JP2018088787A - 車両用回転電機の回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、永久磁石が遠心力等により径方向に飛び出すのを防止する車両用回転電機の回転子を得る。【解決手段】回転子巻線13と、回転子巻線13を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極12cを有しその爪状磁極12cが互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心12と、隣り合う爪状磁極12cの隙間に配置された複数の永久磁石30と、永久磁石30を爪状磁極12cの周方向側面に固定する磁石保持部材31とを備え、爪状磁極12cの周方向側面は平面に形成され、永久磁石30の周方向側面は爪状磁極12cの周方向側面に合わせて形成されており、磁石保持部材31は、永久磁石30の径方向の外周面と周方向側面とを覆う磁石保持部31aと、永久磁石30の径方向への移動を阻止する係止部として内周鍔部31bと外周鍔部31cとを有している。【選択図】図3

Description

この発明は、例えば、車両に搭載される交流発電機のような回転電機の回転子に関するものである。
例えば、車両に搭載される交流発電機では、回転子を構成するランデル型の爪状磁極と固定子との間で磁束を確実に受け渡すため、隣り合う爪状磁極の側面間に永久磁石を介在させ、爪状磁極間の磁束の漏洩を防止する技術が公知である。更に、この永久磁石が遠心力により径方向外側に飛び出して破損することを防止するための技術が知られている。
このような従来技術として、回転軸に圧入される円筒状のボス部とボス部の軸方向端部から径方向外側に延びるディスク部とディスク部の外周端から互いに噛み合うように軸方向に延びる複数の爪状磁極とを有する一対のポールコアと、隣接する2つの爪状磁極の間に配置された複数の永久磁石とを備え、ディスク部に設けた凹部と爪状磁極外周部に設けた鍔部とで永久磁石を拘束する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、回転子の爪状磁極の対向する側面に溝加工を施し、永久磁石の外周面と溝の間に磁石よりも軟質な材料を嵌入し、溝部で永久磁石を保持する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−29124号公報(第4−5頁、図1−3) 特開2000―134888号公報(第2頁、図1−2)
特許文献1や特許文献2に示すような従来の車両用回転電機の回転子においては、永久磁石が遠心力により径方向外側に飛び出して破損することを防止するために、爪状磁極の対向面に鍔部や溝部が設けられ、それにより永久磁石が固定されている。しかしながら、爪状磁極を有する回転子鉄心は、冷鍛で作られることが多い。この場合は鍔形状または溝形状を冷鍛のみで形成することは困難であり、冷鍛で大まかな形状を形成した後、鍔または溝を切削加工することになる。これにより、回転子鉄心の加工費が増え、回転子が高価になってしまうという問題があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、回転子鉄心に鍔部や溝を設けることなく、永久磁石が遠心力等により径方向に移動するのを防止する車両用回転電機の回転子を安価に提供することを目的とする。
この発明に係る車両用回転電機の回転子は、磁束を発生させる回転子巻線と、回転子巻線を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極を有しその爪状磁極が互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心と、隣り合う爪状磁極の隙間に配置された複数の永久磁石と、永久磁石を爪状磁極の周方向側面に固定する磁石保持部材とを備え、爪状磁極の周方向側面は平面に形成され、永久磁石の周方向側面は、対向する爪状磁極の周方向側面に合わせて形成されており、磁石保持部材は、永久磁石の外面の一部を覆う磁石保持部と、隣接するそれぞれの爪状磁極と係合して永久磁石の径方向への移動を阻止する係止部とを有しているものである。
