JP2018061686A - 消火システム - Google Patents

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Masahiko Hanada
政彦 花田
寛也 水口
Hiroya Mizuguchi
寛也 水口
博道 花田
Hiromichi Hanada
博道 花田
昭則 矢鳴
Akinori Yanari
昭則 矢鳴
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Abstract

【課題】事前の設定を要することなく家屋内に火災が発生した火災を消火することができる消火システムを提供することを目的とする。【解決手段】火熱検出部が火熱を検出すると、駆動制御部は撮像方向が火熱の方向である警戒方向を向くように駆動手段を制御し、火災判定部は撮像方向を警戒方向に向けた撮像手段が撮像した画像を基に火熱が火災であるか否かを判定する。火災が発生したと判定されると、消火剤が噴射されるように消火装置が作動する。【選択図】図11

Description

本発明は、家屋内に発生した火災を検出して消火する消火システムに関するものである。
近年高齢化が急速に進む中、在宅看護などで要介護者のそばに介護を担う関係者がおらず、家屋内に要介護者が一人で暮らしているケースが増加している。このような状況で火災が発生すると、手足が不自由であったり複雑な操作が困難であったりする要介護者だけでは消火活動ができない場合がある。また、火災に気づいた関係者が現場に駆けつけたとしても、その間に火災が広がってしまう可能性がある。そこで、発生した火が燃え広がる前の初期段階で消火(以下「初期消火」と称す)できる消火システムが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に示す先行技術の消火システムでは、予め家屋内に複数の消火対象領域を設定しておき、各消火対象領域に対して消火剤を噴射する噴射口を備えた消火装置を設置している。また、家屋内に配置されているストーブなどを火災の判定から除外する除外領域として予め記憶しておき、カメラによって家屋内を撮像した画像を基に、除外領域の外に火熱を検出すると火災が発生したと判定している。
そして火災が発生したと判定すると、登録されている携帯端末(スマートフォンなど)に家屋内の画像を送信し、携帯端末からの消火指令を受信すると消火剤を指定された消火対象領域に噴射して火災を消火するようにしている。
特開2016―112036号公報
しかしながら上述の特許文献の消火システムでは、火災を消火するために予め消火対象領域を登録し、その消火対象領域に消火剤が散布されるように噴射口の方向を調整しておく必要があるため、事前設定の手間と設定のための技能を要するという問題があった。
そこで本発明は、事前の設定を要することなく家屋内に発生した火災を消火することができる消火システムを提供することを目的とする。
本発明の消火システムは、家屋内に発生した火災を検出して消火する消火システムであって、消火剤を家屋内に噴射する噴射口を有する消火装置と、前記噴射口の方向を水平回転方向および上下回転方向に動かす駆動手段と、撮像方向が前記噴射口の方向と同じで、前記噴射口と一体となって前記撮像方向が移動する撮像手段と、前記駆動手段を制御する駆動制御部と、前記撮像手段が撮像した画像を基に、火熱を検出する火熱検出部と、前記火熱検出部が検出した前記火熱が火災であるか否かを判定する火災判定部と、を備え、前記火熱検出部が前記火熱を検出すると、前記駆動制御部は、前記撮像方向が前記火熱の方向である警戒方向を向くように前記駆動手段を制御し、前記火災判定部は、前記撮像方向を前記警戒方向に向けた前記撮像手段が撮像した画像を基に、前記火熱が火災であるか否かを判定し、前記火災判定部によって火災が発生したと判定されると、前記消火剤が噴射されるように前記消火装置を作動させる。
本発明によれば、事前の設定を要することなく家屋内に発生した火災を消火することができる。
本発明の一実施の形態の消火システムが設置される部屋の斜視図 本発明の一実施の形態の消火システムが備える消火装置の斜視図 本発明の一実施の形態の消火システムが備える消火装置の構成説明図 本発明の一実施の形態の消火システムの制御系統を示すブロック図 本発明の一実施の形態の消火システムが監視する部屋の中に設定された監視領域の一例を示す説明図 本発明の一実施の形態の消火システムによって監視領域に検出された火熱の一例を示す説明図 本発明の一実施の形態の消火システムによって設定された警戒領域の一例を示す説明図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態の消火システムにおける火熱割合の算出の説明図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態の消火システムにおいて抽出される基準図形の例を示す説明図 (a)(b)(c)本発明の一実施の形態の消火システムにおける火災判定の説明図 本発明の一実施の形態の消火システムにおける消火剤の噴射方法の説明図 (a)(b)本発明の一実施の形態の消火システムにおける消火剤の噴射方法の説明図 本発明の一実施の形態の消火システムによる消火方法を説明するフローチャート 本発明の一実施の形態の消火システムによる警戒情報記憶処理を説明するフローチャート 本発明の一実施の形態の消火システムによる火災判定処理を説明するフローチャート
