより、ステップS15で形成された液状のサポート材の層の上面と、第2ローラ32の外周面とが接触する。その結果、サポート材の層の上面が第2ローラ32により平坦化される(ステップS16)。このとき、図2中に矢印で示したように、第2ローラ32は、造形ステージSの後方への移動に逆らう向きに回転している。これにより、サポート材の層を効率的に平坦化できる。
サポート材の層が平坦化されると、続いて、移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させ、照射部40の下方を通過させる。照射部40は、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS17)。これにより、造形ステージSの上面に形成されたサポート材の層が硬化する。
その後、移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。そして、第1ローラ31および第1吐出ヘッド21の下方を通過した後、造形ステージSは、後方端へと配置される。そして、後方端において、昇降機構50は、1層分の材料層90の高さだけ、造形ステージSを降下させる。なお、昇降機構50は、ステップS17の後、後方端への移動を行う前に、造形ステージSを照射部40の下方において降下させてもよい。
続いて、制御部100は、積層すべき次の材料層があるか否かを確認する(ステップS19)。そして、積層すべき次の材料層がある場合は、ステップS12に戻り、ステップS12〜S18の処理を繰り返すことにより、材料層をさらに積層する。一方で、全ての材料層の積層が完了すると、積層工程が終了する。
このように、この積層装置10では、各吐出ヘッド21,22が、一層毎に、立体物形成範囲A1とは異なる予備吐出範囲A2,A3において、使用する全てのノズルから造形材の液滴を吐出する。これにより、各吐出ヘッド21,22において、使用する全ノズルから定期的に造形材の予備吐出がなされる。したがって、ノズル詰まり等の吐出不良が抑制される。その結果、吐出不良に起因して主造形物91の成形精度が低下するのを抑制できる。すなわち、最終造形物900の成形精度を向上できる。
特に、本実施形態では、第1吐出ヘッド21が、一層毎に、ステップS122における立体物形成範囲A1でのモデル材の本吐出の前に、ステップS121における第1予備吐出範囲A2でのモデル材の予備吐出を行う。また、第2吐出ヘッド22が、一層毎に、ステップS152における立体物形成範囲A1でのサポート材の本吐出の前に、ステップS151における第2予備吐出範囲A3でのサポート材の予備吐出を行う。このように、各造形材の本吐出の直前に予備吐出を行う。このように、各吐出ヘッド21,22において、主造形物91を形成するための本吐出の直前に予備吐出を行うことにより、本吐出における吐出不良をより抑制できる。したがって、最終造形物900の成形精度をより向上できる。
この積層装置10では、第1吐出ヘッド21と第2吐出ヘッドの間に配置される1つの照射部40により、モデル材およびサポート材の双方を硬化させる。したがって、高価な照射部の数を抑えることができる。その結果、積層装置10および三次元造形装置1の製造コストを低減できる。さらに、積層装置10および三次元造形装置1を小型化できる。
<2.第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る積層処理について、図8および図9を参照しつつ説明する。第2実施形態に係る積層処理を行う積層装置は、第1実施形態に係る積層装置10と同様であるため、その説明を省略する。図8は、第2実施形態の積層処理の過程を示したフローチャートである。図9は、第2実施液体の積層処理によって得られる立体物9Bの一例を示した断面図である。
図9に示すように、造形ステージSの上面は、造形ステージS上の所定の搬送方向範囲である立体物形成範囲B1と、第1予備吐出範囲B2、第2予備吐出範囲B3および第3予備吐出範囲B4とを含む。立体物形成範囲B1には、最終造形物を含む主造形物91Bが形成される。第1予備吐出範囲B2、第2予備吐出範囲B3および第3予備吐出範囲B4は、立体物形成範囲B1の前方において、搬送方向に隣り合って配置される。
本実施形態の積層処理では、立体物9Bとして、最終造形物を含む主造形物91Bと、予備吐出工程により形成される副造形物92Bとが形成される。主造形物91Bは、造形ステージSの立体物形成範囲B1上に形成される。また、副造形物92Bは、造形ステージS上の第1予備吐出範囲B2、第2予備吐出範囲B3および第3予備吐出範囲B4に亘って形成される。
