JP2018043490A - インシュレーター - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち、本発明は、以下の通りである。
ポリアミド系樹脂発泡体に不織布が積層され、
前記ポリアミド系樹脂発泡体が、ポリアミド系樹脂を含み、X線回折プロファイルにおいて最も狭いピーク幅を有するピークに基づいて算出したとき、結晶子サイズDが10nm以上であり、結晶化度Xが10〜50%である、
ことを特徴とするインシュレーター。
前記ポリアミド系樹脂発泡体が、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を含む、〔1〕に記載のインシュレーター。
前記ポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂を50質量%超含む、〔1〕又は〔2〕に記載のインシュレーター。
前記ポリアミド系樹脂発泡体の150℃における寸法変化率が1.5%以下である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のインシュレーター。
前記不織布が、合繊長繊維不織布である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載のインシュレーター。
フードインシュレーター又はダッシュインシュレーターである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のインシュレーター。
本実施形態のインシュレーターは、ポリアミド系樹脂発泡体に不織布が積層されたインシュレーターである。本実施形態のインシュレーターは、ポリアミド系樹脂発泡体に不織布が直接積層されたインシュレーターであってもよいし、ポリアミド系樹脂発泡体上に他の層を介して不織布が積層されたインシュレーターであってもよい。また、本実施形態のインシュレーターにおいて、上記不織布は、ポリアミド系樹脂発泡体の一方の面側に設けられていてもよいし、両方の面側に設けられていてもよい。
上記ポリアミド系樹脂発泡体は、ポリアミド系樹脂を含み、更に、任意選択的に、その他の成分等を含んでいてもよい。
上記ポリアミド系樹脂発泡体は、ポリアミド系樹脂を含む。以下、ポリアミド系樹脂発泡体に含まれるポリアミド系樹脂について詳述する。
ポリアミドとしては、例えば、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により得られる、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン1212等;ラクタムの開環重合により得られるナイロン6、ナイロン12等;等が挙げられる。ポリアミド共重合体としては、例えば、ナイロン6/66、ナイロン66/6、ナイロン66/610、ナイロン66/612、ナイロン66/6T(Tは、テレフタル酸成分を表す)、ナイロン66/6I(Iは、イソフタル酸成分を表す)、ナイロン6T/6I等が挙げられる。中でも、脂肪族ポリアミドが好ましく、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン66/6等がより好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの混合物としては、例えば、ナイロン66とナイロン6との混合物、ナイロン66とナイロン612との混合物、ナイロン66とナイロン610との混合物、ナイロン66とナイロン6Iとの混合物、ナイロン66とナイロン6Tとの混合物、ナイロン6とナイロン6I/6Tとの混合物等が挙げられる。中でも、発泡成形体の結晶化度を高めて、耐熱性及び融着率を十分にする観点から、混合物の場合のポリアミド系樹脂は、脂肪族ポリアミドを50質量%超含むものであることが好ましく、60質量%以上含むものであることがより好ましい。
測定装置としては、市販の示差走査熱量計を用いてよく、例えば、パーキンエルマー社製のDSC7等が挙げられる。
測定条件としては、通常の条件を用いてよく、例えば、窒素雰囲気下、温度条件:樹脂をその融点超の温度(例えば300℃で5分)で保持し、その後、20℃/分で50℃程度まで急冷し、次いで、融点超の温度(例えば300℃)まで20℃/分で昇温させるという条件等が挙げられる。
この場合、末端封止剤を添加する時期としては、原料仕込み時、重合開始時、重合中後期、又は重合終了時が挙げられる。
