JP2018059482A - 遠心圧縮機、ターボチャージャ - Google Patents

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Yuji Iwakiri
雄二 岩切
真明 松田
Masaaki Matsuda
真明 松田
嘉清 渡邉
Yoshikiyo Watanabe
嘉清 渡邉
勉 小田
Tsutomu Oda
勉 小田
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Abstract

【課題】空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生を抑制することができる遠心圧縮機、ターボチャージャを得る。
【解決手段】移動部材を径方向に移動させ、流入流路の流路面積を最小とする場合に、インペラに流入する空気の圧力が上昇し、サージングの発生が抑制される。例えば、空気を圧縮する圧縮効率の低下の抑制と、サージングの発生の抑制との観点から、適した流路面積となる位置に、移動部材が移動するようにする。これにより、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、遠心圧縮機、及びターボチャージャに関する。
特許文献1に記載の遠心圧縮機は、インペラの回転により空気を圧縮する遠心圧縮機であって、インペラに空気を導入する導入管と、導入管内に設けられ、インペラの上流側で空気の流れを規制し、かつ、空気の流れを規制する状態と規制しない状態との間で変位する規制部材と、を有する。
特開2010−138765号公報
ターボチャージャ用の遠心圧縮機では、所定の回転数で回転するインペラによって、圧縮される空気の流量が少なくなると、遠心圧縮機の出口側の圧力が高くなる。これにより、空気の一部が、インペラの出口から、インペラとハウジングとの隙間を通って、インペラの入口側に逆流する。この逆流に起因して、遠心圧縮機では、サージジングが発生することがある。
本願発明の課題は、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生を抑制することである。
本発明の請求項1に係る遠心圧縮機は、軸回りに回転し、軸方向から流入する空気を圧縮して径方向に流すインペラと、空気の流れ方向において、前記インペラの上流側に配置され、前記径方向に移動して、前記インペラに空気を導く流入流路の流路面積を変える移動部材と、を備え、前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記流路面積は、前記インペラの入り口の面積と比して小さいことを特徴とする。
上記構成によれば、回転するインペラは、インペラに流入する空気を圧縮する。そして、回転するインペラは、流入した空気を圧縮し、径方向に流す。
インペラによって圧縮された圧縮空気の流量が少ない場合には、インペラから径方向に流れた圧縮空気は、径方向に流れ続ける空気と、逆方向に折り返して流入流路側へ流れる空気とに分かれる(剥離する)。この逆方向への空気の流れに起因して、サージングが発生してしまうことがある。
ここで、移動部材を径方向に移動させ、流入流路の流路面積を最小とする場合に、流路面積は、インペラの入り口の面積と比して小さくなる。これにより、インペラに流入する空気の圧力が上昇し、前述した逆方向へ流れる空気の量が減少する。そして、サージングの発生が抑制される。
そして、例えば、空気を圧縮する圧縮効率の低下の抑制と、サージングの発生の抑制との観点から、適した流路面積となる位置に、移動部材が移動するようにする。これにより、遠心圧縮機では、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生を抑制することができる。
本発明の請求項2に係る遠心圧縮機は、請求項1に記載の遠心圧縮機において、前記移動部材には、前記流れ方向に延びると共に、前記流入流路に臨む壁面が形成されていることを特徴とする。
上記構成によれば、移動部材には、空気の流れ方向に延びると共に、流入流路に臨む壁面が形成されている。これにより、インペラに向かう空気は、壁面に沿って流れ、インペラに流入する。このため、例えば、インペラに空気を導く流入流路の流路面積を変える部材が、板面が軸方向を向いた薄板状の部材である場合と比して、インペラに向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
本発明の請求項3に係る遠心圧縮機は、請求項2に記載の遠心圧縮機において、前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記壁面において前記流れ方向の下流側の部分が、前記インペラの回転中心線に近づくように、前記壁面は、前記軸方向に対して傾斜していることを特徴とする。
上記構成によれば、壁面において空気の流れ方向の下流側の部分が、インペラの回転中心線に近づくように、壁面は、軸方向に対して傾斜している。このため、壁面において空気の流れ方向の下流側の部分が、インペラの回転中心線から遠ざかるように、壁面が軸方向に対して傾斜している場合と比して、インペラに向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
本発明の請求項4に係る遠心圧縮機は、請求項2又は3に記載の遠心圧縮機において、前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記壁面において、前記流れ方向の下流側の端部は、前記インペラにおいて、前記流れ方向の上流側の端部に対して、前記流れ方向の下流側に位置することを特徴とする。
上記構成によれば、移動部材が流路面積を最小にした状態で、壁面において、流れ方向の下流側の端部は、インペラにおいて、流れ方向の上流側の端部に対して、流れ方向の下流側に位置する。換言すれば、インペラによって流路面積が狭くなる部分まで、壁面が延びている。このため、インペラによって流路面積が狭くなる部分まで、壁面が延びていない場合と比して、インペラに向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
