JP2018064399A - 熱電発電装置 - Google Patents

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Hiroshige Arai
浩成 荒井
裕太郎 得津
Yutaro Ezu
裕太郎 得津
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Abstract

【課題】熱源からの伝熱効率を高めた熱電発電装置を提供する。【解決手段】熱源としての高温壁10と熱電発電装置の集熱板28との間に、複数の凹凸を有する金属箔30を配置する。金属箔30の頂上部32は集熱板28の表面に沿って平らに変形し、谷底部34は高温壁10の表面に沿って変形する。これにより、金属箔30は高温壁10および集熱板28に対してそれぞれ局所的に面接触する。【選択図】図6

Description

本発明は、熱を電力に変換する熱電発電装置に関するものである。
この種の熱電発電装置では、例えば焼却設備などの大量の廃熱が発生する環境において、ゼーベック効果を利用した熱電変換素子によって電力を発生させる熱電変換モジュールが、高温になる場所に設置される。この熱電発電装置を用いることにより、廃熱すなわち廃棄される予定であった熱を電力に変換することが可能となり、エネルギーの有効活用に貢献できる。
こうした熱電発電装置は、高温になる部材と低温になる部材との間に設置され、高温になる部材(高温熱源)と低温になる部材(低温熱源)との温度差に応じた起電力を発生する。熱電発電装置が大きな電力を発生させるためには、高温熱源から熱電発電装置まで効率よく熱が伝達されることが望ましい。そこで、熱電発電装置の表面は平坦かつ滑らかに加工され、この表面が高温熱源の表面と接触させられる。これにより、熱電発電装置は高温熱源からの熱を効率よく受け取ることが可能になる。
しかしながら、熱電発電装置の表面と接触させられる高温熱源の表面は、平坦かつ滑らかな状態に保たれているとは限らない。高温熱源は高温という過酷な環境下にあるため、往々にしてその表面にはゆがみが生じる。また高温熱源の表面が研磨されて平坦化されていたとしても、微細な凹凸は残ってしまう。このような凹凸のある高温熱源の表面を熱電発電装置の平坦な表面と接触させると、その接触は面接触とはならず、双方の表面同士の間には隙間が生じてしまう。この隙間には熱伝導率の低い空気が存在しており、高温熱源から熱電発電装置への熱伝導は空気を介した効率の悪いものとなってしまう。
従来の熱電発電装置においては、熱電発電装置と高温熱源との間に放熱グリスを塗布することにより、熱電発電装置と高温熱源との間に隙間が生じないようにすることが行われる。この放熱グリスは種類によっては金属などの導電性の高い物質の粒子を含んだものもあり、このような放熱グリスが熱電発電装置と高温熱源との隙間に充填されることによって、空気よりは高い伝熱効率が得られる。
しかし一般的な放熱グリスの主成分はシリコン樹脂(シリコーン)であり、これは金属ほどの伝熱性は持っていない。そのため、隙間が放熱グリスで完全に埋められたとしても、金属同士が直接接触した場合ほどの伝熱性は得られない。つまり、放熱グリスを用いた従来の熱電発電装置では、高温熱源からの伝熱性、ひいてはエネルギーの利用効率に制限がある。
そこで、本発明は、熱源からの伝熱効率を高め、従来よりも高いエネルギーの利用効率を実現する熱電発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る熱電発電装置は、熱源の熱を電力に変換する熱電変換モジュールと、前記熱源の表面に配置され、熱源方向および前記熱源から離れる方向にそれぞれ突起を向けた複数の凹凸を有しており、前記熱源から前記熱電変換モジュールへの伝熱経路を形成する金属箔と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る熱電発電装置は、前記金属箔の素材が熱伝導率100W/m・K以上の金属であると好ましい。
本発明によれば、熱源から熱電変換モジュールまでの伝熱経路が、金属製の連続体である金属箔によって形成されるため、主成分が非金属のシリコン樹脂である従来の放熱グリスを用いた場合に比べて、非常に高い伝熱性を得ることができる。
