以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置及びその製造方法について説明する。なお、以下で説明する実施の形態及びその変形例は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態及びその変形例で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造方法における各工程、各工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態及びその変形例における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、または、当該容器の厚さ方向をX軸方向と定義する。また、1つの蓄電素子における電極端子の並び方向、または、蓄電素子の容器の短側面の対向方向をY軸方向と定義する。また、蓄電装置の外装体本体と蓋との並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋との並び方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸方向プラス側とは、X軸の矢印方向側を示し、X軸方向マイナス側とは、X軸方向プラス側とは反対側を示す。Y軸方向やZ軸方向についても同様である。
(実施の形態)
まず、図1及び図2を用いて、本実施の形態における蓄電装置10の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。具体的には、蓄電装置10は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)またはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械などの移動体の駆動用またはエンジン始動用のバッテリ等として用いられる。
ここで、図1及び図2に示すように、蓄電装置10は、第一外装体100及び第二外装体200からなる外装体11と、外装体11内方に収容される複数の蓄電素子300及び複数のバスバー400とを備えている。なお、外装体11の内方には、回路基板やリレーなどの電気機器、バスバーフレーム等も配置されていてもよい。
外装体11は、蓄電装置10の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体11は、複数の蓄電素子300及びバスバー400等の外方に配置され、これら蓄電素子300等を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。また、外装体11は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)またはABS樹脂等の絶縁材料により構成されている。外装体11は、これにより、蓄電素子300等が外部の金属部材などに接触することを回避する。
ここで、外装体11は、外装体11の蓋体を構成する第一外装体100と、外装体11の本体を構成する第二外装体200とを有している。第一外装体100は、第二外装体200の開口を閉塞する扁平な矩形状の部材であり、正極外部端子110と負極外部端子120とが設けられている。蓄電装置10は、この正極外部端子110と負極外部端子120とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体200は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。
蓄電素子300は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子300は、扁平な直方体形状(角型)の形状を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子300がX軸方向に配列されている。なお、蓄電素子300の形状や、配列される蓄電素子300の個数は限定されない。また、蓄電素子300は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよく、さらに、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。この蓄電素子300の構成の詳細な説明については、後述する。
バスバー400は、複数の蓄電素子300上に配置され、複数の蓄電素子300の電極端子同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。また、バスバー400は、正極外部端子110及び負極外部端子120とも接続される。バスバー400は、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
本実施の形態では、バスバー400は、蓄電素子300を2個ずつ並列に接続して4セットの蓄電素子群を構成し、当該4セットの蓄電素子群を直列に接続する。また、バスバー400は、正極外部端子110側(図2ではX軸方向プラス側)に配置された蓄電素子群内の2個の蓄電素子300の正極端子(後述の正極端子320)と、正極外部端子110とを接続する。さらに、バスバー400は、負極外部端子120側(図2ではX軸方向マイナス側)に配置された蓄電素子群内の2個の蓄電素子300の負極端子(後述の負極集電体360)と、負極外部端子120とを接続する。なお、バスバー400は、8個の蓄電素子300を全て直列に接続してもよいし、その他の構成であってもかまわない。
次に、蓄電素子300の構成について、詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る蓄電素子300の外観を示す斜視図である。なお、同図は、蓄電素子300の容器310を透視して、蓄電素子300の内部を示した図である。
