JP2018088865A - マイクロ電極体及びマイクロ電極体の製造方法 - Google Patents

マイクロ電極体及びマイクロ電極体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがないマイクロ電極体を提供する。【解決手段】電気特性を検出するマイクロ電極体2は、上面に複数の開口6が形成された絶縁性基板4と、複数の開口6のそれぞれに配設された電極パッド10とを備える。電極パッド10には突起電極12が形成されている。突起電極12は、絶縁性基板4に形成された開口6から電極パッド10にレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがないマイクロ電極体及びこのマイクロ電極体の製造方法に関する。
細胞又は微生物の電気特性を検出して例えばゾウリムシをマイクロマシーンの如くコントロールできないか等の研究がなされている。
細胞又は微生物の電気特性を検出するマイクロ電極体は、上面に複数の開口が形成された絶縁性基板と、複数の開口のそれぞれに配設された電極パッドとから構成されていて、複数の電極から延びるリード線に流れた電流を検出して微生物の行動、機能を知ることができると共に、選択されたリード線に電気を流すことによって微生物の動きをコントールできる(たとえば特許文献1参照。)。
特表2005−514019号公報
しかし、上記特許文献1に開示されたマイクロ電極体では、電極パッドが平坦であることに加え開口の底面に電極パッドが配設されていることから、電極パッドと細胞又は微生物との接触が不十分となり細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すという問題がある。
上記事実に鑑みてなされた本発明の第一の課題は、細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがないマイクロ電極体を提供することである。
本発明の第二の課題は、上述したとおりのマイクロ電極体の製造方法を提供することである。
上記第一の課題を解決するために本発明の第一の局面が提供するのは、以下のマイクロ電極体である。すなわち、電気特性を検出するマイクロ電極体であって、上面に複数の開口が形成された絶縁性基板と、該複数の開口のそれぞれに配設された電極パッドと、を備え、該電極パッドには突起電極が形成され、該突起電極は、該絶縁性基板に形成された該開口から該電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く形成されるマイクロ電極体である。
上記第二の課題を解決するために本発明の第二の局面が提供するのは、以下のマイクロ電極体の製造方法である。すなわち、マイクロ電極体の製造方法であって、上面に複数の開口が形成され、かつ該複数の開口のそれぞれに電極パッドが配設された絶縁性基板を準備する準備工程と、該絶縁性基板に形成された該開口から該電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く突起電極を形成する突起電極形成工程と、から少なくとも構成されるマイクロ電極体の製造方法である。
本発明の第一の局面が提供するマイクロ電極体は、上面に複数の開口が形成された絶縁性基板と、該複数の開口のそれぞれに配設された電極パッドと、を備え、該電極パッドには突起電極が形成され、該突起電極は、該絶縁性基板に形成された該開口から該電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く形成されるように構成されているので、突起電極と細胞又は微生物との接触が良好となり細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがない。
本発明の第二の局面が提供するマイクロ電極体の製造方法では、突起電極形成工程において絶縁性基板に形成された開口から電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く突起電極を形成するので、比較的容易に突起電極を形成することができる。
