JP2018079747A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵部材の軸方向における位置の調整時に支持軸に荷重が作用しないようにすることで安全性をより向上させることができるステアリング装置を提供すること。【解決手段】ロック機構5がロック解除状態であるとき、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上において、ロック部材70のツース70eおよび係止部90dとの間に位置している。その状態において、ステアリングホイールを軸方向Xに沿って、アッパージャケット30およびアッパーシャフト11eを収縮させる方向へ向けて移動させるとき、ロックプレート90のダンパ95が、カム部材60の突部60cに当接する。ダンパ95の規制面95aが突部60cの規制面60dに当接することにより、コラムシャフト11aおよびコラムジャケット20の伸縮が規制される。【選択図】図4
Description
本発明は、ステアリング装置に関する。
従来、特許文献1に記載されるように、操舵部材の軸方向における位置の調整できるステアリング装置が知られている。
上記のステアリング装置は、その軸方向に伸縮自在に嵌合されているアッパージャケットおよびロアージャケットを有するコラムジャケットと、軸方向に並ぶ複数の穴を有し、アッパージャケットに固定されたロックプレートと、ロアージャケットに支持される支持軸および締付軸と、支持軸によって回動可能に支持されたロック部材と、締付軸によって回動可能に支持されたカムと、を備えている。支持軸は、脆弱部を有している。コラムジャケットの伸縮によって操舵部材の軸方向における位置の調整(テレスコ調整)ができる。締付軸は、操作レバーの回動に応じて一体的に回動する。カムは、操作部材の操作に応じて締付軸とともに回動し、ロック部材は、カムの回動に連動してロックプレートの穴に対して係合または退避する。ロック部材がロックプレートの穴に対して係合することで、アッパージャケットの軸方向における移動が制限される。ロック部材がロックプレートの穴に係合されている状態において、車両衝突時に操舵部材に衝撃荷重が加わった場合、コラムジャケットが収縮するようにアッパージャケットがコラムジャケットに対して相対移動しようとすると、アッパージャケットとともにロックプレートも軸方向に移動する。ロックプレートの移動に伴い、ロックプレートの穴に係合されているロック部材に荷重が作用する。ロック部材に作用する荷重により、支持軸の脆弱部に荷重が作用し、この脆弱部が破断することで、車両衝突時の衝撃荷重を緩和することができる。
上記のステアリング装置は、その軸方向に伸縮自在に嵌合されているアッパージャケットおよびロアージャケットを有するコラムジャケットと、軸方向に並ぶ複数の穴を有し、アッパージャケットに固定されたロックプレートと、ロアージャケットに支持される支持軸および締付軸と、支持軸によって回動可能に支持されたロック部材と、締付軸によって回動可能に支持されたカムと、を備えている。支持軸は、脆弱部を有している。コラムジャケットの伸縮によって操舵部材の軸方向における位置の調整(テレスコ調整)ができる。締付軸は、操作レバーの回動に応じて一体的に回動する。カムは、操作部材の操作に応じて締付軸とともに回動し、ロック部材は、カムの回動に連動してロックプレートの穴に対して係合または退避する。ロック部材がロックプレートの穴に対して係合することで、アッパージャケットの軸方向における移動が制限される。ロック部材がロックプレートの穴に係合されている状態において、車両衝突時に操舵部材に衝撃荷重が加わった場合、コラムジャケットが収縮するようにアッパージャケットがコラムジャケットに対して相対移動しようとすると、アッパージャケットとともにロックプレートも軸方向に移動する。ロックプレートの移動に伴い、ロックプレートの穴に係合されているロック部材に荷重が作用する。ロック部材に作用する荷重により、支持軸の脆弱部に荷重が作用し、この脆弱部が破断することで、車両衝突時の衝撃荷重を緩和することができる。
上記構成によれば、操舵部材の軸方向における位置調整する場合、操作部材を操作することで、ロック部材をロックプレートの穴から退避させ、アッパージャケットの軸方向における移動の制限を解除する。
しかし、アッパージャケットの移動の制限を解除した後、操舵部材をコラムジャケットが収縮する向きの移動端まで移動させたとき、ロックプレートがロック部材に衝突してしまい、支持軸の脆弱部に荷重が付与されるおそれがある。
本発明の目的は、操舵部材の軸方向における位置の調整時に支持軸に荷重が作用しないようにすることで安全性をより向上させることができるステアリング装置を提供することである。
上記目的を達成し得るステアリング装置は、操舵部材が取り付けられ、その軸方向に伸縮可能なコラムシャフトと、前記コラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するものであって、車体に支持されるロアージャケット、および前記ロアージャケットに内嵌されたアッパージャケットを有し、前記コラムシャフトと共に伸縮可能なコラムジャケットと、前記アッパージャケットの外周面に固定され、前記アッパージャケットの軸方向に並ぶ複数の孔部、および前記操舵部材側の端部に設けられて前記アッパージャケットと反対側に突出する係止部を有するロックプレートと、前記ロアージャケットにおける前記ロックプレートに対向する位置に、前記操舵部材側から順に設けられたカム部材およびロック部材と、を備えることを前提としている。前記カム部材は外部から回転操作可能とされ、前記ロック部材は、脆弱部を有する支持軸によって前記ロアージャケットに支持され、前記ロックプレートの前記孔部のいずれかに係合するロック位置と、前記孔部から離脱するロック解除位置との間を、前記カム部材の回転に連動して回転可能とされ、前記カム部材は、突部を有し、前記突部は、前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるとき、前記コラムジャケットの伸縮に伴う前記係止部の移動軌跡上に位置し、前記ロック部材が前記ロック位置にあるとき、前記移動軌跡からはずれた位置にある。
