JP2018089833A - 積層シート及びその製造方法 - Google Patents

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幸慶 神谷
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康之 鈴木
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Abstract

【課題】積層シートの全面として通気性に優れた積層シートを提供する。【解決手段】中間に位置する接着シート11と、表裏に位置する不織布12,12が積層一体化されてなる、少なくとも三層の積層シート10であって、積層シートがエンボス凹凸部15を有しており、該エンボス凹凸部15でのみ重ねシートが嵌合されて接合されていることを特徴とする。また、前記エンボス凹凸部の凸部の高さは、積層シートの裏面よりも突出していることを特徴とする。さらに、前記エンボス凹凸部の凹部の深さは、積層シートの厚みよりも大きいことを特徴とする。そして、前記エンボス凹凸部の凹部の底面の外周縁が、リング状に強圧着された強圧着部を有していることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、通気性に優れたフィルター用途に適した積層シート及びその製造方法に関する。
従来より、粉塵を除去するためのエアーフィルターや液体フィルターの素材として種々の不織布を用いた積層シートが提案されている。
しかしながら、化学接着剤を用いた積層シートは、液体(油など)に浸漬したときに化学接着剤が溶出するおそれがあり、食品の濾過などに用いるフィルター用途には使用できなかった。また、近年では、熱圧着タイプの長繊維不織布をエンボス加工でフィルター用途の素材として使用する例もある。
例えば特許文献1(特開2003−268664号公報)には、2枚の不織布を、ロール表面に複数の凸部が形成されたエンボスロールを用いたエンボス加工により積層・接着して構成される積層不織布が開示されている。
特開2003−268664号公報
しかし、特許文献1のような積層シートにおいて、接合領域のエンボス凹部では、不織布シートそれぞれの樹脂繊維が溶融して網目が塞がれて、エンボス加工部分(凹部)における通気性が遮断される。
したがって、積層シートの凹部における通気性が遮断されたことで、積層シート全体としても通気性が劣化する。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、積層シートの全面として通気性に優れた積層シートを提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、
(1)本発明の積層シートは、中間に位置する接着シート11と、表裏に位置する不織布12,12が積層一体化されてなる、少なくとも三層の積層シート10であって、
前記積層シート10がエンボス凹凸部15を有しており、
該エンボス凹凸部でのみ重ねシートが嵌合されて接合されていることを特徴とする。
(2)本発明の積層シートは、上記(1)において、
前記エンボス凹凸部15の凸部15aの高さhは、積層シート10の裏面10bよりも突出していることを特徴とする。
(3)本発明の積層シートは、上記(1)又は(2)において、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの深さSは、積層シート10の厚みTよりも大きいことを特徴とする。
(4)本発明の積層シートは、上記(1)〜(3)において、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cの外周縁が、リング状に強圧着された強圧着部15eを有していることを特徴とする。
(5)本発明の積層シートの製造方法は、エンボスロール21とその受けロール31間に、中間に位置する接着シート11と、その表裏に位置する不織布12、12とを重ねた重ねシート13を通過させることにより、前記エンボスロール21のベース面21aから立設するように形成されたエンボスピン22を前記重ねシート13の表面に押圧して、積層シートにエンボス凹凸部15を形成する積層シート10の製造方法であって、
積層シート10が前記エンボスロールとその受けロール間を通過する際に、前記エンボスロール21のエンボスピン22の先端部22aを重ねシート13に当接させるとともに受けロール31内に埋め込み、深絞りエンボス加工してエンボス凹凸部15を形成し、そのエンボス凹凸部15において前記接着シート11と不織布12、12とを嵌合させることを特徴とする。
(6)本発明の積層シートの製造方法は、上記(5)において、前記エンボスピン22の先端部22aの外周縁に、リング状の強押圧部22fを設け、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを該強押圧部22fで強圧着し、該凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eを形成することを特徴とする。
(7)本発明の積層シートの製造方法は、上記(5)において、エンボスピン22の先端部22aの外周縁に設けたリング状の強押圧部22fが、エンボスピン22の高さ方向に延出した突出部22gを備えており、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを該突出部22gで強圧着し、該凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eを形成することを特徴とする。
