JP2018087852A - 虚像表示装置 - Google Patents

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賢二 渡邊
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Abstract

【課題】警告対象となる対象物を確実に視認させることを可能にした虚像表示装置を提供する。【解決手段】車両の乗員に対して警告対象となる警告対象物がある場合に、乗員から警告対象物の間であって、警告対象物の少なくとも一部と重畳して乗員に視認される位置に虚像を表示し、その後に乗員の視線が警告対象物の周辺に位置した場合には、乗員と警告対象物とを結ぶ方向に沿って警告対象物の方向へと虚像の位置を移動するように構成する。【選択図】図11

Description

本発明は、ユーザにとって警告対象となる対象物への警告を行う虚像表示装置に関する。
従来より、車両等の移動体の乗員に対して経路案内や障害物の警告等の運転情報を提供する情報提供手段として、様々な手段が用いられている。例えば、移動体に設置された液晶ディスプレイによる表示や、スピーカから出力する音声等である。そして、近年、このような情報提供手段の一つとして、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)のような人間の目の錯覚を利用して実際に映像が表示された位置と異なる空間上に映像を視認させる虚像表示装置がある。
ここで、虚像表示装置によってより効果的な情報の提供を行う為には、虚像を表示する位置(より具体的には虚像を視認するユーザから虚像までの距離)を適切に設定することが重要である。例えば、特開2015−74391号公報には、障害物に対する警告の虚像を表示する場合において、その障害物が実際に存在する位置に虚像を表示することについて開示されている。また、スクリーンの移動に時間がかかる場合には、一旦、ユーザに近い位置に警告の虚像を表示し、スクリーンの移動が終わった後に障害物が実際に存在する位置に改めて虚像を表示することについて開示されている。
特開2015−74391号公報(第14−15頁、図19)
ここで、虚像表示装置により表示された虚像は、周辺環境に重畳してユーザに視認されることとなる。したがって、特にユーザから離れた位置にある虚像については、虚像が周辺環境に溶け込むことによって、ユーザが虚像や虚像によって警告する障害物に気づかない場合もあった。
上記特許文献1に記載されている虚像表示装置では、警告対象となる障害物の位置によってユーザから虚像までの距離を変更することが行われているが、ユーザの視線の位置については考慮されていなかった。従って、例えばユーザの視線から離れた位置にある障害物の警告を行う場合においても、スクリーンの移動が間に合えばユーザから離れた障害物の位置に虚像が最初から表示されることとなる。その結果、ユーザが虚像や虚像によって警告する障害物に気づくことなく虚像による案内が終了する場合が生じていた。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、ユーザの視線が警告対象となる対象物から離れた位置にある場合であっても、虚像を用いてユーザの視線を警告対象となる対象物へと誘導することによって、警告対象となる対象物を確実に視認させることを可能にした虚像表示装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る虚像表示装置は、映像表示面に表示された映像をユーザに視認させることによって前記映像の虚像をユーザに視認させる虚像表示装置であって、ユーザに対して警告対象となる対象物の位置を取得する位置取得手段と、ユーザから前記対象物の間であって、前記対象物の少なくとも一部と重畳してユーザに視認される位置に虚像を表示する虚像表示手段と、ユーザの視線を検出する視線検出手段と、前記虚像表示手段により虚像が表示された後であって、ユーザの視線が前記対象物の周辺に位置した場合に、ユーザと前記対象物とを結ぶ方向に沿って前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する虚像位置変更手段と、を有する。
前記構成を有する本発明に係る虚像表示装置によれば、ユーザの視線が警告対象となる対象物から離れた位置にある場合であっても、ユーザの視線に応じて虚像の位置を移動させることによって、ユーザの視線を虚像によって警告対象となる対象物へと誘導することが可能となる。それによって、警告対象となる対象物をユーザに確実に視認させることが可能となる。
本実施形態に係るHUDの車両への設置態様を示した図である。 本実施形態に係るHUDの内部構成を示した図である。 HUDにおいて形成される光路を示した図である。 液晶ディスプレイの映像の表示領域を示した図である。 虚像の生成される位置を説明した図である。 本実施形態に係るHUDの構成を示したブロック図である。 本実施形態に係る情報取得処理プログラムのフローチャートである。 表示ラインを示した図である。 本実施形態に係る虚像表示処理プログラムのフローチャートである。 第1段階において車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。 第2段階において車両の乗員から視認できる虚像の一例を示した図である。
以下、本発明に係る虚像表示装置について、車両に搭載されたヘッドアップディスプレイ装置に具体化した一実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUDという)1の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るHUD1の車両2への設置態様を示した図である。
図1に示すようにHUD1は、車両2のダッシュボード3内部に設置されており、内部に映像を表示する液晶ディスプレイ5を有する。そして、液晶ディスプレイ5に表示された映像を、後述のようにHUD1が備える反射型偏光板6や凹面鏡7を介し、更に運転席の前方のフロントウィンドウ8に反射させて車両2の乗員9に視認させるように構成されている。尚、液晶ディスプレイ5に表示される映像としては、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられる各種情報がある。例えばユーザに対して警告対象となる対象物(他車両や歩行者)に対する警告、ナビゲーション装置で設定された案内経路や案内経路に基づく案内情報(右左折方向を示す矢印等)、路面に表示する警告(追突注意、制限速度等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ番組等がある。
