JP2018085640A - 分配器 - Google Patents
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Abstract
Description
図12に示す回路構成とされた従来の分配器100は、フェライトコアに絶縁被覆電線が巻かれたトランスT1,T2を備えており、トランスT1はインピーダンス整合トランスとして作用し、入力端子120からトランスT1に供給された信号は、トランスT1の中途のタップから出力されて信号分配用のトランスT2のセンタータップに供給される。トランスT2の両端からは2分配された信号がそれぞれ出力され、一方の分配信号は第1出力端子121から出力され、他方の分配信号は第2出力端子122から出力される。トランスT1のタップとトランスT2のセンタータップとを接続するラインとアース間に接続されたコンデンサCはインピーダンス整合用として、第1出力端子121と第2出力端子122間に接続された抵抗Rは第1出力端子121と第2出力端子122との間のアイソレーション用として設けられている。
しかしながら、金属製シャーシにフェライトコアが接着されることから、フェライトコアの発熱は金属製シャーシにより放熱されるものの、フェライトコアは磁性体であることから直接金属が接触すると磁界の乱れや透磁率の劣化を招き、分配器を高電力化すると電気的性能が大きく劣化すると云う問題点があった。また、金属製シャーシにフェライトコアを接着する耐熱性接着剤は、一般に熱伝導率が低いため効率の良い放熱ができないという問題点もあった。
これらの図に示す分配器1の分配器回路は、図12に示す回路構成と同様の回路構成とされており、この分配器回路が図4,5に示すプリント基板とされる基板12上に組み込まれている。基板12が内部に収納されている金属製のケース10は、横長の矩形状とされた上板部10a、両側に折曲部が形成されている矩形状の下板部10b、横長の矩形状の同形状とされた前側板部10cおよび後側板部10d、横長の矩形状の同形状とされた第1側板部10eおよび第2側板部10fとから構成されている。具体的には、下板部10bにおける前縁と後縁および両側の折曲された部位の縁部から起立するように、前側板部10cと後側板部10dおよび第1側板部10eと第2側板部10fが下板部10bの上面に固着されている。この場合、前側板部10c、後側板部10d、第1側板部10e、第2側板部10fのそれぞれの下端には図5に折曲部11c,11dとして示すような折曲部が形成されており、この折曲部の下面が下板部10bの上面に当接されて、下板部10bに形成されているネジ穴に下面から挿通されたビスがそれぞれの折曲部に螺着されて、前側板部10c、後側板部10d、第1側板部10e、第2側板部10fが下板部10bの上面に固着されている。さらに、前側板部10c、後側板部10d、第1側板部10e、第2側板部10fの上端にも図5に折曲部11c,11dとして示すような折曲部が形成されており、この折曲部の上面に上板部10aの下面が当接されて、上板部10aに形成されているネジ穴に上面から挿通されたビスがそれぞれの折曲部に螺着されて、前側板部10c、後側板部10d、第1側板部10e、第2側板部10fの上面に上板部10aが固着されている。
これらの図に示すように、放熱板18は上板部10aを若干縮小した相似形とされており、ほぼ中央に縦方向に2つ並んで円形の貫通穴18aが形成され、貫通穴18aの両側に一対のネジ穴18bが3列ずつ形成されている。2つの貫通穴18aには第1トランスT1の第1フェライトコア14−1と第2トランスT2の第2フェライトコア14−2とが貫通されて放熱板18上に第1フェライトコア14−1および第2フェライトコア14−2が突出している。この場合、貫通穴18aの径は、第1フェライトコア14−1および第2フェライトコア14−2が直接接触しない大きさの径とされている。第1トランスT1は第1フェライトコア14−1に形成されたコイル穴に絶縁被覆電線が巻かれて構成され、第2トランスT2は第2フェライトコア14−2に形成されたコイル穴に絶縁被覆電線が巻かれて構成されている。フェライトコア14−1,14−2は同じ形状とされていることからフェライトコア14として、その形状を図8(a)の斜視図に示す。図8(a)に示すように、フェライトコア14は円柱の形状とされ、上面から下面に貫通している2つの略円形のコイル穴14aが形成されている。この2つのコイル穴14aに絶縁被覆電線を巻くと共に巻き線の中途からタップを出すことにより、第1トランスT1と第2トランスT2とが構成されている。フェライトコア14は、ニッケル亜鉛(Ni−Zn)系フェライトコアでもマンガン亜鉛(Mn−Zn)系フェライトコアでもよい。
ここで、周囲温度が+20℃から+50℃へ30℃上昇した場合を想定すると、放熱部13を備える本発明にかかる分配器1では、第1フェライトコア14−1の表面温度は+40℃から+70℃に上昇すると考えられるが、Ni−Zn系フェライトコアの最も低いキュリー温度である+120℃よりもまだ充分に低く、約20Wの高電力を分配器1に入力しても実用に耐えることが分かる。
一般に、熱伝導性接着剤の熱伝導率は数W/(m・K)以下で放熱効率が悪いのに対し、以上説明した本発明にかかる分配器は、熱伝導性接着剤を必要とすることなく放熱用絶縁体でフェライトコアを挟み込んで直接接触させた上で、ビスによりねじ締めのトルク圧を加えているので、放熱用絶縁体が有する20W/(m・K)以上の高い放熱効率を実現できる。そして、放熱用絶縁体の素材に、酸化ベリリウムあるいは窒化アルミニウムを用いた場合は、更に高効率の200W/(m・K)程度の熱伝導率を得ることができる。
Claims (5)
- フェライトコアを有するトランスを用いた分配器回路が組み込まれている基板と、
前記フェライトコアが貫通する貫通穴が形成され、前記基板に重なるように設けられた金属製の放熱板と、
該放熱板の前記貫通穴から突出した前記フェライトコアに密着して固着された放熱用絶縁体と、
該放熱用絶縁体を前記放熱板に固着する金具と、
を備え、前記フェライトコアの発熱が前記放熱用絶縁体および前記金具を介して前記放熱板に熱伝導されることを特徴とする分配器。 - 前記フェライトコアの外形形状を半截した形状の凹部が前記放熱用絶縁体に形成されており、2つの前記放熱用絶縁体の前記凹部を向かい合わせて配置して、前記凹部の間に前記フェライトコアの外周面を密着させて挟持することにより、前記フェライトコアが前記放熱用絶縁体に固着されることを特徴とする請求項1に記載の分配器。
- 前記金具は底板と立設板とからなるL型金具とされており、該L型金具の前記底板が螺着手段で前記放熱板に固着され、前記フェライトコアの外周面に密着して固着された2つの前記放熱用絶縁体が、2つの前記L型金具の2つの前記立設板の間に螺着手段で固着されていることを特徴とする請求項2に記載の分配器。
- 前記放熱用絶縁体は、熱伝導率20W/(m・K)以上の絶縁体からなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の分配器。
- 前記放熱用絶縁体は、酸化アルミニウム、酸化ベリリウム、窒化アルミニウムのいずれかの絶縁体材料からなることを特徴とする請求項4に記載の分配器。
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JP2002271161A (ja) * | 2001-03-12 | 2002-09-20 | Uro Electronics Co Ltd | 高周波信号分配器 |
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2016
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