ロック部材の一部分をロックプレートの孔部に係合した状態、すなわちロック部材がロック位置にある場合において、車両が衝突したときを考える。このとき、二次衝突による衝突荷重が操舵部材、コラムシャフト、コラムジャケット、ロックプレート、ロック部材、および支持軸の順に伝わる。衝突荷重によって支持軸の脆弱部が破断され、ロック部材の一部分がロックプレートの孔部から離脱するため、車両衝突時の衝突荷重を緩和することができる。
操舵部材の軸方向における位置を調整する場合、カム部材を回転操作し、ロック部材の一部分をロックプレートの孔部から離脱させる。すなわち、ロック部材をロック解除位置へ切り替える。その後、操舵部材をコラムシャフトを収縮する方向へ向けて位置を調整すると、コラムシャフトの収縮に伴ってコラムジャケットも収縮する。コラムジャケットの収縮に伴い、アッパージャケットに設けられているロックプレートがコラムジャケットの収縮する方向に移動する。この場合、コラムジャケットが軸方向に収縮する方向にロックプレートを移動させたとき、ロックプレートの係止部とロック部材の一部分とが接触することで支持軸の脆弱部に衝突荷重以外の力が作用するおそれがある。
その点、上記のステアリング装置では、ロック部材がロック解除位置にある場合、操舵部材の軸方向における位置を、コラムジャケットを収縮させる方向において調整するとき、ロックプレートの係止部は、ロック部材に達することなくカム部材の突部に当接し、それ以上の移動が規制される。このため、操舵部材の軸方向における位置を調整する際に生じる荷重を、ロック部材ではなくカム部材で受けることとなる。これにより、車両衝突時に破断するように構成された支持軸の脆弱部には、操舵部材の軸方向における位置の調整時の荷重が作用することがなくなる。したがって、操舵部材の軸方向における位置を調整する際において、支持軸に荷重が作用しないようにすることで安全性をより向上させることができる。
前記ロック部材が前記ロック解除位置にある場合、前記カム部材の前記突部、および前記係止部において、前記コラムジャケットの軸方向において互いに対向する部分には、互いに平行となる平面が設けられていることが好ましい。
上記のステアリング装置によれば、ロック部材がロック解除位置であるとき、カム部材の突部における平面と、係止部の平面とは、コラムジャケットの軸方向に直交する方向において互いに平行である。このため、操舵部材の軸方向Xにおける位置を、コラムジャケットを収縮させる方向において調整する場合、係止部の平面は、カム部材の突部における平面に対して面接触状態で当接する。したがって、ロックプレートの係止部からカム部材の突部へ伝わる力をより緩和させることができる。
本発明のステアリング装置によれば、操舵部材の軸方向における位置の調整時に支持軸に荷重が作用しないようにすることで安全性をより向上させることができる。
<第1の実施形態>
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(以下「EPS」という。)に具体化した第1の実施形態を説明する。
以下、ステアリング装置を電動パワーステアリング装置(以下「EPS」という。)に具体化した第1の実施形態を説明する。
図1に示すように、EPS1は、運転者の操舵部材としてのステアリングホイール10の操作に基づいて転舵輪15,15を転舵させる操舵機構2、および運転者のステアリングホイール10の操作を補助するアシスト機構3を有している。また、EPS1は、操舵機構2の一部を車体Sに支持するステアリングコラム装置4、およびステアリングホイール10のテレスコピック機構およびチルト機構をロックするロック機構5を備えている。
操舵機構2は、ステアリングシャフト11、およびラックシャフト12を備えている。ラックシャフト12は、その外周面にラック歯が設けられている。ステアリングシャフト11は、コラムシャフト11a、インターミディエイトシャフト11b、およびピニオンシャフト11cを有している。コラムシャフト11aは、中空状のアッパーシャフト11e、および軸状のロアーシャフト11dを有している。アッパーシャフト11eの上端部には、ステアリングホイール10が連結されている。ロアーシャフト11dは、アッパーシャフト11eに対してスプライン嵌合されることによって、当該アッパーシャフト11eに対して軸方向(図1中のX方向)に沿った相対的な移動が可能、且つ当該アッパーシャフト11eと一体回転可能である。ロアーシャフト11dの下端部にはインターミディエイトシャフト11bを介してピニオンシャフト11cが連結されている。ピニオンシャフト11cの下端部には、ピニオン歯が設けられている。ピニオン歯は、ラックシャフト12のラック歯と噛み合っている。
したがって、ステアリングシャフト11の回転運動は、ピニオンシャフト11cのピニオン歯が設けられた部分およびラックシャフト12のラック歯が設けられた部分からなるラックアンドピニオン機構13を介してラックシャフト12の軸方向の往復直線運動に変換される。当該往復直線運動が、ラックシャフト12の両軸端部にそれぞれ連結されたタイロッド14を介して、左右の転舵輪15,15にそれぞれ伝達されることにより、転舵輪15,15の転舵角が変化する。
アシスト機構3は、ラックシャフト12の周囲に設けられている。アシスト機構3は、アシストトルクの発生源であるモータ、およびモータの回転力をラックシャフト12の軸方向に沿った方向の力に変換する減速機構を有している。このラックシャフト12に付与される軸方向の力がアシスト力となり、運転者のステアリングホイール10の操作を補助する。尚、上記したアシスト機構3の構成は一例であり、アシスト機構3の設置位置については適宜変更してもよい。
ステアリングコラム装置4は、車体Sに対して、ステアリングシャフト11を回転可能に支持する。ステアリングコラム装置4は、コラムシャフト11aを回転可能に収容するコラムジャケット20と、コラムジャケット20を車体Sに固定するロアーブラケット33およびアッパーブラケット35と、を有している。EPS1が車両に搭載された状態において、ステアリングシャフト11は、コラムシャフト11aが設けられた車両前方側の端部が、ステアリングホイール10が設けられた車両後方側の端部よりも鉛直方向下側に位置するように傾斜した状態で、車体Sに支持されている。
