JP2018037963A - ウェアラブルカメラシステム及び録画制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザが主体的に録画の操作をしなくても、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画を開始して録画漏れを低減する。【解決手段】ユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラ10と、ウェアラブルカメラ10と通信路を介して接続可能な含む本部装置とを有するウェアラブルカメラシステムであって、本部装置は、音声信号による指示情報を生成するDTMF生成部96と、音声信号による第1の録画開始指示を送信する警察無線基地局装置97と、通信符号による第2の録画開始指示を送信するバックエンドクライアント95と、を備え、第1の録画開始指示と第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示をウェアラブルカメラ10に対して送信し、ウェアラブルカメラ10は、本部装置から送信された第1の録画開始指示又は第2の録画開始指示を受信した場合に、撮像部により撮像された被写体の映像の録画を開始する。【選択図】図5

Description

本発明は、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画を制御するウェアラブルカメラシステム及び録画制御方法に関する。
近年、警察官や警備員の業務を効率的に支援するために、例えばパトロール時に警察官にウェアラブルカメラを装着又は所持させる運用の検討が進められている。
ウェアラブルカメラを用いた先行技術として、例えば特許文献1に記載されたウェアラブル監視カメラシステムがある。特許文献1のウェアラブル監視カメラシステムは、身体に装着するCCDカメラ及びマイクからの画像(映像)信号及び音声信号、並びに内蔵のクロックからの日時情報信号を、体に装着されるポーチに収納可能なエンコードサーバーによりエンコードし、また、文字情報に変換した日時情報を撮像した画像にスーパーインポーズして記録可能な構成を有している。
特開2006−148842号公報
ここで、特許文献1のウェアラブルカメラを警察官に装着して使用する場合を想定する。警察官が特許文献1のウェアラブルカメラを体に装着して使用する場合、警察官は、不審者や盗難車などの監視対象を発見すると、録画スイッチを押下して、画像データ(画像信号)の録画を開始することが想定される。
ところが、事件が突発的に発生した場合、警察官は、初期動作又は初期捜査が重要であることに鑑みて、事件に対して様々なことに急いで対応しなければならない。特許文献1の構成では、事件の現場においてウェアラブルカメラの録画スイッチを押下する余裕を持てずに映像の録画を失念してしまうと、結果的に、録画漏れしてしまうことがある。つまり、事件に関する現場や被疑者等の証拠映像の録画をウェアラブルカメラに残すことができず、事件現場の映像が得られないことによって、管轄する警察署が事件の発生に対し迅速かつ適切な対応がとれず、事件の早期解決が難しくなるという課題があった。また、証拠映像の録画ができていなければ、後の裁判等において十分な証拠を提示できないがために、大いに支障を来す可能性がある。
本発明は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、ユーザが主体的に録画の操作をしなくても、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画を開始して録画漏れを低減し、業務を効率的に支援するウェアラブルカメラシステム及び録画制御方法を提供することを目的としている。
本発明は、ユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラと通信路を介して接続可能な本部装置とを有するウェアラブルカメラシステムであって、前記ウェアラブルカメラは、被写体を撮像する撮像部と、撮像された前記被写体の映像を録画する記録部と、前記本部装置からの指示を受信する受信部と、を備え、前記本部装置は、音声信号による指示情報を生成する音声コマンド生成部と、前記音声信号による第1の録画開始指示を送信する第1送信部と、通信符号による第2の録画開始指示を送信する第2送信部と、を備え、前記第1の録画開始指示と前記第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示を前記ウェアラブルカメラに対して送信し、前記ウェアラブルカメラは、前記本部装置から送信された前記第1の録画開始指示又は前記第2の録画開始指示を受信した場合に、前記撮像部により撮像された前記被写体の映像の録画を開始する、ウェアラブルカメラシステムを提供する。
また、本発明は、ユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラと通信路を介して接続可能な本部装置とを有するウェアラブルカメラシステムにおける録画制御方法であって、前記本部装置は、音声信号による指示情報を生成し、前記音声信号による第1の録画開始指示と、通信符号による第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示を前記ウェアラブルカメラに対して送信し、前記ウェアラブルカメラは、被写体を撮像し、前記本部装置から送信された前記第1の録画開始指示又は前記第2の録画開始指示を受信した場合に、撮像された前記被写体の映像の録画を開始する、録画制御方法を提供する。
本発明によれば、ユーザが主体的に録画の操作をしなくても、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画を開始して録画漏れを低減することができ、業務を効率的に支援することができる。
本実施形態のウェアラブルカメラシステムの概要の一例を示す説明図 本実施形態のウェアラブルカメラを装着した警察官の上半身の一例を示す図 本実施形態のウェアラブルカメラの筐体の表側の面の一例を示す正面図 本実施形態のウェアラブルカメラの内部構成の一例を示すブロック図 本実施形態のウェアラブルカメラシステムの使用状態でのシステム構成の一例を示すブロック図 本実施形態の指令システムの構成の一例を示すブロック図 本実施形態において使用するDTMF信号の一例を示す図であり、(A)は信号フォーマットの一例を示す図、(B)は各信号ブロックの値の具体例を示す図 第1の実施形態のウェアラブルカメラシステムにおける録画開始手順の一例を示すシーケンス図 第2の実施形態のウェアラブルカメラシステムにおける録画開始手順の一例を示すシーケンス図 第3の実施形態のウェアラブルカメラ及び警察無線端末の構成の一例を示すブロック図 第3の実施形態のウェアラブルカメラシステムにおける録画開始手順の一例を示すシーケンス図 本実施形態のウェアラブルカメラにおける録画処理の一例を示すフローチャート 本実施形態のバックエンドクライアントにおける録画処理の一例を示すフローチャート
以下、適宜図面を参照しながら、本発明に係るウェアラブルカメラシステム及び録画制御方法を具体的に開示した実施形態(以下、「本実施形態」という)を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
図1は、本実施形態のウェアラブルカメラシステム5の概要の一例を示す図である。ウェアラブルカメラシステム5は、パトカー(つまり、パトロールカーの略称であるパトカー)7に搭載された車載カメラシステム(ICV:In Car Videoシステム)30、警察官3の制服に装着されたウェアラブルカメラ(BWC:Body-Worn Camera)10、及び警察署4内に設置された署内システム8を含む構成である。
車載カメラシステム30は、1つ又は複数の車載カメラ31、車載PC(Personal Computer)32及び車載レコーダ33を有し、パトカー7で走行中に遭遇する事件等の撮像画像に基づく映像を撮像して記録する。1つ又は複数の車載カメラ31は、例えばパトカー7の前方を撮像するように設置されたカメラ、パトカーの左側、右側、後方を撮像するように設置されたそれぞれのカメラのうち、1つ又は複数を含む。車載PC32は、警察官3が操作する指示に従い、車載カメラ31及び車載レコーダ33の動作を制御する。車載レコーダ33は、複数の車載カメラ31でそれぞれ撮像された映像データを時系列に記録する。
車載カメラシステム30は、署内システム8内のバックエンドサーバ(BES:Back End Server)50と無線接続され、車載レコーダ33に記録された映像データの中から特定の映像データを選択してバックエンドサーバ50に送信可能である。また、車載カメラシステム30は、ウェアラブルカメラ10と通信可能に接続され、ウェアラブルカメラ10で撮像された映像データ及び収音された音声データを車載レコーダ33に記録する。以下の説明において、音声データには、例えばパトロール中や事件の現場に事件の被疑者、犯人が所持している拳銃が発砲した時の銃声も含まれるとする。