同図に示すように、蓄電素子300は、容器310と、正極端子320と、負極端子330とを備えている。また、容器310内方には、電極体340、正極集電体350及び負極集電体360が配置されている。なお、容器310の内方には、電解液(非水電解質)も封入されているが、図示は省略する。また、上記の構成要素の他、正極端子320、負極端子330、正極集電体350及び負極集電体360と容器310との間にガスケットが配置されていてもよいし、電極体340と容器310との間にスペーサが配置されていてもよい。
容器310は、同図におけるZ軸方向マイナス側に底面部311、X軸方向両側の側面に長側面部312、Y軸方向両側の側面に短側面部313、及び、Z軸方向プラス側に容器蓋部314を有する直方体形状(角型)の容器である。底面部311は、容器310の底面を形成する矩形状の部位であり、長側面部312は、容器310の長側面を形成する矩形状の部位であり、短側面部313は、容器310の短側面を形成する矩形状の部位である。また、容器蓋部314は、容器310の蓋を構成する矩形状の部材である。つまり、容器310は、底面部311と2つの長側面部312と2つの短側面部313とで、矩形筒状で底を備える容器本体を構成し、当該容器本体の開口を容器蓋部314が閉塞する構成となっている。
具体的には、容器310は、電極体340等を当該容器本体の内方に収容後、当該容器本体と容器蓋部314とが溶接等によって接合されて接合部310aが形成されることにより、内部を密封することができるものとなっている。つまり、容器310には、2つの部位(底面部311、2つの長側面部312及び2つの短側面部313からなる容器本体と、容器蓋部314)が接合された接合部310aが形成されている。なお、容器310(容器本体及び容器蓋部314)の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能(接合可能)な金属であるのが好ましい。また、容器蓋部314には、容器310内方の圧力を開放するガス排出弁が設けられているが、詳細な説明は省略する。
電極体340は、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)であり、正極板と負極板とセパレータとを備え、当該正極板、負極板及びセパレータがX軸方向に積層されて形成されている。具体的には、電極体340は、正極板、負極板及びセパレータが巻回軸(電極体340の中心を貫くY軸方向の仮想軸)まわりに巻回されて形成された巻回型の電極体であり、正極集電体350及び負極集電体360と電気的に接続される。
正極板は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の金属箔である正極基材層の表面に、正極合材層が形成された電極板である。負極板は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の金属箔である負極基材層の表面に、負極合材層が形成された電極板である。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。なお、正極合材層及び負極合材層に用いられる正極活物質及び負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。セパレータについても、蓄電素子300の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。
ここで、電極体340は、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻回されて形成されている。具体的には、電極体340は、正極板と負極板とが、セパレータを介して、巻回軸の方向(Y軸方向)に互いにずらして巻回されている。そして、正極板及び負極板は、それぞれのずらされた方向の端部に、合材が塗工されず基材層が露出した(合材層が形成されていない)部分(合材層非形成部)を有している。具体的には、電極体340は、巻回軸方向の一端(Y軸方向プラス側の端部)に、正極板の合材層非形成部が積層された正極側端部341を有している。また、同様に、電極体340は、巻回軸方向の他端(Y軸方向マイナス側の端部)に、負極板の合材層非形成部が積層された負極側端部342を有している。
また、電極体340は、巻回軸方向(Y軸方向)から見て、長円形状を有しているため、長円形状の直線部分が平坦な形状となり、長円形状の曲線部分が湾曲した形状となる。このため、電極体340は、対向する一対の平坦部343と、対向する一対の湾曲部344とを有している。具体的には、一対の平坦部343は、正極板及び負極板の合材層が形成されている領域のうち、電極体340のX軸方向の両側に配置された平坦形状の部分である。また、一対の湾曲部344は、正極板及び負極板の合材層が形成されている領域のうち、一対の平坦部343を繋ぐ湾曲形状(略U字形状)の部分である。
つまり、一対の平坦部343は、電極体340が容器310内に配置されている状態で、容器310の長側面部312と対向(当接)する領域である。なお、電極体340と容器310との間に絶縁シートを配置するような場合には、平坦部343は長側面部312と絶縁シートを介して間接的に当接する。また、電極体340が容器310から取り出されている状態では、平坦部343は、電極体340をX軸方向に押圧した場合に、平坦になる部分でもある。
