JP2018069453A - 洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置 - Google Patents

洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置 Download PDF

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昭子 坂内
Akiko Sakauchi
昭子 坂内
しず香 上月
Shizuka Kozuki
しず香 上月
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Abstract

【課題】インク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際のノズル孔内への浸透が少なく、かつノズル面の清浄性を維持することができる洗浄液の提供。【解決手段】インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面301aを払拭部材303で払拭する際に用いられる洗浄液であって、前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下である洗浄液である。【選択図】図3

Description

本発明は、洗浄液、インクと洗浄液のセット、洗浄方法、収容容器、及びインク吐出装置である。
従来より、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ、又はこれらの複合機等の記録装置としては、例えば、インク吐出ヘッドを有するインク吐出方式の記録装置が知られている。
前記インク吐出方式の記録装置で用いられるインクとしては、近年では、耐水性や耐光性に優れる点から、顔料インクが用いられることが多くなってきている。
前記顔料インクを用いたインクジェット記録は、高速連帳機等の商業印刷用途にも使用されるようになってきている。このような商業印刷用途では、記録媒体として、インク吸収性の低い印刷用塗工紙に対しても、オフセット印刷並の画質を獲得することが要求されるため、インクの定着性を向上させる工夫がなされている。そのため、インクの吐出信頼性を確保することは、かなり難しくなっている。特に定着性の高いインクは、ノズル面等に固着しやすく、従来のゴムブレード等を用いたノズル面の払拭では、固着したインクをきれいに取り除くことは困難である。
そこで、例えば、水、顔料、及びポリマー粒子を含むインク組成物と、プロピレングリコールモノプロピルエーテルを含むメンテナンス液とを含むインクジェット記録用インクセットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、インク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際のノズル孔内への浸透が少なく、かつノズル面の清浄性を維持することができる洗浄液を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の洗浄液は、インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際に用いられる洗浄液であって、
前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下である。
本発明によると、インク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際のノズル孔内への浸透が少なく、かつノズル面の清浄性を維持することができる洗浄液を提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、図1の装置のメインタンクの一例を示す斜視説明図である。 図3は、本発明の洗浄装置の一例を示す概略図である。
(洗浄液)
本発明の洗浄液は、インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際に用いられる洗浄液であって、
前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であり、水、アルキレングリコール界面活性剤、及びグリコールエーテル化合物を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明の洗浄液は、従来のブレードによるインク吐出ヘッドのノズル面の払拭方法では、払拭の際に用いる洗浄液の静的表面張力がインクの静的表面張力よりも低い場合には洗浄液がノズル孔内に浸透し、画像濃度が低下して、クリーニング後の印刷に悪影響を与えてしまうという知見に基づくものである。
また、本発明の洗浄液は、従来の洗浄液では、pH低下によるインク吐出ヘッドの腐食を防止し、かつインクと混合した際の凝集を防ぐことを主眼としており、定着性の高いインクを使用する場合には、インク吐出ヘッドのノズル面の清浄性を維持することができないという知見に基づくものである。
本発明においては、インク吐出ヘッドにおけるノズル面の洗浄に使用される洗浄液の静的表面張力を、一緒に使用されるインクの静的表面張力よりも高く調整することにより、払拭部材でノズル面を払拭した際に、払拭部材からノズル孔内に洗浄液が浸透するのを防止することができる。前記払拭部材からノズル孔内に洗浄液が浸透すると、クリーニング後の画像濃度が低下してしまう。
前記洗浄液の静的表面張力は、25℃で、26.0mN/m以下35.0mN/m以下が好ましい。
前記インクの静的表面張力は、25℃で、20.0mN/m以下30.0mN/m以下が好ましい。
前記洗浄液の静的表面張力は、前記インクの静的表面張力よりも2.0mN/m以上高いことが好ましい。
前記インク及び洗浄液の静的表面張力は、例えば、協和界面株式会社製の自動表面張力計CBVP−Zを用いて、25℃の環境下で測定することができる。
前記洗浄液は、ノズル面に乾燥固着したインクを払拭するため、乾燥したインク膜にある程度、濡れることが好ましい。濡れ性が良好であると、洗浄液が少量であっても比較的広い範囲のインク固着に対応できるが、あまり広がりすぎると、インク固着への浸透が制限されることになる。そのため、前記洗浄液のインクを乾燥させた膜に対する接触角は、20°以上35°以下であり、20°以上27°以下が好ましい。
