JP2018041045A - 現像装置、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 - Google Patents

現像装置、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置 Download PDF

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Kunimasa Kawamura
邦正 河村
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Seiji Tsuru
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渉 盛合
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Akio Nishi
彰夫 西
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Abstract

【課題】現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音の発生を抑制抑制し得る現像装置を提供する。【解決手段】現像剤を収容する現像剤容器と現像剤担持体と該現像剤担持体と当接する端部シール部材とを備え、該現像剤担持体は、導電性の基体と、該基体の外周に設けられた弾性層と、該弾性層の外周を被覆する表面層とを有し、該表面層はウレタン樹脂を含み、該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、特定のポリエーテル構造、特定のポリエステル構造および特定のポリカーボネート構造を有し、該現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分が10.0mJ/m2以下であり、該端部シール部材が、該現像剤担持体の該表面層と接触する層にポリテトラフルオロエチレンを含有する現像装置。【選択図】なし

Description

本発明は、現像装置、電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置に関する。
電子写真画像形成装置において、現像装置は、電子写真感光体の静電潜像に対して現像剤を供給する役割を担っている。特許文献1は、軸芯体および付加硬化型ジメチルシリコーンゴムの硬化物を含む弾性層と、該弾性層の表面を被覆している表面層とを有し、該表面層が特定の構造を有するウレタン樹脂を含む現像ローラを開示している。
特開2012−150453号公報
本発明者らは、特許文献1に係る現像ローラを用いた現像装置は、現像ローラと端部シール部材との摺擦音が抑制されていることを確認した。しかしながら、近年の電子写真画像形成装置の高速化および長寿命化の要求の下で、本発明者らは、現像装置について、より一層の安定した静音性が必要であるとの認識を得るに至った。
本発明の一態様は、現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音の発生をより一層抑制し得る現像装置の提供に向けたものである。また、本発明の他の態様は、高品位な電子写真画像の長期に亘る形成に資する電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置の提供に向けたものである。
本発明の一態様によれば、現像剤を収容する現像剤容器と、該現像剤容器に収容された該現像剤を担持して、該現像剤を該現像剤容器の外部に搬送する、該現像剤容器の開口部に配置された現像剤担持体と、該現像剤容器の開口部の端部に配置された、該現像剤担持体と当接する端部シール部材と、を備える現像装置であって、該現像剤担持体は、導電性の基体と、該基体の外周に設けられた弾性層と、該弾性層の外周を被覆する表面層とを有し、該表面層はウレタン樹脂を含み、該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、下記構造式(1)で示される構造と、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造と、を有し、かつ、隣接する2つのウレタン結合の間に、下記構造式(4)で示される構造および下記構造式(5)で示される構造から選択される一方または両方の構造を有し、該現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分が10.0mJ/m以下であり、該端部シール部材が、該現像剤担持体の該表面層と接触する層にポリテトラフルオロエチレンを含有する現像装置が提供される。
Figure 2018041045
また、本発明の他の態様によれば、本発明に係る現像装置を有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジが提供される。
さらに、本発明の他の態様によれば、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を帯電するための帯電装置と、帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置とを有する電子写真画像形成装置であって、該現像装置が、本発明に係る現像装置を少なくとも有する電子写真画像形成装置が提供される。
本発明の一態様によれば、現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音の発生をより一層抑制し得る現像装置が得られる。また、本発明の他の態様によれば、高品位な電子写真画像の長期に亘る形成に資する電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置が得られる。
本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図である。 本発明に係る現像剤担持体の一例を示す概略構成図である。 本発明に係るウレタン樹脂が有する構造の一例を示す図である。 本発明に係る電子写真画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明において動摩擦係数の測定に使用する測定機の概略構成図である。 動摩擦係数の測定により得られるチャートの一例である。
本発明に係る現像装置は、現像剤を収容する現像剤容器と、該現像剤容器に収容された該現像剤を担持して、該現像剤を該現像剤容器の外部に搬送する、該現像剤容器の開口部に配置された現像剤担持体と、該現像剤容器の開口部の端部に配置された、該現像剤担持体と当接する端部シール部材と、を備える。前記現像剤担持体は、導電性の基体と、該基体の外周に設けられた弾性層と、該弾性層の外周を被覆する表面層とを有し、該表面層はウレタン樹脂を含む。該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造と、を有する。さらに、該ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、前記構造式(4)で示される構造および前記構造式(5)で示される構造から選択される一方または両方の構造を有する。また、前記現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分は10.0mJ/m以下であり、前記端部シール部材は、前記現像剤担持体の表面層と接触する層にポリテトラフルオロエチレンを含有する。