正極集電体350は、電極体340の正極板と容器310の側壁との間に配置され、正極端子320と電極体340の正極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。また、負極集電体360は、電極体340の負極板と容器310の側壁との間に配置され、負極端子330と電極体340の負極板とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。具体的には、正極集電体350は、電極体340の正極側端部341に溶接などによって接合され、負極集電体360は、電極体340の負極側端部342に溶接などによって接合されている。なお、正極集電体350は、正極板の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成され、負極集電体360は、負極板の負極基材層と同様、銅または銅合金などで形成されている。
正極端子320は、正極集電体350を介して、電極体340の正極板に電気的に接続された電極端子であり、負極端子330は、負極集電体360を介して、電極体340の負極板に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子320及び負極端子330は、電極体340に蓄えられている電気を蓄電素子300の外部空間に導出し、また、電極体340に電気を蓄えるために蓄電素子300の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。なお、正極端子320及び負極端子330は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。
次に、複数の蓄電素子300が外装体11の内方に収容された状態での構成について、説明する。図4は、本実施の形態に係る複数の蓄電素子300が外装体11の内方に収容された状態での構成を示す側面図である。具体的には、同図は、複数(同図では4つ)の蓄電素子300が配列されて、外装体11の第二外装体200上に載置されている状態を、Y軸方向マイナス側から見た図である。
同図に示すように、複数の蓄電素子300は、それぞれの容器310の底面部311が外装体11の第二外装体200の底面に当接し、かつ、それぞれの容器310の容器蓋部314が上方に向くようにして、外装体11の内方に収容されている。また、複数の蓄電素子300は、それぞれの容器310の内圧上昇によって、それぞれの容器310の長側面部312が膨れている。そして、隣り合う2つの蓄電素子300の容器310の長側面部312同士の間に、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置されている。
ここで、第一接着層510は、容器310の長側面部312の接合部310a側に配置され、隣り合う2つの蓄電素子300の容器310の長側面部312の接合部310a側同士を接着する接着層である。また、第二接着層520は、容器310の長側面部312の接合部310aとは反対側に配置され、隣り合う2つの蓄電素子300の容器310の長側面部312の接合部310aとは反対側同士を接着する接着層である。また、弾性部材530は、容器310の長側面部312の中央領域に配置され、隣り合う2つの蓄電素子300の容器310の長側面部312の中央領域同士に挟まれた弾性のある部材である。
これら第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530について、さらに詳細に説明する。なお、以下では、蓄電装置10の製造方法のうちの第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530の形成工程を中心に説明しながら、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530の構成を説明する。
まず、蓄電素子300に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置される工程について、説明する。図5は、本実施の形態に係る蓄電素子300に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置される工程を示す図である。具体的には、同図の(a)は、蓄電素子300の容器310を透過して蓄電素子300の内部構成を示す、X軸方向プラス側から見た側面図である。また、同図の(b)は、蓄電素子300に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置された状態を示す、X軸方向プラス側から見た側面図である。
まず、図5の(a)に示すように、蓄電素子300の容器310の側面(同図ではX軸方向プラス側の面)の中央部分の領域を、中央領域310bとする。また、容器310の当該側面における中央領域310bよりも接合部310a側(Z軸方向プラス側)の領域を、第一領域310cとする。また、容器310の当該側面における中央領域310bよりも第一領域310cとは反対側(Z軸方向マイナス側)の領域を、第二領域310dとする。なお、容器310の側面とは、容器310の長側面部312と容器蓋部314の側面(同図ではX軸方向プラス側の面)とからなる面である。
そして、図5の(b)に示すように、容器310の第一領域310cに第一接着層510が配置され、容器310の第二領域310dに第二接着層520が配置され、容器310の中央領域310bに弾性部材530が配置される。
具体的には、第一領域310cのほぼ全体に亘ってY軸方向に長尺状に接着剤が塗布されて、第一接着層510が形成される。これにより、第一接着層510は、第一領域310c内の接合部310a上のほぼ全体、及び、X軸方向から見て正極集電体350及び負極集電体360の上部に対応する位置を覆うように配置される。また、第二領域310dにもY軸方向に長尺状に接着剤が塗布されて、第二接着層520が形成される。具体的には、第二接着層520は、第二領域310dのうち、中央領域310bと第二領域310dとの境界線よりも底面部311側(Z軸方向マイナス側)に寄った位置に配置される。