積層処理においては、まず、造形ステージSが後方端に配置される(ステップS21)。次に、移動機構60が、造形ステージSを後方端から前方へ向けて移動させる。造形ステージSが第1吐出ヘッド21の下方を通過する際、第1吐出ヘッド21は、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS22)。
ステップS22は、モデル材の予備吐出工程(ステップS221)と、モデル材の本吐出工程(ステップS222)とを含む。
ステップS22では、まず、第1吐出ヘッド21が、第2予備吐出範囲B3において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS221)。これにより、第2予備吐出範囲B3の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。このように、第2予備吐出範囲B3は、モデル材の予備吐出が行われるモデル材予備吐出範囲である。
ここで、本実施形態では、「全てのノズル」とは、立体物形成範囲B1に主造形物91Bが形成される幅方向範囲に配置された全てのノズルを意味する。また、「幅方向の全ての領域」とは、立体物形成範囲B1に主造形物91Bが形成される幅方向範囲の全ての領域を意味する。
その後、第1吐出ヘッド21が、立体物形成範囲B1において、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS222)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のモデル材の層が形成される。当該モデル材の層が、主造形物91Bのうち、最終造形物となる部位を形成する。
次に、移動機構60は、造形ステージSをさらに前方へと移動させる。これにより、ステップS22で形成された液状のモデル材の層の上面と、第1ローラ31の外周面とが接触する。その結果、モデル材の層の上面が第1ローラ31により平坦化される(ステップS23)。
続いて、移動機構60は、造形ステージSをさらに前方へと移動させ、照射部40の下方を通過させる。照射部40は、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS24)。これにより、造形ステージSの上面に形成されたモデル材の層が硬化する。
その後、移動機構60は造形ステージSをさらに前方へと移動させる。そして、造形ステージSは、第2ローラ32および第2吐出ヘッド22の下方を通過した後、前方端に配置される。
次に、移動機構60は、造形ステージSを前方端から後方へ向けて移動させる。これにより、造形ステージSが第2吐出ヘッド22の下方を通過する。第2吐出ヘッド22は、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS25)。
ステップS25は、サポート材の本吐出工程(ステップS251)と、サポート材の予備吐出工程(ステップS252)とを含む。
ステップS25では、まず、第2吐出ヘッド22が、立体物形成範囲B1において、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS251)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のサポート材の層が形成される。当該サポート材の層が、主造形物91Bの一部を形成する。
その後、第2吐出ヘッド22が、第3予備吐出範囲B4および第1予備吐出範囲B2において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS252)。これにより、第1予備吐出範囲B2および第3予備吐出範囲B4の幅方向の全ての領域に、サポート材の層が1層形成される。このように、第1予備吐出範囲B2および第3予備吐出範囲B4は、サポート材の予備吐出が行われるサポート材予備吐出範囲である。当該サポート材の層と、ステップS221で形成されたモデル材の層とが、副造形物92Bを形成する。
続いて、移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。これにより、ステップS25で形成された液状のサポート材の層の上面と、第2ローラ32の外周面とが接触する。その結果、サポート材の層の上面が第2ローラ32により平坦化される(ステップS26)。
移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させ、照射部40の下方を通過させる。照射部40は、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS27)。これにより、造形ステージSの上面に形成されたサポート材の層が硬化する。