図1に示すように、コラムジャケット20は、中空円筒状のアッパージャケット30と中空円筒状のロアージャケット31とを有している。アッパージャケット30は、ロアージャケット31に内嵌されている。アッパージャケット30は、ロアージャケット31に対してその軸方向Xに相対的に摺動可能である。このため、コラムジャケット20は、アッパージャケット30およびロアージャケット31の軸方向Xにおける相対的な摺動を通じて、その軸方向Xにおいて伸縮可能である。アッパージャケット30は、軸受36を介してアッパーシャフト11eを回転可能に支持する。アッパージャケット30は、アッパーシャフト11eと一体的に軸方向Xへ移動する。ロアージャケット31は、軸受37を介してロアーシャフト11dを回転可能に、且つ軸方向Xへの移動を規制した状態で収容している。そのため、コラムジャケット20の伸縮に伴い、コラムシャフト11aも伸縮する。ここで、コラムシャフト11aおよびコラムジャケット20を伸縮させるための二重筒構造をテレスコピック構造という。コラムシャフト11aおよびコラムジャケット20を伸縮させることにより、ステアリングホイール10の軸方向Xの位置を調整することができる。アッパージャケット30において、ロアージャケット31が外嵌されている部分の外周面の一部には、略直方体形状の係合部材30aが溶接などにより固定されている。
ロアージャケット31のステアリングホイール10と反対側(車両前方側)の端部(図1中の左端部)には、支持部32が設けられている。支持部32は、車両前方側へ向けて突出している。ロアージャケット31は、支持部32を介して車体Sに対して回転可能に支持されている。具体的には、車体Sには、ロアーブラケット33が固定されている。ロアーブラケット33には、ロアージャケット31の軸方向に対して直交して車両左右方向に延びるチルト支軸34を介して支持部32が連結されている。そのため、コラムジャケット20は、コラムシャフト11aを伴って、チルト支軸34を中心にその周方向(図1中のC方向)に沿って回動する。コラムジャケット20をコラムシャフト11aを伴って回動させることにより、ステアリングホイール10の傾斜角度を調整することができる。ステアリングホイール10の傾斜角度を調整するために、コラムジャケット20を回動可能に支持する機構をチルト機構という。
図2に示すように、ロアージャケット31は、軸方向Xに直交する面に沿って切断したときの断面が略U字形状をなしている。ロアージャケット31は、一対の腕部31cおよびこれらの腕部31cを連結する底部31aを有している。ロアージャケット31の底部31a(U字頂点)には、その厚み方向に貫通している係合孔31bが設けられている。係合孔31bは、軸方向Xにおける一定区間に亘って延びている(図1参照)。係合孔31bには、アッパージャケット30の外周面に設けられている係合部材30aが内側から挿通されている。
図1に示すように、アッパージャケット30は、係合部材30aが軸方向Xにおいて、係合孔31bの車両前方側の端部に当接する位置と、係合孔31bの車両後方側の端部に当接する位置との間の範囲でロアージャケット31に対して相対移動できる。ここで、係合孔31bの軸方向Xにおける長さは、後述する車両衝突時の衝撃荷重を吸収するためのアッパージャケット30の最大移動量を考慮して設定されている。
図2に示すように、一対の腕部31cは、車両左右方向において互いに対向している。一対の腕部31cは、車両左右方向に貫通する貫通孔31dを有し、両貫通孔31dは、同一の軸線上に位置している。
また、図3に示すように、一対の腕部31cは、車両左右方向に貫通する貫通孔31fを有し、両貫通孔31fは、同一の軸線上に位置している。
図1に示すように、貫通孔31fは、貫通孔31dに対して車両前方側に位置している。
図1に示すように、貫通孔31fは、貫通孔31dに対して車両前方側に位置している。
図2に示すように、アッパーブラケット35は、車両上方側からコラムジャケット20の外面を覆うように設けられている。アッパーブラケット35は、コラムジャケット20の軸方向Xに直交する向きに沿って切断したときの断面が略U字形状をなしている。アッパーブラケット35は、一対の側板35aとこれら側板35aを連結する連結板35bとを有している。一対の側板35aは、車両左右方向(図2中の左右方向)において、ロアージャケット31の一対の腕部31cの外側面31eを挟んで互いに対向している。連結板35bは、一対の側板35aに対して直交している。連結板35bは、車両上下方向(図2中の上下方向)において、係合部材30aと対向している。連結板35bの車両左右方向における長さは、一対の側板35aの配置間隔よりも長く設定されている。連結板35bが車体Sに取り付けられることにより、アッパーブラケット35は、車体Sに固定されている。一対の側板35aには、それぞれチルト用長孔35cが形成されている。チルト用長孔35cは、側板35aの厚み方向(軸方向Xに直交する方向)に貫通している。これらチルト用長孔35cは、車両左右方向(図2中の左右方向)から見たとき、互いに一致している。
図1に示すように、チルト用長孔35cは、チルト支軸34を中心軸としたコラムジャケット20の回転方向(図1中のC方向)に沿う円弧状に形成され、ロアージャケット31の貫通孔31dに重畳されるように設けられている。
図4(a)に示すように、ロック機構5は、操作レバー40、締付軸50、カム部材60、ロック部材70、付勢部材75、支持軸80、およびロックプレート90を有している。尚、ロック機構5は、説明の便宜上、初期状態を「ロック状態」として説明する。
図2に示すように、ロックプレート90は、アッパージャケット30の外周面におけるロアージャケット31の2つの腕部31cの間の部分に設けられている。ロックプレート90は、軸方向Xに延びる板状をなしており、アッパージャケット30の外周面に沿って湾曲している。ロックプレート90は、アッパージャケット30に対して溶接等で固定されている。ロックプレート90は、アッパージャケット30とともにロアージャケット31に対して軸方向Xに相対移動可能である。
