JP2018053767A - 流体機械 - Google Patents

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和寛 塚本
Kazuhiro Tsukamoto
和寛 塚本
澄賢 平舘
Kiyotaka HIRADATE
澄賢 平舘
泰 新川
Yasushi Shinkawa
泰 新川
毅 内山
Takeshi Uchiyama
毅 内山
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Abstract

【課題】作動範囲の拡大ができる流体機械を提供する。【解決手段】流体機械100は、シュラウド壁面17に覆われたオープン型の羽根車3と、羽根車3を回転させる回転軸6がラジアル磁気軸受11およびスラスト磁気軸受12によって支持されている流体機械であって、羽根車3を含む回転対象の基準となる軸中心と回転軸の軸中心との距離である振れ回り距離を検出する軸心位置検出手段21と、振れ回り距離が第1閾値以上である場合、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を広げる制御を行う軸方向支持位置制御手段22と、を有する。また、軸方向支持位置制御手段22は、振れ回り距離が、第1閾値より小さい第2閾値以下である場合に、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を狭める制御を行う。【選択図】図2

Description

本発明は、流体を圧送するターボ型のブロワ、圧縮機などの流体機械に関するもので、特に、回転軸を磁気軸受によって保持している単段の遠心式、斜流式の羽根車を有する流体機械において、低流量運転域の作動範囲の拡大、サージの抑制に関するものである。
駆動機により回転する羽根車により、ガスや液体などの作動流体にエネルギを与える遠心式や斜流式などのターボ型流体機械では、一般に様々な運転条件に対応するために、安定作動範囲の拡大が要求される。これまでに安定作動範囲拡大を図るためのひとつの手法として、羽根車とケーシング壁面間の翼端隙間を制御する手法が提案されている。
例えば、特許文献1では、過渡運転時と定常運転時とで羽根車とケーシング壁面間の隙間を変えることにより、過渡運転時に生じる不安定流体力による羽根車とケーシング壁面との接触の防止、定常運転時の効率向上を達成するための技術が開示されている。
また、特許文献2では、スラスト軸受に作用する軸方向荷重を圧縮機の運転時に各種センサから得られた圧力や温度から算出し、その荷重に基づいて羽根車とシュラウド壁面間の隙間を変更する手法が開示されている。
特開2014−231826号公報 特開2014−231827号公報
このような流体機械の翼端隙間制御による安定作動範囲拡大技術は、流体機械運転時の安定性確保や、羽根車をはじめとした流体機械製品内の基幹部品の損傷を防ぐためには、重要な技術であると言える。しかし、流体機械の作動範囲拡大、サージ抑制の観点では、特許文献1記載の技術では主に軸方向スラスト荷重を用いて制御しているが、十分に対応できない問題がある。
また、特許文献2に記載の技術のように、スラスト軸受に作用する荷重を考慮すると、特にインレットガイドベーン開度調整時において増加するスラスト力を誤検知し、まだ安定運転であるにもかかわらず、羽根車とケーシング壁面の隙間を広げる制御がなされることが懸念される。そのため、羽根車とケーシング壁面間の隙間を調整するに当たって、軸方向スラスト力に代わる適切なパラメータで制御することが望まれていた。
本発明は、前記の課題を解決するための発明であって、作動範囲の拡大ができる流体機械を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の流体機械は、シュラウド壁面に覆われたオープン型の羽根車と、羽根車を回転させる回転軸がラジアル磁気軸受およびスラスト磁気軸受によって支持されている流体機械であって、羽根車を含む回転対象の基準となる軸中心と回転軸の軸中心との距離である振れ回り距離を検出する軸心位置検出手段と、振れ回り距離が第1閾値以上である場合、シュラウド壁面と羽根車との隙間(例えば、翼端隙間13)を広げる制御を行う軸方向支持位置制御手段と、を有することを特徴とする。本発明のその他の態様については、後記する実施形態において説明する。
