JP2018054705A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本発明の第1の課題は、前記潤滑剤粒子に替えて又は加えて、潤滑剤粒子の表面に該潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子を用い、かつ正帯電性である複合体粒子〔C+〕の負帯電性である複合体粒子〔C−〕に対する個数比(C+/C−)が30/70未満、又は70/30超えである場合に比べ、前記色スジの発生が抑制される静電荷像現像用トナーを提供することである。
また本発明の第2の課題は、前記潤滑剤粒子に替えて又は加えて、潤滑剤粒子の表面に該潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子を用い、かつ潤滑剤粒子の表面における逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕の前記被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕に対する個数比(CL/CM)が30/70未満、又は70/30超えである場合に比べ、前記色スジの発生が抑制される静電荷像現像用トナーを提供することである。
トナー粒子と、
潤滑剤粒子、及び前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子を含有し、かつ前記潤滑剤粒子の表面に前記逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子と、
を含み、
前記複合体粒子のうち、正帯電性である複合体粒子〔C+〕と負帯電性である複合体粒子〔C−〕との個数比(C+:C−)が30:70乃至70:30の範囲である静電荷像現像用トナー。
トナー粒子と、
潤滑剤粒子、及び前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子を含有し、かつ前記潤滑剤粒子の表面に前記逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子と、
を含み、
前記複合体粒子のうち、前記潤滑剤粒子の表面における前記逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕と前記被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕との個数比(CL:CM)が30:70乃至70:30の範囲である静電荷像現像用トナー。
前記複合体粒子において、前記潤滑剤粒子の表面における前記逆極粒子による平均被覆率が20%以上60%以下である請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
前記複合体粒子における前記被覆率の個数分布をグラフ(横軸=被覆率、縦軸=個数)にしたとき、被覆率40%未満の領域及び被覆率40%以上の領域のいずれにもピークが存在する請求項2又は請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
前記複合体粒子において、下記式(1)の条件を満たす複合体粒子の前記トナー粒子の個数に対する比率が0.006個数%以上であり、かつ下記式(2)の条件を満たす複合体粒子の前記トナー粒子の個数に対する比率が0.001個数%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(1) 1μm≦RC≦(0.45×RTN)
式(2) RC<1μm
(上記式(1)及び式(2)中、RTNは前記トナー粒子の体積平均粒径(μm)を、RCは前記複合体粒子の粒径(μm)を表す。)
前記潤滑剤粒子がステアリン酸亜鉛粒子であり、前記逆極粒子がシリカ粒子である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体にクリーニングブレードを接触させて前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項7に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体にクリーニングブレードを接触させて前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
請求項2、又は6に係る発明によれば、トナー粒子と、潤滑剤粒子の表面に該潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子と、を含み、潤滑剤粒子の表面における逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕の前記被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕に対する個数比(CL/CM)が30/70未満、又は70/30超えである場合に比べ、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、潤滑剤粒子の表面における逆極粒子による平均被覆率が20%未満、又は60%超えである場合に比べ、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項4に係る発明によれば、潤滑剤粒子の表面における逆極粒子による被覆率の個数分布をグラフ(横軸=被覆率、縦軸=個数)にしたときにピークが1つのみ存在する場合に比べ、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項5に係る発明によれば、前記式(1)の条件を満たす複合体粒子のトナー粒子の個数に対する比率が0.006個数%未満である場合に比べ、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジが抑制される静電荷像現像用トナーが提供される。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナー(以下単に「トナー」とも称す)は、トナー粒子と複合体粒子とを含む。この複合体粒子は、潤滑剤粒子と、前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子と、を含有し、かつ前記潤滑剤粒子の表面に前記逆極粒子が固着して複合体を成す。
その理由は、次の通り推測される。
しかし、トナー粒子と潤滑剤粒子とを含むトナーを用いた場合に、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像(例えば画像濃度100%のベタ画像部と画像濃度0%の非画像部とが隣接して存在する画像など)を連続(例えば1000枚連続)して形成し、その後放置(例えば一晩放置)した後に、低温環境(例として冬の朝などが挙げられる。例えば10℃環境)下で画像を形成したときに、記録媒体の搬送方向と直交する方向に色スジ(横スジ)が発生することがある。
前記個数比(C+:C−)が上記の範囲を満たすということは、画像部へ供給され易い複合体粒子と非画像部へ供給され易い複合体粒子とが混在し、かつどちらの複合体粒子もその含有量が少なくないことの指標であると言える。そのため、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成した場合であっても、第1実施形態に係るトナーを用いることで、像保持体の画像部に相当する領域及び非画像部に相当する領域のどちらにも複合体粒子が供給され易い。その結果、上記の画像を連続形成した後に放置しさらに低温環境下で再び画像を形成した場合でも、ビビリと呼ばれるクリーニングブレードの振動が抑制され、トナー等のすり抜けも低減されて、画像における色スジ(横スジ)の発生が抑制されるものと考えられる。
前記個数比(CL:CM)が上記の範囲を満たすということは、潤滑剤粒子の表面を比較的少量の逆極粒子が覆っている複合体粒子と、比較的多量の逆極粒子が覆っている複合体粒子とが混在し、つまり帯電性が比較的正帯電よりである複合体粒子と負帯電よりである複合体粒子とが混在していることを表している。また、このどちらの複合体粒子もその含有量が少なくないことの指標であると言える。そのため、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成した場合であっても、第2実施形態に係るトナーを用いることで、像保持体の画像部に相当する領域及び非画像部に相当する領域のどちらにも複合体粒子が供給され易い。その結果、上記の画像を連続形成した後に放置しさらに低温環境下で再び画像を形成した場合でも、ビビリと呼ばれるクリーニングブレードの振動が抑制され、トナー等のすり抜けも低減されて、画像における色スジ(横スジ)の発生が抑制されるものと考えられる。