本発明に従って構成されたマイクロ電極体の第一の実施形態を示す斜視図。 図1に示すマイクロ電極体の平面図。 図1に示すマイクロ電極体の部分断面図。 配線基板を示す平面図。 本発明に従って構成されたマイクロ電極体の第二の実施形態を示す部分断面図。 図4に示すマイクロ電極体の平面図。 開口形成ステップが実施されている状態を示す斜視図。 開口が形成された絶縁性基板の斜視図。 貫通孔が形成された絶縁性基板の部分端面図。 柱状電極が差し込まれた絶縁性基板の部分断面図。 金属膜被覆工程が実施されている状態を示す斜視図(a)、金属膜が被覆された絶縁性基板の斜視図(b)及び部分断面図(c)。 電極パッド形成ステップが実施されている状態を示す斜視図。 電極パッドが形成された絶縁性基板の部分断面図。 突起電極形成工程が実施されている状態を示す斜視図。
まず、本発明に従って構成されたマイクロ電極体の第一の実施形態について図1ないし図4を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すマイクロ電極体2は、水晶(SiO)等の適宜の絶縁材料から形成され得る絶縁性基板4を備える。図示の実施形態では平面視正方形である絶縁性基板4の一辺の寸法は、たとえば100μm程度であり、絶縁性基板4の厚みは、たとえば20μm程度である。絶縁性基板4の上面には複数の開口6が形成されている。図示の実施形態では平面視正方形の開口6が8列8行の計64個形成されている。各開口6は互いに間隔をおいて形成され格子状の仕切壁8によって区画されている。平面視において開口6の一辺の寸法はたとえば8μm程度であり、開口6の深さはたとえば2μm程度である。各開口6の底面には、金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料から形成され得る電極パッド10が配設されている。図示の実施形態では、各電極パッド10の形状は、開口6の底面形状に対応して平面視正方形である。各電極パッド10の厚みは、たとえば0.1μm程度である。図1及び図3に示すとおり、各電極パッド10の上面には、電極パッド10の上面からの突出量がたとえば2μm程度である突起電極12が形成されている。電極パッド10と同一の導電材料から形成され得る突起電極12は、電極パッド10にパルスレーザー光線を1パルス照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く形成される。また、図示の実施形態では図3に示すとおり、各開口6の底面から絶縁性基板4を貫通する貫通孔14が形成されている。平面視において貫通孔14は開口6よりも小さい。各貫通孔14の内部には、金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料から形成され得る柱状電極16が配設されている。各柱状電極16は貫通孔14の上端から下端まで延びており、各柱状電極16の上部は電極パッド10に接続されている。
図4に示す配線基板18は、水晶(SiO)等の適宜の絶縁材料から形成され得る基板本体20と、マイクロ電極体2の各柱状電極16の位置に対応して基板本体20の上面に配置された複数の電極片22と、基板本体20の上面において各電極片22から外方に延びるリード線24とを備える。各電極片22及び各リード線24は、金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料から形成され得る。各リード線24は制御装置(図示していない。)に接続され、この制御装置は、細胞又は微生物からの検出信号を処理する検出信号処理手段と、細胞又は微生物への刺激信号を出力する刺激信号出力手段とを含む。
マイクロ電極体2を用いて細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールを行う際は、突起電極12側を上に向けて、配線基板18の各電極片22の位置とマイクロ電極体2の各柱状電極16の位置とを整合させた状態で配線基板18の上面にマイクロ電極体2を載せ、配線基板18の各電極片22とマイクロ電極体2の各柱状電極16とを接続させる。次いで、マイクロ電極体2の上面に細胞又は微生物を載せる。そして、マイクロ電極体2の突起電極12と細胞又は微生物とが接触すると、細胞又は微生物が接触した突起電極12から電極パッド10、柱状電極16、配線基板18の電極片22及びリード線24を通じて制御装置に検出信号が入力される。また、突起電極12に制御装置から刺激信号を出力することにより細胞又は微生物の動きをコントロールすることができる。
