JP2018079444A - 飛灰の洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛灰を洗浄するための洗浄水の給水量を抑えることができる飛灰の洗浄方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係る飛灰の洗浄方法は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備え、前記混合工程では、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する。【選択図】図2

Description

本発明は、廃棄物を焼却した際に発生する飛灰を洗浄するための飛灰の洗浄方法に関する。
廃棄物を焼却した際に発生する酸性の排ガスは、そのまま系外に排出することができないため、例えば、特許文献1に記載されているように、アルカリ性の中和剤が吹き込まれて中和された後に飛灰が捕集され、煙突等を介して系外に排出される。上記のような中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰には、中和反応により生成した塩類や未反応の中和剤、重金属等様々な有害物質が混入している。該飛灰は、埋め立てやセメント原料に用いられるなど利用価値があるものの、有害物質を含有した状態では利用することができない。そのため、従来から、有害物質が混入された飛灰を洗浄するための飛灰の洗浄設備が種々提案されている。
例えば、特許文献1に記載の飛灰の洗浄設備は、飛灰を洗浄する飛灰水洗装置と、洗浄後の飛灰を脱水する脱水機と、を備える。前記飛灰の洗浄設備は、飛灰水洗装置で飛灰と洗浄水とが混合され、塩類や中和剤等を洗浄水に溶出するように構成されている。そして、飛灰水洗装置から排出された飛灰と洗浄水との混合液が脱水機で脱水され、該混合液は、脱水ケーキと排水とに分離される。
上記飛灰の洗浄設備では、脱水ケーキは、セメント原料化される場合にはセメントキルンに投入される。排水は、排水処理設備で浄化処理されて放流される。
特開2007−83144号公報
上記従来の飛灰の洗浄設備では、排水は放流されてしまうので、飛灰を洗浄する度に飛灰水洗装置に新しい洗浄水を供給しなければならず、飛灰を洗浄するために多量の洗浄水が必要である。このように、上記従来の飛灰の洗浄設備は、飛灰洗浄のために多量の洗浄水が必要になるという問題があり、改善の余地がある。
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、飛灰を洗浄するための洗浄水の給水量を抑えることができる飛灰の洗浄方法を提供することを課題とする。
出願人は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰を洗浄水と混合した結果得られる洗浄済み水には、塩類、中和剤、重金属等、複数種類の物質が溶存しているものの、飛灰の洗浄に再利用しても不具合が生じないことを確認した。
具体的には、出願人は、飛灰と洗浄水との混合液中の溶解性蒸発残留物が所定の濃度よりも低く保たれていれば、混合液中の溶存物質が析出せず、析出物が流路を塞ぐなどの不具合が生じ難いので、洗浄済み水を飛灰の洗浄に問題無く使用できることを確認した。
即ち、本発明に係る飛灰の洗浄方法は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備え、前記混合工程では、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する。
固液分離工程で得られた洗浄済み水を飛灰の洗浄に再利用すると洗浄済み水が濃縮されていくものの、上記構成の飛灰の洗浄方法は、混合液中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで洗浄済み水で飛灰を洗うため、洗浄済み水を洗浄水として再利用することができるので、洗浄水の給水量を抑えることができる。
本発明の一態様として、前記アルカリ性の中和剤として、アルカリ金属から成る中和剤を使用してもよい。
かかる構成によれば、アルカリ性の中和剤として、アルカリ金属から成る中和剤を使用するので、洗浄済み水のpHを低く抑えることができる。そのため、該洗浄済み水を中和処理する際に必要な薬剤の量も抑えられ、洗浄済み水の中和処理を行い易い。
本発明の他態様として、前記アルカリ金属から成る中和剤として、ナトリウム系の中和剤を使用し、前記混合工程では、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が20%以上、且つ35%以下となるように、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用してもよい。