ウェアラブルカメラ10は、ユーザである警察官3の制服に装着され、警察官の前方を被写体として撮像し、撮像された映像データ及び収音された音声データを車載カメラシステム30に送信する。以下、ウェアラブルカメラ10や車載カメラ31の撮像対象となる被写体には、単に人物だけではなく、事件の現場の情景、現場の近くに群がる群衆(いわゆる、野次馬)、更に、撮像位置の周囲の雰囲気も含まれるとする。また、警察官3は、指令システム90からの指令を受信する無線通信端末の一例としての警察無線端末35を所持する。通常、警察官3は、パトロール中や事件発生時に現場に急行する場合など、警察署外での活動の際に、警察無線端末35を現場に携行している。また、警察官3は、ウェアラブルカメラ10と通信可能な通信端末の一例としてのスマートフォン40を所持する場合もある。スマートフォン40は、電話機能及び無線通信機能を有し、例えば警察署からの緊急連絡又は警察署への緊急連絡時に使用され、汎用的に使用されている携帯端末の一例として挙げられる。
ウェアラブルカメラ10は、車載カメラシステム30を介して、直接に、或いはスマートフォン40又は無線LAN(Local Area Network)アクセスポイント45を介して、バックエンドサーバ50と接続されることで、映像データ及び音声データをバックエンドサーバ50に送信可能である。スマートフォン40は、モバイル通信ネットワーク又はインターネット網を経由してバックエンドサーバ50と接続される。無線LANアクセスポイント45は、有線又は無線のネットワーク(インターネット網など)を経由してバックエンドサーバ50と接続される。また、ウェアラブルカメラ10は、手動で後述する集合充電台68に取り付けられることで、映像データ及び音声データをバックエンドサーバ50に送信可能である。
署内システム8は、警察署4の内部に設置された、バックエンドサーバ50、バックエンドストリーミングサーバ(BSS:Back End Streaming Server)65、バックエンドクライアント(BEC:Back End Client)70、無線LANアクセスポイント63、集合充電台68、及び指令システム90を含む構成である。
バックエンドサーバ50は、コンピュータ及びストレージを有して構成され、事件の証拠映像を管理する。バックエンドサーバ50は、例えばウェアラブルカメラ10や車載カメラ31により撮像された映像を構成する画像フレーム中の顔を認識する顔認識機能や、ウェアラブルカメラ10や車載カメラシステム30から送信された切出しデータ(後述参照)に含まれる音声データを認識する音声認識機能を有する。また、バックエンドサーバ50は、パトロール又は事件に関する既定の音声データ(つまり、パトロール中や事件の現場において発生する可能性の高い音声の音声データ)が登録された音声データベース(不図示)を有する。パトロール又は事件に関する既定の音声データは、例えば被疑者や警察官が発砲した時の銃声、パトロールや事件の際に身の危険を感じた時に発するように予め指導等された警察官が発した音声、警察官が地面等に倒れた時の音(例えば「ドサッ」)等の音声データが含まれる。バックエンドサーバ50は、車載カメラシステム30或いはウェアラブルカメラ10から送信される切出しデータ(後述参照)に含まれる音声データに対して音声認識を行い、音声認識により得られた音声と音声データベースに登録された音声とを照合する。なお、音声データベースを記憶するストレージは、バックエンドサーバ50がアクセス可能である限り、警察署4の内部に設置されてもよいし、警察署4の外部に設置されてよい。
バックエンドストリーミングサーバ65は、ウェアラブルカメラ10からストリーミング配信される映像データを受信し、バックエンドサーバ50に転送する。また、バックエンドストリーミングサーバ65は、車載カメラシステム30からストリーミング配信される映像データを受信し、バックエンドサーバ50に転送してもよい。
バックエンドクライアント70は、例えばPCにより構成され、バックエンドサーバ50の不審人物データベース(不図示)にアクセスし、犯罪者等の事件に関する情報を検索してその検索結果をディスプレイデバイス(例えばバックエンドクライアント70に予め備え付けのLCD(Liquid Crystal Display))上に表示可能なブラウザを有する。不審人物データベースには、例えば指名手配中の人物や過去の犯罪者等が事件を識別する情報(例えば事件番号)に対応付けて予め登録されている。また、バックエンドクライアント70は、バックエンドサーバ50の音声データベースにアクセスし、犯罪者等の事件に関する情報を検索可能である。なお、バックエンドクライアント70は、警察署4の内部に設置されるだけでなく、警察署4の外部に設置されたものでもよい。また、バックエンドクライアント70は、シンクライアントPC或いはリッチクライアントPCのいずれであってもよい。
無線LANアクセスポイント63は、車載カメラシステム30及びウェアラブルカメラ10と無線LAN(W−LAN)によって無線接続し、車載カメラシステム30に記録された映像データ及び音声データと、ウェアラブルカメラ10に記録された映像データ及び音声データをバックエンドサーバ50に転送する。
集合充電台68は、複数の警察官3がそれぞれ装着又は所持するウェアラブルカメラ10を装着可能であり、装着された個々のウェアラブルカメラ10の電源を充電するとともに、ウェアラブルカメラ10との間で有線通信を行い、ウェアラブルカメラ10に記憶された映像データ及び音声データをバックエンドサーバ50に送信する機能を有する。また、集合充電台68は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介してバックエンドサーバ50に有線接続される。
指令システム90は、無線通信装置の一例としての警察無線基地局装置を有し、バックエンドサーバ50と接続され、警察署4が管轄する各所に指令を送信する。警察署4には、各警察官に指令を伝達するための警察無線システムが設置されている。指令システム90は、事件が発生した場合に、例えばバックエンドサーバ50からの指示に従い、事件の現場への派遣対象となる警察官が乗車するパトカー7又は警察官が所持する警察無線端末35に対し、現場急行や、現場確保、被疑者確保、現場に到着した警察官の応援等の各種の出動指令を無線で送信する。なお、指令システム90は、警察官が入力操作する指示に従い、事件の現場に派遣する警察官に指令を出してもよい。また、指令システム90は、バックエンドサーバ50と直接に接続されていなくてもよく、事件が発生した場合に、バックエンドサーバ50とは独立して、警察無線基地局装置から、事件の現場への派遣対象となるパトカー7又は警察無線端末35に対し、上記各種の出動指令を無線で送信してもよい。
ウェアラブルカメラシステム5において、車載カメラシステム30を使用する場合、ウェアラブルカメラ10は、近距離無線通信、又はUSB等の信号ケーブルを用いた有線通信によって、車載カメラシステム30とデータ転送可能に接続される。ウェアラブルカメラ10で撮像された映像データ及び収音された音声データは、車載カメラシステム30に転送され、車載カメラシステム30で再生或いは録画、録音され、また、バックエンドサーバ50に送信される。
車載カメラシステム30は、車載カメラ31で撮像された映像データ及びウェアラブルカメラ10で撮像された映像データ及び音声データを車載レコーダ33に記録し、ウェアラブルカメラ10により収音された音声の区間を切り出し、切り出された音声を含む切出しデータを、無線LANを経由してバックエンドサーバ50に送信する。音声区間の切り出しは、突発的に大音量の音声が現れた場合、その音声を含むように行われる。なお、音声区間の切り出しは、一定の周期で一定区間サンプリングするように行われてもよい。この場合、突発的な音声が現れていない区間では、周囲の小さな音量の音声だけが切り出される。
また、ウェアラブルカメラシステム5において、ウェアラブルカメラ10を直接ネットワークに接続して使用する場合、ウェアラブルカメラ10は、無線LANアクセスポイント45又はスマートフォン40とデータ転送可能に接続される。ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40との接続は、例えば、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy )等の近距離無線通信、或いは、ウェアラブルカメラ10又はスマートフォン40の一方を無線LANアクセスポイントとして機能させるテザリングによる無線LAN通信が用いられる。ウェアラブルカメラ10は、記録された映像データ及び音声データを無線LANアクセスポイント45又はスマートフォン40を経由してバックエンドサーバ50に送信する。
また、警察官3は、警察署4に戻り、集合充電台68にウェアラブルカメラ10を装着することで、集合充電台68は、ウェアラブルカメラ10を充電するとともに、USBケーブルを介してウェアラブルカメラ10に記録された映像データ及び音声データをバックエンドサーバ50に送信可能である。
