JP2018053967A - 油圧制御装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、上述のような従来の技術においては、製品の油圧特性のばらつきが低減されたとしても、作動油の油圧を、例えばベルトのすべりが生じない程度に油圧を低減させることまではできなかった。つまり、上述のような従来の技術においては、製品の油圧特性のばらつきが低減されたとしても、車両の燃費低下を抑止することまではできないという問題があった。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る油圧制御装置について説明する。なお、本発明の範囲は、以下の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
自動変速機20は、トルクコンバータTCと、変速機構TMと、コントロールバルブCVと、オイルポンプPとを備えている。
トルクコンバータTCは、エンジンENGから出力される回転力TqAを回転力TqBに変換して変速機構TMに伝達する。また、トルクコンバータTCは、回転力TqAを回転力TqCとしてオイルポンプPに伝達する。
オイルポンプPは、トルクコンバータTCから伝達される回転力TqCによってオイルパンOPに貯留されている作動油OILを加圧し、加圧した作動油OILを変速機構TMに供給する。
コントロールバルブCVは、変速機構TMの構成に応じた数の電磁弁Vを備えている。同図に示す一例では、コントロールバルブCVは、電磁弁V1から電磁弁Vnまでのn個(nは自然数。)の電磁弁Vを備えている。以下の説明において、電磁弁V1から電磁弁Vnまでを総称して電磁弁Vと記載する。
変速機構TMは、コントロールバルブCVから供給される作動油OILの油圧に応じて変速比を変化させる。変速機構TMは、作動油OILの油圧に応じた変速比によって回転力TqBを回転力TqDに変換し、変換した回転力TqDを、差動ギヤDGを介してタイヤTRに伝達する。
変速機構TMは、プライマリプーリPPと、セカンダリプーリSPと、ベルトVTとを備えている(いずれも不図示)。プライマリプーリPPには、エンジンENGが出力する回転力が伝達される。ベルトVTは、プライマリプーリPPと、セカンダリプーリSPとの間に巻きかけられており、プライマリプーリPPに伝達された回転力を、セカンダリプーリSPに伝達する。セカンダリプーリSPは、ベルトVTから伝達された回転力を、差動ギヤDGなどの回転力の伝達機構を介して、車両のタイヤTRに伝達する。
具体的には、プライマリプーリPPは、固定側プライマリプーリPP1と、可動側プライマリプーリPP2とを備えている。可動側プライマリプーリPP2がプーリの回転軸方向に移動することにより、プライマリプーリPPのプーリ幅が変化する。
これらのプーリのベルトVTが巻きかけられている面は、円錐状である。プーリ幅が広い状態では、ベルトVTは、プーリの内周部分に接する。プーリ幅が狭い状態では、ベルトVTは、プーリの外周部分に接する。プライマリプーリPPのプーリ幅と、セカンダリプーリSPのプーリ幅とを変化させることにより、減速比が変化する。具体的には、プライマリプーリPPのプーリ幅を広く、セカンダリプーリSPのプーリ幅を狭くすると、減速比が大きくなる。逆に、プライマリプーリPPのプーリ幅を狭く、セカンダリプーリSPのプーリ幅を広くすると、減速比が小さくなる。
次に、油圧制御装置10及び自動変速機20のより具体的な構成について図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態の油圧制御装置10及び自動変速機20の構成の一例を示す図である。
この一例において、オイルポンプPとは、エンジンENGから伝達される回転力TqCによって回転するポンプであるが、これに限られない。オイルポンプPは、電動ポンプであってもよい。オイルポンプPが電動ポンプである場合には、オイルポンプPは、不図示の制御ユニットによる制御に基づいて動作する。
以下、コントロールバルブCVが備える電磁弁Vが1個である場合について説明する。