本発明の請求項5に係るターボチャージャは、エンジンから排出される排気ガスが流れる力によって、回転するタービンロータを有するタービンユニットと、前記タービンロータから回転力がインペラに伝達され、前記エンジンに供給する空気を圧縮する請求項1〜4の何れか1項に記載の遠心圧縮機と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、請求項1〜4の何れか1項に記載の遠心圧縮機を備えることで、ターボチャージャでは、圧縮空気をエンジンに効率よく供給することができる。
本発明によれば、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機、及び比較形態に係る遠心圧縮機の評価予測結果をグラフで示した図面である。 本発明の第1実施形態に係るターボチャージャを示した構成図である。 本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機に対する比較形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第4実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第4実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第5実施形態に係る遠心圧縮機を示した断面図である。 本発明の第5実施形態に係る遠心圧縮機を示した正面図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例について図1〜図8を用いて説明する。
(全体構成)
本第1実施形態に係るターボチャージャ10は、図7に示されるように、タービンユニット20、遠心圧縮機30、及びタービンユニット20と遠心圧縮機30とを連結する連結ユニット40を備えている。そして、タービンユニット20は、自動車のエンジン(図示省略)の排気通路12の途中に配置され、遠心圧縮機30は、このエンジンの吸気通路14の途中に配置されている。
タービンユニット20は、ハウジング24を備え、遠心圧縮機30は、ハウジング50を備え、連結ユニット40は、ハウジング24とハウジング50とを連結するハウジング44を備えている。
さらに、ターボチャージャ10は、ハウジング24、ハウジング44、及びハウジング50の内部を通る回転軸42を備えている、そして、この回転軸42の軸方向(図中矢印E方向:以下単に「軸方向」)の一端側(図中右側)から他端側(図中左側)へ、ハウジング24、ハウジング44、及びハウジング50は、図示せぬ固定具で互いに固定され、この順番で並んでいる。
〔タービンユニット〕
タービンユニット20は、図7に示されるように、ハウジング24と、タービンロータ22とを備えている。ハウジング24は、内部が空洞とされ、このハウジング24の内部に、タービンロータ22が配置されている。そして、タービンロータ22は、回転軸42の軸方向の一端側の部分に固定されているロータ軸部28と、ロータ軸部28から延出する複数のタービン翼26とを有している。
また、ハウジング24においてタービンロータ22に対して回転軸42の径方向(図中矢印D方向:以下単に「径方向」)の外側の部分には、排気通路12を流れる排気ガスをハウジング24の内部へ流入させる渦巻き状の渦巻き流路24Aが形成されている。さらに、ハウジング24においてタービンロータ22に対して軸方向の外側(ハウジング44側とは反対側)の部分には、排気ガスをハウジング24の外部に排出させて排気通路12に排出させる排出流路24Bが形成されている。
この構成において、渦巻き流路24Aからハウジング24の内部へ流入した排気ガス(流体の一例)は、隣り合うタービン翼26の間に流れ込むようになっている。そして、排気ガスは、複数のタービン翼26を押すことで、タービンロータ22を回転させるようになっている。さらに、タービンロータ22を回転させた排気ガスは、排出流路24Bから排出されるようになっている。このように、タービンロータ22は、所謂ラジアルタービンロータとされている。
〔連結ユニット〕
連結ユニット40は、図7に示されるように、ハウジング44を備えている。そして、このハウジング44は、回転軸42を回転可能に支持する支持部44Aを有している。
さらに、ハウジング44は、循環しながら支持部44Aへ供給されるエンジンオイルをハウジング44の内部へ流入させる流入口(図示省略)と、エンジンオイルをハウジング44の内部から排出させる排出口(図示省略)とを有している。
この構成において、ハウジング44の内部へ流入したエンジンオイルは、支持部44Aに供給され、回転軸42が滑らかに回転するようになっている。
〔遠心圧縮機〕
遠心圧縮機30は、図7に示されるように、ハウジング50と、インペラ32とを備えている。ハウジング50は、内部が空洞とされ、このハウジング50の内部に、インペラ32が配置されている。そして、インペラ32は、回転軸42の軸方向の他端側の部分に固定されている回転軸部34と、回転軸部34から延出する複数のインペラ翼36とを有している。
また、ハウジング50においてインペラ32に対して軸方向の外側(ハウジング44側とは反対側)の部分には、吸気通路14を流れる空気をインペラ32に導く流入流路80が形成されている。さらに、ハウジング50においてインペラ32に対して径方向の外側の部分には、空気をハウジング50の外部に流出させて吸気通路14に排出させる渦巻き状の渦巻き流路54(所謂スクロール流路)が形成されている。
なお、遠心圧縮機30については詳細を後述する。
(全体構成の作用)
次に、ターボチャージャ10の作用について説明する。
タービン翼26は、渦巻き流路24Aからハウジング24の内部へ流入した排気ガスによって押されて回転する。タービンロータ22の回転力は、回転軸42を介してインペラ32に伝達される。なお、ハウジング24の内部でタービンロータ22を回転させた排気ガスは、排出流路24Bから排出する。