また、金属箔が凹凸を備えているため、熱源の表面に沿ってこの凹凸が変形することによって、金属箔は熱源の表面に対して面接触を行うことになり、熱源の熱を効率よく受け取ることができる。
本発明に係る熱電発電装置の実施形態の一例を示す平面図。 図1のA−A矢視図。 本実施形態における金属箔を示す断面図であり、(a)は凹凸形状をわかりやすく示すための模式図、(b)はより実際の金属箔に近い形状を示す図。 金属箔に凹凸形状が設けられると金属箔が全体的に圧縮される様子を示す斜視図。 本実施形態における熱電発電装置と高温壁との間の隙間の様子を示す断面図であり、(a)は高温壁表面が平坦な場合を示す図、(b)は高温壁表面に凹凸がある場合を示す図。 本実施形態における金属箔の変形の様子を説明するための模式断面図であり、(a)は高温壁表面が平坦な場合を示す図、(b)は高温壁表面に凹凸がある場合を示す図。 金属箔の変形について図6より実際の金属箔に近い形状を示す断面図であり、(a)は高温壁表面が平坦な場合を示す図、(b)は高温壁表面に凹凸がある場合を示す図。 金属箔が複数枚用いられる様子を示す斜視図。
以下、図面を参照して本発明に係る熱電発電装置の実施形態の一例を説明する。図1は熱電発電装置20の平面図であり、本実施形態においては熱電発電装置20が焼却設備において用いられるものとする。熱電発電装置20はこのように、焼却設備における燃焼室の外壁や排ガス用パイプの外面など高温になる複数の場所(かつ冷却系が設けられた場所)に分散設置されることにより、複数の場所で発生する熱をそれぞれ電力に変換することができる。図1は熱電発電装置20が排ガス用パイプの外面に取り付けられている場合を示している。この排ガス用パイプは高熱になるため、熱電発電装置20の高温熱源として用いることができる。以下においては、この高温熱源としての排ガス用パイプを高温壁10と呼ぶ。
図2に示すように、本実施形態の熱電発電装置20は上側(高温壁10と反対側)から順に、冷却ユニット22、熱電変換モジュール26、集熱板28を備えている。熱電変換モジュール26は周囲環境の温度差を電力に変換する熱電変換素子を複数有するものである。そして熱電変換モジュール26は、冷却ユニット22と集熱板28に挟まれるように配置されており、冷却ユニット22と集熱板28との温度差に応じた電力を発生させる。この熱電変換モジュール26が発生させた電力は、図示しない電気配線を通じて電力を必要とする外部の装置へ送られる。なお熱電変換モジュール26内には図示しない絶縁シートなどが設けられていて、熱電変換モジュール26と他の部材(冷却ユニット22や集熱板28など)とが電気的に絶縁されており、熱電変換モジュール26が発生させた電力が前述の電気配線以外へと逃げないようになっている。
図1に示すように熱電発電装置20の四隅には締結ボルト29が設けられている。これらの締結ボルト29は、図2に示すように、冷却ユニット22から集熱板28にかけて延びており、締結ボルト29が軸周りに回転させられることにより、冷却ユニット22と集熱板28とが互いに締め付けられる。冷却ユニット22と集熱板28とが互いに締め付けられることにより、冷却ユニット22と集熱板28との間に配置されている熱電変換モジュール26は冷却ユニット22および集熱板28に対して密着する。なお冷却ユニット22と集熱板28との間のうち、熱電変換モジュール26以外の領域は、断熱性の高い充填材27(例えば合成樹脂)で満たされており、熱電変換モジュール26以外へは熱が伝わらないようになっている。
熱電変換モジュール26の上側に配置されている冷却ユニット22は、冷却水を貯蔵可能なタンクであり、このタンクは焼却設備の冷却ライン21(冷却系)と接続されている。冷却ライン21は排ガスを冷却するために排ガス用パイプに沿って敷設された管路であり、この管路内で冷却水が循環することにより、排ガス用パイプ内の排ガスが冷却される。そして、本実施形態においては冷却ライン21に冷却ユニット22が接続されているため、冷却ユニット22としてのタンク内の冷却水は常に低温のものと交換され続ける。つまり、冷却ユニット22は低温に保たれ続ける。そのため、この冷却ユニット22は熱電発電装置20の低温熱源として用いることができる。