(8)本発明の積層シートの製造方法は、上記(5)〜(7)において、積層シート10が、エンボスロール21と受けロール31の間を通過する際に、エンボスロール21のベース面21aが、対向する不織布12と接触しないように隙間cを有することを特徴とする。
(9)本発明の積層シートの製造方法は、上記(5)〜(8)において、エンボスロール21とその受けロール31とで積層された積層シートの一方側から光を照射し、他方側から積層シートに形成されたエンボス凹凸部15を監視することを特徴とする。
本発明の積層シートは、中間に位置する接着シート11と、表裏に位置する不織布12,12が積層一体化されてなる、少なくとも三層の積層シート10であって、
前記積層シートがエンボス凹凸部を有しており、前記エンボス凹凸部15の凸部15aの高さhは、積層シートの裏面10bよりも突出しているので、
通気性に優れ、かつ機械的強度や耐久性に優れたフィルター用不織布に適した積層シートを提供することができる。
また、化学接着剤を使わないでエンボス凹凸部を形成することにより積層しているので、
化学接着剤を禁止する分野に適用することができる。
例えば、食用油の濾過や医療用などのフィルターに使用することができる。
本発明の実施形態1に係るエンボス凹凸部15を有した積層シート10の縦切断部分拡大図である。 実施形態1に係るエンボス凹凸部15を有した積層シート10の平面図である。 積層シート10に深絞りエンボス加工をするために用いる深絞りエンボス加工装置の概略側面図である。 積層シート10に深絞りエンボス加工をするために用いるエンボスロール21の正面図である。 実施形態2に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図である。 実施形態3に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図である。 実施形態4に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図である。 実施形態5に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図である。 実施例1に係る積層シートのエンボス凹凸部15であり、(a)は縦切断部分拡大図であり、(b)はその平面図である。 比較例1に係る積層シートの熱圧着されたエンボス凹部であり、(a)は縦切断部分拡大図であり、(b)はその平面図である。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係るエンボス凹凸模様を有した積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図である。
図2は、実施形態1に係るエンボス凹凸模様を有した積層シート10の平面図である。
図1,2に示すように、実施形態1の積層シート10は、中間に位置する接着シート(例えばメルトブロー不織布)11と、表裏に位置する不織布(例えばスパンボンド不織布)12,12が積層一体化されてなる少なくとも三層の積層シート10であって、前記積層シートはエンボス凹凸部15を有しており、積層シートの表面に形成された凹部15bが、積層シートの裏面10b側に凸部15aとして張出している。
実施形態1に係る積層シート10は、該エンボス凹凸部でのみ重ねシートが嵌合されて接合されていることを特徴とする。それ以外の部分では、重ねシートは接合されていない。
また、前記凸部15aの高さhは、積層シート10の裏面10bよりも突出していることを特徴とする。
さらに、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの深さSは、積層シート10の厚みTよりも大きいことが好ましい。
凹部15bの深さSとは、図1に示すように、エンボス凹凸部15の底面15cと積層シート10の表面10aとの距離をいう。
この凹部15bの深さSを、積層シート10の厚みTよりも大きくすることにより、凹部15bの側壁15dの寸法を大きくとれ、側壁15dから積層シート10裏面10bへ抜ける通気が確保できるからである。
<表裏に位置する不織布>
次に、積層シート10を構成する2種類のシートについて説明する。
積層シート10の表裏層を構成する不織布としては、例えばスパンボンド不織布12が挙げられ、溶融したポリマーを口金より押し出し、これを高速吸引ガス等により吸引延伸した後、移動コンベア上に捕集してウェブとし、さらに連続的に熱処理、絡合等を施すことによりシートとする方法に代表される、いわゆるスパンボンド法により製造される通気性を有した不織布である。
スパンボンド不織布を構成する繊維の平均繊維径は、10〜30μmの範囲とすることが好ましい。
平均繊維径が10μmよりも小さい場合は、不織布の通気性が低下し、不織布の剛性も低下する傾向があり好ましくない。またスパンボンド不織布製造時に糸切れが生じやすく、生産安定性の面からも好ましくない方向である。
平均繊維径が30μmよりも大きい場合は、スパンボンド不織布製造時に、糸条の冷却不良により糸切れが生じやすく生産安定性の面から好ましくない。
また、スパンボンド不織布は、ポリエステル系とすることが好ましい。
ポリエステル系不織布は、融点が比較的高いため耐熱性に優れ、さらには剛性にも優れる。なお、ポリエステル系不織布は、ポリエチレンテレフタレートを含むものであり、これを主成分とするものが好ましい。
