JP2018053175A - 溶解処理装置及び溶解処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない溶解液を用いて効率的に溶解することが可能な溶解処理装置及び溶解処理方法を、提供する。
【解決手段】(1)溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備えた、溶解処理装置。
(2)項(1)において、更に、溶解処理槽に対して補充する、新たな溶解液を貯留する補充液槽を有する、溶解処理装置。
(3)項(2)において、補充液槽が、溶解液の移送配管を介して溶解処理槽に接続される、溶解処理装置。
(4)項(1)において、更に、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送する、受け槽を有する、溶解処理装置。
【選択図】図1

Description

本技術は、溶解処理装置及び溶解処理方法に関し、より詳細には、樹脂の溶解処理装置及び溶解処理方法に関する。
ガラス繊維等の繊維を強化材として用いた繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics;FRP)は、軽量、高強度、かつ高弾性の材料であり、小型船舶、自動車、鉄道車両等の部材に幅広く使用されている。また、更なる軽量化、高強度化、及び高弾性化を目的として、炭素繊維を強化材として用いた炭素繊維強化プラスチック(Carbon Fiber Reinforced Plastics;CFRP)が開発されており、航空機、自動車等の部材に使用されている。
CFRPは、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させて加熱することによりプリプレグを得た後、プリプレグをオートクレーブ内で加圧しながら焼成することにより製造される。また近年では、熱可塑性樹脂をマトリックスとして射出成形やスタンピング成形を用いて製造する部材(Carbon Fiber Reinforced Thermo Plastics;CFRTP)も開発されている。
ところで、最終的な形状のCFRPを製造する過程では、プリプレグ及びCFRPの端材が大量に生じる。また、CFRPを用いた部材を廃棄する際にも、CFRPの廃材が大量に生じる。そこで、CFRP又はプリプレグから高価である炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが望まれている。
CFRP又はプリプレグから炭素繊維を回収するには、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する必要がある。従来、熱硬化性樹脂の硬化物を除去する処理方法としては、1)500℃〜700℃程度の高温で燃焼して熱硬化性樹脂の硬化物を熱分解する方法、2)処理液を用いて熱硬化性樹脂の硬化物を分解(解重合)及び溶解する方法、等が知られている。特に、上記2)の処理方法は、炭素繊維の損傷が少ない等の利点があり、種々の処理方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、リン酸、リン酸塩、有機酸、及び有機酸塩からなる群より選択される少なくとも1種の触媒と、アミド溶媒、アルコール溶媒、ケトン溶媒、及びエーテル溶媒からなる群より選択される少なくとも1種の有機溶媒とを含有する処理液を用いて、エポキシ樹脂硬化物を分解及び溶解する処理方法が開示されている。
また、樹脂の溶解処理方法では、樹脂の分解を行う溶解工程と、触媒や付着した樹脂を取り除く洗浄工程がある。そのため溶解処理では、触媒や樹脂濃度の異なる溶解処理廃液が発生する。
同じ処理液を用いて樹脂を溶解や洗浄を繰り返した場合には、溶液中の樹脂濃度が徐々に高くなるため、樹脂の分解効率や洗浄効率が低下することがわかっている。そこで、処理廃液は定期的に蒸留を行い、樹脂および触媒残渣を取り除くことで溶媒を回収する必要あった。
特開2001−172426号公報
蒸留を行う処理廃液は、溶解処理と洗浄処理、また溶解する樹脂の種類によって、触媒濃度や樹脂濃度が異なる。そのため蒸留溶媒の回収率を高めるためには、処理液の種類ごとに蒸留条件を変更する必要があった。また、蒸留によって回収できるのは溶媒だけであり、溶液に残る触媒はすべて廃棄することから、経済的ではなかった。
本発明は、前述したような課題に鑑み、少ない溶解液を用いて効率的に溶解することが可能な溶解処理装置及び溶解処理方法を、提供することを目的とする。
