JP2018089421A - 内視鏡処置具の駆動制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明の内視鏡は、生体内に挿入される管状の挿入部2を有し、挿入部2の内側に、処置具51を通して案内する処置具チャンネルが形成されてなる内視鏡1であって、前記処置具チャンネル内で処置具51を前進及び/又は後退させる処置具駆動手段7と、処置具駆動手段7による処置具51の前進及び/又は後退をコントロールする駆動制御手段8とを有するものである。
【選択図】図1
Description
内視鏡の挿入部は、生体内に挿入可能な外径を有し、操作部での使用者の操作に基いて湾曲動作が可能な部分が存在する管状をなすものであり、その内部には一般に、鉗子、スネアその他の処置具を通して先端部分まで案内するための処置具チャンネルを含む複数のチャンネルが形成される。
しかしながら、内視鏡の使用者は、病変部を的確に画像に映し出すため、挿入部の微妙な押し込み具合やねじり具合を、挿入部を保持している手で調整しながら内視鏡を操作しているので、そもそも処置具を動かすために保持している挿入部を離すことは望ましくなく、また介助者に処置具を動かしてもらう場合は、意思疎通の齟齬に起因して所望の位置に処置具を進退させることに手間取ることも多い。そもそも介助者がいない場合もある。それ故に、従来の内視鏡は利便性に劣るものであった。
あるいは、この発明の内視鏡は、前記挿入部を有する内視鏡本体を備え、前記処置具駆動手段が、内視鏡本体に一体に組み込まれてなるものとすることができる。
この場合、前記処置具駆動手段が、前記回転ホイールを収容するとともに前記モーターが取り付けられ、モーターの取り外しにより少なくとも一部が破壊するホイールハウジングをさらに備えることがより好ましい。
この場合において、前記駆動制御手段の入力部は、複数種類の入力を受信可能であり、入力部が受信した当該入力に応じて、出力部が、処置具駆動手段による処置具の前進及び/又は後退の移動速度の異なる信号を生成するべく構成されたものとすることがより好ましい。
この発明の内視鏡は、処置具の所定の位置に付すマーキングを検出可能なセンサーを有することが好ましい。
この場合、前記処置具駆動手段が、前記回転ホイールを収容するとともに前記モーターが取り付けられ、モーターの取り外しにより少なくとも一部が破壊するホイールハウジングをさらに備えることがより好ましい。
また、処置具が通過する処置具駆動モジュールは、使用する度に洗浄が必要になる場合があるが、ここでは、内視鏡本体から着脱可能としたことにより、この洗浄作業が容易になるという利点もある。あるいは処置具駆動モジュールを使い捨てにすることもできる。
この発明の一の実施形態の内視鏡1は、主に医療行為に用いられるものであって、図1に例示するように、生体内、多くは人体内に挿入される管状の挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられて、使用者が挿入部2の湾曲動作や後述する処置具の挿入等といった所要の操作をするための操作部3とを備えてなる。
なお、図示のこの内視鏡1は、挿入部2の先端部分2aに図示しない撮像素子(CCD)を搭載したビデオスコープ型のものであり、その撮像素子からの映像を映し出すモニターとの接続に用いられる接続部4を、操作部3から延在させて設けている。
処置具51は既存のもの等を用いることが可能である。具体的には、たとえば、処置具51は、処置具チャンネルを通過できる程度の小さい外径を有する管状等の形状を有し、その先端に、生検用、針付き、標準型、把持型、ホットバイオプシー、止血クリップ付き及び/又は高周波止血用等の鉗子や、細胞ブラシ、液体散布もしくは注入チューブ、高周波スネア、透明キャップ、針状メス、針状ナイフ、高周波ナイフ等が設けられたものとすることができる。
また、操作部3には、必要に応じて、吸引ボタンや送気・送水ボタンを設けることができ、この場合、挿入部2の先端部分2aを生体内の所定の箇所に到達させた後、これらのボタンで、その生体内の箇所での先端部分2aからの液体ないし気体の吸引や放出が可能になる。
そしてここでは、処置具51は、処置具駆動手段7の内部を通った後に、内視鏡本体の処置具挿入口5から処置具チャンネル内に挿入されている。
処置具駆動手段7は、たとえば、処置具51を進退駆動させる駆動ホイール部9と、図示しない電源からの電力の供給に基き、駆動ホイール部9へ駆動力を付与するモーター部10と、処置具駆動手段7を内視鏡本体に取り付けるための内視鏡接続部11とで構成することができる。