かかる構成によれば、アルカリ金属から成る中和剤のうち、ナトリウム系の中和剤を使用した際に生成される塩類は、カリウム等のその他のアルカリ金属から成る中和剤を使用した際に生成される塩類よりも水に溶けやすい(水への溶解度が高い)。そのため、溶解性蒸発残留物が35%以下であると、溶存物質がほとんど析出することなく洗浄済み水で飛灰を洗浄することができる。そのため、かかる構成によれば、混合液中の溶解性蒸発残留物を高くしつつも、溶存物質がほとんど析出しない状態で飛灰を洗浄することができ、洗浄済み水を十分に再利用することができる。
また、本発明の別の態様として、飛灰の洗浄方法は、前記脱水ケーキをすすぐすすぎ工程を備えていてもよい。
かかる構成によれば、脱水ケーキをすすぐすすぎ工程を備えているので、脱水ケーキをセメント原料にするなど、再利用に適した性状にすることができる。
また、本発明の別の態様として、前記混合工程では、前記すすぎ工程で前記脱水ケーキをすすいだすすぎ済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用してもよい。
かかる構成によれば、すすぎ工程で使用されたすすぎ済み水を飛灰の洗浄に使用することができるので、すすぎ済み水を有効利用することができる。
以上より、本発明によれば、飛灰を洗浄するための洗浄水の給水量を抑えることができる飛灰の洗浄方法を提供することができる。
図1は、廃棄物焼却施設の構成図であって、飛灰の発生から飛灰の洗浄までのフローを説明するための構成図である。 図2は、飛灰洗浄装置の構成図である。 図3は、洗浄水のpHの径時変化を表すグラフである。 図4は、洗浄水の電気伝導度の径時変化を表すグラフである。 図5は、該飛灰の洗浄に使用した水(洗浄水及びリンス水の合計)と飛灰との液固比と脱塩率との関係を表すグラフである。
本実施形態では、溶解性蒸発残留物(Total Dissolved Solid)は、水中の溶存物質の総量を意味する。溶解性蒸発残留物は、水に対する溶存物質の割合として、ppm、又はmg/lで表記される場合が多いが、本実施形態では、水に対する溶存物質の割合として%で表記している。溶解性蒸発残留物は、溶存物質が溶存した状態の水(原水)を105℃で加熱し、水分を蒸発させ、残留物の重さを前記原水の重さ、又は前記原水の容積で除することで算出される。本実施形態では、溶解性蒸発残留物は、水の重さに対する溶存物質の割合となっており、残留物の重さを原水の重さで除したものである。
本実施形態の飛灰の洗浄方法は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備える。前記混合工程では、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する。具体的には、前記混合工程では、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が20%以上、且つ35%以下となるように、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用してもよい。
また、本実施形態の飛灰の洗浄方法は、前記脱水ケーキをすすぐすすぎ工程を備え、前記混合工程では、前記すすぎ工程で前記脱水ケーキをすすいだすすぎ済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用してもよい。
本実施形態では、前記アルカリ性の中和剤(以下、中和剤とする)として、アルカリ金属から成る中和剤を使用している。具体的には、該アルカリ金属から成る中和剤として、ナトリウム系の中和剤を使用している。中和剤については、後述する。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態の飛灰の洗浄方法は、例えば、図1に示すような廃棄物焼却施設100で発生した飛灰を洗浄する際に実施される。
廃棄物焼却施設100は、廃棄物を焼却するための焼却炉1と、焼却炉1から排出される排ガスの熱回収を行うためのボイラ2と、ボイラ2へ供給される水の温度を排ガスによって上昇させるエコノマイザ3と、排ガスを冷却するための減温塔4と、該減温塔4で冷却された排ガスを中和するための中和剤投入部7と、中和処理済みの排ガスを除塵するための除塵装置5と、ボイラ2、エコノマイザ3、減温塔4、及び除塵装置5から捕集された飛灰を洗浄するための飛灰洗浄装置6と、を備える。
焼却炉1としては、例えば、ガス化溶融炉、ストーカ式焼却炉、又は流動床式焼却炉
が採用され得る。焼却炉1から排出された排ガス中には、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SOx)等の酸性ガスが含まれている。焼却炉1から排出された酸性の排ガスは、ボイラ2及びエコノマイザ3によって熱回収され、減温塔4へと送られる。