図1は、本発明の一実施の形態における消火システム1が設置される家屋の部屋2の一例を示している。消火システム1は、家屋内(部屋2の中)に発生した火災を検出して消火する機能を有している。部屋2は、壁2A,2B,2C,2Dに囲まれている。部屋2内には要介護者3が静養するベッド4の他、ファックス付き電話機5、テレビ6、ストーブ7、仏壇8などが設置されている。ファックス付き電話機5やテレビ6などの電化製品の電源コードは電源タップに接続されている(図示省略)。ストーブ7の燃焼筒7a、仏壇8に供えられたロウソク8a、電源タップなどは火災の火元となり得る。
次に図2、図3を参照して、消火システム1の構成について説明する。消火システム1は、消火装置10、制御装置31を備えて構成されている。消火装置10は、その本体部11が壁2Bに固定されたブラケット12にバンド13を用いて取り付けられている。本体部11の内部にはサイフォン管14が配設され、消火剤15が加圧封入されている。サイフォン管14の上端は、本体部11の外で電磁弁16に接続されている。電磁弁16は、制御装置31が備える消火制御部39(図4参照)によって開閉制御されており、消火時以外は閉状態が保持されている。
本体部11の上部には、本体部11に固定された基部17が配設されている。なお、基部17は、ブラケット12に固定して配設するようにしてもよい。制御装置31は、基部17の内部に配置されている。基部17の上部には、水平回転台18が配設されている。水平回転台18は、水平回転モータ18a(図4参照)を駆動することによって、水平面に直交するZ方向(上下方向)の回転軸18bを回転中心として、基部17に対して水平回転方向θxyに回転する。
水平回転台18の上面には、一対の回転体支持部19が立設されている。一対の回転体支持部19の間には、回転体20が配設されている。回転体20は、上下回転モータ20a(図4参照)を駆動することによって、一対の回転体支持部19間を貫く水平回転軸20bを回転中心として、一対の回転体支持部19に対して上下回転方向θzに回転する。水平回転モータ18aおよび上下回転モータ20aは、制御装置31が備える駆動制御部32(図4参照)によって駆動制御されている。
図3において、回転体20には、回転体20の外周面に開口する噴射口21を有するノズル22が配設されている。ノズル22は、自在継手23、接続管24を介して電磁弁16に接続されている。消火制御部39によって電磁弁16が開けられる(開状態となる)と、消火装置10の本体部11に加圧封入されている消火剤15が、サイフォン管14、電磁弁16、接続管24、自在継手23、ノズル22を経由して噴射口21から噴射方向21a(噴射口21の方向)に向かって噴射される。
このように、消火装置10は、消火剤15を家屋内(部屋2の中)に噴射する噴射口21を有している。そして、水平回転モータ18aおよび上下回転モータ20aは、噴射方向21a(噴射口21の方向)を水平回転方向θxyおよび上下回転方向θzに動かす駆動手段25(図4参照)を構成する。そして、駆動制御部32は、駆動手段25を駆動制御する。なお、自在継手23と接続管24の代わりに、柔軟性のあるフレキシブル管を用いてノズル22と電磁弁16の間を接続するようにしてもよい。
図3において、回転体20の外周面には撮像口26が開口している。回転体20には、撮像口26を光軸27aが貫くように可視光カメラ27が配設されている。可視光カメラ27は、撮像口26を通して光軸27aを撮像の中心として家屋内(部屋2の中)の可視光画像を撮像する。可視光カメラ27は、ノズル22の上方に光軸27aが噴射方向21aと同じ方向となるように配設されている。
回転体20には、可視光カメラ27と撮像口26の間に赤外線透過フィルタ28を出し入れする(矢印a)フィルタ挿抜手段29(図4参照)が配設されている。赤外線透過フィルタ28は、可視光に含まれる赤外線を選択的に透過するフィルタである。赤外線透過フィルタ28を透して可視光カメラ27で撮像することで、可視光カメラ27において赤外線画像を取得することができる。
フィルタ挿抜手段29は、赤外線透過フィルタ28を可視光カメラ27の前に出し入れ可能な構成であればよい。例えば、回転型モータ(図示省略)によって赤外線透過フィルタ28を揺動移動させる構成であっても、直動型モータ(図示省略)によって赤外線透過フィルタ28を往復移動させる構成であってもよい。フィルタ挿抜手段29による赤外線透過フィルタ28の出し入れ(挿抜)は、制御装置31が備える撮像制御部33(図4参照)によって制御される。
このように、可視光カメラ27と可視光カメラ27の前に赤外線透過フィルタ28を出し入れするフィルタ挿抜手段29は、家屋内(部屋2の中)を撮像する撮像手段30(図4参照)を構成する。この構成によって、撮像手段30が撮像する可視光画像と赤外線画像は、特別な位置合わせ手段を用いることなく視野が一致する。そして、撮像手段30は、光軸27a(撮像方向)が噴射方向21a(噴射口21の方向)と同じで、噴射口21と一体となって光軸27a(撮像方向)が移動する。この構成によって、撮像方向を火災の方向に向ける(消火対象を画像の中心に合わせる)ことで、噴射口21の方向を消火対象に合わせることができる。
次に図4を参照して、消火システム1の制御系統について説明する。消火システム1は、制御装置31、消火装置10、駆動手段25、撮像手段30を備えている。制御装置31は、駆動制御部32、撮像制御部33、監視制御部34、火熱検出部35、基準図形抽出部36、火熱割合算出部37、火災判定部38、消火制御部39、監視情報記憶部40、初期火熱記憶部41、警戒情報記憶部42を備えている。
駆動制御部32は、駆動手段25が備える水平回転モータ18a、上下回転モータ20aを駆動制御して、噴射口21の方向(噴射方向21a)を監視制御部34より指定された水平回転方向θxyおよび上下回転方向θzを向くように動かす。撮像制御部33は、撮像手段30が備える可視光カメラ27、フィルタ挿抜手段29を制御して、可視光画像および赤外線画像を撮像させる。