本発明によれば、流体機械の作動範囲拡大ができる。
本発明に係る流量制御方法が適用される流体機械の上半分を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る流量制御法が適用される流体機械の制御系を示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係る隙間制御判定の一例を示す説明図であり、(a)は各状態の風量と吐出圧力の関係、(b)は各状態のラジアル軸受中の軸心位置軌跡である。 本発明の第1実施形態に係る隙間制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る流量制御法が適用される流体機械の制御系を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る隙間制御判定の一例を示す説明図であり、(a)は各状態の風量と羽根車入口部温度の関係、(b)は各状態の子牛面断面流線である。
本発明を実施するための実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
<<第1実施形態>>
図1は、本発明に係る流量制御方法が適用される流体機械100の上半分を示す断面図である。なお、図1中の白抜きの矢印は流体の流れを示す(図2でも同様)。ここでは、単段の流体機械100の一例として、遠心式のターボ型ブロワを例に説明するが、その他斜流式の流体機械に適用しても構わない。本実施形態では、流体機械100は、例えば下水処理場の曝気設備などに使用される曝気用ブロワである。
流体機械100は、回転軸6に対し放射状に設けられた翼列であるインレットガイドベーン2(IGV、案内羽根)を有する。また、流体機械100は、モータ10によって回転させられる回転軸6(駆動軸)に装着され、流体を昇圧する羽根車3、羽根車3の下流側にあって羽根車3の出口から流入する流体の動圧を静圧へと変換する円形翼列ディフューザ4、および吐出スクロール5を有する。なお、円形翼列ディフューザ4は、翼の無いベーンレスディフューザの場合もある。また、吐出スクロール5は、スクロールと類似の別の形態の吐出流路であってもよい。流体機械100の各構成要素は、ケーシング7内に格納され、内部流路を構成している。なお、インレットガイドベーン2は、案内羽根駆動機1によって回動させられる。
このような流体機械100では、流体は、流体機械100の吸込流路8から吸い込まれ、可変式のインレットガイドベーン2により任意の旋回角を与えられた状態で羽根車3に流入する。羽根車3に流入した流体は、羽根車3によって昇圧され、円形翼列ディフューザ4で減速された後、吐出スクロール5により吐出流路9へと導き出される。また、流体機械100では、ケーシング7のシュラウド壁面17と羽根車3との間には、翼端隙間13を有する。
次に、以上のように構成される流体機械100における作動範囲拡大を実現する制御方法について、図2〜図4を参照して説明する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る流量制御法が適用される流体機械100の制御系を示す模式図である。流体機械100の羽根車3を駆動するための回転軸6は、モータ10と直結されている。また、回転軸6は、径方向にラジアル磁気軸受11、軸方向にスラスト磁気軸受12によって支持される。
制御器20は、羽根車3を含む回転対象の基準となる軸中心と回転軸6の軸中心との距離である振れ回り距離を検出する軸心位置検出手段21と、振れ回り距離が第1閾値以上である場合、シュラウド壁面17と羽根車3との翼端隙間13を広げる制御を行うとともに、振れ回り距離が、第1閾値より小さい第2閾値以下である場合に、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を狭める制御を行う軸方向支持位置制御手段22と、を有する。
軸心位置検出手段21は、ラジアル磁気軸受11に支持されている回転軸6の軸心位置を、ギャップセンサ25(径方向変位センサ)の変位情報に基づいてモニタリングしている。すなわち、軸心位置検出手段21は、軸心位置の軌跡を、流体機械100の運転時において、常時軸ポジションとして、モニタリングしている。なお、ギャップセンサ25は、モータ10のステータ側に円周方向に90度ピッチで4箇所設けることが望ましい。