複合体粒子は、潤滑剤粒子と、前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子と、を含有し、かつ潤滑剤粒子の表面に逆極粒子が固着して複合体を成す。
−超音波処理−
トナー中に添加されている場合、まず、トナー4gをトリトン溶液(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、和光純薬工業(株)製)の0.2質量%水溶液100mL中に添加し、100rpmの条件で10分攪拌し、トナー粒子や他の外添剤から複合体粒子を脱離させる。これを遠心分離機((株)佐久間製作所製、商品名:M201−IVD)にて3000rpmの条件で2分処理し、トナー粒子、他の外添剤等を分離し、濾過して複合体粒子サンプルを得る。
次いで、複合体粒子サンプル4gをトリトン溶液(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、和光純薬工業(株)製)の0.2質量%水溶液100mL中に添加し、攪拌して分散させた後、超音波装置((株)日本精機製作所製、商品名:US−300TCVP)を使用し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を10分与える。これを遠心分離機((株)佐久間製作所製、商品名:M201−IVD)にて10000rpmの条件で30分処理し、超音波振動によって脱離した逆極粒子を分離して濾過し、複合体粒子を得る。
得られた複合体粒子を走査型電子顕微鏡(SEM、(株)日立製作所製:S−4100)により観察し、潤滑剤粒子の表面に存在する逆極粒子を、固着した逆極粒子とみなす。
なお、複合体粒子における「被覆率」(潤滑剤粒子の表面における固着した逆極粒子による被覆率)は、上記の超音波処理を行った後に走査型電子顕微鏡(SEM、(株)日立製作所製:S−4100)で撮影した画像から、複合体粒子における潤滑剤粒子表面の逆極粒子が付着していない領域の面積と、潤滑剤粒子に付着した逆極粒子の面積とを測定して、ここから被覆されている割合を算出することで行われる。
また、平均被覆率の測定は、任意の100個の複合体粒子について上記の方法で被覆率の測定を行って、その平均値を算出することで行われる。
第1実施形態に係るトナーでは、前記複合体粒子のうち、正帯電性である複合体粒子〔C+〕と負帯電性である複合体粒子〔C−〕との個数比(C+:C−)が30:70乃至70:30の範囲である。個数比(C+:C−)が上記範囲であることで、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジ(横スジ)が抑制される。
なお、上記個数比(C+:C−)は、より好ましくは40:60乃至60:40の範囲であり、さらに好ましくは45:55乃至55:45の範囲である。
複合体粒子2.0gとキャリア28.0gとを60mL広口共栓瓶にいれて2分間攪拌し、この内容物を、高圧電源(商品名:FLUKE415B、FLUKE社製)に接続され200Vの電圧が印加された一対の極板(鋼製、クリアランス3mm)間に通過させる。極板を取り外しエアーブローにて付着したキャリアを除去後、プラス極極板、マイナス極極板それぞれの表面付着物を走査型電子顕微鏡(SEM、(株)日立製作所製:S−4100)を用いて倍率1000倍にて10視野撮影して、複合体粒子数をカウントし、マイナス極極板上の複合体粒子数を〔C+〕、プラス極極板上の複合体粒子数を〔C−〕として、個数比(C+:C−)を算出する。
なお、特に潤滑剤粒子の表面における逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕と被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕との個数比(CL:CM)を前述の範囲とする(つまり第2実施形態に係るトナーの要件を満たす範囲とする)ことで、個数比(C+:C−)が前記の範囲に制御され易くなる。
第2実施形態に係るトナーでは、前記複合体粒子のうち、潤滑剤粒子の表面における固着した逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕と被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕との個数比(CL:CM)が30:70乃至70:30の範囲である。
例えば、潤滑剤粒子の一例であるステアリン酸亜鉛の表面に逆極粒子の一例であるシリカ粒子が固着して複合体をなす複合体粒子の画像を、図1A及び図1Bに示す。なお、図1Aはシリカ粒子による被覆率が15%である複合体粒子の画像であり、図1Bはシリカ粒子による被覆率が50%である複合体粒子の画像である。
個数比(CL:CM)が上記範囲であることで、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジ(横スジ)が抑制される。
なお、上記個数比(CL:CM)は、より好ましくは40:60乃至60:40の範囲であり、さらに好ましくは45:55乃至55:45の範囲である。
まず、潤滑剤粒子の表面に逆極粒子が固着した複合体粒子をトナー中に外添剤として含ませる方法としては、特に限定されるものではないが、例えばトナー粒子に対して外添される前の潤滑剤粒子と逆極粒子とを、予め混合して剪断力を掛けながら攪拌することで固着させ、逆極粒子が表面に固着した潤滑剤粒子(複合体粒子)をトナー粒子に対して外添する方法が、好ましい方法として挙げられる。
(1)平均被覆率が異なる複合体粒子を2以上準備して混合する方法
まず、潤滑剤粒子と、比較的少量の(平均被覆率が40%未満となるよう量を調整した)逆極粒子と、を混合して剪断力を掛けながら攪拌し、逆極粒子を固着させることで平均被覆率が40%未満の複合体粒子を調製する。またこれとは別に、潤滑剤粒子と、比較的多量の(平均被覆率が40%以上となるよう量を調整した)逆極粒子と、を混合して剪断力を掛けながら攪拌し、逆極粒子を固着させることで平均被覆率が40%以上の複合体粒子を調製する。この両者をトナー粒子に対して外添すると共に、両者の添加の比率を調整することで個数比(CL:CM)を前記の範囲に制御する方法が挙げられる。
なお、上記のように平均被覆率が異なる複合体粒子を2種準備してこの両者をトナー粒子に外添する方法には限られず、平均被覆率が異なる3種以上の複合体粒子を準備しこれらをトナー粒子に外添すると共にその添加比を調整することで個数比(CL:CM)を前記の範囲に制御してもよい。
潤滑剤粒子と逆極粒子とを混合して剪断力を掛けながら攪拌して固着させ、その際に例えば以下の項目を調整することで個数比(CL:CM)を前記の範囲に制御する方法が挙げられる。その後、個数比(CL:CM)が調整された上記の複合体粒子をトナー粒子に対して外添することで本実施形態に係るトナーが得られる。
・潤滑剤粒子に対する逆極粒子の量を調整する
・攪拌時の剪断力及び攪拌時間を調整する
・潤滑剤粒子を複数に分け時間差を置いて添加し、その剤の分割量及び分割数を調整する
複合体粒子全体における平均被覆率が上記の範囲であることで、複合体粒子における被覆率の分布の釣り合いが取れ、つまり画像部へ供給され易い複合体粒子と非画像部へ供給され易い複合体粒子との釣り合いが取り易い。その結果、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成しその後放置した後に低温環境下で再び画像を形成したときに記録媒体の搬送方向と直交する方向に生じる色スジ(横スジ)をより抑制し易い。
複合体粒子としては、クリーニングブレードでの複合体粒子のすり抜けを抑制する観点から、粒径が1μm以上のものが好ましい。
具体的には、例えばクリーニングブレードと像保持体との接触角αが45°である場合を想定すると、図2に示すように、トナーダムよりも接触部側に入り込み得る複合体粒子Cの粒径(2×r)は、トナー粒子TNの粒径(2×R)に対して0.45倍以下となる。したがって、複合体粒子の粒径は「0.45×RTN」(RTN:トナー粒子の体積平均粒径)以下のものが好ましい。