インペラ32は、回転軸42を介してタービンロータ22の回転力が伝達されることで回転する。そして、回転するインペラ32は、流入流路80によって、吸気通路14から導かれた空気を圧縮する。また、回転するインペラ32は、圧縮した空気を径方向に流す。さらに、径方向に流された圧縮空気は、渦巻き流路54を流れて吸気通路14に排出する。渦巻き流路54から排出された圧縮空気は、燃焼用の圧縮空気としてエンジンに供給される。
(要部構成)
次に、遠心圧縮機30について説明する。
遠心圧縮機30は、図1に示されるように、インペラ32と、内部にインペラ32が配置されているハウジング50と、移動部材の一例としての壁部材70と、壁部材70を揺動させる揺動部90とを備えている。
〔インペラ〕
インペラ32は、前述したように、回転軸42の軸方向の他端側の部分に固定されている回転軸部34と、回転軸部34から延出する複数のインペラ翼36とを有している。
回転軸部34は、軸方向の外側(ハウジング44側とは反対側:図中左側)に向かうに従って徐々に細くなっている。また、夫々のインペラ翼36は、図3に示されるように、軸方向から見て、回転軸部34から湾曲しながら径方向の外側へ延出している。そして、夫々のインペラ翼36は、図1に示されるように、軸方向の外側の部分で径方向へ延びる先端縁36Aと、先端縁36Aの径方向の外側の端部に接続されて、湾曲しながら軸方向の内側(ハウジング44側:図中右側)に延びる湾曲縁36Bとを有している。さらに、夫々のインペラ翼36は、湾曲縁36Bの端部に接続されて、軸方向に延びる基端縁36Cを有している。
この構成において、回転するインペラ32は、インペラ翼36の先端縁36Aから流入する空気を圧縮し、圧縮した空気(圧縮空気)をインペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側に流すようになっている。
〔ハウジング〕
ハウジング50は、インペラ32に流入する空気が流れる導入路52と、インペラ32によって圧縮された圧縮空気が流れる拡散流路56(所謂ディフューザ流路)と、吸気通路14に圧縮空気を排出する渦巻き流路54とを有している。さらに、ハウジング50は、インペラ32を収容する収容部57を有している。
拡散流路56は、図3に示されるように、軸方向から見て、インペラ32を囲むように形成されている。そして、拡散流路56は、図1に示されるように、回転するインペラ32によって圧縮され、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側へ流された圧縮空気が流れるようになっている。
渦巻き流路54は、図3に示されるように、軸方向から見て、拡散流路56を囲むように渦巻き状に形成され、渦巻き流路54の一端には、圧縮空気を吸気通路14に排出するための排出口54Aが形成されている。この渦巻き流路54の流路断面は、図1に示されるように、おおむね円形とされている。そして、渦巻き流路54は、拡散流路56を流れて通過した圧縮空気を、吸気通路14に排出させるようになっている。
導入路52は、ハウジング50においてインペラ32に対して軸方向の外側の部分で、軸方向へ延びる円筒状の導入部60の内部に形成されている。そして、導入路52は、インペラ32の回転中心線C1を中心とする円柱状とされている。さらに、導入路52において、軸方向の内側(ハウジング44側:図中右側)で、かつ、インペラ32に対して径方向の外側の部分には、壁部材70が取り付けられている取付部62が形成されている。
また、導入路52を構成する導入壁52Aと、取付部62との間には、軸方向の外側が開口した凹部64が形成されている。
収容部57は、空気の流れ方向において、導入路52と拡散流路56との間に形成され、収容部57の壁面と、インペラ32との間には、隙間58が形成されている。
〔壁部材〕
壁部材70は、図1に示されるように、導入路52に配置されている。また、壁部材70は、図3に示されるように、軸方向から見て、インペラ32の周方向(回転方向)に並んで6個設けられている。さらに、夫々の壁部材70は、軸方向から見て、インペラ32の回転軸を中心とする円弧状とされている。
夫々の壁部材70は、図1に示されるように、インペラ32の回転中心線C1が通る平面で切断した切断面が、三角形状の本体部72を有している。さらに、夫々の壁部材70は、本体部72において軸方向の内側で、かつ、径方向の外側の部分に接続され、軸方向の内側に延びる延出部74と、取付部62に回転自在に取り付けられる軸部82とを有している。この軸部82は、延出部74の先端部に設けられている。そして、6個の壁部材70の本体部72によって囲まれた空間が、空気をインペラ32に導く流入流路80とされている。この流入流路80は、軸方向から見て、円形状とされている。
さらに、壁部材70の本体部72には、流入流路80に臨む壁面72Aが形成されている。この壁面72Aは、インペラ32に導かれる空気の流れ方向に延びている。そして、インペラ32の回転中心線C1が通る平面で切断した切断面における壁面72Aの長さ(図中F1)は、インペラ翼36の先端縁36Aの径方向の長さ(図中F2)よりも長くされている。
また、軸部82は、延出部74において軸方向の内側の部分に設けられている。この軸部82は、図3に示されるように、インペラ32の周方向において、壁部材70の中央側の部分に配置され、本体部72を構成している円弧に接する接線方向に延びている。
この構成において、夫々の壁部材70は、図示せぬ規制部材によって移動範囲が規制され、軸部82を中心に揺動するようになっている。そして、夫々の壁部材70は、流入流路80の流路面積を最小とする最小位置(図1、図3参照)と、流入流路80の流路面積を最大とする最大位置(図2、図4参照)との間を、揺動するようになっている。
なお、流入流路80を軸方向に対して直交する方向に切断した切断面で、切断面が最も小さくなる部分の面積が、流路面積である。そして、壁部材70によって囲まれている領域(図1のK2)が、ハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域(図2のK1)と比して狭い場合は、流路面積は、壁部材70によって囲まれている領域の面積となる。一方、壁部材70によって囲まれている領域(図2のK3)が、ハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域(図2のK1)と比して同等又は広い場合は、流路面積は、ハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域の面積となる。