軸方向支持位置制御手段22は、スラスト磁気軸受12に支持されている回転軸6の軸方向位置を、アキシャルセンサ26(軸方向変位センサ)の変位情報に基づいてモニタリングしている。そして、軸方向支持位置制御手段22は、振れ回り距離が所定の閾値(例えば、第1閾値、第2閾値)に応じて、回転軸6の浮上位置を軸方向に移動させることにより、ケーシング7のシュラウド壁面17と羽根車3との間の翼端隙間13の距離を広げる/狭める制御を行う。具体的には、スラスト磁気軸受12の電磁石用コイルに流れる電流値の制御を行う。この制御によって、羽根車3で生じる失速を抑制し、作動範囲の拡大を実現できる。
図3は、本発明の第1実施形態に係る隙間制御判定の一例を示す説明図であり、(a)は各状態の風量と吐出圧力の関係、(b)は各状態のラジアル軸受中の軸心位置軌跡である。図3(b)は、実際の流体機械100の運転時に想定されるラジアル軸受内の軸浮上位置の軌跡を示している。例えば、図3(a)中のIの点が羽根車3の流体性能の設計点とすると、その設計点の大風流量側では、羽根車3内の翼面上で剥離や逆流が生じていないため、軸浮上位置の軌跡は、図3(b)の左上の図に示すように、ほぼ軸受の基準中心部に位置することとなる。
しかし、図3(a)中の流体機械100の運転点を低風量側のIIの点に移動させると、流量の現象に伴う羽根車3への相対流入角の変化により、羽根車3内の翼面で剥離や逆流を生じる。そのため、図3(b)の右上の図に示すように、軸受内の軸浮上位置の軌跡が、大きく振れ回ることとなる。このとき、図中に点線で示す箇所を第1閾値31として設けた場合、軸心位置の軌跡がこの第1閾値31をまたいだ際に、制御器20の軸方向支持位置制御手段22が、回転軸6の軸方向の浮上位置をモータ10側にずらす。このことで、翼端隙間13が広げられ、剥離や逆流を抑えることができる。そして、翼端隙間13が広げられると、図3(a)中のIIIの点の移動する。これは、翼端隙間13を広げられると、吐出圧力Pも若干低下するためである。IIIの場合、図3(b)の左下の図に示すように、軸心位置の軌跡が第1閾値31内に収束することになる。
一般的に、翼端隙間13が狭まると、翼端隙間13を通過する漏れ流れが低減するため、流体機械100の流体効率は向上する。一方で、羽根車3の翼面に作用する負荷は増大する。そのため、翼面での剥離(失速)が生じやすくなる。羽根車3の翼面での負荷は、シュラウド壁面17側の翼端部の負荷が最も大きく、その部位での剥離の発生有無により、流体機械100の低流量側作動範囲は決まるといっても過言ではない。そこで、翼端隙間13を広げ、羽根車3の翼端部での負荷を軽減させることで、剥離の抑制を実現し、作動範囲の拡大が可能となる。
本構成で使用するラジアル磁気軸受11、スラスト磁気軸受12のような磁気浮上式の軸受は、回転軸6の浮上位置を予めモニタリングするセンサを備えていることが多い。このセンサのセンサ情報を制御器20に入力することで、常時、制御器20は軸心位置を検出する。この軸心位置の軌跡が、所定の閾値(例えば、第1閾値、第2閾値)に基づいて、翼端隙間13を広げる/狭めるという制御を行う。
羽根車3の翼面で剥離が生じると、径方向、軸方向への不安定流体力が生じる。この不安定流体力は、磁気軸受の浮上位置の振れ回りの要因となる。この振れ回りを抑えるためには、羽根車3近辺で生じた剥離を抑えることが重要であり、翼端隙間13の制御により、振れ回りの抑制が可能である。
本実施形態では、ラジアル磁気軸受11内の回転軸6について、軸浮上位置の軌跡を検知し、翼端隙間13を制御している。ラジアル磁気軸受11が振れ回るとき、スラスト磁気軸受12も同様に、負荷が上昇する傾向にある。しかし、スラスト磁気軸受12に作用する負荷は、羽根車3で生じる剥離が起因ではなく、どちらかと言うと、羽根車3に流入する流量変化に依存する傾向が強い。すなわち、流量が減少するに従い、比較的線形にスラスト磁気軸受12に作用する負荷が増大する傾向にある。このとき、インレットガイドベーン2を備える流体機械100では、羽根車3の入口に予旋回を付与することで低流量域でも安定に運転を実現しているのだが、そのような安定な運転条件下にあっても、スラスト磁気軸受12への負荷は、増大する。そのため、必ずしもスラスト磁気軸受12への負荷増大が、失速、サージに入る合図とはならない。そのため、スラスト磁気軸受12への負荷を閾値として制御を行うことは、不可能であるという課題がある。本実施形態は、前記課題を解決するために創出したものである。