以上のとおりマイクロ電極体2は、上面に複数の開口6が形成された絶縁性基板4と、複数の開口6のそれぞれに配設された電極パッド10と、を備え、電極パッド10には突起電極12が形成され、突起電極12は、絶縁性基板4に形成された開口6から電極パッド10にパルスレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く形成されるように構成されているので、突起電極12と細胞又は微生物との接触が良好となり細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがない。
次に、本発明に従って構成されたマイクロ電極体の第二の実施形態について図5及び図6を参照しつつ説明する。
図5を参照して説明すると、マイクロ電極体30は絶縁性基板32を備え、この絶縁性基板32は、水晶(SiO)等の適宜の絶縁材料から形成され得る基板本体34と、基板本体34と同一の材質又は感光性樹脂等の適宜の絶縁材料から形成され得る絶縁性マスク36とを含む。図5及び図6に示すとおり、基板本体34の上面に敷設された格子状の絶縁性マスク36には複数の開口38が形成されている。図示の実施形態では、平面視において一辺の寸法がたとえば200μm程度の正方形領域に、平面視正方形の開口38が8列8行の計64個形成されている。平面視において開口38の一辺の寸法はたとえば8μm程度であり、開口38の深さ(すなわち絶縁性マスク36の厚み)はたとえば2μm程度である。各開口38の底面(基板本体34の上面)には、金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料から形成され得る電極パッド40が配設されている。電極パッド40の厚みは、たとえば0.1μm程度である。図5に示すとおり、各電極パッド40の上面には、電極パッド40の上面からの突出量がたとえば2μm程度である突起電極42が形成されている。電極パッド40と同一の導電材料から形成され得る突起電極42は、電極パッド40にパルスレーザー光線を1パルス照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く形成される。また、基板本体34と絶縁性マスク36との間には、図6に示すとおり、各電極パッド40から外方に延びる複数のリード線44が配設されている。金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料から形成され得る各リード線44は、は制御装置(図示していない。)に接続され、この制御装置は、細胞又は微生物からの検出信号を処理する検出信号処理手段と、細胞又は微生物への刺激信号を出力する刺激信号出力手段とを含む。
マイクロ電極体30を用いて細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールを行う際は、複数の突起電極42が形成された領域に細胞又は微生物を載せる。そして、マイクロ電極体30の突起電極42と細胞又は微生物とが接触すると、細胞又は微生物が接触した突起電極42から電極パッド40及びリード線44を通じて制御装置に検出信号が入力される。また、突起電極42に制御装置から刺激信号を出力することにより細胞又は微生物の動きをコントロールすることができる。
以上のとおりマイクロ電極体30は、上面に複数の開口38が形成された絶縁性基板32と、複数の開口38のそれぞれに配設された電極パッド40と、を備え、電極パッド40には突起電極42が形成され、突起電極42は、絶縁性基板32に形成された開口38から電極パッド40にパルスレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く形成されるように構成されているので、突起電極42と細胞又は微生物との接触が良好となり細胞又は微生物の電気特性の検出又はコントロールに支障を来すことがない。
次に、上述の第一の実施形態に係るマイクロ電極体2についての製造方法の実施形態について図7ないし図14を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、第一の実施形態に係るマイクロ電極体2と同一の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略する。
本発明のマイクロ電極体2の製造方法では、まず、上面に複数の開口6が形成され、かつ複数の開口6のそれぞれに電極パッド10が配設された絶縁性基板を準備する準備工程を実施する。本実施形態における準備工程は、絶縁性基板の上面に複数の開口6を形成する開口形成ステップと、複数の開口6の底面のそれぞれから絶縁性基板を貫通する貫通孔14を形成する貫通孔形成ステップと、各貫通孔14に柱状電極16を差し込む柱状電極差し込みステップと、開口6側からスパッターにより絶縁性基板の上面に金属膜を被覆する金属膜被覆ステップと、各開口6を除く絶縁性基板の上面に被覆された金属膜を除去し各開口6の底面に電極パッド10を形成する電極パッド形成ステップとを含む。
