JP2018037896A - 音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 音叉型圧電振動片が超小型になっても不要振動モードの影響を抑制し、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することを目的とする。
【解決手段】 音叉型水晶振動片2は、基部20と、基部20の一端側から同一方向に伸長する一対の振動腕21,22を備えている。基部20の裏面2bの素地上には絶縁膜29が形成されており、この絶縁膜29上に、一対の振動腕の励振電極25,26から引き出されるとともに外部と導電接合される接合電極271,281が形成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】 音叉型水晶振動片2は、基部20と、基部20の一端側から同一方向に伸長する一対の振動腕21,22を備えている。基部20の裏面2bの素地上には絶縁膜29が形成されており、この絶縁膜29上に、一対の振動腕の励振電極25,26から引き出されるとともに外部と導電接合される接合電極271,281が形成されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は音叉形状からなる圧電振動片と、当該圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子に関する。
音叉型水晶振動子等の圧電振動子は基準クロック源として様々な電子機器に用いられている。例えば表面実装型の音叉型水晶振動子(以下、水晶振動子と略)は、基部と当該基部の一端側から同一方向に伸長する一対の振動腕を備えた音叉型水晶振動片が、絶縁性容器の凹部に収容され、当該凹部の開口端に平板状の蓋が接合された構成となっている(特許文献1乃至2参照)。前記一対の振動腕には振動腕を駆動させるための励振電極等が形成されている。
前記水晶振動子では、音叉型水晶振動片の基部の他端側が、前記容器の凹部の内底面に形成された電極パッド上に、導電性の接合材を介して導電接合される。ここで振動腕における振動と基部における振動とは、その振動モードが異なっている。具体的には基部において縦振動モードといった不要な振動モード(不要振動モード)が存在することによって、水晶振動子の発振周波数が不安定になったり、等価直列抵抗値の低下を招くことがある。
近年の前記水晶振動子が超小型化(例えば平面視矩形の水晶振動子の外形寸法が1.6mm×1.0mm以下)により、これに使用される音叉型水晶振動片もより小型になってきている。そのため、音叉型水晶振動片の超小型化に伴って前述した不要振動モードの影響が相対的に大きくなってくる。これにより、水晶振動子の特性が劣化するという問題が生じてくる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、音叉型圧電振動片が超小型になっても不要振動モードの影響を抑制し、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために請求項1に係る発明は、基部と、当該基部の一端側から同一方向に伸長する一対の振動腕を備えた音叉型圧電振動片であって、前記基部の少なくとも一主面の素地上に絶縁膜が形成され、前記絶縁膜上に、前記一対の振動腕の励振電極から引き出されるとともに外部と導電接合される接合電極が形成されていることを特徴とする。
上記発明によれば、前記基部の少なくとも一主面の基材の素地上に絶縁膜が形成されているので、一対の振動腕の屈曲振動が接合電極へ伝搬するのを抑制することができる。これは絶縁膜(圧電効果を有しない絶縁材料から成る膜)が基部の素地上に形成され、当該絶縁膜上に接合電極が形成されていることによって、絶縁膜の部分には圧電振動が生じないため、基部における不要振動モードの影響を抑制することができる。これにより、良好な特性を有する音叉型圧電振動子を得ることができる。また、基部の少なくとも一主面の基材の素地上に絶縁膜が形成されていることにより、一対の振動腕から接合電極までの経路長をより長く確保することができるので、振動漏れの影響を抑制することができる。なお、前記接合電極が形成されない領域である基部の素地上にも絶縁膜が形成されていてもよい。