具体的には可視光画像を撮像する場合、撮像制御部33は、可視光カメラ27の前に赤外線透過フィルタ28を挿入しない状態で可視光カメラ27によって撮像させる。また赤外線画像を撮像する場合、撮像制御部33は、可視光カメラ27の前に赤外線透過フィルタ28を挿入した状態で可視光カメラ27によって撮像させる。すなわち、赤外線透過フィルタ28を前に挿入した可視光カメラ27は赤外線画像を撮像する赤外線撮像手段となり、赤外線透過フィルタ28を前に挿入しない可視光カメラ27は可視光画像を撮像する可視光撮像手段となる。
このように、撮像手段30は、赤外線撮像手段と可視光撮像手段を有している。なお、撮像手段30は上記の構成に限定されることなく、例えば、共通の光軸から入射する映像をハーフミラーなどで2つに分割し、それぞれを赤外線カメラと可視光カメラに入射させて赤外線画像と可視光画像を撮像するものであってもよい。
図4において、監視制御部34は、駆動制御部32を介して駆動手段25を制御して、監視情報記憶部40に記憶される複数の監視方向(可視光カメラ27の光軸27aの方向)に基づいて、撮像手段30の撮像方向(可視光カメラ27の光軸27aの方向)を順に移動させながら家屋内(部屋2の中)を撮像する監視処理を実行させる。すなわち、監視処理において駆動制御部32は、撮像方向が予め設定された複数の監視方向を順に向くように駆動手段25を駆動制御する。そして監視制御部34は、撮像制御部33を介して撮像手段30を制御して、監視方向の赤外線画像を撮像させる。
なお、複数の監視方向は、可視光カメラ27の視野角、家屋内に設置された消火システム1の撮像手段30の位置を考慮して設定される。すなわち、監視方向を設定するにあたり、家屋内のレイアウト(部屋2の家具の位置など)を考慮する必要はなく、消火システム1を設置した後は、部屋2の中の家具の位置を変更しても監視方向を再設定(変更)する必要がない。
ここで、図5を参照して監視処理における監視方向について説明する。図5の例では、部屋2に設置された消火システム1の撮像手段30の位置から見える全視野50を、水平方向に3分割、垂直方向に2分割して、上部左から監視領域A1、監視領域A2、監視領域A3、下部左から監視領域B1、監視領域B2、監視領域B3と定義して監視方向を設定している。すなわち、可視光カメラ27の光軸27aが各監視領域A1〜A3、B1〜B3の中心を向く方向がそれぞれ監視方向として監視情報記憶部40に記憶されている。
監視処理において監視制御部34は、例えば、監視領域A1→監視領域A2→監視領域A3→監視領域B3→監視領域B2→監視領域B1→監視領域A1→監視領域A2→・・・の順に10秒間隔で撮像手段30の撮像方向を移動させて、各監視領域A1〜A3、B1〜B3の赤外線画像を撮像させる。すなわち、撮像方向が一の監視方向を向く度に、赤外線画像が撮像される。これによって、60秒間で全視野50の最新の赤外線画像が撮像されることになる。
図4において、火熱検出部35は、撮像手段30によって撮像された赤外線画像を画像処理して、予め定めた所定の温度よりも高い領域(高温領域)を抽出して火熱として検出する火熱検出処理を実行する。より具体的には、監視処理において火熱検出部35は、各監視領域A1〜A3、B1〜B3の赤外線画像を基に、火熱の有無を検出する。つまり、火熱検出部35は、赤外線撮像手段(撮像手段30)によって撮像された赤外線画像(画像)より、火熱を火熱画像として抽出する。
このように、火熱検出部35は、撮像方向(光軸27a)が一の監視方向を向く度に、撮像手段30が可視光カメラ27の前に赤外線透過フィルタ28を挿入した状態で撮像した赤外線画像を基に、火熱を検出し、または、火熱がないかを判断する。また、赤外線撮像手段(撮像手段30)と、赤外線撮像手段によって撮像された赤外線画像より火熱Hを検出する火熱検出部35は、家屋内(部屋2の中)に火熱Hがあるか否かを監視する火熱監視手段を構成する。
ここで図6を参照して、火熱検出処理において火熱検出部35によって抽出された火熱画像51の例について説明する。図6には、監視領域B2を撮像した赤外線画像を基に、火熱検出部35によって抽出された火熱H1が示されている。この火熱H1は、燃焼中のストーブ7において高温となった燃焼筒7aが赤外線で撮像されたものである。
図4において、火熱検出部35によって火熱H1が検出されると、監視制御部34は、可視光カメラ27の光軸27aが火熱H1の中心を向く方向を算出し、火熱H1が検出された監視領域B1と紐付けて算出された方向を警戒方向として警戒情報記憶部42に記憶させる。監視制御部34は、警戒方向が記憶されると、監視方向に加えて警戒方向も向くように駆動制御部32を介して駆動手段25を制御する。すなわち、火熱検出部35が火熱H1を検出すると、駆動制御部32は、複数の監視方向に加えて撮像方向が火熱H1の方向である警戒方向も順に向くように駆動手段25を制御する。
ここで図7を参照して、警戒方向について説明する。監視領域B2に火熱H1が検出されると(図6参照)、撮像手段30の撮像方向が火熱H1(ストーブ7の燃焼筒7a)の中心を向く方向が警戒方向として設定される。図7には、撮像手段30の撮像方向を警戒方向に向けた状態で、可視光カメラ27によって撮像される画像範囲を、警戒領域C1として全視野52に重ねて表示している。すなわち、警戒領域C1は、ストーブ7の燃焼筒7aが中心となるように設定されている。