本発明は、以下のものに関する。
(1)溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備えた、溶解処理装置。
(2)項(1)において、更に、溶解処理槽に対して補充する、新たな溶解液を貯留する補充液槽を有する、溶解処理装置。
(3)項(2)において、補充液槽が、溶解液の移送配管を介して溶解処理槽に接続される、溶解処理装置。
(4)項(1)において、更に、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送する、受け槽を有する、溶解処理装置。
(5)項(1)〜(4)の何れかにおいて、更に、溶解液を加熱する加熱手段を有する、溶解処理装置。
(6)項(1)〜(5)の何れかにおいて、ろ過装置が、限外ろ過膜を用いたものである、溶解処理装置。
(7)項(6)において、限外ろ過膜が、セラミックフィルターである、溶解処理装置。
(8)項(7)において、セラミックフィルターが、酸化チタン製である、溶解処理装置。
(9)溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備え、前記溶解処理槽での溶解処理と、ろ過装置でのろ過処理とを、同時に処理する、溶解処理方法。
(10)項(9)において、更に、溶解処理槽に対して補充する、新たな溶解液を貯留する補充液槽を有する、溶解処理方法。
(11)項(10)において、補充液槽が、溶解液の移送配管を介して溶解処理槽に接続される、溶解処理方法。
(12)項(9)において、更に、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送する、受け槽を有する、溶解処理方法。
(13)項(9)9において、溶解処理槽へと返送される溶解液の量が、ろ過残渣として系外に取り除かれた液量を付加し、ろ過装置に流入させる量と同等にさせ、溶解処理槽内の溶解液量を一定に保つ、溶解処理方法。
(14)項(9)〜(13)の何れかにおいて、更に、溶解液を加熱する加熱手段を有し、溶解液の加温又は保温を行いながら溶解処理を行う、溶解処理方法。
本開示によれば、溶解液中の樹脂除去を溶解処理中に行うことで、溶解速度の低下を防止し、効率的に樹脂を溶解することが可能となる。また、触媒金属はクロスフロー方式で透過するため、原料ロスを低減することが可能となる。さらに、蒸留残渣と比較してろ過残渣液は、樹脂分濃度が高く、また溶媒濃度を低減し、原料ロスを低減することが可能となる。
さらに、クロスフロー方式で濃縮したろ過残渣液と同量の処理液を、溶解処理槽に補充することによって、溶解処理槽にある溶液量を一定に保つことができる。その結果、溶解を長時間行った場合でも、溶解処理槽内の溶液量が不足することがなく、溶解処理槽内を有効に活用することが可能となる。また、溶解処理槽内の液面高さが変わらないことから、循環部分に掛かる液圧力が安定化し、クロスフロー方式のろ過条件を一定とすることができる。
また、クロスフロー方式のろ過膜の材料として、セラミックフィルターを用いることで、高温あるいは高反応性の溶解液を用いた場合についても、樹脂と溶解液を分離することが可能となる。特に、チタニアのフィルターを用いることで、低分子量の樹脂まで安定的に取り除くことができる。
本発明の溶解処理装置を示す概略模式図である。 本発明の別の溶解処理装置を示す概略模式図である。 本発明の別の溶解処理装置を示す概略模式図である。 本発明の別の溶解処理装置を示す概略模式図である。 本発明の別の溶解処理装置を示す概略模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本発明を制限するものではない。
本明細書にて述べる溶解処理槽は、溶解液を貯留し、溶解処理物を浸漬させられるものであれば、特に限定されるものではない。
溶解処理物としては、特に限定されるものではないが、例えば熱硬化性樹脂硬化物を含む。熱硬化性樹脂硬化物としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物が挙げられる。熱硬化性樹脂硬化物は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂硬化物としては、後述する溶解液による分解効率の観点から、エポキシ樹脂硬化物及び不飽和ポリエステル樹脂硬化物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、エポキシ樹脂硬化物を含むことがより好ましい。
