<ロッカー管理システムの概念>
まず、本実施例に係るロッカー管理システムの概念について説明する。図1は、本実施例に係るロッカー管理システムの概念を示す図である。図1に示すロッカー装置10は、駅や商業施設に設置され、物品の配送先として選択可能である。
また、ロッカー装置10は、物品を収納する収納部を複数有し、複数の収納部を個別に施錠可能である。ロッカー装置10は、物品の入庫と出庫とを同一人物が行うことを想定したコインロッカー機能を有してもよいが、本実施例では説明を簡明にするため、物品の配送先としてのみ用いる配送専用のロッカー装置10を例示して説明を行う。
ロッカー管理装置20は、1又は複数のロッカー装置10について収納部の使用状況を管理する装置である。ここで、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10の収納部を複数の配送業者に割り当てており、配送業者別に使用状況を管理することができる。
図1では、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10が有する複数の収納部の一部を特定の配送業者に割り当てることができる。割り当てられた収納部は、割り当てを受けた配送業者専用の収納部として使用される。すなわち、割り当てを受けた配送業者は、割り当てられた収納部を保有し、自由に使用することができる。図1では、ロッカー装置10の複数の収納部のうち、2つの収納部を配送業者Aに割り当て保有させている。また、配送業者Aに割り当てた2つの収納部のうち、1つが使用中であるため、空き数は1である状態を示している。同様に、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10の複数の収納部のうち、1つの収納部を配送業者Bに割り当てて保有させている。また、配送業者Bに割り当てた1つの収納部は使用中であるため、空き数は0である状態を示している。また、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10の複数の収納部のうち、1つの収納部を配送業者Cに割り当てて保有させている。また、配送業者Cに割り当てた1つの収納部は空き状態であることを示している。
利用者は、販売者40が提供する販売サイトなどで物品を購入し、利用者の希望する場所に設置されたロッカー装置10への物品の配送を希望する場合には、利用者端末30を操作してロッカー管理装置20に照会を行う。ロッカー管理装置20は、利用者端末30からの照会を受けて配送業者毎の空き数を示す情報を通知する(1)。
利用者は、ロッカー管理装置20から通知された空き情報に基づいて配送業者を選択し配送の予約を行う(2)。例えば、利用者が特定の配送業者に会員登録し、配送毎にポイントなどの付与を受けているならば、利用者は自身が会員登録している配送業者を優先して選択することができる。また、配送業者毎に配送料金を表示して、利用者による配送業者の選択の指針としてもよい。ロッカー管理装置20は、予約された配送業者50について、収納部の空き数を1減算する。その後、利用者は、販売者40に対して配送依頼を行う(3)。この配送依頼では、配送先としてロッカー装置10を指定し、また、選択した配送業者50を用いるよう指定する。販売者40は、指定された配送業者50に対して配送の手配を行う(4)。
配送の手配を受けた配送業者50は、ロッカー装置10に物品を配送し、ロッカー装置10の収納部に物品を収納する(5)。その後、利用者がロッカー装置10から物品を取り出して受け取ると(6)、ロッカー装置10は、ロッカー管理装置20に受取完了通知を送信する(7)。ロッカー管理装置20は、受取完了通知を受信したならば、対応する配送業者50について、収納部の空き数を1加算する。
このように、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10の収納部を複数の配送業者に割り当て、配送業者別の収納部の空き数を収納部の属性として管理する。そして、利用者がロッカー装置10を物品の配送先とする場合に、収納部の属性である配送業者別の収納部の空き数に基づいて配送を担う配送業者50を選択することができる。このため、ロッカー装置10を複数の配送業者50が共同で利用し、各配送業者50の運用コストを軽減し、公共利用のニーズに応えることができる。
<ロッカー管理システムの構成>
次に、ロッカー管理システムの構成についてさらに説明する。図2は、ロッカー管理システムの説明図である。
図2に示した例では、販売者40は、物品を販売する販売サイトを提供する。かかる販売サイトは、商店が販売する物品の情報を表示制御し、物品に対する購入操作、すなわち注文を受け付けることができる。また、販売サイトは、購入された物品の配送先と配送業者の指定を受け付けることができる。この配送先として、ロッカー装置10を選択可能である。