本発明者らは、特定の構造を有するウレタン樹脂を含有する現像剤担持体、および前記現像剤担持体の表面層に接触する層がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含有する端部シール部材を使用することにより、現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明者らは、本発明により異音の発生を抑制できる理由を、以下のように推察している。
現像装置は、一般的に、現像剤容器と、現像剤を現像剤容器の外部に搬送するために現像剤容器の開口部に配置された現像剤担持体と、現像剤容器の開口部の端部に配置された、現像剤担持体と当接する端部シール部材とから構成される。端部シール部材は、現像剤担持体の両端周面の形状に対応して形成された現像剤容器開口部の形状に合わせて、スポンジやフェルト等の部材で構成され、現像剤担持体の両端周面に押し当てて外部への現像剤の漏れを阻止する役割を担う。上記のように、現像剤担持体と端部シール部材は常に当接しているため、現像剤担持体の回転による端部シール部材との摺擦により、「鳴き」と呼ばれる異音が発生する。この異音は、現像剤担持体と端部シール部材の動摩擦により、現像剤担持体の表面層が振動すること、いわゆる「びびり」に起因する。また、この異音は、端部シール部材の表面が現像剤担持体に引っ張られることと元の形状に戻ることを繰り返す、スティックアンドスリップ現象による振動に起因する。
そこで、本発明者らは、ポリエステル構造とポリカーボネート構造の一方または両方の構造を有するウレタン樹脂を含む表面層を有する現像剤担持体と、現像剤担持体と当接する層にPTFEを含有する端部シール部材とを採用することで、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦を低減し、異音の発生を抑制できることを見出した。本発明者らは、現像剤担持体表面と端部シール部材との摩擦を低減するために、ウレタン樹脂の構造および端部シール部材の材料に着目し、検討を重ねた。その結果、ポリエステル構造とポリカーボネート構造の一方または両方の構造を有するウレタン樹脂を含む表面層を有する現像剤担持体を採用することで、現像剤担持体の表面層が疎水化され、端部シール部材との密着性が小さくなり、摩擦を低減できると推察した。
しかしながら、現像剤担持体と当接する層にPTFEを含有する端部シール部材を採用することで、高速化した電子写真画像形成装置や長寿命化した現像装置を用いた場合には、PTFEが摩耗し、異音が発生する傾向が見られた。そこで、本発明者らが鋭意検討した結果、側鎖メチル基を有するポリエーテル構造と、側鎖メチル基を有するポリエステル構造および側鎖メチル基を有するポリカーボネート構造から選択される一方または両方の構造との共重合構造を有するウレタン樹脂を含む表面層を有する現像剤担持体を使用することで、高速化・長寿命化した現像装置においても、PTFEを含む端部シール部材の摩耗を低減し、長期に亘って異音の発生を抑制できることを見出した。
また、本発明者らは、検討の過程で、現像剤担持体表面の表面自由エネルギーの極性成分の値が小さいほど、現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音の発生および端部シール部材の摩耗を抑制できることを見出した。ウレタン樹脂中のポリエーテル構造、ポリエステル構造およびポリカーボネート構造のそれぞれに側鎖メチル基を導入することにより、現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分を10.0mJ/m以下に制御することができる。そして、表面自由エネルギーの極性成分が上記範囲内であることにより、現像剤担持体と端部シール部材との相互作用が減少し、端部シール部材の摩耗低減の効果を発現したものと推測している。さらに、本発明者らは、本発明の電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真画像形成装置によれば、長期に亘って異音の発生が抑制されることを見出した。これも、高速化・長寿命化した現像装置の使用において、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦を低減することにより、長期に亘って端部シール部材の摩耗抑制が可能となったためであると推測している。
[現像装置]
本発明に係る現像装置は、現像剤を収容する現像剤容器と、現像剤容器に収容された現像剤を担持して、現像剤を現像剤容器の外部に搬送する、現像剤容器の開口部に配置された現像剤担持体と、現像剤容器の開口部の端部に配置された、現像剤担持体と当接する端部シール部材とを有する。
図1は、本発明に係る現像装置の一例を示す概略構成図であり、(a)は断面図、(b)は、現像剤容器4の開口部周辺の正面図である。説明を容易にするため、図1(b)において、現像剤担持体10は省略している。現像方法としては、非磁性一成分トナーを用いた接触現像方式等が採用される。現像装置1には、現像剤(トナー)2を収容する現像剤容器(トナー容器)4と、現像剤容器4の開口部を閉塞するように、矢印A方向に回転駆動する現像剤担持体10が設けられる。また、現像剤担持体10上のトナーを摩擦帯電すると同時に、トナー量を制御して薄層状のトナー層を形成するための現像ブレード(トナー規制部材)3が、現像剤担持体10に当接して設けられる。また、現像剤担持体10の両端部からのトナー漏れを防止するため、現像剤担持体10の両端部に当接して、端部シール部材8が現像剤容器4の開口部の端部に設けられる。端部シール部材8は、現像剤担持体10の表面層と接触する層にPTFE含有層801を有する。なお、説明を容易にするため、図1(a)において、端部シール部材8は透視して図示している。
図1(b)に示すように、端部シール部材8の側面部は、現像ブレード(トナー規制部材)3の両端側面部に当接するように配設され、現像ブレード(トナー規制部材)3の両端部からのトナーの漏れ出しを防止している。現像剤容器4内には、現像剤担持体10にトナー2を供給すると同時に、現像後、現像剤担持体10上に使用されずに残留するトナー2を掻き取るために、矢印B方向に回転駆動するトナー供給ローラ5が、現像剤担持体10に当接して設けられる。また、トナー2を攪拌してトナー供給ローラ5に供給するために、矢印C方向に回転駆動する羽根状のトナー攪拌部材6が設けられる。現像ブレード(トナー規制部材)3は、ステンレス鋼(SUS)で作製される板ばねであり、弾性範囲内で曲がった状態で、所定の当接圧にて現像剤担持体10と当接して配置される。トナー供給ローラ5は、導電性スポンジからなる弾性ローラであり、現像剤担持体10に対して現像剤容器4の内側に配置される。以下、現像装置を構成する各部材について説明する。
<現像剤担持体>
本発明に係る現像剤担持体の一例として、ローラ形状の現像剤担持体(現像ローラ)10を図2に示す。図2(a)は、長手方向に平行な断面の概略構成図であり、図2(b)は、長手方向に垂直な断面の概略構成図である。図2に示す現像ローラは、円柱状または中空円筒状の導電性の基体11の外周面に弾性層12が固定され、弾性層12の外周面に表面層13が積層された導電性部材から構成される。以下、本発明に係る現像剤担持体を、一実施形態であるローラ形状の現像剤担持体(現像ローラ)によって説明するが、現像剤担持体は、現像ローラに限定されない。
〔導電性の基体〕
導電性の基体は、現像剤担持体の電極および支持部材として機能する。基体は、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金;クロムまたはニッケルで鍍金処理を施した鉄;導電性を有する合成樹脂の如き導電性の材質で構成される。なお、導電性の基体の表面には、基体と弾性層との接着性の向上を図るため、プライマーを塗布してもよい。プライマーの例としては、シランカップリング剤系プライマー、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテル系またはエポキシ系の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等が挙げられる。