溶解処理物は、熱硬化性樹脂硬化物のほかに、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
溶解処理物は、例えば、熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、熱硬化性樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。溶解処理物には、未硬化の熱硬化性樹脂が含まれていてもよい。
溶解処理物がエポキシ樹脂硬化物を含む場合、溶解処理物は、例えば、エポキシ樹脂、硬化剤、及び必要に応じて硬化促進剤を含有する熱硬化性樹脂組成物を加熱し、エポキシ樹脂の少なくとも一部を硬化させることにより得られる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール化合物のジグリシジルエーテル化物、アルコール化合物のジグリシジルエーテル化物、これらのアルキル置換体、これらのハロゲン化物、これらの水素添加物等が挙げられる。エポキシ樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化剤としては、酸無水物、アミン化合物、フェノール化合物、イソシアネート化合物等が挙げられる。硬化剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、硬化剤としては酸無水物が好ましい。すなわち、処理対象物は、酸無水物硬化エポキシ樹脂を含むことが好ましい。酸無水物硬化エポキシ樹脂は、分子内にエステル結合を有し、後述する処理液を用いてより効率的に分解することができる。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、クロレンディック酸無水物、イタコン酸無水物、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、グリセロールトリストリメリテート三無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物等が挙げられる。酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤としては、イミダゾール化合物、第三級アミン化合物、第四級アンモニウム塩、有機リン化合物等が挙げられる。硬化促進剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
処理対象物は、無機材料を更に含むことが好ましい。無機材料としては、炭素、ガラス、金属、金属化合物等が挙げられる。また、無機材料の形状としては、繊維、粒子、箔等が挙げられる。繊維は、不織布状であっても織布状であってもよく、織布状の場合、繊維束を織って作製したクロス材であってもよく、繊維束を一方向に配列したUD(Uni-Direction)材であってもよい。無機材料は、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
溶解処理物は、無機材料の中でも、炭素繊維を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂硬化物を分解及び溶解することで、溶解処理物に含まれる炭素繊維を回収し、リサイクルに供することが可能となる。炭素繊維は、アクリル樹脂を原料とするものであってもよく、ピッチを原料とするものであってもよい。
炭素繊維を含む溶解処理物は、例えば、炭素繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、加熱することにより得られる。炭素繊維を含む溶解処理物は、熱硬化性樹脂が半硬化したBステージ状態のプリプレグであってもよく、熱硬化性樹脂が硬化したCステージ状態の硬化体(CFRP)であってもよい。
溶解液は、溶解処理物により変化させることができるが、例えば溶解処理物が前述したような熱硬化性樹脂であれば、アルカリ金属化合物とアルコール溶媒とを含有するものを用いることができる。溶解液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。
