JP2018054212A - フライアッシュ加熱装置、及び、それを用いたフライアッシュの改質方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フライアッシュの粗粒化を防止することができ、且つ、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを十分に除去することができるフライアッシュ加熱装置を提供する。【解決手段】加熱装置Sの備える外熱式ロータリーキルンは、円筒部1cの内周面に軸線方向に延びるように立設され、円筒部1cの内部空間を複数の空間に分割する複数の仕切壁1eと、仕切壁1eの円筒部1cの回転方向前側となる面に、円筒部1cの軸線A方向に延び、且つ、軸線Aを基準として遠位側よりも近位側が仕切壁1eから離間するように仕切壁1eに対して傾斜している板状のリフター部材1fとを備える。円筒部1cは、窯尻部から窯前部に向かって下り勾配をなすように配置される。【選択図】図3

Description

本発明は、未燃カーボンを除去するためにフライアッシュを加熱するフライアッシュ加熱装置、及び、それを用いたフライアッシュの改質方法に関する。
石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等からは、石炭灰(フライアッシュ)を含む排ガスが発生する。従来、その排ガスに含まれるフライアッシュを電気集塵器等で採取し、コンクリート等の混和材料として使用することが知られている。例えば、JIS A 6201「コンクリート用フライアッシュ」では、コンクリートの混和材料としてのフライアッシュを、活性度指数等を基準に、I種からIV種までの4種類に分類している。
しかし、一般社団法人石炭エネルギーセンターの報告によると、平成26年度の石炭灰発生量は1262万トン(電気事業:959万トン、一般産業:303万トン)に達したにもかかわらず、このうち、フライアッシュとしてコンクリートの混和材等に有効活用された量は約17万トン(発生量全体の1.3%)に過ぎなかった。この理由の一つとして、フライアッシュに含まれる未燃カーボンの問題が挙げられる。
未燃カーボンが多量に含まれているフライアッシュをコンクリート等の混和材料として使用すると、その未燃カーボンがコンクリートに添加される各種混和剤類を吸着してしまい、必要となる混和剤類の総量が増加してしまうという問題が生じる。また、そのようなフライアッシュが使用されたコンクリート硬化体では、表面に未燃カーボンが浮き出し、美観が損なわれてしまうという問題が生じる。
そこで、従来、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを除去するための技術が精力的に開発されている。その技術の一つとして、フライアッシュを加熱することによって、そのフライアッシュに含まれている未燃カーボンを燃焼させて低減を図るという方法がある。
この方法において用いられるフライアッシュ加熱装置としては、燃焼バーナと、外熱式加熱装置と、始端部から終端部に向かって略水平をなすように配置された円筒形のロータリーキルンとを備えた加熱装置であって、ロータリーキルンの円筒部(すなわち、未燃カーボンの自燃領域(外熱式加熱装置により加熱されている領域))の内周面に、棚状のリフター部材を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2014−044026号公報
しかし、特許文献1に記載の装置では、リフター部材によってフライアッシュを撹拌しているものの、フライアッシュの供給量によっては撹拌を十分に行うことができず、局所的にフライアッシュが過剰に加熱されてしまう場合があった。その結果、過剰に加熱されたフライアッシュの粒子同士が焼結して粗粒化してしまうという問題があった。
また、特許文献1に記載の装置を用いてフライアッシュに加熱処理を施した場合、リフター部材によって円筒部の内部空間の高い箇所から落下されるフライアッシュが、燃焼バーナの火勢によって吹き飛ばされてしまい、フライアッシュを十分に加熱することができず、未燃カーボンを十分に除去することができないという問題があった。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、フライアッシュの粗粒化を防止することができ、且つ、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを十分に除去することができるフライアッシュ加熱装置、及び、それを用いたフライアッシュの改質方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のフライアッシュ加熱装置は、窯尻部、窯前部、前記窯尻部と前記窯前部との間に回転自在に設けられた円筒部と、前記円筒部を加熱する加熱部とを有する外熱式ロータリーキルンを備えたフライアッシュ加熱装置であって、前記円筒部の内周面に軸線方向に延びるように立設され、該円筒部の内部空間を複数の空間に分割する複数の仕切壁と、前記仕切壁の前記円筒部の回転方向前側となる面に、前記円筒部の軸線方向に延び、且つ、軸線を基準として遠位側よりも近位側が前記仕切壁から離間するように該仕切壁に対して傾斜している板状のリフター部材とを備え、前記円筒部は、前記窯尻部から前記窯前部に向かって下り勾配をなすように配置されていることを特徴とする。
