JP2018039603A - クレーンの情報提示システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイヤーロープの交換時期を適切に判断するための指針となる情報を提示する。【解決手段】繰出長算出部211は、回転量センサ41により検出された回転量から巻上ドラム61aから繰り出されている吊ロープ66の長さである繰出長を算出する。負荷算出部191は、負荷センサ43が検出した巻上ドラム61aの負荷データに基づいて、吊ロープ66の負荷率を算出する。カウント部281は、吊ロープ66を複数の区間に区分したときの各区間におけるシーブに対する吊ロープ66の通過長が、基準値を超えた回数である曲げ伸ばし回数を、負荷率に応じてカウントする。統計情報生成部101は、カウント部281によるカウント結果から、負荷率に応じた区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報を生成する。【選択図】図3

Description

本発明は、クレーンの情報提示システムに関する。
クレーンは、吊荷の巻き上げ及び巻下を行うワイヤーロープや、ブーム等の起伏部材を起伏させるためのワイヤーロープを備えている。これらのワイヤーロープは、クレーン作業に伴う負荷がかかることにより劣化する。したがって、ワイヤーロープの劣化を管理し、交換時期をユーザに把握させることが望ましい。
特許文献1は、クレーンの巻上ウインチのドラムの回転量を検出し、検出した回転量からドラムに残っているロープの巻層及び巻列を算出し、算出したロープの巻層及び巻列の数を表示部に表示するシステムを開示する。
特許文献2は、巻上ウインチドラムに巻かれたロープの巻き取り及び繰り出しを検出する第1の検出器と、ロープの移動量を検出する第2の検出器との検出信号から、作業前の揚程特性を算出して記憶回路に登録する。そして、特許文献2は、作業中に、第1の検出器からの検出信号に対応する揚程を記憶回路から読み出し、表示器に表示する技術を開示する。
特許文献3は、吊ロープの繰り出し位置がドラム外周に接する層から何番目の層に当たるかを示す巻層番号と、吊ロープを繰り出している列がドラム端部から何番目に当たるかを示す列番号とを考慮に入れて、吊ロープの移動量を求め、作業具またはフックの深度を求める技術を開示する。
特開平11−240689号公報 特開平8−192991号公報 特開平4−38394号公報
しかし、ワイヤーロープの交換時期を判断するための指針となる情報を提示する従来の技術は存在しない。そのため、前述の従来技術では、ワイヤーロープをウインチドラムに装着してからの経過時間、或いはクレーンの稼働時間が、規定の時間に達した場合、一律にワイヤーロープの交換時期が到来したと判断せざるを得なかった。
したがって、実際には交換を要するほどワイヤーロープが劣化していないにも拘わらず、早期にワイヤーロープが交換され、経済的負担が増大するという問題があった。逆に、ワイヤーロープが劣化しているにも拘わらず、ワイヤーロープが交換されず、安全性に欠けるという問題があった。
また、クレーンでは、吊ロープや起伏ロープといった複数のワイヤーロープがあり、それぞれ、使用時間が異なっており、劣化の度合いが異なっているにも拘わらず、一律に交換されるという問題もあった。
本発明の目的は、ワイヤーロープの交換時期を適切に判断するための指針となる情報を提示する情報提示システムを提供することである。
本発明の一態様に係る情報提示システムは、少なくとも1つのシーブを介して対象物を吊り下げるワイヤーロープを巻き取るウインチを備えたクレーンにおいて、前記ワイヤーロープに関する情報を提示する情報提示システムであって、
前記ワイヤーロープにかかる負荷の指標値である負荷指標値を算出する負荷算出部と、
前記ワイヤーロープを複数の区間に区分したときの各区間における前記シーブに対する前記ワイヤーロープの通過長が基準値を超えた回数である曲げ伸ばし回数を、前記算出された負荷指標値に応じてカウントするカウント部と、
前記カウント部によるカウント結果に基づいて、前記負荷指標値に応じた前記区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報を生成する統計情報生成部と、
前記生成された前記統計情報を提示する提示部とを備える。
本態様によれば、シーブに対するワイヤーロープの区間毎の通過長が、基準値を超えた回数である曲げ伸ばし回数であって、負荷指標値に応じた曲げ伸ばし回数がカウントされる。そして、カウント結果に基づいて、負荷指標値に応じた区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報が生成され、生成された統計情報が提示される。
ワイヤーロープは、シーブを通過するとき、外側が引っ張られ且つ内側が収縮されてシーブの円弧に沿って曲げ伸ばされた後、曲げ伸ばしが解放される。このように、曲げ伸ばしと曲げ伸ばしの解放とが連続すると、ワイヤーロープの金属疲労が進行する。したがって、ワイヤーロープの区間毎に曲げ伸ばし回数を負荷指標値に応じてカウントすることで得られる統計情報は、ワイヤーロープがどの区間がどの程度劣化したかを示す。
そのため、ユーザは、統計情報に基づいて、ワイヤーロープの疲労の偏りを把握し、ワイヤーロープの適切な交換時期を判断できる。その結果、本態様は、ワイヤーロープが劣化していないにも拘わらず、ワイヤーロープの交換を強制する事態を回避でき、経済的負担の減少及び資源の効率的な活用を図ることができる。また、本態様は、劣化したワイヤーロープの使用が継続されることが防止され、安全性を確保できる。
また、この統計情報は、試験機による実験データではなく実際のクレーンのデータから生成された情報であるため、信頼性の高い統計情報を提供できる。
上記態様において、前記統計情報生成部は、前記算出された負荷指標値が予め定められた複数の負荷区分のうち、いずれの負荷区分に属するかを特定し、前記特定した負荷区分に応じた前記区間毎の前記曲げ伸ばし回数を示す情報を前記統計情報として生成してもよい。
本態様では、負荷指標値が負荷区分に区分けされた区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報がユーザに提示されるので、負荷区分と区間とに応じた曲げ伸ばし回数を例えば表形式で示す統計情報をユーザに提示できる。その結果、ユーザにとって理解容易な統計情報を提示できる。
上記態様において、前記ワイヤーロープは、前記クレーンの起伏部材に取り付けられ、
前記ワイヤーロープは複数のシーブに掛け回され、
前記情報提示システムは、
前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出部と、
前記ウインチから繰り出された前記ワイヤーロープの長さの指標値である繰出長指標値を算出する繰出長算出部とを更に備え、
前記カウント部は、前記算出された繰出長指標値と前記検出された姿勢と前記シーブの掛数とに基づいて、前記ワイヤーロープ上での各シーブの位置を算出し、各シーブに対する前記区間毎の通過長を算出してもよい。
本態様によれば、繰出長指標値と起伏部材の姿勢と掛数とに基づいてシーブの位置が算出されている。ここで、ウインチから繰り出されるワイヤーロープ上でのシーブの位置は、ワイヤーロープの繰出長と、起伏部材の姿勢と、掛数とが分かれば一意的に特定できる。よって、本態様は、ワイヤーロープ上でのシーブの位置を正確に算出できる。
上記態様において、前記情報提示システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを介して接続されたサーバとを備え、
前記情報処理装置は、前記負荷算出部と前記カウント部とを備え、