警戒領域C1が追加(記憶)されると、監視処理において監視制御部34は、例えば、監視領域B1→警戒領域C1→監視領域A1→警戒領域C1→監視領域A2→警戒領域C1→監視領域A3→警戒領域C1→監視領域B3→警戒領域C1→監視領域B2→警戒領域C1→・・・の順に撮像手段30の撮像方向を移動させて、各監視領域A1〜A3、B1〜B3および警戒領域C1の画像を撮像させる。
すなわち、各監視領域A1〜A3、B1〜B3が撮像される間に、少なくとも一度は、警戒領域C1が撮像されて、後述する火災判定処理が実行される。例えば、次の監視領域A1〜A3、B1〜B3に向けて10秒間隔で撮像方向を移動させている場合は、その10秒間の間に少なくとも一度は警戒領域C1が(複数の警戒方向が設定されている場合は全ての警戒方向が)撮像される。監視制御部34は、警戒領域C1の撮像では、赤外線画像と可視光画像の両方を撮像させる。
図4において、基準図形抽出部36は、撮像手段30によって撮像された可視光画像および赤外線画像を画像処理して、火熱Hの画像(以下「火熱画像」と称する)と関連付けされる図形である基準図形を抽出する基準図形抽出処理を実行する。すなわち、基準図形抽出部36は、撮像手段30によって撮像された画像(可視光画像、赤外線画像)に含まれる図形に基づいて、火熱画像と関連付けされる図形である基準図形を抽出する。
より具体的には、基準図形抽出部36は、撮像手段30によって撮像された可視光画像(画像)に含まれる図形のうち、少なくとも火熱画像における火熱Hを囲う図形、または、火熱Hの周辺にある図形のいずれかの輪郭を含んで基準図形を抽出する。すなわち、基準図形抽出部36は、基準図形を可視光撮像手段(撮像手段30)によって撮像された可視光画像より抽出する。
ここで図8を参照して、基準図形の例について説明する。図8(a)は、ストーブ7の燃焼筒7aが火熱H1として検出された後に設定された、警戒領域C1の可視光画像53を示している。図8(b)は、図8(a)に示す可視光画像53を基に基準図形抽出部36が抽出した基準図形F1(第1の例)を示している。この例では、可視光画像53に含まれる図形のうち、ストーブ7の燃焼筒7aの周囲にある反射板の輪郭が、火熱H1を囲う基準図形F1として抽出されている。図8(c)には、抽出された基準図形F1に火熱画像の火熱H1を重ねて表示してある。この例では、可視光画像53に含まれる図形のうち、1つの火熱H1を囲う1つの図形が基準図形F1として抽出されている。
次に図9を参照して、基本図形のその他の例について説明する。図9(a)は、仏壇8に供えられた2本のロウソク8aに灯された炎8bがそれぞれ火熱H2a、火熱H2bとして検出された後に設定された警戒領域C2の可視光画像56を示している。図9(b)は、図9(a)に示す可視光画像56を基に基準図形抽出部36が抽出した基準図形F2(第2の例)に、火熱画像の火熱H2a、火熱H2bを重ねて表示している。この例では、可視光画像56に含まれる図形のうち、2つの火熱H2a、火熱H2bを囲う1つの図形が基準図形F2として抽出されている。
図9(c)は、図9(a)に示す可視光画像56を基に基準図形抽出部36が抽出した基準図形F3a、基準図形F3b(第2の例)に、火熱画像の火熱H2a、火熱H2bを重ねて表示している。この例では、可視光画像56に含まれる図形のうち、2つの火熱H2a、火熱H2bの周辺(下方)にあるロウソク8aの輪郭が、それぞれ基準図形F3a、基準図形F3bとして抽出されている。すなわち、火熱H2a、火熱H2bに隣接する位置に、それぞれに対応する2つの基準図形F3a、基準図形F3bが火熱画像と関連付けされて抽出されている。
図4において、火熱割合算出部37は、基準図形抽出部36が抽出した基準図形Fの面積に対する火熱画像における火熱Hの面積の割合を火熱割合として算出する。
ここで図8(c)を参照して、火熱割合の例について説明する。図8(c)は、図8(b)に示す基準図形F1に、火熱画像の火熱H1(図6も参照)が重ねて表示されている。火熱割合算出部37は、基準図形F1の面積に対する火熱H1の面積の割合を火熱割合として算出する。
図4において、初期火熱記憶部41には、初期火熱画像、初期基準図形、初期火熱割合を含む初期火熱情報が記憶されている。初期火熱画像は、監視処理において火熱Hが検出され、撮像方向を監視方向に向けられた赤外線撮像手段(撮像手段30)によって撮像された赤外線画像から抽出された火熱Hの画像である。初期基準図形は、初期火熱画像の火熱Hと関連付けされる基準図形Fである。そして、初期火熱割合は、初期基準図形の面積に対する初期火熱画像における火熱Hの割合である。
図4において、火災判定部38は、火熱割合を基に、火災の発生を判定する。より具体的には、火災判定部38は、監視処理において撮像された警戒領域C1(C2)の現在の赤外線画像と可視光画像(警戒画像)と、初期火熱記憶部41に記憶されている初期火熱画像、初期基準図形、初期火熱割合を基に、火熱Hが火災であるか否かを判定する火災判定処理を実行する。すなわち、火災判定部38は、撮像方向(光軸27aの方向)を警戒方向に向けた撮像手段30が撮像した赤外線画像と可視光画像とを基に、火熱検出部35が検出した火熱Hが火災であるか否かを判定する。また、撮像手段30、火熱検出部35、火災判定部38は、屋内(部屋2の中)に発生した火災を検出する火災検出手段を構成する。
ここで図10を参照して、火災判定部38による火災判定処理についてより具体的に説明する。図10(a)〜10(c)には、最初に火熱H1が検出されてからある程度の時間が経過した現在の警戒領域C1の赤外線画像と可視光画像(警戒画像)から抽出された、基準図形Fと火熱画像の火熱Hとが重ねて表示されている。
