JP2018041117A - 凹面鏡、及び投射光学系 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光源から出射される光源光が画像表示素子に入射し、この画像表示素子から画像光として出射され屈折素子からなる結像光学系に入射され、この結像光学系から出射される画像光を被投影面に向けて反射する凹面鏡3であって、その凹面鏡3の基体4側から順に、金属反射膜層7、増反射膜層8、を少なくとも有する多層膜構造を備える。増反射膜層8の400〜550nmの波長域での反射率は、平均で96%以上である。増反射膜層8の550〜700nmの波長域での反射率は、平均で60%以上である。増反射膜層Yは、4 ≦ Y ≦ 50層の範囲で積層した多層膜である。反射膜5全体の物理層厚Zが、300 ≦ Z ≦ 4000nmの範囲である。
【選択図】図2
Description
また一方で、高輝度化のための光源ランプの高出力化が進んでいる。
そして、凹面鏡としては、樹脂により成形された樹脂基体に、金属材料を反射層とした薄膜を成膜したものが用いられることが一般的である。
また、周囲環境の温度変化や排熱不良による異常発熱などによる凹面鏡の基体の過度な温度変動による基体の体積変動や、膜そのものの応力に対して反射膜が耐えきれずに反射膜に亀裂等が生じて破損してしまう、割れの発生の問題もある。
光源から出射される光源光が画像表示素子に入射し、この画像表示素子から画像光として出射され屈折素子からなる結像光学系に入射され、この結像光学系から出射される画像光を被投影面に向けて反射する凹面鏡であって、
前記凹面鏡の基体側から順に、金属反射膜層、増反射膜層、を少なくとも有する多層膜構造を備え、
前記増反射膜層の400〜550nmの波長域での反射率は、平均で96%以上であることを特徴とする。
光源から出射される光源光が画像表示素子に入射し、この画像表示素子から画像光として出射され屈折素子からなる結像光学系に入射され、この結像光学系から出射される画像光を被投影面に向けて反射する凹面鏡であって、
前記凹面鏡の基体側から順に、金属反射膜層、増反射膜層、を少なくとも有する多層膜構造を備え、
前記増反射膜層の550〜700nm の波長域での反射率は、平均で60%以上であることを特徴とする。
請求項1又は2に記載の凹面鏡であって、
前記増反射膜層Yは、4 ≦ Y ≦ 50層の範囲で積層した多層膜であることを特徴とする。
請求項1から3のいずれか一項に記載の凹面鏡であって、
前記反射膜全体の物理層厚Zが、300 ≦ Z ≦ 4000nmの範囲であることを特徴とする。
請求項4に記載の凹面鏡であって、
前記反射膜の420〜650nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする。
請求項4に記載の凹面鏡であって、
前記反射膜の400〜700nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする。
請求項1から6のいずれか一項に記載の前記凹面鏡が投射側に配置され、
前記凹面鏡よりも前記画像表示素子側に屈折光学系からなる結像光学系を配置された投射光学系であって、
前記画像表示素子から前記凹面鏡との間の光路上にバンドパスフィルタが設置され、
前記バンドパスフィルタは、前記凹面鏡の前記増反射膜により重点的に反射される波長域以外の波長域の光線の少なくとも一部の波長光をカットオフすることを特徴とする。
請求項7に記載の投射光学系であって、
前記バンドパスフィルタは、700nm以上の長波長域の光線をカットオフすることを特徴とする。
請求項7に記載の投射光学系であって、
前記バンドパスフィルタは、400nm以下の短波長域の光線をカットオフすることを特徴とする。
反射鏡の基体表面に形成される反射膜であって、
前記反射鏡の前記基体側から順に、金属反射膜層、増反射膜層、を少なくとも有する多層膜構造であることを特徴とする。
他の第2の発明は、
他の第1の発明の反射膜であって、
前記増反射膜層の400〜550nmの波長域での反射率は、平均で96%以上であることを特徴とする。
他の第3の発明は、
他の第1の発明の反射膜であって、
前記増反射膜層の550〜700nmの波長域での反射率は、平均で60%以上であることを特徴とする。
他の第4の発明は、
他の第1から3のいずれかの発明の反射膜であって、
前記増反射膜層Yは、4 ≦ Y ≦ 50層の範囲で積層した多層膜であることを特徴とする。
他の第5の発明は、
他の第1から4のいずれかの発明の反射膜であって、
前記反射膜全体の物理層厚Zが、300 ≦ Z ≦ 4000nmの範囲であることを特徴とする。
他の第6の発明は、
他の第5の発明の反射膜であって、
前記反射膜の420〜650nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする。
他の第7の発明は、
他の第5の発明の反射膜であって、
前記反射膜の400〜700nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする。
他の第8の発明は、
基体表面に反射膜が形成される反射鏡であって、