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であることにより、ノズル面の払拭による清浄性を向上させることができる。
ここで、前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角は、例えば、以下のようにして測定することができる。
スライドガラス上に、直径0.3mmのワイヤーバーでインクを塗布し、50℃の乾燥機で24時間乾燥させて、インク膜を形成する。
次に、英弘精機株式会社製の接触角計OCA−200Hを用い、前記インク膜上に洗浄液を5μL滴下し、そのビデオ撮影したものから着弾0.5秒間後の接触角を算出することができる。
<アルキレングリコール界面活性剤>
前記洗浄液の静的表面張力は、一緒に使用されるインクの静的表面張力よりも高く調整する必要がある。前記静的表面張力の調整方法としては、使用する界面活性剤の種類を変えてもよく、また界面活性剤の添加量を変えることで調整してもよい。また、一緒に使用する溶剤の表面張力を考慮して処方することも可能である。
近年のインクには、高い速乾性を求められるため、通常、フッ素界面活性剤やシリコーン界面活性剤等の表面張力を低下させる能力の高い界面活性剤が添加されることが多い。インクの流路等を洗浄する目的では、前記洗浄液の表面張力が前記インクの表面張力よりも高くする必要がある。前記洗浄液にもフッ素界面活性剤やシリコーン界面活性剤などが用いられることが多いが、ノズル面を払拭するのに使用される洗浄液では、ノズル孔への浸透を考えると、アルキレングリコール界面活性剤を使用することが好ましい。
前記アルキレングリコール界面活性剤は、例えば、エチレンオキサイド基やプロピレンオキサイド基等のアルキレン基を含むグリコール界面活性剤である。
前記アルキレングリコール界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記市販品としては、例えば、エマルゲンLS−106(花王株式会社製)、エマルゲンLS−110(花王株式会社製)、ソフタノールEP7025(日信化学株式会社製)などが挙げられる。
前記アルキレングリコール界面活性剤の含有量は、洗浄液の全量に対して、0.1質量%以上5質量%以下が好ましい。
<グリコールエーテル化合物>
前記グリコールエーテル化合物は、洗浄液の静的表面張力及びインク膜への濡れ性を所定の範囲に調整するために含有される有機溶剤である。
前記グリコールエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールジエチルエーテルが特に好ましい。
前記グリコールエーテル化合物の含有量としては、洗浄液全量に対して、20質量%以上50質量%以下が好ましく、30質量%以上40質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上であれば、固着したインク汚れを払拭する能力が確保される。また、前記含有量が、50質量%以下であると、払拭部材や払拭工程に使用される部材への影響を抑えることができる。
前記洗浄液には、インク膜への浸透性を制御する目的で、有機溶剤として、炭素数8〜11のポリオール化合物を併用することも可能であり、例えば、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
−その他の有機溶剤−
本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲にて、前記グリコールエーテル化合物及び炭素数8〜11のポリオール化合物以外にもその他の有機溶剤を含有してもよい。
前記その他の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水溶性有機溶剤などが挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類;多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類等のエーテル類、含窒素複素環化合物;アミド類;アミン類;含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミンなどが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノールなどが挙げられる。
前記有機溶剤の合計含有量としては、洗浄液全量に対して、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
前記水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水などが挙げられる。
前記水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗浄液全量に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、30質量%以上70質量%以下がより好ましい。前記含有量が、20質量%以上であると、インク汚れをノズル面の界面からきれいに払拭することができ、80質量%以下であると、汚れを十分に膨潤させることが可能である。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤などが挙げられる。
本発明の洗浄液は、インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面の払拭の際に使用されるものであり、その使用方法としては、払拭部材に含ませて使用してもよく、ノズル面に吹き付けて、その後、払拭部材で払拭させてもよい。
前記洗浄液と一緒に用いられるインクとしては、以下のインクと洗浄液のセットにおけるインクが好適に用いられる。前記洗浄液としては、インクジェット用であることが好ましい。
(インクと洗浄液のセット)
本発明のインクと洗浄液のセットは、樹脂粒子を含有するインクと、
アルキレングリコール界面活性剤を含有する洗浄液と、を有し、
前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下である。
前記洗浄液としては、本発明の洗浄液を用いることができる。
前記洗浄液は、更にグリコールエーテル化合物を含有することが好ましい。
前記グリコールエーテル化合物の含有量が、20質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