ポリエステル系不織布としては、芯部がポリエチレンテレフタレートを含み、鞘部が芯部のポリマーより融点の低い共重合ポリエステルを含む芯鞘型スパンボンド不織布が強度や剛性の点から好ましい。
芯部のポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレートを主成分とすることが好ましい。
共重合ポリエステルは、芯部に含まれるポリエチレンテレフタレートと比較して15℃以上融点が低いものであり、共重合成分としてはイソフタル酸、アジピン酸が好ましい。
このような芯鞘型繊維を採用すると、芯成分に含まれるポリエチレンテレフタレートは、鞘成分に含まれる共重合ポリエステルより融点が高いため、メルトブロー不織布との強圧着時にダメージを受けにくく、不織布の強度や、剛性が向上する傾向となる。
<接着シート11>
積層シート10の中間に位置する接着シート11としては、例えばメルトブロー不織布が挙げられ、溶融したポリマーを口金より押し出し、該溶融ポリマーに加熱高速ガス流体等を吹き当てながら引き伸ばすことにより極細繊維化し、捕集してシートとする方法に代表される、いわゆるメルトブロー法により製造される、加熱軟化性、接着性及び通気性を有した不織布である。
メルトブロー不織布11を構成する繊維の平均繊維径は、1〜8μmの範囲とすることが好ましい。
平均繊維径が1μmよりも小さいときは、ポリマーを引き伸ばして極細繊維化する際に、繊維が切れやすくなり、塊状のポリマーが混入する場合があり好ましくない。
さらには不織布の通気性が低下する傾向もあり好ましくない。
平均繊維径が8μmを超える場合は、繊維が太くなり過ぎるため、粉塵の捕集性能が低下する傾向があり好ましくない。
また、メルトブロー不織布11は、接着性繊維を含んでおり、深絞りエンボス加工により、2枚のスパンボンド不織布がメルトブロー不織布を介して強固に嵌合して一体化させることができ、耐久性に優れた明瞭なエンボス凹凸部15を積層シートに形成することができるためである。
また、メルトブロー不織布11は、熱で軟化・溶融する性質も有しており、熱接着成分と、熱接着成分よりも高い融点を有する骨格成分とからなる複合形態の繊維構造を有している。
複合形態としては、芯鞘型複合形態や、サイドバイサイド型複合形態等が挙げられる。
エンボス加工を施した際の、形態保持性や柔軟性、機械的強度、嵩高性等を考慮すると、芯鞘型複合形態の繊維が好ましい。
また、熱接着成分は、柔軟性が良好なポリオレフィン系重合体からなることが好ましい。
ポリオレフィン系重合体としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレンとプロピレンとの共重合体、またはこれらのブレンド体等が挙げられる。
複合形態の繊維の場合、骨格成分と熱接着成分との組合せ(骨格成分/熱接着成分)としては、ポリエステル系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリアミド系重合体/ポリオレフィン系重合体、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/エチレンとプロピレンとの共重合体が挙げられる。
<目付>
上記メルトブロー不織布11やスパンボンド不織布の目付は、5〜300g/mの範囲であることが好ましい。
目付が5g/mを下回る場合は、不織布の強度や剛性が不十分となる場合があり好ましくない。
目付が300g/mを上回る場合は、不織布の強度や剛性は十分であるものの、通気性が低下する傾向があり、さらにはコスト面でも好ましくない方向である。
ここでいう目付は、JISL1906(2000年版)の5.2に準じている。
実施形態1の積層シート10において、スパンボンド不織布12とメルトブロー不織布11との積層比率は、積層シートの通気性やエンボス凹凸部での嵌合強度を考慮すると、スパンボンド不織布の目付量を1とした場合、メルトブロー不織布の目付量はそれ以上の20g/m以上とすることが好ましい。
実施形態1の積層シート10は、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の順に積層されて、深絞りエンボス加工により、積層シートにエンボス凹凸部15を部分的に形成することにより積層一体化している。
エンボス凹凸部15となる凹部15の平面視の形状としては、円形、楕円形、四角形、十字形、花形、星形等であって、これが千鳥状や幾何学模様状に散点したものなどが挙げられる。
なお、凹部15の積層シート10全体に占める比率(凹部面積率)は、積層シート10としての柔軟性や、積層一体化のための接合強度等を考慮して5〜50%程度が好ましい。
実施形態1の積層シート10には、深絞りエンボス加工によるエンボス凹凸部15が形成されている。
これは、重ねシート13に深絞りエンボス加工による圧力が付与された際、エンボスロール21のベース面21aから立設するように形成されたエンボスピン22が、メルトブロー不織布の接着成分を軟化させるとともに、エンボスピン22の先端によって重ねシート13に凹部15bを形成して、スパンボンド不織布が接着シート11を介して、入れ子状態に嵌合して一体化すると同時に、積層シート10にエンボス凹凸部15を形成する。
なお、上記スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布の積層は、各不織布を複層にしたものでもよい。例えば、何らかの機能性を有する不織布をあらかじめ積層したシートである。これらの不織布は用途によって適宜採用することができる。
<製造方法>
以下に、実施形態1の積層シートの製造方法の詳細を以下に述べる。
