JP2018077324A - 波長変換部材及び発光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光取出し効率に優れ、発光強度に優れた波長変換部材と、それを用いた発光装置を提案する。【解決手段】蛍光体4を含む波長変換部材本体1と、波長変換部材本体1の表面に形成されてなり、中空粒子6を含む反射防止層2と、を備えていることを特徴とする波長変換部材10。【選択図】図1
Description
本発明は、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザーダイオード(LD:Laser Diode)等の発する光の波長を別の波長に変換する波長変換部材及びそれを用いた発光装置に関するものである。
近年、蛍光ランプや白熱灯に変わる次世代の光源として、LEDやLDを用いた発光装置等に対する注目が高まってきている。そのような次世代光源の一例として、青色光を出射するLEDと、LEDからの光の一部を吸収して黄色光に変換する波長変換部材とを組み合わせた発光装置が開示されている。この発光装置は、LEDから出射された青色光と、波長変換部材から出射された黄色光との合成光である白色光を発する。特許文献1には、波長変換部材の一例として、ガラスマトリクス中に無機蛍光体粉末を分散させた波長変換部材が提案されている。
上記の発光装置に使用される波長変換部材は、表面における光の散乱や反射によるロスが大きく、光取出し効率が低いため、発光強度に劣るという問題がある。
従って、本発明は、光取出し効率に優れ、発光強度に優れた波長変換部材と、それを用いた発光装置を提案することを目的とする。
本発明の波長変換部材は、蛍光体を含む波長変換部材本体と、波長変換部材本体の表面に形成されてなり、中空粒子を含む反射防止層と、を備えていることを特徴とする。波長変換部材に含まれる蛍光体や、蛍光体を分散させるためのマトリクス部の屈折率は、一般的に外部の空気(屈折率nd=1.0)と比べて高いため、波長変換部材と外部の空気との屈折率差が大きくなる。(例えばYAG蛍光体の屈折率はnd=1.8、マトリクス部としてガラスの屈折率はnd=1.5〜2.0程度、樹脂の屈折率はnd=1.4〜1.6程度である。)この屈折率差が原因となって、波長変換部材表面での光散乱や反射ロスが発生しやすく、光取出し効率低下の原因になっていると考えられる。そこで、本発明の波長変換部材においては、波長変換部材本体表面に中空粒子を含む反射防止層を形成することにより、上記課題の解決を図っている。具体的には、中空粒子は内部に気孔を有するため、同じ材質の中実粒子と比較して屈折率が低いという特徴を有する。つまり、波長変換部材本体と、外部の空気層との間に、比較的低い屈折率の中空粒子を含む反射防止層を形成することにより、波長変換部材本体→反射防止層→空気層と屈折率が漸減する構成となる。これにより、各層の屈折率差が小さくなり、各層の界面における光の散乱や反射のロスが低減でき、光取出し効率を向上させることが可能となる。なお、波長変換部材本体に含まれる蛍光体の濃度が高い場合、波長変換部材本体表面における蛍光体濃度も高くなる(場合によっては、波長変換部材本体表面に蛍光体が露出する)ため、本発明の構成を採用することによる効果を享受しやすくなる。
本発明の波長変換部材において、中空粒子の屈折率(nd)が1.1〜1.45であることが好ましい。このようにすれば、反射防止層の反射防止機能が得やすくなる。
本発明の波長変換部材において、中空粒子がシリカからなることが好ましい。シリカは比較的屈折率が低いため、反射防止層の反射防止機能が得やすくなる。
本発明の波長変換部材において、中空粒子の平均粒子径が0.005〜5μmであることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、反射防止層が、バインダと、バインダ中に分散された中空粒子から構成されていることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、反射防止層の厚みが0.005〜20μmであることが好ましい。
本発明の波長変換部材において、中空粒子の屈折率が、波長変換部材本体側から反射防止層表面側に向けて漸減していることが好ましい。このようにすれば、反射防止層の反射防止機能をさらに向上させることが可能となる。
本発明の波長変換部材において、波長変換部材本体が、ガラスマトリクス中に蛍光体粉末が分散してなることが好ましい。このようにすれば、耐熱性に優れた波長変換部材を得ることが可能となる。
本発明の発光装置は、上記の波長変換部材と、波長変換部材に励起光を照射する光源と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、光取出し効率に優れ、発光強度に優れた波長変換部材と、それを用いた発光装置を提案することができる。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(1)第1の実施形態に係る波長変換部材