このように、本発明のフライアッシュ加熱装置では、加熱部によって加熱される円筒部(すなわち、フライアッシュの未燃カーボンの自燃領域)の内部空間が仕切壁によって分割されている。これにより、円筒部内部の全空間を使って、効率よくフライアッシュ(すなわち、それに含まれる未燃カーボン)と酸素とを接触させることができる。また、1つの空間あたりに存在するフライアッシュの量が抑制されるので、円筒部がどのような位相であっても、フライアッシュの充填高さが過剰に高くなることがない。
さらに、そのように空間を分割する仕切壁の各々の回転方向前側にリフター部材を設けているので、フライアッシュは連続的に掻き上げられて十分に撹拌される。
これらの構成によって、本発明のフライアッシュ加熱装置では、フライアッシュが全体として均等に適度に加熱されるので、フライアッシュが局所的に過剰に加熱されることが防止され、粗粒化が防止される。
さらに、本発明のフライアッシュ加熱装置では、円筒部が、窯尻部から窯前部に向かって下り勾配をなすように構成されている。これにより、円筒部の内部において、フライアッシュがその自重によって徐々に移動しながら加熱される。
また、仕切壁で空間を分割したことにより、リフター部材による掻き上げ後のフライアッシュの自由落下高さが小さくなっているので、ロータリーキルン内の通風によって散逸するフライアッシュ量を抑制できる。
これらの構成によって、本発明のフライアッシュ加熱装置では、フライアッシュが十分に加熱されるので、フライアッシュに含まれる未燃カーボンが十分に除去される。
また、本発明のフライアッシュ加熱装置においては、前記仕切壁と前記リフター部材とのなす角度は、30°〜60°であることが好ましい。
一般的なフライアッシュの安息角は、30°程度である。そこで、リフター部材をこのような角度とすると、仕切壁とリフター部材との間におけるフライアッシュの付着や詰まりを防止することができる。
また、本発明のフライアッシュ加熱装置においては、前記円筒部は、前記窯尻部から前記窯前部に向かって0.5°〜5°の下り勾配をなすように配置されていることが好ましい。
円筒部の勾配をこのような角度にすると、フライアッシュの移動速度が適度なものとなるので、フライアッシュの加熱も適度なものとすることができる。
上記目的を達成するために、本発明のフライアッシュの改質方法は、上記のフライアッシュ加熱装置を用いたフライアッシュの改質方法であって、前記仕切壁から前記リフター部材の先端までの高さをh1、前記仕切壁が水平状態のときに該仕切壁上に均等にならされた場合のフライアッシュの充填高さをh2としたときに、h2/h1=0.2〜1.0となるように、前記フライアッシュの供給量及び前記円筒部の回転速度の一方又は両方を調整することを特徴とする。
上記いずれかのフライアッシュ加熱装置を用いる場合、リフター部材の高さとフライアッシュの充填高さの比率が上記の範囲となるように、フライアッシュの供給量及び円筒部の回転速度のいずれか一方又は両方を調整する(すなわち、フライアッシュの充填率を調整する)ことによって、フライアッシュを全体的に十分に加熱することができる。
したがって、本発明のフライアッシュの改質方法によれば、フライアッシュの粗粒化を防止することができ、且つ、フライアッシュに含まれる未燃カーボンを十分に除去することができる。
また、本発明のフライアッシュの改質方法においては、前記円筒部の内部を600℃〜900℃に加熱するとともに、該フライアッシュの未燃カーボン量をC、前記フライアッシュ加熱装置に供給する酸素量をOとしたときに、O/Cモル比=2〜7となるように、前記フライアッシュの供給量又は燃焼ガスの供給量若しくは前記燃焼ガスの酸素濃度を調整することが好ましい。
このように、未燃カーボン量と酸素量の比率を設定すると、フライアッシュの充填率が10%以上の高充填率であっても、効率的に未燃カーボンを十分に除去することができる。例えば、フライアッシュの未燃カーボン含有率が8%程度であっても、上記のO/Cモル比率となるようにフライアッシュの供給量又は燃焼ガスの供給量若しくは燃焼ガスの酸素濃度を調整しつつ処理を行うと、未燃カーボン含有率を0.5%以下にまで低減させることができる。
なお、O/Cモル比が2未満の場合には、酸素量不足によりフライアッシュに含まれる未燃カーボンを十分に自燃させることができない。一方、O/Cモル比が7を超える場合には、加熱処理に必要な燃焼ガスが多量となり、燃焼ガスの温度を確保するために必要なエネルギー使用量が増加してしまう。
また、本発明のフライアッシュの改質方法においては、前記円筒部の前記フライアッシュの充填率が4%以上17%以下となるように、前記フライアッシュの供給量を調整することが好ましい。
フライアッシュの充填率を上記範囲内に収めると、単位処理量あたりのエネルギー使用量を抑制することができる。なお、フライアッシュの充填率は、11%以上17%以下とするとさらに好ましい。