そして、壁部材70が最大位置に配置された状態で、壁部材70によって囲まれている領域の面積は、ハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域の面積と比して大きくなる。また、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁部材70によって囲まれている領域の面積は、ハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域の面積と比して小さくなる。
さらに、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁部材70によって囲まれている領域の面積(流路面積、図1のK2参照)は、インペラ32の入り口の面積(図1のK4参照)と比して小さくなる。ここで、インペラ32の入り口の面積とは、インペラ32を回転させることで、軸方向から見て、インペラ翼36の先端縁36Aが描く円の面積である。
また、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁面72Aにおいて空気の流れ方向の下流側の部分が、空気の流れ方向の上流側の部分と比して、インペラ32の回転中心線C1に近づくように、壁面72Aは、軸方向に対して傾斜している(図1参照)。
さらに、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁面72Aにおいて、空気の流れ方向の下流側の端部T1は、インペラ32の回転軸部34における、空気の流れ方向の上流側の端部T2に対して、軸方向の内側(空気の流れ方向の下流側)に位置している。なお、壁面72Aにおいて、空気の流れ方向の下流側の端部T1は、壁部材70が最小位置に配置された状態で、径方向の最も内側に位置する部位である。つまり、壁部材70の壁面72Aは、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁部材70の軸方向の外側の先端から端部T1までの範囲である。
〔揺動部〕
揺動部90は、図1に示されるように、軸部82に一端が接続されているリンク92と、全てのリンク92の他端が接続されるリング部材94と、リング部材94に一端が接続されているロッド96と、ロッド96を移動させるアクチュエータ98とを備えている。
リンク92は、一端が軸部82に取り付けられ、軸部82から径方向の外側に延びている。
リング部材94は、図3に示されるように、軸方向から見て、最小位置に配置されている壁部材70を囲むように、ハウジング50に形成された凹部64(図1参照)に配置されている。そして、リンク92の他端が、リング部材94に形成された長穴(図示省略)に、回転自在に取り付けられている。
ロッド96は、図1に示されるように、軸方向へ延び、ロッド96の軸方向の内側の端部は、リング部材94に取り付けられている(図3参照)。
アクチュエータ98は、ロッド96の軸方向の外側の端部に取り付けられ、後述する制御部(図示省略)の制御によって、ロッド96を軸方向に移動させるようになっている。
この構成において、アクチュエータ98が、ロッド96を軸方向に移動させることで、リング部材94が軸方向へ移動するようになっている。これにより、夫々のリンク92が、夫々の軸部82を中心に揺動することで、夫々の壁部材70が揺動するようになっている。すなわち、夫々の壁部材70は、径方向に移動するようになっている。
そして、揺動する壁部材70は、最小位置(図1、図3参照)、最大位置(図2、図4参照)、及び最小位置と最大位置との中間の中間位置(図5参照)に移動するようになっている。
(作用)
次に、遠心圧縮機30の作用について、比較形態に係る遠心圧縮機330の作用と比較しつつ説明する。さらに、遠心圧縮機30、330に発生するサージング、及び遠心圧縮機30のアクチュエータ98に対する制御の一例について説明する。
〔遠心圧縮機の作用〕
先ず、比較形態に係る遠心圧縮機330の構成について、遠心圧縮機30の構成と異なる部分を主に説明する。また、遠心圧縮機330の作用については、遠心圧縮機30の作用と異なる部分を主に説明する。
遠心圧縮機330は、図8に示されるように、壁部材、及び揺動部を備えていない。
遠心圧縮機330に備えられたハウジング350の導入部360の内部には、空気をインペラ32に導く流入流路380が形成されている。流入流路380は、軸方向の内側に向かうに従って縮径する漏斗状とされている。
そして、流入流路380の流路面積は、ハウジング350によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域(図8のK5)の面積となり、実施形態に係るハウジング50によってインペラ翼36の先端縁36Aを囲む領域(図2のK1)の面積と、同様である。
次に、遠心圧縮機330から排出される圧縮空気の流量が少ない場合の、遠心圧縮機30、330の作用を説明する。
遠心圧縮機330から排出される圧縮空気の流量が少ない場合には、遠心圧縮機330の圧力比は、遠心圧縮機330から排出される圧縮空気の流量が大きい場合に比して、大きくなっている。なお、圧力比とは、遠心圧縮機330のインペラ32から流出する空気の圧力P2と、インペラ32に流入する空気の圧力P1との比P2/P1である。
回転するインペラ32は、図8に示されるように、流入流路380を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れインペラ翼36の先端縁36A側から流入する空気(矢印L1)を圧縮する。そして、回転するインペラ32は、圧縮した空気を、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流す。