バックエンドサーバ50は、バックエンドストリーミングサーバ65を経由して、或いはウェアラブルカメラ10又は車載カメラシステム30から直接、映像データを受信すると、伝送された映像データをストレージに記録し蓄積する。また、バックエンドサーバ50は、車載カメラシステム30及びウェアラブルカメラ10から切出しデータを受信すると、切出しデータに含まれる音声を認識し、パトロール又は事件に関する既定の音声データが予め登録された音声データベースに登録された音声との照合を行い、照合の結果を、車載カメラシステム30及びウェアラブルカメラ10に通知する。
また、警察官3がバックエンドクライアント70を操作してバックエンドサーバ50に対し事件に関連する音声を探索する等の処理を要求すると、バックエンドサーバ50は、バックエンドクライアント70からの要求に応じ、音声データベースに登録された音声の照会等を行う。
図2は、本実施形態のウェアラブルカメラ10を装着した警察官3の上半身の一例を示す図である。ウェアラブルカメラ10は、警察官3の前方を撮像可能なように、警察官3の制服の前部に置かれる。例えばウェアラブルカメラ10は、首から紐で吊り下げた状態で制服の前部に固定されてもよいし、ウェアラブルカメラ10の筐体10z(図3参照)の背面に取り付けられた取付具(例えば取付用クリップ)と制服の前部に取り付けられた被取付具とが係合することで制服の前部に固定されてもよい。
図3は、本実施形態のウェアラブルカメラ10の筐体10zの表側の面の一例を示す正面図である。筐体10zの表側の面には、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2及び撮像レンズ11zが配置される。録画スイッチSW1は、短押しされることで録画の開始を指示し、長押し(例えば3秒間の押し状態が継続された操作)されることで録画の停止を指示する。スナップショットスイッチSW2は、押下される度に、撮像部11により撮像される静止画の記録を指示する。撮像レンズ11zは、ウェアラブルカメラ10により撮像される被写体の光学像を撮像部11(図4参照)の撮像面に結像させる。
筐体10zの側面には、通信モードスイッチSW3及び属性情報付与スイッチSW4が配置される。筐体10zの上面には、3個のLED26a,26b,26cが配置される。LED26aは、ウェアラブルカメラ10の電源オン/オフの状態及びバッテリ25(図4参照)の状態を表示する。LED26bは、ウェアラブルカメラ10の撮像動作の状態を表示する。LED26cは、ウェアラブルカメラ10の通信モードの状態を表示する。
図4は、本実施形態のウェアラブルカメラ10の内部構成の一例を示すブロック図である。ウェアラブルカメラ10は、撮像部11と、GPIO12(General Purpose Input/Output)と、RAM(Random Access Memory)13と、ROM(Read Only Memory)14と、記憶部15と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)16と、RTC(Real Time Clock)17と、GPS(Global Positioning System)受信部18と、を備える。ウェアラブルカメラ10は、MCU(Micro Controller Unit)19と、通信部21と、USBインターフェース(I/F)22と、コンタクトターミナル23と、電源部24と、バッテリ25と、を備える。
ウェアラブルカメラ10は、録画スイッチSW1と、スナップショットスイッチSW2と、通信モードスイッチSW3及び属性情報付与スイッチSW4と、を備える。
ウェアラブルカメラ10は、3個のLED(Light Emitting Diode)26a,26b,26cと、バイブレータ27と、を備える。
撮像部11は、撮像レンズ11z(図3参照)と、CCD(Charge Coupled Device)型イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型イメージセンサ等による固体撮像素子と、を有する。撮像部11は、撮像により得られた被写体の画像データをMCU19に出力する。
GPIO12は、パラレルインターフェースである。GPIO12には、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、通信モードスイッチSW3、属性情報付与スイッチSW4、LED26a,26b,26c、バイブレータ27、LCD28、イヤホン端子29C、スピーカ29B及びマイクロホン29Aが接続される。GPIO12は、これらの各種電子部品とMCU19との間で信号を入出力する。受信部及び収音部の一例としてのマイクロホン29Aは、ウェアラブルカメラ10の周囲の音声を収音し、収音された音声の音声データを、GPIO12を介してMCU19に出力する。なお、マイクロホン29Aは、ウェアラブルカメラ10の筐体10zに収容された内蔵マイクであってもよいし、ウェアラブルカメラ10と無線接続されたワイヤレスマイクであってもよい。ワイヤレスマイクの場合、警察官が任意の箇所に取り付けることで、収音性を高めることができる。また、ジャイロセンサGY及び加速度センサAC、ADコンバータCVは、通信インターフェースの一例としてのI2C(Inter-Integrated Circuit)20によってMCU19と接続される。
RAM13は、例えばMCU19の動作において使用されるワークメモリである。ROM14は、例えばMCU19を制御するためのプログラム及びデータを予め記憶する。
記録部の一例としての記憶部15は、例えばメモリカード等の記憶媒体により構成され、自動録画開始等の指示(つまり、録画開始指示)に基づき、撮像部11で撮像された映像データの記録を開始する。記憶部15は、撮像された所定時間の映像データを常時プリバッファリングして保持しておき、例えば現在時刻より30秒前までの映像データを蓄積し続ける。そして、録画開始指示を受けると、記憶部15は、映像データの記録を開始し、録画停止指示を受けるまでこれ以降の映像データの記録を継続する。また、記憶部15は、解像度アップ情報等が設定された設定データファイルを有する。例えば記憶部15がメモリカードで構成される場合、ウェアラブルカメラ10の筐体10zに挿抜自在に装着される。
EEPROM16は、例えばウェアラブルカメラ10を識別する識別情報(例えばCamera IDとしてのシリアル番号)、及び各種設定情報を記憶する。RTC17は、現在の時刻情報をカウントしてMCU19に出力する。
GPS受信部18は、現在のウェアラブルカメラ10(自装置)の位置情報及び時刻情報をGPS発信機(不図示)から受信し、MCU19に出力する。時刻情報は、ウェアラブルカメラ10のシステム時刻の補正のためにも使用される。システム時刻は、撮像された画像(静止画、動画を含む)の撮像時刻の記録等に利用される。
MCU19は、ウェアラブルカメラ10の制御部としての機能を有し、例えばウェアラブルカメラ10の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、ウェアラブルカメラ10の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。MCU19は、ROM14に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。MCU19は、動作時、RAM13を使用し、RTC17より現在の時刻情報を得るとともに、GPS受信部18から現在の位置情報を得る。
MCU19は、アプリケーションプログラムの実行により実現可能な検知部19zを有し、この検知部19zを用いて、マイクロホン29Aにより収音された音声データのうち音声の区間を切り出した音声データを生成する。また、検知部19zは、マイクロホン29Aにより収音されたアナログ音の音声データにおいて、後述するDTMF信号等による音声信号による指示を検知する。MCU19は、検知部19zにより取得した指示に対応するウェアラブルカメラ10の動作を実行させる。
通信部21は、検知部19zで生成された音声データをバックエンドサーバ50に送信するものであり、例えばOSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの第1層である物理層において、通信部21とMCU19との接続を規定する。通信部21は、この規定に従って、例えばBLEによる無線通信、又は無線LANによる無線通信(例えばWi−fi(登録商標))を行う。通信部21は、指令システム90からの指示を受信する受信部として機能する。なお、通信部21は、NFC:Near Field Communication)等の近距離無線通信を行ってもよい。
USBインターフェース22は、シリアルバスであり、例えば車載カメラシステム30、警察署内のバックエンドクライアント70等との接続を可能とする。
コンタクトターミナル23は、クレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)等と電気的に接続するための端子であり、USBインターフェース22を介してMCU19に接続され、また、電源部24と接続される。コンタクトターミナル23は、コンタクトターミナル23を介して、バッテリ25を充電し、また、画像データ等を通信可能である。