その後、移動機構60は、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。そして、第1ローラ31および第1吐出ヘッド21の下方を通過した後、造形ステージSは、後方端へと配置される。そして、後方端において、昇降機構50は、1層分の材料層の高さだけ、造形ステージSを降下させる。
続いて、制御部100は、積層すべき次の材料層があるか否かを確認する(ステップS29)。そして、積層すべき次の材料層がある場合は、ステップS22に戻り、ステップS22〜S28の処理を繰り返すことにより、材料層をさらに積層する。一方で、全ての材料層の積層が完了すると、積層工程が終了する。
第2実施形態において、この積層装置10では、各吐出ヘッド21,22が、一層毎に、立体物形成範囲B1とは異なる予備吐出範囲B2,B3,B4において、使用する全てのノズルから造形材の液滴を吐出する。これにより、各吐出ヘッド21,22において、使用する全ノズルから定期的に造形材の予備吐出がなされる。したがって、ノズル詰まり等の吐出不良が抑制される。その結果、吐出不良に起因して主造形物91Bの成形精度が低下するのを抑制できる。すなわち、最終造形物の成形精度を向上できる。
副造形物92Bは、主造形物91Bと同条件で成形されるため、主造形物91Bおよび最終造形物の性質や状態を検査するサンプルとして用いることができる。本実施形態では、主造形物91Bからサポート材を除去して最終造形物を得る工程を行う際に、同時に、副造形物92Bからもサポート材の除去を行う。そして、副造形物92Bに含まれるモデル材をサンプルとして用いる。
本実施形態では、モデル材予備吐出範囲である第2予備吐出範囲B3と、サポート材予備吐出範囲である第1予備吐出範囲B2および第3予備吐出範囲B4とが、搬送方向に隣り合って配置される。このため、第2予備吐出範囲B3に造形されたモデル材の搬送方向の端面が、サポート材と接する。本実施形態の副造形物92Bから得られたサンプルは、サポート材と接して形成された面を有する。モデル材により形成される最終造形物は、外表面がサポート材と接して形成された場合と、サポート材と接することなく形成された場合とで、その表面状態が異なる。このため、本実施形態のように、予備吐出範囲に成形される造形物をサンプルとして用いる場合、サポート材と接する面があることが好ましい。
特に、本実施形態では、造形の目的である最終造形物が、心臓などの臓器モデルである。このため、モデル材として、柔軟な材料を用いている。モデル材が柔軟な材料である場合、予備吐出範囲のように細長い領域に材料を積層させると、積層工程の途中で倒壊する虞がある。本実施形態のように、モデル材を積層させる第2予備吐出範囲B3に隣接する第1予備吐出範囲B2または第3予備吐出範囲B4にサポート材を積層させることにより、積層処理中にモデル材が倒壊するのが抑制される。本実施形態では、第2予備吐出範囲B3の搬送方向の両側にサポート材を積層させることにより、積層処理中にモデル材が倒壊するのがさらに抑制される。
<3.第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る積層装置10Cにおける積層処理について、図10〜図16を参照しつつ説明する。図10は、積層装置10Cの構成を示した図である。図11は、第3実施形態の積層処理の過程を示したフローチャートである。図12は、第2実施液体の積層処理によって得られる立体物9Cの一例を示した断面図である。図13は、ステップS32のモデル材吐出工程の流れを示したフローチャートである。図14は、ステップS34のサポート材吐出工程の流れを示したフローチャートである。図15は、ステップS35のサポート材吐出工程の流れを示したフローチャートである。図16は、ステップS38のモデル材吐出工程の流れを示したフローチャートである。
図10に示すように、第3実施形態に係る積層処理を行う積層装置10Cは、第1実施形態に係る積層装置10と、第1ローラ31Cの位置が異なる。本実施形態の積層装置10Cでは、第1ローラ31Cが、第1吐出ヘッド21Cの後方に配置される。積層装置10Cその他の構成については、第1実施形態に係る積層装置10とほぼ同等である。
図12に示すように、造形ステージSの上面は、造形ステージS上の所定の搬送方向範囲である立体物形成範囲C1と、第1予備吐出範囲C2、第2予備吐出範囲C3および第3予備吐出範囲C4と、第4予備吐出範囲C5、第5予備吐出範囲C6および第6予備吐出範囲C7とを含む。立体物形成範囲C1には、最終造形物を含む主造形物91Cが形成される。第1予備吐出範囲C2、第2予備吐出範囲C3および第3予備吐出範囲C4は、立体物形成範囲C1の前方において、搬送方向に隣り合って配置される。第4予備吐出範囲C5、第5予備吐出範囲C6および第6予備吐出範囲C7は、立体物形成範囲C1の後方において、搬送方向に隣り合って配置される。