図1は本発明の第1の実施形態に係る波長変換部材10を示す模式的断面図である。本実施形態に係る波長変換部材10は、波長変換部材本体1とその表面に形成された反射防止層2を備えている。波長変換部材本体1はマトリクス3中に蛍光体4を含んでなる構造を有している。一方、反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有している。このように、波長変換部材本体1の表面に反射防止層2を形成することにより、波長変換部材本体1表面における光の散乱や反射のロスが低減でき、光取出し効率を向上させることが可能となる。
図1は本発明の第1の実施形態に係る波長変換部材10を示す模式的断面図である。本実施形態に係る波長変換部材10は、波長変換部材本体1とその表面に形成された反射防止層2を備えている。波長変換部材本体1はマトリクス3中に蛍光体4を含んでなる構造を有している。一方、反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有している。このように、波長変換部材本体1の表面に反射防止層2を形成することにより、波長変換部材本体1表面における光の散乱や反射のロスが低減でき、光取出し効率を向上させることが可能となる。
(波長変換部材本体1)
波長変換部材本体1は、例えばガラスマトリクスと蛍光体粉末とを含む蛍光体ガラスからなる。蛍光体粉末はガラスマトリクス中に分散されている。波長変換部材本体1の形状は発光素子3の形状に応じて適宜選択すれば良いが、通常は矩形の板状、具体的には正方形の板状である。
波長変換部材本体1は、例えばガラスマトリクスと蛍光体粉末とを含む蛍光体ガラスからなる。蛍光体粉末はガラスマトリクス中に分散されている。波長変換部材本体1の形状は発光素子3の形状に応じて適宜選択すれば良いが、通常は矩形の板状、具体的には正方形の板状である。
ガラスマトリクスは、無機蛍光体等の蛍光体粉末の分散媒として用いることができるものであれば特に限定されない。例えば、ホウ珪酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、スズリン酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラス、テルライト系ガラスなどを用いることができる。ホウ珪酸塩系ガラスとしては、質量%で、SiO2 30〜85%、Al2O3 0〜30%、B2O3 0〜50%、Li2O+Na2O+K2O 0〜10%、及び、MgO+CaO+SrO+BaO 0〜50%を含有するものが挙げられる。スズリン酸塩系ガラスとしては、モル%で、SnO 30〜90%、P2O5 1〜70%を含有するものが挙げられる。テルライト系ガラスとしては、モル%で、TeO2 50%以上、ZnO 0〜45%、RO(RはCa、Sr及びBaから選択される少なくとも1種)0〜50%、及び、La2O3+Gd2O3+Y2O3 0〜50%を含有するものが挙げられる。
ガラスマトリクスの軟化点は、250℃〜1000℃であることが好ましく、300℃〜950℃であることがより好ましく、500℃〜900℃の範囲内であることがさらに好ましい。ガラスマトリクスの軟化点が低すぎると、波長変換部材本体の機械的強度や化学的耐久性が低下する場合がある。また、ガラスマトリクス自体の耐熱性が低いため、無機蛍光体から発生する熱により軟化変形するおそれがある。一方、ガラスマトリクスの軟化点が高すぎると、製造時に焼成工程が含まれる場合、蛍光体粉末が劣化して、波長変換部材本体1の発光強度が低下する場合がある。なお、波長変換部材本体1の化学的安定性及び機械的強度を高める観点からはガラスマトリクスの軟化点は500℃以上、600℃以上、700℃以上、800℃以上、特に850℃以上であることが好ましい。そのようなガラスとしては、ホウ珪酸塩系ガラスが挙げられる。ただし、ガラスマトリクスの軟化点が高くなると、焼成温度も高くなり、結果として製造コストが高くなる傾向がある。よって、波長変換部材10を安価に製造する観点からは、ガラスマトリクスの軟化点は550℃以下、530℃以下、500℃以下、480℃以下、特に460℃以下であることが好ましい。そのようなガラスとしては、スズリン酸塩系ガラス、ビスマス酸塩系ガラス、テルライト系ガラスが挙げられる。
蛍光体粉末は、励起光の入射により蛍光を出射するものであれば、特に限定されるものではない。蛍光体粉末の具体例としては、例えば、酸化物蛍光体、窒化物蛍光体、酸窒化物蛍光体、塩化物蛍光体、酸塩化物蛍光体、硫化物蛍光体、酸硫化物蛍光体、ハロゲン化物蛍光体、カルコゲン化物蛍光体、アルミン酸塩蛍光体、ハロリン酸塩化物蛍光体及びガーネット系化合物蛍光体から選ばれた1種以上等が挙げられる。励起光として青色光を用いる場合、例えば、緑色光、黄色光または赤色光を蛍光として出射する蛍光体を用いることができる。
