JP2018051146A - ダイレータおよび医療システム並びに処置方法 - Google Patents

ダイレータおよび医療システム並びに処置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】操作性が向上するダイレータおよび医療システム並びに処置方法を提供する。【解決手段】長尺なダイレータシャフト40と、ダイレータチップ30とを有するダイレータ20であって、ダイレータチップ30は、基端部32に位置してダイレータシャフト40の遠位部に連結可能な連結部34と、第1のルーメン38と、を有し、第1ルーメン38は、側孔37および先端の開口を連通する。【選択図】図3

Description

本発明は、生体組織の孔を広げるためのダイレータおよび医療システム並びに処置方法に関する。
心臓は、刺激伝導系と呼ばれる心筋組織に電流が流れることで、適切なタイミングで収縮および拡張を繰り返し、血液を循環させている。この刺激伝導系を流れる電気信号の発生や伝達が正常でなくなると、適切なタイミングで収縮および拡張ができなくなり、不整脈が生じる。
不整脈の治療のために、不整脈を引き起こす信号の伝導経路を、加熱または冷却によりアブレーションして遮断する方法が知られている。この治療方法を行うために、経皮的に左心房まで挿入し、肺静脈口に位置する信号の伝導経路をアブレーション可能なアブレーションカテーテルが知られている。このようなアブレーションカテーテルは、低侵襲で高い効果が得られるとして盛んに用いられている。
左心房でアブレーションを行うためには、右心房から心房中隔の卵円窩という肉薄な隔壁に針を刺して、右心房から左心房へ通じる孔を開ける、心房中隔穿刺(Brockenbrough法)という手技が必要となる。アブレーションを行うためには、右心房からこの孔に複数のデバイスを挿入し、左心房へ通す必要がある。左心房へ通す複数のデバイスは、例えば、肺静脈電位を検出するリングカテーテル、アブレーションを行うアブレーションカテーテルなどである。ところで、卵円窩の1つの穿刺孔に複数のデバイスを通すことは難しく、熟練を必要とする。また、前述の心房中隔穿刺により、複数の孔を形成することもできる。この場合、それぞれの穿刺孔に、デバイスを一本ずつ通すことができる。しかしながら、穿刺を複数回行うと、目標位置と異なる部位に誤穿刺する可能性が高まる。
特許文献1には、遠位側の端面と側面で開口するルーメンが形成されたガイドワイヤが記載されている。このガイドワイヤのルーメンには、側面から遠位側の端面へ針が貫通している。これにより、針を血管に穿刺した後、針に沿ってガイドワイヤを血管内に挿入することができる。この後、針をガイドワイヤのルーメンから引き抜き、生体外へ抜去できる。
米国特許第9205231号明細書
特許文献1に記載の方法は、針を血管に穿刺する際に、ガイドワイヤの遠位側の端面と側面で開口するルーメンに、針が既に保持されている。このため、この長尺な部材(ガイドワイヤ)が針の操作の妨げとなり、操作性が低下する可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、操作性が向上するダイレータおよび医療システム並びに処置方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するダイレータは、長尺なダイレータシャフトと、ダイレータチップと、を有し、前記ダイレータチップは、基端部に位置して前記ダイレータシャフトの遠位部に連結可能な連結部と、第1のルーメンと、を有し、前記第1ルーメンは、側孔および先端の開口を連通する。
上記目的を達成する医療システムは、生体内の生体組織の孔を広げるための医療システムであって、少なくとも1つの長尺なダイレータシャフトと、前記ダイレータシャフトの遠位部に連結可能な少なくとも1つのダイレータチップと、長尺な長尺体と、を有し、前記ダイレータチップは、基端部に位置して前記ダイレータシャフトに連結可能な連結部と、第1のルーメンと、を有し、前記第1のルーメンは、前記ダイレータチップの側孔および先端の開口を連通し、前記ダイレータチップは、前記第1のルーメンに貫通させた前記長尺体に沿って移動可能である。
上記目的を達成する処置方法は、上記の医療システムを使用して生体内の生体組織の孔を広げるための処置方法であって、前記ダイレータシャフトから分離している少なくとも1つの前記ダイレータチップの第1のルーメンに前記長尺体を貫通するステップと、前記長尺体の遠位部を生体内に挿入し、かつ生体組織の孔に挿入するステップと、体外に位置する前記ダイレータチップを前記ダイレータシャフトに連結してダイレータを形成するステップと、前記長尺体に沿って前記ダイレータを遠位側へ移動させ、当該ダイレータを前記生体組織の孔に挿入するステップと、を有する。
上記のように構成したダイレータおよび医療システム並びに処置方法は、ダイレータシャフトから分離したダイレータチップの第1のルーメンに長尺体を貫通させた状態を保持できる。さらに、第1のルーメンに長尺体を貫通させた状態で、ダイレータチップの連結部をダイレータシャフトに連結できる。これにより、ダイレータチップの第1のルーメンに長尺体を貫通させた状態で、長尺体を生体内に挿入した後に、ダイレータチップをダイレータシャフトに連結できる。このため、長尺体を生体内に挿入する際には、長尺体がダイレータチップを貫通していても、ダイレータシャフトがダイレータチップに連結されていないため、操作の妨げとならず、操作性が向上する。