また、その上限値としては、複合体粒子が過剰であるとクリーニングブレードをすり抜け易くなるため、0.1個数%以下であることが好ましく、より好ましくは0.08個数%以下である。
式(1) 1μm≦RC≦(0.45×RTN)
(上記式(1)中、RTNはトナー粒子の体積平均粒径(μm)を、RCは複合体粒子の粒径(μm)を表す。)
式(2) RC<1μm
(上記式(2)中、RCは複合体粒子の粒径(μm)を表す。)
複合体粒子には、負帯電性の潤滑剤粒子Nと正帯電性の潤滑剤粒子Pとのいずれを用いてもよい。ここで、「負帯電性」及び「正帯電性」とは、仮に現像装置内で潤滑剤粒子が複合体粒子としてでなく単独で存在した場合に、トナーが帯電された際、負(−)に帯電するか正(+)に帯電するかを意味する。
脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸の何れでもよい。脂肪酸の炭素数は、10以上25以下(好ましくは、12以上22以下)の脂肪酸が挙げられる。なお、脂肪酸の炭素数は、カルボキシ基の炭素を含む。
脂肪酸としては、例えば、ベヘン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸;オレイン酸、リノール酸、リシノール酸等の不飽和脂肪酸;が挙げられる。これらの脂肪酸の中でも、ステアリン酸、ラウリン酸が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
金属としては、2価の金属がよい。金属としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、バリウム、亜鉛が挙げられる。これらの中でも、金属は、亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の中でも、ステアリン酸の金属塩、又はラウリン酸の金属塩の各粒子が好ましく、ステアリン酸亜鉛、又はラウリン酸亜鉛の各粒子がより好ましく、ステアリン酸亜鉛粒子がさらに好ましい。
なお、潤滑剤粒子の平均粒径の測定は、後述する無機粒子における測定方法に即して行われる。
フッ素樹脂粒子としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、「4フッ化エチレン樹脂」)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリジクロロジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体等の粒子が挙げられる。
これらの中でも、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。
なお、潤滑剤粒子の平均粒径の測定は、後述する無機粒子における測定方法に即して行われる。
逆極粒子には、用いる潤滑剤粒子と逆の帯電性の粒子を用いる。
負帯電性の逆極粒子としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2(シリカ粒子)、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
これらの中でも、シリカ粒子がより好ましい。
具体的には、シリカ粒子としては、例えば、ゾルゲルシリカ粒子、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子が挙げられる。その中でも、シリカ粒子としては、下記特性を満たす観点から、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
ここで、単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として体積平均粒径D50×0.22以下であることが好ましい。また、球状の定義としては、後述する平均円形度で議論することができる。
無機粒子の一次粒子を、走査型電子顕微鏡SEM(Scanning Electron Microscope)装置((株)日立製作所製:S−4100)により観察して画像を撮影し、この画像を画像解析装置(LUZEXIII、(株)ニレコ製)に取り込み、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの面積を測定し、この面積値から円相当径を算出する。この円相当径の算出を、無機粒子100個について実施する。そして、得られた円相当径の体積基準の累積頻度における50%径(D50)を無機粒子の平均一次粒径(平均円相当径D50)とする。なお、電子顕微鏡は1視野中に無機粒子が10個以上50個以下程度写るように倍率が調整され、複数視野の観察を合わせて一次粒子の円相当径が求められる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
シリカ粒子としては、シリカ、すなわちSiO2を主成分とする粒子であればよく、結晶性でも非晶性でもよい。また、シリカ粒子としては、水ガラス、アルコキシシラン等のケイ素化合物を原料に製造された粒子であってもよいし、石英を粉砕して得られる粒子であってもよい。
具体的には、シリカ粒子としては、例えば、ゾルゲルシリカ粒子、水性コロイダルシリカ粒子、アルコール性シリカ粒子、気相法により得られるフュームドシリカ粒子、溶融シリカ粒子が挙げられる。その中でも、シリカ粒子としては、下記特性を満たす観点から、ゾルゲルシリカ粒子が好ましい。
このなかでもヘキサメチルチジラザンがより好ましい。
なお、上記平均粒径の測定は、前記無機粒子における測定方法に即して行なわれる。
複合体粒子の含有量は、潤滑性確保と像保持体へのフィルミング抑制の両立の観点から、トナー粒子の量に対して0.8質量%以上2.0質量%以下であることが好ましく、0.9質量%以上1.9質量%以下がより好ましく、1.0質量%以上1.8質量%以下が更に好ましい。
トナー粒子は、例えば、結着樹脂と、必要に応じて、着色剤と、離型剤と、その他添加剤と、を含んで構成される。
結着樹脂としては、例えば、スチレン類(例えばスチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等)、(メタ)アクリル酸エステル類(例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等)、エチレン性不飽和ニトリル類(例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等)、ビニルエーテル類(例えばビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等)、ビニルケトン類(ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等)、オレフィン類(例えばエチレン、プロピレン、ブタジエン等)等の単量体の単独重合体、又はこれら単量体を2種以上組み合せた共重合体からなるビニル系樹脂が挙げられる。
結着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、変性ロジン等の非ビニル系樹脂、これらと前記ビニル系樹脂との混合物、又は、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等も挙げられる。
これらの結着樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
一方、樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。なお、非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
なお、重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
なお、原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
ウレア変性ポリエステル樹脂は、用いられる単量体の種類、配合量等にもよるが、非晶性樹脂の1種であることが多い。
多価イソシアネート化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
3価以上のポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
アミノアルコールとしては、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