ロッカー装置10は、駅や商業施設に設置され、配送専用に用いられる。また、ロッカー装置10は、物品が収納されているか否かにかかわらず、各収納部を施錠状態としている。
利用者は、利用者端末30を用いて販売者40が提供する販売サイトにアクセスし、物品の購入操作を行う。購入した物品の配送先をロッカー装置10とする場合には、利用者は利用者端末30を用いてロッカー装置10に照会を行って配送予約を行う(1)。
ロッカー管理装置20は、配送業者別の収納部の空き情報を管理しており(2)、利用者端末30からの照会を受けて、配送業者別の収納部の空き情報を通知する。そして、利用者端末30から配送の予約を受け付けたならば、配送業者別の収納部の空き情報を更新し、預入鍵データを生成する(3)。預入鍵データは、配送業者50がロッカー装置10に物品を収納するときに使用する鍵データである。預入鍵データは、数字列や文字列であってもよいし、二次元コード等であってもよい。本実施例では、数字列を預入鍵データとして用いる場合を例に説明を行う。
ロッカー管理装置20は、生成した預入鍵データを利用者端末30に通知する(4)。利用者端末30は、配送先及び配送業者の指定とともに、預入鍵データを付して販売者40に配送依頼を行う(5)。
配送依頼を受けた販売者40は、指定された配送業者に配送手配を行う(6)。この配送手配には、配送依頼で指定された配送先と、預入鍵データとが含まれる。配送手配は、販売者40のサーバから配送業者50のサーバに通信にて行うことができる。また、所定の伝票に配送先や預入鍵データを記入してもよい。
配送手配を受けた配送業者50は、購入された物品をロッカー装置10に配送し、ロッカー装置10の収納部に預け入れる(7)。具体的には、配送業者50が預入鍵データをロッカー装置10に入力すると、ロッカー装置10は預入鍵データの認証を行い、収納部を解錠し、物品を収納可能とする。配送業者50が収納部の扉を開け、物品を収納して扉を閉めると、ロッカー装置10は扉を施錠して、預入完了通知をロッカー管理装置20に送信する(8)。
ロッカー管理装置20は、預入完了通知を受信したならば、受取鍵データの生成を行う(9)。受取鍵データは、利用者が物品の受取時に使用する鍵データである。受取鍵データは、数字列や文字列であってもよいし、二次元コード等であってもよい。本実施例では、数字列を受取鍵データとして用いる場合を例に説明を行う。
ロッカー管理装置20は、生成した受取鍵データを利用者端末30に通知することで、配送の完了を利用者に通知する(10)。利用者は、ロッカー装置10の設置場所へ赴き、受取鍵データを読み取らせて収納部を解錠し、購入した物品を取り出すことで、物品の受取を行う(11)。
利用者による受取が成立した場合には、ロッカー装置10はロッカー管理装置20に受取完了通知を送信する(12)。ロッカー管理装置20は、受取完了通知を受信したならば、配送業者別の収納部の空き情報を更新する。
<ロッカー装置の構成>
次に、ロッカー装置10の外観構成について説明する。図3は、ロッカー装置10の外観構成を示す外観構成図である。図3に示すように、ロッカー装置10は、収納部L01、L02、L11を含む複数の収納部と、各収納部に対応するロック機構を有する。例えば、ロック機構L01aは、収納部L01を施解錠する機構であり、ロック機構L02aは、収納部L02を施解錠する機構である。さらに、ロッカー装置10は、表示操作部11を含むユーザインタフェースを有する。
また、図3に示したロッカー装置10では、複数の収納部は全て同一の形状ではなく、小型の収納部と大型の収納部とがある。大型の収納部は、小型の収納部2つ分の大きさである。ここでは2つの形状の収納部を示したが、3以上の形状の収納部を設けてもよい。
次に、ロッカー装置10の内部構成について説明する。図4は、ロッカー装置10の内部構成を示すブロック図である。図4に示すように、ロッカー装置10は、表示操作部11と、コードリーダ12と、カードリーダ12aと、プリンタ13と、通信部14と、記憶部15と、主制御部16と、収納制御部17とを有する。また、ロッカー装置10は、収納部L01、L02及びL11を含む複数の収納部を有する。各収納部には、ロック機構(L01a、L02a等)が設けられている。また、図示しないが、各収納部には扉開閉センサや物品センサが設けられている。扉開閉センサは、対応する収納部の扉が開いているか、閉じているかを検知するセンサである。物品センサは、光学センサ等であり、対応する収納部内に所在する物品を検知する。
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等からなり、配送業者50や購入者への情報表示や各種入力の受付に用いられる。預入鍵データや受取鍵データとして数字列を用いる場合には、これらの鍵データの入力も表示操作部11が受け付ける。