また、本実施形態のHUD1では、フロントウィンドウ8を反射して乗員9が液晶ディスプレイ5に表示された映像を視認した場合に、乗員9にはフロントウィンドウ8の位置ではなく、フロントウィンドウ8の先の遠方の位置に液晶ディスプレイ5に表示された映像が虚像10として視認されるように構成される。尚、乗員9が視認できる虚像10は液晶ディスプレイ5に表示された映像であるが、反射型偏光板6や凹面鏡7を介することによって上下方向や左右方向が反転する場合があり、それらの反転を考慮して液晶ディスプレイ5の映像の表示を行う必要がある。また、凹面鏡7を介することによってサイズも変更する。
ここで、虚像10を生成する位置、より具体的には乗員9から虚像10までの距離(以下、虚像生成距離という)Lについては、HUD1が備える凹面鏡7の曲率、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との相対位置等によって適宜設定することが可能である。例えば、凹面鏡7の曲率が固定であれば、液晶ディスプレイ5において映像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)によって虚像生成距離Lが決定される。
そして、本実施形態に係るHUD1は、後述のように液晶ディスプレイ5から入射する光路を凹面鏡7へ向かう方向に変更する反射ミラーとして、全反射ミラーからなる第1ミラー13と、第1ミラーとは別体でハーフミラーからなる第2ミラー14とを備える。そして、液晶ディスプレイ5に表示された映像の内、第1ミラー13で反射された映像に基づく虚像10(以下、第1虚像10Aという)と、第2ミラー14で反射された映像に基づく虚像10(以下、第2虚像10Bという)とをそれぞれ生成する。また、液晶ディスプレイ5から第1ミラー13を反射して凹面鏡7を結ぶ光路の光路長と、液晶ディスプレイ5から第2ミラー14を反射して凹面鏡7を結ぶ光路の光路長は、夫々異なる長さとする。例えば第1虚像10Aの虚像生成距離Lが20m、第2虚像10Bの虚像生成距離Lが2.5mとなるように各光路の光路長が設定されている。
また、本実施形態のHUD1は、後述のように液晶ディスプレイ5、第1ミラー13、第2ミラー14、反射型偏光板6及び凹面鏡7について、反射型偏光板6から凹面鏡7へと入射する光路の方向と凹面鏡7で反射してユーザの目の位置へ向かう光路の方向とを逆方向となるように位置設計しているので、虚像10の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像10をユーザに視認させることが可能となる。また、反射型偏光板6を用いることによって、液晶ディスプレイ5において映像の表示された位置から凹面鏡7までの光路に沿った距離(光路長)を、装置の容積に比べてより長く確保可能に構成している。
また、車両のフロントバンパの上方やルームミラーの裏側等にはフロントカメラ11が設置される。フロントカメラ11は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成された撮像装置であり、光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、フロントカメラ11により撮像された撮像画像に対して画像処理が行われることによって、フロントウィンドウ8越しに乗員9に視認される前方環境(即ち虚像10が重畳される環境)の状況等が検出される。尚、フロントカメラ11の代わりにミリ波レーダ等のセンサを用いても良い。
また、車両内には車内カメラ12についても設置される。車内カメラ12は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたものであり、車両のダッシュボード3の上面や車両の天井に取り付けられ、撮像方向を運転席に向けて設置される。そして、運転席に座った乗員であるユーザの顔を撮像する。そして、後述のように車内カメラ12により撮像した撮像画像に対して画像処理が行われることによって、ユーザの目の位置(視線開始点)や視線方向が検出される。
次に、図2及び図3を用いてHUD1のより具体的な構成について説明する。図2は、本実施形態に係るHUD1の内部構成を示した図である。図3は、本実施形態に係るHUD1によって形成される光路を示した図である。
図2に示すようにHUD1は、液晶ディスプレイ5と、反射型偏光板6と、凹面鏡7と、第1ミラー13と、第2ミラー14と、λ/4波長板15と、制御回路部16と、CANインターフェース17と、ヒートシンク18とから基本的に構成されている。
ここで、液晶ディスプレイ5は光源としてバックライトを用い、バックライトからの光の内、特定の偏光方向を有する光だけを出力することによって、前面に設けられた映像表示面に対して映像を表示する機能を有する映像表示装置である。バックライトとしては、例えばCCFL(冷陰極管)や白色LEDが用いられる。尚、映像を表示する手段としては、液晶ディスプレイ以外に、液晶プロジェクタとスクリーンの組み合わせを用いても良い。
また、図3に示すように液晶ディスプレイ5において映像を表示す映像表示面は、水平方向よりも下方を向く角度で配置される。即ち、液晶ディスプレイ5の液晶層よりも光源が上方に位置する角度で配置される。
また、図3に示すように第1ミラー13は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に配置され、液晶ディスプレイ5から第1方向で入射する第1光路19を、第1方向と異なる第2方向に変更する光の反射手段である。同じく第2ミラー14は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って液晶ディスプレイ5と凹面鏡7との間に配置され、液晶ディスプレイ5から第1方向で入射する第2光路20を、第1方向と異なる第2方向に変更する光の反射手段である。