実施形態1の積層シート製造方法は、エンボスロール21とその受けロール31間に、中間に位置する接着シート11と、その表裏に位置する不織布12、12とを重ねた重ねシート13を通過させることにより、前記エンボスロール21のベース面21aから立設するように形成されたエンボスピン22を前記重ねシート13の表面に押圧して、積層シートにエンボス凹凸部を形成する積層シート10の製造方法であって、積層シート10が前記エンボスロール21と受けロール31との間を通過する際に、前記エンボスロール21のエンボスピン22の先端部22aを積層シートに当接させて受けロール31内に埋め込むとともに、深絞りエンボス加工してエンボス凹凸部を形成し、そのエンボス凹凸部15において前記接着シート11と不織布12、12とを入れ子状態に嵌合させることを特徴とする。
これにより、エンボス凹凸部15において三層のシートが、化学的接着剤を用いずとも機械的に接合される。
図3に、実施形態1の積層シート10の製造において深絞りエンボス加工をするために用いるエンボス加工装置の一例を示す。
図3からわかるように、深絞りエンボス加工装置は、エンボスロール21と平滑の受けロール31からなるものであり、エンボスロール21のエンボスピン22の温度は、メルトブロー不織布11の熱接着成分が軟化する程度の温度に設定することが好ましい。
この温度は、線圧や処理速度や、表面層のスパンボンド不織布の目付に応じて適宜設定する。
例えば、メルトブロー不織布11の熱接着成分の融点(明確な融点がないものについては軟化点を融点とみなす。)をTmとした場合、(Tm−15)℃〜(Tm+10)℃の範囲とすることが好ましい。
この温度が高すぎると、深絞りエンボス加工時に、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布11/スパンボンド不織布の三層で構成されるエンボス凹凸部の底面15cを密着させて、通気性を損なう。
一方、この温度が低すぎると、エンボス凹凸部でのシート材三層間の接合が弱く、積層シートの剥離のおそれがある。
これらの温度は、エンボスロール21や受けロール31に設けられたヒータを介して所定範囲に設定することができる。
また、受けロール31の表面を加熱する場合は、その外側に別ロールを設けて、その別ロールからの熱を転写で熱伝達を受けることもできる。
なお、エンボスロール21及び受けロール31を備えた深絞りエンボス加工装置は、これらのロール間に、各シート材を供給するための供給ロールや、積層シートを巻き取るための巻取りロールを有しており、深絞りエンボス加工時に積層シートに付加される張力を制御することができる。
また、上記製造方法において、積層シート10が、エンボスロール21と受けロール31の間を通過する際に、エンボスロール21のベース面21aが、対向する不織布12と接触しないようにすることが好ましい。
例えば、図3に示すように、積層シート10がエンボスロール21と受けロール31の間を通過する際に、エンボスロール21のベース面21aとの間に隙間Cを確保し、積層シート10の裏面10bが対向するエンボスロール21のベース面21aと接触しないようにすることが重要である。
加熱されたエンボスロール21のベース面21aがスパンボンド不織布12と接触すると、スパンボンド不織布12の表面がエンボスロール21のベース面21aに接着して密着してしまい、積層シートが剥離するおそれがあるからである。
さらに、上記製造方法において、エンボスロール21とその受けロール31とで積層された積層シートの一方側から光を照射し、他方側から積層シートに形成されたエンボス凹凸部15を監視することもできる。
すなわち、エンボス凹凸部15の底面15cが強圧着した場合には黒色となり透過照射光量が下がるので、エンボス凹凸部15の底面15cの接合状態を監視することもできる。
なお、積層シートの透過照射光は、積層シートの下方に設置した鏡やカメラなどの画像を検出することができる。
また、作業者が直接目視で確認することで監視することもできる。
透過照射光量の異常を感知した場合は、エンボスロール21の温度調整、上下ロールの線圧、処理速度などを適宜調整して、製造条件の変更を行う。
図4に、実施形態1の積層シート10の製造において、エンボス凹凸部15を形成するために用いるエンボスロール21の正面図を示す。
エンボスロール21は、例えば、その表面がメッキコーティングされた金属製であり、そのロール内部にヒータを備えた形式のものである。
そのベース面21aとなるロール直径(A)は100mm〜700mmであり、そのベース面21aには所定高さでベース面21aから立設した略円柱状のエンボスピン22が、互いに所定間隔を有して複数配列されている。
エンボスピン22の直径や高さなどは、積層シートの厚みやエンボス凹凸部15の仕様によって適宜選択される。
エンボスロール21に適用される金属素材としては、例えば、鋼、鋳鉄、銅、アルミ合金、ステンレススチール等が挙げられる。中でも、鋼や鋳鉄がロールのエッチング法において凸部の形成性が優れるなどの理由で採用されることが好ましい。
エンボスロールの製造方法としては、例えば、その円筒状のロール面に感光膜をコーティング、露光した後、エッチング液中に浸漬して不要部(エンボスピン以外の部分)を溶解する工程を長時間維持することによって、略円柱状のエンボスピン22をエンボスロール21のベース面21aから立設した形に形成することができる。
また、レーザーや切削などの加工法によっても、エンボスピン22をエンボスロール21のベース面21a上に立設形成することができる。
<受けロール31>