また、爪状磁極の周方向側面は、径方向の中央部が突起した凸面、または径方向の中央部がくびれた凹面に形成されており、永久磁石の周方向側面は、爪状磁極の凸面に嵌合する凹面、または凸面に嵌合する凹面に形成されているものである。
この発明の車両用回転電機の回転子によれば、爪状磁極の周方向側面は平面に形成され、永久磁石の周方向側面は、対向する爪状磁極の周方向側面に合わせて形成されており、磁石保持部材は、永久磁石の外面の一部を覆う磁石保持部と、隣接するそれぞれの爪状磁極と係合して永久磁石の径方向への移動を阻止する係止部とを有しているので、爪状磁極の周方向側面に永久磁石を固定するための鍔部や溝部が必要ないため、爪状磁極の加工が簡単になり、回転子鉄心の加工費の抑制を図ることができる。
また、爪状磁極の周方向側面は、径方向の中央部が突起した凸面、または径方向の中央部がくびれた凹面に形成されており、永久磁石の周方向側面は、爪状磁極の凸面に嵌合する凹面、または爪状磁極の凹面に嵌合する凸面に形成されているので、爪状磁極の周方向側面に鍔部や溝部を形成する場合と比較して、爪状磁極の加工が簡単となり、回転子鉄心の加工費の抑制を図ることができる。
この発明の実施の形態1による車両用回転電機の構成を示す断面図である。 図1の車両用回転電機の回転子を示す側面図である。 図2の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した斜視図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 図3,図4の磁石保持部材のみを示す斜視図である。 図5の磁石保持部材の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す断面図である。 図7の磁石保持部材のみを示す斜視図である。 この発明の実施の形態3による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態の他の例を示す断面図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1による回転電機の回転子を、図に基づいて説明する。
図1は、以下に説明する実施の形態も含めた各実施の形態に用いられるランデル型の回転子を備えた回転電機の構成を示す断面図である。
図2は、回転子のみを取り出し、軸線に直交方向に見た側面図であり、永久磁石を装着する前の状態を示している。
図3は、図2の回転子の爪状磁極に永久磁石を装着した斜視図であり、図4は、図3のA−A線に沿う断面図である。
先ず、図1および図2により、回転電機およびその回転子部分の構成について説明する。図に示す回転電機1は、回転電機本体2と、回転電機本体2に搭載された制御装置3とを有する制御装置一体型回転電機を示しており、例えば、内燃機関により駆動される車両に搭載されるものである。図1の回転電機1は、ブラシ付の交流発電電動機(ACモータジェネレータ)として構成されている。なお、以下の説明では、各図において、同一または相当部分には同一符号を付して説明する。
回転電機本体2は、筒状の固定子4と、固定子4の内側空間に微少間隙を介して回転自在に配置された回転子5とが、金属製のフロントブラケット6およびリヤブラケット7からなるケースに収容されて固定されている。図1のように、固定子4の軸方向両端部がフロントブラケット6とリヤブラケット7との間に装架され、両ブラケットを互いに接近する方向に複数の締結ボルト8で締め付けられている。ほぼ椀形状をしたフロントブラケット6およびリヤブラケット7のそれぞれの底部には吸気孔が複数形成され、同様に外周両肩部には排気孔が複数形成されている。
固定子4は、フロントブラケット6とリヤブラケット7との間に挟持されて固定された筒状の固定子鉄心9と、この固定子鉄心9に設けられた電機子巻線としての固定子巻線10とを有している。