〔弾性層〕
弾性層は、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧可能な硬度や弾性を現像剤担持体に付与するために設けられる。弾性層の材料としては、種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、シリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層中には、導電性付与剤、非導電性充填剤、触媒の如き各種添加剤が適宜配合される。導電性付与剤としては、アルミニウム、銅の如き導電性金属の微粒子;酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタンの如き導電性金属酸化物の微粒子;またはカーボンブラックを用いることができる。これらのうち、カーボンブラックは比較的容易に入手でき、良好な導電性が得られるため、特に好ましい。導電性付与剤としてカーボンブラックを用いる場合は、弾性層中のゴム100質量部に対して、カーボンブラック3〜80質量部が配合される。非導電性充填剤としては、シリカ、石英粉末、酸化チタン、酸化亜鉛または炭酸カルシウムが挙げられる。
弾性層の厚さは0.5〜5.0mmの範囲内であることが好ましく、2.0〜4.0mmの範囲内であることがより好ましい。
〔表面層〕
表面層としては、ウレタン樹脂を含む表面層が用いられる。
(ウレタン樹脂)
ウレタン樹脂としては、隣接する2つのウレタン結合の間に、下記構造式(1)で示される構造と、下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造とを有し、かつ、隣接する2つのウレタン結合の間に、下記構造式(4)で示される構造および下記構造式(5)で示される構造から選択される一方または両方の構造を有するウレタン樹脂が用いられる。以下、構造式(1)、(2)、(3)、(4)または(5)で示される構造を、それぞれ、構造(1)、構造(2)、構造(3)、構造(4)または構造(5)ともいう。
Figure 2018041045
本発明に係るウレタン樹脂は、「構造式(1)で示される構造と、構造式(2)で示される構造および構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造」(以下、これらの組み合わせを「構造123」ともいう)と、「構造式(4)および構造式(5)で示される構造から選択される一方または両方の構造」(以下、これらの組合せを「構造45」ともいう)の両方を、同一の隣接する2つのウレタン結合の間に有していてもよく、また、「構造123」と「構造45」とを、別々の隣接する2つのウレタン結合の間にそれぞれ有していてもよい。
本発明に係るウレタン樹脂は、「構造123」と「構造45」が、ランダムに共重合されてなるものが好ましい。その理由は、表面層が均質化し、表面自由エネルギーの微細な偏りが解消され、摩擦性能が安定したウレタン樹脂が得られるためである。なお、本発明に係るウレタン樹脂が、隣接する2つのウレタン結合の間に、「構造123」と「構造45」とを有することは、例えば、NMR、熱分解GC/MS、FT−IRによる分析により確認できる。
本発明に係るウレタン樹脂は、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有するポリエーテルジオール、ならびに、構造(4)を有するポリエステルジオールおよび構造(5)を有するポリカーボネートジオールから選択される一方または両方を、任意のイソシアネート成分と反応させることにより得ることができる。前記ポリエーテルジオールは、テトラヒドロフランまたはメチルテトラヒドロフランの開環重合により得ることができる。前記ポリエステルジオールは、ネオペンチルグリコールを重合開始剤として用いるε−カプロラクトンの開環重合により得ることができる。また、前記ポリカーボネートジオールは、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと、ジエチルカーボネートとの縮合反応により得ることができる。
イソシアネート成分としては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族イソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネートの如き脂環式イソシアネート;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネート;およびこれらの共重合物やイソシアヌレート体、TMPアダクト体、ビウレット体、そのブロック体。これらの中でも、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネートの如き芳香族イソシアネートが好ましい。
ポリエーテルジオール、ポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオール(以下、これらを合わせて「ポリオール成分」という)と、該ポリオール成分と反応させるイソシアネート成分との混合比(モル比)は、ポリオール成分の水酸基1.0モルに対して、イソシアネート成分のイソシアネート基が1.3〜8.0モルの範囲内であることが好ましく、1.8〜4.0モルの範囲内であることがより好ましい。
前記ポリオール成分の数平均分子量(Mn)は、1000以上5000以下であることが好ましく、1000以上3000以下であることがより好ましい。数平均分子量が1000以上5000以下のポリオール成分を用いて調製した水酸基末端プレポリマー(ポリオール成分)およびイソシアネート基末端プレポリマー(イソシアネート成分)を用いると、バインダの均一性が高まり、ローラ表面の表面自由エネルギーの偏りの少ない、均質なウレタン樹脂が得られる。
なお、数平均分子量の測定に用いる装置および条件は、以下のとおりである。
・測定機器:HLC−8120GPC(商品名、東ソー社製)
・カラム:TSKgel SuperHZMM(商品名、東ソー社製)×2本
・溶媒:THF(20mmol/Lトリエチルアミン添加)
・温度:40℃
・THFの流速:0.6ml/min
・測定サンプル:0.1質量%のテトラヒドロフラン(THF)溶液
・検出器:RI(屈折率)検出器
検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128(いずれも商品名、東ソー社製)を用いて検量線を作成する。これを基に得られた測定サンプルの保持時間から、数平均分子量(Mn)を求める。
前記ポリオール成分は、一般的に極性の低い材料である。そのため、極性の高いイソシアネート成分との相溶性が低く、系内において、ポリオール成分の比率が高い部分と、イソシアネート成分の比率が高い部分とに微視的に相分離しやすい。その結果、ポリオール成分の比率が高い部分には、未反応成分が残存しやすく、表面層の摩擦性能を損なう原因となる場合が生じうる。そこで、前記ポリエーテルジオールおよび前記ポリエステルジオールの少なくとも一方を、水酸基末端プレポリマーあるいはイソシアネート基末端プレポリマーとして用いることで、ポリオール成分とイソシアネート成分との極性差を小さくして相溶性を向上させ、表面層の摩擦性能を効果的に高めることができる。
したがって、本発明に係るウレタン樹脂中には、「構造123」を有するポリエーテルジオールとイソシアネートを反応させた水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーを用いて、「構造123」を有するポリエーテル構造を導入してもよい。