アルカリ金属化合物としては、熱硬化性樹脂硬化物を分解する触媒活性を有するものであれば特に制限されない。熱硬化性樹脂硬化物を分解する触媒活性の観点から、アルカリ金属化合物としては、アルカリ金属の水酸化物、ホウ水素化物、アミド化合物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、有機酸塩、及びこれらの水和物、アルコラート、フェノラートなどからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、2種以上を併用してもよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、コハク酸、シュウ酸等が挙げられる。
アルカリ金属化合物としては、熱硬化性樹脂硬化物を効率的に分解し、かつ、分解生成物中に含まれるアルカリ金属イオンの量をより低減する観点から、アルカリ金属のリン酸塩、有機酸塩、及び水酸化物からなる群より選択される少なくとも1種以上を含むことが好ましく、2種以上を併用してもよい。
アルカリ金属化合物の含有率は、熱硬化性樹脂硬化物の分解効率を向上させる観点から、合計量として、有機溶媒1000g中に0.01〜10.00mol、特に0.10〜5.00molの濃度で含まれていることが好ましく、0.30mol以上であることが更に好ましい。また、アルカリ金属化合物の含有率は、分解生成物の溶解性を高め、また、処理液の調製を容易にする観点から、処理液の全量に対して、5.00mol以下であることが好ましく、3.00mol以下であることがより好ましく、1.00mol以下であることが更に好ましい。
アルコール溶媒としては、特に制限されず、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、ドデカノール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、ジアセトンアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール(分子量200〜400)、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、グリセリン、ジプロピレングリコール等が挙げられる。アルコール溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶解液は、必要に応じて他の成分を更に含有していてもよい。他の成分としては、界面活性剤等が挙げられる。
溶解処理槽への溶解処理物の投入は、直接行っても、金網籠のようなバスケットに溶解処理物を投入し、バスケットとして溶解処理槽へと投入しても良い。
また、溶解処理物は、多くのものを積み重ねるのではなく、個々の溶解処理物の周囲に溶解液の流路ができるように、可能な限り独立させて配置することが好ましく、仕切板等を用いて個々の溶解処理物を独立配置することができる。
溶解処理装置は、溶解液を加熱する加熱手段を持つことができる。
加熱手段は、溶解液を常温(25℃)よりも加温又は保温し、溶解速度を高めることに用いられ、具体的には、溶解処理槽の内部又は周囲に熱媒又はヒーターを設置し、溶解液を加熱することができる。あるいは、溶解液を循環させている経路の途中にて、溶解液を熱交換器に循環させることで、間接的に加熱することもできる。加熱には、オイル、水、蒸気のような熱媒を用いて加熱してもよい。
溶解処理では、可燃性の溶媒を用いることから、安全を考え熱媒を用いた加熱が望ましい。また、加熱温度を100℃以上にできることから、オイルもしくは蒸気を用いることが望ましい。さらに、熱媒の体積変化が小さいことから、オイルを用いることが特に望ましい。
本明細書にて述べるろ過装置は、一次側(流入側)として溶解処理槽からの溶解液を流入させ、二次側(流出側)としてろ過した溶解液を流出させるものであり、クロスフロー方式のものであれば、他に限定されるものではない。
通常ろ過方式は、ろ過すべき液体の流れが、ろ過方向と同じになるデッドエンド方式と、ろ過すべき液体の流れが、ろ過方向と直交するクロスフロー方式とがあるが、本願発明では、クロスフロー方式としている。これにより、ろ過膜の目詰まりを減らし、メンテナンス作業を軽減することができる。
ろ過装置は、複数のろ過装置を直列、並列、又はその両方で配置してもよく、処理すべき液量により、自由に選択することができる。
ろ過装置は、先に述べたように、クロスフロー方式であれば、他に限定されるものではないが、限外ろ過膜を用いたものがより好ましい。
これは、限外ろ過膜の孔径が0.01〜0.001μmと比較的小さく、溶解した樹脂を十分に取り除くことが可能なためである。精密ろ過膜では、より孔径が大きいため、溶解した樹脂の透過割合が徐々に増えてしまう。一方、逆浸透膜(RO膜、NF膜)では、孔径が小さすぎることから、負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率が悪化しやすく、工業的プロセスに適用することが困難になってくる。