さらに、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れた空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気(矢印L2)と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路380側へ流れる空気(矢印L3)とに分かれる(剥離する)。
回転するインペラ32によって圧縮され、拡散流路56を通って渦巻き流路54側へ流れる空気(以下「圧縮空気」)は、吸気通路14を通って、燃焼用の圧縮空気としてエンジンに供給される。
なお、遠心圧縮機330から排出される圧縮空気の流量が大きい場合には、遠心圧縮機330の圧力比は、遠心圧縮機330から排出される圧縮空気の流量が小さい場合と比して、小さくなる。このため、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れた空気の逆流が抑制される。
なお、壁部材70が最大位置に配置されている遠心圧縮機30の作用については、遠心圧縮機330の作用と同様である(図2参照)。
次に、壁部材70が最小位置に配置されている遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が少ない場合の、遠心圧縮機30の作用を説明する。
遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が少ない場合には、遠心圧縮機30の圧力比は、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が大きい場合に比して、大きくなっている。
回転するインペラ32は、図1に示されるように、流入流路80を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れ、インペラ翼36の先端縁36A側から流入する空気(矢印M1)を圧縮する。そして、回転するインペラ32は、圧縮した空気を、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流す。
さらに、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れた空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気(矢印M2)と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路80側へ流れる空気(矢印M3)とに分かれる(剥離する)。
ここで、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30の流入流路80の流路面積は、遠心圧縮機330の流路面積と比して、小さくなっている。
このため、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30のインペラ32側へ流れる空気の圧力は、遠心圧縮機330のインペラ32に流入する空気の圧力と比して、高くなる。そして、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30の圧力比は、遠心圧縮機330の圧力比と比して、高くなる。
これにより、流入流路80側へ逆流する空気(矢印M3)の量は、遠心圧縮機330を用いた場合に、流入流路80、380側へ逆流する空気(矢印L3)の量と比して、少なくなる。
〔サージング〕
次に、遠心圧縮機30、330に発生するサージングについて説明する。
サージングは、遠心圧縮機30、330に振動等が発生する不安定現象であり、サージングについては、ハウジング50、350に振動計を取り付けて、振幅が予め定められた閾値に達した場合に、サージングの発生と判断することができる。
壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30を用いた場合、遠心圧縮機330を用いた場合のサージング限界について説明する。
図6に示されるグラフの縦軸は、遠心圧縮機30、330を用いた場合との圧力比を示し、横軸は遠心圧縮機30、330から排出される圧縮空気の流量〔g/sec〕を示している。なお、図6に示すグラフは、実機試験に基づくグラフではなく、類似の試験の結果による知見に基づき作成した予測グラフである。
図6に示すグラフ中の実線G1は、インペラ32の回転数を一定にし、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量を変えた場合の、圧縮空気の流量と圧力比との関係を示している。
これに対して、一点鎖線J1は、インペラ32の回転数を実線G1の場合と同様の回転数にし、遠心圧縮機330から、排出される圧縮空気の流量を変えた場合の、圧縮空気の流量と圧力比との関係を示している。
そして、圧縮空気の流量を徐々に小さくし、サージングが発生する圧縮空気の流量と圧力比とを予測した。壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30については、点g1でサージングが発生し、遠心圧縮機330については、点j1でサージングが発生する。
実線G2は、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30を用い、実線G1と比して回転数を高くした場合を示している。そして、実線G2においては、最も圧縮空気の流量が小さい点g2でサージングが発生する。これに対して、一点鎖線J2は、インペラ32の回転数を実線G2の場合と同様の回転数にし、遠心圧縮機330を用いた場合を示している。そして、一点鎖線J2においては、最も圧縮空気の流量が小さい点j2でサージングが発生する。
また、他の回転数においても実線G1、G2及び一点鎖線J1、J2と同様の検討を行った。そして、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30を用いた場合、遠心圧縮機330を用いた場合において、サージングが発生する圧縮空気の流量と圧力比とを予測した。
グラフ中の破線H1が、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30を用いた場合のサージング限界線H1(以下「限界線H1」)である。さらに、グラフ中の破線H2が、遠心圧縮機330を用いた場合のサージング限界線H2(以下「限界線H2」)である。
壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30では、グラフ中の限界線H1よりも右側(流量が大きい側)のエリアでサージングが発生することがない。また、遠心圧縮機330では、グラフ中の限界線H2よりも右側(流量が大きい側)のエリアでサージングが発生することがない。
次に、インペラ32の回転数を同様にして圧縮空気の流量を小さくすると、サージングが発生する理由について説明する。
圧縮空気の流量が小さくなると、前述したように、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れた空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気と、逆方向に折り返して流れる空気とに分かれる(図1、図2、図8参照)。この空気の逆流に起因して、サージングが発生してしまう。
ここで、図6に示すグラフ中の限界線H1と限界線H2とを比較すると、限界線H1が限界線H2と比して図中左側(空気流量が小さい側)に位置している。これにより、圧縮空気の流量が小さい場合に、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30では、遠心圧縮機330を用いた場合と比して、サージングの発生が抑制されていることが分かる。
これは、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30を用いた場合に、逆流する空気(矢印M3)の量は、遠心圧縮機330を用いた場合に、逆流する空気(矢印L3)の量と比して少なくなるからである。
〔アクチュエータに対する制御の一例〕
次に、制御部による、アクチュエータ98に対する制御の一例について説明する。なお、制御部は、遠心圧縮機30を備えた自動車の制御部であって、自動車の各装置を制御するようになっている。
自動車には、遠心圧縮機30の圧力比と、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量と、壁部材70を配置する位置との関係を定めたマップが設けられている。このマップによって、圧力比と、流量とが定まると、壁部材70を最小位置に配置するか、最大位置に配置するか、最小位置と最大位置との中間の中間位置に配置するか、が定まるようになっている。
具体的には、遠心圧縮機30については、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が多い場合に、壁部材70が最小位置に配置されると、空気を圧縮する圧縮効率が低下してしまう。そこで、サージングの発生を抑制させ、かつ、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制させる観点から、壁部材70を最小位置か、最大位置に配置するか、中間位置に配置するか、が定まるようになっている。
そして、制御部は、エンジンのエアフローメータから圧縮空気の流量の情報を受け取り、さらに、エンジンのインテイクマニホウルドのブースト計から圧力比の情報を受け取る。そして、制御部は、受け取った圧縮空気の流量の情報、及び圧力比の情報と、前述したマップとに基づいて、アクチュエータ98を制御して、壁部材70を適した位置へ移動させる
(まとめ)
前述したように、壁部材70が最小位置に配置された遠心圧縮機30の流入流路80の流路面積は、遠心圧縮機330の流路面積と比して、小さくなっている。さらに、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁部材70によって囲まれている領域の面積(流路面積、図1のK2参照)は、インペラ32の入り口の面積(図1のK4参照)と比して、小さくなっている。これによって、遠心圧縮機30から排出される圧縮空気の流量が小さく、かつ、壁部材70が最小位置に配置されている状態での、遠心圧縮機30では、流入流路80側へ逆流する空気の量を、少なくすることができる。換言すれば、サージングの発生を抑制することができる。
また、サージングの発生を抑制させ、かつ、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制させる観点から、壁部材70を適した位置へ移動させることで、空気を圧縮する圧縮効率の低下を抑制した上で、サージングの発生を抑制することができる。
また、壁部材70には、空気の流れ方向に延びると共に、流入流路80に臨む壁面72Aが形成されている。これにより、インペラ32に向かう空気は、壁面72Aに沿って流れ、インペラ翼36の先端縁36A側からインペラ32に流入する。このため、例えば、インペラ32に空気を導く流入流路80の流路面積を変える部材が、板面が軸方向を向いた薄板状の部材である場合と比して、インペラ32に向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
また、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁面72Aにおいて空気の流れ方向の下流側の部分が、空気の流れ方向の上流側の部分と比して、インペラ32の回転中心線C1に近づくように、壁面72Aは、軸方向に対して傾斜している。このため、壁面72Aにおいて空気の流れ方向の下流側の部分が、インペラ32の回転中心線C1から遠ざかるように、壁面が傾斜している場合と比して、インペラ翼36に向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
また、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁面72Aにおいて、空気の流れ方向の下流側の端部T1は、インペラ32の回転軸部34における、空気の流れ方向の上流側の端部T2に対して、軸方向の内側に位置している。換言すれば、回転軸部34によって流路面積が狭くされる部分まで、壁部材70の壁面72Aが延びている。このため、回転軸部34によって流路面積が狭くされる部分まで、壁部材70の壁面72Aが延びていない場合と比して、インペラ翼36に向かう空気の圧力損失の上昇を抑制することができる。