減温塔4は、例えば、塔内で水を噴霧するように構成されている。減温塔4は、酸性の排ガスを、噴霧された水に接触させることによって冷却し、塔外に排出する。減温塔4は、アルカリ性の水を噴霧することによって、酸性の排ガスを中和処理した後に塔外に排出するものであってもよい。
中和剤投入部7は、減温塔4の下流であって、除塵装置5の上流に設けられている。本実施形態では、中和剤投入部7は、減温塔4と除塵装置5とを繋ぐ配管に接続され、減温塔4から排出された排ガスに中和剤を供給するように構成されている。中和剤は、粉末状、スラリー状、又は液状の状態で排ガスに供給される。
酸性の排ガスに投入される中和剤としては、例えば、消石灰(Ca(OH))、ドロマイト(CaMg(CO)等のアルカリ土類金属から成る中和剤や、重曹(NaHCO)、苛性ソーダ(NaOH)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸水素カリウム(KHCO)、水酸化カリウム(KOH)、炭酸カリウム(KCO)等のアルカリ金属から成る中和剤が用いられる。
酸性の排ガスに投入される中和剤としては、一種類の中和剤であってもよいし、複数種類の中和剤が混合されたものであってもよい。本実施形態では、中和剤としては、アルカリ金属から成る中和剤が好ましい。具体的には、ナトリウム系の中和剤が好ましく、特に、重曹が好ましい。
酸性の排ガスは、中和剤が投入されることで中和される。例えば、酸性の排ガスと消石灰とが中和反応することによって、塩化カルシウム(CaCl)や、硫酸カルシウム(CaSO)等の塩が生成される。酸性の排ガスと重曹とが中和反応することによって、塩化ナトリウム(NaCl)、硫酸ナトリウム(NaSO)等の塩が生成される。また、酸性の排ガスと炭酸水素カリウムとが中和反応することによって、塩化カリウム(KCl)、硫酸カリウム(KSO)等の塩が生成される。中和剤は、酸性の排ガスに対して、中和処理が未反応状態とならないように過剰に投与される。そのため、除塵装置5で捕集された飛灰中には、中和反応によって生成された塩、及び未反応の中和剤が混入している。
酸性の排ガスと中和剤との中和反応によって生成された硫酸塩のうち、アルカリ土類金属と反応することによって生成された硫酸塩は、アルカリ金属と反応することによって生成された硫酸塩よりも水に対する溶解度が低い。例えば、20℃の水100mlに対する硫酸カルシウム(CaSO)の溶解度は、約0.24gであるのに対して、20℃の水100mlに対する硫酸ナトリウム(NaSO)の溶解度は、約20gであり、硫酸カリウム(KSO)の溶解度は、約11gである。そのため、飛灰を水洗浄する観点から、中和剤として、アルカリ金属から成る中和剤を使用するのが好ましく、中でもナトリウム系の中和剤を使用するのがより好ましい。
除塵装置5としては、例えば、バグフィルタ、サイクロン式集塵機、電気集塵機等が採用され得る。本実施形態の除塵装置5は、バグフィルタである。本実施形態では、除塵装置5で捕集された飛灰は、ボイラ2、エコノマイザ3、及び減温塔4から捕集された飛灰と共に飛灰集積部Pに集められ、後述する飛灰洗浄装置6の混合部61に投入される。しかしながら、除塵装置5で捕集された飛灰と、ボイラ2、エコノマイザ3、及び減温塔4から捕集された飛灰とを区別して飛灰洗浄装置6で洗浄してもよい。除塵装置5から排出された排ガスは、煙突等を介して、無害な状態で廃棄物焼却施設100外に排出される。排ガス中に窒素酸化物(N O x)やダイオキシン(D X N s)類が含まれている場合には、除塵装置5の下流に触媒塔(図示しない)を設け、排ガスは、窒素酸化物(N O x)やダイオキシン(D X N s)類が除去された後に廃棄物焼却施設100外へ排出される。符号Aは、系外に排出される排ガスを表している。
飛灰洗浄装置6は、飛灰を水洗浄すると共に、飛灰と洗浄水との混合液を脱水するように構成されている。図2に示すように、本実施形態の飛灰洗浄装置6は、飛灰と洗浄水とを混合するための混合部61と、混合部61で混合された飛灰と洗浄水との混合液Wを固液分離して、飛灰を含有した脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離部62と、固液分離部62で得られた脱水ケーキを系外へ排出するための脱水ケーキ排出経路63と、固液分離部62で得られた洗浄済み水を排水する排水経路64と、固液分離部62で得られた洗浄済み水を洗浄水として混合部61に給水するための再利用経路65と、混合部61から排出された混合液Wを固液分離部62に供給するポンプ66と、を備える。本実施形態の飛灰洗浄装置6は、脱水ケーキをすすぐためのリンス水を供給するリンス水供給経路68を更に備える。