クロスフロー方式では、平均流速を0.1L/m/h以上、20L/m/h未満が望ましく、より望ましくは0.2L/m/h以上15L/m/h未満とすることが望ましく、0.5L/m/h以上10L/m/h未満とすることが最も望ましい。
平均流速が0.1L/m/h以上であれば、膜のつまりが少なく、安定した樹脂分離が可能である。また、平均流速が20L/m/h未満とすることで、ろ過による分離効率を高くすることができる。膜のつまりをより低減するためには、0.2L/m/h以上が望ましく、より好ましくは0.5L/m/h以上がもっとも適している。
さらに、平均流速が15L/m/h未満とすることで、系外に排出される樹脂の濃度をより高めることができ、より好ましくは、10L/m/h未満とすることが望ましい。
限外ろ過の分離では、分画分子量は10k(10000)以下が望ましく、より望ましくは5k以下で、もっとも好ましいのは3k程度である。分画分子量を10k以下とすることで、溶解液に溶解することが可能となる10k程度の樹脂を分離することが可能となる。溶解処理が進行することで、溶解液に溶解している樹脂の分解も進行することから分画分子量を5k以下とすることで、多少分解が進行した樹脂も除去することが可能である。さらに、分画分子量を3k以下とすることで、最小分子量の樹脂まで分離することが可能となる。
尚、限外ろ過ではないが、分画分子量が0.1k以下であれば負荷圧力が徐々に高くなり、また、分離効率も徐々に悪くなることから、工業的プロセスに適用することが困難になってくる。
また、限外ろ過の分離では、複数段フィルターを連結することで効率的にろ過することができる。さらに、分画分子量が異なるフィルターを用いて、1段目に分画分子量が大きい方のフィルターを用い、2段目以降に分画分子量が小さいフィルターを用いることで、より効率的にろ過することができる。
溶解法による樹脂の溶解では、反応性の高い溶解液を使用することから、化学的に安定な分離膜を使用することが必要である。樹脂膜の材料としては、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなど耐熱性と耐薬品性のフッ素樹脂が望ましい。また、セラミック膜の材料としては、アルミナ、チタニア(酸化チタン)、ジルコニアなど望ましい。さらに分画分子量が5k以下にすることができ、より分離効率がよいことからチタニアがもっとも望ましい。
また、溶解工程では加熱することがあり、特に150℃以上と高温で処理する場合には、樹脂膜の使用が難しくなる。そこで、クロスフロー方式の膜材料として、セラミックフィルターを用いることで、高温で溶解工程を行っても樹脂の分離を可能となる。
また、クロスフロー方式の限外ろ過では、樹脂を濃縮したろ過残渣液を系外に排出するが、時間経過とともに溶解液量が減少してしまう。そのため、系外に排出する量と同程度の溶解液で、樹脂を含まない溶解液を溶解処理槽に補充することで連続的に溶解することが可能となる。
本明細書にて述べる残渣液貯留槽は、先に述べたろ過装置にて発生するろ過残渣液を貯留するものであり、ろ過残渣液にて変形、溶解がない材質にて製造された貯留可能な容器であれば、他に限定されるものではない。
ろ過残渣液は、冷却することで溶解した樹脂が析出し、固化することがある。そのため、ろ過残渣液貯留槽自体を樹脂の固化温度以上に加熱保温することが望ましい。また、ろ過残渣液から蒸留等によってさらに溶媒を回収する場合には、ろ過残渣液を冷却せずに搬送することが望ましい。
本明細書にて述べる補充液槽は、循環する溶解液に対し、ろ過装置にてろ過残渣液として取り除かれる分を、補充するものであり、その内部には樹脂分を含まない溶解液を貯留させる。
補充するべき液量は、特に制限されるものではないが、循環液量を一定に保てることから、ろ過残渣液にて取り除かれた量と同等とすることが好ましい。
補充すべき溶解液の量は、溶解処理槽に液面計を設置し、液面高さが設定基準値未満になれば溶解液の補充を開始し、液面高さが設定基準値に復帰した時点で補充を停止させることで、制御することができる。
補充液槽は、先に述べた溶解処理槽と、移送配管を介して接続することもできるが、溶解液が溶解処理槽とろ過装置の間を循環している循環経路中に合流接続させることもできる。
本発明にて述べる受け槽は、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送するものであり、溶解液循環経路内の溶解液流量調整を行う。