コードリーダ12は、鍵データとして二次元コード等を用いる場合に鍵データを読み取るユニットであり、二次元コード等を撮像するカメラと画像処理部によって構成する。カードリーダ12aは、鍵データをカードから読み取る場合等に使用するユニットである。
プリンタ13は、物品の配送時等、必要に応じてレシートを発行するためのユニットである。通信部14は、所定の通信回線を経由してロッカー管理装置20等と通信するためのインタフェース部である。記憶部15は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部15は、収納管理データ15a及び配送管理データ15bを記憶する。
収納制御部17は、ロック機構(L01a及びL02a等)の動作を制御するとともに、ロック機構(L01a及びL02a等)、扉開閉センサ、物品センサからの出力を取得することで、各収納部の状態を制御及び監視する処理部である。
主制御部16は、ロッカー装置10を全体制御する制御部であり、収納管理部16a、入出庫処理部16b、施開錠制御部16c及び特典処理部16dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、収納管理部16a、入出庫処理部16b、施開錠制御部16c及び特典処理部16dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
収納管理部16aは、各収納部の状態を示す収納管理データ15aを管理する処理部である。収納管理データ15aは、収納部の識別情報である収納部IDに、扉番号、収納部の状態、収納部のサイズを示すサイズ種別、最大収納寸法を対応付けたデータである。
収納管理部16aは、収納部の状態が変更となった場合に、収納管理データ15aを更新する。収納部の状態には、「0:空」、「1:収納中(配送物)」、「2:収納中(特典)」、「9:故障中」がある。「0:空」は、収納部には物品が収納されていない状態を示す。「1:収納中(配送物)」は、配送された物品が収納された状態を示す。「2:収納中(特典)」は、後述する特典として利用者に提供するための物品を収納した状態を示す。「9:故障中」は、収納部に故障が生じ、使用できない状態を示す。また、サイズ種別には、小型の収納部であることを示す「小」と、大型の収納部であることを示す「大」とがある。
入出庫処理部16bは、配送された物品の入出庫に係る処理を行う処理部である。すなわち、入出庫処理部16bは、配送された物品の預入と受取に係る処理を行うことになる。
具体的には、表示操作部11などが預入鍵データを受け付けた場合には、入出庫処理部16bは、預入鍵データの認証を実行する。この認証は、受け付けた預入鍵データをロッカー管理装置20に送信し、認証結果を受信することで行うことができる。また、ロッカー管理装置20から予め預入鍵データを受信して配送管理データ15bに登録しておき、受け付けた預入鍵データが配送管理データ15bに登録された預入鍵データと一致するか否かで認証を行ってもよい。
本実施例では、ロッカー管理装置20から予め預入鍵データを受信して配送管理データ15bに登録する構成を例に説明を行う。ロッカー管理装置20の動作については後述するが、ロッカー管理装置20は、配送の予約を受け付けた場合に、預入鍵データと使用する収納部のサイズ種別とを配送先のロッカー装置10に送信する。入出庫処理部16bは、預入鍵データ及びサイズ種別を予約データとして配送管理データ15bに登録する。
入出庫処理部16bは、表示操作部11などが受け付けた預入鍵データが配送管理データ15bに登録された預入鍵データと一致する場合には、物品を収納する収納部の選択を受け付ける。この収納部の選択は、予約データに示されたサイズ種別に適合し、かつ空き状態である収納部から受け付けることになる。
入出庫処理部16bは、選択された収納部について、解錠を行うよう施開錠制御部16cに指示する。その後、開錠した収納部の扉の開閉が行われた場合に、入出庫処理部16bは、配送管理データ15bを更新し、預入完了通知をロッカー管理装置20に送信する。配送管理データ15bの更新では、物品が収納された預入日時と、物品が収納された収納部の収納部IDとが追加される。
また、開錠した扉の開閉が行われた場合には、収納管理部16aは、収納部の状態を「1:収納中(配送物)」として収納管理データ15aを更新する。
なお、配送管理データ15bの更新、預入完了通知の送信及び収納管理データ15aの更新は、物品センサが物品を検知していることを条件としてもよい。
また、表示操作部11などが受取鍵データを受け付けた場合には、入出庫処理部16bは、受取鍵データの認証を実行する。この認証は、受け付けた受取鍵データをロッカー管理装置20に送信し、認証結果を受信することで行うことができる。また、ロッカー管理装置20から予め受取鍵データを受信して配送管理データ15bに登録しておき、受け付けた受取鍵データが配送管理データ15bに登録された受取鍵データと一致するか否かで認証を行ってもよい。