また、本発明に係るウレタン樹脂中には、構造(4)を有するポリエステルジオールとイソシアネートとを反応させた水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーを用いて、構造(4)を有するポリエステル構造を導入してもよい。
また、本発明に係るウレタン樹脂中には、構造(5)を有するポリカーボネートジオールとイソシアネートとを反応させた水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーを用いて、構造(5)を有するポリカーボネート構造を導入してもよい。
すなわち、本発明に係るウレタン樹脂は、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される少なくとも一つの構造とを有するポリエーテルジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有することが好ましい。また、前記ウレタン樹脂は、構造(4)を有するポリエステルジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有することが好ましい。さらに、前記ウレタン樹脂は、構造(5)を有するポリカーボネートジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有することが好ましい。なお、イソシアネートとしては、前述した芳香族イソシアネートが好ましい。
前記ポリエーテルジオール、前記ポリエステルジオールおよび前記ポリカーボネートジオールを、それぞれイソシアネート成分と反応させた水酸基末端プレポリマーとして使用する場合、水酸基末端プレポリマーの数平均分子量としては、10000以上15000以下が好ましい。また、前記ポリエーテルジオール、前記ポリエステルジオールおよび前記ポリカーボネートジオールを、イソシアネート基末端プレポリマーとして使用する際は、イソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量が1.0〜7.0質量%の範囲内であることが好ましく、3.0〜4.0質量%の範囲内であることがより好ましい。水酸基末端プレポリマーの数平均分子量、またはイソシアネート基末端プレポリマーのイソシアネート基含有量が上記範囲内にあれば、生成するウレタン樹脂中の未反応成分の残留を低く抑えることができる。その結果、ウレタン樹脂中に局所的に摩擦が大きい部分が生じることを抑制することができる。
本発明に係るウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(4)を有するポリエステル成分、および構造(5)を有するポリカーボネート成分の一方または両方を含有するが、本発明の効果をより効率よく奏することができる点から、構造(5)を有するポリカーボネート成分を含有することが好ましい。すなわち、ウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方とを有し、かつ、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(5)を有することが好ましい。
本発明に係るウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(1)〜(5)以外に、本発明の効果が損なわれない程度に、必要に応じてポリプロピレングリコール、構造(4)以外の構造を有する脂肪族ポリエステル構造、構造(5)以外の構造を有する脂肪族ポリカーボネート構造を含有してもよい。構造(4)以外の構造を有する脂肪族ポリエステルとしては、特に限定されないが、例えば以下のものが挙げられる。1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコールの如きジオール;トリメチロールプロパンの如きトリオールと、アジピン酸、グルタル酸、セバシン酸等のジカルボン酸との縮合反応により得られる脂肪族ポリエステルポリオール。構造(5)以外の構造を有する脂肪族ポリカーボネートとしては、特に限定されないが、例えば、1,6−ヘキサンジオールの如きジオール成分と、ジエチルカーボネートの如きカーボネートとの縮合反応により得られる脂肪族ポリカーボネートが挙げられる。
図3に、本発明に係るウレタン樹脂が有する特徴的な構造の一例を示す。図3に示すウレタン樹脂は、隣接するウレタン結合A1とA2との間に、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを任意の順序で含有する。また、別の隣接するウレタン結合B1とB2との間には、構造(4)を任意の順序で含有する。さらに、別の隣接するウレタン結合C1とC2との間には、構造(5)を任意の順序で含有する。なお、図3に示す構造式中、p、q、rおよびsは、それぞれ独立して、1以上の整数を示す。
このようなウレタン樹脂は、構造(1)を有するポリエーテル成分の存在により、柔軟性に優れている。また、該ウレタン樹脂は、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造を有するポリエーテル成分の存在により、特に低温域でのウレタン樹脂の結晶化を抑制することができるため、柔軟性に優れている。さらに、構造(4)を有するポリエステル成分、または構造(5)を有するポリカーボネート成分の存在により、ウレタン樹脂を疎水化できるとともに、表面自由エネルギーの極性成分が小さくなることにより、現像剤担持体と端部シール部材との相互作用が小さくなり、摩擦を低減できる。
本発明に係るウレタン樹脂が含有する、構造式(1)で示される構造単位の総数と、構造式(2)および/または構造式(3)で示される構造単位の(合計)総数との比(モル比)は、20:80〜80:20の範囲内であることが好ましい。モル比が上記範囲内であれば、柔軟性に優れたウレタン樹脂を得ることができるため、端部シール部材との摺擦による、びびりの少ない表面層を実現しやすくなる。
本発明に係るウレタン樹脂が含有する、構造式(1)と、構造式(2)および/または構造式(3)とで示される構造単位の合計総数と、構造式(4)および/または構造式(5)で示される構造単位の(合計)総数との比(モル比)は、20:80〜80:20の範囲内であることが好ましく、60:40〜80:20の範囲内であることがより好ましい。モル比が上記範囲内であれば、柔軟であり、かつ端部シール部材との摩擦が小さい表面層を実現しやすくなる。
(フィラー)
現像剤担持体として表面層の耐摩耗性能が必要な場合や電気抵抗制御が必要な場合は、表面層の強度制御のためのフィラーや、電気抵抗制御のための導電性フィラーを添加してもよい。
フィラーとしては、例えば以下の無機粒子が挙げられる。酸化アルミニウム、石英微粉末、シリカ粒子、ケイソウ土、酸化亜鉛、塩基性炭酸マグネシウム、活性炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、二酸化チタン、タルク、雲母粉末、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、有機補強剤、有機充填剤。これらのフィラーは、その表面を有機珪素化合物、例えば、ポリジオルガノシロキサン等を用いて疎水化処理し、疎水性無機粒子とすることができる。
また、導電性フィラーとしては、例えば以下のものが挙げられる。カーボンブラック、グラファイト等の炭素系物質;アルミニウム、銀、金、錫−鉛合金、銅−ニッケル合金等の金属あるいは合金;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化銀等の導電性金属酸化物;各種フィラーに銅、ニッケル、銀等の導電性金属めっきを施した物質。導電性フィラーとしては、導電性の制御が容易であり、また安価であるという理由から、カーボンブラックが特に好適に用いられる。