本実施形態の積層処理では、立体物9Cとして、最終造形物を含む主造形物91Cと、予備吐出工程により形成される第1副造形物921Cおよび第2副造形物922Cとが形成される。主造形物91Cは、造形ステージSの立体物形成範囲C1上に形成される。また、第1副造形物921Cは、造形ステージS上の第1予備吐出範囲C2、第2予備吐出範囲C3および第3予備吐出範囲C4に亘って形成される。第2副造形物922Cは、造形ステージS上の第4予備吐出範囲C5、第5予備吐出範囲C6および第6予備吐出範囲C7に亘って形成される。
積層処理においては、まず、造形ステージSが初期位置である後方端に配置される(ステップS31)。また、ステップS31では、後方端において、造形ステージSの上面と、第1ローラ31Cおよび第2ローラ32Cの下端部とは、上下方向に材料層2層分の距離を開けて配置される。本実施形態の積層処理においては、移動機構60Cにより造形ステージSを前後方向に搬送しつつ、造形材の積層および硬化を2層分ずつ行う。そして、昇降機構50Cにより造形ステージSを造形した層の厚み分下降させる。このような造形材の積層・硬化と、造形ステージSの下降とを繰り返して、積層処理が進行する。
ステップS31において造形ステージSが後方端に配置されると、続いて、移動機構60Cが、造形ステージSを後方端から前方へ向けて移動させる。これにより、造形ステージSが第1ローラ31Cの下方を通過する。そして、引き続き、造形ステージSが第1吐出ヘッド21Cの下方を通過する。第1吐出ヘッド21Cは、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS32)。
図13に示すように、ステップS32は、モデル材の予備吐出工程(ステップS321)、モデル材の本吐出工程(ステップS322)、および、モデル材の予備吐出工程(ステップS323)を含む。
ステップS32では、まず、第1吐出ヘッド21Cが、第2予備吐出範囲C3において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS321)。これにより、第2予備吐出範囲C3の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。当該モデル材の層が、第1副造形物921Cの一部を形成する。このように、第2予備吐出範囲C3は、モデル材の予備吐出が行われるモデル材予備吐出範囲である。
次に、第1吐出ヘッド21Cが、立体物形成範囲C1において、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS322)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のモデル材の層が形成される。当該モデル材の層が、主造形物91Cのうち、最終造形物となる部位を形成する。
続いて、第1吐出ヘッド21Cが、第5予備吐出範囲C6において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS323)。これにより、第5予備吐出範囲C6の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。当該モデル材の層が、第2副造形物922Cの一部を形成する。このように、第5予備吐出範囲C6は、モデル材の予備吐出が行われるモデル材予備吐出範囲である。
ステップS32が終了すると、移動機構60Cは、造形ステージSをさらに前方へと移動させ、照射部40Cの下方を通過させる。照射部40Cは、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS33)。これにより、ステップS32(2回目以降においては、ステップS38およびステップS32)において造形ステージSの上面に形成されたモデル材の層が硬化する。
そして、移動機構60Cは造形ステージSをさらに前方へと移動させる。そうすると、造形ステージSは、第2ローラ32Cの下方を通過する。このとき、硬化後のモデル材の層は、第2ローラ32Cと接触しない。そして、引き続き、移動機構60Cは、造形ステージSを前方へと移動させる。これにより、造形ステージSは、第2吐出ヘッド22の下方を通過する。第2吐出ヘッド22Cは、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS34)。
図14に示すように、ステップS34は、サポート材の予備吐出工程(ステップS341)、サポート材の本吐出工程(ステップS342)、および、サポート材の予備吐出工程(ステップS343)を含む。