受けロール31は、エンボスロール21に対向して所定間隔をおいて配置され、少なくともその表面が、深絞りエンボス加工時においてエンボスピン22の押し込みによって変形する弾性体を有する平滑な円筒体が好ましく適用できる。
このような弾性体は、深絞りエンボス加工時において、エンボス凹凸部の底面15cでの積層シートの密着を防止できること、ピンホール発生を抑制できることなどの観点から採用される。
弾性体の材質としては、シリコン(シリコーンともいう)ゴム、ポリイミドなどの硬質合成樹脂や、耐熱ゴムなど、エンボスピン22の押し込みによって変形するものが適用できる。耐熱性の点でシリコンゴム製の受けロール31が好適である。
また、図3に示すように、エンボスロール回転時において、エンボスピン22の角(エッジ)が積層シート10と接触する初期の時点では、エンボスピン22の角(エッジ)が積層シート10と鋭角状に接触するので、特にピンホールを発生させやすい。
よって、受けロール31は、エンボスピン22の押し込みによって変形しやすい、シリコンやゴムなどの弾性体素材とすることが好ましい。
エンボスロール21と受けロール31とで行う深絞りエンボス加工においては、エンボスピン22を立設させたエンボスロール21と平滑面を有する受けロール31の両ロールを、所定の圧力で押圧させながら回転させる(エンボスロール(上ロール)で受けロール(下ロール)を押圧する)。
そして、重ねシート13を、エンボスロール21と受けロール31との隙間を通過させる際に、エンボスピン22の先端を積層シートに当接させるとともに受けロール31内に押し込む。
これにより、重ねシート13を深絞りエンボス加工してエンボス凹凸部15を形成し、そのエンボス凹凸部15において、接着シート11と不織布12、12とを入れ子状態にして機械的に嵌合させるとともに、重ねシート13を積層シート10とする。
<上下ロール間の押圧力>
なお、上下ロール間の押圧力は25kg/cm を基準とし、好ましい範囲は15〜35kg/cmである。
15kg/cm未満であると、シリコンゴム製の受けロール31内にエンボスピンを押し込んで深絞りエンボス加工しても良好なエンボス凹凸部が形成できず、35kg/cmを超えると積層シートにピンホールが形成される可能性が増すので、好ましくない。
<エンボスロール21の温度>
エンボスロール21のエンボスピン22の温度は、スパンボンド不織布の融点との温度差が5℃〜50℃とすることが好ましい。
スパンボンド不織布の繊維表面に存在するポリマーの融点との温度差が5℃未満であった場合(エンボスピン22の温度が高すぎる)、ポリマーの溶融が激しく、エンボスロール21へのシート取られ(溶融密着)、ロール汚れが発生、また積層シートが硬くなるばかりかロール巻付きも頻発するなど安定生産も不可能となる。
また、スパンボンド不織布の繊維表面に存在するポリマーの融点との温度差が50℃を超えている場合(エンボスピン22の温度が低すぎる)、ポリマーの融着が不十分であり、エンボス凹凸部15で一体化した不織布は接合不良となるおそれがある。
なお、接合良好なエンボス凹凸部15を形成するには、エンボスピン22の温度(例えば155℃)>受けロール31の表面温度(例えば135℃)とすることが好ましい。
<エンボス凹凸部の面積率>
エンボス凹凸部によりメルトブロー不織布とスパンボンド不織布との一体化を実施する場合のエンボス凹凸部の平面視での面積率は、積層シートの全面積に対して1〜50%であることが好ましい。
前記エンボス凹凸部の面積率が1%を下回る場合は、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布との一体化(いわゆるくい打ち効果やくさび効果)が不十分となり、不織布の層間が剥離をしたり、強度的に低くなる傾向となり好ましくない。
強圧着部の圧着面積率が50%を超える場合は、通気性が低下する傾向となり好ましくない。
なお、前記エンボス凹凸部の面積率とは、メルトブロー不織布とスパンボンド不織布とが一体化している接触面における嵌合された部分の面積の、積層シートの平面視面積に対する割合である。
なお、深絞りエンボス加工時において、エンボスロール21のベース面21aを、スパンボンド不織布と接触しないようにすることが好ましく、エンボスロール21のベース面21aとの所定間隔Cを確保するようにする(図3参照)。
加熱されたエンボスロール21のベース面21aがスパンボンド不織布12の表面に接触すると、スパンボンド不織布12と熱接着するおそれがあるからである。
<実施形態2>
図5は、実施形態2に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図であり、エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cの外周縁が、リング状に強圧着された強圧着部15eを有している点で異なるが、他の点では実施形態1の積層シート10と同様である。
すなわち、実施形態2では、エンボス凹凸部15は、その外周縁にリング状の強押圧部22fを設けられたエンボスピン22の先端部22aによって、エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを強押圧部22fで強圧着しているので、凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eが形成されている。
このため、エンボス凹凸部15における積層シートの嵌合強度を向上させることができる。
なお、図5からわかるように、エンボスピン22の先端部22aの外周縁以外の箇所(中央)は、面粗度を粗にした面(ギザギザ状態22e)となっている。