末端封止剤としては、ポリアミド系樹脂のアミノ基又はカルボキシル基との間で反応し得る単官能性の化合物である限り、特に制限されることなく、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリアミド系樹脂発泡体に含まれるポリアミド系樹脂以外のその他の成分としては、安定剤、衝撃改良材、難燃剤、滑剤、顔料、染料、耐候性改良剤、帯電防止剤、耐衝撃改質剤、結晶核剤、ガラスビーズ、無機充填材、架橋剤、タルク等の核剤や他の熱可塑性樹脂を、本発明の目的を損なわない範囲で添加してもよい。上記ポリアミド系樹脂発泡体におけるその他の成分の含有量は、ポリアミド系樹脂100質量部に対して、15質量部以下としてよく、6質量部以下であることが好ましい。3質量部以下であることがさらに好ましい。
熱安定剤としては、120℃以上の高温環境下で長期熱老化を効果的に防止する観点から、銅化合物が好ましく、この銅化合物とハロゲン化アルカリ金属化合物との組み合わせも好ましい。ここで、ハロゲン化アルカリ金属化合物としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応性の置換基としては、例えば、グリシジル基、カルボキシル基、カルボン酸金属塩、エステル基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボジイミド基等の官能基等が挙げられ、特に、反応の速さの観点から、グリシジル基、カルボジイミド基が好ましい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、化合物や重合体等は、1分子中に複数種の官能基を有していてもよい。
なお、反応性の置換基の樹脂への導入量は、架橋により樹脂にゲル化等が生じない程度とするのがよい。
以下に、ポリアミド系樹脂発泡体の物性について記載する。
ここで、X線回折により得られたX線回折プロファイルを、結晶由来の回折ピークと非晶由来の回折ピークとについてガウス関数を仮定してピーク分離する。
結晶子サイズDは、下記式(1)で表されるシェラーの式により決定される。
なお、独立気泡率S(%)は、下記式(3)で表される式により算出される。
S(%)={(Vx−W/ρ)/(Va−W/ρ)}×100
・・・(3)
式中、Vxは、発泡成形体の真の体積(cm3)であり、Vaは、発泡成形体の見かけの体積(cm3)であり、Wは、発泡成形体の重量(g)であり、ρは、発泡成形体の基材樹脂の密度(g/cm3)である。
なお、寸法変化率は、JIS K6767の寸法安定性評価・B法に準拠して、測定した値を指す。
なお、曲げ強度は、JIS K7171に準拠して、測定した値を指す。
なお、融着率の測定方法は、実施例に記載の通りである。
上記ポリアミド系樹脂発泡体を製造する方法について述べる。
ポリアミド系樹脂発泡体を製造する方法としては、例えば、押出発泡法、発泡射出成形法、型内発泡成形法(ビーズ発泡成形法ともいう。)等が挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂発泡体は、発泡倍率の観点から型内発泡成形法で製造されることが好ましい。
上記ポリアミド系樹脂予備発泡粒子は、前述のポリアミド系樹脂に発泡剤を含有(含浸)させて、発泡を生じさせることによって得ることができる。
かかる方法としては、水等の懸濁系で水性媒体を用いて行う方法(懸濁含浸)や、重炭酸ナトリウム等の熱分解型発泡剤を用いる方法(発泡剤分解)、ガスを臨界圧力以上の雰囲気とし液相状態にして、基材樹脂に接触させる方法(液相含浸)、ガスを臨界圧力未満の雰囲気とし気相状態にして、基材樹脂に接触させる方法(気相含浸)等が挙げられる。発泡剤を含有させる方法としては、特に気相含浸が好ましい。
更に、気相含浸では、液相含浸の場合と比較して、耐圧装置や冷却装置等の設備がよりコンパクトになりやすく、設備費を低減しやすい。
ガスとし得る化合物の例としては、二酸化炭素、窒素、酸素、水素、アルゴン、ヘリウム、ネオン等の無機化合物;トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)ジクロロフルオロエタン(R141b)クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボン;HFO−1234y、HFO−1234ze(E)等のハイドロフルオロオレフィン;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール類;等が挙げられる。