(粗さ制御用微粒子)
現像剤担持体として表面粗度が必要な場合は、表面層中に粗さ制御のための微粒子を含有させてもよい。粗さ制御用微粒子は、体積平均粒径が3〜20μmであることが好ましい。粗さ制御用微粒子の含有量は、表面層の樹脂成分100質量部に対して、1〜50質量部であることが好ましい。粗さ制御用微粒子としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂等の微粒子を用いることができる。
表面層の厚さは、1〜50μmの範囲内であることが好ましく、3〜30μmの範囲内であることがより好ましい。本発明における表面層の厚さは、例えば、キーエンス株式会社製のデジタルマイクロスコープ(商品名:VHX−600)を用いて表面層の厚み方向の断面を観察し、表面層と弾性層の界面から表面層の表面の平坦部までの距離を測定することによって求めることができる。この測定を任意の5つの断面について行い、それら5点の測定値の相加平均値を表面層の厚さとする。
表面層の形成方法は特に限定されないが、塗料によるスプレー、浸漬塗工、またはロールコートによる方法が挙げられる。浸漬塗工としては、特開昭57−5047号公報に記載されているように、弾性層を形成した基体を、塗料を入れた浸漬槽中に浸漬し、浸漬槽の上端から塗料をオーバーフローさせる方法が、簡便かつ生産安定性に優れるため好ましい。
<端部シール部材>
端部シール部材は、一般的に、現像剤担持体の表面層と接触する第一の層と、第一の層に重ねられた第二の層とを含む、複数の層から構成されている。本発明に係る端部シール部材は、現像剤担持体の表面層と接触する層(第一の層)にPTFEを含有することで、現像剤担持体との摩擦が低減され、摺擦による異音の発生が抑制される。
本発明においては、現像剤担持体の端部シール部材との摺擦音発生の抑制効果を表す指標として、現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分を用いることができる。本発明者らの検討によれば、現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分は、現像剤担持体の摩擦特性と良い相関を示す。本発明の現像剤担持体は、表面における表面自由エネルギーの極性成分が10.0mJ/m以下の現像剤担持体である。表面自由エネルギーの極性成分が10.0mJ/mを超える場合は、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦の低減効果が不十分となる。なお、表面自由エネルギーの極性成分の測定方法は、実施例において詳述する。
[電子写真画像形成装置]
本発明に係る電子写真画像形成装置は、静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を帯電するための帯電装置と、帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真画像形成装置であって、該現像装置が本発明に係る現像装置を有する。図4は、本発明に係る現像装置を搭載する電子写真画像形成装置の一例を示している。
電子写真画像形成装置100は、転写方式電子写真プロセス、接触帯電方式、一成分接触現像方式を用いたカラーレーザープリンタとされる。電子写真画像形成装置100は、通信可能に接続された外部ホスト装置(不図示)からの画像情報に応じて、記録媒体としての転写材101、例えば、用紙、OHPシートなどにフルカラーの画像を形成し、出力することができる。
また、電子写真画像形成装置100は、フルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン方式)の画像形成装置とされる。すなわち、電子写真画像形成装置100は、像形成手段である複数の、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する画像形成部を有している。各画像形成部において形成された画像は、一旦、中間転写体としての中間転写ベルト102上に多重転写され、その後、記録媒体としての転写材101上に一括転写される。中間転写ベルト102は、駆動ローラおよび支持ローラによって懸架され、矢印D方向に駆動される。
各色の画像形成部は、同じ構成を有し、矢印方向に回転駆動される静電潜像を担持するための像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光ドラム」という)7を備えている。感光ドラム7の回りには、像担持体を帯電するための帯電装置(帯電ローラ、不図示)、および、帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置(レーザービームスキャナ装置)108が配置され、感光ドラム7上に静電潜像を形成する。また、感光ドラム7の回りには、本発明に係る現像装置1が配置され、現像剤担持体10からトナーが付与されて、感光ドラム7上に形成された静電潜像を現像して可視像(トナー像)とする。感光ドラム7の回りには、さらに、該トナー像を転写材に転写するための転写装置(不図示)と、感光ドラム7上の残トナーをクリーニングするクリーニング手段としてのクリーニング装置(不図示)が配置されている。
各画像形成部において、帯電装置(不図示)により感光ドラム7を均一に帯電し、帯電された表面に、露光装置108によってコントローラからの入力信号に応じた静電潜像を形成する。そして、該静電潜像をトナーにより現像して、現像装置1においてトナー像として顕像化される。この画像形成プロセスを色毎に行う。各色のトナー像は、転写手段としての一次転写ローラ103が配置された一次転写部において、中間転写ベルト102上に転写され、中間転写ベルト102上にカラー画像が形成される。このカラー画像は、二次転写手段としての二次転写ローラ104が配置された二次転写部にて、一括して転写材101上に転写される。転写材101は、搬送手段としての搬送ローラ105により、給紙カセットから二次転写ローラ104を備えた二次転写部へと搬送される。カラー画像が転写された転写材101は、定着装置106に搬送され、定着装置106によってトナー像の定着を受けた後に排出される。一方、転写後の感光ドラム7上に残留する転写残トナーは、クリーニング装置(不図示)によってクリーニングされる。
[電子写真プロセスカートリッジ]
図4における各画像形成部を構成する、上記現像装置1、感光ドラム7、帯電ローラ(不図示)、およびクリーニング装置(不図示)は、一体に構成されて電子写真プロセスカートリッジとして用いることができる。各プロセスカートリッジは、装着手段(不図示)を介して電子写真画像形成装置100の本体に対して着脱可能に構成される。したがって、プロセスカートリッジにおける現像装置1がトナー消費による寿命に達した場合には、その画像形成部、すなわち、プロセスカートリッジを交換することができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づき詳細に説明する。下記の実施例は、本発明の最良な実施形態の一例であるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。実施例に先立ち、ウレタン樹脂の原料となるポリエーテルジオール、イソシアネート基末端プレポリマー、ポリエステルジオールおよびポリカーボネートジオールの製造例を説明する。
[製造例1:ポリエーテルジオールA−1の合成]
