JP2018066762A - ジョーンズマトリックスoct装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の安定性、画像品質、画像の深さ領域において改善されたジョーンズマトリックスOCTを実現する。【解決手段】本発明に係るジョーンズマトリックスOCT装置は、光源と、前記光源からの光束をP偏光とS偏光に分離する偏光分離ユニットと、前記偏光分離ユニットからのP偏光及びS偏光に対して相対的に位相差を与えるとともに、位相差を有するP偏光及びS偏光を重畳する偏光遅延ユニットと、前記偏光遅延ユニットからの光束を測定対象に照射するとともに、測定対象からの反射光を受ける対物ユニットと、前記対物ユニットからの光束と、前記光源からの光束を干渉させ、垂直偏光及び水平偏光に分離して検出する検出ユニットと、前記検出ユニットからの信号を受け、断層像を生成する計算ユニットと、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光干渉計測技術に分野であって、光コヒーレンストモグラフィー(Optical Coherence Tomography、略して「OCT」という)画像に対する画像処理の技術に関し、特に、ジョーンズマトリックスを利用したジョーンズマトリックスOCT装置、及び該OCTで得られた計測データを画像処理するプログラムに関する。
従来、医療分野等で用いられる非破壊断層計測技術の1つとして、時間的に低コヒーレンスな光をプローブ(探針)として用いる光断層画像化法「光コヒーレンストモグラフィー」(OCT)がある(特許文献1参照)。OCTは、光を計測プローブとして用いるため、被計測物体の屈折率分布、分光情報、偏光情報(複屈折率分布)等が計測できるという利点がある。
そして、OCTは、およそ2〜15μmの分解能で生体の断面構造及び三次元構造を、非侵襲、高コントラストで画像を可視化できるので、眼科学、皮膚病学、歯科学、胃腸学及び心臓病学等の分野に広く利用されている。
基本的なOCT93は、マイケルソン干渉計を基本としており、その原理を図5で説明する。光源94から射出された光は、コリメートレンズ95で平行化された後に、ビームスプリッタ96により参照光と物体光に分割される。物体光は、物体アーム内の対物レンズ97によって被計測物体98に集光され、そこで散乱・反射された後に再び対物レンズ97、ビームスプリッタ96に戻る。
一方、参照光は参照アーム内の対物レンズ99を通過した後に参照鏡100によって反射され、再び対物レンズ99を通してビームスプリッタ96に戻る。このようにビームスプリッタ96に戻った物体光と参照光は、物体光とともに集光レンズ101に入射し光検出器102(フォトダイオード等)に集光される。
OCTの光源94は、時間的に低コヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出た光同士であって極めて干渉しにくい光)の光源を利用する。時間的低コヒーレンス光を光源としたマイケルソン型の干渉計では、参照アームと物体アームの距離がほぼ等しいときにのみ干渉信号が現れる。この結果、参照アームと物体アームの光路長差(τ)を変化させながら、光検出器102で干渉信号の強度を計測すると、光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)が得られる。
そのインターフェログラムの形状が、被計測物体98の奥行き方向の反射率分布を示しており、1次元の軸方向走査により被計測物体98の奥行き方向の構造を得ることができる。このように、OCT93では、光路長走査により、被計測物体98の奥行き方向の構造を計測できる。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、2次元の走査を行うことで被計測物体の2次元断層画像が得られる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被計測物体を直接移動させる構成、物体は固定したままで対物レンズをシフトさせる構成、被計測物体も対物レンズも固定したままで、対物レンズの瞳面付近においたガルバノミラーの角度を回転させる構成等が用いられている。
以上の基本的なOCTが発展したものとして、分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメインOCT(SD−OCT)と、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT、略して「SS−OCT」という。)がある。SD−OCTには、フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT、略して「FD−OCT」という。特許文献2参照)、及び偏光感受型OCT(Polarization-Sensitive OCT、略して「PS−OCT」という。特許文献3参照)がある。
FD−OCTは、被計測物体からの反射光の波長スペクトルを、スペクトロメーター(スペクトル分光器)で取得し、このスペクトル強度分布に対してフーリエ変換することで、実空間(OCT信号空間)上での信号を取り出すことを特徴とするものであり、このFD−OCTは、奥行き方向の走査を行う必要がなく、x軸方向の走査を行うことで被計測物体の断層構造を計測可能である。
SS−OCTは、高速波長スキャニングレーザーにより光源の波長を変え、スペクトル信号と同期取得された光源走査信号を用いて干渉信号を最配列し、信号処理を加えることで3次元光断層画像を得るものである。なお、光源の波長を変える手段として、モノクロメーターを利用したものでも、SS−OCTとして利用可能である。
PS−OCTは、フーリエドメインOCTと同様に、被計測物体からの反射光の波長スペクトルをスペクトル分光器で取得するものであるが、試料(被検物体)のもつ偏光情報を捉え、試料のより微細な構造および屈折率の異方性を計測可能とする光コヒーレンストモグラフィー装置である(特許文献3参照)。
さらに詳しくは、PS−OCTは、たとえば、B−スキャンと同時に直線偏光したビームの偏光状態を連続変調するもので、入射光及び参照光をそれぞれ1/2波長板、1/4波長板等を通して水平直線偏光、垂直直線偏光、45°直線偏光、円偏光として、被計測物体からの反射光と参照光を重ねて1/2波長板、1/4波長板等を通して、たとえば水平偏光成分だけをスペクトル分光器に入射させて干渉させ、物体光の特定偏光状態をもつ成分だけを取り出してフーリエ変換するものである。このPS−OCTも、奥行き方向の走査を行う必要がない。
生体内、特に眼底の血流(網膜の血流)を非侵襲で計測し眼科診療に適しており、さらに癌や脳内の画像化の手段に適しているOCTとして、ドップラー光コヒーレンストモグラフィー(ドップラーOCT)が知られている(特許文献4参照)。
ドップラーOCTは、上記FD−OCT等を用いて、血流等の分布が計測を行うことのできる手段であり、同様に、スペクトルドメインOCTを使うことによって、横断面網膜血流画像形成が得られ、また次元の網膜の脈管構造も観察することができる。
また、OCTの一態様として、ジョーンズマトリックスを利用したOCT(ジョーンズマトリックスOCT)が知られている(特許文献5参照)。特に、ファイバーを使用し、ドップラー及び偏光画像を形成するOCTが知られている(非特許文献1)。
特開2002−310897号公報 特開平11−325849号公報 特開2004−028970号公報 特開2009−165710号公報 特許第4344829号公報
Makita, Shuichi; Hong, Youngjoo; Yamanari, Masahiro; Yatagai, Toyohiko; Yasuno, Yoshiaki, "Optical Coherence Angiography", Optics Express Vol. 14, no. 17, pp. 7821-7840 (2006).