また、上記目的を達成するために請求項2に係る発明は、前記絶縁膜が、前記基部における前記一対の振動腕の振動の節点となる領域を避けた領域に形成されていることを特徴とする。
上記発明によれば、絶縁膜が前記基部における前記一対の振動腕の振動の節点となる領域を避けた領域に形成されているため、基部における不要振動モードの影響を抑制しつつ、屈曲振動を妨げることなく一対の振動腕の振動が接合電極へ伝搬するのを抑制することができる。
また、上記目的を達成するために請求項3に係る発明は、前記絶縁膜が二酸化珪素から成ることを特徴とする。
上記発明によれば、圧電効果を有さず、かつ圧電振動片の基材との密着性が良好な絶縁膜を容易に形成することができる。これは、例えば圧電振動片の基材として人工水晶を用いた場合に、前記絶縁膜として圧電効果を有さない二酸化珪素(シリカ:SiO2)を用いることによって、水晶基材との密着性が良好で、かつ音叉型水晶振動片に形成される金(Au)等から成る各種電極(励振電極や引出電極等)とも密着性が良好となる。また二酸化珪素から成る絶縁膜は、EB蒸着法(電子ビーム蒸着法)によって容易に水晶振動片の基材上に形成することができる。
また、上記目的を達成するために請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音叉型圧電振動片の接合電極が、開口部を有する容器の内部に設けられた電極パッドと接合材を介して導電接合され、前記開口部に蓋が接合されることによって前記音叉型圧電振動片が気密に封止された音叉型圧電振動子となっている。
上記発明によれば、前記作用効果を奏する音叉型圧電振動片を用いることにより、基部における不要振動モードの影響を抑制しつつ、接合電極への振動漏れの影響を低減した良好な特性を有する音叉型圧電振動子を得ることができる。
以上のように本発明によれば、音叉型圧電振動片が超小型になっても不要振動モードの影響を抑制し、良好な特性を有する音叉型圧電振動片および当該音叉型圧電振動片を用いた音叉型圧電振動子を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を音叉型水晶振動子を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。本実施形態における音叉型水晶振動子(以下、水晶振動子と略)は略直方体状のパッケージ構造からなる表面実装型の水晶振動子である。本実施形態ではその平面視の外形寸法は縦1.6mm、横1.0mmとなっている。なお、水晶振動子の平面視の外形寸法は当該寸法に限定されるものではない。本発明は、基部の長さ方向における寸法を充分に長く確保することが困難となる超小型の外形寸法(1.6mm×1.0mm以下)の水晶振動子に対して好適である。
本実施形態に係る水晶振動子1は、図1乃至2に示すように凹部5を有する絶縁材料からなる容器3と、音叉型水晶振動片2(以下、水晶振動片2と略)と、凹部5を封止する平板状の蓋4が主な構成部材となっている。なお図1では説明の便宜上、前記蓋を取り除いた状態で表している。また図1では水晶振動片に形成される各種電極の記載は省略している。水晶振動片2は、容器3の凹部5の内部に収容された後、蓋4が凹部5を覆うように容器3の開口端に接合されることによって気密に封止される。ここで容器3と蓋4とは図示しない封止材を介して接合される。
容器3はアルミナ等のセラミックを主体とした絶縁材料から成る箱状体であり、2枚のセラミックグリーンシートを積層して一体焼成することによって成形されている(図2参照)。容器3は枠状の堤部30の内側に平面視矩形状の凹部5を有している。堤部30の上面300には図示しない封止材が平面視で枠状に形成されており、前記接合材は蓋4の外周部分と対応している。
平面視矩形状の凹部5の内底面301の一短辺側には、水晶振動片2と導電接合される2つの電極パッド6,7が、互いに隙間を空けた状態で並列して形成されている。2つの電極パッド6,7は、図示しない内部配線およびビアを介して容器3の外底面302の4隅に設けられた4つの外部接続端子8(図2では2つのみ図示)のうちの2つの端子と電気的に接続されている。これら2つの電極パッド6,7は互いに異極となっている。