前記サーバは、前記統計情報生成部を備え、
前記情報処理装置は、前記カウント部によるカウント結果を蓄積し、一定の期間が経過する度に前記蓄積したカウント結果を前記サーバに送信してもよい。
本態様によれば、一定の期間が経過する度にカウント結果がサーバに送信されるので、サーバは1つのカウント結果が得られる度に情報処理装置にアクセスする必要がない。そのため、サーバ及び情報処理装置間の通信負荷の軽減を図ることができる。
上記態様において、前記基準値は、前記シーブの円周の少なくとも1/4の値であることが好ましい。
ワイヤーロープは、シーブを通過する時の通過長が僅かであれば、発生する曲げ伸ばしが小さいので、曲げ伸ばし回数としてカウントするのは妥当ではない。本態様は、基準値がシーブの円周の少なくとも1/4に設定されている。そのため、本態様は、ワイヤーロープの通過長が僅かであるにも拘わらず、曲げ伸ばし回数がカウントアップされる事態を回避できる。その結果、本態様は、ワイヤーロープの劣化を精度良く示す曲げ伸ばし回数を算出できる。
本発明によれば、ワイヤーロープの交換時期を適切に判断するための指針となる情報を提示できる。
本発明の実施の形態による情報提示システムが適用されたクレーンの全体構成を示す図である。 情報提示システムの概略的な全体構成を示す図である。 図2に示す情報処理装置、サーバ、及び端末の構成を示す図である。 シーブの掛数と巻上速度との関係を示す図である。 シーブの掛数と巻上速度との関係を示す図である。 曲げ伸ばし回数がカウントされるケースの第1例を示した図である。 曲げ伸ばし回数がカウントされるケースの第2例を示した図である。 曲げ伸ばし回数がカウントされないケースを示した図である。 吊ロープと各シーブとの位置関係を示す図である。 吊ロープと各シーブとの位置関係を示す図である。 通過長が算出される様子を示す図である。 統計情報が登録された統計情報テーブルのデータ構造を示す図である。 曲げ伸ばし回数の分布図の第一例を示す図である。 曲げ伸ばし回数の分布図の第二例を示す図である。 曲げ伸ばし回数の分布図の第三例を示す図である。 建方作業の説明図である。 基礎土木作業の説明図である。 情報提示システムの処理を示すフローチャートである。 データロガーによる日報データ及び月報データの生成処理を示すフローチャートである。 変形例1にかかる情報提示システム1の構成の一例を示すブロック図である。 吊ロープの状態履歴が蓄積された状態履歴テーブルのデータ構造の一例を示す図である。 曲げ伸ばし履歴が登録された曲げ伸ばし履歴テーブルのデータ構造を示す図である。 2次元の曲げ伸ばし回数の分布図の一例を示す図である。
図1は、本発明の実施の形態による情報提示システム1が適用されたクレーン2の全体構成を示す図である。クレーン2は、自走可能な下部走行体40と、その下部走行体40上に縦軸回りに旋回可能となるように搭載された上部旋回体46とを備える。
上部旋回体46には、クレーン作業を行うための作業装置50が設けられている。この作業装置50は、起伏部材としてのブーム51と、マスト52と、ガントリ53と、マスト側スプレッダ55と、ガントリ側スプレッダ56と、巻上ウインチ61と、起伏ウインチ62と、フック装置64と、吊ロープ66と、起伏ロープ67と、ガイライン68と、を有する。
ブーム51は、起伏可能となるように上部旋回体46の前部に取り付けられている。ブーム51の先端の前方側にはトップシーブ51aが設けられている。ブーム51の先端の後方側にはアイドラシーブ51bが設けられている。
マスト52は、上部旋回体46においてブーム51の後方の位置に設けられている。マスト52は、その下端部を支点として回動可能となるように設けられている。このマスト52の上端部にマスト側スプレッダ55が設けられている。また、マスト52の先端は、ガイライン68を介してブーム51の先端部に接続されている。
ガントリ53は、上部旋回体46においてマスト52のさらに後方の位置、すなわち上部旋回体46の後部に立設されている。このガントリ53の上端部にガントリ側スプレッダ56が設けられている。
巻上ウインチ61は、本発明におけるウインチの一例であり、上部旋回体46に搭載されている。巻上ウインチ61は、ワイヤーロープである吊ロープ66が巻かれた巻上ドラム61aを有する。巻上ドラム61aから繰り出された吊ロープ66は、ブーム51の先端へ延び、アイドラシーブ51b及びトップシーブ51aを介してブーム51の先端から垂れ下がる。吊ロープ66の先端にはフック装置64が吊り下げられている。フック装置64は、吊荷100を吊り下げる。フック装置64は図略のフックシーブを備えており、このフックシーブとトップシーブ51aとに吊ロープ66が所定の掛数で掛けられている。
巻上ウインチ61は、巻上ドラム61aを回転させて吊ロープ66の巻き取り及び繰り出すことにより、フック装置64及びフック装置64に吊り下げられた吊荷100の巻上及び巻下を行う。
起伏ウインチ62は、本発明におけるウインチの別の一例であり、ガントリ53の下部に設けられている。起伏ウインチ62は、ワイヤーロープである起伏ロープ67が巻かれた起伏ドラム62a(ドラムの一例)を有する。起伏ドラム62aから繰り出された起伏ロープ67は、ガントリ側スプレッダ56のシーブとマスト側スプレッダ55のシーブとに掛け回されている。起伏ウインチ62は、起伏ドラム62aを回転させて起伏ロープ67を巻き取ることにより、マスト側スプレッダ55をガントリ側スプレッダ56側へ引き寄せる。これにより、マスト52は、後方へ回動して、ガイライン68を介してブーム51の先端部を後方へ引っ張り、ブーム51を起立させる。また、起伏ウインチ62は、起伏ドラム62aを回転させて起伏ロープ67を繰り出すことにより、マスト側スプレッダ55をガントリ側スプレッダ56から前方へ離反させる。これにより、マスト52は、前方へ回動して、ブーム51を倒伏させる。
図4、図5は、シーブの掛数と巻上速度との関係を示す図である。掛数が1回である1本掛けの場合、吊ロープ66はトップシーブ51aを介して直接、フック装置64に取り付けられる。この場合、フック装置64の巻上速度は、巻上ドラム61aの巻上速度V1と同じになる。一方、掛数が5回である5本掛けの場合、吊ロープ66は、3つのトップシーブ51aと2つのフックシーブ51cとの間を交互に往復する。この場合、フック装置64の巻上速度は、巻上ドラム61aの巻上速度V1の1/5になる。
図5では、掛数が9回である9本掛けの場合が示されている。この場合、吊ロープ66は、5本のトップシーブ51aと4本のフックシーブ51cとの間を交互に往復する。例えば、安全荷重が6.6tの吊ロープ66を使って、55tの吊荷を吊り上げるためには、55/6.6=8.3なので、最低9回の掛数が必要となる。よって、図5の例では、55tの吊荷を安全に巻き上げることができる。
本実施形態による情報提示システム1は、以上のようなクレーン2の吊ロープ66及び起伏ロープ67についての交換時期の判断の指針となる情報を提示するものである。図2は、情報提示システム1の概略的な全体構成を示す図である。
情報提示システム1は、複数のクレーン2についての情報を取得して提示する。情報提示システム1は、図2に示すように、各クレーン2に搭載された情報処理装置4と、サーバ10と、端末14とを備える。情報処理装置4及びサーバ10間は、例えば、携帯電話網6を介して接続されている。サーバ10及び端末14間は、例えば、インターネット通信網12を介して接続されている。情報処理装置4は、自己が搭載されたクレーン2についての各種情報を取得する。