ステップS341では、まず、第2吐出ヘッド22Cが、第1予備吐出範囲C2および第3予備吐出範囲C4において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS341)。これにより、第1予備吐出範囲C2および第3予備吐出範囲C4の幅方向の全ての領域に、サポート材の層が1層形成される。当該サポート材の層が、第1副造形物921Cの一部を形成する。このように、第1予備吐出範囲C2および第3予備吐出範囲C4は、サポート材の予備吐出が行われるサポート材予備吐出範囲である。
次に、第2吐出ヘッド22Cが、立体物形成範囲C1において、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS342)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のサポート材の層が形成される。当該サポート材の層が、主造形物91Cの一部を形成する。
続いて、第2吐出ヘッド22Cが、第4予備吐出範囲C5および第6予備吐出範囲C7において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS343)。これにより、第4予備吐出範囲C5および第6予備吐出範囲C7の幅方向の全ての領域に、サポート材の層が1層形成される。当該サポート材の層が、第2副造形物922Cの一部を形成する。このように、第4予備吐出範囲C5および第6予備吐出範囲C7は、サポート材の予備吐出が行われるサポート材予備吐出範囲である。
その後、移動機構60Cはさらに造形ステージSを前方へと移動させ、造形ステージSが前方端に配置される。
次に、移動機構60Cは、造形ステージSを前方端から後方へ向けて移動させる。これにより、造形ステージSが第2吐出ヘッド22Cの下方を再度通過する。第2吐出ヘッド22Cは、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS35)。
図15に示すように、ステップS35は、サポート材の予備吐出工程(ステップS351)、サポート材の本吐出工程(ステップS352)、および、サポート材の予備吐出工程(ステップS353)を含む。
ステップS351では、まず、第2吐出ヘッド22Cが、第6予備吐出範囲C7および第4予備吐出範囲C5において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS351)。これにより、第6予備吐出範囲C7および第4予備吐出範囲C5の幅方向の全ての領域に、サポート材の層がもう1層形成される。
次に、第2吐出ヘッド22Cが、立体物形成範囲C1において、分割されたデータに基づいて、サポート材の液滴を吐出する(ステップS352)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のサポート材の層が形成される。
続いて、第2吐出ヘッド22Cが、第3予備吐出範囲C4および第1予備吐出範囲C2において、全てのノズルからサポート材の液滴を吐出する(ステップS353)。これにより、第3予備吐出範囲C4および第1予備吐出範囲C2の幅方向の全ての領域に、サポート材の層がもう1層形成される。
その後、移動機構60Cは、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。これにより、ステップS34およびステップS35で形成された液状のサポート材の層の上面と、第2ローラ32Cの外周面とが接触する。その結果、サポート材の上面が第2ローラ32Cにより平坦化される(ステップS36)。
サポート材の層が平坦化されると、続いて、移動機構60Cは、造形ステージSをさらに後方へと移動させ、照射部40Cの下方を通過させる。照射部40は、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する(ステップS37)。これにより、造形ステージSの上面に形成されたサポート材の層が硬化する。
その後、移動機構60Cは、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。これにより、造形ステージSが第1吐出ヘッド21Cの下方を再度通過する。第1吐出ヘッド21Cは、下方を通過する造形ステージSの上面に向けて、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS38)。
図16に示すように、ステップS38は、モデル材の予備吐出工程(ステップS381)、モデル材の本吐出工程(ステップS382)、および、モデル材の予備吐出工程(ステップS383)を含む。