回転子5は、回転子5の軸線上に配置された回転子軸11と、この回転子軸11の軸方向の中央部に固定された一対の回転子鉄心12と、これらの回転子鉄心12により包囲されて界磁巻線として磁束を発生させる回転子巻線13とを有している。鉄製の一対の回転子鉄心12は、いわゆる、クローポール形磁極を構成しており、それぞれ、例えば8つの爪状磁極12cが、外周縁に周方向に等角ピッチで、回転子軸11の軸方向に向けて延設されており、爪状磁極12cを互いに噛み合わせるように対向配置して回転子軸11に固定されている。回転子巻線13は、一対の回転子鉄心12により包囲されている。
回転子軸11は、フロントブラケット6およびリヤブラケット7を貫通し、両ブラケットのそれぞれに設けられた一対の軸受14を介して回転自在に支持されている。また、回転子鉄心12の軸方向両端部には、回転子5と一体に回転する送風用の冷却ファン15が設けられている。なお、図2では、この冷却ファン15の図示は省略しており、また、次に説明する永久磁石30もまだ装着していない状態を示している。
回転子軸11のフロントブラケット6側の軸端部には、プーリ16が固定されている。プーリ16は、車両に搭載された内燃機関(図示せず)の回転軸と連動する伝達ベルト(図示せず)が巻き掛けられ、この伝達ベルトを介して回転電機1と内燃機関との間で動力の授受を行う。
また、回転子軸11のリヤブラケット7側の軸端部近傍には、回転子軸11の回転に応じた信号を発生する回転位置検出センサ17と、回転子巻線13に電気的に接続された一対のスリップリング18が設けられている。スリップリング18は、回転子軸11の外周部を囲む環状の導電性部材により構成されている。
また、導電性材料により構成された一対のブラシ19は、リヤブラケット7に固定されたブラシホルダ20に保持され、スリップリング18に接触する方向に押圧バネにより付勢されている。スリップリング18とブラシ19は、回転子5の回転にともなって摺動接触し、界磁電流をブラシ19とスリップリング18を介して回転子巻線13に供給する。
制御装置3は、固定子巻線10に電気的に接続されたパワーモジュール構成体21と、直流電源としての車載バッテリ(図示せず)からの直流電力を調整して界磁電流として回転子巻線13に供給する界磁回路部22と、パワーモジュール構成体21および界磁回路部22を制御する制御回路部23と、パワーモジュール構成体21と界磁回路部22と制御回路部23との間で制御信号の送受信を行うための信号中継装置24とを有している。これらの制御装置3は、リヤブラケット7の軸方向端部に固定されており、絶縁樹脂により構成されたカバー25により覆われている。また、制御回路部23には、外部機器(例えば内燃機関制御ユニットなど)との間で信号の送受信を行うための外部接続用のコネクタ26が設けられている。
なお、制御装置3の構成は一例を示すものであり図1に限定するものではなく、本願の主要部ではないので詳細な説明は省略する。また、回転電機1は制御装置一体型に限定するものではない。
次に実施の形態1における回転子5の回転子鉄心12の爪状磁極12cに永久磁石30を装着する部分の構成について説明する。最初に図1により回転子鉄心12の形状をもう少し詳しく説明すると、回転子鉄心12は、回転子軸11に圧入される円筒状のボス部12aと、ボス部12aの軸方向端部側から径方向外側に伸びるディスク部12bと、ディスク部12bの外周端から軸方向の内側に伸びる複数の爪状磁極12cとを有している。そして、一対の回転子鉄心12を向かい合わせてそれぞれの爪状磁極12cが互いに噛み合うように配置されており、図2に示すように、ある爪状磁極12cと隣り合う爪状磁極12cの側面で構成される隙間が存在する。この隙間に永久磁石30を配置することで爪状磁極12cと固定子4との間で確実に磁束を受け渡すことが可能に構成されている。
図3は、実施の形態1における爪状磁極12cと永久磁石30および磁石保持部材31の構成を示す斜視図である。図4は、図3のA−A線に沿って矢印の方向に見た断面図である。図3、図4に示すように、爪状磁極12cの周方向側面には鍔部や溝の加工はされていない。周方向側面の形状は径方向に直線状の平面であり、角部の面取り加工やR加工部を除けば、互いに平行な平面で対向している。
永久磁石30は、フェライト磁石やネオジム磁石などからなり、図4のように軸方向に見た断面が矩形状で、全体はほぼ直方体状に形成されている。周方向の幅は、爪状磁極12cの隣り合う側面で形成される隙間に磁石保持部材31を介して嵌合可能な寸法となっている。