このため、凹部15bの底面15cの中央のギザギザ状態22eの部分ではシート面が強くは押圧されないので不織布の網目を塞がず、底面15cでの通気性を確保することができる。
<実施形態3>
図6は、実施形態3に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図であり、エンボス凹凸部15の側壁がテーパを有した傾斜状態となっている点で異なるが、他の点では実施形態2の積層シート10と同様である。
すなわち、実施形態3では、エンボス凹凸部15は、エンボスピン22の側壁がテーパを有した傾斜部22dを備えており、エンボスピン22のエッジによる底面15cでのピンホール発生を防止させることができる。
<実施形態4>
図7は、実施形態4に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図であり、エンボス凹凸部15の底部15cの外径が、エンボス凹凸部15の口部15fの内径よりも大きく形成されている点で異なるが、他の点では実施形態2の積層シート10と同様である。
すなわち、実施形態4では、エンボスピン22の先端部22aの外径が根本よりも拡大して形成されており、このようなエンボスピン22で深絞りエンボス加工したエンボス凹凸部15は、その底部15cの外径が、エンボス凹凸部15の口部15fの内径よりも拡大して形成される。
このため、エンボス凹凸部15の入れ子状態になった積層シートの機械的嵌合強度を向上させることができ、より隔離しにくい積層シートとすることができる。
また、凹部22における通気面積を大きくすることができるので、通気性を向上させることもできる。
<実施形態5>
図8は、実施形態5に係る積層シート10の、エンボス凹凸部15の拡大縦切断断面図であり、エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cの外周縁に形成されるリング状の強圧着部15eが、さらに強く接合強度を有している点で異なるが、他の点では実施形態2の積層シート10と同様である。
すなわち、実施形態5では、エンボスピン22の先端部22aの外周縁に設けたリング状の強押圧部22fが、エンボスピン22の高さ方向に延出した突出部22gを備えており、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを該突出部22gで強圧着し、該凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eを形成する。
これにより、エンボス凹凸部15の底部15cにおける積層シートの嵌合強度をさらに向上させることができ、より隔離しにくい積層シートとすることができる。
<積層シートの通気性評価>
本発明の積層シートの通気性を、以下のようにして評価した。
通気性試験は、JISL1096「一般織物試験方法」に基づいたフラジール型通気性試験機を用いて行った。
フラジール型法は、布地、不織布、フィルタなどの通気性試験として一般的によく用いられる試験法であり、生地の組織の隙間から空気が通過する量を測定することで通気性を評価する試験である。
本装置で測定する通気性は、一定の差圧(空気が試験面を通過するときの圧力差)の下、試験片を通過する空気量を、単位面積、単位時間で表す(cm/cm/sec)。
試験片(積層シート)を、フラジール型通気性試験機に取り付け、加減抵抗器によって傾斜型気圧計が水柱1.27cmの圧力を示すように空気の吸込みポンプを調整し、そのときの垂直型気圧計の示す圧力と、使用した空気孔(エアオリフィス)の種類とから、試験機付属の換算表によって試験片を通過する空気量を求める。
測定は5回とし、その平均値で表した(小数点以下1桁まで表記)。
試験機付属の換算表には、オリフィスの種類と差圧によって流量が示されている。
<通気性評価の試験条件>
通気性の評価は以下の条件で行った。
試験装置:(株)東洋精機製作所、型番T−13
オリフィス:2mm
圧力:5インチ
試験片の通気度単位:cm/cm/sec
試験場所:静岡県浜松工業試験所
通気量の試験結果を実施例、比較例として表1に記載する
<用途>
本発明の積層シートの用途は何ら制限されるものではないが、機械的強度や耐久性に優れ、かつ通気性に優れることから、水、空気、油、血液などの濾過用のフィルターとして好ましく使用することができる。
例えば、プリーツ形状の円筒型ユニットとして、集塵機等のバグフィルターや放電加工機等の液体フィルター、ガスタービンや自動車エンジン等の吸気エアーを清浄にするために用いられる吸気用フィルターなどに、本発明の積層シートが好ましく適用できる。
以下、実施例に基づき本発明につき具体的に説明する。
なお、前記した不織布の各特性値、および下記実施例における各特性値は、上記した試験方法で測定したものである。
<実施例1>
以下の条件で、実施例1の積層シートを製造した。
(1)製造条件
エンボスロール21のエンボスピン22の直径:1.5mm
積層シート単位面積当たりの凹部の割合(平面視で)が10%となるようにエンボスピンピンを配置した。
<ロール温度>
エンボスロール21(材質は鉄):157℃
受けロール31(材質はシリコーン樹脂):140℃
受けロールの硬度は65°であった。なお、硬度は、JIS K 6301(JIS A TYPE)に基づき常温にて測定:株式会社テクロック(型番GS−706Nを使用、以下において同様)
積層シート搬送スピード:5m/分
上下ロール間の押圧力:25kg/cm (好ましい範囲:15〜35kg/cm