図3は、図2に示す情報処理装置4、サーバ10、及び端末14の構成を示す図である。情報処理装置4は、センサ部18と、過負荷防止装置19と、第1コントローラ21と、第2コントローラ22と、ECU(Engine Control Unit)24と、データロガー28とを備える。過負荷防止装置19と、第1コントローラ21と、第2コントローラ22と、ECU24とは、CAN(Control Area Network)バス30を介して相互に通信可能に接続されている。ここでは、CANバス30が採用されているが、車載ネットワークとしてCAN以外のネットワークが採用されるのであれば、そのネットワークの規格に準拠したバスがCANバス30の代わりに採用されてもよい。
センサ部18は、クレーン2の各作動部の動作に関する値を検出する複数のセンサを備える。具体的には、センサ部18は、回転量センサ41と、回転量センサ42と、負荷センサ43と、負荷センサ44と、角度センサ45とを備える。
回転量センサ41は、例えば、近接センサと処理部とを含み、巻上ドラム61aの回転量を所定の制御周期(例えば、数百msec)で検出し、第1コントローラ21に出力する。回転量センサ42は、例えば、近接センサと処理部とを含み、起伏ドラム62aの回転量を制御周期で検出し、第2コントローラ22に出力する。
回転量センサ41は、例えば、一対の近接センサを備える。一対の近接センサは、巻上ドラム61aの回転軸と同軸に設けられた歯車の凸部を検出する一対の磁気センサで構成される。一対の近接センサは、歯車の周方向に並んで配置され、検出した歯車の凸部の数に応じたパルスを含むパルス信号を出力する。したがって、回転量センサ41の処理部はこのパルス信号に含まれるパルス数をカウントすることで、巻上ドラム61aの回転量を検知できる。また、一対の近接センサは、歯車の周方向に並んで配置されているので、どちらの近接センサが先にパルス信号を出力したかにより、回転量センサ41の処理部は、巻上ドラム61aの回転方向を検出できる。したがって、回転量センサ41の処理部は、巻上ドラム61aの回転方向をプラス及びマイナスで区別する回転量を算出し、第1コントローラ21に出力すればよい。
以上のことは、回転量センサ42も同じである。なお、回転量センサ41,42としては、ロータリーエンコーダやレゾルバが採用されてもよい。
負荷センサ43は、例えば、ロードセルで構成され、巻上ドラム61aにかかる負荷を制御周期で検出し、検出した負荷を示す負荷データを過負荷防止装置19に出力する。負荷センサ44は、例えば、ロードセルで構成され、起伏ドラム62aにかかる負荷を制御周期で検出し、検出した負荷を示す負荷データを過負荷防止装置19に出力する。
角度センサ45は、ブーム51の姿勢を示すブーム角度を検出し、制御周期で過負荷防止装置19に出力する。詳細には、角度センサ45は、ブーム51の上部旋回体46側の端部であるブームポイントに設けられている。
図3の例では、センサ部18と、第1コントローラ21、第2コントローラ22、及び過負荷防止装置19とは専用の信号線を介して接続されているが、これは一例である。センサ部18は、CANバス30に接続されていてもよい。
過負荷防止装置19は、例えば、マイクロコントローラで構成され、クレーン作業中に作業装置50にかかる負荷が過負荷状態になることを防止する。過負荷防止装置19は、負荷算出部191を備える。負荷算出部191は、負荷センサ43が検出した巻上ドラム61aの負荷データに基づいて、吊ロープ66にかかる実荷重を算出する。そして、過負荷防止装置19は、吊ロープ66の定格荷重に対する、吊ロープ66にかかる実荷重の比率を吊ロープ66の負荷率として算出する。
定格荷重は、例えば、現在のブーム51の姿勢を示すブーム角度と、ブーム51に取り付けられているアタッチメントの種類と、吊ロープ66のシーブへの掛数と、作業半径とを用いて算出される。アタッチメントの種類及び掛数は、例えば、ユーザが事前に入力したデータから決定される。作業半径は、例えば、ブーム角度と、ブーム51の全長とから決定される。
同様に、過負荷防止装置19は、負荷センサ44から出力された起伏ドラム62aの負荷データに基づいて、起伏ロープ67にかかる実荷重を算出する。そして、過負荷防止装置19は、起伏ロープ67の定格荷重に対する、起伏ロープ67にかかる実荷重の比率を起伏ロープ67の負荷率として算出する。吊ロープ66及び起伏ロープ67の負荷率は、負荷指標値の一例に相当する。
過負荷防止装置19は、吊ロープ66の負荷率又は起伏ロープ67の負荷率が、所定の負荷率上限値(例えば、105%)を超えたとき、過負荷状態が発生したと判断してクレーン2の稼働を停止させる。なお、過負荷防止装置19は、吊ロープ66の実負荷が吊ロープ66の定格負荷を超えたとき、又は起伏ロープ67の実負荷が起伏ロープ67の定格負荷を超えたとき、過負荷状態が発生したと判断してもよい。
第1コントローラ21は、例えば、マイクロコントローラで構成され、巻上ウインチ61の制御を司る。第1コントローラ21は、繰出長算出部211を備える。
繰出長算出部211は、回転量センサ41により検出された回転量から巻上ドラム61aから繰り出されている吊ロープ66の長さである繰出長を算出する。繰出長算出部211は、吊ロープ66の繰出長を制御周期(例えば、数百msec)で算出する。
ここで、繰出長算出部211は、巻上ドラム61aの回転量と、巻上ドラム61aに巻かれている吊ロープ66の巻層及び巻列の相関関係を示す換算情報を用いて、巻上ドラム61aに残存する吊ロープ66の残存量を算出し、吊ロープ66の全長から算出した残存量を差し引くことで、吊ロープ66の繰出長を算出すればよい。
第2コントローラ22は、例えば、マイクロコントローラで構成され、起伏ウインチ62の制御を司る。第2コントローラ22は、繰出長算出部221を備える。
繰出長算出部221は、回転量センサ42により検出された回転量から起伏ドラム62aから繰り出されている起伏ロープ67の長さである繰出長を算出する。繰出長算出部221は、起伏ロープ67の繰出長を制御周期(例えば、数百msec)で算出する。
ここで、繰出長算出部221は、起伏ドラム62aの回転量と、起伏ドラム62aに巻かれている起伏ロープ67の巻層及び巻列の相関関係を示す換算情報を用いて、起伏ドラム62aに残存する起伏ロープ67の残存量を算出し、起伏ロープ67の全長から算出した残存量を差し引くことで、起伏ロープ67の繰出長を算出すればよい。
ECU24は、例えば、マイクロコントローラで構成され、クレーン2のエンジンの回転数を制御する。
第1コントローラ21は、繰出長算出部211が算出した吊ロープ66の繰出長をCANバス30へ制御周期で出力する。第2コントローラ22は、繰出長算出部221が算出した起伏ロープ67の繰出長をCANバス30へ制御周期で出力する。過負荷防止装置19は、吊ロープ66、起伏ロープ67についての定格荷重と実荷重と負荷率とをCANバス30に制御周期で出力すると共に、ブーム角度をCANバス30に制御周期で出力する。
データロガー28は、例えば、マイクロコントローラで構成され、CANバス30に流れる各種データを取得して蓄積する。データロガー28は、カウント部281及びメモリ282を備える。
カウント部281は、制御周期でCANバス30上に出力される、吊ロープ66についての繰出長と定格荷重と実荷重と負荷率とをCANバス30から取り込むと共にブーム角度をCANバス30から取り込む。そして、カウント部281は、取り込んだデータを対応付けてメモリ282に記憶する。これにより、吊ロープ66についての、繰出長と、定格荷重と、負荷率と、ブーム角度とが時系列で対応付けられた状態履歴がメモリ282に蓄積されていく。
図21は、吊ロープ66の状態履歴が蓄積された状態履歴テーブルT19のデータ構造の一例を示す図である。図21に示すように、状態履歴テーブルT19は、1つのレコードに1つの状態履歴が割り付けられている。状態履歴は、「日時」、「繰出長」、「定格荷重」、「実負荷」、「負荷率」、及び「ブーム角度」が対応付けられたデータである。「日時」は、状態履歴を取得した日時を示す。「繰出長」、「定格負荷」、「実荷重」、「負荷率」、及び「ブーム角度」は上述したので説明を省く。