これらの空気やガスとし得る化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、多段階の発泡の場合、各段階での発泡前に予備発泡粒子に対してガスによる加圧処理を行うことが好ましい。加圧処理に用いるガスとしては、ポリアミド系樹脂に対して不活性である限り、特には限定されないが、ガスの安全性が高く、ガスの地球温暖化係数の小さい、無機ガスやハイドロフルオロオレフィンが好ましい。無機ガスとしては、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス、酸素ガス、アンモニアガス、水素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、ネオンガス等が挙げられ、また、ハイドロフルオロオレフィンとしては、例えば、HFO−1234y、HFO−1234ze(E)等が挙げられ、特に、取り扱い容易性及び経済性の観点から、空気や炭酸ガスが好ましい。加圧処理の手法としては、特には限定されないが、予備発泡粒子を加圧タンク内に充填し、該タンク内にガスを供給する手法等が挙げられる。
上記ポリアミド系樹脂発泡体は、上記ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を含むことが好ましく、例えば、前述のポリアミド系樹脂予備発泡粒子を成形することによって得ることができる。
この方法によれば、一段階目に、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子の熱融着温度以下の水蒸気で予備発泡粒子を予備的に加熱することによって、予備発泡粒子の集合体全体における温度分布をより均一にすることができる。そして、この一段階目の予備的な加熱により、二段階目に、熱融着温度以上の水蒸気で予備発泡粒子を加熱した際に、予備発泡粒子における発泡がより均一なものとなり、予備発泡粒子を発泡体に成形しやすくなる。
また、この方法によれば、得られるポリアミド系樹脂発泡体において、樹脂の結晶子サイズがより大きくなり、また、結晶化度がより高くなり、ひいては、耐熱性に優れたポリアミド系樹脂発泡体を得ることができる。
なお、本明細書において、熱融着温度とは、予備発泡粒子を飽和水蒸気内において加熱し、予備発泡粒子同士が融着する温度を指す。熱融着温度の測定方法は下記に記載の通りである。
得られたポリアミド系樹脂予備発泡粒子を、気泡内部の圧力が大気圧であり、炭化水素等の発泡剤を含んでいない状態にした。この予備発泡粒子10gを金属メッシュの容器に予備発泡粒子同士が接触するように入れ、次いで、所定温度の飽和蒸気で30秒間加熱した。そして、加熱後に予備発泡粒子同士が全体で80%以上融着していた温度のうちの最低の温度(℃)を、予備発泡粒子の熱融着温度とした。
一段階目の加熱時間は、2秒以上であることが望ましく、3秒以上であることが更に望ましく、20秒以下であることが望ましく、15秒以下であることが更に望ましい。
二段階目の加熱温度は、Tf(℃)より高い温度であり、Tf+15℃以下であることが好ましく、Tf+10℃以下であることが更に好ましく、Tf+5℃以下であることが特に好ましい。
二段階目の加熱時間は、10秒以上であることが望ましく、15秒以上であることが更に望ましく、60秒以下であることが望ましく、45秒以下であることが更に望ましい。
上記不織布としては、合繊長繊維からなる合繊長繊維不織布であることが好ましい。
特に、上記不織布が、不織布を構成する繊維が捲縮繊維、未延伸繊維等である合繊長繊維不織布であると、成形温度の150℃での10%中間応力を低くできるので好ましい。
上記不織布は、温度150〜250℃(特に150℃)で10%中間応力が5kg/5cm以下が好ましい。
なお、本明細書において、10%中間応力は、JIS−L−1913に記載の引張強さの測定方法に準じ、雰囲気温度が150℃で、10%伸びたときの応力である。
なお、本明細書において、破断伸度は、JIS−L−1913に記載の伸び率の測定方法に準じ、測定することができる。
本実施形態のインシュレーターの製造方法における、ポリアミド系樹脂発泡体と不織布と積層させる方法としては、特に限定されないが、公知の方法、例えば、合成樹脂フィルムを両者の間に積層し、熱融着させる方法、ポリアミド発泡体の表面を溶融させて、不織布を接着させる方法等が挙げられる。
なお、表中、「−」は未評価であることを表す。
得られたポリアミド系樹脂発泡体のX線回折(XRD)測定を、X線散乱装置(商品名:NanoViewer、リガク社製)を用いた透過法により、行った。測定条件は、第一スリット:0.4mmφ、第二スリット:0.2mmφ、X線波長:0.154nm、カメラ長:78.8mm、とした。検出器にはイメージングプレート(IP)を用いた。試料には試料厚みが0.2mm程度になるようにスライスした発泡体を用いた。IPにより得られた二次元X線回折パターンを円環平均により一次元化した。また、空セル散乱補正も実施した。