実施形態に係る医療システムを示す平面図である。 シース組立体を示す断面図である。 実施形態に係る医療システムの各デバイスを組み合わせた状態を示す断面図である。 複数のダイレータチップを穿刺デバイスに保持した状態を示す平面図である。 穿刺デバイスを卵円窩に穿刺した状態を示す部分断面図である。 穿刺デバイスに沿ってシース組立体を左心房へ挿入した状態を示す部分断面図である。 左心房へ挿入したシース組立体を穿刺デバイスから離脱させた状態を示す部分断面図である。 左心房へ複数のシース組立体を挿入した状態を示す部分断面図である。 左心房へ挿入した複数のシース組立体にガイドワイヤを挿入した状態を示す部分断面図である。 左心房へ挿入した複数の外シースからダイレータを抜去した状態を示す部分断面図である。 医療システムの第1の変形例を示す断面図であり、(A)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結する前の状態、(B)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結した状態を示す。 医療システムの第2の変形例を示す断面図であり、(A)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結する前の状態、(B)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結した状態を示す。 医療システムの第3の変形例を示す断面図であり、(A)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結する前の状態、(B)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結した状態を示す。 医療システムの第4の変形例を示す平面図であり、(A)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結する前の状態、(B)はダイレータチップをダイレータシャフトに連結した状態を示す。 医療システムの変形例を示す断面図であり、(A)は第5の変形例、(B)は第6の変形例を示す。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の寸法比率は、説明の都合上、誇張されて実際の比率とは異なる場合がある。本明細書では、デバイスの血管に挿入する側を「遠位側」、操作する手元側を「近位側」と称することとする。
本発明の実施形態に係る医療システム10は、右心房Rから心房中隔の卵円窩Oに孔を形成し、右心房Rから左心房Lへ通じる複数のアクセスルートを設けるために用いられる(図10を参照)。卵円窩Oに複数のアクセスルートがある場合、経皮的に大静脈に挿入した複数のデバイスを右心房Rへ導いた後、左心房へ容易に挿入できる。複数のデバイスは、例えば、アブレーションカテーテル、リングカテーテル等である。
本実施形態に係る医療システム10は、図1〜3に示すように、ダイレータ20と、外シース50と、穿刺デバイス60とを備えている。ダイレータ20および外シース50は、必要に応じて複数設けられる。
穿刺デバイス60は、卵円窩Oに孔を開けるためのデバイスである。穿刺デバイス60は、長尺なシャフト部62と、シャフト部62の遠位側端部に設けられる鋭利な穿刺部61と、操作部63(近位側構造部)とを備えている。操作部63は、穿刺デバイス60を把持して操作する部位である。操作部63は、シャフト部62の近位部が連結される。操作部63は、シャフト部62の軸心と垂直な断面において、シャフト部62の外径よりも大きい。なお、穿刺デバイス60は、鋭利な穿刺部61を備えなくてもよい。したがって、穿刺デバイス60は、高周波電流、電磁波、レーザ、冷却等を利用して生体組織を焼灼して穿刺する穿刺部61を備えてもよい。この場合、操作部63は、エネルギーを供給する外部装置にケーブル等で接続される。
シャフト部62の外径は、特に限定されないが、例えば0.4〜1.5mmである。シャフト部62の軸方向の長さは、特に限定されないが、例えば500〜1100mmである。
ダイレータ20は、穿刺デバイス60により形成される卵円窩Oの孔を広げるために用いられる。ダイレータ20は、遠位側に位置するダイレータチップ30と、ダイレータチップ30の近位側に位置するダイレータシャフト40とを備えている。
ダイレータシャフト40は、外径が略一定の管体である長尺なシャフト部41と、シャフト部41の近位側に位置するシャフト近位部42とを備えている。シャフト部41は、遠位部にダイレータチップ30と連結するシャフト側連結部43を備えている。シャフト側連結部43は、シャフト部41の遠位側の端面に形成される、近位側へ窪んだ雌ねじである。シャフト近位部42は、外周面に、Yコネクタと連結可能な雄コネクタ44を備えている。
また、ダイレータシャフト40は、穿刺デバイス60を移動可能に収容する第3のルーメン45が形成されている。第3のルーメン45は、ダイレータシャフト40を軸方向へ貫通している。第3のルーメン45の遠位部は、シャフト側連結部43で開口している。
第3のルーメン45は、遠位側に位置する遠位側ルーメン45Aと、遠位側ルーメン45Aよりも内径の大きい近位側ルーメン45Bと、遠位側ルーメン45Aと近位側ルーメン45Bの間で内径が変化する中央ルーメン45Cを備えている。近位側ルーメン45Bの内径は、挿入するガイドワイヤの外径よりも十分に大きい。このため、近位側ルーメン45Bに挿入したガイドワイヤは、ダイレータシャフト40の内周面に沿って滑らかに移動可能である。中央ルーメン45Cは、遠位側ルーメン45Aを通るガイドワイヤを、近位側ルーメン45Bへ円滑に誘導する。ガイドワイヤとダイレータシャフト40の内壁面のクリアランスは、近位側ルーメン45Bよりも遠位側ルーメン45Aで小さい。このため、遠位側ルーメン45Aの内径は、ガイドワイヤと接触しつつ摺動可能な内径である。したがって、近位側ルーメン45Bから遠位側ルーメン45Aへ、ガイドワイヤや穿刺デバイス60を押し込みやすい。さらに、ダイレータ20は、遠位側ルーメン45Aを移動する穿刺デバイス60のダイレータ20からの突出長を正確に規定できる。なお、ダイレータシャフト40の内径は、軸方向に沿って一定でもよい。