本実施形態では、図7に示す水晶(SiO)等の適宜の絶縁材料から形成され得る円盤状の絶縁性基板50を用いることができる。絶縁性基板50の直径はたとえば150mm程度であり、絶縁性基板50の厚みはたとえば20μm程度である。そして、本実施形態の準備工程では、まず、絶縁性基板50の上面に複数の開口6を形成する開口形成ステップを実施する。開口形成ステップは、図7にその一部を示すレーザー加工装置52を用いて実施することができる。レーザー加工装置52は、チャックテーブル54及び集光器56を備える。上面において被加工物を吸着するように構成されているチャックテーブル54は、回転手段によって上下方向に延びる軸線を中心として回転されると共に、X方向移動手段によってX方向に進退され、Y方向移動手段によってY方向に進退される(いずれも図示していない。)。集光器56は、レーザー加工装置52のパルスレーザー光線発振器から発振されたパルスレーザー光線LBを集光して被加工物に照射するための集光レンズ(いずれも図示していない。)を含む。なお、X方向は図7に矢印Xで示す方向であり、Y方向は図7に矢印Yで示す方向であってX方向に直交する方向である。X方向及びY方向が規定する平面は実質上水平である。
準備工程の開口形成ステップでは、まず、レーザー加工装置52のチャックテーブル54の上面に絶縁性基板50を吸着させる。次いで、X方向移動手段及びY方向移動手段によってチャックテーブル54を移動させ、絶縁性基板50と集光器56とのXY平面における位置を調整し、絶縁性基板50の正方形領域60のX方向一端部にパルスレーザー光線LBの集光点を位置づける。次いで、絶縁性基板50にパルスレーザー光線LBを照射して、絶縁性基板50の上面に開口6を形成する。そして、パルスレーザー光線LBの照射と、X方向移動手段によってチャックテーブル54をX方向に所定距離(たとえば12μm)だけ移動させる加工送りとを交互に繰り返す開口形成加工により開口6を順次形成する。加工送りの送り量は、X方向において隣接する正方形領域60を区画するための図8に示す分割予定ライン58を形成するため、所定個数(図示の実施形態では8個)の開口6を形成するごとに上記所定距離よりも長い距離(たとえば数十μm)とする。X方向他端部に開口6を形成した後は、Y方向移動手段によってチャックテーブル54をY方向に所定距離(たとえば12μm)だけインデックス送りする。インデックス送りの送り量も、加工送りの送り量と同様に、Y方向において隣接する正方形領域60を区画するための分割予定ライン58を形成するため、Y方向に沿って所定個数(図示の実施形態では8個)の開口6を形成するごとに上記所定距離よりも長い距離(たとえば数十μm)とする。そして、開口形成加工とインデックス送りと交互に繰り返して開口6を順次形成する。このようにして開口形成工程を実施することによって、図8に示すとおり、絶縁性基板50の上面を格子状の分割予定ライン58で複数の正方形領域60(一辺の寸法がたとえば100μm程度)に区画することができると共に、各正方形領域60に格子状の仕切壁8によって区画された複数の開口6(図示の実施形態では8列8行の計64個の開口6)を形成することができる。なお、開口形成ステップはエッチングによっても実施することができる。
本実施形態の準備工程では開口形成ステップを実施した後、複数の開口6の底面のそれぞれから絶縁性基板50を貫通する貫通孔14を形成する貫通孔形成ステップを実施する。貫通孔形成ステップは、たとえば上述のレーザー加工装置52を用いて実施することができる。貫通孔形成ステップは、開口形成ステップにおけるパルスレーザー光線LBの条件(たとえば、集光点の直径や集光点でのエネルギー密度等)とは異なる条件で実施する。貫通孔形成ステップでは、まず、レーザー加工装置52のチャックテーブル54の上面に絶縁性基板50を吸着させる。次いで、回転手段、X方向移動手段及びY方向移動手段によってチャックテーブル54を回転及び移動させ、絶縁性基板50と集光器56とのXY平面における位置を調整し、正方形領域60のX方向一端部に位置する開口6にパルスレーザー光線LBの集光点を位置づける。次いで、絶縁性基板50にパルスレーザー光線LBを照射して、図9に示すとおり、開口6の底面から絶縁性基板50を貫通する貫通孔14を形成する。