実施形態に係るフライアッシュ加熱装置の概略構成を示す説明図。 図1のフライアッシュ加熱装置のキルンの円筒部及び加熱部の構成を模式的に示す斜視図。 図2のキルンの円筒部のIII−III線断面図。 図1のフライアッシュ加熱装置でフライアッシュに対して行われる処理を示すフローチャート。 図1のフライアッシュ加熱装置で排ガスに対して行われる処理を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明に係るフライアッシュの改質方法を行うためのフライアッシュ加熱装置について説明する。
まず、図1を参照して、フライアッシュ加熱装置(以下、「加熱装置S」という。)の概略構成について説明する。なお、図1において、実線の矢印はフライアッシュの流れ、一点鎖線の矢印は制御信号の流れ、破線の矢印はガスの流れをそれぞれ示している。
図1に示すように、加熱装置Sは、外熱式ロータリーキルンであるキルン1と、キルン1へ加熱処理を行うフライアッシュF1を供給する灰供給装置2と、キルン1へ燃焼ガスCGを供給する燃焼ガス供給装置3と、キルン1で加熱されたフライアッシュを冷却する冷却装置4を備えている。
また、加熱装置Sは、キルン1で発生した排ガスG1を処理する構成として、排ガスG1からその排ガスG1に含まれているフライアッシュを回収フライアッシュF2として分離する固気分離装置5を備えている。
さらに、加熱装置Sは、キルン1、灰供給装置2、及び、燃焼ガス供給装置3の運転を制御する構成として、制御装置Cを備えている。
キルン1は、傾斜した大略円筒形状の装置として構成されている。キルン1は、窯尻部1a、窯前部1b、窯尻部1aと窯前部1bとの間に回転自在に配置されている円筒形状の円筒部1c、及び、円筒部1cが挿通されている円筒形状の加熱部1dを有している。
キルン1では、燃焼ガスCGは窯前部1bから導入され、排ガスG1は窯尻部1aから排出される。すなわち、円筒部1cの内部でフライアッシュF1と燃焼ガスCGとが向流するように構成されている。これは、フライアッシュF1と燃焼ガスCGとを効率的に接触させるためである。ただし、燃焼ガスCGを窯尻部1aから導入し、排ガスG1を窯前部1bから排出する構成としてもよい。
窯尻部1aには、灰供給装置2から未処理のフライアッシュF1を供給するための灰供給口1a1と、排ガスG1を排出するためのガス排出口1a2とが設けられている。灰供給口1a1は窯尻部1aの底部側に設けられており、ガス排出口1a2は窯尻部1aの上部側に設けられている。これは、供給されたフライアッシュF1が燃焼ガスCGで持ち去られ、排ガスG1に混入してしまうことを防止するためである。
窯前部1bには、加熱処理が行われたフライアッシュF1(すなわち、改質フライアッシュRF)を排出するための灰排出口1b1と、燃焼ガスCGを導入するためのガス導入口1b2とが設けられている。
円筒部1cの内部には、第1温度計T1が設けられている。第1温度計T1は、キルン1の内部におけるフライアッシュF1の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置Cに送信する。第1温度計T1としては、例えば、放射温度計又は熱電対を用いればよい。
加熱部1dは、円筒部1cが回転自在に挿通されており、円筒部1cの被加熱部1c1を覆う位置に配置されている。加熱部1dは、軸線方向で区切られた複数の領域において、それぞれ出力を調整可能に構成されている。
加熱部1dには、出力を調整可能な領域ごとに、第2温度計T2が設置されている。第2温度計T2は、円筒部1cの被加熱部1c1の温度を測定し、その温度に関する情報を制御装置Cに送信する。なお、第2温度計T2としては、例えば、熱電対を用いればよい。加熱部1dの出力は、制御装置Cによって制御されている。具体的には、第1温度計T1及び第2温度計T2に基づいて、制御装置Cが加熱部1dの出力を調整する。
ところで、円筒部1cの内部でフライアッシュF1を急激に加熱すると、円筒部1cの被加熱部1c1の窯尻部1a側(フライアッシュF1の供給部付近)にコーチングが形成されやすくなる。そこで、制御装置Cは、被加熱部1c1の入り口部分(加熱装置Sでは、図1における最も右側の第2温度計T2とその左側の第2温度計T2との間)において、30℃〜50℃の温度勾配が形成されるように、加熱部1dの出力を調整している。
キルン1の灰供給口1a1と灰供給装置2との間には、キルン1に供給するフライアッシュF1の未燃カーボン含有率を測定するためのフライアッシュ測定装置M1が設置されている。フライアッシュ測定装置M1は、キルン1に供給されるフライアッシュF1の未燃カーボン量を測定し、その未燃カーボン量に関する情報を制御装置Cに送信する。
フライアッシュ測定装置M1としては、例えば、強熱減量値から間接的に未燃カーボン含有率を求めることができる熱天秤分析装置、又は、特開平11−258155号公報に開示されている青色発光体を光源とした反射光量測定装置等のオンライン対応装置を用いればよい。
キルン1のガス導入口1b2には、燃焼ガス測定装置M2が設置されている。燃焼ガス測定装置M2は、キルン1に供給される燃焼ガスCGの流量(供給量)及び酸素濃度を測定し、その流量及び酸素濃度に関する情報を制御装置Cに送信する。