なお、永久磁石30の長手方向は、回転子5の軸線の方向と完全に平行ではないが、便宜上、永久磁石30の長手方向も「軸方向」と呼ぶことにする。また、A−A線で示す一点鎖線方向を「周方向」と呼ぶことにする。そして、永久磁石30が爪状磁極12cの隙間に配置された状態で、回転軸心に近い側の面を「内周面」,遠い側の面を「外周面」、爪状磁極12cとの対向面を「周方向側面」と呼ぶことにする。
図5は、磁石保持部材31の単体の斜視図である。磁石保持部材31は、非磁性体であり、例えばステンレスのような金属、もしくは合成樹脂等から成っている。
磁石保持部材31の形状は、永久磁石30の両周方向側面と外周面を覆う磁石保持部31aと、爪状磁極12cの側面の内周面にそって周方向に延びる内周鍔部31bおよび外周面にそって周方向に延びる外周鍔部31cからなる係止部を有している。軸方向長さは永久磁石30とほぼ同じ長さである。
内周鍔部31bが爪状磁極12cの内周面に係合することで永久磁石30が遠心力により径方向外側に飛び出して破損することを防止すると共に、外周鍔部31cが爪状磁極12cの外周面に係合することで、永久磁石30が径方向内側に倒れることを防止している。これにより、永久磁石30を回転子5に組み付けるときに永久磁石30が倒れることなく安定するため、組み付けが容易になる。
更に、磁石保持部材31の内周鍔部31b、外周鍔部31cがそれぞれ爪状磁極12cの内周面および外周面をガイドしているため、永久磁石30の位置決めも容易になる。
永久磁石30と磁石保持部材31は、シリコーンなどの接着材にて接着されるか、または磁石保持部材31に永久磁石30が嵌入されて、両者が一体に固定されている。
磁石保持部材31と爪状磁極12cの側面は、シリコーンなどの接着材で接着されていてもよいし、もしくは爪状磁極間の隙間に嵌入されていてもよい。
図6は、図5の磁石保持部材31の変形例を示す斜視図である。図5の磁石保持部材31のような形状の場合、樹脂により製作する場合は比較的容易に製作できるが、例えばステンレスのような金属で製作しようとすれば、溶接などの接合工程が必要となる。
そこで、ステンレスなどの金属で製作する場合は、図6の磁石保持部材32のような形状にすればよい。すなわち、軸方向の両側に、折り曲げ加工またはプレス加工などで内周鍔部32bを形成し、中央部は曲げることなく平面状に残し、その両側端部を外周鍔部32cとするものである。内側が磁石保持部32aとなる。
このような形状とすることで、金属部材でも曲げ加工やプレス加工などで製作することが可能となり、製作が容易で安価に製作できる。
以上のように、実施の形態1の車両用回転電機の回転子によれば、磁束を発生させる回転子巻線と、回転子巻線を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極を有しその爪状磁極が互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心と、隣り合う爪状磁極の隙間に配置された複数の永久磁石と、永久磁石を爪状磁極の周方向側面に固定する磁石保持部材とを備え、爪状磁極の周方向側面は平面に形成され、永久磁石の周方向側面は、対向する爪状磁極の周方向側面に合わせて形成されており、磁石保持部材は、永久磁石の外面の一部を覆う磁石保持部と、隣接するそれぞれの爪状磁極と係合して永久磁石の径方向への移動を阻止する係止部とを有しているので、爪状磁極の周方向側面に永久磁石を固定するための鍔部や溝部が必要ないため、爪状磁極の加工が簡単となり、回転子鉄心の加工費の抑制を図ることができる。
また、鍔部等がないため、爪状磁極の周方向側面と永久磁石の周方向側面との対向面を広くとることが可能となり、磁束の漏れを小さく抑えることができる。