コンタクトターミナル23には、例えば「充電端子V+」、「CON.DET端子」、「データ端子D−,D+」及び「グランド端子」(いずれも図示省略)が設けられる。CON.DET端子は、電圧及び電圧変化を検出するための端子である。データ端子D−,D+は、例えばUSBコネクタ端子を介して、外部PC等に対してウェアラブルカメラ10で撮像した画像等を転送するための端子である。コンタクトターミナル23の検知端子であるCON.DET端子は、ADコンバータCVを介してI2C20に接続され、コンタクトターミナル23の検知電圧値がMCU19に入力される。
コンタクトターミナル23と、クレードル(不図示)又は外付けアダプタ(不図示)のコネクタとが接続されることにより、ウェアラブルカメラ10と外部機器との間でデータ通信が可能となる。
電源部24は、例えばコンタクトターミナル23を介してクレードル又は外付けアダプタより供給される電源電力をバッテリ25に給電して、バッテリ25を充電する。バッテリ25は、例えば充電可能な2次電池により構成され、ウェアラブルカメラ10の各部に電源電力を供給する。
録画スイッチSW1は、例えば警察官3の押下操作による録画(動画の撮像)の開始/停止の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。録画スイッチSW1は、例えば奇数回押下されることで録画(動画の撮像)が開始され、偶数回押下されることで録画が終了する。また、連続して2回押下されると、後述するように、録画スイッチSW1は緊急ボタンとして機能する。
スナップショットスイッチSW2は、例えば警察官3の押下操作による静止画の撮像の操作指示を入力する押しボタンスイッチである。スナップショットスイッチSW2は、例えば押下される度に、押下時の静止画の撮像が実行される。
通信モードスイッチSW3は、例えばウェアラブルカメラ10と外部機器との間の通信モードを設定するための操作指示を入力するスライドスイッチである。通信モードは、例えばアクセスポイントモード、ステーションモード、OFFモードを含む。
アクセスポイントモードは、ウェアラブルカメラ10が無線LANのアクセスポイントとして動作し、例えば警察官3が所持するスマートフォン40と無線接続して、ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40との間で通信を行うモードである。アクセスポイントモードにおいて、スマートフォン40は、ウェアラブルカメラ10と接続することにより、ウェアラブルカメラ10による現在のライブ画像の表示、録画された画像の再生、撮像された静止画の表示等を行うことができる
ステーションモードは、無線LANを用いて外部機器と接続する場合に、外部機器をアクセスポイントとして通信するモードである。例えばスマートフォン40のテザリング機能を利用し、外部機器としてスマートフォン40を設定してもよい。ステーションモードにおいて、ウェアラブルカメラ10は、各種設定、ウェアラブルカメラ10が保持する録画された画像の転送(アップロード)等を、車載カメラシステム30や警察署4内のバックエンドクライアント70やバックエンドサーバ50に対して行うことができる。
OFFモードは、無線LANの通信動作をオフし、無線LANを未使用とするモードである。
属性情報付与スイッチSW4は、映像データに属性情報を付与するために操作される押しボタンスイッチである。
LED26aは、例えばウェアラブルカメラ10の電源投入状態(オンオフ状態)及びバッテリ25の状態を示す表示部である。LED26bは、例えばウェアラブルカメラ10の撮像動作の状態(録画状態)を示す表示部である。LED26cは、例えばウェアラブルカメラ10の通信モードの状態を示す表示部である。また、3個のLED26a〜26cは、ウェアラブルカメラ10がバックエンドサーバ50から通知データを受信すると、MCU19からの指示に従い、点滅動作を行う。この時、MCU19は、通知データに含まれる、音源に関する情報に応じて、MCU19は、LED26a〜26cの点滅パターンを可変させる。
ジャイロセンサGYは、ウェアラブルカメラ10の角速度(つまり、単位時間あたりの回転角)を検知し、例えばウェアラブルカメラ10を装着又は所持している警察官3が転倒したこと(Man Down)を検知する。ジャイロセンサGYの検知結果はI2C20を介してMCU19に入力される。ウェアラブルカメラ10は、ジャイロセンサGYを用いることで、ウェアラブルカメラ10を装着又は所持している警察官3の回転に関する挙動(例えば地面に転倒したこと、拳銃で撃たれて地面に倒れたこと、凶器で攻撃されて地面に倒れたこと)を精度良く検知することができる。
加速度センサACは、ウェアラブルカメラ10の直行座標系の3軸方向(いわゆる、x軸,y軸,z軸)の加速度を検知し、例えばウェアラブルカメラ10を装着又は所持している警察官3が転倒したこと(Man Down)、走り出したこと、警察官3が所持している拳銃を把持して射撃体勢になったことを検知する。加速度センサACの検知結果はI2C20を介してMCU19に入力される。ウェアラブルカメラ10は、加速度センサACを用いることで、ウェアラブルカメラ10を装着又は保持している警察官3の動き又は体勢に関する挙動を精度良く検知することができる。
MCU19は、録画スイッチSW1、スナップショットスイッチSW2、通信モードスイッチSW3及び属性情報付与スイッチSW4の各スイッチの入力検出を行い、操作があったスイッチ入力に対する処理を行う。
MCU19は、録画スイッチSW1の操作入力を検出した場合、撮像部11における撮像動作の開始又は停止を制御し、撮像部11から得られた画像を、動画像として記憶部15に保存する。
MCU19は、スナップショットスイッチSW2の操作入力を検出した場合、スナップショットスイッチSW2が操作されたときの撮像部11による画像を、静止画像として記憶部15に保存する。
MCU19は、通信モードスイッチSW3の状態を検出し、通信モードスイッチSW3の設定に応じた通信モードによって通信部21を動作させる。
MCU19は、属性情報付与スイッチSW4が押下された場合、撮像部11によって撮像された画像から切り出された顔画像を含む切出しデータに属性情報を付与する。
図5は、本実施形態のウェアラブルカメラシステム5の使用状態でのシステム構成の一例を示すブロック図である。ウェアラブルカメラ10は、録画を開始する場合、筐体10zの録画スイッチSW1の操作以外に、外部からの指示によっても録画動作の開始が可能となっている。ウェアラブルカメラ10は、無線LANアクセスポイント45(図示例ではモバイルアクセスポイント)又はスマートフォン40を介してネットワーク67に接続され、VPNルータ66を経由してバックエンドストリーミングサーバ65、バックエンドサーバ50、指令システム90と接続される。指令システム90は、本部装置としての機能を有するものであり、バックエンドクライアント95と、無線通信装置の一例としての警察無線基地局装置97とを備える。
ウェアラブルカメラ10は、マイクロホン29Aにより、警察無線端末35からの出力音声によるDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号を入力可能である。警察無線端末35には、指令システム90の警察無線基地局装置97からの音声による指令が伝送され、警察無線端末35のスピーカから音声出力される。警察無線基地局装置97は、指令室のオペレータ98の操作に基づき、第1の録画開始指示として、録画開始等の指示に対応するDTMF信号を警察無線端末35に送信し、ウェアラブルカメラ10に対してDTMF信号による指示を通知可能である。DTMF信号による録画開始等の指示は、例えば、オペレータ98の操作によってバックエンドクライアント95又は警察無線基地局装置97において指示に対応するDTMF信号が生成され、警察無線基地局装置97から対象のウェアラブルカメラ10に対応する警察無線端末35宛に伝送される。ここで、指令システム90のバックエンドクライアント95が本部装置を構成し、本部装置としては、警察無線基地局装置97を含む場合もある。ウェアラブルカメラ10と本部装置とは、ネットワーク67、無線LAN又はBLEによる無線伝送路、警察無線の無線通信路などの種々の通信路を介して接続可能に構成される。
指令システム90のバックエンドクライアント95は、バックエンドサーバ50と接続され、指令室のオペレータ98の操作に基づき、バックエンドサーバ50からネットワーク67を経由して、第2の録画開始指示として、IP(Internet Protocol)コマンドによる録画開始等の指示をウェアラブルカメラ10に対して送信可能である。IPコマンドによる録画開始等の指示は、例えば、オペレータ98のバックエンドクライアント95の操作によってバックエンドクライアント95又はバックエンドサーバ50においてIPコマンドが生成され、ネットワーク67を介して対象のウェアラブルカメラ10宛に伝送される。
ウェアラブルカメラ10は、無線LANアクセスポイント45とは無線LAN(W−LAN)によって接続され、スマートフォン40とは無線LAN又はBLEによって接続される。また、ウェアラブルカメラ10は、車載カメラシステム30と接続する場合、無線LANによって車載カメラシステム30aと直接接続されるか、或いは、BLEによって中継装置(CTB:Common Trigger Box)36を経由して車載カメラシステム30bと接続される。