こうして得られた一次元X線回折プロファイルを、ソフトウェア(商品名:Igor Pro Version6.3.2.3、Wavemetrics社製)を用いて、ピーク形状としてガウス関数を仮定して、結晶由来の回折ピークと非晶由来の回折ピークとにピーク分離を行った。
(A−1)結晶子サイズ
ピーク分離により得られたピークのうち、最も狭いピーク幅を有するピークの半価全幅β(rad)を計算し、該半価全幅βを用いて前述の式(1)に従って、発泡体の結晶子サイズDを算出した。
(A−2)結晶化度
ピーク分離により得られた各ピークの面積を計算し、該面積を用いて前述の式(2)に従って、発泡体の結晶化度Xを算出した。
得られたポリアミド系樹脂発泡体について、重量W(kg)を測定し、その後、水没法により、発泡体の見かけの体積Va(m3)を測定した。そして、その重量Wを見かけの体積Vaで除した値W/Va(kg/m3)を、発泡体の密度とした。
前述の(B)において見かけの体積Vaを測定した発泡体について、その真の体積(Vx)を空気比較式比重計(ベックマン(株)社製)を用いて測定した。そして、前述の式(3)に従って、独立気泡率S(%)を算出した。
(1)耐熱性評価
後述する実施例及び比較例のポリアミド系樹脂発泡成形体の耐熱性について、加熱による寸法変化率、及び加熱後の外観変化を評価した。
(1−1)寸法変化率
発泡体を成形後、60℃の乾燥機を用いて24時間乾燥させて、発泡体に含まれる水分を除去した。この発泡体について、JIS K6767の寸法安定性評価・B法に準拠して、試験片の作製及び加熱試験を行い、その寸法変化率(%)を評価した。なお、温度条件は、150℃とした。
評価基準としては、寸法変化率が小さいほど、発泡体は耐熱性に優れていると判定した。
前述の(1−1)における加熱試験後の試験片の外観の変化を目視にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:試験片に割れ、収縮、膨張がない。
△:試験片に割れ、収縮、膨張がわずかに確認されたが、使用上問題のない程度である。
×:試験片に使用上問題がある程度の割れ、収縮、膨張が確認される。
発泡体を作製後、60℃の乾燥機を用いて24時間乾燥させて、発泡体に含まれる水分を除去した。この発泡体について、JIS K7171に準拠して、その曲げ強度(MPa)を測定した。
縦:300mm、横:300mm、厚み:20mmの板状の発泡体の表面にカッターナイフを用いて縦に2等分するように5mmの深さの切り込み線を入れ、この線に沿って発泡体を分割した。この分割面に現れた予備発泡粒子に関して、予備発泡粒子が粒子内で破断している(予備発泡粒子が分割面により破壊されている)ものの数(a)と、予備発泡粒子同士の界面に沿って破断している(予備発泡粒子同士の界面が分割面になっている)ものの数(b)とを測定し、下記式(4)に従って融着率(%)を算出した。
融着率(%)={a/(a+b)}×100
・・・(4)
発泡体を作製後、作製直後の発泡体の表面の外観を目視にて評価した。評価基準は、以下の通りである。
○:平滑であり、予備発泡粒子同士の間隙がなく、ヒケ反り等がない。
△:ヒケ反り等がわずかに見られる、又は予備発泡粒子同士の間隙がわずかに見られるが、使用上問題のない程度である。
×:ヒケ反り等が見られ、若しくは予備発泡粒子同士の間隙が大きく見られ、実用に耐えない、又は成形が不可能である。
JIS A−1405−2に準拠して、垂直入射吸音率を測定し、直径100mm、厚み60mmのインシュレーターを試料として、1000Hzにおける吸音率で評価した。垂直入射吸音率の値が高いほど、吸音性に優れていると判定した。
試料は加熱処理する前のサンプルと、150℃で10,000時間加熱処理したサンプルとの測定を行い、両サンプルの1000Hzにおける吸音率を求めた。また、加熱処理前と加熱処理後の吸音率の変化量(加熱処理前の吸音率と加熱処理後の吸音率との差)も求めた。
前述の(5)において、150℃で加熱処理した場合に、加熱処理前の吸音率に対し、吸音率が20%低下するまでの時間を測定した。この時間が長いほど、耐熱性に優れると判断した。
(6)で評価した吸音率が20%低下したサンプルの、樹脂発泡体と不織布との接着性を評価した。評価基準は下記の通りである。
○:樹脂発泡体と不織布は手で容易に剥がれない
△:樹脂発泡体と不織布は手で容易に剥がれる
×:樹脂発泡体と不織布は手で剥がさなくても自重等で剥がれてしまう
ポリアミド系樹脂としてのナイロン6(商品名:UBEナイロン 1022B、宇部興産(株)製)100質量部、核剤としてのタルク0.8質量部を、押出機にて加熱条件下で溶融混練し、その後ストランド状に押出し、冷水槽で水冷し、カッティングを行い、ペレット形状の基材樹脂を作製した。