そして、開口形成ステップの開口形成加工と同様に、パルスレーザー光線LBの照射と、X方向移動手段によってチャックテーブル54をX方向に所定距離(たとえば12μm)だけ移動させる加工送りとを交互に繰り返す貫通孔形成加工により貫通孔14を順次形成する。また、加工送りの送り量も、開口形成ステップの開口形成加工と同様に、所定個数(図示の実施形態では8個)の貫通孔14を形成するごとに上記所定距離よりも長い距離(たとえば数十μm)とする。X方向他端部の開口6の底面から絶縁性基板50を貫通する貫通孔14を形成した後は、開口形成ステップと同様に、Y方向移動手段によってチャックテーブル54をY方向に所定距離(たとえば12μm)だけインデックス送りする。インデックス送りの送り量も、開口形成ステップと同様に、Y方向に沿って所定個数(図示の実施形態では8個)の貫通孔14を形成するごとに上記所定距離よりも長い距離(たとえば数十μm)とする。そして、貫通孔形成加工とインデックス送りと交互に繰り返して貫通孔14を順次形成する。このようにして貫通孔形成ステップを実施することによって、各開口6の底面から絶縁性基板50を貫通する貫通孔14を形成することができる。なお、貫通孔形成ステップは開口形成ステップの前に実施してもよい。また、貫通孔形成ステップはエッチングによっても実施することができる。
本実施形態の準備工程では貫通孔形成ステップを実施した後、図10に示すとおり貫通孔14に対応する柱状電極16を各貫通孔14に差し込む柱状電極差し込みステップを実施する。なお、柱状電極差し込みステップは、準備工程の金属膜被覆ステップ又は電極パッド形成ステップの後に実施してもよく、あるいは後述の突起電極形成工程の後に実施してもよい。
本実施形態の準備工程では柱状電極差し込みステップを実施した後、図11(a)に示すとおり、開口6側からスパッターにより絶縁性基板50の上面に金属膜62を被覆する金属膜被覆ステップを実施する。これによって、図11(b)及び図11(c)に示すとおり、絶縁性基板50の上面側において開口6の底面と仕切壁8の上部とに金属膜62を被覆することができる。また、各開口6の底面に被覆された金属膜62は柱状電極16に接続される。金属膜62は、金(Au)、銀(Ag)又は銅(Cu)等の適宜の導電材料でよい。
本実施形態の準備工程では金属膜被覆ステップを実施した後、各開口6を除く絶縁性基板50の上面に被覆された金属膜62を除去し、各開口6の底面に電極パッド10を形成する電極パッド形成ステップを実施する。電極パッド形成ステップは、たとえば図12にその一部を示す研削装置64を用いて実施することができる。研削装置64は、チャックテーブル66及び研削手段68を備える。上面において被加工物を吸着するように構成されているチャックテーブル66は、回転手段(図示していない。)によって上下方向に延びる軸線を中心として回転される。研削手段68は、モータ(図示していない。)に連結され、かつ上下方向に延びる円柱状のスピンドル70と、スピンドル70の下端に固定された円盤状のホイールマウント72とを含む。ホイールマウント72の下面にはボルト74によって環状の研削ホイール76が固定されている。研削ホイール76の下面の外周縁部には、周方向に間隔をおいて環状に配置された複数の研削砥石78が固定されている。図11に示すとおり、研削砥石78がチャックテーブル66の回転中心を通るように、研削ホイール76の回転中心はチャックテーブル66の回転中心に対して変位している。このため、チャックテーブル66と研削ホイール76とが相互に回転しながら、チャックテーブル66の上面に保持された被加工物の上面と研削砥石78とが接触した場合に、被加工物の上面全体が研削砥石78によって研削される。
準備工程の電極パッド形成ステップでは、まず、金属膜62を被覆した開口6側を上に向けて、研削装置64のチャックテーブル66の上面に絶縁性基板50を吸着させる。次いで、上方からみて反時計回りに所定の回転速度でチャックテーブル66を回転手段によって回転させる。また、上方からみて反時計回りに所定の回転速度でスピンドル70をモータによって回転させる。次いで、研削装置64の昇降手段(図示していない。)によってスピンドル70を下降させ、金属膜62が被覆された絶縁性基板50の上面に研削砥石78を接触させる。絶縁性基板50の上面に研削砥石78を接触させた後は所定の研削送り速度でスピンドル70を下降させる。これによって、図13に示すとおり、各開口6を除く絶縁性基板50の上面に被覆された金属膜62を除去し、各開口6の底面に被覆された金属膜62を電極パッド10として形成することができる。以上のとおりの準備工程を実施することにより、上面に複数の開口6が形成され、かつ複数の開口6の底面のそれぞれに電極パッド10が配設された絶縁性基板50を準備することができる。