指令室のオペレータ98により録画開始の操作がなされると、指令システム90のバックエンドクライアント95は、録画開始指示を示すDTMF信号を生成し、警察無線基地局装置97から警察無線端末35にDTMF信号を送信し、警察無線端末35を介してウェアラブルカメラ10に、第1の録画開始指示としてのDTMF信号による録画開始指示を伝送する。また、バックエンドクライアント95は、第2の録画開始指示としてのIPコマンドによる録画開始指示を送信し、ネットワーク67を経由して無線LANアクセスポイント45又はスマートフォン40を介してウェアラブルカメラ10にIPコマンドによる録画開始指示を伝送する。なお、録画開始指示と同様に、DTMF信号又はIPコマンドによる録画停止指示を指令システム90からウェアラブルカメラ10に伝送することも可能である。DTMF信号による録画開始指示、及びIPコマンドによる録画開始指示を伝送する手順については、一例を後述する。
図6は、本実施形態の指令システム90の構成の一例を示すブロック図である。指令システム90は、バックエンドクライアント95と、警察無線基地局装置97とを有する構成である。バックエンドクライアント95は、例えばPCにより構成され、CPU951、I/O制御部952、通信部953、メモリ954、入力デバイス955、モニタ956、スピーカ957を備える。ここで、バックエンドクライアント95又は警察無線基地局装置97が、録画開始指示をウェアラブルカメラ10に対して送信する送信部としての機能を有する。例えば、警察無線基地局装置97が第1送信部として機能し、バックエンドクライアント95の通信部953が第2送信部として機能する。
CPU951は、例えばバックエンドクライアント95の各部の動作を全体的に統括するための制御処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算(計算)処理及びデータの記憶処理を行う。CPU951は、メモリ954に記憶されたプログラム及びデータに従って動作する。
また、バックエンドクライアント95は、CPU951にて動作するアプリケーションプログラムの実行により実現可能な音声コマンド生成部の一例としてのDTMF生成部96を有する。DTMF生成部96は、録画開始指示コマンド、対象機器識別情報、等の指示情報を含む音声信号のDTMF信号を生成する。なお、DTMF生成部96は、バックエンドクライアント95内の他の回路ブロック、又はバックエンドクライアント95とは別体の装置において、ソフトウェア又はハードウェアにより実現されるもので構成してもよい。DTMF生成部96は、複数のバックエンドクライアント95からの録画開始指示情報を入力し、録画開始指示のためのDTMF信号を生成可能である。なお、無線通信により録画開始指示を伝送するための音声信号はDTMF信号に限定されず、録画開始指示等の指示情報を包含可能な信号であれば、他の音声信号を用いてもよい。また、バックエンドクライアント95のCPU951は、アプリケーションプログラムの実行により実現可能なIPコマンド生成部959を有する。IPコマンド生成部959は、録画開始指示等の各種指示を行うIPコマンドを生成する。なお、ネットワークを介して録画開始指示を伝送するための指示情報はIPコマンドに限定されず、他の通信符号による指示情報を用いてもよい。
I/O制御部952は、CPU951とバックエンドクライアント95の各部(例えば通信部953、入力デバイス955、モニタ956)との間でデータの入出力に関する制御を行い、CPU951からのデータ及びCPU951へのデータの中継を行う。なお、I/O制御部952は、CPU951と一体的に構成されてもよい。
通信部953は、ネットワーク910と通信可能に接続され、例えばバックエンドサーバ50は、バックエンドストリーミングサーバ65、ウェアラブルカメラ10、車載カメラシステム30、スマートフォン40との間で、有線又は無線による通信を行う。
メモリ954は、例えばRAM、ROM、不揮発性又は揮発性の半導体メモリを用いて構成され、CPU951の動作時のワークメモリとして機能し、CPU951を動作させるための所定のプログラム及びデータを保存している。
入力デバイス955は、オペレータ98の入力操作を受け付け、I/O制御部952を介してCPU951に通知するためのUIであり、例えばマウス、キーボード等の入力機能を有するデバイスである。入力デバイス955は、例えばモニタ956の画面に対応して配置され、オペレータ98の指又はスタイラスペンによって操作が可能なタッチパネル又はタッチパッドを用いて構成されてもよい。
モニタ956は、例えばLCD又は有機EL等の表示デバイスを用いて構成され、各種情報を表示する。モニタ956は、例えば外部からの通報、警察官3からの連絡、オペレータ98の入力操作等に応じて、各種情報を表示する。例えばウェアラブルカメラ10への録画開始指示を送信する場合、モニタ956は、CPU951の制御の下で、指示内容、指示対象などの関連情報を表示する。
スピーカ957は、オペレータ98の入力操作に応じて、CPU951の制御の下で、バックエンドクライアント95における再生音声を出力する。DTMF信号を伝送する場合、スピーカ957は、DTMF生成部96により生成されたDTMF信号を音声出力する。
警察無線基地局装置97は、警察無線の無線方式による無線通信の送受信を行う無線基地局であり、警察署4の管轄区域にある警察無線端末35との間で音声の送信、受信を行う。警察無線基地局装置97は、通話のためのマイクロホン971とスピーカ972とを備える。警察無線を使用してDTMF信号による録画開始指示を送信する場合、複数のウェアラブルカメラ10に対して録画開始指示を同報送信することも可能である。
図7は、本実施形態において使用するDTMF信号の一例を示す図であり、(A)は信号フォーマットの一例を示す図、(B)は各信号ブロックの値の具体例を示す図である。本実施形態では、異なる2つの周波数の音声信号を組み合わせたDTMF信号を利用して、ウェアラブルカメラ10に対して音声信号による録画開始指示を伝送可能となっている。DTMF信号は、所定周波数の音声信号により情報を伝送可能なアナログ音声信号である。図7(A)に示すように、DTMF信号の信号フォーマットは、録画開始の指示を示す録画開始コマンドを2回、対象となるウェアラブルカメラを示す対象BWC番号を2回、コマンドと対象機器情報とをそれぞれ2回ずつ繰り返すものとする。DTMF信号による録画開始指示は、ウェアラブルカメラ10における受信エラーを削減するため、同一の情報を2回ずつ送信する。
図7(B)に示すように、DTMF信号の値は、録画開始コマンドの値を「AABBCC991111」、個別の対象BWC番号の値を「BBCC*123456」(この場合は機器番号が123456のウェアラブルカメラが対象)、全機器対象の対象BWC番号の値を「BBCC*000000」とする。なお、全てのウェアラブルカメラを対象とする場合、録画開始コマンドのみを各ウェアラブルカメラに同報送信して対象BWC番号を送信しないようにし、録画開始コマンドを受信したウェアラブルカメラは全て録画動作を開始するようにしてもよい。この場合、例えば伝送路の通信品質の劣化等により録画開始コマンドのみが受信され、対象BWC番号が正常に受信されなかった場合、或いは受信エラーによって対象BWC番号が受信できなかった場合においても、該当のウェアラブルカメラは録画動作を開始する。
以下に、上記構成を有するウェアラブルカメラシステム5の動作について説明する。本実施形態では、ウェアラブルカメラ10にて撮像した映像データを記録する場合に、ウェアラブルカメラ10を装着した警察官3の操作だけでなく、指令システム90等からのIPコマンド又はDTMF信号による録画開始指示に基づき、外部指示又は遠隔指示によって録画動作を開始できるようにする。例えば、事件が発生した際、急いでいる、手が離せない等の理由により、警察官3がウェアラブルカメラ10の録画スイッチSW1を押下することができない場合を想定し、IPコマンド又はDTMF信号による録画開始指示によって録画を開始する。
(第1の実施形態の動作)
図8は、第1の実施形態のウェアラブルカメラシステム5における録画開始手順の一例を示すシーケンス図である。第1の実施形態では、指令システム90より警察無線を用いてDTMF信号による録画開始指示をウェアラブルカメラ10に伝送し、ウェアラブルカメラ10からのACK(Acknowledgement)メッセージをネットワーク67を経由してバックエンドクライアント95にて受信する動作例を示す。
指令室のオペレータ98は、事件の発生状況、警察無線の通信状況などに基づき、ウェアラブルカメラ10の録画開始操作が必要であると判断し、指令システム90のバックエンドクライアント95を用いて録画開始指示の入力操作を行う。バックエンドクライアント95は、録画開始指示の入力を受けると(T11)、DTMF生成部96にDTMF送信要求を出力する(T12)。DTMF生成部96は、DTMF送信要求を受けると、ACK信号を返信し(T13)、録画開始指示コマンドを含むDTMF信号を生成する(T14)。DTMF生成部96は、生成したDTMF信号をバックエンドクライアント95と警察無線基地局装置97に送信する(T15、T16)。バックエンドクライアント95は、スピーカ957よりDTMF信号を再生出力する(T17)。指令室のオペレータ98は、DTMF信号の再生音声を聴取することにより、録画開始指示のためのDTMF信号の音をモニタして確認できる。