蛍光体粉末の平均粒子径は1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜25μmであることがより好ましい。蛍光体粉末の平均粒子径が小さすぎると、発光強度が低下する場合がある。一方、蛍光体粉末の平均粒子径が大きすぎると、発光色が不均一になる場合がある。
波長変換部材本体1中での蛍光体粉末の含有量は、1体積%以上、1.5体積%以上、特に2体積%であることが好ましく、70体積%以下、50体積%以下、30体積%以下であることが好ましい。蛍光体粉末の含有量が少なすぎると、所望の発光色を得るために波長変換部材本体1の厚みを厚くする必要があり、その結果、波長変換部材本体1の内部散乱が増加することで、光取り出し効率が低下する場合がある。一方、蛍光体粉末の含有量が多すぎると、所望の発光色を得るために波長変換部材本体1の厚みを薄くする必要があるため、波長変換部材本体1の機械的強度が低下する場合がある。
波長変換部材本体1の厚みは、0.01mm以上、0.03mm以上、0.05mm以上、0.075mm以上、0.1mm以上であることが好ましく、1mm以下、0.5mm以下、0.35mm以下、0.3mm以下、0.25mm以下であることが好ましい。波長変換部材本体1の厚みが厚すぎると、波長変換部材本体1における光の散乱や吸収が大きくなりすぎ、蛍光の出射効率が低くなってしまう場合がある。波長変換部材本体1の厚みが薄すぎると、十分な発光強度が得られにくくなる場合がある。また、波長変換部材本体1の機械的強度が不十分になる場合がある。
なお、波長変換部材本体1は蛍光体ガラスからなるもの以外にも、YAGセラミックス等のセラミックスからなるものや、樹脂中に蛍光体粉末が分散したものであってもよい。
(反射防止層2)
反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有している。
反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有している。
バインダ5としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フッ素樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂等の有機樹脂や、アルコキシシラン等の加水分解性有機ケイ素化合物が挙げられる。
中空粒子6の屈折率(nd)は1.1〜1.45、特に1.2〜1.4であることが好ましい。中空粒子6の屈折率が低すぎるまたは高すぎると、反射防止層2の反射防止機能が得にくくなる。なお、中空粒子6は無機粒子または有機粒子のいずれも使用可能であるが、耐熱性に優れ比較的屈折率が低いシリカからなるものであることが好ましい。このようにすれば、反射防止層2の反射防止機能が得やすくなる。なお、中空粒子6の屈折率は以下のようにして測定することができる。屈折率が既知の標準屈折率液と中空粒子6を混合する。この操作を種々の標準屈折率液で行い、混合液が透明になったときの標準屈折率液の屈折率を中空粒子6の屈折率とする。
中空粒子の平均粒子径は0.005〜5μm、0.01〜3μm、特に0.1〜1μmであることが好ましい。中空粒子の平均粒子径が小さすぎるまたは大きすぎると、反射防止層2の反射防止機能が得にくくなる。
反射防止層2の厚みは0.005〜20μm、特に0.05〜1μmであることが好ましい。反射防止層2の厚みが小さすぎると、所望の反射防止機能が得にくくなる。一方、反射防止層2の厚みが大きすぎると、クラックが発生しやすくなる。
なお、本実施形態では反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有しているが、それに限定されない。例えば、反射防止層2が中空粒子6のみから構成されていてもよい。具体的には、中空粒子6が波長変換部材本体1表面に融着等により直接結着することにより反射防止層2を構成していてもよい。
なお、本実施形態では反射防止層2はバインダ5中に中空粒子6を含んでなる構造を有しているが、それに限定されない。例えば、反射防止層2が中空粒子6のみから構成されていてもよい。具体的には、中空粒子6が波長変換部材本体1表面に融着等により直接結着することにより反射防止層2を構成していてもよい。
(2)第2の実施形態に係る波長変換部材
図2は本発明の第2の実施形態に係る波長変換部材20を示す模式的断面図である。本実施形態に係る波長変換部材20は、反射防止層2の構造が第1の実施形態に係る波長変換部材10と異なる。具体的には、反射防止層2が反射防止層2aと反射防止層2bの2層からなる。ここで、反射防止層2bに含まれる中空粒子6bは、反射防止層2aに含まれる中空粒子6aよりも屈折率が低い。つまり、本実施形態に係る波長変換部材20は、反射防止層2に含まれる中空粒子6の屈折率が、波長変換部材本体1側から反射防止層2表面側に向けて漸減(段階的に低減)している構造を有する。このようにすれば、反射防止層2の反射防止機能をさらに向上させることが可能となる。