図4は、本発明の第1実施形態に係る隙間制御処理を示すフローチャートである。制御器20の隙間制御処理の一例について説明する。
図3(b)に示すxy座標において、xy座標の原点を回転対象の基準原点とすると、
(X,Y):回転軸6のラジアル方向の基準原点からの座標
RL:回転軸6の基準原点からの距離(振れ回り距離)
RL1:第1閾値31(翼端隙間13を広げるための閾値)
RL2:第2閾値32(翼端隙間13を狭めるための閾値)
0<RL2<RL1
とする。
軸心位置検出手段21は、ギャップセンサ25のセンサ情報に基づいて(X,Y)を検出し(ステップS1)、RLを算出する(ステップS2)。軸方向支持位置制御手段22は、RL≧RL1であるか否かを判定し(ステップS3)、RL≧RL1であれば(ステップS3,Yes)、アキシャルセンサ26のセンサ情報に基づいて、翼端隙間13を広げる制御を行う(ステップS4)。一方、RL≧RL1でなければ(ステップS3,No)、ステップS1に戻る。
軸心位置検出手段21は、ギャップセンサ25のセンサ情報に基づいて(X,Y)を検出し(ステップS5)、RLを算出する(ステップS6)。軸方向支持位置制御手段22は、RL≦RL2であるか否かを判定し(ステップS7)、RL≦RL2であれば(ステップS7,Yes)、アキシャルセンサ26のセンサ情報に基づいて、翼端隙間13を狭める制御を行い(ステップS8)、ステップS1に戻る。一方、RL≦RL2でなければ(ステップS7,No)、ステップS5に戻る。
先に述べた構成では、基準となる軸中心と回転軸6の軸中心との距離である振れ回り距離において、第1閾値31を設定し、翼端隙間13を広げる制御としたが、これに限定されるわけではない。すなわち、常に基準となる軸中心と回転軸6の軸中心との距離である振れ回り距離が、最小値となるように、翼端隙間13を制御してもよい。具体的には、軸方向支持位置制御手段22は、振れ回り距離が、第1閾値以下で、かつ、最小になるようにシュラウド壁面17と羽根車3との隙間を調整してもよい(本構成という)。
先に述べた構成と本構成を組み合わせることにより、常時安定運転かつ高効率で運転ができるため、性能的にもより良い運転条件を維持することができる。
また、第1実施形態によれば、ラジアル磁気軸受11に作用する負荷を常に最小にすることが可能である。常にラジアル磁気軸受11に作用する負荷が最小ということは、ラジアル磁気軸受11の電磁石用コイルに流れる電流値が最小ということと同義である。電流値が少ないと、ラジアル磁気軸受11の発熱量も低減するため、軸受冷却の観点からも有利である。軸受温度を低く保つことが可能なため、冷却風の風量を低減させられるため、省エネにも効果的である。
以上の流体機械100のシュラウド壁面17と羽根車3との隙間について、本実施形態の隙間制御法により、多くのセンサを設置する必要なしに、低流量側の作動範囲拡大を実現できる。
<<第2実施形態>>
第1実施形態では、軸心位置検出手段21を用いたが、第2実施形態では、羽根車3から上流側に向かって逆流を検知する逆流検知手段23を用いる場合について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る流量制御法が適用される流体機械100の制御系を示す模式図である。制御器20は、逆流検知センサ14のセンサ情報に基づいて、羽根車3の前縁上流に流体の逆流を検知する逆流検知手段23を備え、軸方向支持位置制御手段22は、逆流検知手段23が逆流を検知した際に、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を広げる制御を行う。翼端隙間13を広げる理由としては、先に説明した第1実施形態と同様に、翼端隙間13を広げることによって、羽根車3の翼面負荷を低減させることにより、翼面で生じる剥離や逆流を抑えるためである。なお、図5においては、逆流検知手段23が逆流を検知しているが、逆流検知センサ14自身で逆流を検知して、制御器20に入力してもよい。