警察無線基地局装置97は、バックエンドクライアント95にて再生されたDTMF信号の音声をマイクロホン971にて入力するか、或いはDTMF生成部96からDTMF信号を入力し、DTMF信号を警察無線の無線信号に変換して警察無線端末35に送信する(T18)。事件の現場に派遣された警察官3は、ウェアラブルカメラ10と警察無線端末35を装着又は所持している。警察無線端末35は、警察無線基地局装置97からの無線信号を受信し、DTMF信号を再生出力する。
警察無線端末35の近傍にあるウェアラブルカメラ10は、マイクロホン29Aにより録画開始指示コマンドを含むDTMF信号を入力する(T19)。ウェアラブルカメラ10は、常時マイクロホン29AからのDTMF信号の入力を待ち受け可能となっている。ウェアラブルカメラ10は、DTMF信号による録画開始指示を受けると、録画動作の開始を判断し、撮像部11にて撮像した映像データを記憶部15に記録する動作を開始する(T20)。また、ウェアラブルカメラ10は、DTMF信号による録画開始指示に対して、ACK送信要求をBLE等の無線通信によってスマートフォン40に送信する(T21)。スマートフォン40は、ウェアラブルカメラ10からのACK送信要求を受信すると、ACKメッセージをLTE(Long Term Evolution)等のモバイル通信のネットワーク67を介してバックエンドサーバ50に送信する(T22)。なお、ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40との間の通信、スマートフォン40とバックエンドサーバ50との間の通信は、BLE、LTEに限定されず、無線LANなどの他の通信手段を用いてもよい。
バックエンドサーバ50は、受信したACKメッセージをバックエンドクライアント95に伝送する(T23)。バックエンドクライアント95は、録画開始指示のためのDTMF送信要求に対するACKメッセージを受信すると、DTMF信号による録画開始指示がウェアラブルカメラ10にて正常に受信されたことを認識し、録画動作が開始されたことを示す録画開始メッセージをモニタ956に表示する(T24)。指令室のオペレータ98は、バックエンドクライアント95のモニタ956に表示された録画開始メッセージを目視することにより、ウェアラブルカメラ10の録画開始を確認できる。
(第2の実施形態の動作)
図9は、第2の実施形態のウェアラブルカメラシステム5における録画開始手順の一例を示すシーケンス図である。第2の実施形態では、指令システム90よりネットワーク67を経由してIPコマンドによる録画開始指示をウェアラブルカメラ10に伝送し、ウェアラブルカメラ10からのACKメッセージをネットワーク67を経由してバックエンドクライアント95にて受信する動作例を示す。
指令室のオペレータ98は、事件の発生状況、警察無線の通信状況などに基づき、ウェアラブルカメラ10の録画開始操作が必要であると判断し、指令システム90のバックエンドクライアント95を用いて録画開始指示の入力操作を行う。バックエンドクライアント95は、録画開始指示の入力を受けると(T31)、IPコマンドによる録画開始コマンドを生成してバックエンドサーバ50に送信する(T32)。指令室のオペレータ98は、バックエンドクライアント95のモニタ956に表示された録画開始指示送信メッセージを目視することにより、ウェアラブルカメラ10に対する録画開始指示の送信を確認できる。
バックエンドサーバ50は、バックエンドクライアント95から受信した録画開始コマンドをネットワーク67を介してスマートフォン40に送信する(T33)。スマートフォン40は、受信した録画開始コマンドをBLE等の無線通信によってウェアラブルカメラ10に送信する(T34)。
ウェアラブルカメラ10は、IPコマンドの録画開始コマンドによる録画開始指示を受けると、録画動作の開始を判断し、撮像部11にて撮像した映像データを記憶部15に記録する動作を開始する(T35)。また、ウェアラブルカメラ10は、録画開始コマンドによる録画開始指示に対して、ACKメッセージをBLE等の無線通信によってスマートフォン40に送信する(T36)。スマートフォン40は、ウェアラブルカメラ10から受信したACKメッセージをLTE等のモバイル通信のネットワーク67を介してバックエンドサーバ50に送信する(T37)。なお、ウェアラブルカメラ10とスマートフォン40との間の通信、スマートフォン40とバックエンドサーバ50との間の通信は、BLE、LTEに限定されず、無線LANなどの他の通信手段を用いてもよい。
バックエンドサーバ50は、受信したACKメッセージをバックエンドクライアント95に伝送する(T38)。バックエンドクライアント95は、録画開始指示のための録画開始コマンドに対するACKメッセージを受信すると、録画開始コマンドによる録画開始指示がウェアラブルカメラ10にて正常に受信されたことを認識し、録画動作が開始されたことを示す録画開始メッセージをモニタ956に表示する(T39)。指令室のオペレータ98は、バックエンドクライアント95のモニタ956に表示された録画開始メッセージを目視することにより、ウェアラブルカメラ10の録画開始を確認できる。
(第3の実施形態の構成及び動作)
図10は、第3の実施形態のウェアラブルカメラ10A及び警察無線端末35の構成の一例を示すブロック図、図11は、第3の実施形態のウェアラブルカメラシステム5における録画開始手順の一例を示すシーケンス図である。第3の実施形態では、指令システム90より警察無線を用いてDTMF信号による録画開始指示をウェアラブルカメラ10Aに伝送し、ウェアラブルカメラ10AからのACKメッセージを警察無線を用いてDTMF信号によるACK信号として伝送し、バックエンドクライアント95にて受信する動作例を示す。
ウェアラブルカメラ10Aは、カメラ本体120とマイクスイッチ部130とを含む構成である。カメラ本体120は、図4に示したウェアラブルカメラ10と同様の構成を有するものであり、撮像部11を含むカメラ部121、MCU122を備える。マイクスイッチ部130は、PTT(Push to Talk)スイッチ131、PTTスイッチ情報出力部132、音声信号処理部134、マイクロホン133、DTMF生成部135を備える。マイクスイッチ部130は、警察無線端末35と接続され、警察無線端末35及びウェアラブルカメラ10Aのスイッチ操作、及び通話音声及び各種音声の収音を行うものである。マイクスイッチ部130は、カメラ本体120と一体又は別体に構成され、警察官3がスイッチ操作及びマイク収音を行い易いように装着又は配置される。この場合、マイクスイッチ部130は、ウェアラブルカメラ10A及び警察無線端末35の収音部を兼ねるものであり、ピンマイク、ヘッドセット等により構成すればよい。
PTTスイッチ131は、いわゆるプッシュトゥトークを行うためのスイッチであり、スイッチ押下操作時に警察無線端末35の通話送信を行うスイッチである。PTTスイッチ情報出力部132は、PTTスイッチ131が押下されたことを示す操作情報を、警察無線端末35とウェアラブルカメラ10AのMCU122に出力する。PTTスイッチ情報出力部132は、PTTスイッチ131の押下操作時に加えて、DTMF信号によるACK信号を送信する際にもPTTスイッチの操作情報を出力する。マイクロホン133は、ウェアラブルカメラ10A及び警察無線端末35の収音部として機能し、周囲の音声を収音して音声信号を出力する。DTMF生成部135は、ACK情報を含む音声信号のDTMF信号を生成する。音声信号処理部134は、マイクロホン133にて収音された音声信号又はDTMF生成部135により生成されたDTMF信号によるACK信号を処理し、警察無線端末35とウェアラブルカメラ10AのMCU122に出力する。なお、DTMF生成部135は、カメラ本体120に設けてもよい。
図11に示すように、指令室のオペレータ98は、事件の発生状況、警察無線の通信状況などに基づき、ウェアラブルカメラ10の録画開始操作が必要であると判断し、指令システム90のバックエンドクライアント95を用いて録画開始指示の入力操作を行う。バックエンドクライアント95は、録画開始指示の入力を受けると(T51)、DTMF生成部96にDTMF送信要求を出力する(T52)。DTMF生成部96は、DTMF送信要求を受けると、ACK信号を返信し(T53)、録画開始指示コマンドを含むDTMF信号を生成する(T54)。DTMF生成部96は、生成したDTMF信号をバックエンドクライアント95と警察無線基地局装置97に送信する(T55、T56)。バックエンドクライアント95は、スピーカ957よりDTMF信号を再生出力する(T57)。指令室のオペレータ98は、DTMF信号の再生音声を聴取することにより、録画開始指示のためのDTMF信号の音をモニタして確認できる。