上記従来の偏光を利用したPS−OCT等のOCTは、偏光を利用しないOCTに比べ、その計測可能な深さ領域は比較的浅く、画像安定性や画像品質は低く、医療の診療用に使用するためには限界があった。
また、ドップラーOCTを用いることにより、眼底血管の選択可視化が可能であるが、ドップラーOCTで得られた画像そのままでは比較的低いコントラストの擬似像映像しか得られなかった。
本発明は、上記従来の問題を解決することを目的とし、画像の安定性、画像品質、画像の深さ領域において改善されたジョーンズマトリックスOCTを実現することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、光源と、前記光源からの光束をP偏光とS偏光に分離する偏光分離ユニットと、前記偏光分離ユニットからのP偏光及びS偏光に対して相対的に位相差を与えるとともに、位相差を有するP偏光及びS偏光を重畳する偏光遅延ユニットと、前記偏光遅延ユニットからの光束を測定対象に照射するとともに、測定対象からの反射光を受ける対物ユニットと、前記対物ユニットからの光束と、前記光源からの光束を干渉させ、垂直偏光及び水平偏光に分離して検出する検出ユニットと、前記検出ユニットからの信号を受け、次に示す(数1)から(数3)に基づいて、断層像を生成する計算ユニットと、を有する、ジョーンズマトッリクスOCT装置を提供する。
上述の(数1)において、E(1) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(1) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号である。
前記計算ユニットは、ドップラー像を、次に示す式(数4)で算出して表示可能であり、同一点を複数(m)回のB−スキャンで計測することにより、次に示す式(数5)で表されるドップラーシフトΔφ(z,j)を、ドップラー計測に適用してドップラー計測の感度を向上させる構成を備えてもよい。
前記(数5)において、mはスタートの前記B−スキャンのパラメータであり、W(z,j)は次に示す(数6)で定義される強度マスクであり、εはOCT像のノイズフロア(最低雑音)である。
前記計算ユニットは、前記測定対象からの散乱反射光によるOCT像を、コヒーレントなマトリックス成分を用いて、次に示す式(数7)に基づいて算出すると共に、複数回のB−スキャンデータを用い、前記マトリックス成分のコヒーレントな平均をとることで、散乱OCT像を次に示す式(数8)に基づいて算出する構成を備えてもよい。
前記偏光遅延ユニットは、校正鏡を有する位相キャリブレーションユニットを備え、前記校正鏡は、前記偏光遅延ユニットにおいて前記P偏光又は前記S偏光の干渉光を反射させて、前記検出ユニットに送り、前記計算ユニットは、前記検出ユニットで前記干渉光と前記光源からの光束とが重畳して生じる校正信号を用いて、前記光源の波長走査とA−スキャン間の同期におけるジッターを補正してもよい。
本発明は上記課題を解決するために、光源と、前記光源からの光束をP偏光とS偏光に分離する偏光分離ユニットと、前記偏光分離ユニットからのP偏光及びS偏光に対して相対的に位相差を与えるとともに、位相差を有するP偏光及びS偏光を重畳する偏光遅延ユニットと、前記偏光遅延ユニットからの光束を測定対象に照射するとともに、測定対象からの反射光を受ける対物ユニットと、前記対物ユニットからの光束と、前記光源からの光束を干渉させ、垂直偏光及び水平偏光に分離して検出する検出ユニットと、前記検出ユニットからの信号に基づいて、断層像を生成する計算ユニットと、を有するジョーンズマトリックスOCT装置の前記計算ユニットに搭載されるプログラムであって、前記計算ユニットを、前記検出ユニットからの信号を受け、次に示す(数9)から(数11)に基づいて、断層像を生成する画像処理手段として機能させる、プログラムを提供する。
前記(数9)において、E(1) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(1) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号である。
本発明に係るプログラムは、前記計算ユニットを、ドップラー像を、次に示す式(数12)で算出して表示可能であり、同一点を複数(m)回のB−スキャンで計測することにより、次に示す式(数13)で表されるドップラーシフトΔφ(z,j)を、ドップラー計測に適用してドップラー計測の感度を向上させる画像処理手段として機能させてもよい。
前記(数13)において、mはスタートの前記B−スキャンのパラメータであり、W(z,j)は次に示す(数14)で定義される強度マスクであり、εはOCT像のノイズフロア(最低雑音)である。
本発明に係るプログラムは、前記計算ユニットを、前記測定対象からの散乱反射光によるOCT像を、コヒーレントなマトリックス成分を用いて、次に示す式(数15)に基づいて算出すると共に、複数回のB−スキャンデータを用い、前記マトリックス成分のコヒーレントな平均をとることで、散乱OCT像を次に示す式(数16)に基づいて算出する画像処理手段として機能させてもよい。
本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム及びプログラムによれば、ジョーンズマトリックスOCTで得られる画像の画像品質を向上するとともに、例えば、眼底における脈絡膜のような計測対象物の深い領域についても改善された画像を得ることが可能となる。
特に、ドップラー機能を有するOCTに適用することにより、高コントラストな画像を得ることができる。従って、従来、侵襲的にしか得られなかった、例えば、眼科診断における眼底造影による画像情報に比べて、より解像度の高い画像情報を非侵襲的に得ることができ、眼底血管の血管系などの定量評価を可能とする。