燃焼ガス測定装置M2としては、例えば、熱式、コリオリ式、渦式、超音波式等の通常の気体用の流量計、及び、磁気式(磁気風方式及び磁気力方式)又は酸素の電気化学的酸化還元反応を利用する電気化学式(ジルコニア方式及び電極方式)の酸素濃度測定装置を併設したものを用いればよい。
灰供給装置2は、加熱装置Sの処理対象であるフライアッシュF1をキルン1の灰供給口1a1に供給する。なお、フライアッシュF1は、例えば、石炭火力発電所の微粉炭燃焼ボイラ等で発生したフライアッシュ等である。また、固気分離装置5で回収された回収フライアッシュF2も、フライアッシュF1の一部として供給される。
灰供給装置2からキルン1へ供給されるフライアッシュF1の量は、制御装置Cによって制御されている。具体的には、灰供給装置2から送信される供給量、フライアッシュ測定装置M1の測定結果、及び、燃焼ガス測定装置M2の測定結果に基づいて、燃焼ガスの酸素濃度とフライアッシュの未燃カーボン量の割合が所定の値となるように、制御装置Cが、灰供給装置2から供給されるフライアッシュの供給量を決定している。
燃焼ガス供給装置3は、キルン1の内部を流れる燃焼ガスCGの流量、及び、燃焼ガスCGの酸素濃度を調整する。燃焼ガス供給装置3は、フライアッシュ測定装置M1の測定結果、及び、燃焼ガス測定装置M2の測定結果に基づいて制御装置Cが決定した信号にしたがって、燃焼ガスCGの供給量、又は、燃焼ガスCGの酸素濃度を調整する。
冷却装置4は、キルン1から受け取った改質フライアッシュRFを冷却する。冷却装置4としては、改質フライアッシュRFに冷却用の空気を直接接触させて、改質フライアッシュRFを直接的に冷却する形式のもの、又は、水等で冷却装置4の外部を冷却することによって、改質フライアッシュRFを間接的に冷却させる形式のもののいずれを用いてもよい。具体的には、例えば、ロータリー式又はグレート式のものを用いればよい。
冷却装置4で冷却に用いられた空気(すなわち、冷却装置4から排出された空気)は、加熱された状態となる。そこで、加熱装置Sでは、その熱を有効利用するために、その排出された空気を、燃焼ガスCGの一部として用いている。
冷却装置4の排出側には、冷却装置4から排出された改質フライアッシュRFの未燃カーボン含有率を測定するための改質フライアッシュ測定装置M3が設置されている。
改質フライアッシュ測定装置M3としては、例えば、強熱減量値から間接的に未燃カーボン含有率を求めることができる熱天秤分析装置、又は、特開平11−258155号公報に開示されている青色発光体を光源とした反射光量測定装置等のオンライン対応装置を用いればよい。
固気分離装置5は、キルン1で発生した排ガスG1に含まれるフライアッシュを回収フライアッシュF2として回収する。固気分離装置5としては、例えば、バグフィルタを用いればよい。固気分離装置5で回収された回収フライアッシュF2は、灰供給装置2へと送られ、フライアッシュF1とともにキルン1へ供給され、再び加熱処理される。一方、フライアッシュF2が分離された排ガスG2は、水銀等の有害物質を除去された後、大気に放出される。
次に、図2及び図3を参照して、キルン1の円筒部1cの内部構成について、詳細に説明する。
図2に示すように、円筒形状の円筒部1cは、円筒形状の加熱部1dに挿通されている。
円筒部1cは、窯尻部1a側(図2では右側)から窯前部1b側(図2では左側)に向かって0.5°〜5.0°で下方に向かって傾斜している。そのため、窯尻部1aに供給されたフライアッシュF1は、円筒部1cの回転に伴って、窯尻部1aから窯前部1bへと移動する(図1参照)。なお、円筒部1cの傾斜角度は、この範囲の角度に限らず、供給するフライアッシュF1の供給量や加熱部1dの出力に応じて、適宜変更してもよい。
円筒部1cの中央部は、加熱部1dで間接加熱される被加熱部1c1となっている。円筒部1cの内周面には、被加熱部1c1に対応する領域に跨るようにして、4枚の仕切壁1eが立設されている。なお、仕切壁1eの数は4枚に限定されるものではなく、円筒部1cの径等に応じて、適宜増減させてよい。
仕切壁1eによって、円筒部1cの内部空間は、断面形状が扇型の細長い4つの空間に分割されている。分割された4つの空間は、各々独立しており、それらの空間の間で、フライアッシュF1が移動することはない。
仕切壁1eは、円筒部1cの全域に亘って設けられておらず、被加熱部1c1に対応する領域をまたがるように設けられている。そのため、窯尻部1aの灰供給口1a1から供給されたフライアッシュF1は、まず、円筒部1cの回転に応じて窯前部1b側に徐々に移動しながら昇温され、被加熱部1c1に至る前に、仕切壁1eの始点(窯尻部1a側の端部)で、分割された複数の空間に等量に振り分けられる。
その後、被加熱部1c1を通過したフライアッシュF1(すなわち、未燃カーボンの除去の終了した改質フライアッシュRF)は、分割された空間の内部で、被加熱部1c1に対応する領域よりも窯前部1b側の領域において、継続して掻き上げられて撹拌されることによって、冷却される。さらにその後、仕切壁1eの終点(窯前部1b側の端部)を超えた位置で合流し、窯前部1bへ移動し、キルン1から排出される。