警察無線基地局装置97は、バックエンドクライアント95にて再生されたDTMF信号の音声をマイクロホン971にて入力するか、或いはDTMF生成部96からDTMF信号を入力し、DTMF信号を警察無線の無線信号に変換して警察無線端末35に送信する(T58)。事件の現場に派遣された警察官3は、ウェアラブルカメラ10と警察無線端末35を装着又は所持している。警察無線端末35は、警察無線基地局装置97からの無線信号を受信し、DTMF信号を再生出力する。
警察無線端末35の近傍にあるウェアラブルカメラ10Aは、マイクロホン133により録画開始指示コマンドを含むDTMF信号を入力する(T59)。ウェアラブルカメラ10Aは、DTMF信号による録画開始指示を受けると、録画動作の開始を判断し、カメラ部121にて撮像した映像データを記録する動作を開始する(T60)。また、ウェアラブルカメラ10Aは、DTMF信号による録画開始指示に対して、DTMF生成部135によりACK情報を含むDTMF信号を生成し、DTMF信号のACK信号を警察無線端末35に出力する(T61)。
警察無線端末35は、DTMF生成部135からDTMF信号のACK信号を入力し、DTMF信号を警察無線の無線信号に変換して警察無線基地局装置97に送信する(T62)。警察無線基地局装置97は、警察無線端末35からの無線信号を受信し、DTMF信号のACK信号を再生出力する(T63)。なお、警察無線により伝送するACK信号は、DTMF信号の代わりに、所定の音声、ビープ音など、識別可能な他の音声信号を用いてもよい。指令室のオペレータ98は、DTMF信号のACK信号の再生音声を聴取することにより、DTMF信号による録画開始指示がウェアラブルカメラ10Aにて正常に受信され、録画動作が開始されたことを認識し、ウェアラブルカメラ10Aの録画開始を確認できる。
図12は、本実施形態のウェアラブルカメラ10における録画処理の一例を示すフローチャートである。図12では、図8又は図11に示したDTMF信号による録画開始処理と、図9に示したIPコマンドによる録画開始処理のいずれにも対応可能とした処理を示す。
ウェアラブルカメラ10は、録画処理の実行に際して、DTMF信号による録画開始指示を受信したか(S11)、IPコマンドによる録画開始指示を受信したか(S12)、録画開始ボタンが押下されたか(S13)をそれぞれ判定し、いずれかの録画開始指示を受信するまで待機する。DTMF信号による録画開始指示又はIPコマンドによる録画開始指示の受信、或いは録画開始ボタンの押下を受けると、ウェアラブルカメラ10は、録画動作を開始し、撮像部11にて撮像された映像データの記憶部15への記録を始める(S14)。そして、ウェアラブルカメラ10は、DTMF信号による録画停止指示を受信したか(S15)、IPコマンドによる録画停止指示を受信したか(S16)、録画停止ボタンが押下されたか(S17)、所定時間に設定されたタイマーが満了したか(S18)をそれぞれ判定し、いずれかの録画停止指示の受信又はタイマー満了まで録画動作を継続する。DTMF信号による録画停止指示又はIPコマンドによる録画停止指示の受信、或いは録画停止ボタンの押下、若しくはタイマーが満了すると、ウェアラブルカメラ10は、録画動作を停止し、撮像部11にて撮像された映像データの記憶部15への記録を終了する(S19)。
図13は、本実施形態のバックエンドクライアント70における録画処理の一例を示すフローチャートである。図13では、図9に示したIPコマンドによる録画開始処理と、図8に示したDTMF信号による録画開始処理のいずれにも対応可能とした処理を示す。
バックエンドクライアント70は、指令室のオペレータ98からの録画開始操作の入力があったかを判定し、録画開始操作の入力があるまで待機する(S21)。録画開始操作がなされると、バックエンドクライアント70は、IPコマンドによる録画開始処理を実行する(S22)。IPコマンドによる録画開始処理は、図9に示したIPコマンドによる録画開始指示(録画開始コマンド)のウェアラブルカメラ10への送信を行う。この際、バックエンドクライアント70は、ウェアラブルカメラ10からの録画開始指示の受領応答(ACKメッセージ)を待機する時間として、所定時間のタイマー設定を行い(S23)、モニタ956に動作状態表示として“応答待ち中”のメッセージを表示する(S24)。そして、バックエンドクライアント70は、ウェアラブルカメラ10からのACKメッセージを受信したかを判定し(S25)、ACKメッセージを受信した場合は、IPコマンドによる録画開始指示がウェアラブルカメラ10にて正常に受信されたことを認識し、モニタ956に動作状態表示として“録画開始を確認”のメッセージを表示する(S26)。
バックエンドクライアント70は、ステップS25において、ウェアラブルカメラ10からのACKメッセージを受信しない場合、ステップS23にて設定したタイマーが満了(所定時間のカウントを終了)したかを判定し(S27)、タイマーが満了するまで待機する。所定時間のタイマーが満了した場合、バックエンドクライアント70は、DTMF信号による録画開始処理を実行する(S28)。DTMF信号による録画開始処理は、図8に示したDTMF信号による録画開始指示のウェアラブルカメラ10への送信を行う。この際、バックエンドクライアント70は、モニタ956に動作状態表示として“DTMFによる録画要求送信”のメッセージを表示する(S29)。そして、バックエンドクライアント70は、ウェアラブルカメラ10からのACKメッセージを受信したかを判定し(S30)、ACKメッセージを受信した場合は、DTMF信号による録画開始指示がウェアラブルカメラ10にて正常に受信されたことを認識し、モニタ956に動作状態表示として“録画開始を確認”のメッセージを表示する(S31)。なお、図11に示したように、録画開始指示に対してDTMF信号によるACK信号を受信する場合は、オペレータ98が警察無線基地局装置97によってACK信号の受信を確認できるので、ステップS30、S31の手順を省略する。
上述したように、本実施形態では、警察官が主体的に録画の操作をしなくても、DTMF信号による録画開始指示又はIPコマンドによる録画開始指示によって、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画動作を開始させることができる。このため、事件発生時など、突発的に録画が必要な場合であっても、録画漏れを低減でき、業務を効率的に支援できる。
本実施形態のウェアラブルカメラシステムでは、警察官等のユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラ10と、ウェアラブルカメラ10と通信路を介して接続可能である、指令システム90のバックエンドクライアント95等を含む本部装置とを有する。ウェアラブルカメラ10は、被写体を撮像する撮像部11と、撮像された被写体の映像を録画する記憶部15と、本部装置からの指示を受信する受信部としての、本部装置との間で通信を行う通信部21、音声信号を収音するマイクロホン29A等を備える。本部装置は、音声信号による指示情報を生成する音声コマンド生成部と、音声信号による第1の録画開始指示を送信する第1送信部と、通信符号による第2の録画開始指示を送信する第2送信部と、を備える。音声コマンド生成部としては、例えば、所定周波数の音声信号により情報を伝送可能なDTMF信号を生成するDTMF生成部96を有する。第1送信部としては、例えば、DTMF信号による第1の録画開始指示を送信するものとして、警察無線の無線通信路を用いて通話音声等の音声信号を伝送する警察無線基地局装置97を有する。第2送信部としては、例えば、IPコマンドによる第2の録画開始指示を送信するものとして、バックエンドクライアント95の通信部953を有する。本部装置は、第1の録画開始指示と第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示をウェアラブルカメラ10に対して送信する。ウェアラブルカメラ10は、本部装置から送信された第1の録画開始指示又は第2の録画開始指示を受信した場合に、撮像部11により撮像された被写体の映像の録画を開始し、記憶部15に映像データを記録する。
これにより、ウェアラブルカメラ10は、本部装置から送信される、音声信号による第1の録画開始指示と通信符号による第2の録画開始指示のいずれかを受信することによって、被写体の映像の録画を開始できる。このため、警察官等のユーザは、主体的に録画の操作をしなくても、本部装置からの録画開始指示によってウェアラブルカメラの録画動作を開始することが可能となる。
なお、ウェアラブルカメラシステムとしては、ウェアラブルカメラ10において、第1の録画開始指示のみが受信される場合、第2の録画開始指示のみが受信される場合、第1の録画開始指示と第2の録画開始指示の両方が受信可能であり、早く受信された方の録画開始指示によって録画開始する場合、第1の録画開始指示又は第2の録画開始指示のいずれか一方が受信されなかった場合に、他のもう一方の録画開始指示の受信によって録画開始する場合など、種々の形態が想定される。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステムでは、警察官等のユーザにおいて装着又は所持し音声通話が可能な無線通信端末として、例えば警察無線端末35を備え、本部装置は、無線通信端末との間で無線通信を行う無線通信装置として、例えば警察無線基地局装置97を備え、無線通信装置によって第1の録画開始指示を無線通信端末に対して送信する。ウェアラブルカメラ10は、無線通信端末の受信音声を収音する収音部として、例えばマイクロホン29Aを備え、収音部により第1の録画開始指示を受信した場合に、撮像部11により撮像された前記被写体の映像の録画を開始する。