また、カウント部281は、起伏ロープ67についても、繰出長と定格荷重と実荷重と負荷率とをCANバス30から取り込み、ブーム角度と対応付けてメモリ282に記憶する。これにより、吊ロープ66と同様、起伏ロープ67の状態履歴がメモリ282に蓄積されていく。起伏ロープ67の状態履歴も、図21に示す吊ロープ66の状態履歴テーブルT19と同様、テーブル形式でメモリ282に蓄積されていく。
図3に参照を戻す。カウント部281は、吊ロープ66を複数の区間に区分したときの各区間におけるシーブに対する吊ロープ66の通過長が、基準値を超えた回数である曲げ伸ばし回数を、負荷率に応じてカウントする。カウント部281は、起伏ロープ67についても、吊ロープ66と同様、負荷率に応じた曲げ伸ばし回数をカウントする。
図6は、曲げ伸ばし回数がカウントされるケースの第1例を示した図である。図6の例では、吊ロープ66又は起伏ロープ67であるワイヤーロープ602があるシーブ601を通過する様子が示されている。
ワイヤーロープ602は、複数の金属素線で構成されている。ワイヤーロープ602は、シーブ601を通過するとき、外側が引っ張られ且つ内側が収縮されてシーブ601の円弧に沿って曲げ伸ばされた後、曲げ伸ばしが解放される。このように、曲げ伸ばしと曲げ伸ばしの解放とが連続すると、ワイヤーロープ602の金属疲労が進行する。したがって、ワイヤーロープ602の区間毎に曲げ伸ばし回数をカウントすれば、ワイヤーロープ602がどの程度劣化したかが分かる。
そこで、カウント部281は、ワイヤーロープ602の区間毎に曲げ伸ばし回数をカウントする。ここでは、カウント部281は、ある区間におけるシーブ601の通過長がシーブ601の例えば1/4周移動する毎に1カウントする。
図6の例では、シーブ601は時計回りに回転している。セクション(A)では、区間R1の先端がシーブ601に到達している。セクション(B)では、セクション(A)に対してシーブ601が90度回転し、区間R1の先端がシーブ601の頂上に到達している。これにより、区間R1におけるシーブ601の通過長が1/4周になったので、区間R1の曲げ伸ばし回数が1カウントされる。セクション(C)では、セクション(B)に対してシーブ601が更に90度回転し、区間R1の先端がシーブ601の右端に到達している。これにより、区間R1の曲げ伸ばし回数は更に1カウントされる。よって、図6の例では区間R1における曲げ伸ばし回数は2回となる。
図7は、曲げ伸ばし回数がカウントされるケースの第2例を示した図である。図7の例でも、シーブ601は時計回りに回転している。図7の例では、区間R1は先端から順に小区間R11,R12,R13を含んでいる。小区間R11〜R13は、それぞれ、シーブ601の1周分の長さの区間である。
セクション(A)では、小区間R11の先端がシーブ601に到達している。セクション(B)では、セクション(A)に対してシーブ601が1周分回転し、小区間R11の後端がシーブ601の右端に到達している。セクション(C)では、セクション(B)に対してシーブ601が更に2周分回転し、小区間R13の後端がシーブ601の右端に到達している。したがって、図7のケースでは、区間R1のシーブ601の通過長がシーブ601の3周分であるので、区間R1に対する曲げ伸ばし回数は、12(=3×4)回となる。
図8は、曲げ伸ばし回数がカウントされないケースを示した図である。セクション(A)では、区間R1の先端がシーブ601に到達している。セクション(B)では、セクション(A)に対してシーブ601が時計回りに約45度回転している。セクション(C)では、セクション(B)に対してシーブ601が反時計回りに約45度回転している。このように、図8の例では、区間R1におけるシーブ601のトータルの通過長は、シーブ601の1/4周分であるが、途中で方向が切り替わっている。この場合、カウント部281は、区間R1における曲げ伸ばし回数を1カウントしない。これは、ワイヤーロープ602のシーブ601に対する通過長が一方向にある程度の距離(ここでは、シーブ601の1/4周分)以上でなければ、ワイヤーロープ602の劣化はさほど進行しないとの考えに基づいている。なお、ワイヤーロープの方向(巻上方向、巻下方向)は例えば、操作レバー(図略)の傾倒方向から判断できる。
ここで、ワイヤーロープ602上のどの区間がどのシーブ601を通過したかを判定するためには、カウント部281は、ワイヤーロープ602上でのシーブ601の位置を知る必要がある。
図9及び図10は、吊ロープ66と各シーブとの位置関係を示す図である。図9において、x軸は地面と平行な方向を示し、y軸は地面と直行する方向を示す。また、図9において、x軸は右側がプラス、左側がマイナスであり、y軸は上側がプラス、下側がマイナスである。
ブームポイントP91を基準としたときのアイドラシーブ51bのx軸方向の距離Z1は、角度センサ45が検出したブーム角度θbを用いて式(1)で表される。
Z1=Li・cos(θb+θis) (1)
LiはブームポイントP91とアイドラシーブ51bの中心(以下、「アイドラシーブポイントP93」と呼ぶ。)との距離であり、既知である。θisは、ブーム中心線L91と距離Liとのなす角度であり、既知である。Lbはブーム長Lbであり、ブーム51のブーム中心線L91上を通る。
ブームポイントP91を基準としたときのアイドラシーブ51bのy軸方向の距離Z2は、角度センサ45が検出したブーム角度θbを用いて式(2)で表される。
Z2=Li・sin(θb+θis) (2)
巻上ドラム61aの中心(以下、「巻上ドラムポイントP92」と呼ぶ。)とアイドラシーブポイントP93との距離Z3は、距離Z1と、距離Z2とを用いて式(3)で表される。
Z3=√((Z1+Fdx)+(Z2−Fdy)) (3)
Fdxは、ブームポイントP91と巻上ドラムポイントP92とのx軸方向の距離であり、既知である。Fdyは、ブームポイントP91と巻上ドラムポイントP92とのy軸方向の距離であり、既知である。
巻上ドラム61aからアイドラシーブ51b間の吊ロープ66の長さを想定した距離hkfは、距離Z3を用いて式(4)で表される。
hkf=√(Z3−(Pcd/2)) (4)
Pcdは巻上ドラム61aの直径に、巻上ドラム61aに巻き取られている吊ロープ66の層の厚みを加算した値であり、クレーンの機種と巻層とにより一意に決まる。
図10を参照し、吊ロープ66の先端(ロープエンドE1)はフックシーブ51cの中心にあるフックシーブポイントP96に位置している。
図10において、角度θpeはブームポイントP91を基準とするロープエンドE1とブーム中心線L91とのなす角度であり、既知である。距離LpeはトップシーブポイントP94とロープエンドE1間の長さであり、既知である。距離LiyはアイドラシーブポイントP93とブーム中心線L91との距離であり、既知である。
距離Lpeにおける地面と直行する成分である距離hpeは下記の式(5)で表される。
hpe=Lpe×sin(θb−θpe) (5)
吊ロープ66の変化量Lch1は、吊ロープ66の掛数nfが奇数の場合、下記の式(6)で表され、吊ロープ66の掛数nfが偶数の場合、下記の式(7)で表される。
Lch1=hkf/nf (6)
Lch1=((hkf)−(hpe))/nf (7)
このように、Li、θis、Fdx、Fdyは既知なので、ブーム角度θb、Pcdが判ると、距離hkfが算出できる。また、Pcdは巻上ドラム61aの回転量から算出できる。そこで、カウント部281は、制御周期毎にブーム角度θb及び巻上ドラム61aの回転量を取得し、距離hkfを求める。