アミノメルカプタンとしては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
アミノ酸としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
これらのアミノ基をブロックしたものとしては、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸などのアミン化合物とケトン化合物(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)とから得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、ケチミン化合物が好ましい。
アミン化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
架橋/伸長反応停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。なお、結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂は、結晶構造を容易に形成するため、芳香族を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族を有する重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸は、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、これらジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
着色剤としては、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレートなどの種々の顔料、又は、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料等が挙げられる。
着色剤は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
なお、融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K 7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の周知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。
ここで、コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と必要に応じて着色剤及び離型剤等のその他添加剤とを含んで構成された芯部と、結着樹脂を含んで構成された被覆層と、で構成されていることがよい。
測定に際しては、分散剤として、界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい)の5%水溶液2ml中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100ml以上150ml以下中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーIIにより、アパーチャー径として100μmのアパーチャーを用いて2μm以上60μm以下の範囲の粒径の粒子の粒度分布を測定する。なお、サンプリングする粒子数は50000個である。
測定される粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャンネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積粒径D16v、数粒径D16p、累積50%となる粒径を体積平均粒径D50v、累積数平均粒径D50p、累積84%となる粒径を体積粒径D84v、数粒径D84pと定義する。
これらを用いて、体積粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2、数粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)1/2として算出される。
まず、測定対象となるトナー粒子を吸引採取し、扁平な流れを形成させ、瞬時にストロボ発光させることにより静止画像として粒子像を取り込み、その粒子像を画像解析するフロー式粒子像解析装置(シスメックス社製のFPIA−2100)によって求める。そして、平均円形度を求める際のサンプリング数は3500個とする。
なお、トナーが外添剤を有する場合、界面活性剤を含む水中に、測定対象となるトナー(現像剤)を分散させた後、超音波処理をおこなって外添剤を除去したトナー粒子を得る。
本実施形態に係るトナーでは、前述の複合体粒子に加えて、さらに他の外添剤を添加してもよい。
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等が挙げられる。
疎水化処理剤の量としては、通常、例えば、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法について説明する。
本実施形態に係るトナーは、トナー粒子を製造後、トナー粒子に対して、前述の複合体粒子を含む外添剤を外添することで得られる。
また、凝集合一法は、トナー粒子を構成する原料(樹脂粒子及び着色剤等)の凝集体を形成する凝集工程と、凝集体を融合させる融合工程とを経て、トナー粒子を得る方法である。
これらの中でも、結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子は、次に示す溶解懸濁法により得ることがよい。なお、次に示す溶解懸濁法の説明では、結着樹脂として未変性ポリエステル樹脂とウレア変性ポリエステル樹脂を含むトナー粒子を得る方法について示すが、トナー粒子は結着樹脂としてウレア変性ポリエステル樹脂のみを含んでもよい。
未変性ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー、アミン化合物、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子材料を有機溶媒に溶解又は分散させた油相液を調製する(油相液調製工程)。この油相液調製工程では、トナー粒子材料を有機溶媒中に溶解又は分散させて、トナー材料の混合液を得る工程である。
次に、得られた油相液を水相液中に分散させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
そして、懸濁液の調製と共に、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応を行う。そして、この反応によりウレア変性ポリエステル樹脂を生成する。なお、この反応は、分子鎖の架橋反応及び伸長反応の少なくとも一方の反応が伴う。なお、このイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマーとアミン化合物との反応は、後述する溶媒除去工程と共に行ってもよい。
ここで、反応条件は、ポリエステルプレポリマーの有するイソシアネート基構造とアミン化合物との反応性により選択される。一例として、反応時間は、10分以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下が好ましい。反応温度は、0℃以上150℃が好ましく、40℃以上98℃以下が好ましい。なお、ウレア変性ポリエステル樹脂の生成には、必要に応じて公知の触媒(ジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等)を使用してもよい。つまり、油相液、又は懸濁液に、触媒を添加してもよい。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物が挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、アミン等により中和された塩(アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等)も挙げられる。上記カルボキシル基を有する重合体は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