次に、油圧制御装置10の構成について説明する。油圧制御装置10は、演算部100と、記憶部200と、駆動電流出力部300と、油圧信号取得部400とを備える。油圧制御装置10は、その入力側が、油圧センサPSに接続されている。また、油圧制御装置10は、その出力側が、電磁弁VのソレノイドSLに接続されている。
なお、油圧制御装置10は、オイルポンプPの回転数や、作動油配管HPに備えられるリリーフバルブ(不図示)の開度を制御することにより、吐出油圧を制御してもよい。この油圧制御装置10によるオイルポンプPの吐出油圧の制御については、その説明を省略する。以下、オイルポンプPの吐出油圧が一定である場合について説明する。
図3は、本実施形態の電流油圧特性情報HCIの一例を示す図である。電流油圧特性情報記憶部210には、電磁弁VのソレノイドSLを駆動する駆動電流Iの電流値と、この電流値の駆動電流Iが供給された電磁弁Vが生じさせる作動油OILの油圧が計測された計測油圧信号SOPとが、互いに対応付けられて電流油圧特性情報HCIとして記憶されている。ここでいう作動油OILの供給圧とは、電磁弁Vの使用初期状態において計測された油圧、すなわち使用初期油圧PIである。
この電流油圧特性情報HCIは、電磁弁Vの使用初期状態において電磁弁V毎に計測された、駆動電流Iと作動油OILの供給圧との関係を示す。すなわち、電流油圧特性情報HCIは、電磁弁Vの製品毎の使用初期状態における駆動電流−油圧特性を示す。以下の説明において、電磁弁Vの使用初期状態における駆動電流−油圧特性を、「電磁弁Vの使用初期状態の油圧特性」又は単に「電磁弁Vの初期油圧特性」とも記載する。
なお、以下の説明において、使用初期油圧PIを、検査時計測圧Pcとも記載する。
下限側油圧規格情報記憶部220には、下限側油圧規格情報LLが記憶されている。この下限側油圧規格情報LLの一例について、図4を参照して説明する。
すなわち、下限側油圧規格情報記憶部220には、変速機構TMに供給される作動油OILの油圧の下限値を示す下限側油圧規格値Psが記憶される。
偏差算出部120は、電磁弁Vの個体ごとに電流油圧特性情報記憶部210に記憶されている当該個体の電流油圧特性情報HCIと、下限側油圧規格情報LLとの偏差を、偏差DVとして算出する。
具体的には、駆動電流算出部140は、目標油圧算出部110から目標油圧TPを取得する。駆動電流算出部140は、駆動電流補正部130から、駆動電流補正値CCを取得する。駆動電流算出部140は、目標油圧TPに応じた駆動電流偏差ΔIを、駆動電流補正値CCを参照することにより算出する。駆動電流算出部140は、算出した駆動電流偏差ΔIと現在出力している駆動電流値DCとに基づいて、新たな駆動電流Iの駆動電流値DCを算出する。駆動電流算出部140は、算出した駆動電流値DCを駆動電流出力部300に対して出力する。
次に、駆動電流補正部130による、偏差DVに基づく駆動電流Iの補正制御について説明する。上述したように、電磁弁Vの電流油圧特性情報HCIは、コントロールバルブCVの組み立て工場での出荷検査において、電磁弁Vの個体ごとに取得される。より具体的には、駆動電流I1が供給された場合の、電磁弁Vから変速機構TMに供給される作動油OILの供給圧が、検査時計測圧Pc1として計測される。計測された検査時計測圧Pc1は、駆動電流I1の電流値に対応付けられて、電流油圧特性情報HCIとして記録される。次に、駆動電流I1とは電流値が異なる駆動電流I2について、駆動電流I2が供給された場合の電磁弁Vから変速機構TMに供給される作動油OILの供給圧が、検査時計測圧Pc2として計測される。計測された検査時計測圧Pc2は、駆動電流I2の電流値に対応付けられて、電流油圧特性情報HCIとして記録される。
電磁弁Vの個体によっては、所定の電流値の駆動電流I1を供給した場合に、変速機構TMに供給される作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Ps1を下回る場合がある。例えば、組み立て不良が生じた電磁弁Vは、作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Psを下回る場合がある。電磁弁Vから変速機構TMに供給される作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Psを下回ると、変速機構TMが正常に動作しない場合がある。