ここで、第一接着層510は、第二接着層520よりも、容器310の側面の法線方向(X軸方向)から見た場合の面積及び幅、並びに、体積のうちの少なくとも1つが大きい。本実施の形態では、第一接着層510は、第二接着層520よりも、当該側面の法線方向から見た場合の面積、当該側面の法線方向から見た場合の幅(Z軸方向の幅)、及び、体積の全てが大きくなるように接着剤が塗布される。
また、中央領域310bにも中央部分に矩形状に接着剤が塗布されて、弾性部材530が形成される。つまり、中央領域310bには、乾燥しても弾性を有する接着剤が塗布されて、弾性部材530が形成される。また、弾性部材530は、第一接着層510及び第二接着層520よりも、厚みが薄くなるように形成される(図6参照)。なお、弾性部材530は、第一接着層510及び第二接着層520の最大厚み、平均厚み及び最小厚みのいずれかよりも薄く形成されていればよいが、最小厚みよりも薄く形成されているのが好ましい。ここで、厚みとは、複数の蓄電素子300の並び方向(X軸方向)における厚みである。
このように、本実施の形態では、第一領域310c、第二領域310d及び中央領域310bに、順次接着剤が塗布されて、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が形成される。なお、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530に用いられる接着剤はどのようなものであってもよいが、同じ種類の接着剤を用いることで、生産性を向上させることができる。また、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530に用いられる接着剤としては、ゲル状の樹脂製の材料を使用することができるが、液体状のものや、ホットメルト接着剤などのように固形状のものなどを使用することもできる。
また、図5の(a)に示すように、中央領域310bは、電極体340の平坦部343と、正極側端部341及び負極側端部342のZ軸方向中央部分とに対応する領域を含む領域である。また、第一領域310c及び第二領域310dは、電極体340の湾曲部344と、正極側端部341及び負極側端部342のZ軸方向端部とに対応する領域を含む領域である。
そして、弾性部材530は、中央領域310b内の平坦部343に対応する領域内に配置されている。つまり、弾性部材530は、容器310の側面(同図ではX軸方向プラス側の面)の法線方向(X軸方向)から見て、電極体340が有する正極板の正極合材層と負極板の負極合材層との双方が位置する領域を含む中央領域310b内に配置されている。また、第一接着層510及び第二接着層520は、第一領域310c及び第二領域310d内の湾曲部344と正極側端部341及び負極側端部342のZ軸方向端部とに対応する領域内に配置されている。つまり、第一接着層510及び第二接着層520は、容器310の側面(長側面部312)の法線方向(X軸方向)から見て、電極体340が有する正極板の正極合材層と負極板の負極合材層との双方が位置する領域外の領域を含む第一領域310c及び第二領域310d内に配置されている。
次に、隣り合う蓄電素子300同士の間に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置される工程について、説明する。図6は、本実施の形態に係る隣り合う蓄電素子300同士の間に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置される工程を示す図である。具体的には、同図の(a)は、蓄電素子300の容器310が膨れる前の状態を示す、Y軸方向マイナス側から見た側面図である。また、同図の(b)は、蓄電素子300の容器310が膨れた後の状態を示す、Y軸方向マイナス側から見た側面図である。
まず、図6の(a)に示すように、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置された蓄電素子300の側方(同図ではX軸方向プラス側)に、当該蓄電素子300とは異なる部材である側方配置部が配置される。本実施の形態では、当該側方配置部として、他の蓄電素子300が配置される。なお、当該側方配置部は、蓄電素子300であるため、当該側方配置部にも同様に、X軸方向プラス側の側面に第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530が配置されているが、同図では省略して図示している。そして、蓄電素子300と側方配置部とが、第一接着層510及び第二接着層520によって接着される。
つまり、第一接着層510は、容器310の側面における中央領域310bよりも接合部310a側の第一領域310cと、蓄電素子300の側方に配置される側方配置部(他の蓄電素子300)との間に配置され、第一領域310cと側方配置部とを接着する接着層である。また、第一接着層510は、接合部310aと側方配置部との間に配置され、接合部310aと側方配置部とを接着している。つまり、第一接着層510は、隣り合う2つの蓄電素子300の第一領域310c同士の間に配置され、当該第一領域310c同士を接着している。また、第一接着層510は、隣り合う2つの蓄電素子300の接合部310a同士の間に配置され、当該接合部310a同士を接着している。
また、第二接着層520は、容器310の側面における中央領域310bよりも第一領域310cとは反対側の第二領域310dと、側方配置部との間に配置され、第二領域310dと側方配置部とを接着する接着層である。つまり、第二接着層520は、隣り合う2つの蓄電素子300の第二領域310d同士の間に配置され、当該第二領域310d同士を接着している。