仕切壁1eの回転方向前側の面には、径方向の中央部に、円筒部1cの軸線A方向に延びるように立設された板状のリフター部材1fが設けられている。
図3に示すように、リフター部材1fは、円筒部の回転中心である軸線A側に傾斜している。具体的には、径方向内側において、仕切壁1eとリフター部材1fとのなす角度αが30°〜60°、径方向外側において、仕切壁1eとリフター部材1fとのなす角度βが120°〜150°となるように、傾斜している。すなわち、リフター部材1fは、円筒部1cの軸線Aを基準として遠位側よりも近位側が仕切壁1eから離間するように、その仕切壁1eに対して傾斜している。
この角度は、フライアッシュF1の安息角が30°であることに基づいて決定されたものである。加熱装置Sでは、リフター部材1fをこのような角度とすることにより、仕切壁1eとリフター部材1fとの間におけるフライアッシュF1の付着や詰まりが防止されている。
リフター部材1fの長さは、仕切壁1eからリフター部材1fの先端までの高さをh1、仕切壁1eが水平状態のときに仕切壁1e上に均等にならされた場合のフライアッシュF1の充填高さをh2としたときに、h2/h1=0.2〜1.0となる長さとなっている。
なお、リフター部材1fは、円筒部1cの回転方向前側に設置されていればよく、そのサイズ、配置位置、配置する数は、円筒部1cのサイズ及び仕切壁1eによる空間の分割数に応じて、適宜変更してもよい。また、加熱装置Sでは、仕切壁1e及びリフター部材1fを、一枚の板材を用いて形成しているが、複数の板材を用いて形成してもよい。
このように構成された加熱装置Sでは、円筒部1c(すなわち、フライアッシュF1の未燃カーボンの自燃領域)の内部空間が仕切壁1eによって分割されている。これにより、円筒部1c内部の全空間を使って、効率よく、フライアッシュF1(すなわち、それに含まれる未燃カーボン)と燃焼ガスCG(すなわち、それに含まれる酸素)とを接触させることができる。また、1つの空間あたりに存在するフライアッシュF1の量が抑制されるので、円筒部1cがどのような位相であっても、フライアッシュF1の充填高さh2が過剰に高くなることがない。
さらに、そのように空間を分割する仕切壁1eの各々の回転方向前側にリフター部材1fを設けているので、フライアッシュF1は連続的に掻き上げられて十分に撹拌される。
これらの構成によって、加熱装置Sでは、フライアッシュF1が全体として均等に適度に加熱されるので、フライアッシュF1が局所的に過剰に加熱されることが防止され、粗粒化が防止される。
さらに、加熱装置Sでは、円筒部1cの軸芯(回転中心軸線である軸線A)が、窯尻部1aから窯前部1bに向かって下り勾配をなすように構成されている。これにより、円筒部1cの内部において、フライアッシュF1がその自重によって徐々に移動しながら加熱される。
また、仕切壁1eで空間を分割したことにより、リフター部材1fによる掻き上げ後のフライアッシュF1の自由落下高さが小さくなっているので、キルン1内の通風によって散逸するフライアッシュ量を抑制できる。
これらの構成によって、加熱装置Sでは、フライアッシュが十分に加熱されるので、フライアッシュF1に含まれる未燃カーボンが十分に除去される。
ところで、円筒部1cの被加熱部1c1に対応する内部空間(すなわち、仕切壁1eによって形成された分割空間)に供給されたフライアッシュF1は、円筒部1cの内周面、仕切壁1e及びリフター部材1fから伝達される熱によって加熱される。そのため、仕切壁1e及びリフター部材1fの材料としては、熱伝達効率に優れたものが好ましい。
例えば、銅合金(例えば、JIS H 3100「銅及び銅合金の板並びに条」の合金番号C1100、C1201等)、炭化珪素、窒化アルミニウム等の耐熱高熱伝導セラミックスを用いることが好ましい。ただし、SUS等の一般的な材料を用いてもよい。
また、ところで、上記のように構成されているキルン1では、円筒部1cの内部でフライアッシュF1が移動する際には、仕切壁1eが形成されていない領域から仕切壁1eが形成されている領域の境界部分で、フライアッシュF1の滞留が生じやすい。
そこで、加熱装置Sでは、円筒部1cの仕切壁1eが形成されていない領域の径を、窯尻部1a側において、仕切壁1eが形成されている領域の径よりも小さくしている。これにより、その境界部分において、フライアッシュF1が落下するように移動させて、滞留の発生を抑制している。
具体的には、例えば、フライアッシュF1の粒径が1〜100μm、平均粒径が20μm前後であった場合には、円筒部1cの径の差(落下高さ)を1〜5mm程度となるように構成されている。
なお、窯前部1b側では、境界部分でのフライアッシュF1の滞留が生じないので、円筒部1cの仕切壁1eが形成されていない領域の径と仕切壁1eが形成されている領域の径に、段差を設ける必要はない。
次に、図1、図4及び図5を参照して、加熱装置Sで行われる処理について説明する。なお、図4は、加熱装置SでフライアッシュF1に対して行われる処理を示すフローチャートである。また、図5は、加熱装置Sで排ガスG1に対して行われる処理を示すフローチャートである。