そして、それらの両回転ホイール13、14には、この実施形態では、図3(b)に示すところから解かるように、処置具51に接触する平滑な外面を有し、ギヤと同軸の円筒状をなすローラー13a、14aが設けられている。
なお、電気モーター16を逆回転させることにより、同図に破線の矢印で示すように、回転ホイール13、14の回転方向も反転し、この場合、処置具51を後退させることができる。
なお使用に伴い、処置具51に付着した液体が、ホイールハウジング12内からモーター部10へ浸入することを防止するため、主動側ホイール13の、電気モーター16との連結箇所には、Oリング等のシール材15を設けることが好ましい。
このモーター部10は、既存のモーターと同様に、回転するシャフト16aと、電源に接続するリード線16bを有する電気モーター16を、モーターケース17内に設けたものである。電気モーター16のシャフト16aは、たとえば、先述した主動側ホイール13の凹部13bに対応する八角形その他の多角形の外形状をなすホイールアタッチメントを有し、このホイールアタッチメントを介して、シャフト16aを、主動側ホイール13の凹部13bに挿入することにより、回転ホイール13、14の回転動作を実現することができる。
なお詳細は図示しないが、モーターケース17には、モーター本体自体の回転を防止するための回り止め箇所を設けることができる。ここでは、モーターケース17の開口部に、駆動ホイール部9のホイールハウジング12と螺合可能なねじ部分を設け、これにより、モーター部10を駆動ホイール部9に取り付けることとしているが、ワンタッチの着脱などの既知の様々な接続手段を採用することができる。
そして、封止ブロック19内に配置されるコイルばね20の反発力に抗しながら、装着用突起部5aを筐体部材18の裏面の前記窪み部分内に挿入し、このときに、クランプ21を内側に向けて押し込むことにより、クランプ21の先端の半円状凹部を、装着用突起部5aのリング状部分に引っ掛けて係合させる。
それにより、内視鏡接続部11が内視鏡本体の処置具挿入口5に固定されるので、処置具駆動手段7を内視鏡本体に取り付けることができる。
内視鏡接続部11を駆動ホイール部9に固定して、内視鏡本体の処置具挿入口5に取り付けることにより、駆動ホイール部9と処置具挿入口5との間で、内視鏡接続部11が挟み込まれて、封止ブロック19の内部に設けたOリング19a、19bが圧縮され、それにより、Oリング19a、19bは、処置具51に付着することのある液体の漏出を防止するべく機能する。
ホイールハウジング61は、図8に分解して示すように、主として、先述したものとほぼ同様の構成を有する回転ホイール62、63と、回転ホイールを内部に収容するハウジング部材64と、ハウジング部材64の開口部を覆って取り付けられるカバー部材65と、内視鏡本体の装着用突起部5aに係合して、ホイールハウジング61を内視鏡本体に接続する略平板状のスライド式ロック部材66とを備える。なお、ハウジング部材64とカバー部材65とは、図示の例ではねじで接続しているが、超音波、接着剤またはレーザーによる接合で接続するほうが、製造効率及び密閉性向上の観点から好ましい。
次いで、図11に矢印で示すように、電気モーター16をその中心軸線の周りで回転させ、凸部16cをスリット68内の奥深くに移動させる。その後、凸部16cがスリット68内の段差68bを経て拡幅部分68cに到達し、そこに嵌り込むまで電気モーター16を回転させて、取り付けが完了する。
このように筒状連結部67に電気モーター16を一度取り付けた後に、スリット68の拡幅部分68c内で凸部16cを有効に固定するため、平面視で略正方形のブロック状をなす凸部16cに、図示の例のように、段差68bとは逆側に位置する側面から略V字に窪む窪み部分16dを設けることが好適である。
この駆動制御手段8では、外部からの入力を受信する入力部24としてのスイッチと、入力部24が受信した入力に応じた信号を、処置具駆動手段7に送信する出力部25としての配線を備える。
これにより、駆動制御手段8は、使用者等の意思に応じて異なる速度についての入力を受信することができ、そして、その受信した入力に応じて、出力部が、処置具51の前進及び/又は後退の移動速度の異なる信号を、処置具駆動手段7に送信することができる。スイッチの個数は一個〜三個または五個以上とすることも可能である。