また、弾性部材530は、容器310の側面の中央領域310bと側方配置部との間に配置される弾性部材である。つまり、弾性部材530は、隣り合う2つの蓄電素子300の中央領域310b同士の間に配置されている。また、弾性部材530は、中央領域310bと側方配置部とのいずれか一方に接着されている。本実施の形態では、弾性部材530は、側方配置部に接着されることなく(つまり側方配置部と離間して)、中央領域310bに接着されている。このように、弾性部材530は、中央領域310bと側方配置部とを接着することなく、中央領域310bと側方配置部との間に配置されている。そして、弾性部材530と側方配置部とが離間した状態で、蓄電素子300及び側方配置部が外装体11の内方に配置される。このため、弾性部材530のX軸方向プラス側の面は、時間が経過すると、乾燥して接着性がなくなる。
そして、図6の(b)に示すように、蓄電装置10の経時的な使用による蓄電素子300の容器310の内圧上昇に伴い、容器310の側面(X軸方向両側の面)が膨れる。これにより、第一接着層510及び第二接着層520は、X軸方向の両側から、蓄電素子300及び側方配置部に圧迫される。また、弾性部材530は、X軸方向プラス側の面が側方配置部に当接する。なお、この状態においても、弾性部材530は、第一接着層510及び第二接着層520の最大厚み、平均厚み及び最小厚みのいずれかよりも薄く形成されており、同図では、最小厚みよりも薄く形成されている。
以上のように、蓄電装置10の製造方法において、第一接着層配置工程として、容器310の第一領域310cと側方配置部との間に、第一領域310cと側方配置部とを接着する第一接着層510を配置する。また、第二接着層配置工程として、容器310の第二領域310dと側方配置部との間に、第二領域310dと側方配置部とを接着する第二接着層520を配置する。また、弾性部材配置工程として、容器310の中央領域310bと側方配置部との間に弾性部材530を配置する。また、弾性部材配置工程では、弾性部材530を、第一接着層510及び第二接着層520よりも厚みを薄くして配置する。
なお、上記では、2つの蓄電素子300(蓄電素子300及び側方配置部)について説明したが、複数の蓄電素子300(本実施の形態では、8個の蓄電素子300)がX軸方向に配列されて外装体11の内方に配置されることで、図4に示したような状態となっている。
ここで、図4または図6の(b)に示した状態(容器310が膨れた後の状態)における第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530の配置位置について、説明する。図7は、本実施の形態に係る蓄電素子300の容器310が膨れた後における第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530の配置位置を示す側面図である。具体的には、同図は、図6の(b)の構成から側方配置部(X軸方向プラス側の蓄電素子300)を取り除いて、X軸方向プラス側から見た側面図である。
図7に示すように、容器310は、側面(同図ではX軸方向プラス側の面)が膨れることで、当該側面に、外方に向けて突出(膨出)した突出部310e及び310fが形成される。突出部310eは、長側面部312の中央部分が外方に膨出することで長側面部312の外周部分に形成された稜線であり、長側面部312の四隅に4本の突出部310eが放射状に配置されている。つまり、第一領域310cのY軸方向両側のそれぞれに突出部310eが配置され、第二領域310dのY軸方向両側のそれぞれに突出部310eが配置されている。また、突出部310fは、長側面部312の中央部分が外方に膨出することで当該中央部分に形成された稜線であり、当該中央部分に4本の突出部310fが環状に配置されている。つまり、中央領域310bの弾性部材530の四方を囲うように、中央領域310b内に4本の突出部310fが矩形環状に配置されている。
また、第一接着層510及び第二接着層520のうちの少なくとも一方は、突出部310eと側方配置部との間に配置され、突出部310eと側方配置部とを接着している。本実施の形態では、第一接着層510及び第二接着層520は、双方ともに、突出部310eと側方配置部との間に配置され、突出部310eと側方配置部とを接着している。つまり、第一接着層510及び第二接着層520は、突出部310e上にも配置されることで、隣り合う2つの蓄電素子300の突出部310e同士の間に配置されて、当該突出部310e同士を接着している。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、蓄電素子300の容器310の接合部310aは、接合不良等によって強度が弱くなっている場合があり、容器310の内圧上昇によって容器310の側面の接合部310a側の第一領域310cから破損が生じるおそれがある。このため、蓄電装置10は、第一領域310cと側方配置部との間に第一接着層510を備えることで、第一領域310cが膨れるのを抑制して第一領域310cが破損するのを抑制することができる。また、蓄電装置10は、容器310の側面の第一領域310cとは反対側の第二領域310dと側方配置部との間に第二接着層520を備えることで、第二領域310dと側方配置部との間隔が小さくなるのを抑制し、側方配置部に対して蓄電素子300が傾いて第一接着層510が剥がれたりするのを抑制することができる。また、蓄電装置10は、容器310の側面の中央領域310bと側方配置部との間に弾性部材530を備えることで、中央領域310bが硬い部材で局所的に押圧されるのを抑制しつつ中央領域310bが膨れるのを抑制して、中央領域310bが破損するのを抑制することができる。このように、蓄電装置10によれば、蓄電素子300の容器310が破損するのを抑制することができる。
また、蓄電素子300の容器310が膨れようとしても、第一接着層510、第二接着層520及び弾性部材530によって容器310の側面が押圧されて、当該側面が膨れるのを抑制することができ、容器310内部での電極体340の移動を規制することができる。また、容器310の中央領域310bは側方配置部に接着されていないので、中央領域310bの動きが規制されていない。このため、中央領域310bが膨れようとした場合でも、中央領域310bが膨らもうとする力が第一領域310c及び第二領域310dに伝わるのを抑制することができるため、第一接着層510及び第二接着層520の接着に影響を及ぼすのを抑制することができる。