また、圧力損失の上昇が抑制されることで、サージングの発生を効果的に抑制することができる。
また、ターボチャージャ10としては、サージングの発生が抑制される遠心圧縮機30を備えることで、圧縮空気をエンジンに効率よく供給することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例につい図9、図10を用いて説明する。なお、第2実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図9に示されるように、第2実施形態に係る遠心圧縮機130は、円筒状の円筒部材132と、壁部材70の本体部72に、円筒部材132を付勢する付勢部材134とを備えている。
円筒部材132は、インペラ32の回転中心線C1を中心とする円筒状とされ、径方向において、軸部82とインペラ32との間に配置されている。
具体的には、ハウジング50の取付部62には、軸方向の外側が開放された凹部62Aが形成されている。この凹部62Aに、円筒部材132が配置されている。
また、付勢部材134は、圧縮バネであって、円筒部材132の基端部と、凹部62Aの底との間に配置されている。そして、付勢部材134は、円筒部材132の先端部が、壁部材70の本体部72に、軸方向の外側から接触するように、円筒部材132を本体部72に向けて付勢している。
この構成において、図9に示されるように、壁部材70が最小位置に配置されている状態で、壁部材70の本体部72と先端部で接触する円筒部材132は、凹部62Aに収納されている。
これに対して、図10に示されるように、壁部材70が最大位置に配置されている状態で、円筒部材132は、付勢部材134の付勢力によって、本体部72との接触を維持し、凹部62Aから突出するようになっている。そして、壁部材70の壁面72Aに沿って流れる空気は、壁部材70の本体部72と、取付部62との間の空間に、進入しないようになっている。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例につい図11、図12を用いて説明する。なお、第3実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図11に示されるように、第3実施形態に係る遠心圧縮機160の取付部162には、壁部材170側に突出する凸部164が形成されている。さらに、遠心圧縮機160の壁部材170の本体部172には、最小位置に配置された状態で、凸部164が収納される凹部174が形成されている。なお、壁部材170は、移動部材の一例である。
軸部82の軸方向から見て、凸部164の周面、及び凹部174の周面は、軸部82を中心とする円弧状とされている。そして、最小位置に配置された壁部材170の凹部174の周面と、凸部164の周面とが接触するようになっている。
この構成において、図11に示されるように、壁部材170が最小位置に配置されている状態で、壁部材170の本体部172の凹部174に、取付部162に形成された凸部164が収納されている。
これに対して、図12に示されるように、壁部材170が最大位置に配置されている状態で、取付部162の凸部164の一部が、流入流路80に臨むようになっている。これにより、壁部材170が最大位置に配置されている状態で、第1実施形態の構成と比して、壁部材170の本体部172と取付部162との間の空間に、空気が進入するのを抑制するようになっている。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例につい図13、図14を用いて説明する。なお、第4実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
図13に示されるように、第4実施形態に係る遠心圧縮機190の取付部192には、取付部192の内部を貫通する貫通孔194が形成されている。さらに、遠心圧縮機190の壁部材200には、壁部材200の本体部202の内部を貫通する貫通孔196が形成されている。なお、壁部材200は、移動部材の一例である。
取付部192に形成されている貫通孔194の一方の開口は、インペラ翼36の湾曲縁36Bに対向し、貫通孔194の他方の開口は、壁部材200の本体部202に対向している。
また、本体部202に形成されている貫通孔196の一方の開口は、壁部材170が最小位置に配置されている状態で、取付部192の貫通孔194の他方の開口と対向し、貫通孔196の他方の開口は、流入流路80に臨むように、壁面202Aに形成されている。
この構成において、遠心圧縮機190から排出される圧縮空気の流量が小さく、かつ、壁部材200が最小位置に配置されている状態で、図13に示されるように、隙間58を通って流入流路80側へ流れる空気の一部は、貫通孔194に進入する(図中矢印参照)。貫通孔194に進入した空気は、貫通孔194、及び貫通孔196を通って流入流路80に排出される。
流入流路80に排出された空気は、吸気通路14から流入流路80を通ってインペラ32に向かう空気と合流する。これにより、インペラ翼36の先端縁36A側から流入する空気量が、貫通孔196を通過する循環流の分、増加する。このため、インペラ翼36の先端縁36A側から流入する流速が増加することで、サージングの発生が抑制される。
また、図14に示されるように、壁部材200が最大位置に配置されている状態で、本体部202に形成されている貫通孔196の一方の開口は、取付部192の貫通孔194の他方の開口と対向しない。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態に係る遠心圧縮機、及びターボチャージャの一例につい図15、図16を用いて説明する。なお、第5実施形態については、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
(構成)