また、ブーム長Lb、θis、θpe、Lpe、及び掛数nfは既知なので、吊ロープ66の繰出長と距離hkfとが判れば、吊ロープ66上でのアイドラシーブ51b、トップシーブ51a、及びフックシーブ51cの位置を特定できる。
そこで、カウント部281は、距離hkfと吊ロープ66の繰出長とに応じた各シーブの吊ロープ66上での位置が事前に定められた位置情報テーブルを備えておく。そして、カウント部281は、制御周期毎に繰出長算出部211から取得した吊ロープ66の繰出長と、算出した距離hkfとに対応する各シーブの吊ロープ66上での位置を位置情報テーブルを参照して決定すればよい。
位置情報テーブルは、各シーブの位置として、例えば、各シーブとワイヤーロープとが当接する領域上の1点(例えば、一端又は他端)を採用してもよいし、各シーブとワイヤーロープとが当接する領域を規定する2点(一端及び他端)を採用してもよい。
代替的には、吊ロープ66上での各シーブの初期位置が判れば、初期位置に対して変化量Lch1を増減させることで、各シーブの現在位置を特定できる。そこで、カウント部281は、位置情報テーブルを用いて吊ロープ66の各シーブの初期位置を求め、以後、制御周期毎に変化量Lch1を求め、求めた変化量Lch1で各シーブの現在位置を増減させることで、各シーブの位置を決定してもよい。
なお、カウント部281は、起伏ロープ67についても、吊ロープ66と同様の手法を用いて起伏ロープ67上での各シーブの位置を求めればよい。
そして、カウント部281は、巻上又は巻下操作が入力されてから停止されるまでの間に算出した各シーブの位置を時系列に追跡し、各シーブに対するワイヤーロープの区間毎の通過長を算出する。ここで、区間とは、例えば、ワイヤーロープを先端から所定間隔毎(例えば、10m毎)に区分した領域である。
図11は、通過長が算出される様子を示す図である。図11の上段は巻上操作の開始時を示し、図11の下段は巻上操作の終了時を示している。図11において、区間Rn,Rn+1,Rn+2,Rn+3は、それぞれ、n,n+1,n+2,n+3番目の区間を示している。なお、nは任意の整数である。
上段に示すように巻上操作の開始時には、1つ目のシーブは位置P11に位置しており、2つ目のシーブは位置P21に位置している。また、下段に示すように巻上操作の終了時には1つ目のシーブは位置P11’に位置しており、2つ目のシーブは位置P21’に位置している。
ワイヤーロープは、1つ目のシーブに対して区間Rnと区間Rn+1とを跨いで通過しており、2つ目のシーブに対して区間Rn+2と区間Rn+3とを跨いで通過している。したがって、カウント部281は、区間Rnによる1つ目のシーブの通過長L11と、区間Rn+1による1つ目のシーブの通過長L12とをそれぞれ追跡する。また、カウント部281は、区間Rn+2による2つ目のシーブの通過長L21と、区間Rn+3による2つ目のシーブの通過長L22とをそれぞれ追跡する。
そして、カウント部281は、例えば、通過長L11が1つ目のシーブの1/4周になる度に区間Rnの曲げ伸ばし回数としてカウントする。カウント部281は、他の通過長L12,L21,L22についても通過長L11と同様に曲げ伸ばし回数をカウントする。そして、カウント部281は、区間毎の曲げ伸ばし回数を、そのときの負荷率と対応付けてメモリ282に蓄積する。以下、区間毎の曲げ伸ばし回数と負荷率とが対応付けられたデータを曲げ伸ばし履歴と記述する。ここで、1回の巻上又は巻下操作中は、吊荷は変動しないので、負荷率は一定とみなすことができる。したがって、1回の巻上又は巻下操作における区間毎の曲げ伸ばし回数をそのときの負荷率と対応付けてメモリ282に蓄積することで、カウント部281は、負荷率に応じた曲げ伸ばし回数をカウントできる。
図22は、曲げ伸ばし履歴が登録された曲げ伸ばし履歴テーブルT20のデータ構造を示す図である。曲げ伸ばし履歴テーブルT20は、1つのレコードに1つの曲げ伸ばし履歴が割り付けられている。曲げ伸ばし履歴は、例えば、「日時」、「曲げ伸ばし回数」、及び「負荷率」が対応付けられたデータである。「日時」は、曲げ伸ばし回数の算出日時を示す。「曲げ伸ばし回数」は、例えば、「区間R1:1回、区間R2:3回、区間R3:4回、」というように区間毎の曲げ伸ばし回数を示す。「負荷率」は、曲げ伸ばし回数が算出されたときの負荷率を示す。
図3に参照を戻す。データロガー28は、例えば、一定期間が経過すると、メモリ282に蓄積された一定期間分の履歴情報及び曲げ伸ばし履歴をサーバ10に送信する。
サーバ10は、統計情報生成部101を備える。統計情報生成部101は、データロガー28から送信された曲げ伸ばし履歴に基づいて、負荷率に応じた区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報を生成する。
具体的には、統計情報生成部101は、曲げ伸ばし履歴に含まれる負荷率が予め定められた複数の負荷区分のうち、いずれの負荷区分に属するかを特定し、特定した負荷区分に応じた区間毎の曲げ伸ばし回数を統計情報として生成する。
図12は、統計情報が登録された統計情報テーブルT11のデータ構造を示す図である。統計情報テーブルT11は、「負荷率」と、「曲げ伸ばし回数」とが対応づけられたテーブルである。「負荷率」は、複数の負荷区分に分けられている。図12の例では、負荷率(=m)は、「m<5%」、「5%≦m<60%」、「60%≦m<90%」、「90%≦m<105%」、「105%≦m」の5つの負荷区分に分けられている。また、図12の例では、ワイヤーロープは、全長が600mであり、10m毎に60個の区間R1〜R60に区分されている。そして、統計情報テーブルT11の各セルには、負荷区分と区間とに対応する曲げ伸ばし回数の累積値が格納されている。
統計情報生成部101は、1つの曲げ伸ばし履歴について、その曲げ伸ばし履歴に含まれる負荷率が属する負荷区分とその曲げ伸ばし履歴に含まれる区間とに対応するセルを特定し、特定したセルに、対応する曲げ伸ばし回数を投票することで、統計情報テーブルT11を生成すればよい。
例えば、負荷率「50%」であり、曲げ伸ばし回数「区間R1:1回、区間R3:1回、区間R4:2回」の曲げ伸ばし履歴があったとすると、負荷区分「5%≦m<60%」と、区間「R1」、「R3」、「R4」とに対応する3つのセルに現在登録されている曲げ伸ばし回数が、それぞれ、「1回」、「1回」、「2回」増加される。
統計情報生成部101は、生成した統計情報テーブルT11に基づいて曲げ伸ばし回数の分布図を生成する。
図13は、曲げ伸ばし回数の分布図の第一例を示す図である。図13において、縦軸は曲げ伸ばしの累積回数を示し、奥行軸は負荷率を示し、横軸は区間を示している。図13の例では、「m<5%」、「60%≦m<90%」、「90%≦m<105%」の負荷区分において、「110m〜150m」の5つの区間の曲げ伸ばしの累積回数が大きいことが示されている。したがって、これら5つの区間における劣化が他の区間よりも進行していることが分かる。このように、曲げ伸ばし回数の分布図は、負荷率に応じた区間毎の曲げ伸ばしの累積回数が示されているので、ユーザは一目でワイヤーロープのどの位置の劣化が進行しているかを容易に認識できる。
図14は、曲げ伸ばし回数の分布図の第二例を示す図である。図14では、クレーン2が建方作業を行ったときの曲げ伸ばし回数の分布図が示されている。図16は、建方作業の説明図である。建方作業では、クレーン2は、吊荷1501を、地面から、数十m〜数百mの高さまで巻き上げる作業を繰り返す。
したがって、建方作業における曲げ伸ばし回数の分布図では、図14に示すように、特定の区間(ここでは、170m〜200m)に曲げ伸ばし回数の累積値が集中する傾向が見られる。