また、中央領域310bと側方配置部とのいずれか一方に弾性部材530を接着させることで、製造時に、弾性部材530を容易に配置しておくことができる。また、容器310の側面の所望の位置に弾性部材530を配置することができるため、例えば、容器310の側面の最も膨れる位置(中心位置など)に弾性部材530を配置することで、弾性部材530が中央領域310bを効果的に圧迫して、中央領域310bが膨れるのを抑制することができる。
また、第一接着層510の面積、幅及び体積の少なくとも1つを比較的大きく形成することで、接合部310a側の第一領域310cを強固に補強して、第一領域310cが破損するのを効果的に抑制することができる。また、第二接着層520の面積、幅及び体積の少なくとも1つが比較的小さくても、第二接着層520によって、側方配置部に対して蓄電素子300が傾くのを抑制することができる。
また、容器310の接合部310aと側方配置部との間に第一接着層510を配置することで、接合部310aを補強することができ、接合部310aから破損が生じるのを抑制することができる。
また、容器310が膨れた状態では、容器310の側面が膨らんで形成された突出部310eに応力が集中する。このため、容器310の側面の突出部310eと側方配置部との間に、第一接着層510及び第二接着層520のうちの少なくとも一方を配置することで、突出部310eの強度を向上させ、突出部310eから破損が生じるのを抑制することができる。
また、電極体340が有する正極板の正極合材層と負極板の負極合材層とが重なる範囲(平坦部343に対応する領域内)において、容器310が最も膨らむ傾向にある。このため、正極合材層と負極合材層との双方が位置する領域(平坦部343に対応する領域)を含む中央領域310b内に弾性部材530を配置することで、容器310の膨れる範囲を弾性部材530が押圧することができるため、当該範囲が必要以上に膨れるのを抑制することができる。
また、正極合材層と負極合材層との双方が位置する領域外の領域を含む第一領域310c及び第二領域310d内に、第一接着層510及び第二接着層520を配置する。これにより、正極合材層と負極合材層とが重なる範囲内で容器310が膨れても、当該範囲外で容器310が膨れるのを抑制することができるため、容器310内部で電極体340がずれるのを抑制することができる。
特に、第一接着層510は、第一領域310c内の正極集電体350及び負極集電体360に対応する位置を覆うように配置されているため、正極集電体350及び負極集電体360の位置で容器310が膨れるのを抑制することができる。このため、第一接着層510により、正極集電体350及び負極集電体360の移動を規制し、容器310内部で電極体340がずれるのを抑制することができる。
また、弾性部材530を、第一接着層510及び第二接着層520よりも厚みを薄くして配置する。これにより、容器310の中央領域310bが膨らむのを許容して、中央領域310bが膨らもうとする力が第一接着層510及び第二接着層520の接着に影響を及ぼすのを抑制することができる。また、第一領域310c及び第二領域310dに余剰な接着剤があれば、当該余剰な接着剤を中央領域310bに流入させることができる。このため、余剰な接着剤が第一領域310c及び第二領域310dから外側にはみ出すのを抑制することができ、接着剤がはみ出すことによる組立不能等を低減することができる。また、弾性部材530の使用量を低減して、コスト低減及び重量低減を図ることもできる。
また、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10の製造方法によれば、第一接着層配置工程において、容器310の側面の第一領域310cと側方配置部との間に第一接着層510を配置することで、第一領域310cが膨れるのを抑制して第一領域310cが破損するのを抑制することができる。また、第二接着層配置工程において、容器310の側面の第二領域310dと側方配置部との間に第二接着層520を配置することで、第二領域310dと側方配置部との間隔が小さくなるのを抑制し、側方配置部に対して蓄電素子300が傾いて第一接着層510が剥がれたりするのを抑制することができる。また、弾性部材配置工程において、容器310の側面の中央領域310bと側方配置部との間に弾性部材530を配置することで、中央領域310bが硬い部材で局所的に押圧されるのを抑制しつつ中央領域310bが膨れるのを抑制して、中央領域310bが破損するのを抑制することができる。このように、蓄電装置10の製造方法によれば、蓄電素子300の容器310が破損するのを抑制することができる。
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。図8は、本実施の形態の変形例1に係る隣り合う蓄電素子301同士の間に第一接着層511、第二接着層521及び弾性部材531が配置される工程を示す図である。なお、同図は、図6に対応する図である。
図8の(a)に示すように、本変形例に係る蓄電素子301は、容器蓋部314側よりも底面部311側の方がX軸方向における幅が狭くなっている容器315を備えている。つまり、蓄電素子301は、容器315が絞り加工によって製造されており、この絞り加工の際に、容器315を金型から引き抜きやすいように、容器315は、容器蓋部314側よりも底面部311側の方がX軸方向における幅が狭くなっている(厚みが薄くなっている)。