また、第1ミラー13と第2ミラー14は別体のミラーであり、特に第1ミラー13は全反射ミラーとし、第2ミラー14はハーフミラーとする。また、第1ミラー13と第2ミラー14は所定距離間隔で平行に配置され、第1ミラーによって反射される第1光路19上に第2ミラー14が位置する。その結果、図3に示すように第1ミラー13で反射された第1光路19は、第2ミラー14を通過して凹面鏡7へと到達することとなる。尚、第2ミラー14は、例えば透過率と反射率が同じハーフミラーとするが、ハーフミラーは必ずしも透過率と反射率が同じである必要はなく、入射した光の一部を透過し、一部を反射する部材(ビームスプリッター)であれば良い。例えば第2ミラー14を透過率40%、反射率60%や、透過率60%、反射率40%となるハーフミラーとしても良い。一方、第1ミラー13についても必ずしも全反射のミラーである必要は無く、透過率よりも反射率が高いミラーであればよい。但し、反射率の高いミラーとすることによってより鮮明な虚像を生成することが可能となる。
また、第1ミラー13と第2ミラー14は、図2及び図3に示すように液晶ディスプレイ5とは直接的に接続されず、HUD1の外壁に対して直接固定される。それによって、液晶ディスプレイ5の熱が第1ミラー13や第2ミラー14に伝わり難くする。また、液晶ディスプレイ5に対して第1ミラー13及び第2ミラー14は、光路と液晶ディスプレイ5が重複しない範囲で、できる接近して配置される。ここで、光の範囲は液晶ディスプレイ5から離れる程広くなる。従って、液晶ディスプレイ5に対して第1ミラー13及び第2ミラー14を接近して配置することにより、第1ミラー13及び第2ミラー14のサイズをできる限り小さくすることができ、HUD1全体の装置サイズの小型化についても実現できる。
また、本実施形態では、第1ミラー13によって反射される第1光路19と、第2ミラー14によって反射される第2光路20とは、重複して凹面鏡7への入射方向が同一方向となるように液晶ディスプレイ5、第1ミラー13及び第2ミラー14が配置されている。その結果、乗員9からは第1ミラー13で反射された映像と第2ミラー14で反射された映像を同時に視認可能(即ち、第1ミラー13で反射された映像に基づく第1虚像10Aと第2ミラー14で反射された映像に基づく第2虚像10Bを同時に視認可能)に構成される。
また、第1ミラー13によって反射される映像と、第2ミラー14によって反射される映像は液晶ディスプレイ5の異なる領域に表示された映像となる。具体的には、図4に示すように第1光路19は液晶ディスプレイ5の下方にある第1領域21から入射する光路であって、第1領域21に表示された映像の虚像が第1虚像10Aとして乗員9に視認される。一方、第2光路20は液晶ディスプレイ5の上方にある第2領域22から入射する光路であって、第2領域22に表示された映像の虚像が第2虚像10Bとして乗員9に視認される。
更に、第1ミラー13によって反射される第1光路19の光路長(より具体的には液晶ディスプレイ5と乗員9とを結ぶ第1光路19の光路長)と、第2ミラー14によって反射される第2光路20の光路長(より具体的には液晶ディスプレイ5と乗員9とを結ぶ第2光路20の光路長)は長さが異なり、第1光路19の光路長の方がより長くなっている。その結果、図5に示すように第1光路19によってユーザに視認される虚像である第1虚像10Aの位置は、第2光路20によってユーザに視認される虚像である第2虚像10Bの位置よりも遠方に位置する。例えば第1虚像10Aの虚像生成距離Lは20m、第2虚像10Bの虚像生成距離Lが2.5mとなるように光路長が設定されている。また、図5に示すように乗員9から第1虚像10Aが視認される領域と第2虚像10Bが視認される領域とは乗員9の視線方向において重複している。
従って、第1虚像10Aと第2虚像10Bを切り替えて表示することによって、乗員から虚像までの距離を変更する案内を行うことが可能となる。例えば、先ず第2虚像10Bを表示し、その後に第2虚像10Bを消去し、表示されていた第2虚像10Bと視線方向に重複する位置に第2虚像10Bと同形状の第1虚像10Aを表示すれば、虚像の位置が乗員から2.5m離れた位置から20m離れた位置へと移動したように乗員からは視認される。本実施形態では特に乗員に対して警告対象となる対象物(他車両や歩行者)を警告する映像の虚像を、第1虚像10A及び第2虚像10Bとして表示する。
また、反射型偏光板6は、特定の第1の偏光方向を有する光については反射(非透過)するとともに、第1の偏光方向と異なる第2の偏光方向を有する光は透過させる性質を有する部材である。そして、本実施形態の反射型偏光板6では、第1の偏光方向を液晶ディスプレイ5から出力される光の偏光方向と同一方向に設計し、第2の偏光方向は第1の偏光方向に対してλ/2(180度)の位相差を有する偏光方向(即ち第1の偏光方向と直交する方向)に設計する。また、反射型偏光板6は、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ第1光路19及び第2光路20に沿って第1ミラー13及び第2ミラー14と凹面鏡7との間に配置される。そして、図3に示すように第1ミラー13及び第2ミラー14から第2方向で入射する第1光路19及び第2光路20に対して、凹面鏡7へ向かう第3方向に変更する光の反射手段として機能する。一方、凹面鏡7へと反射された光は後述のようにλ/4波長板15を2回通過することによって偏光方向が最終的に第2の偏光方向へと変更されるので、凹面鏡7から入射する第1光路19及び第2光路20に対しては光の透過手段として機能する。
一方、凹面鏡7は、液晶ディスプレイ5に表示された映像を拡大して反射させて乗員9に視認させることによって、乗員9の前方に映像の虚像を生成する投影鏡である。尚、凹面鏡7としては、球面凹面鏡や、非球面凹面鏡、若しくは投影映像の歪みを補正するための自由曲面鏡が用いられる。
また、図3に示すように凹面鏡7は、反射型偏光板6から第3方向で入射する光路を、反射型偏光板6を透過してユーザの目の位置へ向かう第4方向に変更する。そして、特に本実施形態では、液晶ディスプレイ5、第1ミラー13、第2ミラー14、反射型偏光板6及び凹面鏡7の位置や角度を、第3方向と第4方向とが逆方向となるように設計する。尚、「逆方向」とは、180度異なる方向のみに限られず、180度異なる方向を含む一定範囲の幅を持った方向とする。例えば175度や185度異なる方向についても逆方向とする。