洗浄水とは、飛灰を洗浄するために混合部61に供給される水であり、飛灰の洗浄のために再利用される洗浄済み水、すすぎ済み水、及び飛灰を洗浄するために洗浄済み水及びすすぎ済み水とは別に準備された洗浄用原水とを含めた概念である。洗浄済み水とは、飛灰に混入している塩、及び未反応の中和剤等(以下、塩類ともいう)が溶出した状態の水であって、固液分離部62で得られた水を意味するものである。洗浄済み水は、混合部61に供給される場合には、洗浄水として扱われる水である。
混合部61は、飛灰と洗浄水とが投入される混合槽611と、該混合槽611内で飛灰と洗浄水とを撹拌するための撹拌部612とを備える。混合部61は、飛灰に混入している塩類を洗浄水中に溶出させる部分である。混合部61は、混合槽611に飛灰が投入され、洗浄用原水(符号Dで表される)や、洗浄済み水が供給されることで、混合槽611内に飛灰と洗浄水とを貯留するように構成されている。本実施形態では、飛灰の洗浄はバッチ操作によって実施されるが、連続式で実施されてもよい。
混合液Wは、混合槽611内で所定時間撹拌され、飛灰中の塩類が溶出して混合液Wの溶解性蒸発残留物の上昇が止まると、ポンプ66を介して固液分離部62に移送される。そのため、混合部61(混合槽611)から排出された混合液Wは、塩類が除去された洗浄飛灰と、塩類が溶存した洗浄済み水とが混合された状態のものである。
固液分離部62は、混合液Wを脱水して、飛灰を含有した脱水ケーキと洗浄済み水とを得るように構成されている。即ち、固液分離部62は、混合液Wを濃縮して脱水ケーキを集積する濃縮部621と、混合液Wを濃縮することで得られる洗浄済み水を回収する液回収部622とを有する。本実施形態の固液分離部62は、例えば、濾布を用いたフィルタープレス(圧搾)によって混合液Wを固液分離するフィルタープレス機である。例えば、フィルタープレス機は、混合部61で得られた混合液Wがポンプ66によって濃縮部621に圧送されることで、濾布を介して、混合液Wよりも固形分(飛灰)の濃度が高い脱水ケーキと、混合液Wよりも固形分の濃度が低い洗浄済み水とに混合液Wを分離するように構成されている。
本実施形態の固液分離部62は、脱水ケーキ中の水の塩素濃度を下げるために脱水ケーキをリンス水ですすぐように構成されている。即ち、固液分離部62は、濃縮部621にリンス水を供給可能に構成されている。本実施形態では、固液分離部62は、リンス水がポンプ66によって濃縮部621に圧送され、濃縮部621中の脱水ケーキに含水した洗浄済み水をリンス水で置換するように構成されている。また、固液分離部62は、脱水ケーキから、該脱水ケーキをすすいだすすぎ済み水を分離可能に構成されている。このように、固液分離部62は、すすぎ工程を実施し得るように構成されることで、脱水ケーキ中の洗浄済み水をリンス水で置換して脱水ケーキの塩素濃度を下げ、該脱水ケーキをセメント原料に利用可能な性状にすることができる。固液分離部62は、例えば、ベルトプレス機や遠心脱水機であってもよい。
脱水ケーキ排出経路63は、固液分離部62で濃縮された脱水ケーキを系外に排出する経路である。脱水ケーキ排出経路63は、固液分離部62の濃縮部621に接続されているか、又は濃縮部621から排出された脱水ケーキを受けるように構成されている。脱水ケーキは、脱水ケーキ排出経路63を介して系外に持ち出され、埋め立て、セメント原料等に再利用される。符号Bは、系外に排出される脱水ケーキを表している。
排水経路64は、固液分離部62から得られた洗浄済み水やすすぎ済み水を系外に排水する経路である。排水経路64は、固液分離部62の液回収部622に接続されている。飛灰洗浄装置6から排出された排水は、排水経路64を介して図示しない他の浄化処理設備に送られ、浄化処理される。符号Cは、系外に排水される洗浄済み水又はすすぎ済み水を表している。
即ち、固液分離部62は、濃縮部621が脱水ケーキ排出経路63に接続され、液回収部622が排水経路64に接続されていることで、固液分離後の脱水ケーキと洗浄済み水とを、固液分離部62の外に排出できるように構成されている。
再利用経路65は、固液分離部62で得られた洗浄済み水を洗浄水として混合部61に給水する経路である。再利用経路65は、一端がタンク等の貯留設備(図示しない)に接続され、他端が混合部61に対して開放されている。具体的には、固液分離部62から排出された洗浄済み水は、排水経路64を介してタンク等の貯留設備に貯留され、別途設けられたポンプ(図示しない)によって圧送されることで、再利用経路65を介して混合部61に給水される。
ポンプ66は、混合部61から排出された混合液Wを固液分離部62に移送する。また、ポンプ66は、リンス水を濃縮部621に移送可能に構成されている。ポンプ66は、混合部61と固液分離部62とを接続する移送配管67内に介装されている。