ダイレータシャフト40は、外力が作用しない自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったダイレータ曲げ部48を有する。ダイレータ曲げ部48は、右心房Rに挿入したダイレータ20の遠位側の端部を、卵円窩Oへ向ける役割を果たす。ダイレータシャフト40の近位部に対するダイレータ曲げ部48の角度β1は、特に限定されないが、例えば10〜70度、より好ましくは20〜60度、さらに好ましくは30〜50度である。
ダイレータチップ30は、遠位側の先端部31と、近位側の基端部32とを備えている。先端部31は、遠位側に向かってテーパ状に減少する外径を有している。先端部31の中心軸に対する傾斜角度α1は、適宜設定されるが、例えば1〜20度、より好ましくは3〜15度、さらに好ましくは5〜10度である。基端部32は、シャフト側連結部43と連結可能な連結部34と、連結部34よりも遠位側の中間部33を有している。中間部33は、シャフト部41と同一の外径を有する管体である。連結部34は、基端部32の近位側の端面に形成される、近位側へ突出する雄ねじである。雄ねじである連結部34は、雌ねじであるシャフト側連結部43に対して回転することで、螺合して連結可能である。
また、ダイレータチップ30は、先端ルーメン35と、基端ルーメン36と、側孔37とが形成されている。先端ルーメン35は、ダイレータチップ30の遠位側の端部で開口する。基端ルーメン36は、ダイレータチップ30の近位側の端部で開口する。先端ルーメン35および基端ルーメン36は、ダイレータチップ30の軸方向に沿って連続して形成される。側孔37は、中間部33の外周面に開口する。側孔37は、先端ルーメン35と基端ルーメン36の間に連通している。側孔37および先端ルーメン35は、穿刺デバイス60およびガイドワイヤを収容可能な第1のルーメン38を構成する。基端ルーメン36は、第1のルーメン38に連通する第2のルーメン39を構成する。第2のルーメン39は、ガイドワイヤを収容可能である。複数のダイレータチップ30を準備し、側孔37から第1のルーメン38へ穿刺デバイス60を順次挿入することができる。これにより、図4に示すように、操作部63の遠位側に位置するシャフト部62に、複数のダイレータチップ30を保持できる。側孔37は、ダイレータ曲げ部48の曲がる方向と反対側に位置する。これによって、穿刺デバイス60を生体組織に穿刺する際に、抵抗を小さく穿刺することができる。側孔37は、連結部34よりも先端側に位置する。側孔37は、ダイレータチップ30の基端部に位置する。側孔37の内径は、先端ルーメン35の内径よりも大きい。
図3に示すように、ダイレータチップ30の連結部34が、シャフト部41のシャフト側連結部43に連結されると、中間部33の外周面は、シャフト部41の外周面と段差なく滑らかに連続する。このため、ダイレータ20の外周面が、外シース50の内周面や生体組織に対して滑らかに摺動できる。さらに、連結部34がシャフト側連結部43に連結されると、第2のルーメン39が、第3のルーメン45と段差なく滑らかに連通する。このため、ダイレータ20に挿入されるガイドワイヤ等が、ダイレータ20の内部を円滑に移動できる。
ダイレータシャフト40の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜1000mm、より好ましくは500〜900mm、さらに好ましくは600〜800mmである。ダイレータチップ30の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば15〜50mm、より好ましくは20〜40mm、さらに好ましくは25〜30mmである。ダイレータシャフト40およびダイレータチップ30の外径は、適宜設定されるが、例えば2〜6mm、より好ましくは2〜5mm、さらに好ましくは2〜4mmである。遠位側ルーメン45A、先端ルーメン35および基端ルーメン36の内径は、適宜設定されるが、例えば0.5〜1.5mm、より好ましくは0.6〜1.2mm、さらに好ましくは0.7〜0.9mmである。ダイレータ20の遠位側端部からダイレータ曲げ部48までの長さは、適宜設定されるが、例えば350〜950mm、より好ましくは450〜850mm、さらに好ましくは550〜750mmである。
ダイレータ20の構成材料は、可撓性を有することが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド、形状記憶合金、ステンレス、タンタル、チタン、プラチナ、金、タングステンなどの金属などが好適に使用できる。また、ダイレータ20は、X線造影性材料や超音波造影性材料を含んでもよい。
外シース50は、図1〜3に示すように、アブレーションカテーテル等のデバイスのアクセスルートを提供する。外シース50は、シース本体51と、シース本体51の近位部に連結されるハブ54と、ハブ54に連通するポート部56と、ハブ54の内部の弁体55とを有している。
シース本体51は、ダイレータ20を軸方向へ移動可能に収容する長尺な管体である。シース本体51は、ダイレータ20と円滑に摺動する内周面を有する。シース本体51は、自然状態において、遠位部に所定の角度で曲がったシース曲げ部52を有する。シース曲げ部52は、右心房Rに挿入した外シース50の遠位側の端部を、卵円窩Oへ向ける役割を果たす。シース本体51の近位部に対するシース曲げ部52の角度β2は、特に限定されないが、例えば10〜180度、より好ましくは30〜150度、さらに好ましくは45〜135度である。
シース本体51は、遠位側端部に、遠位側に向かってテーパ状に縮径するシーステーパ部53を有している。シース本体51の内腔は、シーステーパ部53の最も縮径した端部で開口している。シーステーパ部53の中心軸に対する傾斜角度α2は、適宜設定されるが、例えば1〜15度、より好ましくは2〜10度、さらに好ましくは3〜7度である。外シース50にダイレータ20を挿入したシース組立体80において、シーステーパ部53は、ダイレータ20の側孔37よりも近位側に位置する。これにより、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40に連結しても、側孔37に穿刺デバイス60が入り込んだ状態を維持できる。シース本体51の内周面は、ダイレータ20の外周面が摺動可能に接するように、ダイレータ20の外周面との間にクリアランスを有することが好ましい。