ステップS38では、まず、第1吐出ヘッド21Cが、第5予備吐出範囲C6において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS381)。これにより、第5予備吐出範囲C6の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。
次に、第1吐出ヘッド21Cが、立体物形成範囲C1において、分割されたデータに基づいて、モデル材の液滴を吐出する(ステップS382)。これにより、設計データの各高さ位置の形状に応じた1層分のモデル材の層が形成される。
続いて、第1吐出ヘッド21Cが、第2予備吐出範囲C3において、全てのノズルからモデル材の液滴を吐出する(ステップS383)。これにより、第2予備吐出範囲C3の幅方向の全ての領域に、モデル材の層が1層形成される。
そして、移動機構60Cは、造形ステージSをさらに後方へと移動させる。これにより、ステップS38で形成された液状のモデル材の層の上面と、第1ローラ31Cの外周面とが接触する。その結果、モデル材の層の上面が第1ローラ31Cにより平坦化される(ステップS39)。
その後、造形ステージSは、後方端へと配置される。そして、後方端において、昇降機構50Cは、2層分の材料層の高さだけ、造形ステージSを降下させる(ステップS40)。
続いて、制御部100Cは、積層すべき次の材料層があるか否かを確認する(ステップS41)。そして、積層すべき次の材料層がある場合は、ステップS32に戻り、ステップS32〜S38の処理を繰り返すことにより、材料層をさらに積層する。一方で、全ての材料層の積層が完了すると、ステップS42へと進む。
ステップS42では、移動機構60Cが造形ステージSを前方へと移動させ、第1ローラ31Cおよび第1吐出ヘッド21Cの下方を通過させる。続いて、移動機構60Cは、造形ステージSを照射部40Cの下方を通過させる。照射部40Cは、下方を通過する造形ステージSへ向けて紫外線を照射する。これにより、ステップS38において造形ステージSの上面に形成されたモデル材の層が硬化する。以上により、本実施形態の積層工程が終了する。
本実施形態では、後方から前方へ向かう往路と、前方から後方へ向かう復路の双方においてモデル材およびサポート材の吐出が行われる。また、立体物形成範囲C1の前方と後方の双方にモデル材の予備吐出範囲C3,C6とサポート材の予備吐出範囲C2,C4,C5,C7とを設けている。これにより、第1吐出ヘッド21Cが、一層毎に、立体物形成範囲C1でのモデル材の本吐出の前に、第2予備吐出範囲C3または第5予備吐出範囲C6のいずれかにおいてモデル材の予備吐出を行う。また、第2吐出ヘッド22Cが、一層毎に、立体物形成範囲C1でのサポート材の本吐出の前に、第1予備吐出範囲C2および第3予備吐出範囲C4、または、第4予備吐出範囲C5および第6予備吐出範囲C7のいずれかにおいてサポート材の予備吐出を行う。このように、各吐出ヘッド21C,22Cにおいて、主造形物91Cを形成するための本吐出の直前に予備吐出を行うことにより、本吐出における吐出不良をより抑制できる。したがって、最終造形物の成形精度をより向上できる。
<4.変形例>
以上、本発明の主たる実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態の積層装置では、2つの吐出ヘッドの間に配置される1つの照射部により、モデル材およびサポート材の硬化を行っていた。したがって、高価な照射部の数を抑えることができる。その結果、積層装置および三次元造形装置の製造コストを低減できるとともに、小型化できる。しかしながら、本発明はこの限りではない。造形材の硬化処理を行う硬化部は、複数あってもよい。
また、上記の実施形態では、モデル材を吐出する第1吐出ヘッドと、サポート材を吐出する第2吐出ヘッドとは、それぞれ単一であった。しかしながら、第1吐出ヘッドおよび第2吐出ヘッドの数は、それぞれ複数であってもよい。
また、上記の実施形態では、モデル材を吐出する第1吐出ヘッドと、サポート材を吐出する第2吐出ヘッドの双方において予備吐出工程を行った。しかしながら、一方の吐出ヘッドのみで予備吐出工程を行ってもよい。モデル材およびサポート材の材料や、主造形物の形状によっては、第1吐出ヘッドと第2吐出ヘッドとのノズル詰まりの生じやすさは異なる。このため、例えば、モデル材を吐出する第1吐出ヘッドではノズル詰まりが生じやすく、サポート材を吐出する第2吐出ヘッドではノズル詰まりが生じにくい場合、第1吐出ヘッドのみで予備吐出工程を行ってもよい。
また、上記の実施形態では、第1吐出ヘッド、第2吐出ヘッド、ローラおよび照射部を含む処理ユニットの高さが固定されていた。そして、昇降機構は、当該処理ユニットに対して造形ステージを、上下に移動させていた。しかしながら、昇降機構は、高さが固定された造形ステージに対して、処理ユニットを上下に移動させてもよい。すなわち、昇降機構は、処理ユニットに対して造形ステージを、相対的に上下に移動させるものであればよい。