本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステムの実施例のOCT装置の全体構成を示す図である。 上記実施例のOCT装置の水平バランス偏光検出器及び垂直バランス偏光検出器で受光されたS波及びP波にそれぞれ対応した干渉光によるOCT断層画像である。 上記実施例のOCTシステムにおける画像処理を行うコンピュータを示す図である。 (a)は上記実施例のジョーンズマトリックスOCTシステムで得られた脈絡膜の血管の断層画像であり、(b)は本発明を、ドップラー機能を有するOCTに適用して得られた脈絡膜の血管の断層画像であり、(c)は比較例であり従来のインドシアニングリーン蛍光眼底血管造影(ICGA)の形式の血管造影により得られた同じ脈絡膜の血管の造影画像である。 従来の基本的なOCTを説明する図である。
本発明に係るジョーンズマトリックス光コヒーレンストモグラフィー(ジョーンズマトリックスOCT:OCTで得られた干渉信号を、ジョーンズマトリックス手段を用いて処理して画像を得るOCT)システムと、OCTで得られた画像データを画像処理するプログラムを実施するための形態を実施例によって図面を参照して、以下説明する。
図1は、本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム1の全体構成を示す図である。本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム1は、図1に示すように、光画像計測装置(OCT装置)2と光画像計測装置(OCT装置)2で得られた画像データを画像処理するコンピュータ3を備えている。
本発明では、光画像計測装置(OCT装置)2は、偏光を利用した一般のOCTのデータ処理に適用できるが、その一例として、この実施例では、光画像計測装置(OCT装置)2として、光源の波長を走査してスペクトル干渉信号を得る波長走査型OCT(Swept Source OCT(略して「SS−OCT」)という。以下符号2を付す)を利用した構成で説明する。
そして、本発明に係る画像処理を行うプログラムは、コンピュータ3を、波長走査型OCT2で得られた画像データを画像処理手段として機能させるものである。
(OCT装置)
本発明では、波長走査型OCT2は、光源6からのビームを分けて、一方のビームを直線偏光し、そのS波(S波偏光、S波成分)とP波(P波偏光、P波成分)に分けて互いに光路長が異なる入射ビームとして計測対象物7を走査(B−スキャン)して照射し、その反射光(物体光)を得ると共に、他方のビームを参照光として、両者のスペクトル干渉によりOCT計測を行うものである。
なお、本明細書では、A−スキャンは計測対象物7の深さ方向のスキャン(実際は計測ビームを照射すること)であり、A−スキャンで得られたデータをA−ラインのデータ、或いは略してA−ラインと言う。B−スキャンは、計測対象物7の深さ方向に垂直の方向へのスキャンである。
そして、S波とP波それぞれによるスペクトル干渉成分のうち、水平偏光成分(H)と垂直偏光成分(V)をバランス偏光検出器で測定することにより、計測対象物7の4つの偏光特性を表すジョーンズベクトルを得る(S波とP波それぞれによるH画像と、S波とP波それぞれによるV画像)ことのできるマルチコントラストのOCTの構成であることを特徴とするものである。
波長走査型OCT2は、光源6、光アイソレータ8(一方向の光のみを透過し逆方向の光を遮る機能を有するデバイス)、ファイバーカプラー11(光カプラー)、参照アーム12、プローブアーム13(計測対象物用アーム)、偏光分離検出ユニット14等の光学要素を備えている。
この波長走査型OCT2の光学系は、光学要素が互いにファイバー17で結合されているが、ファイバー17で結合されていないタイプの構造(フリースペース型)であってもよい。
光源6は、波長を走査する波長走査型の光源6であり、スーパールミネッセントダイオード(SLD:Super Luminescent Diode)を使用する。
プローブアーム13は、その光路上に、偏光制御器20、偏光遅延ユニット21(偏光ディレイユニット:Polarization delay unit)、カップラ22、ファイバーコリメータ23、2軸ガルバノスキャナ24、対物レンズ25、及び非球面眼科用レンズ26が順に配列されて構成されている。
カップラ22には、計測対象物7への光路から分岐した位相キャリブレーションユニット31が接続されている。位相キャリブレーションユニット31は、ファイバーコリメータ32、レンズ33及びミラー(校正鏡)34を備えている。
偏光遅延ユニット21は、ファイバーコリメータ37と、45°直線偏光器38と、偏光ビームスプリッタ39と、この偏光ビームスプリッタ39で分割された2つの光路上にそれぞれ配置された第1のドーブプリズム40と、第2のドーブプリズム41と、合波用の偏光ビームスプリッタ42と、ファイバーコリメータ43と、を備えている。
なお、「ドーブプリズム」は、直角プリズムを半分にしたプリズムであり、直角三角形の斜面に平行光線が入射すると、内部で反射し入射方向に平行に出射するプリズムである。第1のドーブプリズム40は、その位置は定位置に固定して設けられており、第1のドーブプリズム40経由の偏光ビームスプリッタ39から合波用の偏光ビームスプリッタ42までの光路長は一定である。
第2のドーブプリズム41は、光路長調整用のプリズムであり、光路方向に可動に設けられている。光路方向に適宜、移動することで、第2のドーブプリズム41経由の偏光ビームスプリッタ39から合波用の偏光ビームスプリッタ42までの光路長を調整可能である。
参照アーム12は、その光路上に、ファイバーコリメータ46、ミラー47、ミラー48、ファイバーコリメータ49及び偏光制御器50が順に配列されて構成されている。