シース本体51は、その全長にわたってダイレータ20が貫通可能である。したがって、シース本体51の軸方向の長さは、ダイレータ20よりも短い。シース本体51の軸方向の長さは、適宜設定されるが、例えば400〜1000mmである。シース本体51の外径は、適宜設定されるが、例えば2〜5mmである。シース本体51の内径は、適宜設定されるが、例えば1.5〜4mmである。シース本体51の内周面と、ダイレータ20の外周面との間のクリアランスは、適宜設定されるが、例えば0.1〜0.5mmである。
シース本体51の構成材料は、可撓性がある材質であることが好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ETFE等のフッ素系ポリマー、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミドなどが好適に使用できる。
ハブ54は、シース本体51の近位部に設けられ、シース本体51の内腔と連通する。ハブ54には、ダイレータ20が貫通する。ポート部56は、ハブ54に連結され、ハブ54の内腔を介してシース本体51の内腔と連通する。ポート部56は、端部に三方活栓57を有している。三方活栓57にシリンジ等を接続することで、シース本体51の内腔をプライミングしたり、シース本体51に造影剤や薬剤等を注入したりすることができる。
弁体55は、ハブ54およびシース本体51の内腔を封止するための部材である。弁体55は、柔軟に変形可能であり、ハブ54の内周面に配置される。弁体55は、ダイレータ20の外周面と摺動可能に接触する。また、弁体55は、ダイレータ20が挿入された状態で、弾性力によりダイレータ20を押圧し、ダイレータ20と外シース50を固定することができる。なお、弁体55で固定されても、ダイレータ20と外シース50を把持して力を作用させることで、軸方向へ相対的に移動させることは可能である。また、ダイレータ20をハブ54から引き抜くことで、弁体55のダイレータ20が挿入された孔部は閉じ、ハブ54の内腔を近位側から封止する。弁体55は、例えば円盤状の弾性体の中央に切れ目を入れた部材である。弾性体は、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、各種エラストマー等である。弁体55は、ダイレータ20の抜き差しを許容しつつ、外シース50を介して血液が漏れることを抑制するとともに、体内へ空気が混入することを抑制する。
ダイレータ20および外シース50は、組み合わされることでシース組立体80を構成する。ダイレータ20および外シース50を組み合わせた状態において、ダイレータ曲げ部48およびシース曲げ部52の位置、曲げ方向および曲げ角度は、一致または略一致することが好ましい。これにより、ダイレータ20および外シース50の遠位部が、右心房R内で卵円窩Oへ向くことができる。
次に、実施形態に係る医療システム10を用いて、卵円窩Oに孔を開けてアブレーションカテーテル等の複数のデバイスのためのアクセスルートを設ける方法を説明する。
始めに、複数のダイレータチップ30を準備し、各々のダイレータチップ30の側孔37から第1のルーメン38に穿刺デバイス60の穿刺部61を挿入する。これにより、図4に示すように、操作部63の遠位側に、第1のルーメン38にシャフト部62を通された複数のダイレータチップ30が配置される。また、ダイレータチップ30と同数のダイレータシャフト40および外シース50も準備する。各々のダイレータチップ30の先端部31は、遠位側を向いている。本実施形態では、シャフト部62は、アブレーションカテーテルやリングカテーテル等のアクセスルートを確報するために、3つのダイレータチップ30を保持する。なお、シャフト部62に保持されるダイレータチップ30の数は、手技によって適宜設定されればよく、1つ以上であればよい。穿刺デバイス60は、近位部に操作部63が設けられる。操作部63は、シャフト部62の軸心と垂直な断面において、シャフト部62の外径よりも大きい。さらに、操作部63は、ダイレータチップ30の第1のルーメン38を通り抜け不能である。したがって、シャフト部62をダイレータチップ30の第1のルーメン38に通すには、シャフト部62の遠位側の端部から通す必要がある。このため、穿刺デバイス60の遠位部を生体管腔内に挿入した後には、シャフト部62に保持されるダイレータチップ30を補充することはできない。したがって、穿刺デバイス60を生体管腔内に挿入する前に、必要となる数のダイレータチップ30を、予めシャフト部62に配置することが好ましい。ダイレータチップ30が、ダイレータシャフト40から分離されているため、穿刺デバイス60に保持されていても、操作の妨げとなり難い。また、シャフト部62は、側孔37および先端ルーメン35からなる第1のルーメン38の内部の湾曲により曲がっているか、第1のルーメン38の湾曲の負荷が掛かっているため(図3を参照)、ダイレータチップ30は、穿刺デバイス60を操作する際にシャフト部62に沿って必要以上に移動せず、操作の妨げとなり難い。
次に、大腿静脈に針を穿刺し、この針の中にショートガイドワイヤを挿入する。次に、針を抜去し、ショートガイドワイヤに沿って、カテーテルイントロデューサーを血管内に挿入する。この後、穿刺デバイス60を、カテーテルイントロデューサーに挿入し、右心房Rに到達させる。
次に、心腔内心エコーカテーテル(ICE:Intra cardiac echo catheter)により右心房R内を観察しつつ、図5に示すように、穿刺デバイス60の穿刺部61を卵円窩Oに当接させる。