そこで、電磁弁Vの工場での出荷検査において、電磁弁Vのある個体について作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Psを下回る場合には、その個体を不良品として管理し、出荷を停止する等の措置を行う。
すなわち、車両に組み付けられる電磁弁Vの個体は、いずれの個体も下限側油圧規格値Psの検査を合格している。つまり、車両に組み付けられる電磁弁Vの個体は、いずれの個体も作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Psを上回る。作動油OILの供給圧が下限側油圧規格値Psをどの程度上回るかは、電磁弁Vの個体毎に程度のばらつきがある。
そこで、駆動電流補正部130は、偏差DVに基づいて駆動電流Iを補正し、作動油OILの供給圧を下限側油圧規格値Psに近づける制御、すなわち駆動電流Iの補正制御を行う。
図5は、本実施形態の油圧制御装置10による補正制御の動作の一例を示す図である。
(ステップS10)偏差算出部120は、電流油圧特性情報記憶部210に記憶される電流油圧特性情報HCIを参照して、駆動電流I2に対応する使用初期油圧PI2を検査時計測圧Pc2として取得する。具体的な一例として、図3に示す電流油圧特性情報HCIにおいて、駆動電流I2=1000[mA]である場合には、使用初期油圧PI2=200[kPa]である。この場合、偏差算出部120は、駆動電流I2=1000[mA]に対応する使用初期油圧PI2=200[kPa]を検査時計測圧Pc2として取得する。
ステップS20において、偏差算出部120は、電流油圧特性情報HCIを参照して、駆動電流I1と検査時計測圧Pc1との交点Qc1を算出する。
ステップS30において、偏差算出部120は、交点Qc2と交点Qc1とを直線補間して駆動電流−油圧特性曲線CC1を求め、この駆動電流−油圧特性曲線CC1の傾き、すなわち偏差ΔPcを算出する。
(ステップS40)図5に戻り、偏差算出部120は、下限側油圧規格情報記憶部220に記憶されている下限側油圧規格情報LLを参照して、駆動電流I2に対応する下限側油圧規格値Ps2を取得する。本実施形態の具体例では、図3に示すように、駆動電流I2=1000[mA]には、下限側油圧規格値Ps2=100[kPa]が対応する。この具体例の場合、偏差算出部120は、駆動電流I2=1000[mA]に対応する下限側油圧規格値Ps2=100[kPa]を取得する。
すなわち、偏差算出部120は、計測油圧信号SOP1及び計測油圧信号SOP2と、下限側油圧規格値Ps1及び下限側油圧規格値Ps2とに基づいて、計測値と下限側油圧規格値Psとの偏差DVを算出する。
偏差算出部120は、図6に示す一例では、駆動電流I2と下限側油圧規格値Ps2との交点Qs2の座標、及び駆動電流I2と検査時計測圧Pc2との交点Qc2とに基づいて、圧力偏差ΔP2を算出する。この場合、調圧点とは、交点Qc2である。
すなわち、偏差算出部120は、ステップS40からステップS60において、調圧点における圧力偏差ΔP2を算出する。偏差算出部120は、算出した圧力偏差ΔP2を偏差DVとして駆動電流補正部130に供給する。
(ステップS70)駆動電流補正部130は、ステップS60において算出された圧力偏差ΔP2が所定範囲±dの範囲内であるか否かを判定する。駆動電流補正部130は、圧力偏差ΔP2が所定範囲±dの範囲内であると判定した場合(ステップS70;YES)には、処理をステップS90に進める。駆動電流補正部130は、圧力偏差ΔP2が所定範囲±dの範囲内でないと判定した場合(ステップS70;NO)には、処理をステップS80に進める。
駆動電流算出部140は、駆動電流補正値CCを駆動電流Iに対して加算することにより補正する。