前記インクとしては、インクジェット用であることが好ましい。
前記インクとしては、以下に説明するものを用いることができる。
前記インクが樹脂粒子を含有すると、インクの記録媒体に対する定着性が向上する一方で、インクの吐出信頼性が維持しにくくなるため、本発明の洗浄液とのセットで用いることが好ましい。
<インク>
前記インクは、樹脂粒子を含有し、有機溶剤、及び色材を含有することが好ましく、更に必要に応じて添加剤を含有してなる。
<樹脂粒子>
前記インク中に含有する樹脂粒子における樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ウレタン樹脂が好ましい。
前記樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記樹脂粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
[一般式(S−1)]
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコーン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
[一般式(F−1)]
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
[一般式(F−2)]
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、DIC株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
(収容容器)
本発明の収容容器は、本発明の洗浄液、又は本発明のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液及びインクの少なくともいずれかを容器中に収容してなり、更に必要に応じてその他の部材を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
(洗浄方法及び洗浄装置)
本発明の洗浄方法は、インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、押圧部材上の払拭部材に洗浄液を付与する工程(以下、「洗浄液付与工程」と称することがある)と、前記洗浄液を付与した前記払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程(以下、「払拭工程」と称することがある)と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記洗浄液として、本発明の洗浄液、又は本発明のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液を用いる。
本発明で用いられる洗浄装置は、インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄装置であって、押圧部材上の払拭部材に洗浄液を付与する手段(以下、「洗浄液付与手段」と称することがある)と、前記洗浄液を付与した前記払拭部材で前記ノズル面を払拭する手段(以下、「払拭手段」と称することがある)と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記洗浄液が、本発明の洗浄液、又は本発明のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液である。
<洗浄液付与工程及び洗浄液付与手段>
前記押圧部材としては、前記払拭部材を介して前記ノズル面を押圧可能な部材であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、押圧ローラ、押圧ローラと押圧ベルトの組み合わせ、ワイパー、ブレードなどが挙げられる。これらの中でも、押圧ローラが好ましい。
前記付与手段としては、洗浄液を一定量付与することができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スポイトによる付与、ノズル、スプレー、ディスペンサー、塗布装置などが挙げられる。
前記払拭部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、不織布、布などが挙げられる。これらは、ロール状に巻回したものが好ましく、発塵し難く信頼性が高い点から、ロール状の不織布が好ましい。
前記洗浄液の付与量としては、記録時間(吐出時間)により制御されることが好ましい。この場合、前記洗浄液の付与量が複数の設定値から選択されることがより好ましい。前記複数の設定値としては、洗浄液の付与方法(例えば、「圧力」、「付与回数」、「付与ノズル数」)などが挙げられる。
また、前記洗浄液の付与量としては、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズルにかける圧力により制御されることが好ましい。更に、前記洗浄液が複数の洗浄液付与ノズルから付与される場合には、前記洗浄液の前記払拭部材への付与量は前記洗浄液付与ノズルの数により制御されることが好ましい。また更に、前記洗浄液の前記払拭部材への付与量は、前記洗浄液付与ノズルからの洗浄液の付与回数により制御されることが好ましい。
<払拭工程及び払拭手段>
前記払拭工程は、前記洗浄液を付与した前記払拭部材でノズル面を払拭する工程であり、払拭手段により好適に実施される。
前記洗浄液を付与した前記払拭部材でノズル面を払拭する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洗浄液が付与された払拭部材としての不織布が押圧部材としての押圧ローラによってインク吐出ヘッドのノズル面に押圧する方法などが挙げられる。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程及び前記その他の手段としては、例えば、制御工程及び制御手段などが挙げられる。
前記制御手段としては、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
ここで、図3は、本発明の洗浄装置の一例を示す概略図である。図3に示す洗浄装置300は、インク吐出ヘッドのノズルプレート301のインク吐出側のノズル面301aを洗浄する装置である。