図4(a)に示すように、ロックプレート90には、アッパージャケット30の周方向に沿って延びる複数の孔部90aが、その軸方向Xに沿って等間隔に設けられている。各孔部90aは、ロックプレート90の厚み方向に貫通している。ロックプレート90において、軸方向Xにおいて隣接する孔部90aの間には仕切部90bが形成されている。ロックプレート90において、車両後方側の端部には孔部90aを有していない板部90cが設けられている。板部90cにおける車両後方側の端部には、コラムジャケット20とは反対側(正確には、図1中の下側)に折り曲げられた屈折部90eが形成されている。板部90cの外面には、エラストマー等の弾性体により形成された略直方体をなすダンパ95が固定されている。ダンパ95は、軸方向Xにおいて屈折部90eに当接している。屈折部90eおよびダンパ95により係止部90dが構成されている。ダンパ95の厚みは、屈折部90eの高さと同じである。尚、ダンパ95の屈折部90eと反対側の側面は平面をなしており、アッパージャケット30の軸方向Xにおける移動を規制する規制面95aとして機能する。
図2に示すように、アッパーブラケット35の一対の側板35aにおけるチルト用長孔35cおよびロアージャケット31の一対の腕部31cにおける貫通孔31dには、鉄鋼材、その他の金属材料からなる通しボルトからなる締付軸50が挿通されている。そのため、コラムジャケット20は、締付軸50がチルト用長孔35cの一端に係合する位置と他端に係合する位置との間の範囲において回動する。締付軸50の先端には、ナット51が締め付けられている。ナット51と一方の側板35aとの間には、スラストワッシャー等が介在されている。締付軸50の頭部50aと他方の側板35aとの間には、頭部50a側から順に操作レバー40、第1カム54、および第2カム55が介在されている。操作レバー40および第1カム54は、締付軸50に対して一体回転可能に取り付けられている。第2カム55の第1カム54と反対側の端部は、チルト用長孔35cを通過して腕部31cの外側面31eに当接している。第2カム55は、締付軸50に対して相対回転可能に取り付けられている。第1カム54および第2カム55は、それぞれ図示しないカム突起を有している。操作レバー40の回転操作を通じて、第1カム54および第2カム55のそれぞれのカム突起が互いに乗り上げている状態と当該乗り上げが解除された状態との間で切り替わる。操作レバー40がロック位置にあるとき、それぞれの突起は互いに乗り上げた状態となる。操作レバー40がロック解除位置にあるとき、それぞれの突起の乗り上げた状態が解除される。
第1カム54および第2カム55のカム突起が互いに乗り上げたロック状態においては、第2カム55のフランジが締付軸50の軸方向におけるナット51側へ向けて押圧されて、一対の腕部31cが締付軸50の頭部50a側とナット51側とから締め付けられた状態に保たれている。これにより、一対の腕部31cは、それらの間隔が狭くなるかたちで弾性変形するように締め付けられる。これに伴い、ロアージャケット31の内周部が縮径するかたちで弾性変形し、ロアージャケット31の内周部は、アッパージャケット30の外周部に圧接している。
一対の側板35aとロアージャケット31との間の摩擦力により、コラムジャケット20のチルト支軸34を中心とする回動(チルト動作)が規制されている。また、アッパージャケット30およびロアージャケット31の間の摩擦力により、アッパージャケット30のロアージャケット31に対する軸方向Xへの移動(テレスコ動作)が規制されている。ロック機構5が、ロック状態に保たれることにより、ステアリングホイール10の傾斜角度および軸方向Xにおける位置が固定されている。
図2に示すように、カム部材60は、ロアージャケット31の一対の腕部31cの間において、締付軸50に嵌合されて一体回転する。
図4(a)に示すように、カム部材60は、車両上下方向において、ロックプレート90と対向している。カム部材60は、締付軸50に嵌合される貫通孔60eを有する円筒部60aと、円筒部60aの外周面に設けられて円筒部60aの径方向外側に向けて突出しているカム部60bと、円筒部60aの外周面において、カム部60bとは異なる周方向位置に設けられて円筒部60aの径方向外側に向けて突出する突部60cとを有している。円筒部60aの軸線を基準にして、カム部60bはコラムジャケット20と反対側の領域に位置し、突部60cは、コラムジャケット20側の領域に位置しており、カム部60bと突部60cとは、略反対側へ向けて突出している。円筒部60aの軸方向から見て、カム部60bは、円筒部60aの径方向外側へ向けて細くなる略三角形状をなし、おおむね円筒部60aの径方向線上に三角形外端の頂点が位置している。突部60cは、円筒部60aの軸方向から見て略三角形状をなし、カム部60bに係る前記径方向線から偏倚した位置に形成されている。突部60cは、その三角形状の一方の斜辺がおおむね円筒部60aの接線方向に延び、他方の斜辺には、平面をなす規制面60dが形成されている。ここで、図4(a)および図4(b)中に、コラムジャケット20が収縮する際の、ロックプレート90の係止部90dの移動軌跡Rを破線で示す。カム部材60は、ロック機構5がロック状態であるとき(図4(a))、突部60cが移動軌跡R上に突出せず、ロック機構5がロック解除状態であるとき(図4(b))、ロック部材70と係止部90dとの間において突部60cが移動軌跡R上に突出するとともに、規制面60dがダンパ95の規制面95aと対向するように構成されている。
図4(a)に示すように、カム部材60は、車両上下方向において、ロックプレート90と対向している。カム部材60は、締付軸50に嵌合される貫通孔60eを有する円筒部60aと、円筒部60aの外周面に設けられて円筒部60aの径方向外側に向けて突出しているカム部60bと、円筒部60aの外周面において、カム部60bとは異なる周方向位置に設けられて円筒部60aの径方向外側に向けて突出する突部60cとを有している。円筒部60aの軸線を基準にして、カム部60bはコラムジャケット20と反対側の領域に位置し、突部60cは、コラムジャケット20側の領域に位置しており、カム部60bと突部60cとは、略反対側へ向けて突出している。円筒部60aの軸方向から見て、カム部60bは、円筒部60aの径方向外側へ向けて細くなる略三角形状をなし、おおむね円筒部60aの径方向線上に三角形外端の頂点が位置している。突部60cは、円筒部60aの軸方向から見て略三角形状をなし、カム部60bに係る前記径方向線から偏倚した位置に形成されている。突部60cは、その三角形状の一方の斜辺がおおむね円筒部60aの接線方向に延び、他方の斜辺には、平面をなす規制面60dが形成されている。ここで、図4(a)および図4(b)中に、コラムジャケット20が収縮する際の、ロックプレート90の係止部90dの移動軌跡Rを破線で示す。カム部材60は、ロック機構5がロック状態であるとき(図4(a))、突部60cが移動軌跡R上に突出せず、ロック機構5がロック解除状態であるとき(図4(b))、ロック部材70と係止部90dとの間において突部60cが移動軌跡R上に突出するとともに、規制面60dがダンパ95の規制面95aと対向するように構成されている。