その結果、虚像の品質を向上させることが可能となる。例えば、よりハッキリとした鮮やかな虚像を乗員9に視認させることが可能となる。更に、虚像の品質を向上させる虚像生成距離Lに幅を持たせることが可能となる。従って、本実施形態のように虚像生成距離Lの異なる複数の位置に虚像を視認させる場合において、特に大きな効果がある。
また、λ/4波長板15は、通過する光の偏光方向に対してλ/4(90度)の位相差を与える平板形状を有する偏光素子である。本実施形態では、液晶ディスプレイ5と凹面鏡7とを結ぶ光路に沿って反射型偏光板6と凹面鏡7との間に、凹面鏡7とは別体に配置される。従って、図3に示すように、液晶ディスプレイ5から出力された光は、反射型偏光板6から凹面鏡7へと移動する間において先ずλ/4波長板15を通過する。そして、その後に凹面鏡7で反射されて反射型偏光板6へと移動する間においてλ/4波長板15を再度通過する。その結果、光の偏光方向に対してλ/4ずつ計λ/2(180度)の位相差を与える。従って、液晶ディスプレイ5から出力された段階では光の偏光方向が反射型偏光板6において反射対象(非透過対象)となる第1の偏光方向であったのが、λ/4波長板15を2回通過することによって最終的には反射型偏光板6において透過対象となる第2の偏光方向へと変位する。
また、λ/4波長板15は、透過する第1光路19及び第2光路20に対して垂直となる角度で配置される。更に、反射型偏光板6から第2方向で透過する光と、凹面鏡7から第3方向で透過する光の全てを含むサイズで且つできる限り小さいサイズとする。また、λ/4波長板15は、液晶ディスプレイ5と反射型偏光板6とを結ぶ光路に重複しない範囲に配置される。
また、制御回路部16は、HUD1の全体の制御を行う電子制御ユニットである。ここで、図6は本実施形態に係るHUD1の構成を示したブロック図である。
図6に示すように制御回路部16は、演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びにCPU31が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、後述の情報取得処理プログラム(図7参照)や虚像表示処理プログラム(図9参照)等が記録されたROM33、ROM33から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ34等の内部記憶装置を備えている。また、制御回路部16は、液晶ディスプレイ5と接続され、液晶ディスプレイ5の駆動制御を行う。
また、CAN(コントローラエリアネットワーク)インターフェース17は、車両内に設置された各種車載器や車両機器の制御装置間で多重通信を行う車載ネットワーク規格であるCANに対して、データの入出力を行うインターフェースである。そして、HUD1は、CANを介して、各種車載器や車両機器の制御装置(例えば、ナビゲーション装置48、AV装置49等)と相互通信可能に接続される。それによって、HUD1は、ナビゲーション装置48やAV装置49等から取得した情報を表示可能に構成する。
また、ヒートシンク18は、液晶ディスプレイ5の背面側に配置され、液晶ディスプレイ5の光源から発生する熱を放熱する放熱部材である。ここで、ヒートシンク18は例えばアルミニウムや銅等から形成され、表面積が広くなるような形状(例えば剣山状や蛇腹状)に成型される。また、放熱効果をより高めるためにファンを設けても良い。また、ヒートシンク18は液晶ディスプレイ5の背面側、即ち第1ミラー13や第2ミラー14とは液晶ディスプレイ5を挟んで反対側に配置される。また、ヒートシンク18は液晶ディスプレイ5の液晶、第1ミラー13及び第2ミラー14よりも上方に位置する。従って、ヒートシンク18によって放熱された熱が液晶ディスプレイ5の液晶やその他の光学部材に与える悪影響を減少させることができる。
続いて、前記構成を有するHUD1においてCPU31が実行する情報取得処理プログラムについて図7に基づき説明する。図7は本実施形態に係る情報取得処理プログラムのフローチャートである。ここで、情報取得処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に所定時間間隔で繰り返し実行され、虚像を表示する為に必要となる各種情報を取得するプログラムである。尚、以下の図7及び図9にフローチャートで示されるプログラムは、HUD1が備えているRAM32やROM33に記憶されており、CPU31により実行される。
先ず、情報取得処理プログラムではステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU31は、車両の進行方向前方に車両の乗員に対して警告対象となる対象物(以下、警告対象物という)があるか否か判定する。ここで、警告対象物は例えば車両の乗員から所定距離以上(例えば50m以上)離れた位置にあって乗員からはっきりと視認することが難しい対象物、或いは車両の乗員の死角(例えば遮蔽物により遮蔽された位置)にあって乗員から一部しか視認できない対象物とする。また、『対象物』は、車両の乗員が走行するに際して注視すべき物とし、例えば、他車両、歩行者、2輪車等の障害物の他、標識、信号機等についても該当する。
また、車両の進行方向前方にある警告対象物の有無は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して画像処理を行うことによって検出しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて検出しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。
そして、車両の進行方向前方に警告対象物があると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S1:NO)には、当該情報取得処理プログラムを終了する。
S2においてCPU31は、車両の進行方向前方にあると判定された警告対象物の具体的な位置座標及び車両の乗員から警告対象物までの距離を取得する。尚、警告対象物の位置座標や距離は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像に対して画像処理を行うことによって取得しても良いし、ミリ波レーダ等のセンサを用いて取得しても良い。また、車車間通信や外部サーバとの通信によって取得しても良い。
