JP2018080214A - 硬質表面用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
酸性洗浄剤以外で水垢などの無機汚れを落とすものとしては、カチオン性界面活性剤が配合された洗浄剤が挙げられる。硬質表面用洗浄剤組成物として、例えば、特許文献1にはカチオン性界面活性剤と両性界面活性剤を含む組成物が開示され、特許文献2にはカチオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤を含む組成物が開示されている。
しかしながら、これらの組成物では洗浄時に泡立ってしまい、すすぎに時間のかかることがある。
しかしながら、本組成物では洗浄時に泡立ってしまい、拭き取りに時間のかかることがある。
この汚れを効果的に洗浄するためには、汚れに対する洗浄剤の浸透性を高めることが考えられる。例えば特許文献4には、オキシエチレン基の長い非イオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤を含む組成物が示されている。
しかしながら、本組成物においても洗浄時に泡が立ち、すすぎに時間のかかることがある。
しかしながら、本組成物においても1回水洗では、すすぎが不十分となることがある。
このように、水垢や油汚れ、床の堆積汚れなどの硬質表面の汚れに対して浸透性を高めることで更に洗浄力を向上させ、且つ泡立ち抑制してすすぎやすい硬質表面用洗浄剤組成物が求められている。
(式(2)中、R5は炭素数8〜10の分岐鎖アルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、aはオキシエチレン基の平均付加モル数でa=2〜9、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数でb=2〜4、a/b=0.5〜3.0である。)
(式(3)中、R6は炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、cはオキシエチレン基の平均付加モル数でc=1〜5である。)
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物(以下、単に「洗浄剤組成物」ともいう。)は、成分(A)、成分(B)、および成分(C)を含有する。以下、各成分について説明する。
成分(A)は上記の式(1)で示される化合物であり、式(1)で示される化合物を用いることにより、水垢などの無機汚れに対して高い洗浄力を示すとともに、洗浄剤組成物の保存安定性を向上させることができる。
式(1)中のR1は、炭素数8〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、例えば、オクチル基、デシル基、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基、2−エチルヘキシル基、イソデシル基、イソパルミチル基、イソステアリル基等が挙げられ、好ましくはラウリル基である。
R2〜R4は、それぞれ独立してメチル基またはエチル基であり、メチル基が好ましい。特に、R2〜R4の全てがメチル基であることが好ましい。
X−は、ハロゲンアニオン、メトサルフェート(CH3SO4 −)またはエトサルフェート(C2H5SO4 −)を表す。Xとしてはハロゲン原子が好ましく、中でも塩素原子が特に好ましい。
なお、成分(A)として、式(1)で示される化合物の1種または2種以上を用いることができる。
成分(B)は上記の式(2)で示される化合物であり、式(2)で示される化合物を用いることにより、浸透性と低泡性を向上させることができる。
式(2)中のR5は、炭素数8〜10の分岐鎖アルキル基であり、特に炭素数8〜9の分岐鎖アルキル基が好ましく、例えば、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、イソノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基等が挙げられる。R5の炭素数が小さすぎる場合や、大きすぎる場合、浸透性に劣ることがある。
aはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、a=2〜9であり、特にa=2〜5が好ましい。aが小さすぎる場合、(B)成分の水に対する相溶性が低下するために硬質表面に不溶分が凝集し、すすぎ後の残存を生じて洗浄性に劣ることがある。また、aが大きすぎる場合、(B)成分の親水性が強くなることにより、浸透性や低泡性に劣ることがある。
bはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、b=2〜4である。bが小さすぎる場合、低泡性に劣ることがある。また、bが大きすぎる場合、(B)成分は水に対する相溶性が低下するために硬質表面に不溶分が凝集し、すすぎ後の残存を生じて洗浄性に劣ることがある。
なお、成分(B)として、式(2)で示される化合物の1種または2種以上を用いることができる。
成分(C)は上記の式(3)で示される化合物であり、式(3)で示される化合物を用いることにより、特に油汚れに対して高い洗浄力を示すとともに、浸透性を向上させることができる。