本実施形態では2つの電極パッド6,7は、タングステンメタライズ層の上面に金をメッキ等の手法を用いて積層することによって形成されている。なお前記メタライズ層として、タングステンの代わりにモリブデンを用いてもよい。
電極パッド6,7のタングステン部分はメタライズの最小単位厚みの点から2段に重ね塗りされている。これは、本実施形態では水晶振動子の薄型化を図るために容器3を2層構成としたことによって凹部5の内底面301に段部を形成することができないため、水晶振動片2の搭載後の状態で、水晶振動片の下面(内底面301に対向する面)と前記内底面301との間に或る程度の隙間を確保するためである。
本実施形態において電極パッド6,7は平面視で矩形状となっており、電極パッド7は電極パッド6よりも、その平面視の面積が相対的に大きくなっている。これは水晶振動片2の形状と対応させるための構成となっている。なお、本発明の適用は、平面視における面積が異なった電極パッドに限定されるものではなく、2つの電極パッドの平面視における面積が同一であってもよい。
蓋4はコバールを基体とする平面視矩形状の金属性の蓋体であり、当該蓋の表裏面にはニッケルメッキ層が形成されている。また蓋4の容器との接合面側には、前記ニッケルメッキ層の上に金属からなるロウ材が、前記接合面の外周に沿って周状に形成されている。本実施形態では前記ロウ材として銀ロウが使用されている。
次に本実施形態における水晶振動片について図3乃至4を参照しながら説明する。なお説明の便宜上、水晶振動片2の対向する2つの主面(2a,2b)のうち、容器に搭載される際に電極パッド6,7に対向する側の主面を裏面2bとし、当該裏面に対向する反対側の主面を表面2aとして説明する。図3は水晶振動片の表面側(2a)から見た平面模式図を、図4は水晶振動片の裏面側(2b)から見た平面模式図をそれぞれ表している。
図3乃至4に示すように、水晶振動片2は音叉形状であり、基部20と、基部20の一端側201から同一方向に伸長する一対の振動腕21,22と、基部の他端側202の一側面から基部20の幅方向(図3乃至4で符号Xで示す軸方向における基部の寸法)の一方に向かって突出した突出部24とから成っている。一対の振動腕21,22は基部20の幅方向の略中央を通る仮想直線CLを基準として線対称に形成されている。
前記一対の振動腕21,22の各々の先端側には、振動腕21,22の腕幅(振動腕の伸長方向に対して直交する方向における腕の寸法)よりも幅広となる幅広部23,23が形成されている。幅広部23,23は、振動腕の伸長方向に向かって漸次拡幅する拡幅部(符号省略)を介して、振動腕21,22の先端部分と一体で成形されている。振動腕21,22と拡幅部と幅広部23,23は、対向する一対の主面2a,2bと対向する一対の側面(符号省略)を有している。
一対の振動腕21,22の各々の表裏主面には、等価直列抵抗値(Crystal Impedance。以下、CI値と略)をより低下させる目的で、長溝Gが互いに対向するように形成されている。長溝Gは一対の振動腕21,22の各々の表裏主面に所定の深さで形成されており、その一端側は基部20の一端側201まで延長されている。一方、長溝Gの他端側は、振動腕と拡幅部との境界に対して振動腕の付け根側に位置している。
本実施形態では基部20の幅方向における寸法が、一対の振動腕21,22の両外縁間の距離(一対の振動腕が占めるX軸方向における寸法)よりも大きくなっている。すなわち、基部20の左側端部と右側端部が、振動腕21,22の外側面に対して外側にはみ出した構成となっている。このような,はみ出し領域を設けることによって、振動腕から伝搬した振動を基部の幅方向の外側により伝搬させることができる。これにより、基部と接合材との接合部への振動漏れの影響をより低減させることができる。
基部20には、他端側202が一端側201よりも基部の幅が狭くなる縮幅部203が形成されている。このような縮幅部が形成されていることによって、基部と接合材との接合部への振動漏れの影響を低減させることができる。