まず、図1及び図4を参照して、加熱装置SでフライアッシュF1に対して行われる処理について説明する。
この処理においては、まず、燃焼ガス供給装置3が燃焼ガスCGをキルン1に連続的に供給し、制御装置Cがキルン1の円筒部1cを所定の回転速度で回転させると共に、制御装置Cがキルン1の加熱部1dの出力を調整して、円筒部1cの被加熱部1c1を加熱することにより、円筒部1cの内部を600℃〜900℃に加熱する(図4/STEP01)。
このように加熱された円筒部1cの内部に投入されたフライアッシュF1は、円筒部1cの被加熱部1c1の内面及び仕切壁1eに接触して加熱されるとともに、リフター部材1fによって掻き上げられ撹拌される。これにより、フライアッシュF1の全量が均質に加熱され、フライアッシュF1に含まれる未燃カーボンが自燃して、未燃カーボン量が減少する。そのため、この温度は、処理が終了するまで維持される。
ここで、キルン1の温度(すなわち、フライアッシュF1の加熱温度)を600℃〜900℃の範囲内としているのは、フライアッシュF1の粗粒化、及び、キルン内壁面等へのコーチングを生じさせずに、且つ、十分に未燃カーボンの自燃を促すためである。
この温度が600℃未満の場合には、フライアッシュF1に含まれる未燃カーボンの自燃を十分に生じさせることができず、未燃カーボンの除去が不十分となってしまうおそれがある。一方、この温度が900℃を超える場合には、フライアッシュF1粒子同士が焼結して粗粒化が生じたり、フライアッシュF1が溶融して、円筒部1cの内部に土手状のコーチングが形成されてしまったりするおそれがある。
次に、灰供給装置2がフライアッシュF1をキルン1に連続的に供給する。(図4/STEP02)。
円筒部1cの回転によって、円筒部1cの内部に供給されたフライアッシュF1は、窯尻部1aから窯前部1bに向かって撹拌されつつ移動しながら昇温される。このとき、その回転速度に応じて、移動速度が変化することになる。すなわち、灰供給装置2からの供給量及びキルン1の円筒部1cの回転速度に応じて、円筒部1cの内部におけるフライアッシュF1の充填率及び充填高さが変化することになる。
このフライアッシュF1の供給の際に、フライアッシュ測定装置M1は、キルン1に供給されるフライアッシュF1の未燃カーボン量及びフライアッシュF1の供給量を測定し、その未燃カーボン量に関する情報を制御装置Cに送信する。また、燃焼ガスCGの供給の際に、燃焼ガス測定装置M2は、キルン1に供給される燃焼ガスCGの流量(供給量)及び酸素濃度を測定し、その流量及び酸素濃度に関する情報を制御装置Cに送信する。
次に、制御装置Cが、既知のリフター部材1fのサイズ、既知の円筒部1cの内部空間(具体的には、仕切壁1eで分割された空間)のサイズ、及び、フライアッシュF1の供給量に基づいて、仕切壁1eからリフター部材1fの先端までの高さh1と仕切壁1eが水平状態のときにその仕切壁1e上に均等にならされた場合のフライアッシュF1の充填高さh2とが、h2/h1=0.2〜1.0を満足するか否かを判定する(図4/STEP03)。
リフター部材1fの高さとフライアッシュF1の充填高さの比率が上記の範囲から外れている場合、フライアッシュF1を全体的に十分に加熱することができないおそれが生じる。
そこで、h1,h2が条件を満足していない場合(STEP03でNOの場合)には、制御装置Cは、さらにフライアッシュF1を供給させることにより、又は、円筒部1cの回転速度を調整することにより(すなわち、円筒部1cの内部のフライアッシュF1を移動させて充填高さh2を低くすることにより)、h2を調整して、STEP03に戻り、再度判定を行う(図4/STEP04)。
h1,h2が条件を満足している場合(STEP03でYESの場合)には、制御装置Cは、既知の円筒部1cの内部空間(具体的には、仕切壁1eで分割された空間)のサイズ、及び、フライアッシュF1の供給量に基づいて、円筒部1cの内部におけるフライアッシュF1の充填率が、4%〜17%であるか否かを判定する(図4/STEP05)。
フライアッシュF1の充填率がこの範囲外になると、単位処理量あたりのエネルギー使用量が高くなりすぎてしまい、エネルギーに対するフライアッシュF1の処理効率が低下することになる。
そこで、充填率が条件を満足していない場合(STEP05でNOの場合)には、制御装置Cは、さらにフライアッシュF1を供給させることにより、又は、円筒部1cの回転速度を調整することにより(すなわち、円筒部1cの内部のフライアッシュF1を移動させて排出させることにより)、充填率を調整して、STEP03に戻り、再度判定を行う(図4/STEP06)。
ここで、STEP03に戻るのは、充填率の調整の結果、仕切壁1eからリフター部材1fの先端までの高さh1、及び、仕切壁1eが水平状態のときにその仕切壁1e上に均等にならされた場合のフライアッシュF1の充填高さh2が、h2/h1=0.2〜1.0を満足しなくなるおそれがあるためである。