次に、S3においてCPU31は、虚像を重畳させることとなる車両の進行方向前方の周辺環境の輝度分布を取得する。尚、周辺環境の輝度分布は、例えばフロントカメラ11により撮像した撮像画像から取得しても良いし、輝度センサ等のセンサを用いて取得しても良い。
続いて、S4においてCPU31は、車内カメラ12の撮像画像に基づいて、乗員の視線開始点(目の位置)及び視線方向を検出する。車内カメラ12は前記したように車両のダッシュボードや天井に設置され、撮像方向を運転席に向けて設置されており、撮像画像には運転者の顔が含まれることとなる。尚、視線開始点や視線方向の検出方法としては、例えば角膜反射法により計測された瞳孔の中心位置やプルキニエ像を用いて検出する方法がある。それらの方法は既に公知の技術であるので、詳細は省略する。
その後、S5においてCPU31は、前記S2で取得した警告対象物の位置座標と前記S4で取得した乗員の視線開始点を結ぶ表示ラインを生成する。例えば、図8に示すように車両の乗員9の進行方向前方に警告対象物51があって、警告対象物51の位置座標が(x1,y1,z1)、乗員9の視線開始点(目の位置)が(x2,y2,z2)と検出されている場合には、(x1,y1,z1)と(x2,y2,z2)を結ぶ直線が表示ライン52として生成される。
次に、S6においてCPU31は、車両に搭載された車速センサを介して、車両の現在車速を取得する。
その後、S7においてCPU31は、前記S2〜S6において取得された各情報をフラッシュメモリ34等に格納する。格納した情報は後述の虚像表示処理プログラム(図9)において使用される。尚、上記S1〜S7の処理は車両のACC電源がオンされている間において所定間隔において実施され、前記S7では最新の取得した情報へと順次上書きされる。
続いて、HUD1においてCPU31が実行する虚像表示処理プログラムについて図9に基づき説明する。図9は本実施形態に係る虚像表示処理プログラムのフローチャートである。ここで、虚像表示処理プログラムは車両のACC電源(accessory power supply)がONされた後に実行され、車両の乗員に警告対象となる対象物を視認させる為の虚像を表示するプログラムである。
先ず、虚像表示処理プログラムではS11において、CPU31は、車両の進行方向前方に車両の乗員に対して警告対象となる警告対象物があるか否か判定する。尚、詳細については前記S1と同様であるので説明は省略する。
そして、車両の進行方向前方に警告対象物があると判定された場合(S11:YES)には、S12へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に警告対象物がないと判定された場合(S11:NO)には、警告対象物に対する虚像の表示を行うことなく当該虚像表示処理プログラムを終了する。
次に、S12においてCPU31は、本プログラムと並行して実施されている情報取得処理プログラム(図7)のS7においてフラッシュメモリ34に格納された最新の情報を読み出す。尚、読み出される情報としては、警告対象物の位置座標、車両の乗員から警告対象物までの距離、周辺環境の輝度分布、乗員の視線開始点(目の位置)及び視線方向、表示ライン等がある。
続いて、S13においてCPU31は、前記S12で取得した各情報やフロントカメラ11により撮像した撮像画像に基づいて、車両の乗員が警告対象物を視認可能か否かを判定する。具体的には、面積比率で警告対象物の50%以上が乗員から視認できる状況であれば、警告対象物を視認可能と判定する。尚、面積比率で警告対象物の50%以上が乗員から視認できる状況であっても、警告対象物が車両の乗員から所定距離以上(例えば50m以上)離れた位置にある場合には、乗員から警告対象物がはっきりと視認することが難しいので、警告対象物を視認可能にないと判定しても良い。
そして、車両の乗員が警告対象物を視認可能であると判定された場合(S13:YES)には、S20へと移行する。それに対して、車両の乗員が警告対象物を視認可能にないと判定された場合(S13:NO)には、S14へと移行する。
S14においてCPU31は、虚像を表示する為の各種設定を行う。具体的には、液晶ディスプレイ5への映像の表示位置、映像の表示輝度、映像のサイズを設定する。先ず、映像の表示位置は、第2領域22(図4)内であって、表示ライン上に重複する位置に虚像を生成する為の位置とする。また、映像の表示輝度は、虚像を重畳する周辺環境の輝度よりも高い輝度とする。また、映像のサイズは、少なくとも警告対象物の全体を覆うサイズとする。
その後、S15においてCPU31は、前記S14の設定に基づいて液晶ディスプレイ5の第2領域22に虚像を生成する為の映像を出力する。例えば、警告対象物であることを示すアイコンの映像を出力する構成とする。尚、第2領域22に表示された映像の虚像である第2虚像10Bは、前述したように車両の乗員の近傍である2.5m離れた位置に視認される(図5参照)。
その結果、図10に示すように車両の進行方向前方にある警告対象物51の全体に重畳する第2虚像10Bが、車両の乗員から2.5m離れた位置に視認されることとなる。尚、第2虚像10Bが表示される位置は車両の乗員と警告対象物の間、即ち警告対象物よりも車両の乗員側となる。第2領域22への映像の出力は、後述のS22で第1領域21への映像の出力が行われるまで継続して行われる。
続いて、S16においてCPU31は、車両の乗員の視線が表示ラインに接近しているか否か、即ち車両の乗員の視線が警告対象物の周辺に位置しているか否か判定される。尚、表示ラインは前述したように警告対象物の位置座標と乗員の視線開始点を結ぶラインである(図8)。従って、前記S12で取得した最新の乗員の視線方向が表示ラインと所定角度差(例えば±3度)以内である場合に、車両の乗員の視線が表示ラインに接近していると判定される。
そして、車両の乗員の視線が表示ラインに接近している、即ち車両の乗員の視線が警告対象物の周辺に位置していると判定された場合(S16:YES)には、S20へと移行する。それに対して、車両の乗員の視線が表示ラインに接近していない、即ち車両の乗員の視線が警告対象物の周辺に位置していないと判定された場合(S16:NO)には、S17へと移行する。
S17においてCPU31は、車両(即ち車両の乗員)から警告対象物までの距離が閾値以下であるか否か判定される。尚、閾値は緊急停止制御無しに車両が停止できる最短の停止距離とし、前記S12で取得した車両の現在車速に基づいて算出される。