熱電変換モジュール26の下側(高温壁10に近い側)に配置されている集熱板28は伝熱性の良い金属(例えば銅)製の板であり、熱電変換モジュール26よりも大きな面積を有している。このため、高温壁10の外面上の広い範囲から熱を集めて熱電変換モジュール26へと伝えることができる。
そして、熱電発電装置20は取付治具42を用いて高温壁10へ取り付けられる。取付治具42は図1,図2に示す通り熱電発電装置20を高さ方向(高温壁10から離れる方向)に回り込むように配置された板材であり、その長さ方向両端は取付ボルト44により高温板10へ固定されている。そして取付治具42のうち熱電発電装置20よりも上側に位置する部分には、先端が円板状に広がっている押圧ボルト45が設けられており、熱電発電装置20はこの押圧ボルト45によって上側から押圧されて、高温壁10へと押し付けられる。図1に示す通り、本実施形態においては1つの熱電発電装置に対して取付治具42が2つ設けられている。
そして、熱電発電装置20の下側において、集熱板28と高温壁10との間には金属箔30が配置されている。この金属箔30はアルミニウムなどの伝熱性の高い金属が平らに広げられた薄い板金を基に形成される。そしてこの金属箔30は図3(a)の断面図に示すように、その表裏両面に複数の凹凸が連なった形状に加工されている。そしてこれらの凹凸は図3(a)では紙面内の左右方向に連なっているが、図3(a)の紙面と直交する方向にも連なっている。図1で言うと、図中の左右方向だけでなく上下方向にも多数の凹凸が連なっている(つまり二次元的に、あるいは平面的に連なっている)。このため金属箔30のどの部分の断面を見るかによって現われる凹凸形状は異なり、例えばある部分の断面では図3(a)の実線に示すような凹凸形状になっている一方で、別の部分の断面では破線で示すような凹凸形状になっていることがある。以下、図3(a)中の凸部を頂上部32、凹部を谷底部34と呼ぶ。これら頂上部32および谷底部34は、金属箔30の厚み方向上下にそれぞれ現われる凹凸として形成される。凹凸のうち凹部と凸部のどちらが頂上部32でどちらが谷底部34なのかについては、金属箔30が高温壁10の表面に配置された際に、その高温壁10側(熱源方向)へ突起(先端)を向けている部分を谷底部34、高温壁10から離れる方向へ突起を向けている部分を頂上部32とする。
金属箔30の頂上部32および谷底部34は、一定の高さの山あるいは一定の深さの谷が連続して広がっているわけではなく、一つ一つが独立した頂点または谷底を有している。このような形状は、例えば図4に示すように、大きく広がった金属箔30を手で揉んで「くしゃくしゃ」にすることによって得ることができる。このようにして金属箔30に凹凸が設けられると、図4に見られるように金属箔30は全体的に縮む。具体的には、平面視における面積が減少する一方で、高さ方向の寸法が増加する。
このような金属箔30が図2に示すように集熱板28と高温壁10との間に配置された状態で、熱電発電装置20が押圧ボルト45によって上側から押されて高温壁10へ向けて加圧されると、金属箔30は集熱板28と高温壁10との間で挟まれることになり、加圧の力を受けて金属箔30が集熱板28の表面と高温壁10の表面に沿って変形する。すると、図5(a)に示す通り、集熱板28の表面と高温壁10の表面との間の隙間全体にわたって金属箔30がその隙間を埋めるように挟み込まれることになる。さらに、図5(b)に示すような、高温壁10に凹凸がある場合でも、金属箔30は集熱板28と高温板10との間の隙間の形状に応じて変形し、隙間を埋めることができる。