次に、油圧制御装置10の電流油圧特性情報記憶部210への電流油圧特性情報HCIの書込み手順について、図7を参照して説明する。
図7は、本実施形態の電流油圧特性情報HCIの書込み手順の一例を示す図である。
コントロールバルブ組立工場において、電磁弁VがコントロールバルブCVに組付けられる。このコントロールバルブCVに組付けられる電磁弁Vの、駆動電流Iと作動油OILの油圧との関係は、電磁弁Vの寸法誤差や組み立て誤差等によって、電磁弁Vの製品毎に互いに異なる。
コントロールバルブ組立工場において、油圧特性検査装置40は、コントロールバルブCVが備える電磁弁Vの電流−油圧特性が規格範囲内であるか否かを検査する。油圧特性検査装置40は、駆動電流Iの電流値を、所定の検査電流値にして電磁弁Vに供給する。油圧特性検査装置40は、検査電流値の駆動電流Iが供給された電磁弁Vによって制御される作動油OILの計測値を、検査時計測圧Pcとして取得する。油圧特性検査装置40は、駆動電流Iを互いに異なる複数の電流値にして、それぞれの電流値に対応する検査時計測圧Pcを取得する。具体的には、油圧特性検査装置40は、図3に示したように駆動電流Iを200[mA]、600[mA]、800[mA]、1000[mA]にして、それぞれの電流値に対応する検査時計測圧Pcを取得する。
データマトリクスDMXは、上述の検査工程において油圧特性検査結果記憶装置30に記憶された電流油圧特性情報HCIを示す。
なお、データマトリクスDMXは、電流油圧特性情報HCIの内容、つまり電流−油圧特性の数値が符号化されたものであってもよく、コントロールバルブCVの製造番号などのコントロールバルブCVの個体を識別する情報が符号化されたものであってもよい。
ここで、電流油圧特性情報HCIは、駆動電流Iの電流値の測定点が多いほど、油圧制御装置10において精度よく演算が可能である。この場合、駆動電流Iの電流値の測定点が多いほど、電流油圧特性情報HCIの情報量が増加する。データマトリクスDMXが、電流−油圧特性を示す数値が符号化されたものである場合には、情報量の多い電流油圧特性情報HCIがそのままデータマトリクスDMXとして符号化されると、データマトリクスDMXが大型化する。情報量が少ないほうがデータマトリクスDMXの大きさを小さくできるため好ましい。
コントロールバルブCVの電流−油圧特性についての「下限側油圧規格情報LLに対する割合」を符号化すると、電流油圧特性情報HCIをそのまま符号化する場合に比べて情報量を低減することができる。また、データマトリクスDMXが、電流−油圧特性を示す数値が符号化されたものである場合には、コントロールバルブCVの電流−油圧特性についての「下限側油圧規格情報LLに対する割合」を符号化することにより、データマトリクスDMXを小型化することができる。
データマトリクスDMXは、組立て後のコントロールバルブCVの外部から読み取り可能な位置に表示されればよく、その実施例には様々な態様が考えられる。以下、データマトリクスDMXの実施形態の具体例について説明する。
データマトリクスDMXは、コントロールバルブCVの外面に貼付可能なステッカーであってもよい。具体的には、油圧特性検査装置40は、電流−油圧特性の検査後に、電流油圧特性情報HCIを油圧特性検査結果記憶装置30に記憶させるとともに、電流油圧特性情報HCIを示すデータマトリクスDMXをステッカーに印字する。電流油圧特性情報HCIを示すデータマトリクスDMXが印字されたステッカーは、コントロールバルブCVの外面の規定位置に貼付される。なお、印字されたデータマトリクスDMXのステッカーは、検査後のコントロールバルブCVに自動的に貼付されてもよい。
また、データマトリクスDMXは、コントロールバルブCVの外面に刻印されたものであってもよい。具体的には、油圧特性検査装置40は、レーザー刻印機(不図示)に接続されている。油圧特性検査装置40は、電流−油圧特性の検査後に、電流油圧特性情報HCIを油圧特性検査結果記憶装置30に記憶させるとともに、電流油圧特性情報HCIをレーザー刻印機に供給する。レーザー刻印機は、油圧特性検査装置40から供給される電流油圧特性情報HCIに基づくデータマトリクスDMXをコントロールバルブCVの外面にレーザー刻印する。