偏光分離検出ユニット14は、合波用のビームスプリッタ54を備え、合波用のビームスプリッタ54の入射側の一方のプローブアーム13からの光路に配置され、偏光制御器55に接続されたファイバーコリメータ56が接続されており、他方の光路参照アーム12からの光路には、ファイバーコリメータ57及び45°直線偏光器58が順に接続されている。
偏光分離検出ユニット14は、合波用のビームスプリッタ54の出射側であって分割してビームが送られる第1の光路61及び第2の光路62を備えている。第1の光路61上には第1の偏光ビームスプリッタ63が設けられ、第2の光路上には第2の偏光ビームスプリッタ64が設けられている。
第1のビームスプリッタ63で分割して、水平偏光成分を送る光路には、ファイバーコリメータ67を介して水平バランス偏光検出器68が接続されており、垂直偏光成分を送る光路には、ファイバーコリメータ69を介して垂直バランス偏光検出器70が接続されている。
同様に、第2のビームスプリッタ64で分割して、水平偏光成分を送る光路には、ファイバーコリメータ74を介して水平バランス偏光検出器68に接続されており、垂直偏光成分を送る水平ビームの光路には、ファイバーコリメータ75を介して垂直バランス偏光検出器70に接続されている。
(作用)
上記構成の波長走査型OCT2において、光源6からのビームは、光アイソレータ8を通してファイバーカップラ11によって、参照アーム12方向へ10%、プローブアーム13方向へ90%の光量で分離される。光アイソレータ8は、ビームの一方向の通過のみ許容するものであり、反射光を遮断して光源6を保護するものである。
プローブアーム13方向へ分離されたビームは、偏光制御器20を通過して偏光遅延ユニット21に入射される。偏光遅延ユニット21において、ファイバーコリメータ37を通過してから直線偏光器38で直線偏光され、直線偏光されたビームを、偏光ビームスプリッタ39によって、互いに垂直方向に振動するS波(反射される偏光成分で入射面に垂直に振動している偏光成分)とP波(透過する偏光成分で入射面に並行に振動している偏光成分)に分離する。
S波のビームは、第1のドーブプリズム40を通過して合波用の偏光ビームスプリッタ42に入射され、偏光ビームスプリッタ39から合波用の偏光ビームスプリッタ42までの光路長は一定である。
P波のビームは、光路長調整用の第2のドーブプリズム41を通過して合波用の偏光ビームスプリッタ42に入射される。P波のビームについては、第2のドーブプリズム41を光路方向に沿って適宜移動することで、偏光ビームスプリッタ39から合波用の偏光ビームスプリッタ42までの光路長を調整することが可能である。
ここでは、P波の光路長をS波の光路長より長く調整しておく。光路長の異なるS波のビームとP波のビームが、合波用の偏光ビームスプリッタ42において、位相差がずれた状態で重畳(合波)され、ファイバーコリメータ43を通過して偏光遅延ユニット21からカップラ22に向けて出射される。
カップラ22に入射されたビームは、その20%がプローブビームとして、ファイバーコリメータ23、2軸ガルバノスキャナ24、対物レンズ25及び非球面眼科用レンズ26を通過して計測対象物7(例.眼の角膜、網膜、脈絡膜等)に照射され、残りの80%が位相キャリブレーションユニット31に入射される。
計測対象物7に照射され反射された計測ビーム及び位相キャリブレーションユニット31の校正鏡34で反射された校正ビームは、プローブアーム13を戻りカップラ22から偏光制御器55を通過して偏光分離検出ユニット14に入射し、ファイバーコリメータ56を通過して合波用の偏光ビームスプリッタ54に入射する。
一方、カップラから参照アーム12に入射された参照ビームは、ファイバーコリメータ46、ミラー47、ミラー48、ファイバーコリメータ49及び偏光制御器50を通過して、偏光分離検出ユニット14に入射し、ファイバーコリメータ57を通過し、直線偏光器58によって自身の偏光を直線偏光にされ、合波用の偏光ビームスプリッタ54に入射する。
合波用のビームスプリッタ54に入射された計測ビームと参照ビームは、重畳され互いに干渉して干渉光となり、この干渉光は、第1の光路61上の第1の偏光ビームスプリッタ63と第2の光路62上の第2の偏光ビームスプリッタ64に送られる。
第1の光路61上の第1の偏光ビームスプリッタ63に入射された干渉光は、第1の偏光ビームスプリッタ63において、水平偏光成分と垂直偏光成分に分離されて、それぞれ水平バランス偏光検出器68と垂直バランス偏光検出器70で検出される。
第2の光路62上の第2の偏光ビームスプリッタ64に入射された干渉光は、第2の偏光ビームスプリッタ64において、水平偏光成分と垂直偏光成分に分離されて、それぞれ水平バランス偏光検出器68と垂直バランス偏光検出器70で検出される。
水平バランス偏光検出器68で検出された、P波に対応した干渉光かつ該干渉光の水平偏光成分については、第1の断層画像が得られるとともに、S波に対応した干渉光かつ該干渉光の水平偏光成分については、第2の断層画像が得られる。
図2は、黄斑網膜を計測対象物7としたOCT断層画像であるが、上記2枚のOCTの断層画像は、それぞれ図2(a)の上下に示すとおりである。図2(a)の上の断層画像は、S波に対応した像であり、計測対象物7の浅い側に形成される。また、図2(a)の下の断層画像は、P波に対応した第2の断層画像であり、計測対象物7の深い側に形成される。
垂直バランス偏光検出器では、その一方の受光器に受光されたS波に対応した干渉光かつ該干渉光の垂直偏光成分による第1の断層画像が得られるとともに、その他方の受光器に受光されたP波に対応した干渉光かつ該干渉光の垂直偏光成分による第2の断層画像が得られる。
これらの2枚のOCTの断層画像は、それぞれ図2(b)の上下に示すとおりである。図2(b)の上に示す断層画像は、S波に対応した第1の断層画像であり、計測対象物7の浅い側に形成される。また、図2(b)の下に示す断層画像は、P波に対応した第2の断層画像であり、計測対象物7の深い側に形成される。