式(3)中のR6は、炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基であり、特に分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数10〜14の分岐鎖のアルキル基がさらに好ましい。例えば、イソデシル基、イソラウリル基、ガーベット型ラウリル基、イソミリスチル基、ガーベット型ミリスチル基等が挙げられ、ガーベット型のものが特に好ましい。R6の炭素数が小さすぎる場合、特に油汚れの洗浄性に劣ること、また浸透性に劣ることがあり、R6の炭素数が大きすぎる場合、(C)成分は水に対する相溶性が低下するために硬質表面に不溶分が凝集し、すすぎ後の残存を生じて洗浄性に劣ることがある。
cはオキシエチレン基の平均付加モル数であり、c=1〜5であり、特にc=1〜3が好ましい。cが大きすぎる場合、(C)成分の親水性が強くなることにより、浸透性や低泡性に劣ることがある。
なお、成分(C)として、式(3)で示される化合物の1種または2種以上を用いることができる。
なお、水としては、例えば、上水や水道水、イオン交換水、精製水などを使用することができる。
本発明の洗浄剤組成物がキレート剤を含有する場合におけるキレート剤の含有量は、1〜10質量%が好ましい。
表1、表2、表3に示す成分(A)〜(C)を表4、表5の割合で混合して、硬質表面用洗浄剤組成物を得た。なお、水希釈品のpHについては、成分(A)、(B)、(C)の合計含有量が20質量%の水溶液で室温において測定し、いずれの組成物もpH=7であることを確認した。
実施例と比較例について、下記の各試験を行った。結果を表4、表5に示す。
(1−1)無機汚れ
試験片として、水道水1gをガラス板の上に垂らし、100℃で20分間乾燥させた水垢(無機汚れ)付着の試験片を用意した。本試験片を、成分(A)、(B)、(C)の合計含有量が0.4質量%となるように水を加えた洗浄剤組成物に浸漬した。10分間静置後、ペーパーで5回拭き、流水で水洗した。水洗後、ガラス板に残った水跡の様子を観察した。
(評価基準)
○:水跡が水垢の輪郭内に溜まらない=洗浄性良好
×:水跡が水垢の輪郭内に溜まる=洗浄性不良
試験片として、高真空用グリース0.1gを金属版に塗布した擬似高濃度油汚れ付着の試験片を用意した。本試験片を、成分(A)、(B)、(C)の合計含有量が0.4質量%となるように水を加えた洗浄剤組成物に浸漬した。10分間静置後、ペーパーで5回汚れを拭い、汚れの除去具合を観察した。
(評価基準)
○:汚れを完全に除去=洗浄性良好
×:汚れが残存=洗浄性不良
成分(A)、(B)、(C)の合計含有量が0.2質量%となるように水を加えた洗浄剤組成物に関して、JIS R3257の手順に則り、ガラスの試験片に対して液滴を形成した10秒後の接触角を測定した。
(評価基準)
◎:25°未満=浸透性あり
○:25°以上35°未満=やや浸透性あり
×:35°以上=浸透性なし
成分(A)、(B)、(C)の合計含有量が0.4質量%となるように水を加えた洗浄剤組成物に関して、JIS K3362の手順に則り、40℃における5分後の液面からの泡高さを測定した。
(評価基準)
◎:80mm未満=低泡性あり
○:80mm以上100mm未満=やや低泡性あり
×:100mm以上=低泡性なし
一方、比較例1では、成分(A)の含有量が本発明の規定範囲外であるので、無機汚れに対する洗浄性が不十分であった。
比較例2では、成分(C)が含まれておらず、成分(A)の含有量が本発明の規定範囲外であるので、油汚れに対する洗浄性、浸透性、および低泡性が不十分であった。
比較例3では、成分(C)が含まれておらず、成分(B)のアルキル基の炭素数が本発明の規定範囲外の直鎖アルキル基であるので、油汚れに対する洗浄性、浸透性、低泡性が不十分であった。
比較例4では、成分(B)のオキシエチレン基の平均付加モル数とオキシプロピレン基の平均付加モル数の比が本発明の規定範囲外であるので、低泡性が不十分であった。
比較例5では、成分(B)が含まれておらず、成分(A)の含有量が本発明の規定範囲外であるので、油汚れに対する洗浄性、浸透性、低泡性が不十分であった。
比較例6では、成分(C)のアルキル基の炭素数が本発明の規定範囲外であるので、油汚れに対する洗浄性、低泡性が不十分であった。
比較例7では、成分(C)のオキシエチレン基の平均付加モル数が本発明の規定範囲外であるので、油汚れに対する洗浄性、浸透性が不十分であった。
Claims (1)
- (A)式(1)で示される化合物を20〜50質量%、(B)式(2)で示される化合物を40〜75質量%、および(C)式(3)で示される化合物を3〜15質量%含有する硬質表面用洗浄剤組成物。
R5−O−(EO)a−(PO)b−H ・・・(2)
(式(2)中、R5は炭素数8〜10の分岐鎖アルキル基、EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基、aはオキシエチレン基の平均付加モル数でa=2〜9、bはオキシプロピレン基の平均付加モル数でb=2〜4、a/b=0.5〜3.0である。)
R6−O−(EO)c−H ・・・(3)
(式(3)中、R6は炭素数10〜18の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、cはオキシエチレン基の平均付加モル数でc=1〜5である。)
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