また、上記の実施形態では、第1吐出ヘッド、第2吐出ヘッド、ローラおよび照射部を含む処理ユニットの前後方向の位置が固定されていた。そして、移動機構は、当該処理ユニットに対して造形ステージを、前後に往復移動させていた。しかしながら、移動機構は、前後方向の位置が固定された造形ステージに対して、処理ユニットを前後に往復移動させてもよい。すなわち、移動機構は、処理ユニットに対して造形ステージを、相対的に水平方向に往復移動させるものであればよい。
また、上記の実施形態では、モデル材およびサポート材は紫外線硬化型の材料であった。しかしながら、モデル材およびサポート材は、熱、赤外線、レーザおよびX線等の、紫外線以外のエネルギーにより硬化するエネルギー硬化型の材料であってもよい。そして、照射部は、熱、赤外線、レーザおよびX線等のエネルギー線を照射するものであってもよい。
また、上記の実施形態では、最終造形物を含む主造形物と、予備吐出工程により形成される副造形物とは、搬送方向に間隔を空けて形成された。すなわち、主造形物と副造形物とは別体に形成された。これにより、主造形物および副造形物のそれぞれについて、サポート材の除去が行いやすい。しかしながら、主造形物と副造形物とは、搬送方向に繋がって形成されてもよい。
また、積層装置および三次元造形装置の細部の形状および構造については、本願の各図に示された形状および構造と相違していてもよい。また、上記の実施形態や変形例に登場した各要素を、矛盾が生じない範囲で、適宜に組み合わせてもよい。
1 三次元造形装置
9, 9B, 9C 立体物
10, 10C 積層装置
20 積層部
21, 21C 第1吐出ヘッド
22, 22C 第2吐出ヘッド
31,31C,32,32C ローラ
40, 40C 照射部
60, 60C 移動機構
91, 91B, 91C 主造形物
92B, 921 , 921C, 922, 922C 副造形物
900 最終造形物
A1, B1, C1 立体物形成範囲
A2, A3, B2, B3, B4 , C2, C3, C4 , C5, C6 ,C7 予備吐出範囲
S 造形ステージ

Claims (13)

  1. 造形材を積層して立体物を形成する三次元造形装置であって、
    造形材からなる材料層が形成される造形ステージと、
    前記造形ステージ上に液状の前記造形材を吐出して前記材料層を形成する積層部と、
    前記造形ステージ上の前記材料層に硬化処理を行う硬化部と、
    前記造形ステージと、前記積層部および前記硬化部とを、搬送方向に相対的に移動させる移動機構と、
    を有し、
    前記積層部は、
    搬送方向に相対的に移動する前記造形ステージに対して、幅方向に配列された複数のノズルから前記造形材を吐出する、1つ以上の吐出ヘッド
    を有し、
    前記吐出ヘッドはそれぞれ、一層ごとに、前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である立体物形成範囲に前記造形材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成するとともに、前記立体物形成範囲とは異なる前記造形ステージ上の搬送方向範囲である予備吐出範囲において前記吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記造形材を吐出する、三次元造形装置。
  2. 請求項1に記載の三次元造形装置であって、
    前記吐出ヘッドはそれぞれ、前記材料層の各層の吐出時に、前記立体物形成範囲における前記造形材の吐出の前に、前記予備吐出範囲における前記造形材の吐出を行う、三次元造形装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の三次元造形装置であって、
    前記吐出ヘッドを複数有し、
    複数の前記吐出ヘッドは、
    複数の前記ノズルから液状のモデル材を吐出する、モデル材吐出ヘッドと、
    複数の前記ノズルから液状のサポート材を吐出する、サポート材吐出ヘッドと、
    を含み、
    前記予備吐出範囲は、モデル材予備吐出範囲およびサポート材予備吐出範囲を含み、
    前記モデル材吐出ヘッドは、前記モデル材予備吐出範囲に全ての前記ノズルから前記モデル材の吐出を行い、
    前記サポート材吐出ヘッドは、前記サポート材予備吐出範囲に全ての前記ノズルから前記サポート材の吐出を行う、三次元造形装置。
  4. 請求項3に記載の三次元造形装置であって、