縮幅部203の一側面には突出部24が形成されている。この突出部24と基部20とによって、平面視では直角に折れ曲がったアルファベットの「L」字状の部位が形成されている。なお、音叉型水晶振動片は本実施形態における形状に限定されるものではない。例えば前記突出部が、基部の一側面だけでなく基部の他側面(前記一側面と対向する側面)から突出した形状,つまり突出部が基部の両外側に各々突出した形状であってもよい。あるいは前記突出部が、基部から両外側に突出した後、振動腕の伸長方向に向きを変えて、互いに平行に伸長する左右対称の形状であってもよい。また、基部に突出部が形成されていない形状であってもよい。
図4乃至5に示すように基部20の裏面側(2b)の水晶素地の上には、絶縁膜29が形成されている。この絶縁膜29は本実施形態では二酸化珪素(SiO2)で構成されている。本実施形態で絶縁膜29の厚みtは0.05μmとなっている。本実施形態では絶縁膜の厚みは、各種電極(励振電極、引出電極、引回し電極、接合電極)の厚み(0.07μm)よりも薄く形成されている。このように絶縁膜29の厚みが基部における引出電極27,28の厚みよりも薄肉に形成されていることによって、基部の素地上への絶縁膜の形成によって生じた段差を引出電極が乗り越えるように形成されていても、段差のエッジ部分で引出電極が断線するのを防止することができる。
本実施形態では前記絶縁膜として二酸化珪素(SiO2)を用いている。二酸化珪素は圧電効果を有さず、かつ水晶振動片の基材との密着性が良好となっている。また、水晶振動片に形成される各種電極(後述)とも密着性が良好となっている。この二酸化珪素から成る絶縁膜は、EB蒸着法によって容易に水晶振動片の基材上に形成することができる。なお、本発明に係る絶縁膜は、圧電効果を有さず、圧電振動片の基材および各種電極との密着性が良好で、熱に起因するガスの発生量が少ない材料が好ましい。
絶縁膜29は基部の裏面側の主面のうち、一対の振動腕21,22の振動の節点となる領域を避けた領域に形成されている(図4参照)。ここで一対の振動腕21,22の振動の節点とは、水晶振動片の結晶軸のY軸方向においては一対の振動腕の基部との付け根部分から、基部の他端側202に離間した位置と考えられる。そして、絶縁膜を前記振動の節点となる領域を避けて形成した結果、絶縁膜の水晶振動片2の長手方向(結晶軸のY軸方向)における形成長は、図4において符号Lで示す長さとなっている。この絶縁膜29の上には、後述する引出電極(27,28)が積層されることになる。
上記構成によれば、絶縁膜29が基部20における一対の振動腕21,22の振動の節点となる領域を避けた領域に形成されているため、基部における不要振動モードの影響を抑制しつつ、屈曲振動を妨げることなく一対の振動腕21,22の振動が接合電極271,281へ伝搬するのを抑制することができる。
前述した水晶振動片2は、1枚の水晶ウエハ(Z板)からフォトリソグラフィ技術とウェットエッチング(エッチング液を用いた湿式エッチング)を用いて一括同時に多数個が成形される。そして前述した絶縁膜29は、水晶振動片2の製造過程において、音叉形状に個々の水晶振動片の外形を成形する前の段階で、水晶ウエハの基部に対応する領域に予め形成しておくことが可能である。あるいは、個々の水晶振動片の外形の成形後に行われる,各種電極形成のための蒸着工程の前に、水晶素地が露出した個々の音叉形状の水晶振動片の基部の所定領域に絶縁膜を形成するようにしてもよい。なお本実施形態では絶縁膜29はEB蒸着法によって形成されている。
図3乃至4に示すように水晶振動片2には、異電位で構成された第1の励振電極25および第2の励振電極26と、第1の励振電極25と第2の励振電極26の各々から引回し電極(符号省略)を経由して引き出された引出電極27,28とが形成されている。
第1の励振電極25および第2の励振電極26は、一対の振動腕21,22の長溝G,Gの内部の全体に及んで形成されている。前記長溝を形成することにより、水晶振動片を小型化しても一対の振動腕21,22の振動漏れが抑制され、良好なCI値を得ることができる。なお、一対の振動腕の長溝G,Gの内部の一部の領域だけに、第1および第2の励振電極だけが形成されていてもよい。