リンス水供給経路68は、固液分離部62の濃縮部621にリンス水を供給する経路である。本実施形態のリンス水供給経路68は、移送配管67に接続されている。具体的には、リンス水供給経路68は、移送配管67のうちのポンプ66の吸込み側に設けられた上流配管671に接続されている。リンス水は、ポンプ66によって圧送され、ポンプ66の吐出側に設けられた下流配管672を介して固液分離部62に送られる。例えば、リンス水として、水道水や工業用水、地下水、工業排水が採用される。符号Eは、系内に導入されるリンス水を表している。
廃棄物焼却施設100についての説明は以上である。以下、飛灰の洗浄方法について、更に具体的に説明する。
洗浄済み水を飛灰の洗浄のために再利用するにあたって、混合液W中に析出物が生じない範囲内で洗浄済み水を飛灰の洗浄に再利用することとし、飛灰の洗浄に使用される洗浄水を大幅に削減するに至った。具体的には、飛灰を中和処理する中和剤として、アルカリ土類金属から成る中和剤を使用した場合には、混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%程度となると、混合液Wに析出物が発生することを確認した。また、アルカリ金属から成る中和剤を使用した場合には、混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%以上であっても析出物が生じないことを確認した。更に、ナトリウム系の中和剤を使用した場合には、溶解性蒸発残留物が35%以下であれば、析出物が生じないことを確認した。
飛灰集積部Pに集められた飛灰を混合槽611に投入し、混合槽611内で洗浄水と飛灰との液固比が5〜10となるように、混合部61に洗浄用原水を導入する。混合工程では、撹拌部612を駆動して、混合槽611内で、飛灰と洗浄用原水とを所定時間撹拌し、飛灰に混入していた塩類を洗浄用原水に溶出させる。飛灰と洗浄用原水との混合を1回目の洗浄操作として、該1回目の洗浄操作後の固液分離工程で得られた洗浄済み水を第1洗浄済み水と称する。1回目の洗浄操作が終了した時点で、混合液W中の溶解性蒸発残留物を確認する。
一般的に、洗浄前の飛灰には、塩化物が硫酸塩よりも多量に含有されている。塩化カルシウム(CaCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、及び塩化カリウム(KCl)等の塩化物の溶解度は、20℃の水100mlに対して15g以上であるため、1回目の洗浄操作終了時点では、通常、混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%以下となる。
混合工程後、固液分離工程に移行する。固液分離工程では、混合液Wを固液分離部62に通して固液分離(脱水)し、飛灰を含有した脱水ケーキと第1洗浄済み水とを得る。固液分離工程後、固液分離部62から排出された第1洗浄済み水を、再利用経路65を介して混合部61に戻すか、タンク等の貯留設備に貯留しておく。続いて、固液分離部62で得られた脱水ケーキをすすぐすすぎ工程に移行する。
すすぎ工程では、固液分離部62の濃縮部621にリンス水を供給し、脱水ケーキ中の第1洗浄済み水をリンス水で置換する。すすぎ工程では、リンス水と飛灰との液固比が2.5〜5となるように、リンス水供給経路68を介して濃縮部621にリンス水を導入する。脱水ケーキをリンス水ですすぐことによって、脱水ケーキの塩素濃度を下げることができる。具体的には、セメント中の塩素濃度は、350ppm以下であることが好ましく、脱水ケーキをセメント原料に利用する場合には、脱水ケーキ中の塩素濃度を極力下げる必要がある。例えば、固形分及び水分を含めた脱水ケーキ全体として塩素濃度が1%以下であることが好ましい。また、乾燥後の脱水ケーキ中の塩素濃度が1%以下であることがより好ましい。脱水ケーキ中の塩素濃度を下げた結果、例えば、乾燥後の脱水ケーキ中の塩素濃度が1%まで下がった場合には、約3%の飛灰をセメント原料として使用できるようになる。
脱水後の脱水ケーキの含水率をA%とし、すすぎ後の脱水ケーキ中の塩素濃度をX%とする。セメント原料となる乾燥した脱水ケーキ中の塩素濃度をY%とすると、A、X、及びYには以下の関係がある。
Y = 100・X/(100−A)
即ち、すすぎ工程では、乾燥した脱水ケーキ中の塩素濃度の目標値を定め、脱水ケーキの含水率から、すすぎ後の脱水ケーキに対してどの値まで塩素濃度を下げる必要があるかを算出し、脱水ケーキ中の塩素濃度が該値以下となるように、脱水ケーキをすすぐ。
例えば、脱水ケーキの固形分に含まれた塩素濃度が限りなくゼロに近い場合でも、すすぎ前の脱水ケーキ中の水分は、溶解性蒸発残留物が比較的高い状態の洗浄済み水であるので、乾燥後の飛灰中の塩素濃度が1%を超えてしまう場合がある。そのため、本実施形態では、脱水ケーキ全体としての塩素濃度を下げ、セメント原料として適切な塩素濃度となるようにすすぎ工程で脱水ケーキをすすぐ。すすぎ工程後、固液分離部62から排出されたすすぎ済み水を、タンク等の貯留設備(図示しない)に貯留しておく。