具体的には、ろ過装置にてろ過残渣液として系外に排出された分の液を補充し、溶解処理槽へと返送するもので、受け槽内には常に循環させるべき溶解液が貯留されている。
受け槽の一次側は、溶解液の逆流を防ぐ目的で、受け槽内の液面よりも高いところに溶解液の流入口を配置し、縁切りすることが好ましい。
また、受け槽の二次側は、特に制限されるものではないが、ポンプを用いて溶解液を移送することが好ましい。
本発明にて述べる溶解処理方法は、溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備え、前記溶解処理槽での溶解処理と、ろ過装置でのろ過処理とを、同時に処理する。
本発明の溶解処理方法では、樹脂の溶解と溶解した樹脂の除去を同時に行うことでの樹脂の溶解処理を行う。
尚、ここで述べる「同時」とは、少なくとも樹脂の溶解を行っている時間と、溶解した樹脂の除去とを、同時に行う時間帯があることを意味し、全ての時間にわたって同じという意味ではない。
溶解液中の樹脂を溶解処理槽から除去することで、樹脂の分解がそれ以上進行しないことから、必要以上の触媒消費を低減することが可能となる。また、樹脂の溶解と溶解した樹脂の除去を同時に行うことで、溶解液に溶解する樹脂の濃度を低く保つことができる。その結果、樹脂の溶解速度の低下を抑制し、効率的な樹脂溶解が可能となる。
図1を用いて、本発明の溶解処理方法の一例を説明すると、溶解処理槽1は、行配管2及び戻り配管3にて、ろ過装置4と接続され、溶解液5を循環させるようになっている。
ろ過装置4は、限外ろ過膜6、7、8を直列に配管接続したもので、樹脂分を含んだ溶解液は、バルブ9、10、11の分配割合を切り替えることで、1つの限外ろ過膜を複数回通過ると共に、二次側の限外ろ過膜へと溶解液5を移送させる。
尚、限外ろ過膜6、7、8にて樹脂分をろ過された溶解液は、二次側の限外ろ過膜へと移送されずに、戻り配管3により溶解処理槽1へと返送される。
限外ろ過膜8にて発生したろ過残渣液は、残渣液貯留槽12へと移送され、循環経路外へと排出される。
更に、溶解処理槽1は、その外周部分にヒーター18を備えており、内部の溶解液の加温を行えるようになっている。
図2は、別の溶解処理方法の一例を示す。
図2に示すものは、先に述べた図1に示したものに、補充液槽14が追加されている。
補充液槽14は、ろ過装置4にてろ過残渣液として取り除かれる分を、補充するものであり、内部には樹脂分を含まない溶解液5が貯留される。
補充液槽14は、移送配管15により溶解処理槽1に接続されており、溶解処理槽1に設けられる液面計(図示省略)により、溶解処理槽1内の溶解液量が設定基準値未満になった際に、ポンプ16を作動させ、補充液槽14内の溶解液を、溶解処理槽1へと移送させる。この溶解液の移送は、溶解処理槽1内の溶解液量が設定基準値を満たした時点で、ポンプ16の作動を停止し、終了させる。
図3は、また別の溶解処理方法の一例を示す。
図3に示すものは、先に述べた図1に示したものに、受け槽17が追加されている。
受け槽17は、ろ過装置4から溶解処理槽1へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽1へと移送するものであり、溶解液循環経路内の溶解液流量調整を行っている。
また、受け槽17は、大気開放されており、限外ろ過膜8を通過した際に加圧された圧力を解放させている。
図4は、更に別の溶解処理方法の一例を示す。
図4に示すものは、先に述べた図3に示したものに、熱交換器19を追加し、ヒーター18を取り除いたものとなる。
図4に示すものでは、溶解処理槽1内の溶解液5を、循環配管20を通すことで、熱交換器19より加熱する。
図5は、また別の溶解処理方法の一例を示す。
図5に示すものは、先に述べた図4に示したものの中で、熱交換器の接続位置を変更している。
即ち、図5に示すものは、受け槽17から溶解処理槽1へと溶解液を戻す途中に、熱交換器19を配置してあり、溶解処理槽1とろ過装置4との循環経路内にて、溶解液の加温を行っており、配管を簡略化することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ベンジルアルコール300kgに乾燥した水酸化ナトリウムを2.4kg投入し、窒素ガスを10L/minでバブリングしながら190℃まで加熱し、樹脂を溶解するための事前調整液(樹脂分を含まない溶解液)の作製を行った。また、事前調整液のナトリウム濃度を中和滴定で測定したところ、0.20mol/kgであった。