次に、得られた懸濁液から有機溶媒を除去してトナー粒子分散液を得る(溶媒除去工程)。この溶媒除去工程では、懸濁液に分散した水相液の液滴中に含まれる有機溶媒を除去してトナー粒子を生成する工程である。懸濁液からの有機溶媒除去は、懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、懸濁液調製工程終了後、1分以上経過した後に行ってもよい。
溶媒除去工程では、得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液から有機溶媒を除去することがよい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する方法。この場合には、懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を減圧する方法。この場合には、気体の充填により懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液中に気体を吹き込んでもよい。
ここで、溶媒除去工程終了後は、トナー粒子分散液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子として得る。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。
また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。
更に、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。
混練粉砕法は、着色剤等の各材料を混合した後、ニーダー、押し出し機などを用いて上記材料を溶融混練して、得られた溶融混練物を粗粉砕した後、ジェットミル等で粉砕し、風力分級機により、目的とする粒子径のトナー粒子を得る方法である。
混練粉砕法は、より詳細には、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混練する混練工程と、前記混練物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混練工程により形成された混練物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
−混練工程−
混練工程は、着色剤及び結着樹脂を含むトナー形成材料を混練する。
混練工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混練されて形成された混練物を排出する排出口18と、から構成されている。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図3では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混練されて形成された混練物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図3に示したスクリュー押出機11を用いた混練工程が行われる。
冷却工程は、上記混練工程において形成された混練物を冷却する工程であり、冷却工程では、混練工程終了の際における混練物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが好ましい。混練物の冷却速度が遅い場合、混練工程において結着樹脂中に細かく分散された混合物(着色剤と、必要に応じてトナー粒子内に内添される離型剤等の内添剤との混合物)が再結晶化し、分散径が大きくなる場合がある。一方、上記平均降温速度で急冷すると、混練工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため好ましい。なお上記平均降温速度とは、混練工程終了の際における混練物の温度(例えば図3のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混練物の供給量、混練物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが好ましい。
冷却工程により冷却された混練物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
得られたトナー粒子は、前述の複合体粒子が外添される。また、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粒子等の外添剤を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着させてもよい。
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
本実施形態においては、トナー粒子の形状やトナー粒子の粒子径を制御しやすく、コアシェル構造などトナー粒子構造の制御範囲も広い凝集合一法を用いてもよい。以下、凝集合一法によるトナー粒子の製造方法について詳しく説明する。
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液中で(必要に応じて他の粒子分散液を混合した後の分散液中で)、樹脂粒子(必要に応じて他の粒子)を凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
なお、以下の説明では、着色剤、及び離型剤を含むトナー粒子を得る方法について説明するが、着色剤、離型剤は、必要に応じて用いられるものである。無論、着色剤、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
まず、結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、例えば、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散する方法である。
なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を引き、全粒子に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとして測定される。なお、他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
次に、樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。
そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で上記凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpHが2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱を行ってもよい。
凝集剤の金属イオンと錯体もしくは類似の結合を形成する添加剤を必要に応じて用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸、イミノジ酸(IDA)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)等が挙げられる。
キレート剤の添加量としては、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液に対して、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば樹脂粒子のガラス転移温度より10から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア/シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
洗浄工程は、帯電性の点から充分にイオン交換水による置換洗浄を施すことがよい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。また、乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係るトナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアと混合した二成分現像剤であってもよい。
なお、磁性粉分散型キャリアおよび樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、これに被覆樹脂により被覆したキャリアであってもよい。