次に、混合工程で、洗浄済み水を再利用する方法について説明する。以下、洗浄済み水又はすすぎ済み水を混合槽611に給水する工程を再利用工程と称する。再利用工程は、固液分離工程又はすすぎ工程と平行して実施されてもよく、固液分離工程及びすすぎ工程が終了してから実施されてもよい。本実施形態では、固液分離工程及びすすぎ工程が終了した後に、再利用工程が実施される場合について説明する。第1洗浄済み水が貯留された貯留設備及びすすぎ済み水が貯留された貯留設備は、それぞれ再利用経路65に接続されており、再利用経路65は、それぞれの貯留設備から、図示しないポンプを介して水を汲み上げ可能に構成されている。再利用工程では、洗浄済み水が不足した場合に、すすぎ済み水を洗浄水として混合槽611に給水してもよい。また、再利用工程では、洗浄水として、洗浄用原水を給水することもできる。
空の状態の混合槽611内に、飛灰集積部Pに集められた飛灰を投入し、混合槽611内で洗浄水と飛灰との液固比が5〜10となるように、再利用経路65を介して第1洗浄済み水を洗浄水として給水する。続いて混合工程に移行し、1回目の洗浄操作と同様に、混合槽611内で飛灰と第1洗浄済み水としての洗浄水とを所定時間撹拌し、飛灰に混入していた塩類を洗浄水に溶出させる。この洗浄操作を2回目の洗浄操作として、該2回目の洗浄操作後の固液分離工程で得られた洗浄済み水を第2洗浄済み水と称する。2回目の洗浄操作が終了した時点で、混合液W中の溶解性蒸発残留物を確認する。そして、混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%となるまで(又は35%以下となるように)上記の洗浄操作を繰り返す。混合工程後の固液分離工程、及びすすぎ工程についてはすでに説明した固液分離工程及びすすぎ工程と同様であるため、説明は繰り返さない。
例えば、洗浄水と飛灰との液固比を5、リンス水と飛灰との液固比を2.5として混合工程及びすすぎ工程を実施し、5回目の洗浄操作の終了時点で混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%に達したとする。この場合、5回の洗浄操作の全てにおいて洗浄用原水を使用した場合には、飛灰に対して37.5倍((5+2.5)×5)の洗浄水を使用したこととなる。これに対して、本実施形態のように、5回の洗浄操作の全てにおいて洗浄済み水を洗浄水として再利用した場合には、飛灰に対して17.5倍(5+2.5×5)の洗浄水を使用したこととなる。このことからも明らかなように、洗浄済み水を再利用することで、飛灰に対して約20倍もの水を節約することができる。
また、中和剤として、ナトリウム系の中和剤を使用した場合には、アルカリ土類金属から成る中和剤やカリウム等のその他のアルカリ金属から成る中和剤を使用した場合よりも、中和によって生成される塩の溶解度が高いため、混合液W中の溶解性蒸発残留物が20%以上、且つ35%以下となるまで洗浄済み水を再利用できる。そのため、中和剤として、アルカリ土類金属から成る中和剤やカリウム等のその他のアルカリ金属から成る中和剤を使用した場合よりも、洗浄済み水を再利用できる回数が増えるので、洗浄水を一層節約することができる。
ここで、ナトリウム系の中和剤によって中和処理済みの飛灰中には、塩化ナトリウムが多量に存在する。20℃の水100mlに対する塩化ナトリウムの溶解度が約36gであるが、硫酸塩の存在も考慮して、混合液W中の溶解性蒸発残留物の上限を35%とした。
溶解性蒸発残留物が35%を超えた後の洗浄済み水は、排水経路64を介して中和処理設備等の他の浄化処理設備に送られ、浄化処理される。又は、溶解性蒸発残留物が35%を超えた後の洗浄済み水は、蒸発固化されてもよい。この場合、塩濃度が高い洗浄済み水を蒸発固化するので、塩濃度が低い洗浄済み水を蒸発固化する場合と比較して、蒸発固化に要する熱エネルギーを抑えることができ、エネルギー的にも有利である。本実施形態ではナトリウム系の中和剤(アルカリ金属から成る中和剤に同じ)を使用しているので、洗浄済み水のpHは、アルカリ土類金属から成る中和剤を使用した場合よりも低く(図3参照)、洗浄済み水の中和処理に必要な薬剤も節約することができる。
以下、本実施形態の作用についてまとめる。本実施形態の飛灰の洗浄法によれば、固液分離工程で得られた洗浄済み水を飛灰の洗浄に再利用すると洗浄済み水が濃縮されていくものの、上記構成の飛灰の洗浄方法は、混合液W中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで洗浄済み水で飛灰を洗うため、洗浄済み水を洗浄水として再利用することができるので、洗浄水の給水量を抑えることができる。