そして、このような形状の容器315の側面(同図ではX軸方向プラス側の面)に、第一接着層511、第二接着層521及び弾性部材531が配置されている。つまり、第一接着層511、第二接着層521及び弾性部材531は、容器蓋部314側よりも底面部311側の方がX軸方向における厚みが厚い形状となっている。また、第一接着層511は、第二接着層521よりも厚みが薄く形成され、弾性部材531は、第一接着層511及び第二接着層521よりも厚みが薄く形成されている。
そして、図8の(b)に示すように、蓄電装置10の経時的な使用による蓄電素子301の容器315の内圧上昇に伴い、容器315の側面(X軸方向両側の面)が膨れる。これにより、第一接着層511及び第二接着層521は、X軸方向の両側から圧迫されて、弾性部材530は、X軸方向プラス側の面が側方配置部(X軸方向プラス側の蓄電素子301)に当接する。
これにより、第一接着層511は、容器蓋部314側よりも底面部311側の方がX軸方向における厚みが薄くなるが、第二接着層521及び弾性部材531は、容器蓋部314側よりも底面部311側の方がX軸方向における厚みが厚いままである。また、第一接着層511は、第二接着層521よりも厚みが薄いままであり、弾性部材531の最小厚みは、第一接着層511及び第二接着層521の最小厚みよりも薄いままである。なお、容器315の厚みによっては、弾性部材531の最大厚みが、第一接着層511の最小厚みよりも厚くなる場合がある。
以上のように、本変形例に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、蓄電素子301は、絞り加工によって製造された容器315を備えているが、当該容器315に対しても、適用することができる。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。図9及び図10は、本実施の形態の変形例2に係る蓄電素子300の容器310が膨れた後における第一接着層、第二接着層及び弾性部材の配置位置を示す側面図である。なお、これらの図は、図7に対応する図である。
図9に示すように、本変形例に係る蓄電素子300の容器310には、上記実施の形態における連続した接着層である第二接着層520に代えて、断続的に形成された接着層である第二接着層522、523及び524が配置されている。第二接着層522は、Y軸方向に延びる矩形状の接着層であり、第二接着層523は、三角形状の接着層であり、第二接着層524は、L字形状の接着層である。また、第二接着層523及び524は、突出部310e上に配置されている。
なお、図9では、上記実施の形態における第二接着層520の形状を変更した形態を示したが、第一接着層510についても同様に、三角形状やL字形状など、様々な形状に変更可能である。例えば、上記実施の形態における第一接着層510に代えて、第一接着層510のY軸方向両端部からZ軸方向マイナス側へ接着層を引き延ばした形状(U字形状)の接着層としてもよい。つまり、第一接着層と第二接着層とで容器310の側面の外周を囲うような形状としてもよい。
また、図10に示すように、蓄電素子300の容器310には、複数の円形状の接着層から形成された第一接着層512、第二接着層525及び弾性部材532が配置されている。また、第一接着層512は、接合部310a及び突出部310e上に配置され、第二接着層525も、突出部310e上に配置されている。
以上のように、本変形例に係る蓄電装置10によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例のように、様々な形状の第一接着層、第二接着層及び弾性部材を適用することができる。なお、第一接着層、第二接着層及び弾性部材の形状は、上記には限定されず、Z軸方向に長尺な形状、渦巻き形状、複数の六角形状が連なったハニカム形状など、どのような形状であってもかまわないが、接合部310aまたは突出部310e上に配置されているのが好ましい。また、弾性部材が、突出部310f上に配置されていてもよい。
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層、第二接着層及び弾性部材は、同じ種類の接着剤を用いて形成することとした。しかし、第一接着層、第二接着層及び弾性部材の一部または全部を、異なる材質の部材を用いて形成することにしてもよい。または、第一接着層、第二接着層及び弾性部材の一部または全部を、接着剤とは異なる部材で形成することにしてもよい。
つまり、上記実施の形態及びその変形例では、弾性部材は、第一接着層及び第二接着層と同じ弾性率を有していたが、弾性部材は、弾性率が、第一接着層及び第二接着層の少なくとも一方の弾性率よりも小さくてもよい。例えば、弾性部材を、弾性率の小さい接着剤やゴムシート等により形成してもよい。なお、弾性係数やヤング率等を計測することで、上記弾性率の比較を行うことができる。
また、弾性部材は、弾性率が、第一接着層及び第二接着層の双方の弾性率よりも小さいのが好ましい。つまり、弾性部材は、弾性率が、第一接着層及び第二接着層の少なくとも一方の弾性率以下であるのが好ましく、第一接着層及び第二接着層の双方の弾性率以下であるのがさらに好ましい。この構成により、容器の側面の中央領域が硬い部材で局所的に押圧されるのを抑制することができる。
また、例えば、第一接着層、第二接着層及び弾性部材の一部または全部を、両面テープや、マジックテープ(登録商標)またはベルクロ(登録商標)テープ等と称される着脱自在に接着される面ファスナー構造などから形成することにしてもよい。または、第一接着層、第二接着層及び弾性部材の一部または全部が、部材同士が溶け合った熱溶着の層であってもよい。例えば、蓄電素子の容器の外面が樹脂で形成されている場合には、容器の外面が熱溶着により溶かされて一体化することで、第一接着層や第二接着層が形成されることもしてもよい。つまり、上記実施の形態及びその変形例における「接着」は、「粘着」や「溶着」などによって接着されている場合も含む概念である。または、弾性部材が、接着性のない樹脂やゴムシート等により形成されていてもよい。