なお、被覆樹脂、及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等、その他添加剤を含ませてもよい。
導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法、芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
本実施形態に係る画像形成装置/画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
図4に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に対して脱着するプロセスカートリッジであってもよい。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収められたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーを含むトナーの供給がなされる。
なお、一次転写ロール5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスを可変する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Yによって感光体1Yの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー画像パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによってトナー画像として可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1のユニット10Yにてイエロートナー画像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4のユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑が好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
図5に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
なお、図5中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係るトナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
−複合体粒子1の調製−
・潤滑剤粒子(正帯電性)
脂肪酸金属塩粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、商品名:ステアリン酸亜鉛,1.5μm、和光純薬工業(株)製、平均粒径=1.5μm
・逆極粒子(負帯電性)
シリカ粒子、商品名:RY50、日本アエロジル社製、平均粒径=40nm
上記の潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)100部と、逆極粒子(シリカ粒子)6.0部とを混合し、粉体処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)でクリアランス3mm、周速1500rpmでジャケットに冷却水を流しながら10分間ブレンドを行った後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、低被覆率の複合体粒子を得た。
一方、逆極粒子(シリカ粒子)の量を9.5部に変更した以外は、上記低被覆率の複合体粒子と同様にして、高被覆率の複合体粒子を得た。
次いで、上記低被覆率の複合体粒子及び高被覆率の複合体粒子を、比率50:50で混合して複合体粒子1を得た。
さらに、前述の方法により「個数比(C+:C−)」を求めた。
複合体粒子1の調製において、低被覆率の複合体粒子及び高被覆率の複合体粒子の混合の比率を変更して「個数比(CL:CM)」が下記表1又は表2に記載の値となるよう調整した以外は、複合体粒子1と同様にして複合体粒子を得た。
複合体粒子1又は2の調製において、用いた潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)をより径の小さい下記のものに変更し、かつ低被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を9.0部に、高被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を14.2部に変更した以外は、複合体粒子1又は2と同様にして複合体粒子を得た。
・潤滑剤粒子(正帯電性)
脂肪酸金属塩粒子、ステアリン酸亜鉛粒子、商品名:ニッサンエレクトールMZ−2、日油(株)製、平均粒径=1.0μm
複合体粒子1の調製において、用いた逆極粒子(シリカ)を下記のものに変更し、かつ低被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を4.5部に、高被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を7.1部に変更した以外は、複合体粒子1と同様にして複合体粒子を得た。
・逆極粒子(負帯電性)
酸化チタン粒子、商品名:MT150AW、テイカ(株)製、平均粒径=20nm
複合体粒子1の調製において、用いた潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)を下記のものに変更し、かつ逆極粒子(シリカ)を下記のものに変更し、かつ低被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を9.5部に、高被覆率の複合体粒子における逆極粒子の量を15.3部に変更した以外は、複合体粒子1と同様にして複合体粒子を得た。
・潤滑剤粒子(負帯電性)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子、商品名:L173JE、旭硝子社製、平均粒径=0.7μm
・逆極粒子(正帯電性)
表面処理シリカ粒子、商品名:NA50Y、日本アエロジル社製、平均粒径=30nm
複合体粒子1の調製において、低被覆率の複合体粒子及び高被覆率の複合体粒子を準備せずに、潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)と逆極粒子(シリカ)とを以下の方法により一括で混合攪拌した。
つまり、潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)50部と、逆極粒子(シリカ粒子)7.8部とを混合し、粉体処理装置(ノビルタNOB130、ホソカワミクロン社製)でクリアランス3mm、周速1500rpmでジャケットに冷却水を流しながら5分間ブレンドを行った後、粉体処理装置を一旦停止し潤滑剤粒子(ステアリン酸亜鉛)50部を追加投入し、再度クリアランス3mm、周速1500rpmでジャケットに冷却水を流しながら5分間ブレンドを行った。その後、45μmの目開きの篩を用いて粗大粒子を除去し、複合体粒子を得た。
複合体粒子1の調製において、低被覆率の複合体粒子及び高被覆率の複合体粒子の混合の比率を変更して「個数比(CL:CM)」が下記表1又は表2に記載の値となるよう調整した以外は、複合体粒子1と同様にして複合体粒子を得た。
−トナー粒子1の作製−
〔非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製〕
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2.2モル付加物:40モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2.2モル付加物:60モル部
・テレフタル酸:47モル部
・フマル酸:40モル部
・ドデセニルコハク酸無水物:15モル部
・トリメリット酸無水物:3モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、上記モノマー成分のうちフマル酸とトリメリット酸無水物以外を投入し、かつジオクタン酸スズを上記モノマー成分の合計100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、235℃で6時間反応させた後、200℃に降温して、上記フマル酸とトリメリット酸無水物を投入し1時間反応させた。温度を更に220℃まで4時間かけて昇温し、10kPaの圧力下で求められる分子量になるまで重合させ、淡黄色透明な非晶性ポリエステル樹脂1を得た。