また、上記実施形態では、アルカリ性の中和剤として、アルカリ金属から成る中和剤を使用するので、洗浄済み水のpHを低く抑えることができる。そのため、該洗浄済み水を中和処理する際に必要な薬剤の量も抑えられ、洗浄済み水の中和処理を行い易い。
また、上記実施形態によれば、アルカリ金属から成る中和剤のうち、ナトリウム系の中和剤を使用した際に生成される塩類は、カリウム等のその他のアルカリ金属から成る中和剤を使用した際に生成される塩類よりも水に溶けやすい(水への溶解度が高い)。そのため、溶解性蒸発残留物が35%以下であると、溶存物質がほとんど析出することなく洗浄済み水で飛灰を洗浄することができる。そのため、かかる構成によれば、混合液W中の溶解性蒸発残留物を高くしつつも、溶存物質がほとんど析出しない状態で飛灰を洗浄することができ、洗浄済み水を十分に再利用することができる。
また、上記実施形態によれば、脱水ケーキをすすぐすすぎ工程を備えているので、脱水ケーキをセメント原料にするなど、再利用に適した性状にすることができる。
また、上記実施形態によれば、すすぎ工程で使用されたすすぎ済み水を飛灰の洗浄に使用することができるので、すすぎ済み水を有効利用することができる。
上記実施形態において、中和剤としてアルカリ金属から成る中和剤を使用した場合、中和剤としてアルカリ土類金属から成る中和剤を使用する場合と比較して、洗浄済み水のpHを低くすることができる。具体的には、図3に示すように、重曹によって中和処理された重曹灰と、消石灰によって中和処理された消石灰灰とを比較すると、撹拌を開始してから終了するまで、重曹灰の洗浄水(若しくは洗浄済み水)のpHが、消石灰灰の洗浄水(若しくは洗浄済み水)のpHよりも低いことが分かる。図3からも明らかなように、アルカリ金属から成る中和剤を使用することによって、洗浄済み水のpHを低く抑えることができるので、洗浄済み水の中和処理に要する薬剤量も抑えることができ、中和処理に係る負担が軽減される。尚、図3では、液固比は7.5(洗浄水5倍、リンス水2.5倍)としている。
また、図4に示すように、上記実施形態において、中和剤としてアルカリ金属から成る中和剤を使用した場合、中和剤としてアルカリ土類金属から成る中和剤を使用する場合と比較して、塩類の洗浄水への溶解速度が速い。そのため、中和剤としてアルカリ金属から成る中和剤を使用することで、混合工程を短くすることができ、飛灰の洗浄処理能力を上げることができる。具体的には、重曹灰の洗浄水(若しくは洗浄済み水)の電気伝導度は、攪拌を開始すると略同時に9S/mを超え、その後、わずかに上昇する。このことから、重曹灰を洗浄する場合には、攪拌と略同時にほとんどの塩類が溶出することがわかる。これに対して、消石灰灰の洗浄水(若しくは洗浄済み水)の電気伝導度は、攪拌後20分間で徐々に上昇している。このことから、消石灰灰を洗浄する場合には、塩類の溶出に時間がかかることがわかる。このように、アルカリ金属系の塩類は、アルカリ土類金属系の塩類よりも水に対して早く溶解するため、中和剤としてアルカリ金属から成る中和剤を使用した場合、混合工程を短くすることができる。
更に、上記実施形態において、中和剤としてアルカリ金属から成る中和剤を使用することによって、中和剤としてアルカリ土類金属から成る中和剤を使用する場合と比較して、脱塩率を高くすることができる。具体的には、図5に示すように、重曹灰と消石灰灰とを同じ液固比で洗浄すると共に、該液固比を7.5倍(洗浄水5倍、リンス水2.5倍)、10倍(洗浄水5倍、リンス水5倍)、12.5倍(洗浄水10倍、リンス水2.5倍)、及び15倍(洗浄水10倍、リンス水5倍)と上昇させた結果、全ての液固比において、重曹灰の脱塩率が消石灰灰の脱塩率よりも高く、且つ重曹灰は液固比が低くとも脱塩率が高いことが分かった。図5からも明らかなように、重曹灰を使用した場合、液固比が小さくても高い脱塩率を得られるので、混合槽611のサイズを小さくすることができる。本実施形態では、脱塩率Z%は、洗浄前の飛灰の塩素濃度をB%、洗浄後の飛灰の塩素濃度をC%として、以下の式で算出される。
Z = ((B−C)/B)・100
尚、本発明の飛灰の洗浄方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態では、飛灰の洗浄方法が、廃棄物焼却施設100で発生した飛灰を洗浄する際に実施される場合について説明したが、これに限定されるものではない。飛灰の洗浄方法は、例えば、石炭火力発電プラント等、焼却プロセスを有する各種の施設で実施することができる。
上記実施形態では特に言及するものではないが、すすぎ済み水をリンス水として再利用することも可能である。
上記実施形態では、洗浄済み水及びすすぎ済み水を混合部61に給水することによって再利用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。洗浄済み水及びすすぎ済み水は、他の飛灰洗浄装置の混合部に給水されることで再利用されたり、他の廃棄物焼却施設で再利用されたりしてもよい。