図6は、本発明の第2実施形態に係る隙間制御判定の一例を示す説明図であり、(a)は各状態の風量と羽根車入口部温度の関係、(b)は各状態の子牛面断面流線である。図6(a)は、第2実施形態を適用した際の運転状況を示している。図中のI、IIは、先の図3(a)に記載の風量-吐出圧力相関の性能曲線に示す運転点と同一として説明する。
流体機械100は、羽根車3の翼面で剥離を生じると、羽根車3から上流側に向かって逆流が生じる。すなわち、この逆流の発生有無により、羽根車3の翼面において剥離が発生したか否かを判定することが可能である。
逆流の検知は、バイパス型の流量センサなどの様々なセンサを用いて可能であるが、最も簡単な構成としては、熱電対による温度検知が考えられる。設計点付近の運転点である運転点Iでは、図6(b)左図に示す子午面断面上の流線の分布の通り、逆流は生じず、吸込から吐出まで綺麗に作動流体が流れる。また、逆流検知センサ14として使用する熱電対が示す入口部温度は、低く保たれる。
一方、図6(b)右図に示すサージ近傍の運転点である運転点IIでは、逆流検知センサ14の設置してある羽根車3のシュラウド側前縁付近において、逆流が生じる。羽根車3で生じた剥離によって逆流が生じると、羽根車3によって昇圧された際に生じた高温の流体が、逆流してくることとなる。すなわち、逆流が生じると、逆流検知センサ14として設置された熱電対が検知する温度が、急激に高温にシフトすることとなる。この高温へのシフトを検知したときに、翼端隙間13を広げることで、羽根車3で生じる剥離を抑え、安定な運転状態を維持し、作動範囲の拡大を実現できることとなる。
本実施形態では、前記で翼端隙間13を広げることを説明したが、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を調整することが可能である。具体的には、前記説明したように、逆流検知手段23が温度検知手段である場合、軸方向支持位置制御手段22は、第1温度以上である場合に、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を広げる制御を行い、第1温度より低い第2温度以下である場合、シュラウド壁面17と羽根車3との隙間を狭める制御を行うとよい。
なお、第1・第2実施形態において、実施例として遠心式流体機械について説明したが、遠心式に限らず、回転機械全般に適用可能な技術である。また、本発明で対象とした流体機械100の制御法は、単段機が対象であるが、多段機であっても、適用可能な技術である。
以上をまとめると、本実施形態の流体機械100は、磁気軸受制御のラジアル軸受、スラスト軸受とオープン型の遠心羽根車を有する流体機械であって、ラジアル軸受中の軸浮上位置を常時モニタリングし、軸浮上位置変化の軌跡がある閾値(例えば、第1閾値)を超えると、スラスト軸受の軸浮上位置を、モータ10側に移動させる制御を有する。
この構成によれば、ラジアル軸受中の軸浮上位置の振れ回りを検知すると、シュラウド壁面17と羽根車3との間で構成される翼端隙間13を広げることにより、振れ回りを抑制し、安定運転範囲の拡大を達成できる。
流体機械100は、設計時に想定した流量から低流量域で運転をすると、ラジアル軸受、スラスト軸受に作用する荷重が増加することが知られている。ラジアル軸受に作用する荷重は、流体機械100の運転点が設計点より低流量側にシフトし、運転が不安定になると、軸心位置が軸受の中心位置に維持できず、周方向に振れ回るような軌跡を描く。この軌跡がある閾値内に収まって入れば、安定に運転できているといえる。
オープン型の遠心羽根車は、一般的には、羽根車の翼シュラウド側前縁端部から剥離や逆流が生じ、失速に至る。そのため、この剥離や逆流を抑えられれば、低流量域の作動範囲の拡大を実現できるといえる。羽根車3の翼シュラウド側前縁端部より生じる剥離の発生は、羽根車3の翼端部の負荷が増加することに由来する。この翼端部への負荷は、羽根車とシュラウド壁面間の翼端隙間が狭いほど増大し、広くなると、負荷が軽減する。これは、翼端隙間が広いほど、その隙間からの漏れ流れが増えるため、損失が増大することに由来する。すなわち、効率が低下することとなる。一方で、漏れ流れが増えることで翼に作用する流体力が低減するため、翼負荷は軽減する。その結果、剥離や逆流の発生を抑えることができる。この現象を利用して羽根車の負荷を軽減し、失速を遅らせることにより、作動範囲の拡大がなされている。