洗浄装置300は、払拭部材としての不織布303と、洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302と、押圧部材としての押圧ローラ305と、払拭処理後の不織布を巻き取る巻き取りローラ304とを有している。
洗浄液は、図示しない洗浄液供給チューブを介して洗浄液タンクから供給される。前記洗浄液供給チューブの途中に設けられたポンプを駆動することにより、洗浄液付与ノズル302から洗浄液が、払拭部材としての不織布303に、記録時間により応じた洗浄液の付与量にて付与される。なお、不織布303はロール状に巻回されている。
そして、図3に示すように、洗浄液が付与された不織布303が押圧部材としての押圧ローラ305によってインク吐出ヘッド301のノズル面301aに当接して押圧されることにより、ノズル面301aが清浄される。払拭処理が終了後、不織布303は巻取りローラ304により巻き取られる。
洗浄液付与手段としての洗浄液付与ノズル302は、複数設けることができ、制御手段(不図示)の制御に基づき、圧がかけられるようになっており、その圧を適宜変えることにより洗浄液の付与量を調整することができる。また、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与するノズル数を変えることにより洗浄液の付与量を調整することができる。更に、制御手段(不図示)の制御に基づき、洗浄液を付与する回数を変えることにより洗浄液の付与量を調整することができる。
インク吐出ヘッドのインク吐出側のノズル面を洗浄する方法としては、次のような実施態様が挙げられる。
前記洗浄液の付与の際には、洗浄液付与ノズルには圧がかけられるようになっており、その圧を変えることにより洗浄液の付与量を所望の量に調整することができる。また、複数の洗浄液付与ノズルの付与するノズル数を変えることにより洗浄液の付与量の調整が可能であり、更には洗浄液付与ノズルから洗浄液を付与する回数を変えることにより付与量を調整することができる。このように、洗浄液を付与した払拭部材を用いて、記録終了後のノズル面を払拭すればよい。
(インク吐出方法及びインク吐出装置)
本発明のインク吐出装置は、インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインク吐出ヘッドを有するインク吐出手段と、
前記インク吐出ヘッドのノズル面を、洗浄液を付与した払拭部材で払拭する払拭手段と、を有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記洗浄液が、本発明の洗浄液、又は本発明のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液である。
前記インク吐出装置は、インクジェット印刷用として好適に用いられる。
本発明で用いられるインク吐出方法は、インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインク吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出工程と、
前記インク吐出ヘッドのノズル面を、洗浄液を付与した払拭部材で払拭する払拭工程と、を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記洗浄液として、本発明の洗浄液、又は本発明のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液を用いる。
前記インク吐出方法は、インクジェット印刷用として好適に用いられる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有してもよい。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。更に、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−ポリマー溶液の調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12g、ポリエチレングリコールメタクリレート4g、スチレンマクロマー4g、メルカプトエタノール0.4g、及びメチルエチルケトン40gを投入し、65℃まで昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108g、ポリエチレングリコールメタクリレート36g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60g、スチレンマクロマー36g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン342gの混合液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。更に、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g、及びメチルエチルケトン18gの混合液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した後、1時間熟成した。
次に、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加した後、1時間熟成し、50質量%のポリマー溶液800gを得た。
(製造例1)
<インク1の作製>
−マゼンタ顔料分散体の調製−
前記ポリマー溶液28g、26gのC.I.ピグメントレッド122、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及び水13.6gを攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを水200g中に投入して攪拌した後、エバポレータを用いて、メチルエチルケトン、及び水を留去し、顔料の含有量が15質量%、固形分が20質量%のマゼンタ顔料分散体を得た。
−マゼンタ顔料インクの調製−
1,3−ブタンジオール15質量部、1,2−プロパンジオール15質量部、フッ素界面活性剤(ゾニールFSO−100、DuPont社製)0.5質量部、ウレタン樹脂エマルション(スーパーフレックス500M、固形分濃度45質量%、第一工業製薬株式会社製)6質量部(固形分換算した値)、及び1,8−オクタンジオール2質量部を1時間攪拌した後、前記マゼンタ顔料分散体40質量部、及び合計100質量部となるようにイオン交換水を残量添加し、1時間撹拌した後、平均孔径が1.5μmのポリプロピレンフィルターを用いて加圧濾過して、粗大粒子を除去し、インク1を作製した。