そして、車両から警告対象物までの距離が閾値以下であると判定された場合(S17:YES)には、警告対象物への警告に緊急を要すると判定してS20へと移行する。それに対して、車両から警告対象物までの距離が閾値より長いと判定された場合(S17:NO)には、警告対象物への警告に現時点では緊急を要していないと判定してS18へと移行する。
S18においてCPU31は、前記S15で液晶ディスプレイ5の第2領域22に表示された映像を点滅表示する。その結果、車両の乗員に視認される第2虚像10Bも点滅表示されることとなり、車両の乗員の視線を第2虚像10Bの方向へと誘導し易くすることが可能となる。
その後、S19においてCPU31は、本プログラムと並行して実施されている情報取得処理プログラム(図7)のS7においてフラッシュメモリ34に格納された最新の情報を新たに読み出す。尚、読み出される情報としては、警告対象物の位置座標、車両の乗員から警告対象物までの距離、周辺環境の輝度分布、乗員の視線開始点(目の位置)及び視線方向、表示ライン等がある。その後、S14へと移行する。
一方、S20においてCPU31は、警告対象物が存在することを報知する警告音を車両内のスピーカから出力する。それによって、車両の乗員が警告対象物に気付いていない場合であっても、警告対象物に気付かせることが可能となる。
次に、S21においてCPU31は、虚像を表示する為の各種設定を行う。具体的には、液晶ディスプレイ5への映像の表示位置、映像の表示輝度、映像のサイズを設定する。先ず、映像の表示位置は、第1領域21(図4)内であって、表示ライン上に重複する位置に虚像を生成する為の位置とする。また、映像の表示輝度は、前記S14で設定された輝度よりも暗い輝度とし、虚像を重畳する周辺環境の輝度と同程度の輝度とする。また、映像のサイズは、前記S14で設定されたサイズよりも小さいサイズとし、警告対象物の一部のみを覆うサイズとする。
その後、S22においてCPU31は、前記S21の設定に基づいて液晶ディスプレイ5の第1領域21に虚像を生成する為の映像を出力する。尚、出力する映像の内容はS15で表示された映像と同一の映像であっても良いし、異なる映像としても良い。例えば、前記S15では黄色のアイコンの映像を出力し、S22では赤いアイコンの映像を出力しても良い。また、前記S15において液晶ディスプレイ5の第2領域22に映像を表示していた場合には、第1領域21への映像の出力に伴って第2領域22の映像は消去する。尚、第2領域22から第1領域21へと映像の出力を切り替えるタイミングは、前記S16やS17でYESと判定された直後であっても良いし、前記S16やS17でYESと判定されてから所定時間経過した後であっても良い。尚、第1領域21に表示された映像の虚像である第1虚像10Aは、前述したように車両の乗員の遠方である20m離れた位置に視認される(図5参照)。
その結果、図11に示すように車両の進行方向前方にある警告対象物51の一部のみに重畳する第1虚像10Aが、車両の乗員から20m離れた位置に視認されることとなる。そして、本実施形態では図10に示す第2虚像10Bから図11に示す第1虚像10Aへと切り替えて表示することによって、車両の乗員と警告対象物とを結ぶ表示ラインに沿って警告対象物の方向へと虚像の位置を移動する案内を行うことが可能となる。その結果、ユーザの視線を虚像によって警告対象物へと誘導することが可能となる。それによって、警告対象物をユーザに確実に視認させることが可能となる。第1領域21への映像の出力は、基本的に警告対象物がその後に車両の前方から消失するまで行われる。
また、本実施形態では図10に示す第2虚像10Bでは警告対象物51の全体に重畳して虚像を表示しているが、図11に示す第1虚像10Aでは警告対象物51の一部のみに重畳して虚像を表示する。その結果、車両の乗員の視線が警告対象物51の周辺に無い状況では、できる限り虚像を大きいサイズで表示することによって、乗員の視線を警告対象物51の周辺に導き易くすることが可能となる。一方で、乗員の視線が警告対象物51の周辺に位置した後には虚像のサイズをできる限り小さくすることにより、虚像によって警告対象物51の視認が阻害されることなく、確実に警告対象物51を視認させることが可能となる。
更に、本実施形態では図10に示す第2虚像10Bでは周辺環境よりも高い輝度で虚像を表示しているが、図11に示す第1虚像10Aでは周辺環境と同程度の輝度で虚像を表示する。その結果、車両の乗員の視線が警告対象物51の周辺に無い状況では、できる限り高い輝度で虚像を表示することによって、乗員の視線を警告対象物51の周辺に導き易くすることが可能となる。一方で、乗員の視線が警告対象物51の周辺に位置した後には虚像の輝度を周辺環境に近づけることにより、虚像によって警告対象物51の視認が阻害されることなく、確実に警告対象物51を視認させることが可能となる。
尚、液晶ディスプレイ5には、上記警告対象物に対する警告の映像に加えて、車両2に関する情報や乗員9の運転の支援の為に用いられるその他の情報についても表示しても良い。例えばナビゲーション装置48で設定された案内経路(走行予定経路)や案内経路に基づく案内情報(車両の進行方向を示す矢印等)、現在車速、案内標識、地図画像、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、接続されたスマートフォンの画面、テレビ画面等がある。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るHUD1によれば、車両の乗員に対して警告対象となる警告対象物がある場合に、乗員から警告対象物の間であって、警告対象物の少なくとも一部と重畳して乗員に視認される位置に虚像を表示し(S15)、その後に乗員の視線が警告対象物の周辺に位置した場合には、乗員と警告対象物とを結ぶ方向に沿って警告対象物の方向へと虚像の位置を移動する(S21、S22)ので、車両の乗員の視線が警告対象物から離れた位置にある場合であっても、乗員の視線に応じて虚像の位置を移動させることによって、乗員の視線を虚像によって警告対象物へと誘導することが可能となる。それによって、警告対象物を乗員に確実に視認させることが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態ではHUD1によって車両2のフロントウィンドウ8の前方に虚像を生成する構成としているが、フロントウィンドウ8以外のウィンドウの前方に虚像を生成する構成としても良い。また、HUD1により映像を反射させる対象はフロントウィンドウ8自身ではなくフロントウィンドウ8の周辺に設置されたバイザー(コンバイナー)であっても良い。