図10(a)の例では、基準図形F1(1)は、図8(c)の基準図形F1(初期基準図形)と一致している。この場合、火災判定部38は、基準図形F1(1)と火熱画像の火熱H1(1)から火熱割合算出部37が算出する火熱割合が、初期火熱割合より所定の割合以上に増加していると火災が発生したと判定する。すなわち、火災判定部38は、現在の警戒領域C1の画像(警戒画像)における火熱割合が、火熱監視手段(赤外線撮像手段、火熱検出部35)によって火熱H1が最初に検出された際に算出された火熱割合である初期火熱割合より所定の割合以上に増加している場合に火災が発生したと判断する。
図10(b)の例では、基準図形F1(2)は、図8(c)の基準図形F1(初期基準図形)より大きくて一致していない。また、火熱画像の火熱H1(2)は図8(c)の火熱H1(初期火熱画像の火熱H1)より大きくて一致していない。しかしながら、図10(b)の基準図形F1(2)および火熱画像の火熱H1(2)と、図8(c)の基準図形F1(初期基準図形)および初期火熱画像の火熱H1とは、相似の関係にある。すなわち、図10(b)から算出される火熱割合は、図8(c)から算出される初期火熱割合を同じである。この場合、火災判定部38は、ストーブ7が消火システム1の撮像手段30に近づく位置に移動されたが、火災は発生していないと判断する。
図10(c)の例では、基準図形F1(3)は、図8(c)の基準図形F1(初期基準図形)と形は同じであるが位置が一致していない。また、火熱画像の火熱H1(3)は図8(c)の火熱H1(初期火熱画像の火熱H1)と形は同じであるが位置が一致していない。しかしながら、基準図形F1(3)に対する火熱画像の火熱H1(3)の相対関係と基準図形F1(初期基準図形)に対する初期火熱画像の火熱H1の相対関係は一致している。そして、図10(c)から算出される火熱割合は、図8(c)から算出される初期火熱割合と同じである。この場合、火災判定部38は、ストーブ7が消火システム1の撮像手段30対して横方向に移動されたが、火災は発生していないと判断する。
このように、火災判定部38は、現在の警戒領域C1の画像(警戒画像)から抽出された基準図形Fが初期基準図形(火熱監視手段によって火熱Hが最初に検出された際に抽出された基準図形F)とは異なるが、火熱画像における火熱Hと基準図形Fの相対的な関係が初期火熱画像における火熱Hと初期基準図形の相対的な関係と同じ(火熱監視手段によって火熱Hが最初に検出された際と同じ)場合は、火熱割合が初期火熱割合より所定の割合以上に増加している場合に火災が発生したと判断する。
上記説明したように、消火システム1において、火熱監視手段、撮像手段30、火熱検出部35、基準図形抽出部36、火熱割合算出部37、火災判定部38は、家屋内(部屋2の中)に火災が発生したか否かを判断する火災判断システムを構成する。そして、火災判断システムにおいて、火災判定部38は、火熱割合が初期火熱割合より所定の割合以上に増加している場合に火災は発生したと判定している。これによって、事前の設定を要することなく家屋内(部屋2の中)に火災が発生したか否かを判断することができる。
図4において、消火制御部39は、火災判定部38によって火災が発生したと判定されると、消火剤15が噴射されるように消火装置10を作動させる(電磁弁16を開ける)消火処理を実行させる。消火処理において消火制御部39は、火災判定部38(火災検出手段)が火災を検出すると、検出した火災の方向を向いた噴射口21の方向が駆動手段25によって所定の範囲内で上下方向に動くように駆動制御部32によって制御させながら、その噴射口21より消火剤15を噴射させる。このように噴射口21を上下方向に動かしながら消火剤15を噴射させることによって、消火剤15の散布先を広げて家屋内(部屋2の中)に発生した火災を確実に消火することができる。
ここで図11、図12を参照して、噴射口21を動かしながら消火剤15を噴射させる消火処理について説明する。図11は、図10(a)に示すように警戒領域C1内の火熱H1(1)が火災判定部38によって火災と判定されたため、消火システム1の噴射口21を上下方向(矢印b)に動かしながら消火剤15を火元のストーブ7の燃焼筒7a付近に噴射している様子を横から見た状態を示している。図12(a)は、図11を消火システム1の撮像手段30の位置から見た状態を示している。
図11において、撮像手段30が警戒領域C1を撮像している際は、噴射口21は噴射方向21a(0)(撮像時の噴射方向21a)を向いている。この状態から火災判定部38によって火災が発生したと判定されると、駆動手段25は噴射方向21aを、撮像時の噴射方向21a(0)より下方に消火剤15を散布する下端の噴射方向21a(B)と、撮像時の噴射方向21a(0)より上方に消火剤15を散布する上端の噴射方向21a(U)との間の噴射範囲R1(所定の範囲)で上下方向に動かす。これによって、消火剤15は図12(a)に示す複数の散布範囲64を包含する領域に散布される。
このように、駆動制御部32は、噴射範囲R1(所定の範囲)に少なくとも火熱検出部35が検出した火熱Hの下方が含まれるように駆動手段25を制御している。火災の火元は、赤外線画像より検出される火熱Hの下端部か火熱Hの下方にあることが多く、また、部屋2の中に煙が充満している状態では火熱Hの位置が正しく検出されない場合もある。このような場合でも、噴射範囲R1に火熱検出部35が検出した火熱Hの下方が含まれるように、噴射口21を上下方向に動かしながら消火剤15を噴射させることで、家屋内(部屋2の中)に発生した火災を確実に消火することができる。