これに、特開2011−105879号公報の実施例に記載の方法に準じて、基材樹脂に発泡剤としての炭酸ガスを含有させた。そして、炭酸ガスを含めた基材樹脂を加熱することによって、発泡を生じさせて、密度:300kg/m3の予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.5MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.5MPaに24時間保持することによって、予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理した予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:20mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に135℃の飽和水蒸気を10秒間供給し(一段階目の加熱)、その後、キャビティ内に144℃の飽和水蒸気を30秒間供給して(二段階目の加熱)、予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、予備発泡粒子を成形した。
金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた成形体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド系樹脂発泡体Aを取り出した。
なお、ポリアミド系樹脂の融点は225℃であり、予備発泡粒子の熱融着温度は140℃であった。
ポリアミド系樹脂発泡体Aと同様に密度:300kg/m3の予備発泡粒子を得た後、加圧処理において、得られた予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.3MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.3MPaに24時間保持する、という条件とした点、及び、この加圧処理した予備発泡粒子を、金型に入れる前に、230℃で更に加熱することによって、更に発泡を生じさせて、密度:150kg/m3とした点以外は、ポリアミド系樹脂発泡体Aと同様にしてポリアミド系樹脂発泡体Bを得た。
なお、予備発泡粒子の熱融着温度は140℃であった。
ポリアミド系樹脂発泡体Bと同様に密度:150kg/m3の予備発泡粒子を得た後、得られた予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.15MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.15MPaに24時間保持する、という条件とした点、及び、この加圧処理した予備発泡粒子を、金型に入れる前に、230℃で更に加熱することによって、更に発泡を生じさせて、密度:60kg/m3とした点以外は、ポリアミド系樹脂発泡体Aと同様にしてポリアミド系樹脂発泡体Cを得た。
なお、予備発泡粒子の熱融着温度は140℃であった。
ポリアミド系樹脂としてナイロン666(ナイロン66/6)(商品名:Novamid 2430A、(株)DSM製)100質量部、核剤としてのタルク0.8質量部を、押出機にて加熱条件下で溶融混練し、その後ストランド状に押出し、冷水槽で水冷し、カッティングを行い、ペレット形状の基材樹脂を作製した。
これに、特開2011−105879号公報の実施例に記載の方法に準じて、基材樹脂に発泡剤としての炭酸ガスを含有させた。そして、炭酸ガスを含めた基材樹脂を加熱することによって、発泡を生じさせて、密度:300kg/m3の予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理した予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:20mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、予備発泡粒子を成形した。
金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた成形体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド系樹脂発泡体Dを取り出した。
なお、ポリアミド系樹脂の融点は195℃であり、予備発泡粒子の熱融着温度は113℃であった。
ポリアミド系樹脂としてのナイロン6(商品名:UBEナイロン 1022B、宇部興産(株)製)50質量部、ナイロン6I/6T(商品名:Grivory G16、EMS製)50質量部を用いた以外は、ポリアミド系樹脂発泡体Bと同様にしてポリアミド系樹脂発泡体Eを得た。