次に、外シース50の内部に近位側からダイレータシャフト40を挿入する。続いて、シャフト部62に沿って最も遠位側に位置するダイレータチップ30の連結部34を、ダイレータシャフト40のシャフト側連結部43に連結する。これにより、図3に示すように、第1のルーメン38にシャフト部62が貫通したシース組立体80が得られる。
次に、シャフト部62に沿ってシース組立体80を遠位側へ移動させ、カテーテルイントロデューサーから血管内へ挿入する。続いて、シース組立体80をさらに遠位側へ移動させ、穿刺デバイス60とともに押すことで卵円窩Oを穿刺し、卵円窩Oに孔を形成する。穿刺部61とダイレータ20の先端部31は、卵円窩Oを通過して左心房Lへ到達する。この後、さらにシース組立体80を遠位側へ移動させる。これにより、図6に示すように、ダイレータ20の先端部31および外シース50のシーステーパ部53が、卵円窩Oの孔を押し広げつつ卵円窩Oを通過し、左心房Lに到達する。このとき、外シース50およびダイレータ20の遠位部が曲がっているため、ダイレータ20の遠位側の端部が、卵円窩Oへ向きやすい。また、先端部31およびシーステーパ部53が、遠位側へ縮径しているため、卵円窩Oの孔を滑らかに広げることができる。さらにシース組立体80を穿刺デバイス60に対して相対的に遠位側へ移動させると、穿刺部61が第1のルーメン38を通り、側孔37から抜ける。これにより、図7に示すように、シース組立体80が、穿刺デバイス60から離脱する。
次に、他の外シース50およびダイレータシャフト40を準備する。次に、外シース50の内部に近位側からダイレータシャフト40を挿入する。続いて、体外でシャフト部62に保持されて最も遠位側に位置するダイレータチップ30の連結部34を、ダイレータシャフト40のシャフト側連結部43に連結する。これにより、図3に示すように、第1のルーメン38にシャフト部62が貫通した2つ目のシース組立体80が得られる。この後、1つ目のシース組立体80と同様に、2つ目のシース組立体80を血管内に押し込む。これにより、2つ目のシース組立体80が卵円窩Oを通過し、左心房L内で穿刺デバイス60から離脱する。このとき、穿刺デバイス60は、1つ目のシース組立体80の第1のルーメン38から抜けているため、2つ目のシース組立体80が、左心房L内で穿刺デバイス60から離脱できる。
さらに、3つ目のダイレータチップ30においても、2つ目のダイレータチップ30と同様の操作を繰り返す。これにより、3つ目のシース組立体80が卵円窩Oを通過し、左心房L内で穿刺デバイス60から離脱する。このため、図8に示すように、3つのシース組立体80の遠位部が、卵円窩Oの孔を通って左心房Lに到達した状態となる。
次に、穿刺デバイス60を、体外へ抜去する。次に、図9に示すように、ダイレータ20の近位側の開口部から、ガイドワイヤ90を挿入する。ガイドワイヤ90は、ダイレータ20の第3のルーメン45から、第2のルーメン39および第1のルーメン38(図3を参照)を通って、左心房Lへ到達する。ダイレータ20のルーメンを介することで、ガイドワイヤ90を左心房Lへ到達させることが容易である。
次に、図10に示すように、全ての外シース50およびガイドワイヤ90が卵円窩Oの孔を通過した状態で維持しつつ、全てのダイレータ20を体外へ抜去する。ダイレータ20により広げられた卵円窩Oの孔は、外シース50により維持される。外シース50からダイレータ20を抜去すると、弁体55が閉じ、血液の漏えいや、血管内への空気等の混入を抑制できる。なお、ダイレータ20を外シース50から抜去した後に、外シース50にガイドワイヤ90を挿入し、ガイドワイヤ90を左心房Lへ到達させてもよい。
この後、3つの外シース50を通る3つのガイドワイヤ90に沿って、アブレーションカテーテル、リングカテーテル等を挿入する(図示せず)。これにより、卵円窩Oを貫通する複数の外シース50を利用して、複数のデバイスを左心房Lへ容易に挿入できる。左心房Lでのアブレーションが完了した後、各デバイスを外シース50から体外に抜去する。さらに、外シース50を抜去すると、卵円窩Oの孔が収縮する。これにより、手技が完了する。
以上のように、本実施形態におけるダイレータ20は、長尺なダイレータシャフト40と、ダイレータチップ30と、を有し、ダイレータチップ30は、基端部32に位置してダイレータシャフト40の遠位部に連結可能な連結部34と、第1のルーメン38と、を有し、第1ルーメン38は、側孔37および先端の開口を連通する。
上記のように構成したダイレータ20は、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40から分離し、第1のルーメン38に穿刺デバイス60(長尺体)を貫通させた状態を保持できる。さらに、第1のルーメン38に穿刺デバイス60を貫通させた状態で、連結部34をダイレータシャフト40に連結できる。このため、ダイレータチップ30の第1のルーメン38に穿刺デバイス60を貫通させた状態で、穿刺デバイス60を生体内に挿入した後に、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40に連結できる。このため、穿刺デバイス60を生体内に挿入する際には、穿刺デバイス60がダイレータチップ30を貫通していても、ダイレータシャフト40がダイレータチップ30に連結されていないため、操作の妨げとならず、操作性が向上する。そして、ダイレータチップ30にダイレータシャフト40を連結して形成したダイレータ20を生体内に挿入して、卵円窩O(生体組織)の孔を広げることができる。さらに、第1のルーメン38は、中間部33で開口している。このため、ダイレータ20を穿刺デバイス60に沿って押し込むと、穿刺デバイス60の遠位側の端部が、第1のルーメン38から抜けることができる。これにより、ダイレータ20は、穿刺デバイス60から離脱できる。このため、複数のダイレータ20を、穿刺デバイス60に沿って卵円窩Oの孔に挿入できる。