また、データマトリクスDMXは、コントロールバルブCVに例えば直接印字されたものであってもよい。具体的には、油圧特性検査装置40は、インクジェット式プリンター(不図示)に接続されている。油圧特性検査装置40は、電流−油圧特性の検査後に、電流油圧特性情報HCIを油圧特性検査結果記憶装置30に記憶させるとともに、電流油圧特性情報HCIを上述のインクジェット式プリンターに供給する。インクジェット式プリンターは、油圧特性検査装置40から供給される電流油圧特性情報HCIに基づくデータマトリクスDMXをコントロールバルブCVの外面に印字する。
コネクタハウジングCONNは、コントロールバルブCVの外部との電気的な接続のため、コントロールバルブCVの外部に露出している。このため、コネクタハウジングCONNにデータマトリクスDMXを付せば、組立て後のコントロールバルブCVの外部から容易に読み取り可能である。
図7に戻り、車両組立工場には、油圧制御装置10と、コントロールバルブ組立工場から納品されたコントロールバルブCVとが納品される。車両組立工場において、これら油圧制御装置10とコントロールバルブCVとが組合わされて車両CARに組付けられる。
車両組立工場には、車両CARの生産台数に応じた台数の油圧制御装置10とコントロールバルブCVとがそれぞれ納品される。上述したようにコントロールバルブCVの電流−油圧特性は、コントロールバルブCVの個体ごとに互いに異なることがある。車両組立工場にコントロールバルブCVが納品された時点では、個々の油圧制御装置10が、複数あるコントロールバルブCVのうち、どのコントロールバルブCVと組み合わされて車両CARに組付けられるのかは不定である。
ここで、油圧特性記憶装置60には、コントロールバルブ組立工場において油圧特性検査結果記憶装置30に記憶された電流油圧特性情報HCIが予め記憶されている。この油圧特性記憶装置60に記憶される電流油圧特性情報HCIは、コントロールバルブCVの納品とともに納品される記憶媒体に記憶されているものであってもよい。また、油圧特性記憶装置60に記憶される電流油圧特性情報HCIは、油圧特性検査結果記憶装置30からネットワークを介して転送されるものであってもよい。
油圧特性情報書込み装置50は、データマトリクスDMXを読み取ったコントロールバルブCVの個体の電流油圧特性情報HCIを、油圧特性記憶装置60から読み出す。また、油圧特性情報書込み装置50は、読み出した電流油圧特性情報HCIを、複数の油圧制御装置10の個体のうち、このコントロールバルブCVの個体と組合わされて車両CARに組付けられる油圧制御装置10の個体に書込む。
ステップS3において組合わせが決定されている油圧制御装置10の個体と、コントロールバルブCVの個体とが、車両CARに組付けられる。
図9は、本実施形態の電流油圧特性情報HCIの書込み手順の変形例を示す図である。上述した一例では、コントロールバルブ組立工場に油圧特性検査結果記憶装置30が、車両組立工場に油圧特性記憶装置60がそれぞれ備えられる場合について説明したが、本変形例では、これらの記憶装置がクラウドサーバ70に集約されている点で異なる。
この変形例のように構成することにより、コントロールバルブ組立工場から車両組立工場に対する電流油圧特性情報HCIの供給をより円滑化することができる。
本実施形態の油圧制御装置10は、電磁弁Vの個体ごとにそれぞれ取得された電流油圧特性情報HCIに基づいて、作動油OILの供給圧を制御するため、電磁弁Vの個体の特性に応じた下限圧力まで供給圧を低減することができる。つまり、本実施形態の10によれば、電磁弁Vの電流−油圧特性に個体ごとのばらつきがあったとしても、この個体ごとのばらつきに応じて車両の燃費低下を抑止することができる。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (6)
- 電磁弁の駆動電流を制御することにより、前記電磁弁を介して自動変速機に供給される作動油の油圧を制御する油圧制御装置であって、