以上のとおり、本発明の波長走査型OCT2は、マルチコントラストのOCTを構成しており、4枚のOCT断層画像が得られる。ところで、本発明の装置のさらなる特徴は、プローブビーム13側に、位相キャリブレーションユニット31を備えている点である。これについて、以下説明する。
偏光遅延ユニット21では、直線偏光された入射されるビームのうち、P波のビームの一部(4.4%程度)は、偏光ビームスプリッタ39を透過せずに反射されてS波のビームに混入するという、不完全に分離できない現象が生じる。
即ち、偏光遅延ユニット21の偏光ビームスプリッタ39は、理想的にはP波を透過させ、S波を反射させるものであるが、実際は、市販の偏光ビームスプリッタは直線偏光を完全に分離出来ず、反射光にP波が混入する。これにより、偏光遅延ユニット21は、P波について、互いに光路長差zdをもつマハツエンダー干渉計のように振る舞い、校正信号を発生する。
即ち、偏光ビームスプリッタ39を透過したP波のビームと、反射光に混入したP波のビームが、偏光ビームスプリッタ42で重畳する際にマハツエンダー干渉計のように機能して、干渉光を発生し、これが校正信号として機能することとなる。
なお、偏光ビームスプリッタをP波が反射しS波が透過するような構成とした場合は、S波が一部反射しP波に混入することを利用し、S波自体の光路長差を生じさせて、干渉光を発生し、これが校正信号として機能するようにしてもよい。
プローブアーム13のカップラ22から分割され、校正信号として機能する干渉光は、位相キャリブレーションユニット31に入射し、ファイバーコリメータ22とレンズ33を通して校正鏡34で反射され、この反射された校正信号として機能する干渉光はカップラ22から、偏光制御器55を通過して偏光分離検出ユニット14に入射する。
位相キャリブレーションユニット31からの干渉光は、偏光分離検出ユニット14における合波用のビームスプリッタ54で参照ビームと重畳、干渉させ、分割して第1の光路61及び第2の光路62に送り、それぞれ第1の偏光ビームスプリッタ63及び第2の偏光ビームスプリッタ64で、さらに水平偏光成分と垂直偏光成分に分離する。水平偏光成分と垂直偏光成分は、それぞれ水平バランス偏光検出器68と垂直バランス偏光検出器70で検知する。
図2(a)、(b)において、それぞれ位相キャリブレーションユニット31で生成される校正信号として機能する干渉光によって、水平バランス偏光検出器68と垂直バランス偏光検出器70でそれぞれ検出された断層画像における、丁度、上下方向の中間の箇所に、キャリブレーション用(校正用)のライン画像(図2中、「←」で「Calibration signal」と示す像)が形成される。
(画像処理)
以上のようにして得られた4枚のOCT断層画像の処理を、コンピュータ3を用いて画像処理する画像処理手段の構成、プログラムについて、以下説明する。
上記構成の波長走査型OCTで得られた計測データは、画像処理装置として使用するコンピュータ3に入力される。このコンピュータ3は通常のコンピュータであり、図3に示すように、入力部81、出力部82、CPU83、記憶装置84及びデータバス85を備えている。
本発明に係るプログラムは、コンピュータ3の記憶装置84に記憶されるプログラムであって、コンピュータ3に入力された波長走査型OCT2で得られる画像をより鮮明に画像処理する手段として、コンピュータ3を機能させるプログラムである。コンピュータ3にこのプログラムを搭載することにより、本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム1は、画像をより鮮明に画像処理する手段を備えたシステムとなる。
従来、ジョーンズマトリックスOCT(OCTで得られた干渉信号をジョーンズマトリックス手段を用いて処理して画像を得るOCT)においては、OCT像は、ジョーンズマトリックスの4つの要素(4枚のOCT断層画像信号)の二乗強度を平均して得られていた。
また、ドップラーOCTについては、4つ要素(4枚のOCT断層画像信号)のドップラー位相シフト信号を平均して行われていた。そのような従来の手段では、4枚のOCT断層画像信号、すなわち4つのジョーンズマトリックスの要素に、光源のパワーが分離されてしまうことによる感度の減少が避けられなかった。
この問題を解決するために、本発明では、ジョーンズマトリックスの4つの要素(4枚のOCT断層画像信号)を複素振幅(OCT断層画像信号を複素表示した場合における時間を含まない部分)の状態でコヒーレントに結合(コヒーレント結合)する新規な信号処理を採用したことを特徴とするものである。
本発明では、このような構成を採用することにより、波長走査型OCT2において計測した散乱OCT信号及びドップラーOCT信号によって、それぞれ断層画像信号を、マトリックスの4要素(4枚のOCT断層画像信号)のコヒーレント結合で得ることができる。
具体的には、マトリックス要素のコヒーレント結合Eout(z)は、深さ(z)で表示される4つのOCT断層画像信号E(1) outA(z)、E(1) outB(z)、E(2) outA(z)、E(2) outB(z)のマトリックスとして、次の式(数7)に示すように表される。
(数17)において、Aは水平偏光に対応するOCT断層画像信号であり、(1)はP波成分に対応し、(2)はS波成分に対応する、それぞれのOCT断層画像信号であることを意味している。従って、E(1) outA(z)は、水平偏光かつP波成分に対応したOCT断層画像信号であり、E(2) outA(z)は、水平偏光かつS波成分に対応したOCT断層画像信号である。
また、(数17)において、Bは垂直偏光に対応するOCT断層画像信号であり、(1)はP波成分に対応し、(2)はS波成分に対応する、それぞれのOCT断層画像信号であることを意味している。従って、E(1) outB(z)は、垂直偏光かつP波成分に対応したOCT断層画像信号であり、E(2) outB(z)は、垂直偏光かつS波成分に対応したOCT断層画像信号である。