これにより、指令システム90のバックエンドクライアント95等を含む本部装置は、警察無線等の無線通信を用いて音声信号による第1の録画開始指示をユーザが装着又は所持する無線通信端末に対して送信し、ウェアラブルカメラ10は、無線通信端末に送信された第1の録画開始指示を収音部により受信することによって、被写体の映像の録画を開始できる。このように、警察無線等の予め設置された既存の無線通信システムを用いて、第1の録画開始指示を伝送し、ウェアラブルカメラ10に対して録画開始を指示することが可能となる。警察署では、各警察官に指令を伝達するための警察無線システムが設置され、警察官は警察無線端末35を携行しているため、警察無線を用いることによって、音声信号による第1の録画開始指示を伝送可能である。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステムでは、本部装置は、ウェアラブルカメラ10に対して第2の録画開始指示を送信し、第2の録画開始指示に対するウェアラブルカメラ10からの応答が受信できない場合に、第1の録画開始指示を送信する。例えば、IPコマンドによる第2の録画開始指示を送信し、ウェアラブルカメラ10からの応答が無い場合に、例えば警察無線等の無線通信を用いてDTMF信号等の音声信号による第1の録画開始指示を送信することによって、より確実にウェアラブルカメラ10に対して録画開始指示を伝送し、録画動作を開始できる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステムでは、本部装置は、第1の録画開始指示を送信する場合、複数のウェアラブルカメラ10に対して第1の録画開始指示を同報送信する。これにより、複数のウェアラブルカメラ10に対して、一斉に録画開始を指示することができる。この際、例えば警察無線等の無線通信を利用し、DTMF信号等の音声信号を用いて、第1の録画開始指示を容易に同報送信できる。
また、本実施形態のウェアラブルカメラシステムにおける録画制御方法では、本部装置は、音声信号による指示情報を生成し、音声信号による第1の録画開始指示と、通信符号による第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示を前記ウェアラブルカメラに対して送信し、ウェアラブルカメラ10は、被写体を撮像し、本部装置から送信された第1の録画開始指示又は第2の録画開始指示を受信した場合に、撮像された被写体の映像の録画を開始する。
これにより、警察官等のユーザは、主体的に録画の操作をしなくても、本部装置からの録画開始指示によってウェアラブルカメラの録画動作を開始することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、ユーザとして警察署及び警察官が使用するウェアラブルカメラシステムの構成例を示したが、本実施形態は、警備会社及び警備員など、他の組織において用いられるウェアラブルカメラシステムとしても適用可能である。
なお、図10及び図11に示した第3の実施形態の場合は、IPコマンド等による第2の録画開始指示を伝送する構成(ネットワーク67、スマートフォン40、無線LANアクセスポイント45、バックエンドサーバ50等)は必ずしも必要ではなく、警察無線基地局装置97及び警察無線端末35によってDTMF信号等による第1の録画開始指示を伝送可能な構成であればよい。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
本発明は、ユーザが主体的に録画の操作をしなくても、ウェアラブルカメラにより撮像された映像の録画を開始して録画漏れを低減し、業務を効率的に支援するウェアラブルカメラシステム及び録画制御方法として有用である。
3 警察官
4 警察署
5 ウェアラブルカメラシステム
8 署内システム
10,10A ウェアラブルカメラ(BWC)
10z 筐体
11 撮像部
11z 撮像レンズ
12 GPIO
13 RAM
14 ROM
15 記憶部
16 EEPROM
17 RTC
18 GPS受信部
19 MCU
21 通信部
22 USBインターフェース
23 コンタクトターミナル
24 電源部
25 バッテリ
26a,26b,26c LED
27 バイブレータ
28 LCD
29A マイクロホン
29B スピーカ
29C イヤホン端子
30 車載カメラシステム
31 車載カメラ
32 車載PC
33 車載レコーダ
35 警察無線端末
40 スマートフォン
45、63 無線LANアクセスポイント
50 バックエンドサーバ(BES)
65 バックエンドストリーミングサーバ(BSS)
67、910 ネットワーク
68 集合充電台
70、95 バックエンドクライアント(BEC)
90 指令システム
96、135 DTMF生成部
97 警察無線基地局装置
98 オペレータ
951 CPU
952 I/O制御部
953 通信部
954 メモリ
955 入力デバイス
956 モニタ
957、972 スピーカ
971 マイクロホン
120 カメラ本体
121 カメラ部
122 MCU
130 マイクスイッチ部
131 PTTスイッチ
132 PTTスイッチ情報出力部
133 マイクロホン
SW1 録画スイッチ
SW2 スナップショットスイッチ
SW3 通信モードスイッチ
SW4 属性情報付与スイッチ

Claims (5)

  1. ユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラと通信路を介して接続可能な本部装置とを有するウェアラブルカメラシステムであって、
    前記ウェアラブルカメラは、
    被写体を撮像する撮像部と、
    撮像された前記被写体の映像を録画する記録部と、
    前記本部装置からの指示を受信する受信部と、を備え、
    前記本部装置は、
    音声信号による指示情報を生成する音声コマンド生成部と、
    前記音声信号による第1の録画開始指示を送信する第1送信部と、
    通信符号による第2の録画開始指示を送信する第2送信部と、を備え、
    前記第1の録画開始指示と前記第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示を前記ウェアラブルカメラに対して送信し、
    前記ウェアラブルカメラは、
    前記本部装置から送信された前記第1の録画開始指示又は前記第2の録画開始指示を受信した場合に、前記撮像部により撮像された前記被写体の映像の録画を開始する、
    ウェアラブルカメラシステム。
  2. 請求項1に記載のウェアラブルカメラシステムであって、
    前記ユーザにおいて装着又は所持し音声通話が可能な無線通信端末を備え、
    前記本部装置は、
    前記第1送信部として、前記無線通信端末との間で無線通信を行う無線通信装置を備え、
    前記無線通信装置によって前記第1の録画開始指示を前記無線通信端末に対して送信し、
    前記ウェアラブルカメラは、
    前記受信部として、前記無線通信端末の受信音声を収音する収音部を備え、
    前記収音部により前記第1の録画開始指示を受信した場合に、前記撮像部により撮像された前記被写体の映像の録画を開始する、
    ウェアラブルカメラシステム。
  3. 請求項1に記載のウェアラブルカメラシステムであって、
    前記本部装置は、
    前記ウェアラブルカメラに対して前記第2の録画開始指示を送信し、前記第2の録画開始指示に対する前記ウェアラブルカメラからの応答が受信できない場合に、前記第1の録画開始指示を送信する、
    ウェアラブルカメラシステム。
  4. 請求項1に記載のウェアラブルカメラシステムであって、
    前記本部装置は、
    前記第1の録画開始指示を送信する場合、複数の前記ウェアラブルカメラに対して前記第1の録画開始指示を同報送信する、
    ウェアラブルカメラシステム。
  5. ユーザの装着又は所持が可能なウェアラブルカメラと、前記ウェアラブルカメラと通信路を介して接続可能な本部装置とを有するウェアラブルカメラシステムにおける録画制御方法であって、
    前記本部装置は、
    音声信号による指示情報を生成し、
    前記音声信号による第1の録画開始指示と、通信符号による第2の録画開始指示とのうち、少なくとも一方の録画開始指示を前記ウェアラブルカメラに対して送信し、
    前記ウェアラブルカメラは、
    被写体を撮像し、
    前記本部装置から送信された前記第1の録画開始指示又は前記第2の録画開始指示を受信した場合に、撮像された前記被写体の映像の録画を開始する、
    録画制御方法。
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