金属箔30の変形の様子を、図6を用いて模式的に解説する。図6(a)に示すように、集熱板28の表面と高温壁10の表面がどちらも平坦かつ滑らかであれば、頂上部32は集熱板28の下面に沿って平らに変形し、谷底部34は高温壁10の上面に沿って平らに変形する。このとき、谷底部34と高温壁10とは面接触となるので、谷底部34は高温壁10の熱を効率よく受け取ることができる。そして谷底部34から頂上部32までは金属箔30を構成する伝熱性の高い金属(ここではアルミニウム)で接続されているので、谷底部34が受け取った熱は頂上部32まで効率よく伝達される。さらに、頂上部32と集熱板28とも面接触となっているので、頂上部32へ伝えられた熱は効率よく集熱板28へと伝えられる。このように、金属箔30が集熱板28と高温壁10との間に配置されていることにより、高温熱源である高温壁10の表面から集熱板28への表面まで連続した熱伝導経路が形成され、この熱伝導経路を形成している伝熱性の高い金属を介して高温壁10の熱が集熱板28へと効率よく伝達されることになる。また頂上部32と谷底部34が平らに変形することにより、谷底部34から頂上部32までの距離が短くなり、より効率的に熱が伝達されるようになる。
さらに、高温壁10の表面に図6(b)に示すような凹凸(高低差)があったとしても、谷底部34はその高温壁10の高低差形状に沿って変形し、谷底部34と高温壁10とが面接触することになる。さらに、その谷底部34は金属箔30の一部であるため、集熱板28に面接触している頂上部32へ至る金属製の伝熱経路が形成されている。したがってこの場合も、伝熱性の高い金属を介して高温壁10の熱が集熱板28へと効率よく伝達されることになる。ここで、仮に凹凸が設けられた金属箔30ではなく、単に柔軟なだけの平坦な薄板を用いたとすると、その薄板は高温壁10の高低差形状に沿って変形することができたとしても、高温壁10の窪みに沿って変形した箇所では薄板と集熱板28との間に隙間が生じてしまい、高温壁10から集熱板28への伝熱効率が低くなる。これに対し、凹凸が設けられた金属箔30では、図6(b)に示す通り、谷底部34が高温壁10の窪みに沿って変形した箇所でも、集熱板28へ向けて金属による伝熱経路が形成されている。また、図6(b)には図示しないが、集熱板28の下面に凹凸(高低差)があったとしても、頂上部32がその集熱板28の高低差形状に沿って変形するので、集熱板28の下面が滑らかでない場合にも高温壁10から集熱板28への伝熱効率は高く保たれる。
ここで、高温壁10の上面に接することになる谷底部34の下端と、その谷底部34から最も近い、集熱板28の下面に接することになる頂上部32の上端までの距離を金属箔30の「高さ」とする(谷底部34のすぐ隣の頂上部32が集熱板28に接しない場合、その近くで集熱板28に接する頂上部32を探し、その頂上部32との距離を考える)。金属箔30の頂上部32および谷底部34は前述のとおり、一定の高さの山でも一定の深さの谷でもないため、金属箔30の高さは金属箔30上の位置によって異なるが、以下においては金属箔30の高さについて、平均の高さを考える。高温壁10と集熱板28との間の隙間を確実に金属箔30で埋めることができるようにするためには、金属箔30の高さは想定される隙間の大きさよりも大きくしておくことが望ましい。
金属箔30は、加圧された部分の高さが局所的に縮む伸縮体として機能する。具体的には、金属箔30が集熱板28と高温壁10との間で挟み込まれて加圧されると、金属箔30の高さ方向寸法は集熱板28と高温壁10との間の隙間の大きさまで圧縮される。このとき、その圧縮の度合いに応じた大きさで頂上部32および谷底部34が変形する。したがって、金属箔30の高さが大きければ、頂上部32および谷底部34がそれぞれ集熱板28および高温壁10に沿って変形して面接触する部分が大きくなる。
なお、金属箔30が確実に高温壁10の凹凸に沿って変形できるようにするためには、金属箔30の厚みが、金属箔30が高温壁10(熱源)へと押し付けられたときに金属箔30に接する部材(例えば高温壁10と集熱板28)の表面に沿って変形できる程度の厚みであることが望ましい。利用可能な厚みは金属箔30の素材となる金属の変形しやすさと、金属箔30を熱源に押し付ける力(図2のような熱電発電装置20であれば押圧ボルト45による押圧力)によって変わる。単位厚みあたりの変形抵抗×厚みが押し付けの力より低いのが望ましい。アルミニウムなど箔状に加工できる程度に展延性の高い金属であれば0.006mm〜0.5mm程度の厚みであればよい。