図15は、曲げ伸ばし回数の分布図の第三例を示す図である。図15では、クレーン2が基礎土木作業を行ったときの曲げ伸ばし回数の分布図が示されている。図17は、基礎土木作業の説明図である。基礎土木作業では、クレーン2は、棒状体1601を一定方向に一定間隔で地中に埋める作業を繰り返す。そのため、ワイヤーロープの移動量は建方作業ほど大きくない。
したがって、基礎土木作業における曲げ伸ばし回数の分布図では、図15に示すように、建方作業より更に狭い特定の区間(120m〜140m)で曲げ伸ばし回数が集中する傾向が見られる。
このように、曲げ伸ばし回数の分布図には、クレーン2が主に行った作業の特徴が表れるので、ワイヤーロープの劣化の度合いのみならず、クレーン2の作業履歴も判別できる。
図18は、情報提示システム1の処理を示すフローチャートである。図18において、1列目は、ECU24の処理を示し、2列目は第1コントローラ21及び第2コントローラ22(以下、両者を纏めて「MC」と表す。)の処理を示し、3列目は過負荷防止装置19(ML)の処理を示し、4列目はデータロガー28の処理を示す。
まず、クレーン2のイグニッションキーがユーザによってオンされると、ECU24、MC、過負荷防止装置19がそれぞれオン状態になる(S101,S111,S121)。データロガー28は、クレーン2のバッテリ(図略)に直接接続されており、常時電力が供給されている。イグニッションキーがオフの状態では、データロガー28は、省電力モードになっている(S131)。そして、イグニションキーがオンされると、省電力モードから通常モードに復帰する(S132)。その他、データロガー28は、携帯電話通信網からの着信要求、定期的なタイマ割り込みが発生した場合、省電力モードから通常モードに復帰する。
ECU24は、オン状態になると(S101)、エンジン(図略)をスタートとさせ(S102)、エンジンの稼働情報をCANバス30に定期的に出力する(S103)。ここでは、エンジンの稼働情報として、例えば、エンジンの回転数が含まれる。S104では、イグニッションキーがオフされたので、ECU24はオフ状態になる。
MCは、オン状態になると(S111)、初期化処理を行い(S112)、データ復元処理を行う(S113)。MCは、前回オフ状態にされる直前に処理したデータを終了時データとして不揮発性メモリ(図略)に保存する。データ復元処理では、今回、オン状態にされたとき、不揮発性メモリに保存された終了時データがMCによって読み出される。ここでは、終了時データは繰出長が該当する。
次に、MCは制御周期の計時を開始する(S114)。以降、MCは、イグニッションキーがオフされなければ(S116でNO)、吊ロープ66及び起伏ロープ67の繰出長を算出し、CANバス30に出力する処理を制御周期毎に繰り返す(S115)。詳細には、MCは巻上ドラム61a及び起伏ドラム62aの回転量を回転量センサ41,42から取得し、取得した回転量から上述した手法を用いて吊ロープ66及び起伏ロープ67の繰出長を算出する。
一方、イグニッションキーがオフされると(S116でYES)、MCは不揮発性メモリに終了時データを保存するデータ保存処理を実行し(S117)、オフ状態になる(S118)。
過負荷防止装置19は、オン状態になると(S121)、初期化処理を行い(S122)、データ復元処理を行う(S123)。データ復元処理はS113で説明した処理と同じ処理である。ここでは終了時データとして負荷率が採用され、負荷率が読み出される。
次に、過負荷防止装置19は制御周期の計時を開始する(S124)。以降、過負荷防止装置19は、イグニッションキーがオフされなければ(S126でNO)、吊ロープ66及び起伏ロープ67の負荷率を算出し、CANバス30に出力する処理を制御周期毎に繰り返す(S125)。詳細には、過負荷防止装置19は、吊ロープ66及び起伏ロープ67の負荷データを負荷センサ43,44から取得すると共に、ブーム角度を角度センサ45から取得し、取得した負荷データとブーム角度とから上述した手法を用いて吊ロープ66及び起伏ロープ67の負荷率を算出する。S125では、負荷率を算出したときの定格荷重、実荷重、及びブーム角度も合わせて出力される。以下、S125で出力されるデータ群を「負荷率等」と表す。
一方、イグニッションキーがオフされると(S126でYES)、過負荷防止装置19は不揮発性メモリに終了時データを保存するデータ保存処理を実行し(S127)、オフ状態になる(S128)。
データロガー28は省電力モードから通常モードに復帰すると(S132)、状態履歴のデータ復元処理を行い(S133)、メモリ282から終了時データを読み出す。ここでは、前回オフ状態にされる直前にメモリ282に保存された吊ロープ66及び起伏ロープ67についての状態履歴が終了時データとして読み出される。
次に、データロガー28は、曲げ伸ばし履歴のデータ復元処理を行う(S134)。ここで、データロガー28は、前回オフ状態にされたときにメモリ282に保存した曲げ伸ばし履歴を終了時データとしてメモリ282から読み出す。
次に、データロガー28は、制御周期の計時を開始する(S135)。次に、データロガー28は、CANバス30に流れるデータを受信する処理を制御周期毎に繰り返す(S136)。ここでは、S115において、MCから出力された吊ロープ66及び起伏ロープ67のそれぞれの繰出長が制御周期毎に受信される。また、ここでは、S125において、過負荷防止装置19から出力された負荷率等が制御周期毎に受信される。
次に、データロガー28は、吊ロープ66及び起伏ロープ67のそれぞれについての繰出長、定格荷重、及び負荷率と、ブーム角度とを対応付けた状態履歴を状態履歴テーブルT19に蓄積する(S137)。
次に、データロガー28は、各シーブにおける吊ロープ66及び起伏ロープ67の通過長を算出する(S138)。
詳細には、データロガー28は、巻上又は巻下操作が入力されていれば、以下の処理を行う。まず、データロガー28は、現在のブーム角度θbから、上述した式(1)〜(4)の演算を行い、距離hkf(図9参照)を算出する。次に、データロガー28は、S136で受信した吊ロープ66の繰出長と距離hkfとに応じた各シーブの吊ロープ66上での位置を位置情報テーブルから求める。次に、データロガー28は、前回求めた各シーブの吊ロープ66上の位置と、今回求めた各シーブの吊ロープ66上の位置との差から通過長の区間毎の変化量を求める。次に、データロガー28は、算出した区間毎の変化量を積算することで、現在の通過長を区間毎に求める。
S138では、巻上操作又は巻下操作中、区間毎の変化量を積算する処理が繰り返されることで、吊ロープ66の区間毎のシーブの通過長が算出される。S138では、起伏ロープ67についても吊ロープ66と同様に、区間毎のシーブの通過長が算出される。
次に、データロガー28は、区間毎に算出したシーブの通過長が1/4周になる都度、曲げ伸ばし回数をカウントアップする(S139)。
次に、データロガー28は、算出した区間毎の曲げ伸ばし回数を、S136で取得した負荷率と、算出日時と対応付けて曲げ伸ばし履歴として曲げ伸ばし履歴テーブルT20保存する(S140)。詳細には、巻上又は巻下操作が開始されると、曲げ伸ばし履歴テーブルT20に新たなレコードが作成され、そのレコードの「曲げ伸ばし回数」、及び「負荷率」が更新されていく。そして、巻上又は巻下操作が終了すると、そのレコードへの更新が終了され、1つの曲げ伸ばし履歴が確定する。
次に、イグニッションキーがオフされなければ(S141でNO)、データロガー28は、処理をS136に戻し、制御周期が到来する毎にS136〜S141の処理を繰り返す。