反応容器中で、乾燥テトラヒドロフラン144.2gと、乾燥3−メチルテトラヒドロフラン172.2g(モル比50:50)の混合物を、温度10℃に保持した。テトラヒドロフランは、開環重合により構造(1)を供し、また、3−メチルテトラヒドロフランは、開環重合により構造(2)および構造(3)を供する原材料である。次に、70質量%過塩素酸水溶液13.1g、および無水酢酸120gを加え、1.5時間反応を行った。次に、反応混合物を20質量%水酸化ナトリウム水溶液600g中に注ぎ、精製を行った。さらに、減圧下、残留する水および溶媒成分を除去し、液状のポリエーテルジオールA−1を得た。得られたポリエーテルジオールA−1の数平均分子量(Mn)は1000であった。
[製造例2、3:ポリエーテルジオールA−2、A−3の合成]
反応時間を表1に示す条件に変更した以外は製造例1と同様にして、ポリエーテルジオールA−2およびA−3を得た。得られたポリエーテルジオールの数平均分子量Mnを表1に示す。
ポリエーテルジオールA−1〜A−3は、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造(表中、「(2)/(3)」と表記した)とを有していた。また、ポリエーテルジオールA−1〜A−3について、NMRを用いて分析を行った。その結果、ポリエーテルジオールA−1〜A−3に含まれる、構造式(1)で示される構造単位の総数と、構造式(2)および/または構造式(3)で示される構造単位の合計総数との比(モル比)は50:50であった。
Figure 2018041045
[製造例11:イソシアネート基末端プレポリマーB−1の合成]
窒素雰囲気下、反応容器中で、コスモネートMDI(商品名、三井化学社製)76.5gに対し、200.0gのポリエーテルジオールA−1を、反応容器内の温度を65℃に保持しつつ、徐々に滴下した。滴下終了後、温度65℃で2時間反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却し、イソシアネート基含有量3.8質量%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーB−1を得た。
[製造例12、13:イソシアネート基末端プレポリマーB−2、B−3の合成]
ポリエーテルジオールA−1を表2に示すものに変更した以外は、製造例11と同様にして、イソシアネート基末端プレポリマーB−2およびB−3を得た。
イソシアネート基末端プレポリマーB−1〜B−3は、ポリメリックMDIからなるイソシアネート基末端プレポリマーであり、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有していた。また、イソシアネート基末端プレポリマーB−1〜B−3に含まれる、構造式(1)で示される構造単位と、構造式(2)および/または構造式(3)で示される構造単位とのモル比(原料仕込み比)は50:50であった。
[製造例14:イソシアネート基末端プレポリマーB−4の合成]
ポリエーテルジオールA−1を、ポリテトラメチレングリコールPTMG3000(商品名、三洋化成工業社製)に変更した以外は、製造例11と同様にして、イソシアネート基末端プレポリマーB−4を得た。イソシアネート基末端プレポリマーB−4は、ポリメリックMDIからなるイソシアネート基末端プレポリマーであり、構造(1)を有するが、構造(2)および構造(3)をいずれも有さない。すなわち、構造式(1)で示される構造単位と、構造式(2)および構造式(3)で示される構造単位とのモル比(原料仕込み比)は100:0であった。
イソシアネート基末端プレポリマーB−1〜B−4の、イソシアネート基含有量(質量%)、ならびに、構造式(1)で示される構造単位と、構造式(2)および構造式(3)で示される構造単位とのモル比「M:M23」(原料仕込み比)を表2にまとめて示す。
Figure 2018041045
[製造例21:ポリエステルジオールC−1の合成]
反応容器中に、ε−カプロラクトン947.9g、オクチル酸スズ(商品名:スタノクト、(株)エーピーアイコーポレーション製)0.010g(10ppm)、重合開始剤としてネオペンチルグリコール52.1gを仕込んだ。次いで、温度150℃で、残存するε−カプロラクトンが、ガスクロマトグラフィー分析にて1質量%以下になるまで反応させて、ポリエステルジオールC−1を得た。得られたポリエステルジオールC−1の数平均分子量(Mn)は2000であった。
[製造例22〜24:ポリエステルジオールC−2〜C−4の合成]
重合開始剤を表3に示すものに変更した以外は、製造例21と同様にして、下記構造式(6)で示される構造単位を有するポリエステルジオールC−2〜C−4を得た。得られたポリエステルジオールが有する、下記構造式(6)におけるRの構造を表3に示す。
Figure 2018041045
Figure 2018041045
[製造例31:ポリカーボネートジオールD−1の合成]
反応容器中、3−メチル−1,5−ペンタンジオール236.4gに、ジエチルカーボネート224.5gを加え、200℃に加熱した。次に、エチレングリコールおよび水を除去し、さらに真空下で縮合反応を進めて、ポリカーボネートジオールD−1を得た。得られたポリカーボネートジオールD−1の数平均分子量は2000であった。
[製造例32〜34:ポリカーボネートジオールD−2〜D−4の合成]
3−メチル−1,5−ペンタンジオールを、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとの混合物に変更し、それらの混合比率(モル比)を表4に示すように変更した以外は、製造例31と同様にして、ポリカーボネートジオールD−2〜D−4を得た。ポリカーボネートジオールD−2〜D−4の数平均分子量は、いずれも2000であった。なお、1,6−ヘキサンジオールは、ジエチルカーボネートとの縮合反応により、側鎖メチル基を有さないポリカーボネート構造を供する原材料である。
Figure 2018041045
[製造例41:現像剤担持体E−1の製造]
下記の手順によって現像剤担持体E−1を製造した。
(1.基体の用意)
基体として、ステンレス鋼(SUS304)製の直径6mmの芯金にプライマー(商品名:DY35−051、東レダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
(2.弾性層の形成)
基体を金型内に配置し、下記表5に示す材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを温度150℃で15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに温度180℃で1時間加熱して硬化反応を完結させた。こうして、基体の外周に直径12mmの弾性層を有する弾性ローラを得た。
Figure 2018041045
(3.表面層の形成)
表面層の材料として、下記表6に示す材料を撹拌混合し、表面層用の組成物を調製した。
Figure 2018041045
次に、総固形分比が20質量%になるように、得られた組成物をメチルエチルケトン(以下、「MEK」という)に溶解、混合した後、サンドミルにて均一に分散した。さらに、ウレタン樹脂粒子(商品名:C600透明、直径10μm、根上工業社製)を10.0質量部加えて均一に分散し、表面層形成用塗料を得た。次いで、この塗料を粘度が5〜7cpsになるようMEKで希釈した。この希釈液中に前記弾性ローラを浸漬して、弾性層上に塗料を塗工した後、乾燥させた。さらに温度150℃にて1時間加熱処理することで、弾性層の外周に膜厚8μmの表面層を形成した。このようにして、現像剤担持体E−1を製造した。
[製造例42〜53:現像剤担持体E−2〜E−13の製造]
表面層形成用塗料を構成するポリオール成分およびイソシアネート成分の種類、ならびに配合比を表7に示すように変更した以外は、製造例41と同様にして、現像剤担持体E−2〜E−13を製造した。いずれの場合も、カーボンブラックの使用量は、ポリオール成分100質量部に対して10質量部である。