図12(b)は、消火剤15を噴射している際に噴射口21の噴射方向21aを動かすその他の実施例を示している。この例では、消火処理において消火制御部39は、噴射方向21a(R)が、撮像時の噴射方向21a(0)を中心とする横倒しにした「8」の字(∞)の軌跡を描くように、駆動制御部32を介して駆動手段25を制御する。すなわち、噴射口21より消火剤15が噴射されると、駆動制御部32は、噴射方向21a(噴射口21の方向)を所定の範囲(噴射範囲R1)内で上下方向に動かすことに加えて、噴射方向21a(噴射口21の方向)を所定の範囲(噴射範囲R2)内で水平方向にも動かすように駆動手段25を制御する。
これによって、部屋2の中に煙が充満していて火熱Hの位置が正確に検出できない状態であっても、家屋内(部屋2の中)に発生した火災を確実に消火することができる。なお、噴射方向21a(R)の軌跡は横倒しにした「8」の字に限定されることはなく、上下方向に加えて水平方向にも噴射口21が動くものであればよい。
上記説明したように、本実施の形態の消火システム1は、消火剤15を家屋内(部屋2の中)に噴射する噴射口21を有する消火装置10と、噴射口21の方向(噴射方向21a)を水平方向および上下方向に動かす駆動手段25と、駆動手段25を制御する駆動制御部32と、家屋内に発生した火災を検出する火災検出手段と、を備えている。
そして消火システム1は、火災検出手段が火災を検出すると、検出した火災の方向を向いた噴射口21の方向が駆動手段25によって所定の範囲(噴射範囲R1)内で上下方向に動くように駆動制御部32によって制御させながら、その噴射口21より消火剤15を噴射させて、家屋内に発生した火災を消火している。これによって、家屋内に発生した火災を確実に消火することができる。なお、火災検出手段は家屋内に発生した火災を検出できるものであればよく、例えば、温度センサによって家屋内に発生した火熱の温度を計測して火災を検出するものであってもよい。
また、本実施の形態の消火システム1は、消火装置10と、駆動手段25と、撮像方向(光軸27a)が噴射口21の方向と同じで、噴射口21と一体となって撮像方向が移動する撮像手段30と、駆動制御部32と、撮像手段30が撮像した画像を基に、火熱Hを検出する火熱検出部35と、火熱検出部35が検出した火熱Hが火災であるか否かを判定する火災判定部38と、を備えている。
そして、火熱検出部35が火熱Hを検出すると、駆動制御部32は、撮像方向が火熱Hの方向である警戒方向を向くように駆動手段25を制御し、火災判定部38は、撮像方向を警戒方向に向けた撮像手段30が撮像した画像を基に、火熱Hが火災であるか否かを判定し、火災判定部38によって火災が発生したと判定されると、消火剤15が噴射されるように消火装置10を作動させて、家屋内に発生した火災を消火している。これによって、消火システム1を家屋に設置した後に特別の設定(事前の設定)を要することなく家屋内に発生した火災を消火することができる。
次に図13〜15を参照して、消火システム1によって家屋内に火災が発生したことを判定して消火する消火方法について説明する。図13において、まず、撮像手段30の撮像方向は、監視制御部34が駆動制御部32を介して駆動手段25を制御することによって、予め設定された複数の監視方向のうち一の監視方向に向けられているとする(例えば、図5の監視領域B2)。この状態において、監視制御部34は撮像制御部33を介して撮像手段30を制御して、フィルタ挿抜手段29によって赤外線透過フィルタ28を可視光カメラ27の前に挿入した状態で赤外線画像を撮像させる(ST1:監視領域撮像工程)。すなわち、撮像手段30によって家屋内(部屋2の中)が撮像される。
次いで火熱検出部35は、撮像した赤外線画像を基に、火熱Hがあるか否かを判断する(ST2:火熱検出判断工程)。すなわち、監視領域撮像工程(ST1)と火熱検出判断工程(ST2)は、赤外線撮像手段(撮像手段30)が家屋内(部屋2の中)の赤外線画像を撮像し、火熱検出部35が赤外線画像に火熱Hがあるか否かを検出することにより、火熱監視手段(赤外線撮像手段、火熱検出部35)が家屋内に火熱Hがあるか否かを監視する火熱監視工程となる。
火熱Hが検出された場合(ST2においてYes)、監視制御部34は、その監視領域で火熱Hが検出されたことがあるか否かを判断する(ST3)。すなわち、その監視領域に関する初期火熱情報が、初期火熱記憶部41に記憶されているか否かが判断される。その監視領域で火熱Hが検出されたことがない場合、すなわち、初期火熱情報が記憶されていない場合(ST3においてNo)は、初期火熱記憶処理が実行される(ST4:初期火熱記憶工程)。また、その監視領域で火熱Hが検出されたことがある場合、すなわち、初期火熱情報が記憶されている場合(ST3においてYes)は、火災判定処理が実行される(ST5:火災判定処理工程)。
ここで図14を参照して、初期火熱記憶処理(初期火熱記憶工程(ST4))のフローについて説明する。まず、監視制御部34は駆動制御部32を介して駆動手段25を制御して、火熱Hが画像の中央になるように撮像手段30の撮像方向(可視光カメラ27の光軸27a)を火熱Hの中心に向ける(ST11)。次いで監視制御部34は、この時の撮像手段30の撮像方向を、警戒方向として警戒情報記憶部42に記憶させる(ST12)。なお、撮像方向を警戒方向に向けた撮像手段30の撮像視野は、警戒領域(例えば、図7の警戒領域C1)となる。
次いで監視制御部34は撮像制御部33を介して撮像手段30を制御して、赤外線画像と可視光画像を撮像させる(ST13)(ST13:初期画像撮像工程)。すなわち、火熱監視工程において火熱Hが検出されると(ST2においてYes)、初期画像撮像工程(ST13)において、撮像手段30が家屋内(部屋2の中)を初期画像(初期赤外線画像、初期可視光画像)として撮像する。