上記実施形態では特に言及するものではないが、混合部61は、混合液W中の溶解性蒸発残留物を測定する手段を備えていてもよく、混合液W中の溶解性蒸発残留物が所定の値に到達した時点で作業者等に通知するようにしてもよい。
100…廃棄物焼却施設、1…焼却炉、2…ボイラ、3…エコノマイザ、4…減温塔、5…除塵装置、6…飛灰洗浄装置、7…中和剤投入部、61…混合部、611…混合槽、612…撹拌部、62…固液分離部、621…濃縮部、622…液回収部、63…脱水ケーキ排出経路、64…排水経路、65…再利用経路、66…ポンプ、67…移送配管、671…上流配管、672…下流配管、68…リンス水供給経路、A…排ガス、B…脱水ケーキ、C…洗浄済み水又はすすぎ済み水、D…洗浄用原水、E…リンス水、P…飛灰集積部
出願人は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰を洗浄水と混合した結果得られる洗浄済み水には、塩類、中和剤、重金属等、複数種類の物質が溶存しているものの、飛灰の洗浄に再利用しても不具合が生じないことを確認した。
具体的には、出願人は、飛灰と洗浄水との混合液中の溶解性蒸発残留物が所定の濃度よりも低く保たれていれば、混合液中の溶存物質が析出せず、析出物が流路を塞ぐなどの不具合が生じ難いので、洗浄済み水を飛灰の洗浄に問題無く使用できることを確認した。
即ち、本発明に係る飛灰の洗浄方法は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液中の溶解性蒸発残留物濃度を入手する工程と、前記混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備え、前記混合工程では、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の前記溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する。
出願人は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰を洗浄水と混合した結果得られる洗浄済み水には、塩類、中和剤、重金属等、複数種類の物質が溶存しているものの、飛灰の洗浄に再利用しても不具合が生じないことを確認した。
具体的には、出願人は、飛灰と洗浄水との混合液中の溶解性蒸発残留物が所定の濃度よりも低く保たれていれば、混合液中の溶存物質が析出せず、析出物が流路を塞ぐなどの不具合が生じ難いので、洗浄済み水を飛灰の洗浄に問題無く使用できることを確認した。
即ち、本発明に係る飛灰の洗浄方法は、アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液中の溶解性蒸発残留物濃度を入手する工程と、前記混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備え、前記混合工程では、前記洗浄済み水(前記脱水ケーキを洗浄して得られた水を除く)を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の前記溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する。

Claims (5)

  1. アルカリ性の中和剤で中和処理済みの排ガスから捕集された飛灰と洗浄水とを混合する混合工程と、前記混合工程で得られた前記飛灰と前記洗浄水との混合液を固液分離して、脱水ケーキと洗浄済み水とを得る固液分離工程と、を備え、前記混合工程では、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が少なくとも20%になるまで再利用する飛灰の洗浄方法。
  2. 前記アルカリ性の中和剤として、アルカリ金属から成る中和剤を使用する、請求項1に記載の飛灰の洗浄方法。
  3. 前記アルカリ金属から成る中和剤として、ナトリウム系の中和剤を使用し、前記混合工程では、前記混合液中の溶解性蒸発残留物が20%以上、且つ35%以下となるように、前記洗浄済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用する、請求項2に記載の飛灰の洗浄方法。
  4. 前記脱水ケーキをすすぐすすぎ工程を備える、請求項1〜3の何れか1項に記載の飛灰の洗浄方法。
  5. 前記混合工程では、前記すすぎ工程で前記脱水ケーキをすすいだすすぎ済み水を、少なくとも前記洗浄水の一部として再利用する、請求項4に記載の飛灰の洗浄方法。
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