図3に示すように、支持軸80は、合成樹脂材料により段付きの円柱状に設けられている。支持軸80は、外径の異なる小径部80aおよび大径部80bを有し、小径部80aと大径部80bの連結部分には、円環状の段差面80dが形成されている。小径部80aおよび大径部80bの境界部分(小径部80aの根元)は、支持軸80において局所的に強度が弱くなっている脆弱部80cである。また、支持軸80の小径部80aは、それ自体が大径部80bよりも強度が弱い。支持軸80は、貫通孔31fに回転可能に挿通されている。支持軸80の両端部は、貫通孔31fとの係合によって一対の腕部31cに支持されている。支持軸80の脆弱部80cは、ロアージャケット31の一対の腕部31cの間に位置している。
図4(a)に示すように、カム部材60およびロック部材70は、軸方向Xにおいて、隣接している。ロック部材70は、車両上下方向(図4(a)中の下側)において、ロックプレート90と対向している。ロック部材70は、支持軸80の軸方向からみて、カム部材60側(図4(a)中の右側)へ向けて開口する略V字形状をなしている。ロック部材70は、基端部70a、ロック部70b、および当接部70cを有している。基端部70aは、ロック部70bおよび当接部70cとの連結部分である。支持軸80の軸方向から見て、ロック部70bは、当接部70cよりもロックプレート90の近くに設けられている。ロック部70bの先端の一部分にはロックプレート90側へ突出するツース70eが一体的に設けられている。当接部70cは、軸方向Xにおいて、カム部材60のカム部60bに対向している。
図3に示すように、ロック部材70の基端部70aは、段付きの円筒状に設けられている。基端部70aは、貫通孔70dを有している。基端部70aは、その小径部分である円筒部70gを有している。ロック部材70は、ロアージャケット31の一対の腕部31cの間において、支持軸80の小径部80aに嵌合されている。ロック部材70は、支持軸80と一体回転する。また、ロック部材70は、支持軸80の小径部80aが挿通されている腕部31cの内側面31kと、支持軸80における小径部80aと大径部80b境界部分の段差面80dとの間に隙間なく設けられている。
図4(a)に示すように、付勢部材75は、ねじりコイルばねである。付勢部材75は、ロック部材70の基端部70aにおける円筒部70gの外周面に装着されている。付勢部材75は、コイル部75a、第1の端部75b、および第2の端部75cを有している。第1の端部75bの先端は、ロック部材70の当接部70cの外側面(図4(a)中の当接部70cの下側面)に係止されるように折り曲げられている。第2の端部75cは、カム部材60の円筒部60aの外周面にロックプレート90側から係止されている。第2の端部75cは、締付軸50の軸方向において、カム部材60の突部60cよりも操作レバー40側(図4(a)中の紙面手前側)に設けられている。付勢部材75には、第1の端部75bと第2の端部75cとを互いに近接させようとする弾性力が発生している。ロック部材70は、付勢部材75の弾性力により、ツース70eがロックプレート90に近接する方向(図4(a)中の反時計方向)へ常に回転付勢される。
ロック機構5がロック状態であるとき、ロック部材70のツース70eは、ロックプレート90の複数の孔部90aのいずれかの内部に進出し、且つ係合された状態に維持されている。このとき、カム部材60とロック部材70とは接触していない。ロックプレート90は、アッパージャケット30に固定されており、ロック部材70は支持軸80を介してロアージャケット31に固定されている。そのため、ロック機構5がロック状態であるとき、ロアージャケット31に対するアッパージャケット30の軸方向Xにおける相対移動が規制される。尚、テレスコ動作を規制するには、一対の腕部31cの締め付けに伴うロアージャケット31とアッパージャケット30との間の摩擦力で必要十分であり、ロック部材70のツース70eがロックプレート90の孔部90aに係合することの効果は、次に説明する車両衝突時の衝突荷重を軽減する際に発揮される。
次に、ロック機構5が図4(a)に示されるロック状態である場合、車両が衝突したときのロック機構5の作用を説明する。
図1に示すように、車両衝突時には、ステアリングシャフト11およびコラムジャケット20には、いわゆる2次衝突による衝突荷重が軸方向Xにおいて作用する。このとき、アッパージャケット30およびアッパーシャフト11eが収縮しようとする。それに伴い、ロックプレート90の孔部90aに係合しているロック部材70には、ツース70eを介してステアリングホイール10側からの衝突荷重が作用する。尚、アッパージャケット30の位置によっては、ツース70eが孔部90aに係合せず、仕切部90bに当接している状態もあり得るが、衝突荷重によってアッパージャケット30が軸方向Xに移動することで、直ちにツース70eは孔部90aに係合する。
図1に示すように、車両衝突時には、ステアリングシャフト11およびコラムジャケット20には、いわゆる2次衝突による衝突荷重が軸方向Xにおいて作用する。このとき、アッパージャケット30およびアッパーシャフト11eが収縮しようとする。それに伴い、ロックプレート90の孔部90aに係合しているロック部材70には、ツース70eを介してステアリングホイール10側からの衝突荷重が作用する。尚、アッパージャケット30の位置によっては、ツース70eが孔部90aに係合せず、仕切部90bに当接している状態もあり得るが、衝突荷重によってアッパージャケット30が軸方向Xに移動することで、直ちにツース70eは孔部90aに係合する。