また、本実施形態では車両2に対してHUD1を設置する構成としているが、車両2以外の移動体に設置する構成としても良い。例えば、船舶や航空機等に対して設置することも可能である。また、アミューズメント施設に設置されるライド型アトラクションに設置しても良い。その場合には、ライドの周囲に虚像を生成し、ライドの乗員に対して虚像を視認させることが可能となる。
また、本実施形態では液晶ディスプレイ5に対する映像の表示位置を第2領域22から第1領域21へと切り替える(即ち、液晶ディスプレイ5と乗員とを結ぶ光路の光路長を第1光路長から第1光路長よりも長い第2光路長へと切り替える)ことによって、警告対象物の方向へと虚像の位置を移動させる構成としているが、液晶ディスプレイ5と乗員とを結ぶ光路の光路長を徐々に長くすることによって、警告対象物の方向へと虚像の位置を移動させる構成としても良い。例えば、液晶ディスプレイ5や光路を折り返すミラーの位置をモータ等の駆動源を用いて移動可能に構成し、液晶ディスプレイ5やミラーを移動することによって光路長を徐々に変更する構成が実現可能である。また、光路長を徐々に長くするのに伴って、液晶ディスプレイ5に表示する映像の表示サイズを徐々に小さく変更し、輝度は周辺環境に近づくように徐々に下げる制御を行うのが望ましい。
また、本実施形態では虚像を表示する位置を車両の乗員から2.5m離れた位置から20m離れた位置へと移動させることとしているが、乗員と警告対象物とを結ぶ方向に沿って警告対象物の方向へと虚像が移動するのであれば、虚像を表示する位置は適宜変更可能である。例えば乗員から2.5m離れた位置から40m離れた位置へと移動させても良い。
また、本実施形態では、警告対象物を車両の乗員の死角(例えば遮蔽物により遮蔽された位置)にあって乗員から一部しか視認できない対象物としているが、乗員から全く視認できない対象物や、全体を視認できても他の理由(例えば逆光等)により視認し難い対象物についても警告対象物に含めても良い。
また、本発明に係る虚像表示装置を具体化した実施例について上記に説明したが、虚像表示装置は以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
映像表示面(5)に表示された映像をユーザに視認させることによって前記映像の虚像をユーザに視認させる虚像表示装置(1)であって、ユーザ(9)に対して警告対象となる対象物(51)の位置を取得する位置取得手段(31)と、ユーザから前記対象物の間であって、前記対象物の少なくとも一部と重畳してユーザに視認される位置に虚像を表示する虚像表示手段(31)と、ユーザの視線を検出する視線検出手段(31)と、前記虚像表示手段により虚像が表示された後であって、ユーザの視線が前記対象物の周辺に位置した場合に、ユーザと前記対象物とを結ぶ方向に沿って前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する虚像位置変更手段(31)と、を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザの視線が警告対象となる対象物から離れた位置にある場合であっても、ユーザの視線に応じて虚像の位置を移動させることによって、ユーザの視線を虚像によって警告対象となる対象物へと誘導することが可能となる。それによって、警告対象となる対象物をユーザに確実に視認させることが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記位置取得手段(31)は、ユーザ(9)から所定距離以上離れた位置にある対象物又はユーザの死角にある対象物の位置を、ユーザに対して警告対象となる対象物の位置として取得する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザから遠方にあったり遮蔽物に遮蔽されるなどの理由でユーザが視認することが困難な対象物がある場合において、最終的に対象物をユーザに確実に視認させることが可能となる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記虚像位置変更手段(31)は、前記映像表示面(5)とユーザ(9)とを結ぶ光路の光路長を第1光路長から第1光路長よりも長い第2光路長へと切り替えることによって、前記対象物(51)の方向へと前記虚像の位置を移動する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像の表示位置をユーザの近傍から遠方へと切り替えることによって、ユーザの視線を虚像によって警告対象となる対象物へと誘導することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記虚像位置変更手段(31)は、前記映像表示面(5)とユーザ(9)とを結ぶ光路の光路長を徐々に長くすることによって、前記対象物(51)の方向へと前記虚像の位置を移動する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、虚像の表示位置をユーザの近傍から遠方へと徐々に移動することによって、ユーザの視線を虚像によって警告対象となる対象物へと誘導することが可能となる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