このようにして、水平偏光かつP波成分、水平偏光かつS波成分、垂直偏光かつP波成分、垂直偏光かつS波成分にそれぞれ対応した、OCT断層画像信号がマトリックスとして示されている。
ここで、θ、θ、θは、深さ方向に依存しない、E(1) outA(z)に対するそれぞれE(2) outA(z)、E(1) outB(z)、E(2) outB(z)の相対的な位相のオフセットであり、このように位相の複屈折成分の深さ方向の変化を無視することができるという仮定は、通常の非偏光強度OCT(偏光を利用しないOCT)においても仮定されているところの、計測対象物の複屈折性は充分に小さいという近似に相当する。
このコヒーレント結合において、θ、θ、θは、次の式(数18)で表される。
ここで、zを下に付したΣは、深さ方向の画素についての和である。Argは引数の位相成分を与える関数である。即ち、Arg[x]は複素数xの位相成分(偏角ともいう)を与える関数である。E(1) outA(z)は、E(1) outA(z)の複素共役を示す(以下の他の式でも同じ)。なお、≡は、左辺の記号は右辺で定義する意味であり、=(イコール)と同じ意味で使用している。
上記コヒーレント結合について、その平均値(上線付きEout(z))は、マトリックス要素のコヒーレント結合Eout(z)、θ、θ、θを用いることで、次の式(数19)で定義される。この式によると、ジョーンズマトリックスの各要素の平均値をとることにより、強度OCT像を得ることができる。ここでのEout(z)の上線は、平均値を意味する。
この合成された信号は、複素OCT信号についてそのランダムな位相をそろえて和をとっているため、ランダムな位相信号を含んだ二乗強度の和をとる従来の手法と比較して、より増強された感度を得ることができ、後記するドップラー位相シフト計測に適用した場合においても、より高い解像度を得ることができる。
以上のとおり増強された感度を得ることができた合成された信号に基づく散乱OCT像(計測対象物からの散乱反射光によるOCT像(通常の強度OCT像)))は、コヒーレントなマトリックス成分を用いて、次の式(数20)として得られる。
また、複数回のB−スキャンデータを用い、それらのコヒーレントな平均をとることで、さらに、より高品質な散乱OCT像を得ることができる。これは、次の式(数21)で示される。
網膜よりさらに深い位置に存在する脈絡膜の血管について、本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム1により、上記式の結果得られるOCT画像を図4(a)に示す。
この画像は、図4(c)に示す、従来のインドシアニングリーン蛍光眼底血管造影(ICGA)の形式の血管造影により得られた同じ脈絡膜の血管の造影画像に比べて、よりコントラストが明確な画像であることが明らかである。
次に、本発明をドップラー計測(ドップラーOCT)に適用する構成について、以下説明する。
特にドップラー計測では、ドップラー信号(ドップラー位相シフト)は2つのA−スキャン(2回のB−スキャンで得られる第1のA−スキャンA1と第2のA−スキャンA2)で取得されるスペクトル干渉信号の位相差によって得られるため、OCTで取得されるスペクトル干渉信号のジッター(Jitter:時間軸方向での信号波形の揺らぎや、その揺らぎにより生じる画像の乱れ)は、ドップラー計測におけるデータ誤差に直接影響する。
そのために、B−スキャンを繰り返し行うことにより、異なる時刻の同一箇所のA−ラインのデータを得る。
一般に、生体の計測対象物のドップラー位相シフトΔφ(z)の生データは、Δφ(z)=(4πτ/λ)nv(z)+φから得られる。
ここで、λは光源の中心波長、nは計測対象物の屈折率、v(z)は測定対象である計測対象物の流れる速度光軸方向(z)成分、φは計測対象物のバルクモーション(全体的な動き)による一定のオフセット(バルクオフセット)である。τは2つのA−スキャン間の時間差で、ここでは異なるB−スキャン間の時間となっている。
本発明では、生のドップラーシフトΔφ(z,j)は互いに共役なコヒーレント成分で次の式(数22)のとおり定義される。
ここで、Δφ(z,j)は、j番目のB−スキャンにおけるA−ラインと、j+1番目のB−スキャンにおけるA−ラインとの間のドップラーシフトを表している。は複素共役を示している。また、Eoutの上線(アッパーライン)は平均値を示している。
バルクオフセットΔφ(j)は、深さ方向の積分値を用いて、次の式(数23)で書くことができる。
同一点を複数(m)回のB−スキャンで計測することにより感度を向上させることができる。つまり、次の式(数24)示すとおりである。
ここで、mはスタートのB−スキャンのパラメータであり、W(z,j)は強度マスクで、次の式(数25)で定義され、εはOCT像のノイズフロア(最低雑音)である。この式は、窓関数Wはドップラー位相シフト量が所定の大きさεより大きい場合は1にセットし、所定の大きさより小さい場合はノイズとして扱いデータに加算しないように0にセットする、という意味である。
網膜よりさらに深い位置に存在する脈絡膜の血管について、本発明に係るジョーンズマトリックスOCTをドップラー計測に適用、上記式で感度の向上した結果得られるOCT画像を図4(b)に示す。
この画像は、図4(c)に示す、従来のインドシアニングリーン蛍光眼底血管造影(ICGA)の形式の血管造影により得られた同じ脈絡膜の血管の造影画像に比べて、感度が向上していることが明らかである。
m=1の時は、上記(数24)は次の式(数26)となる。
ドップラー像を表示する場合は、ドップラー位相シフトの二乗強度を示す次の式(数27)を用いる。
(校正)