次いで火熱検出部35は、初期赤外線画像より火熱Hを抽出して初期火熱画像として初期火熱記憶部41に記憶する(ST14:初期火熱抽出工程)。すなわち、初期火熱抽出工程(ST14)において、初期赤外線画像(初期画像)より火熱Hが初期火熱画像として抽出される。次いで基準図形抽出部36は、初期可視光画像(例えば、図8(a)の可視光画像53)に基づいて、初期火熱画像と関連付けされる基準図形F(例えば、図8(b)の基準図形F1)を抽出して初期基準図形として初期火熱記憶部41に記憶させる(ST15:初期基準図形抽出工程)。すなわち、初期基準図形抽出工程(ST15)において、初期可視光画像(初期画像)に含まれる図形に基づいて、初期火熱画像と関連付けされる図形である初期基準図形が抽出される。
次いで火熱割合算出部37は、初期基準図形の面積に対する初期火熱画像における火熱Hの面積の割合を初期火熱割合として算出して初期火熱記憶部41に記憶させる(ST16:初期火熱割合算出工程)。すなわち、初期火熱割合算出工程(ST16)において、抽出された初期基準図形の面積に対する初期火熱画像における火熱Hの面積の割合が初期火熱割合として算出される。初期火熱画像、初期基準図形、初期火熱割合などの初期火熱情報および警戒方向が記憶されると、一連の初期火熱記憶処理が終了する。
次に図15を参照して、火災判定処理(火災判定処理工程(ST5))のフローについて説明する。まず、監視制御部34は駆動制御部32を介して駆動手段25を制御して、撮像手段30の撮像方向を警戒情報記憶部42に記憶されている警戒方向に変更する(ST21)。これによって、噴射口21の方向(噴射方向21a)が警戒領域の火熱Hの方向を向く。
次いで監視制御部34は撮像制御部33を介して撮像手段30を制御して、現在の警戒領域の可視光画像と赤外線画像(以下「警戒画像」と称す)を撮像する(ST22:警戒画像撮像工程)。すなわち、初期火熱記憶工程(ST4)において初期火熱割合が算出された後に(ST3においてYes)、警戒画像撮像工程(ST22)において撮像手段30が家屋内(部屋2の中)を警戒画像として撮像する。
次いで火熱検出部35は、警戒画像に含まれる赤外線画像より火熱Hを警戒火熱画像として抽出する(ST23:警戒火熱抽出工程)。このように、初期火熱抽出工程(ST14)および警戒火熱抽出工程(ST23)において、初期火熱画像および警戒火熱画像は赤外線撮像手段(撮像手段30)によって撮像された赤外線画像より抽出される。
次いで火災判定部38は、警戒火熱画像に火熱Hがあるか否か、すなわち火熱Hが消滅したか否かを判断する(ST24)。火熱Hが消滅している場合(ST24においてYes)、火熱検出部35は、その火熱Hに関して初期火熱記憶部41に記憶されていた初期火熱情報、および、警戒情報記憶部42に記憶されていた警戒方向をクリアして(ST25)、火災判定処理が完了する。
火熱Hが消滅していない場合(ST24においてNo)、基準図形抽出部36は、警戒画像の可視光画像に含まれる図形に基づいて、警戒火熱画像と関連付けされる図形である基準図形Fを抽出する(ST26:基準図形抽出工程)。このように、初期基準図形抽出工程(ST15)および基準図形抽出工程(ST26)において、初期基準図形および基準図形Fは可視光撮像手段(撮像手段30)によって撮像された可視光画像より抽出される。
また、初期基準図形抽出工程(ST15)および基準図形抽出工程(ST26)における基準図形抽出処理では、初期基準図形または基準図形Fは、初期画像または警戒画像に含まれる図形のうち、少なくとも初期火熱画像または警戒火熱画像における火熱Hを囲う図形、または、火熱Hの周辺にある図形のいずれかの輪郭を含んで抽出される。
次いで火熱割合算出部37は、基準図形抽出工程(ST26)において抽出された基準図形Fの面積に対する警戒火熱画像(火熱H)の面積の割合を火熱割合として算出する(ST27:火熱割合算出工程)。次いで火災判定部38は、抽出された基準図形Fと記憶されている初期基準図形が一致するか否かを判定する(ST28)。
抽出された基準図形Fが初期基準図形と一致する場合(ST28においてYes)、火災判定部38は、算出された現在の火熱割合が記憶されている初期火熱割合より所定の割合以上に増加していないか判断する(ST29:火災判断工程)。そして、火災判断工程(ST29)において、算出された火熱割合が初期火熱割合より所定の割合以上に増加している場合に(Yes)、火災判定部38は火災が発生したと判定する。
抽出された基準図形Fが初期基準図形と一致しない場合(ST28においてNo)、火災判定部38は、警戒火熱画像の火熱Hが初期火熱画像の火熱Hと一致するか否かを判断する(ST30)。具体的には、火災判定部38は、抽出された基準図形Fと記憶されていた初期基準図形の相対的な関係と、警戒火熱画像と記憶されていた初期火熱画像の相対的な関係を基に、警戒火熱画像の火熱Hと初期火熱画像の火熱Hが同一であるか否かを判断する。
警戒火熱画像の火熱Hが初期火熱画像の火熱Hと一致しない場合(ST30においてNo)、別の火熱Hが検出されていると判断され、前述の初期火熱記憶処理(初期火熱記憶工程(ST4))が実行されて初期火熱情報と警戒方向が更新されると、火災判定処理が完了する。
警戒火熱画像の火熱Hが初期火熱画像の火熱Hと一致する場合(ST30においてYes)、火熱Hの不一致は火熱Hの位置が移動したことが原因と判断され、火災判断工程(ST29)が実行される。すなわち、基準図形Fが初期基準図形とは異なるが、警戒火熱画像における火熱Hと基準図形Fの相対的な関係および初期火熱画像における火熱Hと初期基準図形の相対的な関係とが同じ場合は(ST30においてYes)、火災判断工程(ST29)において、火熱割合算出工程(ST27)において算出された火熱割合を初期火熱割合と比較して火災が発生したか否かを判定する。