    前記モデル材予備吐出範囲と、前記サポート材予備吐出範囲とは、搬送方向に隣り合って配置される、三次元造形装置。
  5. 請求項3に記載の三次元造形装置であって、
    前記モデル材予備吐出範囲は、搬送方向の両側に配置された2つの前記サポート材予備吐出範囲と、搬送方向に隣り合って配置される、三次元造形装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の三次元造形装置であって、
    前記造形材は、エネルギー硬化型の材料であり、
    前記硬化部は、前記造形ステージ上の前記造形材に対してエネルギー線を照射する、三次元造形装置。
  7. 請求項6の三次元造形装置であって、
    前記造形材は、紫外線硬化型の材料であり、
    前記硬化部は、前記造形ステージ上の前記造形材に対して紫外線を照射する、三次元造形装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかの三次元造形装置であって、
    前記造形ステージ上に形成された硬化前の前記材料層を平坦化するローラ
    をさらに有する、三次元造形装置。
  9. 積層部および硬化部を有する三次元造形装置により造形ステージ上に立体物を形成する三次元造形方法であって、
    前記積層部は、
    搬送方向に相対的に移動する前記造形ステージに対して、幅方向に配列された複数のノズルから液状の造形材を吐出する吐出ヘッド
    を有し、
    A)前記積層部が、前記吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記造形材を吐出する工程と、
    B)前記硬化部が、前記造形ステージ上の液状の前記造形材を硬化する工程と、
    を繰り返し行い、
    前記工程A)は、
    p)前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である予備吐出範囲に、前記吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記造形材を吐出する工程と、
    q)前記予備吐出範囲とは異なる前記造形ステージ上の所定の搬送方向範囲である立体物造形領域に前記吐出ヘッドから前記造形材を吐出して、前記立体物を構成する材料層を形成する工程と、
    を含む、三次元造形方法。
  10. 請求項9に記載の三次元造形方法であって、
    前記工程A)において、前記工程q)は、前記工程p)の後に行われる、三次元造形方法。
  11. 請求項9または請求項10に記載の三次元造形方法であって、
    前記吐出ヘッドは、
    複数の前記ノズルから液状のモデル材を吐出する、モデル材吐出ヘッドと、
    複数の前記ノズルから液状のサポート材を吐出する、サポート材吐出ヘッドと、
    を含み、
    前記工程A)は、
    A1)前記モデル材吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記モデル材を吐出する工程と、
    A2)前記サポート材吐出ヘッドから前記造形ステージに向けて、液状の前記サポート材を吐出する工程と、
    の少なくとも一方を含み、
    前記工程A1)は、
    p1)前記予備吐出範囲であるモデル材予備吐出範囲に、前記モデル材吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記モデル材を吐出する工程と、
    q1)前記立体物造形領域に、前記モデル材吐出ヘッドから前記モデル材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成する工程と、
    を含み、
    前記工程A2)は、
    p2)前記予備吐出範囲であってモデル材予備吐出範囲とは異なる搬送方向範囲であるサポート材予備吐出範囲に、前記サポート材吐出ヘッドの全ての前記ノズルから前記サポート材を吐出する工程と、
    q2)前記立体物造形領域に、前記サポート材吐出ヘッドから前記サポート材を吐出して、前記立体物を構成する前記材料層を形成する工程と、
    を含む、三次元造形方法。
  12. 請求項11に記載の三次元造形方法であって、
    前記モデル材予備吐出範囲と、前記サポート材予備吐出範囲とは、搬送方向に隣り合って配置される、三次元造形方法。
  13. 請求項11に記載の三次元造形方法であって、
    前記モデル材予備吐出範囲は、搬送方向の両側に配置された2つの前記サポート材予備吐出範囲と、搬送方向に隣り合って配置される、三次元造形方法。
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