得られた非晶性ポリエステル樹脂1は、DSCによるガラス転移温度Tgが59℃、GPCによる重量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量Mnが7,000、フローテスターによる軟化温度が107℃、酸価AVが13mgKOH/gであった。
すぐに、得られた乳化液800部とイオン交換水700部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械(株)製)にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは130nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液とした。
・1,10−ドデカン二酸:50モル部
・1,9−ノナンジオール:50モル部
攪拌器、温度計、コンデンサー及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に上記モノマー成分を入れ、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド(試薬)を前記モノマー成分100部に対して0.25部投入した。窒素ガス気流下、170℃で3時間攪拌反応させた後、温度を更に210℃まで1時間かけて昇温し、反応容器内を3kPaまで減圧し、減圧下で13時間攪拌反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂1は、DSCによる融解温度が73.6℃、GPCによる重量平均分子量Mwが25,000、数平均分子量Mnが10,500、酸価AVが10.1mgKOH/gであった。
すぐに、得られた乳化液800部とイオン交換水700部とを2リットルのナスフラスコに入れ、トラップ球を介して真空制御ユニットを備えたエバポレーター(東京理化器械(株))にセットした。ナスフラスコを回転させながら、60℃の湯バスで加温し、突沸に注意しつつ7kPaまで減圧し溶剤を除去した。溶剤回収量が1,100部になった時点で常圧に戻し、ナスフラスコを水冷して分散液を得た。得られた分散液に溶剤臭は無かった。
この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径D50vは130nmであった。その後、イオン交換水を加えて固形分濃度が20%になるように調製し、これを結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液とした。
・シアン顔料〔PigmentBlue15:3、大日精化工業(株)製〕:10部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬(株)製〕:2部
・イオン交換水:80部
上記の成分を混合し、高圧衝撃式分散機アルティマイザー〔HJP30006、(株)スギノマシン製〕により1時間分散し、体積平均粒径180nm、固形分20%の着色剤粒子分散液を得た。
・パラフィンワックス〔HNP9、日本精鑞社製〕:50部
・アニオン性界面活性剤〔ネオゲンSC、第一工業製薬製〕:2部
・イオン交換水:200部
上記成分を120℃に加熱して、IKA社製、ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分20%の離型剤粒子分散液を得た。
・非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液:700部
・結晶性ポリステル樹脂粒子分散液:50部
・着色剤粒子分散液:133部
・離型剤粒子分散液:100部
・イオン交換水:350部
上記成分を、温度計、pH計、攪拌器を具備した3リットルの反応容器に入れ、温度25℃にて、1.0%硝酸を加えてpHを3.0にした後、ホモジナイザー(IKAジャパン(株)製:ウルトラタラクスT50)にて5,000rpmで分散しながら、硫酸アルミニウム水溶液を130部添加して6分間分散した。
その後、反応容器に攪拌器、マントルヒーターを設置し、スラリーが充分に攪拌されるように攪拌器の回転数を調整しながら、温度40℃までは0.2℃/分の昇温速度、40℃を超えてからは0.05℃/分の昇温速度で昇温し、10分ごとにコールターマルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン・コールター社製)にて粒径を測定した。体積平均粒径が5.0μmになった時点で温度を保持し、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液:50部を5分間かけて投入した。
30分間保持した後、1%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、5℃ごとにpHが9.0になるように同様にして調整しながら、昇温速度1℃/分で90℃まで昇温し、98℃で保持した。光学顕微鏡と走査電子顕微鏡(FE−SEM)にて粒子形状及び表面性を観察したところ、10.0時間目で粒子の合一が確認されたので、冷却水にて容器を30℃まで5分間かけて冷却した。
洗浄されたトナースラリーを湿式乾式整粒機(コーミル)で細かく砕いてから、35℃のオーブン中で36時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
トナー粒子1の作製において、「非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液:50部」の投入を、体積平均粒径が5.0μmになった時点ではなく、体積平均粒径が4.0μmになった時点に変更した以外は、トナー粒子1と同様にしてトナー粒子2を作製した。
(トナー及び現像剤の作製)
トナー粒子1:100部に、複合体粒子1:1.5部、及びコロイダルシリカR972(日本アエロジル社製):1.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて周速22m/sで3分間混合し、トナー1を得た。
・フェライト粒子(体積平均粒子径:50μm):100部
・トルエン:14部
・スチレン−メチルメタクリレート共重合体:2部
(成分比:90/10、Mw=80000)
・カーボンブラック(R330:キャボット社製):0.2部
まず、フェライト粒子を除く上記成分を10分間スターラーで攪拌させて、分散した被覆液を調製し、次にこの被覆液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れて、60℃において30分攪拌した後、さらに加温しながら減圧して脱気し、乾燥させることによりキャリアを得た。
実施例1において、用いたトナー粒子及び複合体粒子を下記表1に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナー及び現像剤を得た。
実施例1において、複合体粒子1を添加せず、シリカ粒子のみを外添(潤滑剤粒子外添せず)してトナーを得た。
具体的には、トナー粒子1:100部に、シリカ粒子(商品名:RY50、日本アエロジル社製、平均粒径=40nm)3.0部を添加し、ヘンシェルミキサーにて周速22m/secで3分間混合し、トナーを得た。
このトナーを用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
実施例1において、用いた複合体粒子を下記表2に記載のものに変更した以外は、実施例1と同様にしてトナーおよび現像剤を得た。
実施例1において、複合体粒子1を添加せず、潤滑剤粒子とシリカ粒子とを外添してトナーを得た。
具体的には、トナー粒子1:100部に、ステアリン酸亜鉛粒子(商品名:ステアリン酸亜鉛,1.5μm、和光純薬工業(株)製、平均粒径=1.5μm)1.5部、及びシリカ粒子(商品名:RY50、日本アエロジル社製、平均粒径=40nm)1.5部を添加し、ヘンシェルミキサーにて周速22m/secで3分間混合し、トナーを得た。
このトナーを用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
〔チタン酸ストロンチウム粒子の作製〕
酸化チタン400gと炭酸ストロンチウム750gをボールミルにて、5時間湿式で混合した後、乾燥した混合物を成形して1300℃で7時間焼成した。これを、機械粉砕し、分級することで、チタン酸ストロンチウム粒子1を得た。体積平均粒径は4.3nm、形状係数(SF2)は370であった。