溶解物には、10mm×40mmの大きさに切断したT300のトレカ(登録商標)プリプレグ(東レ株式会社製)、20kgを用いた。クロスフローの分離では、TAMI INDUSTRIES社製のセラミックフィルター(φ25×1178、23ch)を1段当たり12本並列に並べ、それを直列に3段つなげて接続した。分画分子量は、1段目にはMW=5000、2段目と3段目にはMW=3000を使用した。
実施例1では、図2に示すように、溶解物13のある溶解処理槽1に、事前調整液(樹脂分を含む前の溶解液)を140kg投入した。ろ過装置4で透過した溶解液5は、溶解処理槽1に戻しつつ、濃縮されたろ過残渣液は系外に排出するようにした。また、溶解処理槽1の液量が不足しないように排出速度に応じて、補充液槽14内の事前調整液を、移送配管15を介して溶解処理槽1へと移送させた。
尚、図2に示す溶解処理装置は、図1に示した溶解処理装置に、補充液槽14を追加したものとなっている。
次に熱媒油を溶解処理槽1の周りに循環させる(図示省略)ことで、溶解処理槽1を加熱(溶解液を間接加熱)しながら、クロスフロー方式で循環ろ過を行った。平均のろ過流量は4.0L/m/hとし、ろ過の圧力は、0.5〜1.0MPaとした。ろ過では、ろ過装置内のバルブ9、10、11を調節することで、ろ過装置4内の循環と溶解処理槽1からの供給比率を変更することができる。ろ過で樹脂濃度を濃縮した処理液の固形分濃度を30質量%以上とするようにバルブと圧力を調整することとした。
溶解処理槽1では、常温から60℃まで30分かけて加熱し、60℃で2時間保持した後、2.5時間かけて190℃にまで加熱した。その後190℃で3時間保持し、冷却を行った。溶解の間、濃縮したろ過残渣液30Lを系外に排出し、同時に30Lの事前調整液を溶解処理槽1に補充した。
その後、プリプレグ溶解後の炭素繊維を取り出したところ、溶解液の残量が132kg程度となり、炭素繊維とともに溶媒も溶解槽から持ち出されることから、事前調整液8.0kgを溶解処理槽1に補充した。
(2回目の溶解)
再度、プリプレグ20kgを溶解処理槽1に投入し、先程と同条件で処理を行った。ろ過では、1回目と同様に濃縮したろ過残渣液30Lを系外に排出し、同時に30Lの事前調整液を溶解処理槽に補充した。また、回収される炭素繊維ともに溶解処理槽から持ち出される事前調整液8.0kgを溶解槽に補充した。
(繰り返し)
2回目の溶解を繰り返し、3回目の溶解処理を実施した。同様にして、毎回プリプレグ20kgを事前調整液38kg(30kg+8kg)の補充を繰り返して、溶解処理を行った。
(溶解性評価)
溶解処理槽1から取り出した溶解1回目から3回目の炭素繊維の一部(各数g)をサンプリングし、溶解性の評価を行った。評価では、ベンジルアルコールの入ったビーカ(50mL)に炭素繊維1gを投入し、スパチュラで攪拌したのち、吸引ろ過を行った。その後、純水の入ったビーカ(50mL)に洗浄後の炭素繊維を投入し、スパチュラで攪拌したのち、再度吸引ろ過を行った。その後、乾燥機で220℃、30分間炭素繊維を乾燥させた。乾燥させた炭素繊維を顕微鏡で観察したところ、溶解1回目から3回目まで樹脂残りは観察されず、溶解処理が良好であることを確認した。
(樹脂溶液量比)
溶解1回目から3回目で、事前調整液を合計246kg使用した。この間、プリプレグを60kg溶解したことから、プリプレグの単位質量あたりの事前調整液の使用量比率は、4.1であった。
実施例1においては、溶解2回目と溶解3回目では、溶解開始時点で溶液中に樹脂が存在しない。そのため、溶解1回目と同様に、溶解3時間で樹脂の分解が完了したものと考えられる。
(比較例1)
事前調整液の作製は実施例1と同様の方法を用いて実施した。溶解物は、実施例1と同様、10mm×40mmの大きさに切断したT300のトレカ(登録商標)プリプレグ(東レ株式会社製)、20kgを用いた。
(1回目の溶解)
溶解物のある溶解処理槽に、事前調整液を170kg投入し、溶解処理槽を循環しながら加熱溶解処理を行った。溶解処理では、クロスフロー方式のろ過装置に接続していないこと以外は、実施例1と同様のステップで温度変化させて溶解処理を行った。具体的には、常温から60℃まで30分かけて加熱し、60℃で2時間保持した後、2.5時間かけて190℃にまで加熱した。その後190℃で3時間保持し、冷却を行った。
その後、プリプレグ溶解後の炭素繊維を取り出したところ、溶解液の残量が162kg程度となり、炭素繊維とともに溶液が8.0kg持ち出されていた。