図2は本発明の第2の実施形態に係る波長変換部材20を示す模式的断面図である。本実施形態に係る波長変換部材20は、反射防止層2の構造が第1の実施形態に係る波長変換部材10と異なる。具体的には、反射防止層2が反射防止層2aと反射防止層2bの2層からなる。ここで、反射防止層2bに含まれる中空粒子6bは、反射防止層2aに含まれる中空粒子6aよりも屈折率が低い。つまり、本実施形態に係る波長変換部材20は、反射防止層2に含まれる中空粒子6の屈折率が、波長変換部材本体1側から反射防止層2表面側に向けて漸減(段階的に低減)している構造を有する。このようにすれば、反射防止層2の反射防止機能をさらに向上させることが可能となる。
本実施形態に係る波長変換部材20では反射防止層2が2層からなるが、これに限定されず、反射防止層2が3層以上で構成されていてもよい。その場合も、反射防止層2に含まれる中空粒子6の屈折率が、波長変換部材本体1側から反射防止層2表面側に向けて漸減する構造とすれば、反射防止機能をさらに向上させることが可能となる。
また、反射防止層2は波長変換部材本体1の両面に設けても構わない。このようにすれば、波長変換部材10を透過型の波長変換部材として使用した場合、励起光の波長変換部材本体1への入射効率を高めることができるとともに、蛍光の波長変換部材本体1からの出射効率を高めることができる。
(3)波長変換部材の製造方法
次に、本発明の波長変換部材10の製造方法の一例について説明する。
まず、以下のようにして、波長変換部材本体1を作製する。ガラスマトリクスとなるガラス粉末と蛍光体粉末とを含むスラリーを用意する。上記スラリーには、バインダ樹脂や溶剤等の有機成分が含まれている。用意したスラリーを支持基材上に塗布し、基材と所定間隔を空けて設置されたドクターブレードをスラリーに対して相対的に移動させることにより、グリーンシートを形成する。上記支持基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを用いることができる。続いてグリーンシートを焼成することにより、波長変換部材本体1を得る。なお所望の厚みの波長変換部材本体1を得るため、グリーンシートは複数枚積層した状態で焼成一体化してもよい。焼成温度はガラス粉末の軟化点±150℃以内であることが好ましく、ガラス粉末の軟化点±100℃以内であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると、ガラス粉末が軟化流動せず、緻密な焼結体が得られない場合がある。一方、焼成温度が高すぎると、蛍光体粉末がガラス中に溶出して発光強度が低下したり、蛍光体成分がガラス中に拡散してガラスが着色して発光強度が低下したりする場合がある。
次に、本発明の波長変換部材10の製造方法の一例について説明する。
まず、以下のようにして、波長変換部材本体1を作製する。ガラスマトリクスとなるガラス粉末と蛍光体粉末とを含むスラリーを用意する。上記スラリーには、バインダ樹脂や溶剤等の有機成分が含まれている。用意したスラリーを支持基材上に塗布し、基材と所定間隔を空けて設置されたドクターブレードをスラリーに対して相対的に移動させることにより、グリーンシートを形成する。上記支持基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルムを用いることができる。続いてグリーンシートを焼成することにより、波長変換部材本体1を得る。なお所望の厚みの波長変換部材本体1を得るため、グリーンシートは複数枚積層した状態で焼成一体化してもよい。焼成温度はガラス粉末の軟化点±150℃以内であることが好ましく、ガラス粉末の軟化点±100℃以内であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると、ガラス粉末が軟化流動せず、緻密な焼結体が得られない場合がある。一方、焼成温度が高すぎると、蛍光体粉末がガラス中に溶出して発光強度が低下したり、蛍光体成分がガラス中に拡散してガラスが着色して発光強度が低下したりする場合がある。
次に、波長変換部材本体1の表面に中空粒子分散液を塗布する。この中空粒子分散液は、乾燥硬化後バインダ5をなすバインダ成分と中空粒子6をアルコールやエーテルなどの有機溶媒中に分散させたオルガノゾルである。塗膜中の分散媒を乾燥させゲル化させることにより、バインダ5と、バインダ5中に分散された中空粒子6から構成される反射防止層2が形成される。このようにして波長変換部材10を得る。
塗膜の形成方法は、例えばスピンコート、バーコート、スプレーコート、ディップコートなどが挙げられる。
(4)発光装置