充填率が条件を満足している場合(STEP05でYESの場合)には、制御装置Cは、フライアッシュF1の供給量及び未燃カーボン含有率、並びに、燃焼ガスCGの供給量及び酸素濃度に基づいて、未燃カーボン(C)量(mol/分)と酸素(O)量(mol/分)とが、O/Cモル比=2〜7を満足するか否かを判定する(図4/STEP07)。
未燃カーボン量と酸素量の比率をこの範囲内となるようにすると、フライアッシュF1の充填率が10%以上の高充填率であっても、効率的に未燃カーボンを十分に除去することができる。例えば、フライアッシュの未燃カーボン含有率が8%程度であっても、上記の比率となるように調整しつつ処理を行うと、未燃カーボン含有率を0.5%以下にまで低減させることができる。
なお、O/Cモル比が2未満の場合には、酸素量不足によりフライアッシュF1に含まれる未燃カーボンを十分に自燃させることができない。一方、O/Cモル比が7を超える場合には、加熱処理に必要な燃焼ガスが多量となり、燃焼ガスの温度を確保するために必要なエネルギー使用量が増加してしまう。
そこで、O/Cモル比が条件を満足していない場合(STEP07でNOの場合)には、制御装置Cは、供給する燃焼ガスCGの流量又は酸素濃度を調整して、STEP07に戻り、再度判定を行う(図4/STEP08)。
なお、O/Cモル比を高める調整を行うに際しては、流量を増加させる方法よりも、酸素濃度を上昇させる方法が好ましい。燃焼ガスCGの流量の増加は、キルン1の内部の燃焼ガスCGの流速の増加に直結するので、飛散するフライアッシュF1の量(すなわち、排ガスG1に含まれるフライアッシュの量)の増加につながり、ひいては、生産効率の低下につながるためである。
酸素濃度を上昇させるための方法としては、例えば、酸素濃度の異なるガスを複数準備しておき、それらを混合することによって、所望の酸素濃度を有する燃焼ガスを生成する方法等がある。
なお、O/Cモル比の調整の方法としては、フライアッシュF1の供給量を増加させる方法を用いてもよい。
/Cモル比が条件を満足している場合(STEP07でYESの場合)には、フライアッシュF1の加熱処理を継続して改質フライアッシュRFを生成し、その後、キルン1から排出された改質フライアッシュRFを冷却装置4によって冷却し、処理を終了する(図4/STEP09)。
なお、冷却後の改質フライアッシュRFについては、所望の活性度指数を確保するために、必要に応じて分級、粉砕、粒度の異なるフライアッシュとの混合等の粒度調整処理を行ってもよい。
次に、図1及び図5を参照して、加熱装置Sで排ガスG1に対して行われる処理について説明する。
フライアッシュF1を加熱する処理を行うと、その加熱の際に排ガスG1が発生する。その排ガスG1には、フライアッシュ(散逸ダスト)が含まれている。このようなフライアッシュを有効利用するために、まず、固気分離装置5は、導入された排ガスG1からフライアッシュを回収する(図5/STEP11)。
なお、加熱装置Sを用いた処理においては、上記のように、フライアッシュF1の充填率及びO/Cモル比の調整を行っているが、フライアッシュF1の未燃カーボン量が3質量%以下の場合、又は、酸素濃度が20%以上の燃焼ガスCGが使用できる場合等の、改質フライアッシュの未燃カーボン含有率目標値を容易に達成できる場合には、フライアッシュF1の充填率及びO/Cモル比の監視と調整を緩和することができる。
次に、固気分離装置5は、灰供給装置2に回収したフライアッシュ(回収フライアッシュF2)を送り、灰供給装置2は、回収フライアッシュF2を、未処理のフライアッシュF1の一部として、再度キルン1に供給し、処理を終了する(図5/STEP12)。
この排ガスG1に対する処理は、フライアッシュF1に対する処理に並行して、連続的に行われる。
最後に、加熱装置Sで行われた処理に係る試験結果(すなわち、本発明のフライアッシュの処理方法の実施例)について説明する。
まず、試験方法について説明する。
加熱装置として、上記の加熱装置Sと同様の構成のものを用いた。具体的には、キルン長さ(円筒部1cの長さ)が1750mm、内径(円筒部1cの内部空間の直径)が150mm、高温加熱領域(円筒部1cの被加熱部の長さ)が700mm(始点は窯尻部側の端部から400mmの位置)、キルン傾斜角が2.5°のものを用いた。
加熱はカンタルAPMによる電気炉方式を採用し、加熱温度(加熱部の温度)を850±30℃、上記単位時間当たりのO/Cモル比を5(燃焼ガス:大気)、排ガスG1の酸素濃度を16.0±0.3%に調整した。
本試験では、円筒部1cの内部空間を仕切壁1eによって分割する効果、及び、仕切壁1eに対するリフター部材1fの接合角度の効果を評価するために、円筒部1cの窯尻部1a側の端部から200mmの位置を始点とする1100mmの長さに亘る範囲に、円筒部1cの回転軸線である軸線Aを中心として90度の間隔で4枚の仕切壁1eを設けた。これらの仕切壁1eの材料としては、SUS310Sを用いた。
リフター部材1fは、軸線Aから52.5mmの位置(仕切壁1eの径方向の長さにおいて軸線Aから70%の位置)に設けた。