波長走査型の光源は、時間的に波長を変化させて走査するので、この光源の波長スキャン(波長の変化のタイミング)と、光検知器でスペクトル干渉信号としてデータを収集するタイミングとの間の(不一致により生じる)ジッター(Jitter:時間軸方向での信号波形の揺らぎや、その揺らぎにより生じる画像の乱れ)が問題になる。
このジッターは、スペクトルサンプリングのランダムなシフトをもたらし、結果、OCTで取得されるスペクトル干渉信号のジッターとなる。
本発明では、偏光遅延ユニット21(偏光ディレイユニット:Polarization delay unit)を使用して校正信号を発生させるとともに、異なるB−スキャンにおけるA−ライン間のスペクトルサンプリングに生じるジッター(光源の波長走査とA−ライン間の同期における位相の時間位置の揺らぎ)をモニターし、校正信号を用い、本発明の画像処理プログラムによって、コンピュータを補正手段として機能させて補正することで、位相の安定化をすることが可能とする。
校正信号は、本発明に係る波長走査型OCT2で以下のように発生させる。前記したとおり、偏光遅延ユニット21の偏光ビームスプリッタ39は、理想的にはP波を透過し、S波を反射するものである。
しかし、実際は、市販の偏光ビームスプリッタは直線偏光を完全に分離出来ず、反射光にP波が混入する。これにより、偏光遅延ユニット21はP波について互いに光路長差zをもつマハツエンダー干渉計のように振る舞い、校正信号として機能する干渉光を発生する。
この校正信号は、カプラー22を通って位相キャリブレーションユニット31の校正鏡34で反射され、再び、カプラー22を通って偏光分離検出ユニット14の水平バランス偏光検出器68及び垂直バランス偏光検出器70で検出される。
水平バランス偏光検出器68及び垂直バランス偏光検出器70でそれぞれ検出される校正信号に基づく断層画像(キャリブレーション用(校正用)のライン画像)は、上記光路長差zに対応した深さの位置に現れるが、この位置は、図2(a)、(b)にそれぞれ示すように、常に2つの入力偏光の多重化された信号のちょうど真ん中となっている。これを用いて光源の波長走査とA−ライン間の同期におけるジッター(位相の時間位置の揺らぎ)を補正する。
ジッターの補正は、次のとおりである。たとえば、B−スキャンの最初のA−ラインを基準とし、そのスペクトル強度I(j)とし、校正する他のA−ラインデータをI(j)とするとこれらは、次の式(数28)で表される。
ここでE(j)および E(j)は、偏光遅延ユニットを反射および透過してきた光によるスペクトル干渉成分であり、jはB−ラインのパラメータである。*は畳み込み積分(コンボリューション)を表し、βはスペクトルの相対的なシフト量となっている。
スペクトルのシフト量の推定において、まず、基準となる参照A−ラインの信号をフーリエ変換したものと、校正するA−ラインの信号をフーリエ変換したものの複素共役を、次の式(数29)のとおり積算する。
ここで、F[ ]は、フーリエ変換を表し、上付きの*は複素共役を表す。(数29)をフーリエ逆変換すると、次の式(数30)のとおりとなる。
ここで、○内に×を記載した記号は、相関演算(コリレーション)である。そして、次の式(数31)は、I(j)の自己相関であるので、j=0で最大値をとるため、全体の最大値は、j=−βのところとなる。
従って、スペクトルシフトの量βは上式の信号が最大となる箇所から決定することができる。検出の精度を上げるためには、フーリエ変換の際、有効データの外側を0の値のデータで拡張するゼロフィリングを行い、フーリエ変換をおこなうことによって周波数空間での分解能を向上させることができる。たとえば、16倍に領域を拡大すれば、1/16ピクセルの精度で周波数空間においてシフト量を検出することが可能となる。
SS−OCTの場合、光源は光の周波数について線形なスキャンをおこなっている。データ処理においては波数に線形なデータに変換する必要があり、この手順をリスケーリングとよび、テーブルを用いて変換している。この周波数−波数のリスケーリングテーブルに上記のシフト量を組み込んだものを、予め作成して用意しておくことで、1度の変換で、ジッター補正とリスケーリングをおこなうことができる。
以上、本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム及び該OCTで得られた計測データを画像処理するプログラムを実施するための形態を実施例に基づいて説明したが、本発明はこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内で、いろいろな実施例があることは言うまでもない。
本発明に係るジョーンズマトリックスOCTシステム及び該OCTで得られた計測データを画像処理するプログラムは、非侵襲による眼科診断装置への利用が最適であり、擬似血管造影検査、脈絡膜血管の定量評価による緑内障、糖尿病網膜症の超早期診断に、きわめて有用である。
1 ジョーンズマトリックスOCTシステム
2 波長走査型OCT
3 コンピュータ
6 光源
7 計測対象物
8 光アイソレータ
11 ファイバーカプラー
12 参照アーム
13 プローブアーム
14 偏光分離検出ユニット
17 ファイバー
20 偏光制御器
21 偏光遅延ユニット
22 カップラ
23 ファイバーコリメータ
24 2軸ガルバノスキャナ
25 対物レンズ
26 非球面眼科用レンズ
31 位相キャリブレーションユニット
32 ファイバーコリメータ
33 レンズ
34 ミラー(校正鏡)
37 ファイバーコリメータ
38 45°直線偏光器
39 偏光ビームスプリッタ
40 第1のドーブプリズム
41 第2のドーブプリズム
42 合波用の偏光ビームスプリッタ
43 ファイバーコリメータ
46 ファイバーコリメータ
47 ミラー
48 ミラー
49 ファイバーコリメータ
50 偏光制御器
54 合波用のビームスプリッタ
55 偏光制御器
56 ファイバーコリメータ
57 ファイバーコリメータ
58 45°直線偏光器
61 第1の光路