本発明の発光装置は、波長変換部材10と、波長変換部材10に励起光を照射する光源と、を備えてなる。光源としてはLEDやLD等を使用することができる。光源から出射された励起光は波長変換部材10における波長変換部材本体1で波長変換されて蛍光を発し、励起光とともに出射される。
本発明の発光装置は、波長変換部材10と、波長変換部材10に励起光を照射する光源と、を備えてなる。光源としてはLEDやLD等を使用することができる。光源から出射された励起光は波長変換部材10における波長変換部材本体1で波長変換されて蛍光を発し、励起光とともに出射される。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
ホウ珪酸ガラス粉末(軟化点850℃)に対し、平均粒径が15μmであるYAG蛍光体粒子を、波長変換部材本体中に10体積%含有されるように調合し、バインダ樹脂(共栄社化学株式会社製、オリコックス)と可塑剤(互応化学工業株式会社製、DOA)、分散剤(共栄社化学株式会社製、フローレンG−700)、有機溶剤(関東化学株式会社製、2−ブタノール、)を添加して混練することによりスラリー状の混合物を得た。得られたスラリー状混合物をドクターブレード法によりシート状に成形し、室温で乾燥させることによりグリーンシートを得た。グリーンシートを所定のサイズに裁断した後、電気炉にて脱脂処理を施し、真空ガス置換炉にて、真空焼成を実施した。得られた板状の波長変換部材本体を、ラップ研磨、ポリッシュ研磨することで、厚み0.18mmの板状の波長変換部材本体を得た。
波長変換部材本体の一方の表面に、中空シリカ粒子分散液(日揮触媒化成株式会社製、ELCOM P−5103、中空シリカ粒子の平均粒子径0.05μm、中空シリカ粒子の屈折率nd=1.37)を200μL滴下し、スピンコーターを使用し塗膜を形成した。その後、塗膜を150℃に予熱したホットプレート上で30分間乾燥させた。このようにして波長変換部材本体の表面に、中空シリカ粒子を含む反射防止層(厚み0.01μm)を形成し、波長変換部材を得た。
得られた波長変換部材について、以下のようにして発光強度(全光束値)を測定した。励起波長450nmの光源下に波長変換部材を、反射防止層が形成されていない側の表面が光源に接するように設置し、波長変換部材下面から発せられる光を積分球内部に取り込んだ後、標準光源によって校正された分光器へ導光し、光のエネルギー分布スペクトルを測定した。得られたスペクトルに標準比視感度を掛け合わせることにより、全光束値を算出した。なお、比較用として反射防止層を形成していない波長変換部材(波長変換部材本体のみ)についても同様にして発光強度を測定した。その結果、反射防止層を形成しなかった比較用の波長変換部材の発光強度を100a.u.(arbitrary unit;任意単位)とした場合、反射防止層を形成した本発明に係る波長変換部材は105a.u.であり、5%の発光強度の向上が確認された。
1 波長変換部材本体
2 反射防止層
3 マトリクス
4 蛍光体
5 バインダ
6 中空粒子
10、20 波長変換部材
2 反射防止層
3 マトリクス
4 蛍光体
5 バインダ
6 中空粒子
10、20 波長変換部材
Claims (9)
- 蛍光体を含む波長変換部材本体と、
波長変換部材本体の表面に形成されてなり、中空粒子を含む反射防止層と、
を備えていることを特徴とする波長変換部材。 - 中空粒子の屈折率が1.1〜1.45であることを特徴とする請求項1に記載の波長変換部材。
- 中空粒子がシリカからなることを特徴とする請求項1または2に記載の波長変換部材。
- 中空粒子の平均粒子径が0.005〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の波長変換部材。
- 反射防止層が、バインダと、バインダ中に分散された中空粒子から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の波長変換部材。
- 反射防止層の厚みが0.005〜20μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の波長変換部材。
- 中空粒子の屈折率が、波長変換部材本体側から反射防止層表面側に向けて漸減していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の波長変換部材。
- 波長変換部材本体が、ガラスマトリクス中に蛍光体粉末が分散してなることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の波長変換部材。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の波長変換部材と、
波長変換部材に励起光を照射する光源と、
を備えていることを特徴とする発光装置。
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