たとえば、処置具駆動手段7の内部またはその周囲に、処置具51の高速前進を停止させるために用いる停止用センサー(光学センサー、磁気センサー)を設けることができる。なお、後述するように処置具駆動手段を内視鏡本体に一体に組み込まれたものとする場合は、当該センサーを内視鏡本体に停止用センサーを内蔵することができる。その上で、処置具51の、停止用センサーに検出させる停止位置より根元側の一部または全体に、処置具51の高速前進の停止用マーキング(たとえば黒色もしくは銀色の色彩による印や凹凸による印)を付す。
これにより、処置具51の交換挿入の際等に、次に使用する処置具51を内視鏡1に高速で自動挿入しているとき、上記の停止用センサーが処置具51に付した停止用マーキングを検出して、処置具51の高速前進を自動で停止させることが可能になる。あるいは、処置具51が内視鏡1の先端付近にある状態や、処置具51が内視鏡1の先端から導出されている状態(処置具51を高速で前進させる必要がない状況)で、仮に高速前進用のスイッチを間違えて押した場合であっても、停止用センサーが常に停止用マーキングを検出していることにより、処置具51の高速前進を防止することができる。このような処置具51の高速前進を自動停止させる機能は、消化管壁などへの処置具51の突き刺し、穿孔などの事故を防止し、安全に使用することに極めて有効である
また図示の駆動制御手段8では、処置具51の前進及び後退の各動作を生じさせる一対の低速用スイッチ24aの間に、使用者の足を配置することのできる足置き部分8cを、基板8aから突出させて設けている。
なお、基板8aの背面側には、駆動制御手段8を持ち運ぶ際に把持することのできるハンドル8dを設け、また基板の底面側には、図示しない電装ボックスを設けている。
また上述した停電発生時等だけでなく、平常使用時にも同様に、電源接続の際には処置具51を引き抜く回転方向にローラーが回転するよう制御することが好適である。これにより、準備段階における動作確認(具体的には使用前の、正しくケーブル接続されていることや、電子基板・部品等が壊れていないこと等の確認)になる。
具体的には、各種スイッチの他、アイ、モーション、ジェスチャーもしくは音声などのセンサー、具体的には、各軸線方向の動きを検出する加速度センサー、角速度を検出するジャイロセンサー、電気や磁気、光、超音波などを使って対象者の動きを感知するセンサー等を有する駆動制御手段とすることができる。
但し、処置具駆動手段37の具体的構造および配設位置は、図示のものに限定されるものではない。
2、32 挿入部
2a 挿入部の先端部分
2b 挿入部の湾曲部分
3、33 操作部
4 接続部
5、35 処置具挿入口
5a、35a 装着用突起部
6 アングルノブ
7、37 処置具駆動手段
8 駆動制御手段
8a 基板
8b 穴部
8c 足置き部分
8d ハンドル
9 駆動ホイール部
10 モーター部
11 内視鏡接続部
12、61 ホイールハウジング
12a 処置具入口
12b 処置具出口
12c、42c 挿入口キャップ
13、14、43、44、62、63 回転ホイール(主動側ホイール、従動側ホイール)
13a、14a ローラー
13b 凹部
15、45 シール材
16、46 電気モーター
16a シャフト
16b リード線
16c 凸部
16d 窪み部分
17 モーターケース
18 筺体部材
19 封止ブロック
19a、19b Oリング
20 コイルばね
21 クランプ
22 ピン
23 止め具
24 入力部
24a 低速用スイッチ
24b 高速用スイッチ
25 出力部
43b、46b かさ歯車
51 処置具
64 ハウジング部材
65 カバー部材
66 スライド式ロック部材
67 筒状連結部
67a 基部
67b 先端保持部
67c 易破壊部
68 スリット
68a 開口部分
68b 段差
68c 拡幅部分
また、この発明の内視鏡処置具の駆動制御装置は、処置具駆動手段による処置具の少なくとも後退をコントロールし、処置具が所定の速度より速い速度で処置具チャンネルから引き抜く方向に引っ張られたことを検知した場合、処置具を高速で後退させるものであることが好ましい。
この発明の一の実施形態に用いることのできる内視鏡1は、主に医療行為に用いられるものであって、図1に例示するように、生体内、多くは人体内に挿入される管状の挿入部2と、挿入部2の基端側に設けられて、使用者が挿入部2の湾曲動作や後述する処置具の挿入等といった所要の操作をするための操作部3とを備えてなる。
なお、図示のこの内視鏡1は、挿入部2の先端部分2aに図示しない撮像素子(CCD)を搭載したビデオスコープ型のものであり、その撮像素子からの映像を映し出すモニターとの接続に用いられる接続部4を、操作部3から延在させて設けている。