62 第2の光路
63 第1の偏光ビームスプリッタ
64 第2の偏光ビームスプリッタ
67 ファイバーコリメータ
68 水平バランス偏光検出器
69 ファイバーコリメータ
70 垂直バランス偏光検出器
74 ファイバーコリメータ
75 ファイバーコリメータ
81 入力部
82 出力部
83 CPU
84 記憶装置
85 データバス
93 OCT
94 光源
95 コリメートレンズ
96 ビームスプリッタ
97 対物レンズ
98 被計測物体
99 対物レンズ
100 参照鏡
101 集光レンズ
102 光検出器

Claims (7)

  1. 光源と、
    前記光源からの光束をP偏光とS偏光に分離する偏光分離ユニットと、
    前記偏光分離ユニットからのP偏光及びS偏光に対して相対的に位相差を与えるとともに、位相差を有するP偏光及びS偏光を重畳する偏光遅延ユニットと、
    前記偏光遅延ユニットからの光束を測定対象に照射するとともに、測定対象からの反射光を受ける対物ユニットと、
    前記対物ユニットからの光束と、前記光源からの光束を干渉させ、垂直偏光及び水平偏光に分離して検出する検出ユニットと、
    前記検出ユニットからの信号を受け、次に示す(数1)から(数3)に基づいて、断層像を生成する計算ユニットと、
    を有する、
    ジョーンズマトリックスOCT装置。
    前記(数1)において、E(1) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(1) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号である。
  2. 前記計算ユニットは、
    ドップラー像を、次に示す式(数4)で算出して表示可能であり、
    同一点を複数(m)回のB−スキャンで計測することにより、次に示す式(数5)で表されるドップラーシフトΔφ(z,j)を、ドップラー計測に適用してドップラー計測の感度を向上させる、
    請求項1に記載のジョーンズマトリックスOCT装置。
    前記(数5)において、mはスタートの前記B−スキャンのパラメータであり、W(z,j)は次に示す(数6)で定義される強度マスクであり、εはOCT像のノイズフロア(最低雑音)である。
  3. 前記計算ユニットは、
    前記測定対象からの散乱反射光によるOCT像を、コヒーレントなマトリックス成分を用いて、次に示す式(数7)に基づいて算出すると共に、
    複数回のB−スキャンデータを用い、前記マトリックス成分のコヒーレントな平均をとることで、散乱OCT像を次に示す式(数8)に基づいて算出する、
    請求項1記載のジョーンズマトリックスOCT装置。
  4. 前記偏光遅延ユニットは、校正鏡を有する位相キャリブレーションユニットを備え、
    前記校正鏡は、前記偏光遅延ユニットにおいて前記P偏光又は前記S偏光の干渉光を反射させて、前記検出ユニットに送り、
    前記計算ユニットは、前記検出ユニットで前記干渉光と前記光源からの光束とが重畳して生じる校正信号を用いて、前記光源の波長走査とA−スキャン間の同期におけるジッターを補正する、
    請求項1から3の何れか一項に記載のジョーンズマトリックスOCT装置。
  5. 光源と、前記光源からの光束をP偏光とS偏光に分離する偏光分離ユニットと、前記偏光分離ユニットからのP偏光及びS偏光に対して相対的に位相差を与えるとともに、位相差を有するP偏光及びS偏光を重畳する偏光遅延ユニットと、前記偏光遅延ユニットからの光束を測定対象に照射するとともに、測定対象からの反射光を受ける対物ユニットと、前記対物ユニットからの光束と、前記光源からの光束を干渉させ、垂直偏光及び水平偏光に分離して検出する検出ユニットと、前記検出ユニットからの信号に基づいて、断層像を生成する計算ユニットと、を有するジョーンズマトリックスOCT装置の前記計算ユニットに搭載されるプログラムであって、
    前記計算ユニットを、前記検出ユニットからの信号を受け、次に示す(数9)から(数11)に基づいて、断層像を生成する画像処理手段として機能させる、
    プログラム。
    前記(数9)において、E(1) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outA(z)は、前記水平偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(1) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記P偏光に対応したOCT断面画像信号であり、E(2) outB(z)は、前記垂直偏光かつ前記S偏光に対応したOCT断面画像信号である。
  6. 前記計算ユニットを、ドップラー像を、次に示す式(数12)で算出して表示可能であり、同一点を複数(m)回のB−スキャンで計測することにより、次に示す式(数13)で表されるドップラーシフトΔφ(z,j)を、ドップラー計測に適用してドップラー計測の感度を向上させる画像処理手段として機能させる、
    請求項5に記載のプログラム。
    前記(数13)において、mはスタートの前記B−スキャンのパラメータであり、W(z,j)は次に示す(数14)で定義される強度マスクであり、εはOCT像のノイズフロア(最低雑音)である。
  7. 前記計算ユニットを、前記測定対象からの散乱反射光によるOCT像を、コヒーレントなマトリックス成分を用いて、次に示す式(数15)に基づいて算出すると共に、複数回のB−スキャンデータを用い、前記マトリックス成分のコヒーレントな平均をとることで、散乱OCT像を次に示す式(数16)に基づいて算出する画像処理手段として機能させる、
    請求項5に記載のプログラム。
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