前記基体側から順に、他の第1から7のいずれかの発明の前記金属反射膜層、前記増反射膜層、を少なくとも有する前記多層膜構造による前記反射膜を備えることを特徴とする。
他の第8の発明の前記反射鏡が投射側に配置され、
前記反射鏡よりも前記画像表示素子側に屈折光学系からなる結像光学系を配置された投射光学系であって、
前記画像表示素子から前記反射鏡との間の光路上にバンドパスフィルタが設置され、
前記バンドパスフィルタは、前記反射鏡の前記増反射膜により重点的に反射される波長域以外の波長域の光線の少なくとも一部の波長光をカットオフすることを特徴とする。
他の第10の発明は、
他の第9の発明の投射光学系であって、
前記バンドパスフィルタは、700nm以上の長波長域の光線をカットオフすることを特徴とする。
他の第11の発明は、
他の第9の発明の投射光学系であって、
前記バンドパスフィルタは、400nm以下の短波長域の光線をカットオフすることを特徴とする。
(概要)
1.温度ドリフト対策
金属反射面による光の吸収を抑制するため、樹脂素材上に金属反射層+増反射膜層を積層する。
ここで、増反射膜層は光源光のうち高輝度の波長光を重点的に反射する。
2.膜応力、温度変動による割れ対策
増反射膜層の層数及び層厚の抑制と金属反射層の形成により、金属反射層と増反射膜層との両方で光を反射する。
そして、基体と増反射膜層の間に金属反射層を挟みこみ緩衝材とする。
図1の投射光学系は、図示しない画像表示素子からの画像光を被投射面へ拡大投射するものであり、画像調整素子側から順に、第一光学系1と、その第一光学素子からの出射光を反射する凹面鏡3を有する第二光学系2と、を備える。第一光学系1は画像表示素子からの画像光が入射され、その第一光学系1内部で一度結像して第一の中間像を形成する。その第一の中間像からの発散光を更に第一光学系1内で屈折させて、第一光学系1よりも投射側でかつ第二光学系2の凹面鏡3よりも画像表示素子側に結像して第二の中間像を形成する。その第二の中間像から発散した画像光を凹面鏡3により反射して被投射面へ投射する。
反射膜である多層膜5は、基体4側から下地層6と、金属反射膜層7と、増反射膜層8と、からなる。
下地層6は、基体4表面と金属反射膜層7との密着性を高める役割を持つ。
増反射膜層8は、低屈折率層と高屈折率層とを交互に積層した多層構造を有し、各層間の境界で一部の光線を反射し、増反射膜層8で反射しきれなかった光線を金属反射膜層7によって反射する。
実施例1においては、図3に示すように、シクロオレフィンポリマー(COP)で形成された樹脂基体上に2層構造の下地層、Alからなる金属反射膜層、低屈折率層にSiO2、高屈折率層にNb2O5を使用して40層積み上げた増反射膜層からなる反射膜である。
実施例2においては、図5に示すように、シクロオレフィンポリマー(COP)で形成された樹脂基体上に2層構造の下地層、Alからなる金属反射膜層、低屈折率層にSiO2、高屈折率層にNb2O5を使用して24層積み上げた増反射膜層からなる反射膜である。
それ以外にも、多層膜の層数や層厚が増加すると、膜自体の応力である膜応力が大きくなり、多層膜に亀裂が生じる割れが発生する場合がある。
基本的に、割れは、増反射膜層を形成する多層膜の層数及び層厚が多くなるほど発生しやすい。
温度ドリフトの主原因は、反射面での光の吸収による蓄熱であり、特に金属反射層による吸収が大きい。
そのため、反射面での温度ドリフトを抑制するためには反射面への入射光を出来るだけ増反射膜層で反射させ、金属反射膜層まで透過する光の絶対量を少なくする必要がある。
基本的に、増反射膜層での反射率を向上させるためには、増反射膜層を形成する多層膜の層数及び層厚が多くする必要がある。
つまり、増反射膜層の層数及び層厚を増加させると、反射性能は向上するが、割れが発生しやすく、逆に減少させると、反射性能は低下するが、割れが発生し難くなる。
よって、光源光のうち高輝度波長域の光を集中的に増反射膜層で反射し、他の波長域の光をある程度透過させ、増反射膜層からの透過光を金属反射膜で反射させることで、増反射膜層の層数及び層厚の増加を抑制して、高い耐久性を持たせつつ高い反射率を持つ反射膜が形成可能となる。
このため、増反射膜層で重点的に反射する波長域以外の短波長域の少なくとも一部又は/及び長波長域の少なくとも一部をカットオフするためのバンドパスフィルタを画像表示素子から凹面鏡までの間に設置することが好ましい。
具体的には、400nm以下の波長光をカットオフするバンドパスフィルタ又は/及び700nm以上の波長光をカットオフするバンドパスフィルタである。
短波長側のより好適なカットオフ領域は415nm以下であり、430nm以下ならば更に良い。
長波長側のより好適なカットオフ領域は675nm以上であり、650nm以上ならば更に良い。
その際、反射膜の増反射膜の層数及び層厚を一定にした状態で、光源を交換して、光源光のルーメン数を変更した場合、ルーメン数が低ければ、金属反射膜層へ到達する光線の絶対量は少なくなる。逆に、ルーメン数が高ければ、金属反射膜層へ到達する光線の絶対量は多くなる。
金属反射膜層の光の吸収は、到達する光線の絶対量が多いほど多く吸収するため、温度ドリフトに対する対策として、光源光のルーメン数によって増反射膜層の層数を適切に規定する必要がある。