また、側孔37は、ダイレータチップ30の基端部32に位置する。これにより、ダイレータチップ30の先端部31と基端部32の間の第1のルーメン38に、穿刺デバイス60を無理なく通すことができる。
また、ダイレータチップ30は、基端部32で開口し、かつ第1のルーメン38に連通する第2のルーメン39が形成されている。これにより、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40と連結することで、ダイレータチップ30およびダイレータシャフト40からなるダイレータ20を貫通するルーメンを形成できる。このため、ダイレータ20の近位側からガイドワイヤを挿入し、ガイドワイヤ90を目的の位置へ容易に挿入できる。また、第2のルーメン39が、第1のルーメン38に連通するため、目的の異なる2つのルーメンの一部を、共用できる。このため、ダイレータチップ30の遠位側の端部を小径とすることができる。したがって、ダイレータチップ30が卵円窩Oの孔に入りやすくなり、生体への負担を低減できる。
また、連結部34は、ダイレータシャフト40に対して回転させることで連結される。これにより、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40に対して容易に連結でき、操作性が向上する。
また、ダイレータチップ30の先端部31は、遠位側へ向かって外径が小さくなる。これにより、ダイレータ20を卵円窩Oの孔へ円滑に押し込むことができる。
また、本実施形態に係る医療システム10は、生体内に挿入されて卵円窩O(生体組織)の孔を広げるための医療システム10であって、長尺な少なくとも1つのダイレータシャフト40と、ダイレータシャフト40の遠位部に連結可能な少なくとも1つのダイレータチップ30と、長尺な穿刺デバイス60(長尺体)と、を有し、ダイレータチップ30は、基端部32に位置してダイレータシャフト40の遠位部に連結可能な連結部34と、第1のルーメン38と、を有し、第1ルーメン38は、ダイレータチップ30の側孔37および先端の開口を連通し、ダイレータチップ30は、第1のルーメン38に貫通させた穿刺デバイス60に沿って移動可能である。
上記のように構成した医療システム10は、ダイレータシャフト40から分離した少なくとも1つのダイレータチップ30の第1のルーメン38に、穿刺デバイス60を貫通させた状態を保持できる。さらに、第1のルーメン38に穿刺デバイス60を貫通させた状態で、連結部34をダイレータシャフト40に連結できる。このため、ダイレータチップ30の第1のルーメン38に穿刺デバイス60を貫通させた状態で、穿刺デバイス60を生体内に挿入した後に、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40に連結できる。このため、穿刺デバイス60を生体内に挿入する際には、穿刺デバイス60がダイレータチップ30を貫通していても、ダイレータシャフト40が操作の妨げとならず、操作性が向上する。そして、ダイレータチップ30にダイレータシャフト40を連結してダイレータ20を形成し、ダイレータ20を生体内に挿入して、卵円窩Oの孔を広げることができる。さらに、第1のルーメン38は、中間部33で開口している。このため、ダイレータ20を穿刺デバイス60に沿って押し込むと、穿刺デバイス60の遠位側の端部が、第1のルーメン38から抜けることができる。これにより、ダイレータ20は、穿刺デバイス60から離脱できる。したがって、穿刺デバイス60が貫通するダイレータチップ30が複数設けられる場合には、先に生体内に挿入されたダイレータ20が、後から挿入されるダイレータ20の妨げとならない。このため、複数のダイレータ20を、卵円窩Oの1つの孔へ容易に挿入できる。したがって、アブレーションカテーテル等の複数のデバイスのための複数のアクセスルートを容易に確保でき、作業効率を高めることができる。また、一度の穿刺で、複数のアクセスルートを確保できるため、安全性が高い。
また、ダイレータチップ30は、基端部32で開口し、かつ第1のルーメン38に連通する第2のルーメン39が形成され、ダイレータシャフト40は、ダイレータチップ30と連結することで第2のルーメン39と連通する第3のルーメン45が形成されており、第3のルーメン45は、ダイレータシャフト40の近位部で開口している。これにより、ダイレータチップ30をダイレータシャフト40と連結することで、ダイレータシャフト40からダイレータチップ30に連通するルーメンを形成できる。このため、ダイレータ20の第3のルーメン45の近位側からガイドワイヤを挿入することで、ガイドワイヤ90を目的の位置へ容易に挿入できる。
また、穿刺デバイス60は、長尺なシャフト部62と、シャフト部62の近位部に連結される操作部63(近位構造部)と、を有し、操作部63は、シャフト部62の軸心と垂直な断面において、シャフト部62の外径よりも大きい。これにより、穿刺デバイス60の近位側の端部を、ダイレータチップ30の第1のルーメン38に挿入できない。したがって、穿刺デバイス60を生体内に挿入する前に、穿刺デバイス60の遠位側の端部をダイレータチップ30の第1のルーメン38に挿入し、少なくとも1つのダイレータチップ30の第1のルーメン38に、穿刺デバイス60を貫通させた状態とすることができる。これにより、穿刺デバイス60の遠位部を生体内に挿入した後に、穿刺デバイス60の近位側に操作部63があっても、既にシャフト部62が貫通しているダイレータチップ30にダイレータシャフト40を連結してダイレータ20を形成し、生体内に挿入できる。