(2)製造した積層シート
この条件で製造した積層シートを図9に示す。
図9は、実施例にかかる積層シートのエンボス凹凸部15の拡大図であり、(a)は切断断面図であり、(b)は平面図である。
図9に示すように、積層シートの厚みTは0.4mmであり、凸部の高さhは0.4mmとなり、積層シート10の裏面10bよりも0.4mm突出したエンボス凹凸部15が形成されていた。
実施例1においては、受けロール31としてシリコンロールを用いて、上記押圧力で(25kg/cm)エンボスピンの埋め込み量を大きすることができ、深絞りエンボス成形でエンボス凹凸部を形成した。
エンボス凹凸部は、凹部底での溶融密着接合は確認されず、重ねシート13三層が機械的に嵌合された状態で一体化したシートとなった。
この積層シートを、フラジール型通気性試験機を用いて行った通気性試験では、通気度の値は、4.3であり、通気性は良好であった。
<比較例1>
以下の条件で、比較例1の積層シートを製造した。
受けロール31の材質をナイロン樹脂(硬度100°)とした以外は、実施例1と同様にして、積層シートを製造した。
この条件で製造した積層シートを図10に示す。
図10は、比較例1にかかる積層シートの強圧着されたエンボス凹凸部の拡大図であり、(a)は切断断面図であり、(b)は平面図である。
図10より、積層シートの厚みT:0.4mmであり、凸部の高さh:0mm、であった。
比較例1の積層シートでは、その裏面10bから深絞り成形されたエンボス凹凸部の形成が認められず、凹凸感のないべたっとした平面状の積層シートが製造された。
受けロール31として、シリコンロールよりも硬いナイロン製のロールを用いたのでエンボスピンの埋まり込みがなく、深絞り加工されたエンボス凹凸部が形成されなかったものと考えられる。
よって、図10(b)では、エンボスロール21で押圧した底部(中央の丸い形状)が、黒く変色して見える。
図10(a)を見ると、この黒く観察された底部(厚み0.1mm)は三層のシートが密着している状態であった。
通気性の評価を試験したところ、通気度3.5で、積層シート全体としての通気性が悪いという結果が得られた。
<実施例2>
以下の条件で、実施例2の積層シートを製造した。
(1)製造条件
エンボスロール21のピンの直径:9mm
単位面積当たりのエンボス凹凸部の割合(平面視で)が23%となるようにエンボスピンを配置した。
その他の条件は、実施例1と同様にした。
(2)製造した積層シートは、その厚みTは0.4mmであり、凸部の高さhは0.4mmとなり、積層シートの裏面10bよりも0.4mm突出したエンボス凹凸部15が形成されていた。
受けロール31としてシリコンロールを用いて、上記押圧力で(25kg/cm)エンボスピンの埋め込み量を大きすることができ、深絞りエンボス成形でエンボス凹凸部を形成した。
エンボス凹凸部は、凹部の底部での溶融密着接合は確認されず、重ねシート13三層が機械的に嵌合された状態で一体化したシートとなった。
この積層シートを、フラジール型通気性試験機を用いて行った通気性試験では、通気度の値は、5.0であり、通気性は良好であった。
<比較例2>
受けロール31の材質をナイロン樹脂(硬度100°)とした以外は、実施例2と同様にして、積層シートを製造した。
受けロール31は、シリコンロールよりも硬いナイロンロールを用いたので、エンボスピンの埋まり込みがなく、エンボス凹凸部が形成されなかった。
よって、図10(b)では、エンボスロール21で押圧した底部(中央の丸い形状)が、黒く変色して見えた。
通気性の評価を試験したところ、通気度3.6で、積層シート全体としての通気性が悪いという結果が得られた。
実施例1,2及び比較例1,2の通気性の試験結果を表1にまとめて示す。
本発明の積層シートは、通気性に優れることから、特に工業用のエアフィルターや液体フィルターとして好適に使用することができる。
10 積層シート
10a 積層シートの表面
10b 積層シートの裏面
11 接着シート(例えばメルトブロー不織布)
12,12 表裏に位置する不織布(例えばスパンボンド不織布)
13 重ねシート
15 エンボス凹凸部
15a 凸部
15b 積層シートの表面に形成された凹部
15c エンボス凹凸部の底面
15d 凹部の側壁
15e リング状に強圧着された強圧着部
15f エンボス凹凸部の口部
21 エンボスロール
21a ベース面
22 エンボスピン
22a エンボスピンの先端部
22e 面粗度を粗にした面(ギザギザ状態)
22d エンボスピンの傾斜部
22f リング状の強押圧部
22g 突出部
31 受けロール
C 隙間
h 凸部の高さ
S 凹部の深さ
T 積層シートの厚み
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
すなわち、
(1)本発明の積層シートは、中間に位置する接着シート11と、表裏に位置する不織布12,12が積層一体化されてなる、少なくとも三層の積層シート10であって、
前記積層シート10がエンボス凹凸部15を有しており、
該エンボス凹凸部でのみ重ねシートが嵌合されて接合されており、
前記エンボス凹凸部15の凸部15aの高さhは、積層シート10の裏面10bよりも突出していることを特徴とする。
(2)本発明の積層シートは、上記(1)において、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの深さSは、積層シート10の厚みTよりも大きいことを特徴とする。