Figure 2018041045
<現像剤担持体の評価>
以上のようにして得られた現像剤担持体E−1〜E−13について、以下の測定および評価を行った。
[1.ウレタン樹脂に含まれる構造の確認]
現像剤担持体E−1〜E−13の各表面層が含むウレタン樹脂を、FT−NMR装置 AVANCE500(商品名、BRUKER社製)を用いて、測定核H、13C(温度:25℃、溶媒:重クロロホルム、基準物質:テトラメチルシラン)で分析した。その結果、現像剤担持体E−1〜E−8の表面層が含むウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有し、かつ、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(4)および構造(5)から選択される一方または両方の構造を有することが確認された。
一方で、現像剤担持体E−9の表面層が含むウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(1)と構造(5)とを有するが、構造(2)および構造(3)をいずれも有さないことが確認された。また、現像剤担持体E−10〜E−13の表面層が含むウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有するが、構造(4)および構造(5)をいずれも有さないことが確認された。特に現像剤担持体E−10の表面層が含むウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、ポリカーボネート構造を有するものの、該ポリカーボネート構造は、構造(5)を有さないことが確認された。さらに、現像剤担持体E−11〜E−13の表面層が含むウレタン樹脂は、隣接する2つのウレタン結合の間に、ポリエステル構造を有するものの、該ポリエステル構造は、構造(4)を有さないことが確認された。
[2.表面自由エネルギーの極性成分の測定]
現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーは、表8に示す表面自由エネルギー3成分が既知のプローブ液体を使用して測定した。
Figure 2018041045
具体的には、協和界面科学(株)製の接触角計DropMaster DM−501(商品名)を使用して、現像剤担持体の表面における上記各プローブ液体の接触角θを測定した。そして、以下に示す北崎・畑の理論の式を用いて、表8のプローブ液体3種の表面自由エネルギーγL、γL、γLと、それぞれ求めた接触角θとから3つの式を作成した。その3元連立方程式を解いて、γs、γs、γsを算出し、γsをもって現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分とした。表面自由エネルギーの極性成分γsの測定結果を表9に示す。
Figure 2018041045
接触角θの詳細な測定条件は以下のとおりである。
測定:液滴法(真円フィッティング)
液量:1μl
着滴認識:自動
画像処理:アルゴリズム−無反射
イメージモード:フレーム
スレッシホールドレベル:自動
[3.動摩擦係数の測定]
現像剤担持体の動摩擦係数(μ)の測定は以下の手順で行った。
本発明において動摩擦係数の測定に用いる測定機の概略図を図5に示す。この測定方法は、オイラーのベルト式に準拠している。図5において、10は測定対象である現像剤担持体であり、202は現像剤担持体に所定の角度θで接触させたベルト(厚さ100μm、幅30mm、長さ180mm、ポリエチレンテレフタレート(PET)製、商品名:ルミラーS10 #100、東レ(株)製)であり、203はベルト202の一端に繋がれた錘であり、204はベルト202の他端に繋がれた荷重計であり、205は荷重計204に接続された記録計である。図5に示す状態で、現像剤担持体10を所定の方向に所定の速度で回転させたとき、荷重計204で測定された力をF[g重]、錘の重さとベルトの重さとの和をW[g重]とするとき、摩擦係数は以下の式で求められる。
摩擦係数μ=(1/θ)ln(F/W)
この測定方法により得られるチャートの一例を図6に示す。現像剤担持体を回転させた直後の値が、回転を開始するのに必要な力であり、それ以降の値が回転を継続するのに必要な力である。したがって、回転開始点(すなわちt=0[秒]の時点)の摩擦係数が静摩擦係数であり、t>0[秒]の任意の時間における摩擦係数が、任意の時間における動摩擦係数である。本発明では、回転開始5秒後(すなわちt=5[秒]の時点)から10秒後(すなわちt=10[秒]の時点)までの5秒間に得られる動摩擦係数の平均値をもって、上記の動摩擦係数(μ)とした。なお、本発明においては、W=50[g重]とし、現像剤担持体の回転速度を200rpmとし、測定環境を23℃/50%RHとした。動摩擦係数の測定結果を表9に示す。
Figure 2018041045
[製造例51:端部シール部材F−1の製造]
下記の手順によって端部シール部材F−1を製造した。
発泡ウレタンシート(ソフトプレン(株)製)に、PTFEシート(アンビック(株)製)を貼り付けた。その後、現像装置Color LaserJet CP3520(商品名、HP社製)に備わっている端部シール部材の形状に合わせて切り出し、端部シール部材F−1とした。
[製造例52、53:端部シール部材F−2、F−3の製造]
製造例51において、PTFEシートを、レーヨンシート(信栄フエルト工業(株)製)またはアクリルシート(三菱レイヨン(株)製)に変更した以外は、製造例51と同様にして、端部シール部材F−2およびF−3を製造した。レーヨンシートを用いたものを、端部シール部材F−2とし、アクリルシートを用いたものを、端部シール部材F−3とした。
[実施例1:現像装置G−1の作製]
下記の手順に従って現像装置G−1を作製した。
HP社製 Color LaserJet Enterprise M553dn(商品名)の専用の電子写真プロセスカートリッジ(ブラック)に備わっている現像剤担持体を、製造例41で製造した現像剤担持体E−1に交換し、さらに端部シール部材を製造例51で製造した端部シール部材F−1に交換した。
[実施例2〜8および比較例1〜31:現像装置G−2〜G−39の作製]
現像剤担持体および端部シール部材を表10に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、現像装置G−2〜G−39を作製した。
Figure 2018041045
<現像装置の評価>
[異音音量評価]
現像剤担持体と端部シール部材との摺擦による異音音量評価は、電子写真画像形成装置を用いて、以下の手順で行った。
電子写真画像形成装置としては、HP社製 Color LaserJet Enterprise M553dn(商品名)を基に、現像剤担持体、トナー供給ローラおよび感光ドラムを、通常よりも高速回転できるよう改造した装置を用いた。電子写真プロセスカートリッジには専用のブラック用のものを使用し、当該装置の現像装置を、実施例1において作製した現像装置G−1に交換して準備した。このとき、現像剤担持体の回転速度を800rpmと、通常の値よりも高く設定した。
準備した電子写真プロセスカートリッジを、前記電子写真画像形成装置の本体に搭載し、温度15℃、相対湿度10%の環境下に24時間放置した。その後、同環境下において、レターサイズの紙(商品名:「Business Multipurpose 4200」、XEROX社製)上に、印字率が0.2%となるブラックのみの画像の出力を繰り返した。印字モードは、レターサイズの紙を1枚出力する毎に、電子写真感光体の回転を1度停止させ、5秒毎に1枚の出力を行う間欠モードとした。