なお、ポリアミド系樹脂の融点は213℃であり、予備発泡粒子の熱融着温度は140℃であった。
ポリアミド系樹脂としてのナイロン6(商品名:UBEナイロン 1022B、宇部興産(株)製)30質量部、ナイロン6I/6T(商品名:Grivory G16、EMS製)70質量部を用いた以外は、ポリアミド系樹脂発泡体Bと同様にしてポリアミド系樹脂発泡体Fを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Aと同様に加圧処理した予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ内に充填した後、金型の雄型及び雌型から片側ずつ交互に240℃の熱風を240秒間供給した点以外は、ポリアミド系樹脂発泡体Aと同様にしてポリアミド系樹脂発泡体Gを得た。
ガラス繊維マット(ウレタン樹脂を収束剤として用いたマット)
ウレタンフォーム(密度23kg/m3、アキレス株式会社製PPK)
目付が30g/m2、平均繊度が1.8デニール、150℃での10%中間応力が3.2kg/5cm、カーボン顔料を添加し黒着色した部分熱圧着率が12%のポリエステル長繊維不織布を80回/cm2のニードルパンチをした加工品を用いた。
目付が70g/m2、平均繊度が1.8デニール、150℃での10%中間応力が8.5kg/5cm、部分熱圧着率25%のポリエステル長繊維不織布を用いた。
ポリアミド系樹脂発泡体Aの片面に不織布Aを重ねて、温度235℃に加熱されたプレス成型機で成形して、フードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Bを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Cを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Dを用い、温度200℃に加熱されたプレス成型機で成形した点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
不織布Bを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Eを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Fを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
ポリアミド系樹脂発泡体Gを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
基材H、基材Hと不織布Aとの間に接着層である合成フィルムを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
合成フィルムは、厚みが25μmである低密度ポリエチレンを用いた。
高温環境下では、ガラス繊維の収束剤が熱劣化を起こしやすいためか、比較例3のフードインシュレーターは、長期高温環境下におかれると、吸音特性や形状が低下した。
樹脂発泡体I、樹脂発泡体Iと不織布Aとの間に接着層である合成フィルムを用いた点以外は、実施例1と同様にフードインシュレーターを得た。
高温環境下では、ウレタンが熱劣化を起こしやすいためか、比較例4のフードインシュレーターは、長期高温環境下におかれると、吸音特性や形状が低下した。
Claims (6)
- ポリアミド系樹脂発泡体に不織布が積層され、
前記ポリアミド系樹脂発泡体が、ポリアミド系樹脂を含み、X線回折プロファイルにおいて最も狭いピーク幅を有するピークに基づいて算出したとき、結晶子サイズDが10nm以上であり、結晶化度Xが10〜50%である、
ことを特徴とするインシュレーター。 - 前記ポリアミド系樹脂発泡体が、ポリアミド系樹脂予備発泡粒子を含む、請求項1に記載のインシュレーター。
- 前記ポリアミド系樹脂が、脂肪族ポリアミド樹脂を50質量%超含む、請求項1又は2に記載のインシュレーター。
- 前記ポリアミド系樹脂発泡体の150℃における寸法変化率が1.5%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のインシュレーター。
- 前記不織布が、合繊長繊維不織布である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のインシュレーター。
- フードインシュレーター又はダッシュインシュレーターである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のインシュレーター。
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