前記電磁弁の駆動電流の値と、当該駆動電流が供給された前記電磁弁が生じさせる前記作動油の油圧が計測された計測油圧とが、互いに対応付けられて電流油圧特性情報として記憶されている電流油圧特性情報記憶部と、
前記電磁弁の駆動電流の値と、当該駆動電流の値に対応する前記作動油の規格下限油圧とが、互いに対応付けられて規格下限情報として記憶されている規格下限情報記憶部と、
前記電流油圧特性情報記憶部に記憶されている前記電流油圧特性情報と、前記規格下限情報記憶部に記憶されている前記規格下限値とに基づいて、前記計測油圧と前記規格下限値との偏差を算出する偏差算出部と、
前記偏差算出部が算出する前記偏差に基づいて、前記電磁弁の駆動電流の補正を行う駆動電流補正部と、
前記油圧の目標値と、前記電流油圧特性情報記憶部に記憶される前記電流油圧特性情報と、前記駆動電流補正部が補正した補正後駆動電流値とに基づいて、前記電磁弁の駆動電流の値を算出する駆動電流算出部と、
を備える油圧制御装置。 - 前記偏差算出部は、
前記電流油圧特性情報記憶部に記憶されている前記電流油圧特性情報が示す前記計測油圧のうち、前記電磁弁の第1駆動電流に対応する第1計測油圧、及び前記第1駆動電流とは電流値が異なる第2駆動電流に対応する第2計測油圧と、前記規格下限情報記憶部に記憶されている前記規格下限情報が示す前記規格下限油圧のうち、前記第1駆動電流に対応する第1規格下限油圧、及び前記第2駆動電流に対応する第2規格下限油圧とに基づいて、前記計測油圧と前記規格下限値との偏差を算出する
請求項1に記載の油圧制御装置。 - 前記電流油圧特性情報記憶部には、
前記電磁弁の外面に付された当該電磁弁の電流油圧特性を示す情報に基づいて、前記電流油圧特性情報が記憶される
請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置。 - 前記前記電磁弁の外面とは、前記電磁弁のコネクタハウジングであり、
前記電流油圧特性情報記憶部には、
前記コネクタハウジングに付された当該電磁弁の電流油圧特性を示す情報に基づいて、前記電流油圧特性情報が記憶される
請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置。 - 前記電流油圧特性情報記憶部には、
通信を介して供給される前記電磁弁の電流油圧特性を示す情報が、前記電流油圧特性情報として記憶される
請求項1又は請求項2に記載の油圧制御装置。 - 電磁弁の駆動電流を制御することにより、前記電磁弁を介して自動変速機に供給される作動油の油圧を制御する装置であって、前記電磁弁の駆動電流の値と、当該駆動電流が供給された前記電磁弁が生じさせる前記作動油の計測油圧とが対応付けられて電流油圧特性情報として記憶されている電流油圧特性情報記憶部と、前記電磁弁の駆動電流の値と、当該駆動電流の値に対応する前記作動油の規格下限油圧とが対応付けられて規格下限情報として記憶されている規格下限情報記憶部とを備える油圧制御装置のコンピュータに、
前記電流油圧特性情報記憶部に記憶されている前記電流油圧特性情報と、前記規格下限情報記憶部に記憶されている前記規格下限値とに基づいて、前記計測油圧と前記規格下限値との偏差を算出する偏差算出ステップと、
前記偏差算出ステップにおいて算出される前記偏差に基づいて、前記電磁弁の駆動電流の補正を行う駆動電流補正ステップと
前記油圧の目標値と、前記電流油圧特性情報記憶部に記憶される前記電流油圧特性情報と、前記駆動電流補正ステップにおいて補正された補正後駆動電流値とに基づいて、前記電磁弁の駆動電流の値を算出する駆動電流算出ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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JP2009014138A (ja) * | 2007-07-06 | 2009-01-22 | Jatco Ltd | 自動変速機の油圧制御装置 |
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