準備工程を実施した後、各電極パッド10に突起電極12を形成する突起電極形成工程を実施する。突起電極形成工程は、たとえば上述のレーザー加工装置52を用いて実施することができる。突起電極形成工程では、まず、電極パッド10を形成した開口6側を上に向けてレーザー加工装置52のチャックテーブル54の上面に絶縁性基板50を吸着させる。次いで、回転手段、X方向移動手段及びY方向移動手段によってチャックテーブル54を回転及び移動させ、絶縁性基板50と集光器56とのXY平面における位置を調整し、正方形領域60のX方向一端部に位置する電極パッド10にパルスレーザー光線LBの集光点を位置づける。次いで、絶縁性基板50に形成された開口6側から、X方向一端部に位置する電極パッド10にパルスレーザー光線LBを1パルス照射する。そうすると電極パッド10には、図3及び図14に示すとおり、パルスレーザー光線LBの照射による溶融と熱膨張とによって、水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く突起電極12が形成される。そして、電極パッド10へのパルスレーザー光線LBの1パルス照射と、X方向において隣接する開口6の中心間距離の分だけX方向移動手段によってチャックテーブル54をX方向へ移動させる加工送りとを交互に繰り返す突起電極形成加工により電極パッド10に突起電極12を順次形成する。X方向他端部の電極パッド10に突起電極12を形成した後は、Y方向において隣接する開口6の中心間距離の分だけY方向移動手段によってチャックテーブル54をY方向にインデックス送りする。そして、突起電極形成加工とインデックス送りとを交互に繰り返すことにより全ての電極パッド10に突起電極12を形成することができる。突起電極形成工程におけるパルスレーザー光線LBの条件は、たとえば、波長が355nmであり、かつ1パルス当たりのエネルギーが120〜170nJであるのが好ましい。1パルス当たりのエネルギーは145nJがより好ましい。
突起電極形成工程を実施した後、適宜のダイシング装置やレーザー加工装置によって分割予定ライン58に沿って絶縁性基板50を分割することにより個々のマイクロ電極体2を得ることができる。
以上のとおり本発明のマイクロ電極体2の製造方法では、突起電極形成工程において絶縁性基板50に形成された開口6から電極パッド10にパルスレーザー光線LBを1パルス照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く突起電極12を形成するので、比較的容易に突起電極12を形成することができる。
次に、上述の第二の実施形態に係るマイクロ電極体30についての製造方法の実施形態について図5及び図6を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、第二の実施形態に係るマイクロ電極体30と同一の構成要素に同一の符号を付しその説明を省略する。
本発明のマイクロ電極体30の製造方法では、まず、上面に複数の開口38が形成され、かつ複数の開口38のそれぞれに電極パッド40が配設された絶縁性基板32を準備する準備工程を実施する。本実施形態における準備工程は、複数の電極パッド40及び各電極パッド40から延びるリード線44を絶縁性基板32の基板本体34の上面に配設する電極配設ステップと、各電極パッド40に対応する開口38を有する絶縁性マスク36を基板本体34の上面に敷設する絶縁性マスク敷設ステップとを含む。
本実施形態の準備工程では、まず、電極配設ステップを実施する。電極配設ステップでは、たとえばスパッターにより基板本体34の上面全体に導電材料を被覆し、次いでエッチング又はリフトオフ加工により導電材料のパターニングを行う。これによって、複数の電極パッド40と、各電極パッド40から延びる所定パターンのリード線44を基板本体34の上面に配設することができる。