図3に示すように、これにより、ロック部材70を支持している支持軸80が、脆弱部80cにおいて破断する。ここで、一対の腕部31cの間において、ロック部材70は、支持軸80の小径部80a側の腕部31cと、支持軸80における小径部80aと大径部80bとの境界部分に形成された段差面80dとの間に隙間なく設けられている。そのため、車両衝突時には、ロック部材70(図3中の基端部70aの右側面)を切断刃として、支持軸80を脆弱部80cにおいてより確実に破断させることができる。また、同時に、支持軸80の小径部80aは、それ自体が大径部80bに比べて強度が低い。このため、車両衝突時には、ロック部材70(正確には、円筒部70g)を切断刃として脆弱部80cだけでなく、小径部80a側の腕部31cと、ロック部材70の円筒部70gとの境界部分において、支持軸80を破断させることができる。ロック部材70が支持軸80から脱落することにより、ロックプレート90の孔部90aに係合していたツース70eは、孔部90aから離脱する。
図1に示すように、ロック部材70のツース70eがロックプレート90の孔部90aから離脱することによって、アッパージャケット30がロアージャケット31に対して、軸方向Xに沿って収縮するように移動する。このとき、アッパージャケット30は、係合部材30aがロアージャケット31の係合孔31bの内部を移動し、係合部材30aが係合孔31bの車両前方側(図1中の左側)の端部に当接するまで移動できる。したがって、支持軸80の破断と、アッパージャケット30の軸方向Xにおける移動とによって、車両衝突時(2次衝突時)の衝突荷重を軽減することができる。
次に、ロック機構5をロック状態からロック解除状態へ切りかえる場合のロック機構5の動作を説明する。
図4(a)に示すように、ロック機構5がロック状態であるとき、カム部材60およびロック部材70は互いに当接していない。この状態において、ロック位置にある操作レバー40をロック解除位置へ向けて(図4(a)中の時計方向)回動させる。
図4(a)に示すように、ロック機構5がロック状態であるとき、カム部材60およびロック部材70は互いに当接していない。この状態において、ロック位置にある操作レバー40をロック解除位置へ向けて(図4(a)中の時計方向)回動させる。
図2に示すように、操作レバー40の回動に応じて、第1カム54が第2カム55に対して相対的に回転し、操作レバー40がロック解除位置に至るタイミングで第1カム54および第2カム55の図示しないカム突起が互いに乗り上げた状態が解除される。これにより、第2カム55とナット51との間における一対の側板35aに対する締め付けが解除される。そのため、一対の側板35aと一対の腕部31cとの間に生じる摩擦力、およびロアージャケット31とアッパージャケット30との間に生じる摩擦力がロック状態のときよりも小さくなる。
また、操作レバー40を回動させることに伴い、カム部材60が図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態まで回動する。このカム部材60の回動に伴い、カム部60bは、ロック部材70の当接部70cに近接するように、締付軸50を中心として回動し、やがて、カム部60bと当接部70cとが当接する。さらにカム部60bがロック部材70に向けて回動すると、カム部60bの先端が当接部70cを押し下げるようにしてこの当接部70cの内側(V字の内角側)に乗り上げる。換言すると、カム部材60とロック部材70とは、このように動作可能に構成されている。この乗り上げに伴い、ロック部材70は、付勢部材75の弾性力に抗して、当接部70cがコラムジャケット20から離間する方向(図4(a)における時計方向)へ向けて回転する。このロック部材70の回転に伴い、ロック部70bのツース70eがロックプレート90の孔部90aから退避していく。また、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上において、ツース70eと係止部90dとの間に進出するように移動する。尚、図4(b)では、付勢部材75の第2の端部75cと、カム部材60の突部60cとが図面上で重なるため、前記第2の端部75cを省略して示している。
操作レバー40がロック解除位置に至り、カム部60bとロック部材70の当接部70cとの関係が、図4(b)に示す状態に維持されたとき、この状態において、ロック部材70のツース70eはロックプレート90の孔部90aから完全に退避し、同時に行われる一対の腕部31cの締め付けの解除とあいまって、ロアージャケット31に対するアッパージャケット30の軸方向Xにおける相対移動の規制が解除される。また、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上に進出したとき、突部60cの規制面60dが、ダンパ95の規制面95aに対して略平行となるように構成されている。以上のように、操作レバー40をロック位置からロック解除位置へ操作することにより、ロック機構5は、アッパージャケット30のロアージャケット31に対する軸方向Xへの移動、およびコラムジャケット20のチルト支軸34を中心とした回動が許容されるロック解除状態となる。
したがって、ステアリングホイール10を軸方向Xに沿って移動させること、およびチルト支軸34を中心として回転させることができるようになる。これにより、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置および傾斜角度を調整することができる。
次に、ロック解除状態である場合、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置を調整するときのロック機構5の作用を説明する。ここでは、コラムジャケット20を収縮させる方向にステアリングホイール10の位置を調整する。