実施例1は、リフター部材1fとして、10mm幅の板状部材を仕切壁1eに対して角度を30°となるように付設したものを用いた。比較例1は、リフター部材1fとして、5mm幅の板状部材を仕切壁1eに対して90°の角度となるように付設したものを用いた。比較例2は、仕切壁1e及びリフター部材1fを備えていないものを用いた。これらの実施例1、比較例1及び比較例2に対し、フライアッシュの処理量(kg/時間)を一定とした場合、円筒部1cのフライアッシュの充填率を一定とした場合の2つの条件で試験を行った。
試験に用いるフライアッシュとしては、未燃カーボン含有量が8質量%のフライアッシュを用いた。このフライアッシュについて、処理後の未燃カーボン残存量(質量%)と、キルン内での土手(大塊)生成状況(すなわち、粗粒化と処理過程におけるフライアッシュの内筒内壁等への付着の度合い)の目視による評価とを行った。
処理後の未燃カーボン残存量の測定は、炭素・硫黄分析装置(HORIBA製EMIA−920V2(商品名))で行った。
土手生成状況の評価は、円筒部1cをフライアッシュが滞留することなく流れ、処理後のフライアッシュに粗粒化が認められないものを「○」、円筒部1cをフライアッシュが滞留することなく流れたが、処理後のフライアッシュの一部に粗粒化が認められるものを「△」、円筒部1cの内壁等にフライアッシュの付着による土手が生じ、フライアッシュに滞留の発生が認められたもの、又は、処理後のフライアッシュに粗粒化が多数認められたものを「×」とする三段階評価とした。
次に、試験結果について、以下の表1及び表2に示す。表1は、フライアッシュの処理量(kg/時間)を一定とした場合の試験結果であり、表2は、フライアッシュの充填率を一定とした場合の試験結果である。
この表1及び表2より、本発明のフライアッシュの改質方法によれば充填率が17.0%という高い充填率であっても、未燃カーボンを0.5質量%以下まで低減することができることが分かった。
1…キルン、2…灰供給装置、3…燃焼ガス供給装置、4…冷却装置、5…分離装置、C…制御装置、1a…窯尻部、1a1…灰供給口、1a2…ガス排出口、1b…窯前部、1b1…灰排出口、1b2…ガス導入口、1c…円筒部、1c1…被加熱部、1d…加熱部、1e…仕切壁、1f…リフター部材、A…軸線、CG…燃焼ガス、G1,G2…排ガス、F1…フライアッシュ、F2…回収フライアッシュ、M1…フライアッシュ測定装置、M2…燃焼ガス測定装置、M3…改質フライアッシュ測定装置、RF…改質フライアッシュ、S…加熱装置(フライアッシュ加熱装置)、T1…第1温度計、T2…第2温度計。

Claims (6)

  1. 窯尻部、窯前部、前記窯尻部と前記窯前部との間に回転自在に設けられた円筒部と、前記円筒部を加熱する加熱部とを有する外熱式ロータリーキルンを備えたフライアッシュ加熱装置であって、
    前記円筒部の内周面に軸線方向に延びるように立設され、該円筒部の内部空間を複数の空間に分割する複数の仕切壁と、
    前記仕切壁の前記円筒部の回転方向前側となる面に、前記円筒部の軸線方向に延び、且つ、軸線を基準として遠位側よりも近位側が前記仕切壁から離間するように該仕切壁に対して傾斜している板状のリフター部材とを備え、
    前記円筒部は、前記窯尻部から前記窯前部に向かって下り勾配をなすように配置されていることを特徴とするフライアッシュ加熱装置。
  2. 請求項1に記載のフライアッシュ加熱装置において、
    前記仕切壁と前記リフター部材とのなす角度は、30°〜60°であることを特徴とするフライアッシュ加熱装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のフライアッシュ加熱装置において、
    前記円筒部は、前記窯尻部から前記窯前部に向かって0.5°〜5°の下り勾配をなすように配置されていることを特徴とするフライアッシュ加熱装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のフライアッシュ加熱装置を用いたフライアッシュの改質方法であって、
    前記仕切壁から前記リフター部材の先端までの高さをh1、前記仕切壁が水平状態のときに該仕切壁上に均等にならされた場合のフライアッシュの充填高さをh2としたときに、h2/h1=0.2〜1.0となるように、前記フライアッシュの供給量及び前記円筒部の回転速度の一方又は両方を調整することを特徴とするフライアッシュの改質方法。
  5. 請求項4に記載のフライアッシュの改質方法において、
    前記円筒部の内部を600℃〜900℃に加熱するとともに、該フライアッシュの未燃カーボン量をC、前記フライアッシュ加熱装置に供給する酸素量をOとしたときに、O/Cモル比=2〜7となるように、前記フライアッシュの供給量又は燃焼ガスの供給量若しくは前記燃焼ガスの酸素濃度を調整することを特徴とするフライアッシュの改質方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のフライアッシュの改質方法において、
    前記円筒部の前記フライアッシュの充填率が4%以上17%以下となるように、前記フライアッシュの供給量を調整することを特徴とするフライアッシュの改質方法。
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