一般的に磁気軸受には、予め軸浮上位置を検知するセンサが軸受内部に設置されていることが多い。そのため第1実施形態では、センサの個数を増やすことなく、作動範囲の拡大が可能となる。
また、第2実施形態では、羽根車3の入口部に逆流検知センサ14を設け、本センサが逆流を検知すると、スラスト軸受の浮上位置をモータ10側に移動することができる。
この構成によれば、遠心式羽根車特有の現象である、サージ直前に生じる羽根車前縁上流への逆流をセンサによって検知し、スラスト軸受の軸浮上位置をモータ側に移動させる。これによってシュラウド壁面17と羽根車3と間の隙間を広げ、翼負荷を軽減させることで、剥離を抑えている。この結果、安定運転範囲の拡大を達成できる。
本実施形態により、センサを追加することなく、または、最小限のセンサにより、流体機械100の低流量側の運転作動範囲拡大を実現することができる。また、図3、図4に示すように本制御法により、磁気軸受内の振れ回りが抑えられるため、軸受に流れる電流値を下げることができる。これにより、軸受の温度上昇を抑えられるため、磁気軸受の絶縁種について耐熱寿命の伸長を実現できる。
1 案内羽根駆動機
2 インレットガイドベーン
3 羽根車
4 円形翼列ディフューザ
5 吐出スクロール
6 回転軸
7 ケーシング
8 吸込流路
9 吐出流路
10 モータ
11 ラジアル磁気軸受
12 スラスト磁気軸受
13 翼端隙間
14 逆流検知センサ
17 シュラウド壁面
20 制御器
21 軸心位置検出手段
22 軸方向支持位置制御手段
23 逆流検知手段
100 流体機械

Claims (6)

  1. シュラウド壁面に覆われたオープン型の羽根車と、前記羽根車を回転させる回転軸がラジアル磁気軸受およびスラスト磁気軸受によって支持されている流体機械であって、
    前記羽根車を含む回転対象の基準となる軸中心と前記回転軸の軸中心との距離である振れ回り距離を検出する軸心位置検出手段と、
    前記振れ回り距離が第1閾値以上である場合、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を広げる制御を行う軸方向支持位置制御手段と、を有する
    ことを特徴とする流体機械。
  2. 前記軸方向支持位置制御手段は、
    前記振れ回り距離が、前記第1閾値より小さい第2閾値以下である場合に、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を狭める制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  3. 前記軸方向支持位置制御手段は、
    前記振れ回り距離が、前記第1閾値以下で、かつ、最小になるように前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を調整する
    ことを特徴とする請求項2に記載の流体機械。
  4. 前記軸心位置検出手段に代えて、前記羽根車の前縁上流に流体の逆流を検知する逆流検知手段を備え、
    前記軸方向支持位置制御手段は、前記逆流検知手段が逆流を検知した際に、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を広げる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  5. 前記軸心位置検出手段に代えて、前記羽根車の前縁上流に流体の逆流を検知する逆流検知手段を備え、
    前記軸方向支持位置制御手段は、前記逆流検知手段の出力値に基づき、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を調整する
    ことを特徴とする請求項1に記載の流体機械。
  6. 前記逆流検知手段は、温度検知手段であり、
    前記軸方向支持位置制御手段は、前記温度検知手段の検知温度が第1温度以上である場合に、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を広げる制御を行い、前記第1温度より低い第2温度以下である場合、前記シュラウド壁面と前記羽根車との隙間を狭める制御を行う
    ことを特徴とする請求項5に記載の流体機械。
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