一方、イグニッションキーがオフされると(S141でYES)、データロガー28は、終了時データをメモリ282に記憶させるデータ保存処理を実行する(S142)。ここでは、イグニッションキーがオフされる直前に算出された曲げ伸ばし履歴と状態履歴とが最終データとしてメモリ282に保存される。
図19は、データロガー28による日報データ及び月報データの生成処理を示すフローチャートである。この処理は、タイマー割り込みが発生する度に実行される(S200)。ここで、タイマー割り込みは、所定時刻(例えば、0時0分0秒)が到来する度に実行される。よって、図19のフローチャートは1日に1回実行される。
まず、データロガー28は、タイマー割り込みが発生時に(S200)、省電力モードになっており(S201)、タイマー割り込みが発生するとデータロガー28は、省電力モードから通常モードに復帰する(S202)。
次に、データロガー28は、状態履歴のデータ復元処理を行う(S203)。ここでは、前回、図19のフローチャートが終了する直前にメモリ282に保存された状態履歴が終了時データとして読み出される。次に、データロガー28は、曲げ伸ばし履歴のデータ復元処理を行う(S204)。ここでは、前回、図19のフローチャートが終了する直前にメモリ282に保存された曲げ伸ばし履歴が終了時データとして読み出される。
次に、データロガー28は、現在の日付情報を取得する(S205)。ここで、データロガー28は、常時時刻を計時するリアルタイムクロック(RTC)を備えており、RTCから現在の日付情報を取得すればよい。日付情報は、例えば、「2016年5月30日」というように、「年」と「月」と「日」とで構成されている。
次に、データロガー28は、1日分の状態履歴をメモリ282が保存する状態履歴テーブルT19から読み出し、読み出した1日分の状態履歴にS282で取得した現在の日付情報を対応付けて日報データを生成し、サーバ10に送信する(S207)。
次に、データロガー28は、前回、送信した日報データに対応付けられた日付情報が示す「月」が、今回送信した日報データに対応付けられた日付情報が示す「月」に対して変化しているか否かを判定する(S208でYES)。S208でYESの場合、データロガー28は、曲げ伸ばし履歴の月報データを生成する(S209)。一方、S208でNOの場合、データロガー28は、処理をS208に進める。これにより、1ヶ月に1回、月報データが生成される。S209では、先月の1ヶ月分の曲げ伸ばし履歴が纏められ、1ヶ月分の月報データが生成される。
次に、データロガー28は、S209で生成した月報データをサーバ10に送信する(S210)。次に、データロガー28は、メモリ282に記憶された曲げ伸ばし履歴テーブルT20から先月1ヶ月分の曲げ伸ばし履歴を削除する(S211)。
次に、データロガー28は、最新の状態履歴を終了時データとしてメモリ282に保存する(S212)。次に、データロガー28は、省電力モードに復帰する(S213)。
このように、図19のフローチャートによれば、曲げ伸ばし履歴が月単位で纏めてサーバ10に送信されるので、情報処理装置4は、曲げ伸ばし履歴が生成されるたびにサーバ10にアクセスする必要がなくなる。そのため、サーバ10及び情報処理装置4間の通信負荷の軽減を図ることができる。
サーバ10の統計情報生成部101は、月報データを取得すると、月報データに含まれる曲げ伸ばし履歴を1つずつ抽出し、抽出した曲げ伸ばし履歴が示す区間毎の曲げ伸ばし回数を図12に示す統計情報テーブルT11の対応するセルに投票していくことで、統計情報を生成する。そして、サーバ10は、生成した統計情報を図略のメモリに保存すればよい。
そして、サーバ10は、端末14から統計情報の取得要求を受信すると、統計情報から曲げ伸ばし回数の分布図(図13)を生成し、端末14に送信すればよい。或いは、サーバ10は、端末14から統計情報の取得要求を受信すると、統計情報を端末14に送信し、統計情報から曲げ伸ばし回数の分布図を端末14に生成させてもよい。そして、端末14は、曲げ伸ばし回数の分布図を提示部141に表示すればよい。また、端末14は、図12に示す統計情報テーブルT11自体を提示部141に表示してもよい。
なお、本実施の形態では、図2に示すように、サーバ10は複数のクレーン2から複数の統計情報を取得する。そのため、統計情報生成部101は、例えば、各クレーン2の識別情報と対応付けて各クレーン2の統計情報を図略のメモリに保存すればよい。そして、サーバ10は、クレーン2の識別情報が指定された統計情報の取得要求を、統計情報を端末14から受信すると、該当する統計情報を端末14に送信すればよい。
このように、本実施の形態によれば、シーブに対するワイヤーロープの区間毎の曲げ伸ばし回数であって、負荷率に応じた曲げ伸ばし回数がカウントされる。そして、カウント結果に基づいて、負荷率に応じた区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報が生成され、生成された統計情報が提示される。
そのため、ユーザは、統計情報に基づいて、ワイヤーロープの疲労の偏りを把握し、ワイヤーロープの適切な交換時期を判断できる。その結果、本実施の形態は、ワイヤーロープが劣化していないにも拘わらず、ワイヤーロープの交換を強制する事態を回避でき、経済的負担の減少及び資源の効率的な活用を図ることができる。また、本実施の形態は、劣化したワイヤーロープの使用が継続されることが防止され、安全性を確保できる。
また、この統計情報は、試験機による実験データではなく実際のクレーンのデータから生成された情報であるため、信頼性の高い統計情報を提供できる。
(変形例1)
実施の形態1では、統計情報生成部101は、サーバ10に設けられていたが、本実施の形態はこれに限定されず、統計情報生成部101は、情報処理装置4に設けられてもよい。
図20は、変形例1にかかる情報提示システム1の構成の一例を示すブロック図である。図20に示すように、統計情報生成部101は、情報処理装置4に設けられている。
この場合、統計情報生成部101は、例えば、カウント部281により1つの曲げ伸ばし履歴が作成される度に、その曲げ伸ばし履歴を統計情報テーブルT11に投票していくことで、統計情報を生成すればよい。或いは、統計情報生成部101は、例えば、カウント部281により一定期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月)の曲げ伸ばし履歴が作成される度に、その曲げ伸ばし履歴を統計情報テーブルT11に投票していくことで統計情報を生成してもよい。
また、この場合、端末14はUSB(Universal Serial Bus)等の通信ラインを介して、情報処理装置4と接続されてもよい。そして、端末14は、統計情報生成部101で生成された統計情報を読み取って、自身が備える不揮発性のメモリ(図略)に保存してもよい。ここで、不揮発性のメモリとしては、USBメモリが採用されてもよいし、ハードディスクが採用されてもよい。
端末14としては、例えばパーソナルコンピュータが用いられる。そして、端末14は、統計情報生成部101から読み取った統計情報を所定のアプリケーションソフトウェアで解析し、曲げ伸ばし回数の分布図を生成し、提示部141に表示させてもよい。
変形例1においては、統計情報生成部101は、生成した曲げ伸ばし回数の分布図をクレーン2に設けられた操作パネルに表示させてもよい。
この場合、統計情報生成部101は、現時点でメモリ282に記憶されている曲げ伸ばし履歴から統計情報を生成し、生成した統計情報から曲げ伸ばし回数の分布図を生成し、クレーン2の操作パネルに表示させてもよい。この場合、クレーン2の搭乗者はリアルタイムで統計情報を確認できる。
(変形例2)