たとえば、コラムジャケット20を収縮させる方向にステアリングホイール10の位置を調整する場合、アッパージャケット30およびアッパーシャフト11eを収縮させるように、ステアリングホイール10を軸方向Xに沿って移動させる。アッパージャケット30およびアッパーシャフト11eを収縮させるに伴って、ロックプレート90の係止部90dが、ロック部材70のロック部70bに近接する。ここで、図4(b)に示すように、ロック解除状態において、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上に突出し、ロック部材70のツース70eおよび係止部90dとの間に位置している。このため、係止部90d(直接にはダンパ95)は、ロック部70bに当接する前に突部60cに当接する。ダンパ95の規制面95aが突部60cの規制面60dに当接することにより、ロアージャケット31に対するアッパージャケット30の軸方向Xにおける相対移動が規制される。
したがって、本実施の形態にかかるEPS1によれば次の作用および効果が得られる。
(1)ロック機構5がロック解除状態である場合、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置を、コラムジャケット20を収縮させる方向において調整するとき、ロックプレート90の係止部90d(ダンパ95)は、ロック部材70のツース70eに達することなくカム部材60の突部60cに当接し、それ以上の移動が規制される。このため、テレスコ調整(収縮方向)の際に生じる荷重を、ロック部材70ではなくカム部材60で受ける、ひいては、支持軸80ではなく締付軸50で受けることとなる。これにより、車両衝突時に破断されることを前提に、あえて脆弱に形成された支持軸80には、テレスコ調整時の荷重が作用することがなくなる。
(1)ロック機構5がロック解除状態である場合、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置を、コラムジャケット20を収縮させる方向において調整するとき、ロックプレート90の係止部90d(ダンパ95)は、ロック部材70のツース70eに達することなくカム部材60の突部60cに当接し、それ以上の移動が規制される。このため、テレスコ調整(収縮方向)の際に生じる荷重を、ロック部材70ではなくカム部材60で受ける、ひいては、支持軸80ではなく締付軸50で受けることとなる。これにより、車両衝突時に破断されることを前提に、あえて脆弱に形成された支持軸80には、テレスコ調整時の荷重が作用することがなくなる。
したがって、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置を調整する際において、支持軸80に荷重が作用しないようにすることで安全性をより向上させることができる。尚、ロック機構5がロック解除状態であるのは、停車時または駐車時にテレスコ調整を行う場合であり、車両走行中にはロック状態とされている。このため、2次衝突が発生した際には、突部60cが係止部90dの移動軌跡R上から外れた位置にあるので、衝突吸収のために規定されたアッパージャケット30の移動を妨げることがない。
(2)また、ロック機構5がロック解除状態であるとき、カム部材60の規制面60dと、係止部90dのダンパ95の規制面95aとは、軸方向Xに直交する方向において互いに平行である。このため、ステアリングホイール10の軸方向Xにおける位置を、コラムジャケット20を収縮させる方向において調整する場合、ダンパ95の規制面95aは、カム部材60の突部60cにおける規制面60dに対して面接触状態で当接する。したがって、ロックプレート90の係止部90dにおけるダンパ95からカム部材60の突部60cへ伝わる力をより緩和させることができる。
<第2の実施形態>
以下、ステアリング装置の第2の実施形態を説明する。本実施の形態のステアリング装置は、基本的には第1の実施形態と同様の構成を備えている。ただし、ロック機構5をロック状態とロック解除状態との間で切りかえるときの操作レバー40の操作方向、および、カム部材60における突部60cの設置箇所が異なっている。
以下、ステアリング装置の第2の実施形態を説明する。本実施の形態のステアリング装置は、基本的には第1の実施形態と同様の構成を備えている。ただし、ロック機構5をロック状態とロック解除状態との間で切りかえるときの操作レバー40の操作方向、および、カム部材60における突部60cの設置箇所が異なっている。
図5(a)に示すように、ロック機構5がロック状態であるとき、ロック部材70のツース70eは、ロックプレート90の複数の孔部90aのいずれかの内部に進出し、且つ係合された状態に維持されている。このとき、カム部材60のカム部60bは、ロック部材70の当接部70cにおける内側(V字の内角側)に当接している。
円筒部60aの軸線を基準にして、カム部60bは車両前方側の領域に位置し、突部60cは、車両後方側の領域に位置しており、カム部60bと突部60cとは、略反対側へ向けて突出している。円筒部60aの軸方向から見て、突部60cは、円筒部60aの軸方向から見て略矩形状をなし、カム部60bに係る径方向線から偏倚した位置に形成されている。突部60cは、その矩形状における車両後方側には平面をなす規制面60dが形成されている。カム部材60は、ロック機構5がロック状態であるとき(図5(a))、突部60cが移動軌跡R上に突出せず、ロック機構5がロック解除状態であるとき(図5(b))、ロック部材70と係止部90dとの間において突部60cが移動軌跡R上に突出するとともに、規制面60dがダンパ95の規制面95aと対向するように構成されている。
次に、ロック状態からロック解除状態へ切りかえる場合のロック機構5の動作を説明する。
図5(a)に示すように、ロック機構5がロック状態であるとき、ロック位置にある操作レバー40をロック解除位置へ向けて(図5(a)中の反時計方向)回動させる。
図5(a)に示すように、ロック機構5がロック状態であるとき、ロック位置にある操作レバー40をロック解除位置へ向けて(図5(a)中の反時計方向)回動させる。
図2に示すように、操作レバー40の回動に応じて、第1カム54が第2カム55に対して相対的に回転し、操作レバー40がロック解除位置に至るタイミングで第1カム54および第2カム55の図示しないカム突起が互いに乗り上げた状態が解除される。これにより、第2カム55とナット51との間における一対の側板35aに対する締め付けが解除される。そのため、一対の側板35aと一対の腕部31cとの間に生じる摩擦力、およびロアージャケット31とアッパージャケット30との間に生じる摩擦力がロック状態のときよりも小さくなる。