ユーザ(9)から前記対象物(51)までの距離を取得する距離取得手段(31)を有し、前記虚像位置変更手段(31)は、ユーザの視線が前記対象物の周辺に位置する前であっても、ユーザから前記対象物までの距離が閾値以下となった場合には、前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、警告対象物への警告が緊急性を有する場合においては、迅速にユーザの視線を警告対象となる対象物へと誘導することが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記虚像位置変更手段(31)によって前記虚像の位置を移動するのに伴って、ユーザに視認される前記虚像のサイズを小さく変更するサイズ変更手段(31)を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザの視線が対象物の周辺に位置した後には虚像のサイズを小さくすることにより、虚像によって対象物の視認が阻害されることなく、確実に対象物を視認させることが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記虚像表示手段(31)は、前記対象物(51)の全体に重畳してユーザに視認される初期サイズで前記虚像を表示し、前記サイズ変更手段(31)は、前記虚像のサイズを前記初期サイズから前記対象物の一部のみに重畳してユーザに視認されるサイズへと変更する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザの視線が対象物の周辺に無い状況では、できる限り虚像を大きいサイズで表示することによって、ユーザの視線を対象物の周辺に導き易くすることが可能となる。一方で、ユーザの視線が対象物の周辺に位置した後には虚像のサイズをできる限り小さくすることにより、虚像によって対象物の視認が阻害されることなく、確実に対象物を視認させることが可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記虚像が重畳する周辺環境の輝度を取得する輝度取得手段(31)を有し、前記虚像表示手段(31)は、前記周辺環境の輝度よりも高い初期輝度で前記虚像を表示し、前記虚像位置変更手段によって前記虚像の位置を移動するのに伴って、前記虚像の輝度を前記初期輝度から前記周辺環境の輝度に近づける輝度変更手段(31)を有する。
上記構成を有する虚像表示装置によれば、ユーザの視線が対象物の周辺に無い状況では、周辺環境よりも高い輝度で虚像を表示することによって、ユーザの視線を対象物の周辺に導き易くすることが可能となる。一方で、ユーザの視線が対象物の周辺に位置した後には虚像の輝度を周辺環境に近づけることにより、虚像によって対象物の視認が阻害されることなく、確実に対象物を視認させることが可能となる。
1 ヘッドアップディスプレイ装置
2 車両
3 ダッシュボード
5 液晶ディスプレイ
6 反射型偏光板
7 凹面鏡
8 フロントウィンドウ
9 乗員
10A 第1虚像
10B 第2虚像
11 フロントカメラ
12 車内カメラ
13 第1ミラー
14 第2ミラー
19 第1光路
20 第2光路
31 CPU
32 RAM
33 ROM
34 フラッシュメモリ
51 警告対象物
52 表示ライン

Claims (8)

  1. 映像表示面に表示された映像をユーザに視認させることによって前記映像の虚像をユーザに視認させる虚像表示装置であって、
    ユーザに対して警告対象となる対象物の位置を取得する位置取得手段と、
    ユーザから前記対象物の間であって、前記対象物の少なくとも一部と重畳してユーザに視認される位置に虚像を表示する虚像表示手段と、
    ユーザの視線を検出する視線検出手段と、
    前記虚像表示手段により虚像が表示された後であって、ユーザの視線が前記対象物の周辺に位置した場合に、ユーザと前記対象物とを結ぶ方向に沿って前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する虚像位置変更手段と、を有する虚像表示装置。
  2. 前記位置取得手段は、ユーザから所定距離以上離れた位置にある対象物又はユーザの死角にある対象物の位置を、ユーザに対して警告対象となる対象物の位置として取得する請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記虚像位置変更手段は、前記映像表示面とユーザとを結ぶ光路の光路長を第1光路長から第1光路長よりも長い第2光路長へと切り替えることによって、前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記虚像位置変更手段は、前記映像表示面とユーザとを結ぶ光路の光路長を徐々に長くすることによって、前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する請求項1又は請求項2に記載の虚像表示装置。
  5. ユーザから前記対象物までの距離を取得する距離取得手段を有し、
    前記虚像位置変更手段は、ユーザの視線が前記対象物の周辺に位置する前であっても、ユーザから前記対象物までの距離が閾値以下となった場合には、前記対象物の方向へと前記虚像の位置を移動する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の虚像表示装置。
  6. 前記虚像位置変更手段によって前記虚像の位置を移動するのに伴って、ユーザに視認される前記虚像のサイズを小さく変更するサイズ変更手段を有する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の虚像表示装置。
  7. 前記虚像表示手段は、前記対象物の全体に重畳してユーザに視認される初期サイズで前記虚像を表示し、
    前記サイズ変更手段は、前記虚像のサイズを前記初期サイズから前記対象物の一部のみに重畳してユーザに視認されるサイズへと変更する請求項6に記載の虚像表示装置。
  8. 前記虚像が重畳する周辺環境の輝度を取得する輝度取得手段を有し、
    前記虚像表示手段は、前記周辺環境の輝度よりも高い初期輝度で前記虚像を表示し、
    前記虚像位置変更手段によって前記虚像の位置を移動するのに伴って、前記虚像の輝度を前記初期輝度から前記周辺環境の輝度に近づける輝度変更手段を有する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の虚像表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110967834A (zh) * 2018-10-01 2020-04-07 本田技研工业株式会社 显示装置、显示控制方法及存储介质
WO2024105899A1 (ja) * 2022-11-17 2024-05-23 マクセル株式会社 ヘッドアップディスプレイ装置および乗り物

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