本実施例では、ロッカー管理装置20から予め受取鍵データを受信して配送管理データ15bに登録する構成を例に説明を行う。ロッカー管理装置20の動作については後述するが、ロッカー管理装置20は、預入完了通知を受信して受取鍵データを生成した場合に、受取鍵データをロッカー装置10に送信する。入出庫処理部16bは、受信した受取鍵データを配送管理データ15bに追加する。また、受取期限の指定がある場合には、受取期限を配送管理データ15bに追加する。
入出庫処理部16bは、表示操作部11などが受け付けた受取鍵データが配送管理データ15bに登録された受取鍵データと一致する場合には、配送管理データ15bの収納部IDにより特定される収納部の解錠を行うよう施開錠制御部16cに指示する。その後、開錠した収納部の扉の開閉が行われた場合に、入出庫処理部16bは、配送管理データ15bを更新し、受取完了通知をロッカー管理装置20に送信する。配送管理データ15bの更新では、物品が取り出された受取日時が追加される。
また、開錠した扉の開閉が行われた場合には、収納管理部16aは、収納部の状態を「0:空」として収納管理データ15aを更新する。
なお、配送管理データ15bの更新、受取完了通知の送信及び収納管理データ15aの更新は、物品センサが物品を検知していないことを条件としてもよい。
また、入出庫処理部16bは、受取期限を超過した収納部については、配送業者50や所定の管理者による回収操作を受け付け可能とする。利用者による受取が行われないまま収納部が専有されることを防ぐためである。回収操作が行われた場合には、入出庫処理部16bは、対応する収納部を解錠するよう施開錠制御部16cに指示することで、物品を取り出させる。また、回収が行われた旨をロッカー管理装置20に通知し、ロッカー管理装置20から利用者に通知される。
施開錠制御部16cは、入出庫処理部16b及び特典処理部16dからの指定された収納部を解錠するよう収納制御部17に動作指示を出力する。また、施開錠制御部16cは、収納部の扉が閉められた場合には、収納部を施錠するよう収納制御部17に動作指示を出力する。
特典処理部16dは、利用者に対して特典を提供する処理部である。特典の提供は、利用の実績に応じて行ってもよいし、抽選などにより提供の可否を決定してもよい。
利用の実績に応じて特典を提供する場合には、特典処理部16dは、例えば物品の受取り毎に所定のポイントを印字したレシートを発行する。そして、コードリーダ12が複数のレシートを読み取った場合に、特典処理部16dは読み取ったレシートのポイントを合計し、ポイントの合計が規定値以上であるならば、特典用の物品を収納した収納部の解錠を行うよう施開錠制御部16cに指示する。
抽選により特典の提供可否を決定する場合には、特典処理部16dは、例えば物品の受取り毎に抽選を実行し、抽選により特典を提供するとの結果が得られた場合に、特典用の物品を収納した収納部の解錠を行うよう施開錠制御部16cに指示する。
なお、利用の実績に応じた特典の提供と、抽選による特典の提供との双方を行う場合には、特典として提供する物品を異ならせてもよい。この場合には、それぞれの特典を異なる収納部に収納する。
次に、図4に示した記憶部15が記憶するデータについて説明する。図5は、図4に示した記憶部15が記憶するデータについての説明図である。図5(a)に示すように、収納管理データ15aは、収納部ID、扉番号、状態、サイズ種別及び最大収納寸法を対応付けたデータである。図5(a)では、収納部ID「01」の扉番号が「01」であり、状態が「0:空」であり、サイズ種別が「小」であり、最大収納寸法が「H400×W340×D570」であることを示している。収納管理データ15aは、ロッカー装置10が有する各収納部について、同様のデータを有する。
図5(b)に示す配送管理データ15bは、予約データとして預入鍵データとサイズ種別を有し、預入データとして預入日時、収納部ID、受取鍵データ及び受取期限を有し、受取データとして受取日時を有する。
具体的には、図5(b)では、預入鍵データが「12341234」であり、サイズ種別が「小」であり、預入日時が「2016 08/03 10:30」であり、収納部IDが「01」であり、受取鍵データが「11223344」であり、受取期限が「2016 08/09 10:30」であり、受取日時が「2016 08/07 19:00」である状態を示している。配送管理データ15bは、ロッカー装置10を配送先として行われた配送について、同様のデータを生成して蓄積する。
<ロッカー管理装置の構成>
次に、ロッカー管理装置20の内部構成について説明する。図6は、ロッカー管理装置20の内部構成を示すブロック図である。図6に示すように、ロッカー管理装置20は、表示部21及び入力部22と接続され、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等である。通信部23は、通信回線を介してロッカー装置10及び利用者端末30等とデータ通信するためのインタフェース部である。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ロッカー装置基本データ24a、配送業者データ24b、利用者データ24c、ロッカー装置状態データ24d及び配送管理データ24eを記憶する。