(3)本発明の積層シートは、上記(1)又は(2)において、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cの外周縁が、リング状に強圧着された強圧着部15eを有していることを特徴とする。
(4)本発明の積層シートの製造方法は、エンボスロール21とその受けロール31間に、中間に位置する接着シート11と、その表裏に位置する不織布12、12とを重ねた重ねシート13を通過させることにより、前記エンボスロール21のベース面21aから立設するように形成されたエンボスピン22を前記重ねシート13の表面に押圧して、積層シートにエンボス凹凸部15を形成する積層シート10の製造方法であって、
積層シート10が前記エンボスロールとその受けロール間を通過する際に、前記エンボスロール21のエンボスピン22の先端部22aを重ねシート13に当接させるとともに受けロール31内に埋め込み、深絞りエンボス加工してエンボス凹凸部15を形成し、そのエンボス凹凸部15において前記接着シート11と不織布12、12とを嵌合させることを特徴とする。
(5)本発明の積層シートの製造方法は、上記(4)において、前記エンボスピン22の先端部22aの外周縁に、リング状の強押圧部22fを設け、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを該強押圧部22fで強圧着し、該凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eを形成することを特徴とする。
(6)本発明の積層シートの製造方法は、上記(5)において、エンボスピン22の先端部22aの外周縁に設けたリング状の強押圧部22fが、エンボスピン22の高さ方向に延出した突出部22gを備えており、前記エンボス凹凸部15の凹部15bの底面15cを該突出部22gで強圧着し、該凹部15bの底面15cの外周縁に、リング状の強圧着部15eを形成することを特徴とする。
(7)本発明の積層シートの製造方法は、上記(4)〜(6)において、積層シート10が、エンボスロール21と受けロール31の間を通過する際に、エンボスロール21のベース面21aが、対向する不織布12と接触しないように隙間cを有することを特徴とする。
(8)本発明の積層シートの製造方法は、上記(4)〜(7)において、エンボスロール21とその受けロール31とで積層された積層シートの一方側から光を照射し、他方側から積層シートに形成されたエンボス凹凸部15を監視することを特徴とする。

Claims (9)

  1. 中間に位置する接着シートと、
    表裏に位置する不織布が積層一体化されてなる、少なくとも三層の積層シートであって、
    前記積層シートがエンボス凹凸部を有しており、
    該エンボス凹凸部でのみ重ねシートが嵌合されて接合されていることを特徴とする積層シート。
  2. 前記エンボス凹凸部の凸部の高さは、積層シートの裏面よりも突出していることを特徴とする請求項1に記載の積層シート。
  3. 前記エンボス凹凸部の凹部の深さは、積層シートの厚みよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の積層シート。
  4. 前記エンボス凹凸部の凹部の底面の外周縁が、リング状に強圧着された強圧着部を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
  5. エンボスロールとその受けロール間に、
    中間に位置する接着シートと、
    その表裏に位置する不織布とを重ねた重ねシートを通過させることにより、
    前記エンボスロールのベース面から立設するように形成されたエンボスピンを前記重ねシートの表面に押圧して、
    積層シートにエンボス凹凸部を形成する積層シートの製造方法であって、
    前記積層シートが前記エンボスロールとその受けロール間を通過する際に、
    前記エンボスロールのエンボスピンの先端部を重ねシートに当接させるとともに受けロール内に埋め込み、
    深絞りエンボス加工してエンボス凹凸部を形成し、
    そのエンボス凹凸部において前記接着シートと前記不織布とを嵌合させることを特徴とする積層シートの製造方法。
  6. 前記エンボスピンの先端部の外周縁に、リング状の強押圧部を設け、
    前記エンボス凹凸部の凹部の底面を該強押圧部で強圧着し、
    該凹部の底面の外周縁に、リング状の強圧着部を形成することを特徴とする請求項5に記載の積層シートの製造方法。
  7. 前記エンボスピンの先端部の外周縁に設けたリング状の強押圧部が、
    前記エンボスピンの高さ方向に延出した突出部を備えており、
    前記エンボス凹凸部の凹部の底面を該突出部で強圧着し、
    該凹部の底面の外周縁に、リング状の強圧着部を形成することを特徴とする請求項6に記載の積層シートの製造方法。
  8. 前記積層シートが、エンボスロールと受けロールの間を通過する際に、
    前記エンボスロールのベース面が、
    対向する不織布と接触しないように隙間を有することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の積層シートの製造方法。
  9. 前記エンボスロールとその受けロールとで積層された積層シートの一方側から光を照射し、
    他方側から積層シートに形成されたエンボス凹凸部を監視することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の積層シートの製造方法。
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