第1の励振電極25は、一方の振動腕21の表裏主面と、引回し電極を介して他方の振動腕22の外側面と内側面とに形成されている。同様に第2の励振電極26は、他方の振動腕22の表裏主面と、引回し電極を介して一方の振動腕21の外側面と内側面とに形成されている。
幅広部23,23を構成する一対の主面と一対の側面の全ての面には、前述した引回し電極が各々形成されている。本実施形態において引回し電極は、幅広部23の全周と、振動腕21,22の拡幅部寄りの部位の全周(一対の主面と一対の側面)とに形成されている。
幅広部の全周に設けられた前記引回し電極のうち、幅広部23の一主面(表面2a)に形成された引回し電極のさらに上には、周波数調整用金属膜W(周波数調整用錘)が形成されている。この周波数調整用金属膜Wの質量をレーザービームやイオンビーム等のビーム照射によって削減することによって水晶振動片2の周波数が微調整される。
引出電極27,28は、基部20および突出部24(裏面2bのみ)に形成されている。ここで、引出電極27,28の一部は、図5に示すように基部20の一主面(2b)に形成された絶縁膜29を覆うように形成されている。
上記構成によれば、基部20の一主面の基材の素地上に絶縁膜29が形成されているので、一対の振動腕21,22の屈曲振動が接合電極271,281へ伝搬するのを抑制することができる。これは圧電効果を有さない絶縁材料から成る絶縁膜が基部の基材の素地上に形成され、当該絶縁膜上に接合電極が形成されていることによって、絶縁膜の部分には圧電振動が生じないため、基部20における不要振動モードの影響を抑制することができる。これにより、良好な特性を有する音叉型水晶振動子を得ることができる。また、基部20の一主面の基材の素地上に絶縁膜29が形成されていることにより、一対の振動腕21,22から接合電極271,281までの経路長をより長く確保することができるため、振動漏れの影響を抑制することができる。
基部20に形成された引出電極27により、他方の振動腕22の外側面と内側面の各々に形成された第1の励振電極25と,前記引回し電極を経由して、一方の振動腕21の表裏主面に形成された第1の励振電極25と接続されている。同様に、基部20に形成された引出電極28により、一方の振動腕21の外側面と内側面の各々に形成された第2の励振電極26と,前記引回し電極を経由して、他方の振動腕22の表裏主面に形成された第2の励振電極26と接続されている。
引出電極27,28は、水晶振動片の結晶軸のY軸方向については、水晶振動片2の表面2aにおいては基部20の一端側201から縮幅部203との境界部分まで引き出されている。一方、水晶振動片2の裏面2bにおいては、基部20の一端側201から他端側202(突出部24の先端側も含む)まで引き出されている。
図4乃至5に示すように、水晶振動片2の裏面2bにおける基部20の他端側202の領域と突出部24の先端側の各領域は、容器3の電極パッド6,7と接合材を介して電気的に接合される接合電極271,281となっている。
前述した第1の励振電極25および第2の励振電極26や、引出電極27,28、引回し電極(符号省略)や接合電極271,281は、水晶基材上にクロム(Cr)層が形成され、このクロム層の上に金(Au)層が積層された層構成となっている。なお前記各種電極の層構成は、クロム層の上に金層が形成された層構成に限らず、他の層構成であってもよい。
前記第1および第2の励振電極や引出電極,引回し電極,接合電極は、真空蒸着法やスパッタリング等の成膜方法によって水晶ウエハの主面全体に成膜された後、フォトリソグラフィ技術とメタルエッチングによって所望のパターンに一括同時に成形されている。
2つの接合電極271,281の各々の上面には、導電性の接合材S,Sが各々形成されている(図4参照)。本実施形態では接合材Sは、電解めっき法によって形成された,めっきバンプとなっている。なお、本発明の実施形態では接合材として金属製のバンプ(めっきバンプ)が使用されているが、導電性の接着材を使用してもよい。