得られたインク1の組成及び含有量について、表1に示した。
なお、前記表1中、ウレタン樹脂エマルションの含有量は、固形分換算による数値である。
(実施例1)
−洗浄液1の作製−
アルキレングリコール界面活性剤(エマルゲンLS−106、花王株式会社製)1質量部、ジエチレングリコールジエチルエーテル40質量部、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール2質量部、及び合計100質量部となるように水を残量添加し、混合させて、洗浄液1を作製した。
(実施例2〜6及び比較例1〜5)
−洗浄液2〜11の作製−
実施例1において、下記の表2及び表3に示す処方に変えた以外は、実施例1と同様にして、洗浄液2〜11を作製した。
次に、得られたインク1及び各洗浄液について、以下のようにして、静的表面張力及び接触角を測定した。結果を表2及び表3に示した。
インク1の静的表面張力は、25℃で、25.0mN/mであった。
<静的表面張力の測定>
協和界面株式会社製の自動表面張力計CBVP−Zを用い、25℃の環境下で、マゼンタ顔料インク及び各洗浄液静的表面張力を測定した。測定は5回測定し、最大値及び最小値を除く3回の平均を測定値とした。
<接触角の測定>
スライドガラス上に、直径0.3mmのワイヤーバーでインク1を塗布し、50℃の乾燥機で24時間乾燥させ、平均厚み15μmのインク膜を形成した。
英弘精機株式会社製の接触角計OCA−200Hを用い、前記インク膜上に各洗浄液を5μL滴下し、そのビデオ撮影したものから着弾0.5秒間後の接触角を算出し、測定値とした。
なお、表2及び表3中における、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・エマルゲンLS−106(花王株式会社製、アルキレングリコール界面活性剤)
・エマルゲンLS−110(花王株式会社製、アルキレングリコール界面活性剤)
・ソフタノールEP7025(日信化学株式会社製、アルキレングリコール界面活性剤)
・TEGO WET−240(エボニック社製、シリコーン界面活性剤)
・ゾニールFS300(DuPont社製、フッ素系界面活性剤)
・エクアミドM100(3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、出光興産株式会社製)
次に、表4に示す洗浄液とインクとを組み合わせて、インクと洗浄液のセットとし、以下のようにして、評価を行った。結果を表4に示した。
<ノズル孔内への洗浄液の浸透性の評価>
図1に示すインクジェット記録装置により、インク1を用いて15分間印字を行った後に、図3に示す洗浄装置を用いて、インク吐出ヘッドのノズル面を、各洗浄液を100μLしみ込ませた不織布(クリーンワイパー アンティコンGOLD、ポリエステル長繊維、原田産業株式会社製)で払拭した。その直後にノズルから500滴を記録媒体(スーパーファイン紙(セイコーエプソン株式会社製))上に印字させ、ドットの濃度を観察し、ドットの濃度がインク吐出ヘッドのノズル面の払拭前と同じになるまでのドット数を測定し、下記基準でノズル孔内への洗浄液の浸透性を評価した。なお、ドット数が少ないほど、ノズル孔内に洗浄液が浸透することを防止できる(画像濃度低下を防止できる)ことを意味する。
[評価基準]
◎:ドット数が10個未満
○:ドット数が10個以上30個未満
×:ドット数が30個以上
<払拭性>
SUS板上に、直径0.3mmのワイヤーバーでインク1を塗布し、50℃の乾燥機で24時間乾燥させ、平均厚み15μmのインク膜を形成した。
図3に示す洗浄装置を用いて、各洗浄液を100μLしみ込ませた不織布(クリーンワイパー アンティコンGOLD、ポリエステル長繊維、原田産業株式会社製)に一定荷重(1N/cm)をかけてノズル面の払拭を行い、ノズル面の乾燥インクがなくなるまでに要した払拭回数を測定した。なお、払拭回数が少ないほど払拭性が優れ、ノズル面の清浄性を維持できることを示す。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際に用いられる洗浄液であって、
前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であることを特徴とする洗浄液である。
<2> 前記洗浄液が、アルキレングリコール界面活性剤を含有する前記<1>に記載の洗浄液である。
<3> 前記洗浄液が、更にグリコールエーテル化合物を含有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の洗浄液である。
<4> 前記グリコールエーテル化合物の含有量が、20質量%以上50質量%以下である前記<3>に記載の洗浄液である。
<5> 樹脂粒子を含有するインクと、
アルキレングリコール界面活性剤を含有する洗浄液と、を有し、
前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であることを特徴とするインクと洗浄液のセットである。
<6> 前記洗浄液が、更にグリコールエーテル化合物を含有する前記<5>に記載のインクと洗浄液のセットである。
<7> 前記グリコールエーテル化合物の含有量が、20質量%以上50質量%以下である前記<6>に記載のインクと洗浄液のセットである。
<8> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、又は前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液及びインクの少なくともいずれかを容器中に収容してなることを特徴とする収容容器である。
<9> インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
押圧部材上の払拭部材に洗浄液を付与する工程と、
前記洗浄液を付与した前記払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程と、を含み、
前記洗浄液として、前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、又は前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液を用いることを特徴とする洗浄方法である。