図15、図16に示されるように、第5実施形態に係る遠心圧縮機220に備えられた壁部材70の内、一の壁部材70には、流入流路80に突出する突出部242が形成されている。この突出部242は、板状とされ、突出部242の板面は、回転するインペラ32の周方向に向いている。さらに、突出部242は、軸方向において、壁部材70の壁面72Aの一端から他端まで軸方向へ延びている。また、壁部材70が最小位置に配置されている状態で、突出部242の突出端242Aは、インペラ32の回転中心線C1に沿っている。
(作用)
次に、遠心圧縮機220から排出される圧縮空気の流量が小さく、かつ、壁部材70が最小位置に配置されている状態での、遠心圧縮機220の作用について説明する。
図15に示されるように、回転するインペラ32は、流入流路80を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れインペラ翼36の先端縁36A側から流入する空気(矢印R1)を圧縮し、インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流す。
インペラ翼36の基端縁36Cから径方向の外側の拡散流路56へ流れた空気は、渦巻き流路54側へ流れる空気(矢印R2)と、逆方向に折り返してインペラ翼36とハウジング50との隙間58を通って流入流路80側へ流れる空気(矢印R3)とに分かれる(剥離する)。
さらに、流入流路80側へ逆流した空気は、図16に示されるように、壁部材70の壁面72Aに沿って螺旋状に流れる(矢印R4)。
ここで、一の壁部材70の壁面72Aには、突出部242が形成されている。このため、壁部材70の壁面72Aに沿って螺旋状に流れる空気は、突出部242に当たり(案内され)、軸方向から見て、インペラ32の回転中心側へ流れる(矢印M5)。
そして、インペラ32の回転中心側へ流れた空気は、流入流路80を軸方向に沿ってインペラ32側へ流れる空気(矢印R6)を押圧(加圧)する。これにより、インペラ32側へ流れる空気は、流入流路80において突出部242とは反対側の部分に押圧される(寄せられる)。このため、インペラ32に流入する空気の圧力が高くなり、遠心圧縮機220の圧力比が小さくなる。そして、遠心圧縮機220では、サージングの発生が抑制される。
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、壁部材70には、空気の流れ方向に延びると共に、流入流路80に臨む壁面72Aが形成されたが、空気の流れ方向に延びる壁面72Aが、壁部材に形成されていなくてもよい。しかし、この場合には、壁部材70に壁面72Aが形成されることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、壁部材70が最小位置に配置された状態で、壁面72Aは、壁面72Aにおいて空気の流れ方向の下流側の部分が、空気の流れ方向の上流側の部分と比して、インペラ32の回転中心線C1に近づくように、軸方向に対して傾斜している。しかし、このように壁面を傾斜させなくてもよい。この場合には、壁面72Aをこのように傾斜させることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、回転軸部34によって流路面積が狭くされる部分まで、壁部材70の壁面72Aが延びているが、回転軸部34によって流路面積が狭くされる部分まで、壁部材70の壁面72Aが延びていなくてもよい。しかし、この場合には、回転軸部34によって流路面積が狭くされる部分まで、壁部材70の壁面72Aが延びていることで生じる作用は生じない。
また、上記実施形態では、壁部材70は、軸方向から見て、インペラ32の周方向に並んで6個設けられているが、6個以外の個数であってもよい。
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、壁部材70の最小位置と、壁部材70の最大位置との間に、壁部材70の停止位置が複数あってもよい。
また、上記実施形態では、軸方向から見て、本体部72の円弧に接する接線方向に延びた軸部82を中心に壁部材70を揺動させることで、壁部材70が径方向に移動したが、例えば、壁部材を径方向にスライド移動させること、又は、軸方向に沿った軸部を中心に壁部材を揺動させることで、壁部材が径方向に移動してもよい。
10 ターボチャージャ
20 タービンユニット
22 タービンロータ
30 遠心圧縮機
70 壁部材(移動部材の一例)
72A 壁面
80 流入流路
130 遠心圧縮機
160 遠心圧縮機
170 壁部材(移動部材の一例)
190 遠心圧縮機
200 壁部材(移動部材の一例)
202A 壁面
220 遠心圧縮機

Claims (5)

  1. 軸回りに回転し、軸方向から流入する空気を圧縮して径方向に流すインペラと、
    空気の流れ方向において、前記インペラの上流側に配置され、前記径方向に移動して、前記インペラに空気を導く流入流路の流路面積を変える移動部材と、を備え、
    前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記流路面積は、前記インペラの入り口の面積と比して小さい遠心圧縮機。
  2. 前記移動部材には、前記流れ方向に延びると共に、前記流入流路に臨む壁面が形成されている請求項1に記載の遠心圧縮機。
  3. 前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記壁面において前記流れ方向の下流側の部分が、前記インペラの回転中心線に近づくように、前記壁面は、前記軸方向に対して傾斜している請求項2に記載の遠心圧縮機。
  4. 前記移動部材が前記流路面積を最小にした状態で、前記壁面において、前記流れ方向の下流側の端部は、前記インペラにおいて、前記流れ方向の上流側の端部に対して、前記流れ方向の下流側に位置する請求項2又は3に記載の遠心圧縮機。
  5. エンジンから排出される排気ガスが流れる力によって、回転するタービンロータを有するタービンユニットと、
    前記タービンロータから回転力がインペラに伝達され、前記エンジンに供給する空気を圧縮する請求項1〜4の何れか1項に記載の遠心圧縮機と、
    を備えたターボチャージャ。
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