以上のように本発明によれば、高温熱源である高温壁10から集熱板28までの伝熱経路が、金属製の連続体である金属箔30によって形成されるため、主成分が非金属のシリコン樹脂である従来の放熱グリスを用いた場合に比べて、非常に高い伝熱性を得ることができる。シリコン樹脂は一般的に熱伝導率が0.1〜1.0W/m・Kのオーダーであるのに対し、金属の熱伝導率は低いものでも10W/m・Kのオーダーであり、高いものでは100W/m・Kのオーダーである。特にアルミニウムは237W/m・Kもの熱伝導率を有するため、金属箔30によって伝熱経路を形成することで従来の放熱グリスに対し数十〜数百倍という桁違いの伝熱効率が得られることがわかる。
また、融点の高い金属を金属箔30の素材として用いることにより、従来の放熱グリスに比べ高い耐熱性を得ることができる。例えばアルミニウムの融点はおよそ摂氏660度であるので、一般的な放熱グリスの耐熱温度である摂氏300度に比べて非常に高い耐熱性が得られることがわかる。
また、金属箔30が高温壁10と集熱板28との間で挟まれることにより、金属箔30の表裏両面に形成されている多数の頂上部32および谷底部34が高温壁10および集熱板28の表面に沿って変形する。つまり、高温壁10や集熱板28の表面にゆがみや凹凸があったとしても、金属箔30はそのゆがみや凹凸に沿って変形し、高温壁10および集熱板28の表面に対して頂上部32および谷底部34が局所的な面接触を行う。さらに、頂上部32と谷底部34との間は金属箔30を構成する導電性の高い金属で接続されているので、高温壁10の上面から集熱板28の下面まで、金属製の連続した伝熱経路が確保される。
また、本発明の金属箔30は、高温壁10および集熱板28のゆがみや凹凸の程度によらず確実に高温壁10と集熱板28との間の隙間を埋めることができる。具体的には、金属箔30の素材がアルミニウムのような展延性の高い金属で、かつ金属箔30の厚みが十分に薄い(例えば0.5mm以下)ならば、金属箔30が集熱板28によって高温板10へと押し付けられたときに頂上部32および谷底部34は柔軟に変形することができる。この場合、高温壁10および集熱板28の表面のゆがみやうねり、あるいは凹凸が数mmオーダーの細かさであっても、頂上部32および谷底部34はその細かいゆがみや凹凸に沿って変形することができる。一方、高温壁10および集熱板28の表面のゆがみや凹凸が大きい(例えば1mmの窪みがある)場合でも、その凹凸の大きさが頂上部32と谷底部34との間の高さ(例えば2mm)よりも小さければ、金属箔30は問題なく高温壁10の上面から集熱板28の下面までの間を接続して伝熱経路を形成することができる。
また、高温壁10が排ガス用パイプの外面である場合、その排ガス用パイプが円筒形の形状であれば、劣化によるゆがみや凹凸がなくともパイプ表面は必然的に湾曲したものとなるが、金属箔30はその湾曲にも応じて変形できるので、湾曲したパイプ表面と平坦な集熱板28表面との伝熱経路が金属箔30によって確保されることになる。つまり、金属箔30を用いることにより、高温壁10(熱源)の形状がどのようなものであっても高い伝熱効率で熱源に熱電発電装置20を取り付けることができる。
なお、以上の説明で使用した図3(a),図6においては、図示の簡略化のため、金属箔30の凹凸形状を、凹部と凸部が交互に現われる形状として模式的に示している。しかし実際に「くしゃくしゃ」にされた金属箔30の形状はもっと複雑である。図3(b)に実際の金属箔30の断面により近い形状を示す。この断面に現われている、金属箔30の端面を示す線は、曲がりくねりながらも全体的には図中左側から右側へ向けて伸びているが、右側へ一方的に進み続けるわけではなく、ところどころ左側へと引き返す部分があったり、凸部のさらに上方へ回り込んで別の凸部を形成する部分があったりと、複雑な形状になっている。なお、より正確には、断面に現われるのは図3(b)に示すような左右方向にひと繋がりの線(箔の端面)のみではなく、この線と独立した別の線(図示せず)が断面に現われることがある。これは金属箔30の凹凸が図3(b)の紙面に直交する方向にも連なっているために、紙面に直交する方向から図3(b)に示す平面内へ入り込む凹凸が存在するためである。