(2回目の溶解)
実施例1では、溶解中に30kgの事前調整液を加えていることから、溶解液の残り162kgから30kgを抜取り、樹脂を含まない事前調整液38kgを溶解処理槽に補充した。次に、プリプレグ20kgを溶解処理槽に投入し、先程と同条件で処理を行った。
(繰り返し)
溶解2回目と同様に樹脂を含まない事前調整液38kgを溶解槽に補充した。その後、プリプレグ20kgを溶解槽に投入し、先程と同条件で溶解処理を行った。
(溶解性評価)
実施例1と同様に溶解処理槽から取り出した溶解1回目から3回目の炭素繊維の一部(各数g)をサンプリングし、溶解性の評価を行った。炭素繊維の洗浄および観察方法は実施例1と同様の方法を用いて行った。その結果、1回目では樹脂残りは見られなかったものの、2回目と3回目では繊維に樹脂残りが観察され、樹脂の溶解が完了していないことがわかった。このことから、溶解処理毎に処理廃液を蒸留する必要があることがわかった。
(樹脂溶液量比)
(溶解1回目から3回目で、実施例1と同様に、事前調整液を合計246kg使用した。しかし、溶解2回目と3回目でプリプレグに溶解残りが発生したことから、溶解が完了した溶解1回目分でプリプレグの単位重量あたりの事前調整液の使用量比率を計算する。)
溶解が完了した溶解1回目では、事前調整液を170kg使用して、プリプレグ20kgを溶解した。結果、プリプレグの単位重量あたりの事前調整液の使用量比率は、8.5であった。
比較例1では、溶解2回目および溶解3回目にて、溶解開始時点で溶液中に樹脂が存在していた。そのため、溶解3時間後には溶液中の樹脂濃度が溶解1回目よりも、高くなっていたと考えられる。溶解処理液中の樹脂濃度が高くなることで、樹脂の分解が阻害され、溶解効率が低下したと推察する。
1.溶解処理槽、2.行配管、3.戻り配管、4.ろ過装置、5.溶解液、6.限外ろ過膜、7.限外ろ過膜、8.限外ろ過膜、9.バルブ、10.バルブ、11.バルブ、12.残渣液貯留槽、13.溶解物、14.補充液槽、15.移送配管、16.ポンプ、17.受け槽、18.ヒーター、19.熱交換器、20.循環配管

Claims (14)

  1. 溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備えた、溶解処理装置。
  2. 請求項1において、更に、溶解処理槽に対して補充する、新たな溶解液を貯留する補充液槽を有する、溶解処理装置。
  3. 請求項2において、補充液槽が、溶解液の移送配管を介して溶解処理槽に接続される、溶解処理装置。
  4. 請求項1において、更に、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送する、受け槽を有する、溶解処理装置。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、更に、溶解液を加熱する加熱手段を有する、溶解処理装置。
  6. 請求項1〜5の何れかにおいて、ろ過装置が、限外ろ過膜を用いたものである、溶解処理装置。
  7. 請求項6において、限外ろ過膜が、セラミックフィルターである、溶解処理装置。
  8. 請求項7において、セラミックフィルターが、酸化チタン製である、溶解処理装置。
  9. 溶解液を貯留する溶解処理槽と、この溶解処理槽から溶解液を流入し、ろ過した溶解液を前記溶解処理槽へと返送するクロスフロー方式のろ過装置と、前記ろ過装置にてろ過されるろ過残渣液を貯留する残渣液貯留槽とを備え、前記溶解処理槽での溶解処理と、ろ過装置でのろ過処理とを、同時に処理する、溶解処理方法。
  10. 請求項9において、更に、溶解処理槽に対して補充する、新たな溶解液を貯留する補充液槽を有する、溶解処理方法。
  11. 請求項10において、補充液槽が、溶解液の移送配管を介して溶解処理槽に接続される、溶解処理方法。
  12. 請求項9において、更に、ろ過装置から溶解処理槽へと返送される溶解液を、その流路の途中で一旦貯留し、溶解処理槽へと移送する、受け槽を有する、溶解処理方法。
  13. 請求項9において、溶解処理槽へと返送される溶解液の量が、ろ過残渣として系外に取り除かれた液量を付加し、ろ過装置に流入させる量と同等にさせ、溶解処理槽内の溶解液量を一定に保つ、溶解処理方法。
  14. 請求項9〜13の何れかにおいて、更に、溶解液を加熱する加熱手段を有し、溶解液の加温又は保温を行いながら溶解処理を行う、溶解処理方法。
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