また、操作レバー40を回動させることに伴い、カム部材60が図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態まで回動する。このカム部材60の回動に伴い、カム部60bの一方の外側面は、ロック部材70の当接部70cの内面と摺動しながら、締付軸50を中心として回動し、やがて、カム部60bの先端および当接部70cが接触した状態で維持される。これに伴い、ロック部材70は、付勢部材75の弾性力に抗して、当接部70cがコラムジャケット20から離間する方向(図5(a)における時計方向)へ向けて回転する。このロック部材70の回転に伴い、ロック部70bのツース70eがロックプレート90の孔部90aから退避していく。また、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上において、ツース70eと係止部90dとの間に進出するように移動する。
操作レバー40がロック解除位置に至り、カム部60bとロック部材70の当接部70cとの関係が、図5(b)に示す状態に維持されたとき、この状態において、ロック部材70のツース70eはロックプレート90の孔部90aから完全に退避し、同時に行われる一対の腕部31cの締め付けの解除とあいまって、ロアージャケット31に対するアッパージャケット30の軸方向Xにおける相対移動の規制が解除される。また、カム部材60の突部60cは、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上に進出したとき、突部60cの規制面60dが、ダンパ95の規制面95aに対して略平行となるように構成されている。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
尚、第1および第2の実施形態は、技術的に矛盾が生じない範囲で以下のように変更してもよい。
尚、第1および第2の実施形態は、技術的に矛盾が生じない範囲で以下のように変更してもよい。
・第1および第2の実施形態では、突部60cには、ロック機構5がロック解除状態であるとき、ダンパ95の規制面95aと平行になる規制面60dが設けられていたが、規制面60dは、たとえば、円弧面でもよい。すなわち、突部60cと係止部90dのダンパ95とを平面で接触させなくてもよい。突部60cの少なくとも一部がダンパ95と当接すればよい。このようにしても、ロックプレート90の係止部90dがロック部材70のツース70eに接触することを抑制することができる。
・第1および第2の実施形態において、突部60cの形状は問わない。例えば、突部60cを円柱棒状としてもよい。すなわち、ロック機構5がロック解除状態であるとき、ロックプレート90の係止部90dの軸方向Xにおける移動軌跡R上であって、且つツース70eと係止部90dとの間に突部60cが位置すればよい。
・第1および第2の実施形態では、ロックプレート90の屈折部90eとダンパ95にて係止部90dを構成していたが、これに限らない。例えば、ダンパ95を割愛してもよい。この場合、ロックプレート90の屈折部90eを係止部90dとして使用してもよい。
1…EPS、10…ステアリングホイール、11…ステアリングシャフト、11a…コラムシャフト、20…コラムジャケット、30…アッパージャケット、31…ロアージャケット、33…ロアーブラケット、35…アッパーブラケット、40…操作レバー、60…カム部材、60c…突部、60d…規制面、70…ロック部材、70e…ツース、80…支持軸、80c…脆弱部、90…ロックプレート、90a…孔部、90d…係止部、95…ダンパ、95a…規制面、S…車体、R…移動軌跡。
Claims (2)
- 操舵部材が取り付けられ、その軸方向に伸縮可能なコラムシャフトと、
前記コラムシャフトを内包した状態で回転自在に支持するものであって、車体に支持されるロアージャケット、および前記ロアージャケットに内嵌されたアッパージャケットを有し、前記コラムシャフトと共に伸縮可能なコラムジャケットと、
前記アッパージャケットの外周面に固定され、前記アッパージャケットの軸方向に並ぶ複数の孔部、および前記操舵部材側の端部に設けられて前記アッパージャケットと反対側に突出する係止部を有するロックプレートと、
前記ロアージャケットにおける前記ロックプレートに対向する位置に、前記操舵部材側から順に設けられたカム部材およびロック部材と、を備え、
前記カム部材は外部から回転操作可能とされ、
前記ロック部材は、脆弱部を有する支持軸によって前記ロアージャケットに支持され、前記ロックプレートの前記孔部のいずれかに係合するロック位置と、前記孔部から離脱するロック解除位置との間を、前記カム部材の回転に連動して回転可能とされ、
前記カム部材は、突部を有し、
前記突部は、前記ロック部材が前記ロック解除位置にあるとき、前記コラムジャケットの伸縮に伴う前記係止部の移動軌跡上に位置し、前記ロック部材が前記ロック位置にあるとき、前記移動軌跡からはずれた位置にあるステアリング装置。 - 前記ロック部材が前記ロック解除位置にある場合、前記カム部材の前記突部、および前記係止部において、前記コラムジャケットの軸方向において互いに対向する部分には、互いに平行となる平面が設けられている請求項1に記載のステアリング装置。
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Cited By (2)
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KR102161282B1 (ko) * | 2019-06-27 | 2020-09-29 | 남양넥스모 주식회사 | 자동차의 조향장치 |
CN113264103A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-08-17 | 奇瑞汽车股份有限公司 | 可溃缩转向管柱及车辆 |
-
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- 2016-11-14 JP JP2016221913A patent/JP2018079747A/ja active Pending
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