このトナーを用いた以外は、実施例1と同様にして現像剤を得た。
−異音発生評価−
画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成し、その後放置した後に、低温環境下で再び画像を形成したときに、ビビリと呼ばれるクリーニングブレードの振動に起因する異音の発生の有無を評価した。
具体的には、各例の現像剤を画像形成装置「DocuCentre−III C7600(富士ゼロックス社製)」の現像装置に収容した。この画像形成装置を用い、画像部と非画像部とが明確に分かれた画像として右半分がベタ、左半分が非画像部である画像をA4紙に連続1000枚出力し、その後一晩放置した。翌朝、低温(10℃)環境で全面ベタ画像をA4紙に10枚出力した際、クリーニングブレードと、回転駆動する感光体(像保持体)との摩擦による異音の発生の有無を、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
A(◎) :異音未発生(聞き取れない)
B+(○+):回転開始時及び停止時に極軽微な異音発生
B(○) :回転開始時に軽微な異音、低速回転時及び停止時に極軽微な異音発生
B−(○−):回転開始時及び停止時に軽微な異音、低速回転時に極軽微な異音発生
C(△) :回転開始時、停止時及び低速回転時に軽微な異音発生
D(×) :回転開始時、低速回転時及び停止時いずれも異音発生
画像部と非画像部とが明確に分かれた画像を連続して形成し、その後放置した後に、低温環境下で再び画像を形成したときに、記録媒体の搬送方向と直交する方向に色スジ(横スジ)の発生の有無を評価した。
具体的には、異音発生評価で最後に形成した画像について、記録媒体の搬送方向と直交する方向に色スジ(横スジ)の発生の有無を、以下の評価基準に従って評価した。
・評価基準
A(◎):画像に色スジは確認されない
B(○):画像に極軽微な色スジが確認されるが、許容できる程度
C(△):画像に軽微な色スジが確認されるが、許容できる程度
D(×):画像に明確な色スジが確認され、許容できない
異音発生評価で、一晩放置した後における感光体(像保持体)の表面を観察し、画像部に相当する箇所と非画像部に相当する箇所とでの潤滑剤粒子の存在量の差を、以下の評価基準に従って評価した。
感光体表面のブレードニップ部の画像部に相当する箇所と非画像部に相当する箇所をそれぞれテープ転写し走査型電子顕微鏡(SEM、(株)日立製作所製:S−4100)を用い倍率1000倍にて10視野観察し、潤滑剤粒子の数をカウントし、画像部に相当する箇所と非画像部に相当する箇所とでの潤滑剤粒子数を比較した。
・評価基準
A(◎):画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数が、非画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数の±10%の範囲
B(○):画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数が、非画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数の70%以上90%未満、もしくは110%よりも多く130%以下
C(△):画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数が、非画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数の50%以上70%未満、もしくは130%よりも多く150%以下
D(×):画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数が、非画像部に相当する箇所の潤滑剤粒子数の50%未満、もしくは150%よりも多い
2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
11 スクリュー押出機
12 バレル
14 注入口
16 液体添加口
18 排出口
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
22 駆動ロール
24 支持ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
30 中間転写体クリーニング装置
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
118 露光のための開口部
117 筐体
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
TN トナー粒子
C 複合体粒子
Claims (11)
- トナー粒子と、
潤滑剤粒子、及び前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子を含有し、かつ前記潤滑剤粒子の表面に前記逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子と、
を含み、
前記複合体粒子のうち、正帯電性である複合体粒子〔C+〕と負帯電性である複合体粒子〔C−〕との個数比(C+:C−)が30:70乃至70:30の範囲である静電荷像現像用トナー。 - トナー粒子と、
潤滑剤粒子、及び前記潤滑剤粒子とは逆極の帯電性を有する逆極粒子を含有し、かつ前記潤滑剤粒子の表面に前記逆極粒子が固着して複合体を成す複合体粒子と、
を含み、
前記複合体粒子のうち、前記潤滑剤粒子の表面における前記逆極粒子による被覆率が40%未満である複合体粒子〔CL〕と前記被覆率が40%以上である複合体粒子〔CM〕との個数比(CL:CM)が30:70乃至70:30の範囲である静電荷像現像用トナー。 - 前記複合体粒子において、前記潤滑剤粒子の表面における前記逆極粒子による平均被覆率が20%以上60%以下である請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記複合体粒子における前記被覆率の個数分布をグラフ(横軸=被覆率、縦軸=個数)にしたとき、被覆率40%未満の領域及び被覆率40%以上の領域のいずれにもピークが存在する請求項2又は請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記複合体粒子において、下記式(1)の条件を満たす複合体粒子の前記トナー粒子の個数に対する比率が0.006個数%以上であり、かつ下記式(2)の条件を満たす複合体粒子の前記トナー粒子の個数に対する比率が0.001個数%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
式(1) 1μm≦RC≦(0.45×RTN)
式(2) RC<1μm
(上記式(1)及び式(2)中、RTNは前記トナー粒子の体積平均粒径(μm)を、RCは前記複合体粒子の粒径(μm)を表す。) - 前記潤滑剤粒子がステアリン酸亜鉛粒子であり、前記逆極粒子がシリカ粒子である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像剤。
- 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。 - 請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。 - 像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項7に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
前記像保持体にクリーニングブレードを接触させて前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段と、
を備える画像形成装置。 - 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項7に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
前記像保持体にクリーニングブレードを接触させて前記像保持体の表面をクリーニングするクリーニング工程と、
を有する画像形成方法。
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