本実施形態の準備工程では、電極配設ステップを実施した後、絶縁性マスク敷設ステップを実施する。絶縁性マスク敷設ステップにおいて絶縁性マスク36として水晶(SiO)を用いる場合には、たとえば、プラズマCVD法により基板本体34の上面全体に水晶(SiO)を被覆し、次いで水晶(SiO)膜上にフォトレジスト等の感光性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィにより感光性樹脂のパターニングを行い、そしてパターニングした感光性樹脂をマスクとしてエッチングを行う。これによって図6に示すとおり、各電極パッド40に対応する開口38を有する絶縁性マスク36を基板本体34の上面に敷設することができる。また、絶縁性マスク敷設ステップにおいて絶縁性マスク36として感光性樹脂を用いる場合には、フォトリソグラフィにより感光性樹脂のパターニングを行うことによって、各電極パッド40に対応する開口38を有する絶縁性マスク36を基板本体34の上面に敷設することができる。以上のとおりの準備工程を実施することにより、上面に複数の開口38が形成され、かつ複数の開口38の底面のそれぞれに電極パッド40が配設された絶縁性基板32を準備することができる。
準備工程を実施した後、各電極パッド40に突起電極42を形成する突起電極形成工程を実施する。突起電極形成工程は、たとえば上述のレーザー加工装置52を用いて実施することができる。突起電極形成工程では、まず、電極パッド40を形成した開口38側を上に向けてレーザー加工装置52のチャックテーブル54の上面に絶縁性基板32を吸着させる。次いで、回転手段、X方向移動手段及びY方向移動手段によってチャックテーブル54を回転及び移動させ、絶縁性基板32と集光器56とのXY平面における位置を調整し、絶縁性基板32のX方向一端部に位置する電極パッド40にパルスレーザー光線LBの集光点を位置づける。次いで、絶縁性基板32に形成された開口38側から、X方向一端部に位置する電極パッド40にパルスレーザー光線LBを1パルス照射する。そうすると電極パッド40には、図5に示すとおり、パルスレーザー光線LBの照射による溶融と熱膨張とによって、水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く突起電極42が形成される。そして、電極パッド40へのパルスレーザー光線LBの1パルス照射と、X方向において隣接する開口38の中心間距離の分だけX方向移動手段によってチャックテーブル54をX方向へ移動させる加工送りとを交互に繰り返す突起電極形成加工により電極パッド40に突起電極42を順次形成する。X方向他端部の電極パッド40に突起電極42を形成した後は、Y方向において隣接する開口38の中心間距離の分だけY方向移動手段によってチャックテーブル54をY方向にインデックス送りする。そして、突起電極形成加工とインデックス送りとを交互に繰り返すことにより全ての電極パッド40に突起電極42を形成することができ、この結果、マイクロ電極体30を得ることができる。突起電極形成工程におけるパルスレーザー光線LBの条件は、たとえば、波長が355nmであり、かつ1パルス当たりのエネルギーが120〜170nJであるのが好ましい。1パルス当たりのエネルギーは145nJがより好ましい。
以上のとおり本発明のマイクロ電極体30の製造方法では、突起電極形成工程において絶縁性基板32に形成された開口38から電極パッド40にパルスレーザー光線LBを1パルス照射して溶融と熱膨張とによって水面に滴下された水滴の水面からの跳ね返りの如く突起電極42を形成するので、比較的容易に突起電極42を形成することができる。
2:マイクロ電極体(第一の実施形態)
4:絶縁性基板
6:開口
10:電極パッド
12:突起電極
30:マイクロ電極体(第二の実施形態)
32:絶縁性基板
38:開口
40:電極パッド
42:突起電極

Claims (2)

  1. 電気特性を検出するマイクロ電極体であって、
    上面に複数の開口が形成された絶縁性基板と、該複数の開口のそれぞれに配設された電極パッドと、を備え、
    該電極パッドには突起電極が形成され、
    該突起電極は、該絶縁性基板に形成された該開口から該電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く形成されるマイクロ電極体。
  2. マイクロ電極体の製造方法であって、
    上面に複数の開口が形成され、かつ該複数の開口のそれぞれに電極パッドが配設された絶縁性基板を準備する準備工程と、
    該絶縁性基板に形成された該開口から該電極パッドにレーザー光線を照射して溶融と熱膨張とによって水滴の跳ね返りの如く突起電極を形成する突起電極形成工程と、から少なくとも構成されるマイクロ電極体の製造方法。
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