また、操作部3には、必要に応じて、吸引ボタンや送気・送水ボタンを設けることができ、この場合、挿入部2の先端部分2aを生体内の所定の箇所に到達させた後、これらのボタンで、その生体内の箇所での先端部分2aからの液体ないし気体の吸引や放出が可能になる。
そしてここでは、処置具51は、処置具駆動手段7の内部を通った後に、内視鏡本体の処置具挿入口5から処置具チャンネル内に挿入されている。
処置具駆動手段7は、たとえば、処置具51を進退駆動させる駆動ホイール部9と、図示しない電源からの電力の供給に基き、駆動ホイール部9へ駆動力を付与するモーター部10と、処置具駆動手段7を内視鏡本体に取り付けるための内視鏡接続部11とで構成することができる。
そして、封止ブロック19内に配置されるコイルばね20の反発力に抗しながら、装着用突起部5aを筐体部材18の裏面の前記窪み部分内に挿入し、このときに、クランプ21を内側に向けて押し込むことにより、クランプ21の先端の半円状凹部を、装着用突起部5aのリング状部分に引っ掛けて係合させる。
それにより、内視鏡接続部11が内視鏡本体の処置具挿入口5に固定されるので、処置具駆動手段7を内視鏡本体に取り付けることができる。
Claims (15)
- 生体内に挿入される管状の挿入部を有し、挿入部の内側に、処置具を通して案内する処置具チャンネルが形成されてなる内視鏡であって、
前記処置具チャンネル内で処置具を前進及び/又は後退させる処置具駆動手段と、処置具駆動手段による処置具の前進及び/又は後退をコントロールする駆動制御手段とを有する内視鏡。 - 前記挿入部を有する内視鏡本体を備え、前記処置具駆動手段が、内視鏡本体に対して着脱可能な処置具駆動モジュールで構成されてなる請求項1に記載の内視鏡。
- 前記挿入部を有する内視鏡本体を備え、前記処置具駆動手段が、内視鏡本体に一体に組み込まれてなる請求項1に記載の内視鏡。
- 前記処置具駆動手段が、処置具に接触して該処置具を前進及び/又は後退させる一個以上の回転ホイールと、前記回転ホイールを回転駆動するモーターとを備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の内視鏡。
- 前記処置具駆動手段が、前記回転ホイールを収容するとともに前記モーターが取り付けられ、モーターの取り外しにより少なくとも一部が破壊するホイールハウジングをさらに備える請求項4に記載の内視鏡。
- 前記回転ホイールを、互いに逆方向に回転して相互間に挟み込んだ処置具を前進及び/又は後退させる一対の回転ホイールとしてなる請求項4又は5に記載の内視鏡。
- 前記駆動制御手段が、外部からの入力を受信する入力部、及び、入力部が受信した入力に応じた信号を、前記処置具駆動手段に送信する出力部を備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の内視鏡。
- 前記駆動制御手段の入力部が、複数種類の入力を受信可能であり、入力部が受信した当該入力に応じて、出力部が、処置具駆動手段による処置具の前進及び/又は後退の移動速度の異なる信号を生成するべく構成されてなる請求項7に記載の内視鏡。
- 前記駆動制御手段を、使用者が操作するフットペダルとしてなる請求項1〜8のいずれか一項に記載の内視鏡。
- 処置具の所定の位置に付すマーキングを検出可能なセンサーを有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の内視鏡。
- 生体内に挿入される管状の挿入部を有する内視鏡本体を備える内視鏡に用いられ、前記内視鏡本体に対して着脱可能であり、前記内視鏡本体の挿入部の内側に形成された処置具チャンネル内で、処置具を前進及び/又は後退させる処置具駆動モジュール。
- 処置具に接触して該処置具を前進及び/又は後退させる一個以上の回転ホイールと、前記回転ホイールを回転駆動するモーターとを備える請求項11に記載の処置具駆動モジュール。
- 前記回転ホイールを収容するとともに前記モーターが取り付けられ、モーターの取り外しにより少なくとも一部が破壊するホイールハウジングをさらに備える請求項12に記載の処置具駆動モジュール。
- 前記回転ホイールを、互いに逆方向に回転して相互間に挟み込んだ処置具を前進及び/又は後退させる一対の回転ホイールとしてなる請求項12又は13に記載の処置具駆動モジュール。
- 処置具の所定の位置に付すマーキングを検出可能なセンサーを有する請求項11〜14のいずれか一項に記載の処置具駆動モジュール。
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