図3(b)に示すような複雑な形状の金属箔30においても、凹部と凸部の向きに応じて谷底部34と頂上部32を決めることができる。つまり、金属箔30が高温壁10の表面に配置された場合に高温壁10の側(熱源方向)へ突起先端を向ける部分が谷底部34、高温壁10から離れる方向(図3(b)に仮想線で示す集熱板28の側)へ突起を向ける部分が頂上部32となる。凸部のさらに上方へ回り込む別の凸部が形成されている部分においては、最も上方(集熱板28に近い側)の凸部を頂上部32とする。金属箔30の高さについては、高温壁10に接触する谷底部34と、その谷底部34から金属箔30の広がり方向(図中左右方向)に最も近い頂上部32との距離を考える。
図3(b)に示すような金属箔30を高温壁10上に配置し、図3(b)に仮想線で示すように上方から集熱板28を下降させていくと、図7(a)に示すように、金属箔30は高温壁10の上面と集熱板28の下面との間で圧縮される。このとき、図6(a)の模式図でも示したように、頂上部32は集熱板28に沿って変形して集熱板28と面接触し、谷底部34は高温壁28に沿って変形して高温壁28と面接触する。さらに、これら頂上部32と谷底部34との間を結ぶ金属箔30は、圧縮されたことにより単位空間当たりの密度が高くなる。しかも、凸部のさらに上方へ回り込む別の凸部が形成されていた箇所のように、圧縮前において多層になっていた箇所では、圧縮されることによって上方側の層が下方側の層と接触する。このため谷底部34から頂上部32までの伝熱経路が圧縮前に比べて増える。つまり、金属箔30が高温壁10と集熱板28との間で圧縮されることによって、金属箔30の単位空間当たりの密度が高くなり、伝熱経路が増えるため、谷底部34から頂上部32までの伝熱効率は非常に高くなる。このように、本発明の金属箔30によれば、頂上部32と集熱板28との面接触、および谷底部34と高温壁10との面接触により、高温壁10からの熱の受け取り効率および集熱板28への熱の受け渡し効率が高くなるだけでなく、金属箔30が圧縮されることにより、これら頂上部32と谷底部34との間の伝熱効率も高くなる。したがって全体として高温壁10から集熱板28までの伝熱効率が非常に高くなる。
そして図7(b)に示すように、高温壁10の表面に凹凸があったとしても、谷底部34はその高温壁10の凹凸に沿って変形し、谷底部34と高温壁10とが面接触することになる。さらに図7(a)に示す場合と同じく、図7(b)においても、金属箔30が高温壁10と集熱板28との間で圧縮されることによって、金属箔30の単位空間当たりの密度が高くなり、谷底部34から頂上部32までの伝熱経路が増えている。よってこの場合も、高温壁10の熱が集熱板28へと非常に効率よく伝達されることになる。
なお、図8に示すように、金属箔30を複数枚用いて、熱電発電装置20と高温壁10との間に、多層に重ねられた金属箔30が配置されるようにしてもよい。例えば高温壁10のうねりが大きくて高温壁10と熱電発電装置20(具体的には図2の集熱板28または熱源モジュール26)との間の隙間が大きくなる場合には、その隙間が金属箔30によって十分に埋められるように、複数の金属箔30を重ねて用いるとよい。この複数(多層)の金属箔は例えば図8に示すように別々の金属箔30をそれぞれくしゃくしゃにしたものを重ね合わせたものであってもよいし、一枚の金属箔30を多重に折り畳んだものでもよい。この場合、複数の金属箔30が全体として熱源方向および熱源から離れる方向にそれぞれ突起を向けた複数の凹凸を有する状態になっていればよい。つまり、重ね合わされた金属箔30のうち最も上方の金属箔30の頂上部が熱電発電装置20側の方向(熱源である高温壁10から離れる方向)に突起を向け、最も下方の金属箔30の谷底部が高温壁10側の方向(熱源方向)に突起を向けた状態であればよい。