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置10について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層、第二接着層及び弾性部材(以下、第一接着層等ともいう)が配置された蓄電素子の側方に配置される側方配置部は、他の蓄電素子であることとした。しかし、第一接着層等が配置された蓄電素子が端部の蓄電素子である場合や、蓄電装置10に1つの蓄電素子しか備えられていないような場合で、当該蓄電素子の側方に外装体11の壁部(第二外装体200の壁部)が配置される場合には、側方配置部は、当該壁部であることにしてもよい。または、当該蓄電素子の側方にスペーサが配置される(つまり、2つの蓄電素子の間にスペーサが配置される)場合には、側方配置部は、当該スペーサであることにしてもよい。また、当該蓄電素子の側方にその他の部材が配置される場合も同様に、当該他の部材が側方配置部となる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子の容器の容器本体と容器蓋部314との接合部310aは、容器の側面(X軸方向側及びY軸方向側の面)に形成されていることとした。しかし、容器本体の上方から容器蓋部314を嵌め込む構成の場合には、容器の上面(Z軸方向プラス側の面)に接合部310aが形成されていることにしてもよい。この場合、第一接着層は、接合部310a上には配置されないが、接合部310aの近傍に配置されることとなるため、上記実施の形態及びその変形例と同様に、接合部310a側の第一領域310cが膨れるのを抑制して第一領域310cが破損するのを抑制することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電素子の容器に形成された接合部310aは、底面部311、2つの長側面部312及び2つの短側面部313からなる容器本体と、容器蓋部314とが接合された部分であることとした。しかし、容器本体が接合によって形成されている場合には、当該接合によって形成された部分を接合部310aとしてもよい。つまり、例えば、長側面部312と短側面部313とが接合されて容器本体が形成されたり、2つの部位が接合されて長側面部312が形成されている場合には、長側面部312と短側面部313との接合部分、または長側面部312の接合部分を接合部310aとしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、弾性部材は、第一接着層及び第二接着層と離間して配置されていることとした。しかし、弾性部材は、第一接着層及び第二接着層のいずれか一方または双方と接触して配置されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、弾性部材は、中央領域310bと側方配置部とのいずれか一方に接着されていることとした。しかし、弾性部材は、中央領域310bと側方配置部とのいずれにも接着されていないことにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層は、第二接着層よりも、容器の側面の法線方向から見た場合の面積及び幅、並びに、体積のうちの少なくとも1つが大きく形成されていることとした。しかし、第一接着層は、当該面積、幅及び体積のいずれについても、第二接着層よりも小さく形成されていることにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層及び第二接着層のうちの少なくとも一方は、突出部310e上に配置されていることとした。しかし、第一接着層及び第二接着層のいずれも突出部310e上に配置されていないことにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、蓄電装置10の製造過程において、弾性部材を、第一接着層及び第二接着層よりも厚みを薄くして配置することとした。しかし、弾性部材を、第一接着層及び第二接着層よりも厚みを厚くして配置することにしてもよい。これによれば、弾性部材の圧縮力により、容器の中央領域310bを強固に圧迫することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例では、全ての蓄電素子に、第一接着層、第二接着層及び弾性部材が配置されることとした。しかし、一部の蓄電素子に第一接着層、第二接着層及び弾性部材の一部または全部が配置されない構成でもかまわない。
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一接着層、第二接着層及び弾性部材が配置されるのは、蓄電素子の容器の長側面であることとした。しかし、当該容器の短側面またはその他の面が容器の内圧によって膨れるような場合には、第一接着層、第二接着層及び弾性部材を、当該容器の短側面またはその他の面に配置することにしてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体340は、正極板と負極板とセパレータとが縦方向に巻回(図3においてY軸方向に平行な巻回軸にて巻回)されて形成された縦巻きの巻回型形状であることとした。しかし、電極体340は、正極板と負極板とセパレータとが横方向に巻回(Z軸方向に平行な巻回軸にて巻回)されて形成された横巻きの巻回型形状であってもよいし、平板状極板を積層した積層型形状であってもよい。いずれの形状の電極体であっても、容器内の電解液の気化や分解が進み容器内の体積が増加することで容器が膨らむため、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、変形例1の構成を変形例2に適用してもよい。
また、本発明は、このような蓄電装置10及びその製造方法として実現することができるだけでなく、蓄電装置10が備える蓄電素子、第一接着層、第二接着層及び弾性部材としても実現することができる。