また、穿刺デバイス60(長尺体)は、シャフト部62の遠位部に、卵円窩O(接触対象)に孔を形成することが可能な鋭利である、またはエネルギーを出力する穿刺部61が設けられる。これにより、穿刺部61により卵円窩Oに孔を形成した後、シャフト部62に沿って、卵円窩Oに形成した1つの孔に、少なくとも1つのダイレータ20を挿入できる。このため、少なくとも1つのダイレータ20を、卵円窩Oの1つの孔へ容易に挿入でき、作業性が高い。したがって、アブレーションカテーテル等の複数のデバイスのための複数のアクセスルートを容易に確保でき、作業効率を高めることができる。また、一度の穿刺で、複数のアクセスルートを確保できるため、安全性が高い。
また、本発明は、上述の医療システム10を使用して生体内の卵円窩O(生体組織)の孔を広げるための処置方法(治療方法)をも含む。当該処置方法は、ダイレータシャフト40から分離している少なくとも1つのダイレータチップ30の第1のルーメン38に穿刺デバイス60(長尺体)を貫通するステップと、穿刺デバイス60の遠位部を生体内に挿入し、かつ卵円窩Oの孔に挿入するステップと、体外に位置するダイレータチップ30をダイレータシャフト40に連結してダイレータ20を形成するステップと、穿刺デバイス60に沿ってダイレータ20を遠位側へ移動させ、当該ダイレータ20を卵円窩Oの孔に挿入するステップと、を有する。
上記のように構成した処置方法は、穿刺デバイス60を生体内に挿入する際には、ダイレータチップ30がダイレータシャフト40から分離されているため、ダイレータシャフト40が操作の妨げとならず、操作性が向上する。そして、ダイレータチップ30にダイレータシャフト40を連結し、生体内に挿入して、卵円窩Oの孔を広げることができる。このため、少なくとも1つのダイレータ20を、卵円窩Oの1つの孔へ容易に挿入でき、作業性が高い。したがって、アブレーションカテーテル等の複数のデバイスのための複数のアクセスルートを容易に確保でき、作業効率を高めることができる。また、一度の穿刺で、複数のアクセスルートを確保できるため、安全性が高い。
なお、本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において当業者により種々変更が可能である。例えば、上述した医療システム10は、卵円窩O以外の生体内の生体組織の孔に、複数の線状体を挿入するために用いられてもよい。生体組織の孔は、穿刺して形成された孔に限定されず、元から生体組織に存在する孔であってもよい。孔を形成する生体組織は、例えば、塞栓された血管等である。このため、医療システム10は、穿刺デバイス60を有さなくてもよい。したがって、第1のルーメン38を通る長尺体は、穿刺デバイス60でなくてもよく、例えばガイドワイヤであってもよい。また、本実施形態において、穿刺デバイス60およびダイレータ20は、生体組織の孔を貫通するが、完全に貫通しなくてもよい。すなわち、生体組織の孔の形状や行う手技によっては、穿刺デバイス60およびダイレータ20は、孔を貫通するのではなく、孔の内部に到達してもよい。この場合、孔の内部に、複数のデバイスを導くことができる。
また、図11(A)に示す第1の変形例のように、ダイレータチップ100の連結部101は、外径が近位側へテーパ状に減少する外周面を有してもよい。ダイレータシャフト110のシャフト側連結部111は、連結部101の外周面に対応して、近位側へ内径が減少する内周面を有する。このため、図11(B)に示すように、シャフト側連結部111に連結部101を近接させて押し込むだけで、連結部101がシャフト側連結部111に嵌合する。これにより、ダイレータチップ100とダイレータシャフト110が連結される。したがって、ダイレータチップ100をダイレータシャフト110に対して容易に連結でき、操作性が向上する。なお、前述の実施形態と同様の機能を有する部位には、同一の符号を付し、説明を省略する。
また、図12(A)に示す第2の変形例のように、ダイレータチップ120の連結部121およびダイレータシャフト130のシャフト側連結部131は、磁力によって互いに引き合う磁性体122、132を有してもよい。磁性体122、132の少なくとも一方は、磁性を帯びている。これにより、図12(B)に示すように、シャフト側連結部131に連結部121を近接させて押し込むだけで、2つの磁性体122、132が引き合い、ダイレータチップ120およびダイレータシャフト130を強固に連結できる。このため、ダイレータチップ120をダイレータシャフト130に対して容易かつ強固に連結でき、ダイレータチップ120の予期しない脱落が抑制される。このため、操作性および安全性が向上する。
また、図13(A)に示す第3の変形例のように、ダイレータチップ140の連結部141は、外径が近位側へ向かって減少するテーパ部142と、テーパ部142の遠位側に外径が段差状に減少する引っ掛かり部143を有してもよい。ダイレータシャフト150のシャフト側連結部151は、内径が近位側へ向かって減少する誘導部152と、誘導部152の近位側に内径が段差状に増加する固定部153を有する。これにより、図13(B)に示すように、シャフト側連結部151に連結部141を近接させて押し込むだけで、テーパ部142が誘導部152に誘導される。この後、テーパ部142および誘導部152が弾性的に変形しつつ、テーパ部142が誘導部152を超えて固定部153に入り込む。これにより、引っ掛かり部143が固定部153に引っ掛かり、ダイレータチップ140およびダイレータシャフト150を強固に連結できる。このため、ダイレータチップ140をダイレータシャフト150に対して容易かつ強固に連結でき、ダイレータチップ140の予期しない脱落が抑制される。このため、操作性および安全性が向上する。