火災判断工程(ST29)において火災が発生したと判断されると(Yes)、次いで消火制御部39が消火処理を実行する(ST31:消火処理工程)。これによって、噴射口21より火熱Hに向かって消火剤15が噴射される。火災判断工程(ST29)において火災は発生していないと判断されると(No)、初期火熱情報、警戒方向は維持したまま火災判定処理が完了する。
図13において、火熱検出判断処理(ST2)において火熱Hが検出されない場合(No)、または初期火熱記憶処理工程(ST4)が終了した場合、または火災と判定されずに火災判定処理工程(ST5)が終了した場合、監視制御部34は、他に初期火熱情報が記憶されているか否かを判断する(ST6)。他に初期火熱情報が記憶されている場合、すなわち、他に火熱Hが検出されていた場合(ST6においてYes)、他の火熱Hが火災になっていないかを判定するための火災判定処理工程(ST5)が実行される。
他に初期火熱情報が記憶されていない場合、すなわち、他に火熱Hが検出されていない場合(ST6においてNo)、または他の火熱Hに対する火災判定処理工程(ST5)が火災と判定されずに終了した場合、監視制御部34は駆動制御部32を介して駆動手段25を制御して、撮像手段30の撮像方向を次の監視領域に変更し(ST7)、最初に戻って監視領域撮像工程(ST1)が実行される。
このように、全ての監視領域に火熱Hが検出されない場合は次の監視領域に火熱Hがあるか否かが監視され、火熱Hが検出されて警戒方向が記憶されている場合はその警戒領域の火熱Hが火災になっていないかを確認(火災判定処理)した後、次の監視領域を監視している。すなわち、撮像方向が一の監視方向を向く度に、撮像手段30が画像を撮像して、火熱検出部35が撮像された画像を基に火熱Hがないかを判断し、火熱Hが検出されると、複数の監視方向に加えて警戒方向も順に向くように制御している。
上記説明したように、本実施の形態の消火方法における家屋内(部屋2の中)に火災が発生したか否かを判断する火災判断方法は、火熱監視工程(監視領域撮像工程(ST1)、火熱検出判断工程(ST2))と、初期画像撮像工程(ST13)と、初期火熱抽出工程(ST14)と、初期基準図形抽出工程(ST15)と、初期火熱割合算出工程(ST16)と、警戒画像撮像工程(ST22)と、警戒火熱抽出工程(ST23)と、基準図形抽出工程(ST26)と、火熱割合算出工程(ST27)と、火災判断工程(ST29)とを含んでいる。これによって、事前の設定を要することなく家屋内に火災が発生したか否かを判断することができる。
なお、消火システム1の制御装置31は、基部17の内部に設ける形態に限定されることなく、例えば部屋2の外に設置したコンピュータ(図示省略)で構成して無線LANなどの通信手段を介して消火装置10、駆動手段25、撮像手段30と接続するようにしてもよい。また、消火システム1の電源は、商用電源から供給しても、電池から供給するようにしてもよい。
本発明は事前の設定を要することなく家屋内に発生した火災を消火することができ、防災設備分野において有用である。
1 消火システム
10 消火装置
15 消火剤
21 噴射口
21a 噴射方向(噴射口の方向)
27 可視光カメラ
27a 光軸(撮像方向)
28 赤外線透過フィルタ
H、H1、H2a、H2b 火熱

Claims (4)

  1. 家屋内に発生した火災を検出して消火する消火システムであって、
    消火剤を家屋内に噴射する噴射口を有する消火装置と、
    前記噴射口の方向を水平回転方向および上下回転方向に動かす駆動手段と、
    撮像方向が前記噴射口の方向と同じで、前記噴射口と一体となって前記撮像方向が移動する撮像手段と、
    前記駆動手段を制御する駆動制御部と、
    前記撮像手段が撮像した画像を基に、火熱を検出する火熱検出部と、
    前記火熱検出部が検出した前記火熱が火災であるか否かを判定する火災判定部と、を備え、
    前記火熱検出部が前記火熱を検出すると、前記駆動制御部は、前記撮像方向が前記火熱の方向である警戒方向を向くように前記駆動手段を制御し、
    前記火災判定部は、前記撮像方向を前記警戒方向に向けた前記撮像手段が撮像した画像を基に、前記火熱が火災であるか否かを判定し、
    前記火災判定部によって火災が発生したと判定されると、前記消火剤が噴射されるように前記消火装置を作動させることを特徴とする、消火システム。
  2. 前記撮像手段は、
    可視光カメラと、
    前記可視光カメラの前に赤外線透過フィルタを出し入れするフィルタ挿抜手段と、を有し、
    前記火熱検出部は、前記撮像手段が前記可視光カメラの前に赤外線透過フィルタを挿入した状態で撮像した赤外線画像を基に、火熱を検出することを特徴とする、請求項1に記載の消火システム。
  3. 前記火災判定部は、前記赤外線画像と、前記撮像手段が前記可視光カメラの前に赤外線透過フィルタを挿入しない状態で撮像した可視光画像とを基に、前記火熱が火災であるか否かを判定することを特徴とする、請求項2に記載の消火システム。
  4. 前記駆動制御部は、前記撮像方向が予め設定された複数の監視方向を順に向くように前記駆動手段を制御し、
    前記撮像方向が一の監視方向を向く度に、前記撮像手段が画像を撮像して、前記火熱検出部が前記撮像された画像を基に火熱がないかを判断し、
    前記火熱検出部が前記火熱を検出すると、前記駆動制御部は、前記複数の監視方向に加えて前記警戒方向も順に向くように前記駆動手段を制御することを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の消火システム。
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