カウント部281及び統計情報生成部101はサーバ10に設けられていてもよい。この場合、情報処理装置4は、吊ロープ66及び起伏ロープ67の繰出長と、過負荷防止装置19が算出した負荷率とをメモリ282に保存する。そして、一定期間(例えば、1日、1週間、1ヶ月)が経過すると、情報処理装置4は、繰出長及び負荷率をサーバ10に送信し、カウント部281に曲げ伸ばし履歴を生成させればよい。この場合、情報処理装置4は、曲げ伸ばし履歴を生成する必要がないので、処理負荷が軽減される。
(変形例3)
上記実施の形態では、図13に示すような3次元の曲げ伸ばし回数の分布図が採用されていたが、本発明はこれに限定されず、2次元の曲げ伸ばし回数の分布図が採用されてもよい。図23は、2次元の曲げ伸ばし回数の分布図の一例を示す図である。図23は、過負荷状態が発生したときの曲げ伸ばし回数の分布を示している。
図23の例では、過負荷状態が発生した回数番目毎に色分けされた、区分毎の曲げ伸ばし回数が示されている。140mの区間におけるバーの高さは、曲げ伸ばし回数が13回を示しているが、そのバーの内訳は、2回目の過負荷状態での曲げ伸ばし回数が3回、3回目の過負荷状態での曲げ伸ばし回数が6回、4回目の過負荷状態での曲げ伸ばし回数が2回、5回目での曲げ伸ばし回数が1回である。
したがって、図23に示す2次元の曲げ伸ばし回数の分布から過負荷状態が発生したときに、どの区間で曲げ伸ばしが多く発生したのかを過負荷状態の発生番目ごとに認識することができる。
(変形例4)
上記実施の形態では、情報処理装置4は、図2に示すように、携帯電話網6を介してサーバ10と接続されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報処理装置4は、LAN(Local Area Network)やインターネット通信網を介して接続されていてもよい。
(変形例5)
統計情報生成部101は、生成した統計情報からワイヤーロープの劣化の度合いを判定してもよい。この場合、統計情報生成部101は、図12に示す統計情報テーブルT11の各セルに重み値を設定する。そして、統計情報生成部101は、各セルの重み値に各セルの曲げ伸ばし回数を乗じた値を統計処理し、得られた値をワイヤーロープの劣化の度合いを示す評価値として算出すればよい。評価値としては、各セルの重み値に各セルの曲げ伸ばし回数を乗じた値の加算平均値が採用できる。また、統計情報生成部101は、過去のメンテナンス情報から各区間についての痛みやすさを判定し、痛みやすい区間は値が高く、痛みにくい区間は値が低くなるように重み値を設定してもよい。
そして、統計情報生成部101は、算出した評価値を端末14の提示部141に表示させる、或いは、クレーン2の操作パネルに表示させることにより、ユーザに評価値を提示すればよい。これにより、ユーザにワイヤーロープがどの程度疲労しているかを示す判断材料を提示できる。
また、統計情報生成部101は、図12に示す統計情報テーブルT11において、統計的な特徴量を算出することで、ワイヤーロープの劣化の度合いを算出してもよい。この場合、特徴量が一致又は類似するワイヤーロープは、同等の疲労が進行していると判断できる。特徴量としては、例えば、分散が採用できる。
(変形例6)
クレーン2は、報知部として、オペレータに吊ロープ66及び起伏ロープ67の点検を促すメッセージを表示する表示モニタ等を備えていてもよい。この場合、統計情報生成部101は、例えば、変形例5で算出した評価値が基準値を超えた場合に、点検を促すメッセージを端末14の提示部141或いはクレーン2の操作パネルに表示させればよい。
(変形例7)
また、本発明による負荷指標値として、負荷率の代わりに、吊ロープ66,起伏ロープ67にかかる実荷重が採用されてもよい。
(変形例8)
上記実施の形態では、曲げ伸ばし回数をカウントする際の基準値をシーブの1/4周としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、シーブの半径や、シーブに種類に応じて、基準値は変更されてもよい。例えば、アイドラシーブ51bにおいては、吊ロープ66との当接する円弧の長さが1/2周より短いこともある。この場合、基準値はアイドラシーブ51bの1/4周以下の値(例えば1/8周)に設定されてもよい。また、シーブの半径が小さいほど曲げ伸ばし時にワイヤーロープにかかる負荷が増大するので、シーブの半径が小さくなるにつれて、1回のカウント値を増大させてもよい。
T11 統計情報テーブル
T19 状態履歴テーブル
T20 曲げ伸ばし履歴テーブル
1 情報提示システム
2 クレーン
4 情報処理装置
6 携帯電話網
10 サーバ
12 インターネット通信網
14 端末
18 センサ部
19 過負荷防止装置
21 第1コントローラ
22 第2コントローラ
28 データロガー
30 CANバス
41,42 回転量センサ
43,44 負荷センサ
45 角度センサ
51 ブーム
51a トップシーブ
51b アイドラシーブ
51c フックシーブ
61 巻上ウインチ
61a 巻上ドラム
62 起伏ウインチ
62a 起伏ドラム
64 フック装置
66 吊ロープ
67 起伏ロープ
100 吊荷
101 統計情報生成部
141 提示部
191 負荷算出部
211,221 繰出長算出部
281 カウント部
282 メモリ
601 シーブ
602 ワイヤーロープ

Claims (5)

  1. 少なくとも1つのシーブを介して対象物を吊り下げるワイヤーロープを巻き取るウインチを備えたクレーンにおいて、前記ワイヤーロープに関する情報を提示する情報提示システムであって、
    前記ワイヤーロープにかかる負荷の指標値である負荷指標値を算出する負荷算出部と、
    前記ワイヤーロープを複数の区間に区分したときの各区間における前記シーブに対する前記ワイヤーロープの通過長が基準値を超えた回数である曲げ伸ばし回数を、前記算出された負荷指標値に応じてカウントするカウント部と、
    前記カウント部によるカウント結果に基づいて、前記負荷指標値に応じた前記区間毎の曲げ伸ばし回数を示す統計情報を生成する統計情報生成部と、
    前記生成された前記統計情報を提示する提示部とを備える情報提示システム。
  2. 前記統計情報生成部は、前記算出された負荷指標値が予め定められた複数の負荷区分のうち、いずれの負荷区分に属するかを特定し、前記特定した負荷区分に応じた前記区間毎の前記曲げ伸ばし回数を示す情報を前記統計情報として生成する請求項1記載の情報提示システム。
  3. 前記ワイヤーロープは、前記クレーンの起伏部材に取り付けられ、
    前記ワイヤーロープは複数のシーブに掛け回され、
    前記情報提示システムは、
    前記作業装置の姿勢を検出する姿勢検出部と、
    前記ウインチから繰り出された前記ワイヤーロープの長さの指標値である繰出長指標値を算出する繰出長算出部とを更に備え、
    前記カウント部は、前記算出された繰出長指標値と前記検出された姿勢と前記シーブの掛数とに基づいて、前記ワイヤーロープ上での各シーブの位置を算出し、各シーブに対する前記区間毎の通過長を算出する請求項1又は2記載の情報提示システム。
  4. 前記情報提示システムは、情報処理装置と、前記情報処理装置とネットワークを介して接続されたサーバとを備え、
    前記情報処理装置は、前記負荷算出部と前記カウント部とを備え、
    前記サーバは、前記統計情報生成部を備え、
    前記情報処理装置は、前記カウント部によるカウント結果を蓄積し、一定の期間が経過する度に前記蓄積したカウント結果を前記サーバに送信する請求項1〜3のいずれかに記載の情報提示システム。
  5. 前記基準値は、前記シーブの円周の少なくとも1/4の値を持つ請求項1〜4のいずれかに記載の情報提示システム。
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