本実施形態では水晶振動片2と電極パッド6,7との導電接合は、FCB法(Flip Chip Bonding)によって行われる。具体的には水晶振動片2の接合材S,Sが形成された面と反対側の主面(2a)を、超音波を印加するためのホーンによって吸着保持する。このホーンには水晶振動片を吸着保持するための吸引孔が設けられている。保持された水晶振動片は、電極パッド6,7の上面に対して画像認識手段を用いて位置決め載置される。そして温度と圧力を加えながらホーンから超音波を印加する。これにより接合材S,Sと電極パッド6,7とが超音波接合される。
本実施形態では前述したように、水晶振動片の表面(2a)については、引出電極27,28は基部20の一端側201から縮幅部203との境界部分までの領域に形成されている(図3または図5を参照)。すなわち、水晶振動片の,裏面(2b)の接合電極271,281の接合材S,Sが配される領域に対応する表面(2a)の領域には、引出電極が形成されていない。このような構成により、吸着保持される水晶振動片2の表面側の金属(引出電極)が、超音波接合の際に前記ホーンに擦れて損傷したり、当該金属が剥離してホーンに付着・脱落してしまうことによる不具合を回避することができる。
−本発明の実施形態の変形例−
本発明の実施形態の変形例について図6を参照しながら説明する。なお前述した本発明の実施形態と同一の構成については説明を割愛する。図6は音叉型水晶振動片の短手方向における基部の断面模式図であるが、縮幅部に対して振動腕寄りの位置における基部の断面図となっている。本実施形態の変形例においても音叉型水晶振動片の外形形状は前述した本発明の実施形態と同様になっている。
本発明の実施形態の変形例について図6を参照しながら説明する。なお前述した本発明の実施形態と同一の構成については説明を割愛する。図6は音叉型水晶振動片の短手方向における基部の断面模式図であるが、縮幅部に対して振動腕寄りの位置における基部の断面図となっている。本実施形態の変形例においても音叉型水晶振動片の外形形状は前述した本発明の実施形態と同様になっている。
図6に示す本発明の実施形態の変形例では、基部を構成する4つの面(互いに対向する一組の主面と、互いに対向する一組の側面)の各々に絶縁膜40が形成されている。つまり、基部20断面方向における全周にわたって絶縁膜40が形成されている。
図6に示すような構成で絶縁膜が形成されていた場合であっても、絶縁膜の接合電極が形成されていない領域においては電界が発生せず、かつ絶縁膜が圧電効果を有さない材料で形成されているので、基部における不要振動モードの影響を抑制することができる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
音叉型圧電振動片および音叉型圧電振動子の量産に適用できる。
1 音叉型水晶振動子
2 音叉型水晶振動片
20 基部
21、22 振動腕
271、281 接合電極
29、40 絶縁膜
3 容器
2 音叉型水晶振動片
20 基部
21、22 振動腕
271、281 接合電極
29、40 絶縁膜
3 容器
Claims (4)
- 基部と、当該基部の一端側から同一方向に伸長する一対の振動腕を備えた音叉型圧電振動片であって、
前記基部の少なくとも一主面の素地上に絶縁膜が形成され、
前記絶縁膜上に、前記一対の振動腕の励振電極から引き出されるとともに外部と導電接合される接合電極が形成されていることを特徴とする音叉型圧電振動片。 - 前記絶縁膜が、前記基部における前記一対の振動腕の振動の節点となる領域を避けた領域に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の音叉型圧電振動片。
- 前記絶縁膜が二酸化珪素から成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の音叉型圧電振動片。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音叉型圧電振動片の接合電極が、開口部を有する容器の内部に設けられた電極パッドと接合材を介して導電接合され、前記開口部に蓋が接合されることによって前記音叉型圧電振動片が気密に封止された音叉型圧電振動子。
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