異音音量は、印刷0枚(すなわち、未使用の状態)および50000枚の出力を終えた段階で、ベタ白画像を20枚連続で印刷している間の異音の音量を、騒音計(商品名:LA5560、株式会社小野測器製)を用いて測定した。そして、最初の3枚が出力された後の5秒間の平均値を取った音圧レベルを異音の音量とした。評価結果は、以下の基準でA〜Fにランク付けした。結果を表11に示す。
ランクA:音量35dBより小さい異音が発生する。
ランクB:音量35dB以上かつ音量40dBより小さい異音が発生する。
ランクC:音量40dB以上かつ音量45dBより小さい異音が発生する。
ランクD:音量45dB以上かつ音量50dBより小さい異音が発生する。
ランクE:音量50dB以上かつ音量55dBより小さい異音が発生する。
ランクF:音量55dB以上の異音が発生する。
Figure 2018041045
表11の実施例1〜8の結果より、少なくとも弾性層の外周面を被覆するウレタン樹脂を含む表面層を有する現像剤担持体と、端部シール部材とを有する現像装置において、前記ウレタン樹脂として、側鎖メチル基を有するポリエーテル構造と、側鎖メチル基を有するポリエステル構造および側鎖メチル基を有するポリカーボネート構造の一方または両方とを有するウレタン樹脂を使用し、かつ現像剤担持体の表面層に接触する層にPTFEを含有する端部シール部材を使用することにより、現像剤担持体と端部シール部材の摺擦による異音の発生を抑制し、高耐久で長期に亘って安定した静音性を発揮できることが分かった。
具体的には、比較例1および比較例2においては、端部シール部材の現像剤担持体の表面層に接触する層に、PTFEを含まない端部シール部材を使用しているため、異音音量評価は良好なレベルではなかった。一方、実施例1においては、端部シール部材がPTFEを含有するため、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦が抑制され、異音音量評価は良好なレベルであった。現像剤担持体E−2〜E−8を用いた実施例2〜8と比較例3〜16との比較においても、同様の傾向が見られた。
また、比較例17においては、表面層のウレタン樹脂が、構造(1)および構造(5)を有するが、構造(2)および構造(3)をいずれも有していない現像剤担持体を使用しているため、異音音量評価が良好なレベルではなかった。一方、実施例1においては、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有し、かつ、構造(5)を有する現像剤担持体を使用しているため、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦が抑制され、異音音量評価は良好なレベルであった。
また、比較例20、比較例23、比較例26および比較例29においては、表面層のウレタン樹脂が、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有するが、構造(4)および構造(5)をいずれも有していない現像剤担持体を使用しているため、異音音量評価が良好なレベルではなかった。一方、実施例3、実施例4および実施例6においては、構造(1)と、構造(2)および構造(3)から選択される一方または両方の構造とを有し、かつ、構造(4)および構造(5)から選択される一方または両方の構造を有する現像剤担持体を使用しているため、現像剤担持体と端部シール部材との摩擦が抑制され、異音音量評価は良好なレベルであった。
1‥‥現像装置
3‥‥現像ブレード
4‥‥現像剤容器
7‥‥感光体(感光ドラム)
8‥‥端部シール部材
10‥‥現像剤担持体(現像ローラ)
11‥‥導電性の基体
12‥‥弾性層
13‥‥表面層
100‥‥電子写真画像形成装置
801‥‥PTFE含有層

Claims (7)

  1. 現像剤を収容する現像剤容器と、
    該現像剤容器に収容された該現像剤を担持して、該現像剤を該現像剤容器の外部に搬送する、該現像剤容器の開口部に配置された現像剤担持体と、
    該現像剤容器の開口部の端部に配置された、該現像剤担持体と当接する端部シール部材と、
    を備える現像装置であって、
    該現像剤担持体は、導電性の基体と、該基体の外周に設けられた弾性層と、該弾性層の外周を被覆する表面層とを有し、
    該表面層はウレタン樹脂を含み、
    該ウレタン樹脂は、
    隣接する2つのウレタン結合の間に、
    下記構造式(1)で示される構造と、
    下記構造式(2)で示される構造および下記構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造と、を有し、かつ、
    隣接する2つのウレタン結合の間に、
    下記構造式(4)で示される構造および下記構造式(5)で示される構造から選択される一方または両方の構造を有し、
    該現像剤担持体の表面における表面自由エネルギーの極性成分が10.0mJ/m以下であり、
    該端部シール部材が、該現像剤担持体の該表面層と接触する層にポリテトラフルオロエチレンを含有することを特徴とする現像装置。
    Figure 2018041045
  2. 前記ウレタン樹脂が、隣接する2つのウレタン結合の間に、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選択される一方または両方の構造と、を有し、かつ、隣接する2つのウレタン結合の間に、前記構造式(5)で示される構造を有する請求項1に記載の現像装置。
  3. 前記ウレタン樹脂が、前記構造式(1)で示される構造と、前記構造式(2)で示される構造および前記構造式(3)で示される構造から選択される少なくとも一つの構造とを有するポリエーテルジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有する、請求項1または2に記載の現像装置。
  4. 前記ウレタン樹脂が、前記構造式(4)で示される構造を有するポリエステルジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の現像装置。
  5. 前記ウレタン樹脂が、前記構造式(5)で示される構造を有するポリカーボネートジオールとイソシアネートとの反応物である、水酸基末端プレポリマーまたはイソシアネート基末端プレポリマーの熱硬化物を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の現像装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置を有し、電子写真画像形成装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジ。
  7. 静電潜像を担持するための像担持体と、該像担持体を帯電するための帯電装置と、帯電された像担持体に静電潜像を形成するための露光装置と、該静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成するための現像装置と、該トナー像を転写材に転写するための転写装置と、を有する電子写真画像形成装置であって、該現像装置が、請求項1〜5のいずれか一項に記載の現像装置を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022230584A1 (ja) * 2021-04-26 2022-11-03 キヤノン株式会社 ポリウレタンエラストマー、及びその製造方法
WO2024090398A1 (ja) * 2022-10-25 2024-05-02 キヤノン株式会社 誘電体、誘電体の製造方法及びトランスデューサー

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