<10> 前記押圧部材が、押圧ローラである前記<9>に記載の洗浄方法である。
<11> 前記払拭部材が、不織布である前記<9>から<10>のいずれかに記載の洗浄方法である。
<12> インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄装置であって、
押圧部材上の払拭部材に洗浄液を付与する手段と、
前記洗浄液を付与した前記払拭部材で前記ノズル面を払拭する手段と、を有し、
前記洗浄液が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、又は前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液であることを特徴とする洗浄装置である。
<13> 前記押圧部材が、押圧ローラである前記<12>に記載の洗浄装置である。
<14> 前記払拭部材が、不織布である前記<12>から<13>のいずれかに記載の洗浄装置である。
<15> インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインク吐出ヘッドを有するインク吐出手段と、
前記インク吐出ヘッドのノズル面を、洗浄液を付与した払拭部材で払拭する払拭手段と、を有し、
前記洗浄液が、前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、又は前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液であることを特徴とするインク吐出装置である。
<16> 前記インクが、樹脂粒子を含有する前記<15>に記載のインク吐出装置である。
<17> 前記払拭部材が、不織布である前記<15>から<16>のいずれかに記載のインク吐出装置である。
<18> インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインク吐出ヘッドを用いてインクを吐出するインク吐出工程と、
前記インク吐出ヘッドのノズル面を、洗浄液を付与した払拭部材で払拭する払拭工程と、を含み、
前記洗浄液として、前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、又は前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液を用いることを特徴とするインク吐出方法である。
<19> 前記インクが、樹脂粒子を含有する前記<18>に記載のインク吐出方法である。
<20> 前記払拭部材が、不織布である前記<18>から<19>のいずれかに記載のインク吐出方法である。
前記<1>から<4>のいずれかに記載の洗浄液、前記<5>から<7>のいずれかに記載のインクと洗浄液のセット、前記<8>に記載の収容容器、前記<9>から<11>のいずれかに記載の洗浄方法、前記<12>から<14>のいずれかに記載の洗浄装置、前記<15>から<17>のいずれかに記載のインク吐出装置、及び前記<18>から<20>のいずれかに記載のインク吐出方法によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 画像形成装置の外装
401c 装置本体のカバー
404 カートリッジホルダ
410 メインタンク
410k、410c、410m、410y ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
特許第5566741号公報

Claims (10)

  1. インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を払拭部材で払拭する際に用いられる洗浄液であって、
    前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
    前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であることを特徴とする洗浄液。
  2. 前記洗浄液が、アルキレングリコール界面活性剤を含有する請求項1に記載の洗浄液。
  3. 前記洗浄液が、更にグリコールエーテル化合物を含有する請求項1から2のいずれかに記載の洗浄液。
  4. 前記グリコールエーテル化合物の含有量が、20質量%以上50質量%以下である請求項3に記載の洗浄液。
  5. 樹脂粒子を含有するインクと、
    アルキレングリコール界面活性剤を含有する洗浄液と、を有し、
    前記洗浄液の静的表面張力が、前記インクの静的表面張力よりも高く、
    前記インクを乾燥させた膜に対する前記洗浄液の接触角が20°以上35°以下であることを特徴とするインクと洗浄液のセット。
  6. 前記洗浄液が、更にグリコールエーテル化合物を含有する請求項5に記載のインクと洗浄液のセット。
  7. 前記グリコールエーテル化合物の含有量が、20質量%以上50質量%以下である請求項6に記載のインクと洗浄液のセット。
  8. 請求項1から4のいずれかに記載の洗浄液、又は請求項5から7のいずれかに記載のインクと洗浄液のセットにおける洗浄液及びインクの少なくともいずれかを容器中に収容してなることを特徴とする収容容器。
  9. インク吐出装置におけるインク吐出ヘッドのノズル面を洗浄する洗浄方法であって、
    押圧部材上の払拭部材に洗浄液を付与する工程と、
    前記洗浄液を付与した前記払拭部材で前記ノズル面を払拭する工程と、を含み、
    前記洗浄液として、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄液、又は請求項5から7のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液を用いることを特徴とする洗浄方法。
  10. インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインク吐出ヘッドを有するインク吐出手段と、
    前記インク吐出ヘッドのノズル面を、洗浄液を付与した払拭部材で払拭する払拭手段と、を有し、
    前記洗浄液が、請求項1から4のいずれかに記載の洗浄液、又は請求項5から7のいずれかに記載のインクと洗浄液とのセットにおける洗浄液であることを特徴とするインク吐出装置。

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