また、隣り合う爪状磁極の周方向側面は互いに平行に形成され、軸線方向に見た永久磁石の断面は矩形状に形成されており、磁石保持部材の磁石保持部は、永久磁石の外周面と周方向側面とを覆う面で構成され、係止部は、爪状磁極の内周側に係合する内周鍔部と外周側に係合する外周鍔部とで構成されているので、永久磁石の径方向の移動が効果的に阻止でき、爪状磁極の加工が簡単となり、回転子鉄心の加工費の抑制を図ることができる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す断面図であり、実施の形態1の図4に対応する部分である。回転子の構成は実施の形態1と同じなので、図示および説明は省略する。図8は、図7の磁石保持部材の単体の斜視図である。また、以下の説明において、爪状磁極は、断面形状が実施の形態1の場合と異なっているが、煩雑さを避けるため、同一符号を付している。ただし、永久磁石と磁石保持部材は、形状が異なれば別符号を付して区別している。
実施の形態2の爪状磁極12cは、爪状磁極間の隙間が径方向外側に向かうほど広くなるように、爪状磁極12cの周方向側面が傾斜している。すなわち、断面形状は内周側が長く外周側が短い台形状である。したがってこれに対応する永久磁石33の断面は、その形状に合わせて内周側が短く外周側が長い台形状になっており、磁石保持部材34も台形にならう形状になっている。爪状磁極12cの周方向側面の傾斜により、永久磁石33が径方向内側に倒れることを防止できるため、磁石保持部材34には外周鍔部が必要なくなる。
磁石保持部材34は、永久磁石33の外周面と周方向側面とを覆う面で構成される磁石保持部34aと、爪状磁極12cの内周側に係合する内周鍔部34bからなる係止部を有している。
実施の形態1の図5と比較すると、一枚の板を折り曲げることで容易に製作できる形状になっているため、金属でも容易に製作が可能であり、また、部材の体積も実施の形態1
より少なくできる。更に、永久磁石33の断面が台形状になっているので、永久磁石33が磁石保持部材34に対し径方向に移動することがないため、永久磁石33を磁石保持部材34に接着したり嵌入により固定したりする必要がなくなる。
以上のように、実施の形態2の車両用回転電機の回転子によれば、隣り合う爪状磁極の周方向側面は、爪状磁極の隙間が径方向外側に向かうほど広くなるように傾斜しており、軸方向に見た永久磁石の断面は、外周側が長く内周側が短い台形状であり、磁石保持部材の磁石保持部は、永久磁石の外周面と周方向側面とを覆う面で構成され、係止部は、爪状磁極の内周側に係合する内周鍔部で構成されているので、爪状磁極や磁石保持部材を簡単に加工できるため、回転子鉄心の加工費の抑制を図ることが可能である。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す断面図であり、実施の形態1の図4に対応する部分である。回転子の構成は実施の形態1と同じなので、図示および説明は省略する。
この実施の形態では、隣り合う爪状磁極12cで形成される隙間が、径方向外側に向かうほど狭くなるように、爪状磁極12c周方向側面が傾斜している。すなわち、爪状磁極12cの断面形状は、内周側が短く外周側が長い台形状である。その形状に合わせて永久磁石35の断面は逆向きの台形状になっている。磁石保持部材36も台形にならう形状であり、永久磁石35の内周面と周方向側面とを覆う面で構成される磁石保持部36aと、爪状磁極12cの外周側に係合する外周鍔部36cからなる係止部とを有している。
爪状磁極12cの周方向側面が図のような傾斜になっていることで、永久磁石35が径方向外側に倒れることを防止できるため、磁石保持部材36には内周鍔部は必要ない。
この実施の形態における磁石保持部材36も実施の形態2と同様、一枚の板を折り曲げることで製作できる形状であるため、金属でも容易に製作が可能である。
以上のように、実施の形態3の車両用回転電機の回転子によれば、隣り合う爪状磁極の周方向側面は、爪状磁極の隙間が径方向外側に向かうほど狭くなるように傾斜しており、軸方向に見た永久磁石の断面は、外周側が短く内周側が長い台形状であり、磁石保持部材の磁石保持部は、永久磁石の内周面と周方向側面とを覆う面で構成され、係止部は、爪状磁極の外周側に係合する外周鍔部で構成されているので、永久磁石の径方向の飛び出しを効果的に抑制でき、爪状磁極や磁石保持部材を簡単に加工できるため、回転子鉄心の加工費の抑制を図ること可能である。
実施の形態4.