3000 ≦ X < 5000の範囲では、4 ≦ Y ≦ 20又は/及び300 ≦ Z ≦ 1500の範囲で形成し、
5000 ≦ X < 7000の範囲では、10 ≦ Y ≦ 30又は/及び500 ≦ Z ≦2500の範囲で形成し、
X ≦ 7000Lm以上の範囲では、15≦ Y ≦ 50又は/及び1000 ≦ Z ≦ 4000の範囲で形成することが好ましい。
3000 ≦ X < 5000の範囲では、4 ≦ Y ≦ 15又は/及び300 ≦ Z ≦ 1000の範囲で形成し、
5000 ≦ X < 7000の範囲では、10 ≦ Y ≦ 25又は/及び500 ≦ Z ≦2000の範囲で形成し、
X ≦ 7000Lm以上の範囲では、15≦ Y ≦ 45又は/及び1000 ≦ Z ≦ 3500の範囲で形成することが好ましい。
この際、反射率の平均値は高いほどよく、94%以上、96%以上、98%以上となるほど良い。
また、400nmから700nmの波長域の反射率の平均値を92%以上とすることにより、高い反射性能を有する反射膜となる。
この際、反射率の平均値は高いほどよく、94%以上、96%以上、98%以上となるほど良い。
それ以外にも、本発明の反射膜を形成すると、増反射膜層に発生する膜応力が圧縮方向のため、膜応力により増反射膜層は膜の中心へ向かうように応力が働くのに対して、基体表面が凹面形状でかつ曲率が小さく堀が深いため、膜応力による膜内部での引き攣れが緩和されるので、結果として膜応力による割れの発生を抑制している。
下地層は、基体が外気から湿気を吸収する吸湿により基体内部に蓄積した水分を基体表面から排出したり、透湿により基体外部から浸透し内部を透過した水分が基体表面から排出されることによる金属反射膜の剥離を抑制する効果を有する。
以上の実施形態の他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
2 第二光学系
3 反射鏡
4 基体
5 反射膜
6 下地層
7 金属反射膜層
8 増反射膜層
Claims (9)
- 光源から出射される光源光が画像表示素子に入射し、この画像表示素子から画像光として出射され屈折素子からなる結像光学系に入射され、この結像光学系から出射される画像光を被投影面に向けて反射する凹面鏡であって、
前記凹面鏡の基体側から順に、金属反射膜層、増反射膜層、を少なくとも有する多層膜構造を備え、
前記増反射膜層の400〜550nmの波長域での反射率は、平均で96%以上であることを特徴とする凹面鏡。 - 光源から出射される光源光が画像表示素子に入射し、この画像表示素子から画像光として出射され屈折素子からなる結像光学系に入射され、この結像光学系から出射される画像光を被投影面に向けて反射する凹面鏡であって、
前記凹面鏡の基体側から順に、金属反射膜層、増反射膜層、を少なくとも有する多層膜構造を備え、
前記増反射膜層の550〜700nm の波長域での反射率は、平均で60%以上であることを特徴とする凹面鏡。 - 前記増反射膜層Yは、4 ≦ Y ≦ 50層の範囲で積層した多層膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の凹面鏡。
- 前記反射膜全体の物理層厚Zが、300 ≦ Z ≦ 4000nmの範囲であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の凹面鏡。
- 前記反射膜の420〜650nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする請求項4に記載の凹面鏡。
- 前記反射膜の400〜700nmの波長域での反射率は、平均で92%以上であることを特徴とする請求項4に記載の凹面鏡。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載の前記凹面鏡が投射側に配置され、
前記凹面鏡よりも前記画像表示素子側に屈折光学系からなる結像光学系を配置された投射光学系であって、
前記画像表示素子から前記凹面鏡との間の光路上にバンドパスフィルタが設置され、
前記バンドパスフィルタは、前記凹面鏡の前記増反射膜により重点的に反射される波長域以外の波長域の光線の少なくとも一部の波長光をカットオフすることを特徴とする投射光学系。 - 前記バンドパスフィルタは、700nm以上の長波長域の光線をカットオフすることを特徴とする請求項7に記載の投射光学系。
- 前記バンドパスフィルタは、400nm以下の短波長域の光線をカットオフすることを特徴とする請求項7に記載の投射光学系。
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CN112684527A (zh) * | 2020-12-29 | 2021-04-20 | 青岛海信激光显示股份有限公司 | 一种反射镜、镜头及激光投影设备 |
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2017
- 2017-12-19 JP JP2017242293A patent/JP2018041117A/ja active Pending
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