また、図14(A)に示す第4の変形例のように、ダイレータチップ160の連結部161は、近位側へ向かって延在する外周面162に、径方向の外側へ突出する少なくとも1つの連結ピン163が設けられてもよい。ダイレータシャフト170のシャフト側連結部171は、連結ピン163が入り込む誘導溝173が形成された内周面172を有している。誘導溝173は、シャフト側連結部171の遠位側の端部から近位側へ延在した後、さらに周方向へ延在する。誘導溝173は、周方向へ延在する位置に、溝を狭める規制部174が設けられる。これにより、図14(B)に示すように、シャフト側連結部171に連結部161を近接させて押し込むことで、連結ピン163が誘導溝173に入り込む。さらに、シャフト側連結部171に対して連結部161を回転させることで、連結ピン163が誘導溝173に沿って周方向へ移動する。このとき、連結ピン163は、弾性的に変形し、誘導溝173の規制部174を越える。これにより、ダイレータチップ160およびダイレータシャフト170を強固に連結できる。このため、ダイレータチップ160をダイレータシャフト170に対して容易かつ強固に連結でき、ダイレータチップ160の予期しない脱落が抑制される。このため、操作性および安全性が向上する。
また、図15(A)に示すように、ダイレータチップ180の第1のルーメン181および第2のルーメン182は、合流せずに別々に形成されてもよい。第1のルーメン181は、先端部31および中間部33で開口する。第2のルーメン182は、先端部31および基端部32で開口する。第1のルーメン181の形状は、特に限定されず、例えば曲線状または直線状に形成される。
また、図15(B)に示すように、ダイレータチップ190の側孔191は、ダイレータチップ190の軸心に向かうほど、遠位側へ向かうように傾斜して形成されてもよい。これにより、側孔191および先端ルーメン35により構成される第1のルーメン192に、穿刺デバイス60およびガイドワイヤを、小さい抵抗で通すことができる。
また、ダイレータチップは、ダイレータシャフトに対して、接着剤や粘着剤によって連結されてもよい。また、上述した実施形態および各変形例の連結部およびシャフト側連結部の構造は、逆向きで配置されてもよい。すなわち、上述の連結部の構造をダイレータシャフトに設け、上述のシャフト側連結部の構造をダイレータチップに設けてもよい。
10 医療システム、
20 ダイレータ、
40、110、130、150、170 ダイレータシャフト、
43、111、131、151、171 シャフト側連結部、
30、100、120、140、160、180、190 ダイレータチップ、
101、121、141、161 連結部、
31 先端部、
32 基端部、
33 中間部、
34 連結部、
37 側孔、
38、181、192 第1のルーメン、
39、182 第2のルーメン、
45 第3のルーメン、
60 穿刺デバイス(長尺体)、
61 穿刺部、
62 シャフト部、
63 操作部(近位構造部)、
80 シース組立体、
90 ガイドワイヤ、
O 卵円窩(生体組織)、
L 左心房、
R 右心房。

Claims (11)

  1. 長尺なダイレータシャフトと、ダイレータチップと、を有し、
    前記ダイレータチップは、
    基端部に位置して前記ダイレータシャフトの遠位部に連結可能な連結部と、第1のルーメンと、を有し、
    前記第1ルーメンは、側孔および先端の開口を連通することを特徴とするダイレータ。
  2. 前記側孔は、前記基端部に位置する請求項1に記載のダイレータ。
  3. 前記ダイレータチップは、前記基端部および前記先端部で開口し、または前記基端部で開口するとともに前記第1のルーメンに連通する第2のルーメンが形成されている請求項1または2に記載のダイレータ。
  4. 前記連結部は、前記ダイレータシャフトに対して近接または回転させることで連結される請求項1〜3のいずれか1項に記載のダイレータ。
  5. 前記ダイレータチップの先端部は、遠位側へ向かって外径が小さくなる請求項1〜4のいずれか1項に記載のダイレータ。
  6. 生体内の生体組織の孔を広げるための医療システムであって、
    少なくとも1つの長尺なダイレータシャフトと、
    前記ダイレータシャフトの遠位部に連結可能な少なくとも1つのダイレータチップと、
    長尺な長尺体と、を有し、
    前記ダイレータチップは、基端部に位置して前記ダイレータシャフトに連結可能な連結部と、第1のルーメンと、を有し、
    前記第1のルーメンは、前記ダイレータチップの側孔および先端の開口を連通し、
    前記ダイレータチップは、前記第1のルーメンに貫通させた前記長尺体に沿って移動可能であることを特徴とする医療システム。
  7. 前記ダイレータチップは、前記基端部および前記先端部で開口し、または前記基端部で開口するとともに前記第1のルーメンに連通する第2のルーメンが形成されており、
    前記ダイレータシャフトは、前記ダイレータチップと連結することで前記第2のルーメンと連通する第3のルーメンが形成されており、前記第3のルーメンは、前記ダイレータシャフトの近位部で開口している請求項6に記載の医療システム。
  8. 前記長尺体は、前記シャフト部の遠位側に、接触対象に孔を形成することが可能な鋭利である、またはエネルギーを出力する穿刺部を有する請求項6または7に記載の医療システム。
  9. 前記連結部は、前記ダイレータシャフトに対して近接または回転させることで連結される請求項6〜8のいずれか1項に記載の医療システム。
  10. 前記ダイレータチップの先端部は、遠位側へ向かって外径が小さくなる請求項6〜9のいずれか1項に記載の医療システム。
  11. 請求項6に記載の医療システムを使用して生体内の生体組織の孔を広げるための処置方法であって、
    前記ダイレータシャフトから分離している少なくとも1つの前記ダイレータチップの第1のルーメンに前記長尺体を貫通するステップと、
    前記長尺体の遠位部を生体内に挿入し、かつ生体組織の孔に挿入するステップと、
    体外に位置する前記ダイレータチップを前記ダイレータシャフトに連結してダイレータを形成するステップと、
    前記長尺体に沿って前記ダイレータを遠位側へ移動させ、当該ダイレータを前記生体組織の孔に挿入するステップと、を有する処置方法。
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