図10は、実施の形態4による車両用回転電機の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態の一例を示す断面図であり、図11は他の例を示す断面図である。いずれも、実施の形態1の図4に対応する部分を示している。回転子の構成は実施の形態1と同じなので、図示および説明は省略する。
この実施の形態では、爪状磁極の周方向側面と永久磁石の周方向側面とが、周方向の断面で見て、くの字状の凹凸面によって嵌合している点に特徴を有するものである。
図10では、隣り合う爪状磁極12cの隙間が最初は径方向外側に向かうほど狭くなり途中から広くなるように、爪状磁極12cの周方向側面の径方向の中央部がくの字状に突起した凸面12dに形成されている。一方の永久磁石37の周方向側面は、径方向の中央部がくの字状にくびれた凹面37aに形成されている。
爪状磁極12cの凸面12dと永久磁石37の凹面37aが嵌合することで、永久磁石37が径方向内側および外側に倒れることを防止できるため、磁石保持部材38には実施
の形態1のような内周鍔部および外周鍔部が必要なく、内側に形成される磁石保持部のみで良い。
この実施の形態における磁石保持部材38も、一枚の板を折り曲げることで製作できる形状であるため、金属でも容易に製作が可能である。
図11は、本実施の形態の回転子の爪状磁極に永久磁石を固定した状態を示す他の例であり、図10の変形例である。
図11のように、隣り合う爪状磁極12cの隙間が最初は径方向外側に向かうほど広くなり、途中から狭くなるように、爪状磁極12cの周方向側面の径方向の中央部がくの字状にくびれた凹面12eに形成されている。一方の永久磁石39の周方向側面は、径方向の中央部がくの字状に突起した凸面39aに形成されている。磁石保持部材40は、その内側に形成された磁石保持部のみで良い。
爪状磁極12cの凹面12eと永久磁石39の凸面39aが嵌合することで、永久磁石39が径方向内側および外側に倒れることを防止できるため、図10の場合と同様な効果を期待できる。
なお、磁石保持部材38または磁石保持部材40は、永久磁石の径方向への移動を防止する目的からは必ずしも必要ではないが、磁石保持部材を設けることで、爪状磁極と永久磁石との隙間を確実に埋めて、がたつきを防止する効果が期待できる。
また、上記の説明では、凹凸面の断面形状は「くの字状」としたが、これに限定するものではなく、例えば円弧状の組み合わせでも良い。
本実施の形状の場合、回転子鉄心12の爪状磁極12cの凸面12dまたは凹面12eは、冷鍛によって製作することが可能である。背景技術の項で説明した特許文献1または2の場合では、爪状磁極の対向面に鍔部や溝部を切削加工等で形成していたが、本実施の形態では機械加工は不要であるため、それらに比べて加工が簡単で安価にできる。
以上のように、実施の形態4の車両用回転電機の回転子によれば、磁束を発生させる回転子巻線と、回転子巻線を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極を有しその爪状磁極が互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心と、隣り合う爪状磁極の隙間に配置された複数の永久磁石とを備え、爪状磁極の周方向側面は、径方向の中央部が突起した凸面、または径方向の中央部がくびれた凹面に形成されており、永久磁石の周方向側面は、爪状磁極の凸面に嵌合する凹面、または爪状磁極の凹面に嵌合する凸面に形成されているので、簡単な加工で、永久磁石の径方向への移動を阻止する嵌合面が得られ、加工費の削減を図ることができる。
なお、本願発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変更、省略したりすることができる。
1 回転電機、2 回転電機本体、3 制御装置、4 固定子、5 回転子、
6 フロントブラケット、7 リヤブラケット、8 締結ボルト、9 固定子鉄心、
10 固定子巻線、11 回転子軸、12 回転子鉄心、12a ボス部、
12b ディスク部、12c 爪状磁極、12d 凸面、12e 凹面、
13 回転子巻線、14 軸受、15 冷却ファン、16 プーリ、