高温壁10と集熱板28との間の隙間を複数の金属箔30で十分に塞ぐためには、最も下方の金属箔30の下端から最も上方の金属箔30の上端までの距離が、高温壁10および集熱板28のうねりよりも大きくなっている必要がある。「くしゃくしゃ」にする前の一枚の金属箔30の厚みが例えば0.05mmで、この金属箔30をくしゃくしゃにしても「高さ」が0.2mm程度にしかならないのであれば、高温壁10および集熱板28のうねりが大きくて両者の間に最大1mmの隙間ができる場合には、一枚の金属箔30単体では十分にこの隙間を埋めることはできない。しかし、5枚以上の金属箔30を重ね合わせて、複数枚の金属箔30の高さの合計を少なくとも1mm以上とすることで、1mmの隙間をこれら複数の金属箔30で埋めることができる。このように、重ね合わせられた金属箔30の枚数を多くすることでより大きな高温壁10のうねりや湾曲に対応することが可能である。ただしあまりに枚数が多くなる(例えば15枚以上)と、重なり合っている金属箔30同士の隙間が多くなって伝熱効率が悪くなるので、重ね合わせる枚数は、予想される高温壁10等のうねりに対応するために最低限必要な枚数とするのが望ましい。
言い換えると、複数枚重ねられた金属箔30全体の表面を考えたとき、その表面に形成される凹凸の大きさ(熱源方向に向いた突起先端から、熱源から離れる方向に向いた突起先端までの距離)は、金属箔30を取り付ける対象(高温壁10等)の表面上の高低差(うねりや湾曲の大きさ、例えば1mm)よりも大きい(例えば2mm)ことが望ましい。一枚の金属箔30に形成された凹凸の大きさ(金属箔30の「高さ」)が取り付け対象表面の高低差よりも小さい(例えば0.2mm)場合は、金属箔30を複数枚(例えば5〜10枚)重ねて、一枚当たりの凹凸の大きさをその枚数分だけ倍化した値が取り付け対象表面の高低差を超えるようにすることが望ましい。具体的に何枚にするかは取り付け対象表面の高低差の大きさのほか、金属箔30一枚当たりの「高さ」と、複数の金属箔30同士の凹凸の接触具合によっても変化するが、複数枚の金属箔30全体としてみたときに、最も下方の(熱源に最も近い)金属箔30が高温壁10の側(熱源方向)に向けた突起先端から、最も上方の(熱源から最も遠い)金属箔30が高温壁10から離れる方向に向けた突起までの距離が、取り付け対象表面上の高低差よりも大きくなっていればよい。
なお、本実施形態においては金属箔30に凹凸を形成する方法として手で揉んでくしゃくしゃにすることを例示したが、凹凸の形成方法はこれに限るものではなく、裏表両面に複数の凹凸が連続的に形成されるならば他の方法を用いてもよい。例えば本発明に係る金属箔30を大量生産するのであれば、多数の凹凸形状が刻まれた金型に箔状の金属を挟みこむことによって金属箔30を形成することができる。
また、本実施形態においては図2に示すように金属箔30を集熱板28と高温壁10との間に配置しているが、集熱板28がなくとも熱電変換モジュール26による発電のために十分な熱を確保できるのであれば、集熱板28を省略し、熱電変換モジュール26と高温壁10(熱源)との間に金属箔30を配置してもよい。また本実施形態においては高温熱源である高温壁10からの熱を効率よく受け取るために高温壁10の側に金属箔30を配置したが、金属箔30は低温熱源へ効率よく熱を受け渡すために利用することもできる。つまり低温熱源の側に金属箔30を配置してもよい。図2でいえば、熱電モジュール26と冷却ユニット22との間に金属箔30を配置してもよい。
また、本実施形態においては金属箔30の素材をアルミニウムとしたが、伝熱性が高く、かつ箔状に加工可能であれば他の素材を用いてもよく、アルミニウムの他に金、銀、銅などの展延性および伝熱性に優れる金属を用いたり、これらの金属を含む合金などを用いたりしてもよい。高い伝熱性を確保するためには、熱伝導率100W/m・K以上の金属を用いることが好ましい。
10 高温壁
20 熱電発電装置
21 冷却ライン
22 冷却ユニット
26 熱電変換モジュール
27 充填材
28 集熱板
29 締結ボルト
30 金属箔
32 頂上部
34 谷底部
42 取付治具
44 取付ボルト
45 押圧ボルト

Claims (2)

  1. 熱源の熱を電力に変換する熱電変換モジュールと、
    前記熱源の表面に配置され、熱源方向および前記熱源から離れる方向にそれぞれ突起を向けた複数の凹凸を有しており、前記熱源から前記熱電変換モジュールへの伝熱経路を形成する金属箔と、
    を備える熱電発電装置。
  2. 前記金属箔の素材が熱伝導率100W/m・K以上の金属であることを特徴とする請求項1に記載の熱電発電装置。
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