17 回転位置検出センサ、18 スリップリング、19 ブラシ、
20 ブラシホルダ、21 パワーモジュール構成体、22 界磁回路部、
23 制御回路部、24 信号中継装置、25 カバー、26 コネクタ、
30 永久磁石、31 磁石保持部材、31a 磁石保持部、31b 内周鍔部、
31c 外周鍔部、32 磁石保持部材、32a 磁石保持部、32b 内周鍔部、
32c 外周鍔部、33 永久磁石、34 磁石保持部材、34a 磁石保持部、
34b 内周鍔部、35 永久磁石、36 磁石保持部材、36a 磁石保持部、
36c 外周鍔部、37 永久磁石、37a 凹面、38 磁石保持部材、
39 永久磁石、39a 凸面、40 磁石保持部材

Claims (5)

  1. 磁束を発生させる回転子巻線と、
    前記回転子巻線を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極を有しその記爪状磁極が互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心と、
    隣り合う前記爪状磁極の隙間に配置された複数の永久磁石と、
    前記永久磁石を前記爪状磁極の周方向側面に固定する磁石保持部材とを備え、
    前記爪状磁極の周方向側面は平面に形成され、
    前記永久磁石の周方向側面は、対向する前記爪状磁極の周方向側面に合わせて形成されており、
    前記磁石保持部材は、前記永久磁石の外面の一部を覆う磁石保持部と、隣接するそれぞれの前記爪状磁極と係合して前記永久磁石の径方向への移動を阻止する係止部とを有していることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
  2. 請求項1に記載の車両用回転電機の回転子において、
    隣り合う前記爪状磁極の周方向側面は互いに平行に形成され、軸方向に見た前記永久磁石の断面は矩形状に形成されており、前記磁石保持部材の前記磁石保持部は、前記永久磁石の外周面と周方向側面とを覆う面で構成され、前記係止部は、前記爪状磁極の内周側に係合する内周鍔部と外周側に係合する外周鍔部とで構成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
  3. 請求項1に記載の車両用回転電機の回転子において、
    隣り合う前記爪状磁極の周方向側面は、前記爪状磁極の前記隙間が径方向外側に向かうほど広くなるように傾斜しており、軸方向に見た前記永久磁石の断面は、外周側が長く内周側が短い台形状であり、前記磁石保持部材の前記磁石保持部は、前記永久磁石の外周面と周方向側面とを覆う面で構成され、前記係止部は、前記爪状磁極の内周側に係合する内周鍔部で構成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
  4. 請求項1に記載の車両用回転電機の回転子において、
    隣り合う前記爪状磁極の周方向側面は、前記爪状磁極の前記隙間が径方向外側に向かうほど狭くなるように傾斜しており、軸方向に見た前記永久磁石の断面は、外周側が短く内周側が長い台形状であり、前記磁石保持部材の前記磁石保持部は、前記永久磁石の内周面と周方向側面とを覆う面で構成され、前記係止部は、前記爪状磁極の外周側に係合する外周鍔部で構成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
  5. 磁束を発生させる回転子巻線と、
    前記回転子巻線を覆って軸方向に延設された複数の爪状磁極を有しその爪状磁極が互に噛み合わされて対向配置された一対の回転子鉄心と、
    隣り合う前記爪状磁極の隙間に配置された複数の永久磁石とを備え、
    前記爪状磁極の周方向側面は、径方向の中央部が突起した凸面、または前記径方向の中央部がくびれた凹面に形成されており、
    前記永久磁石の周方向側面は、前記爪状磁極の前記凸面に嵌合する凹面、または前記爪状磁極の前記凹面に嵌合する凸面に形成されていることを特徴とする車両用回転電機の回転子。
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