制御部25は、ロッカー管理装置20を全体制御する制御部であり、ロッカー装置管理部25a、登録処理部25b、配送先指定受付部25c、配送先特定部25d及び配送処理部25eを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、ロッカー装置管理部25a、登録処理部25b、配送先指定受付部25c、配送先特定部25d及び配送処理部25eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
ロッカー装置管理部25aは、ロッカー装置10の状態を管理する処理部である。具体的には、ロッカー装置管理部25aは、1又は複数のロッカー装置10について、名称、場所、サイズ種別毎の収納部の数を対応付けてロッカー装置基本データ24aとして記憶部24に格納する。また、ロッカー装置10の名称に、配送業者毎の収納部の保有数と空き数を対応付けたロッカー装置状態データ24dを記憶部24に格納し、適宜更新する処理を行う。
登録処理部25bは、ロッカー装置10に物品を配送する配送業者と、ロッカー装置10を配送先として利用する利用者について登録処理を行う。配送業者についての登録処理では、登録処理部25bは、配送業者の名称、連絡先、各ロッカー装置10についての契約内容を対応付けて配送業者データ24bに追加する。ロッカー装置10についての契約内容としては、サイズ種別毎の保有数や、共用使用の有無などが含まれる。共用使用の契約を行った場合には、いずれの配送業者にも保有されていない収納部を一時的に配送先として使用することができる。このように、配送業者が契約したサイズ種別毎の保有数や共用使用の有無などが、当該配送業者が利用可能なロッカー装置10の収納部の数に関する制限情報となる。
利用者についての登録処理では、登録処理部25bは、利用者の識別情報である利用者IDに利用者名や連絡先などを対応付けて利用者データ24cに追加する。利用者の連絡先は、受取鍵データの通知などに用いられるものであり、メールアドレス等が望ましい。
配送先指定受付部25cは、利用者端末30から配送先としてロッカー装置10の収納部の指定を受け付ける処理部である。このロッカー装置10の収納部の指定は、収納部の空き情報の照会に対応する。配送先指定受付部25cは、利用者端末30からロッカー装置10の空き情報の照会を受けた場合には、ロッカー装置状態データ24dを参照し、配送業者別の収納部の空き情報を通知する。このとき、購入された物品の情報に基づいて、梱包された状態での大きさや重量を判定し、各配送業者での配送料金を算定し、配送業者に対応付けて通知してもよい。
配送先特定部25dは、物品の配送先となる収納部を特定する処理を行う。ここで、配送先特定部25dは、配送先指定受付部25cが通知した配送業者別の収納部の空き情報に基づいて配送先の特定を行うことになる。
具体的には、利用者が指定したロッカー装置10の収納部に空きがあれば、空き数が1以上の配送業者から配送業者の選択を受け付けることで配送先の特定が可能である。また、共用使用が可能な収納部に空きがあれば、共用使用の契約を行っている配送業者からの選択を受け付けることで配送先の特定が可能である。なお、収納部に空きが無い場合や、希望する配送業者が選択できない場合には、近傍に所在する他のロッカー装置10を配送先として選択させることもできる。
配送先の特定については、サイズ種別の制限を受ける。配送する物品の大きさによっては、サイズ種別が「小」であると収納できないためである。従って、配送先特定部25dは、購入された物品の大きさからサイズ種別を特定し、対応するサイズ種別の収納部に空きがあることを条件に配送先の選択を受け付けることになる。
さらに、配送先特定部25dは、物品の配送予定日や受取期限が定まっている場合には、この配送予定日や受取期限を用いて配送先の特定を行うことができる。配送先のロッカー装置10について現時点で空きが無くとも、収納中の物品の受取期限が過ぎれば空き数が増えるため、新たな物品の配送予定日時によっては配送の予約が可能である。一方、現時点で空きがあっても、既に受け付けた配送予約によって収納部が全て使用中となるならば、収納部が全て使用中となる期間に配送が行われる新たな予約は受け付けない。
配送処理部25eは、物品の配送に係る処理を行う処理部である。配送処理部25eは、まず、配送先特定部25dにより配送先が特定された場合に、配送の予約処理を行う。具体的には、配送処理部25eは、預入鍵データを生成し、特定された配送先及び配送業者とともに利用者端末30に通知する。また、予約日時、利用者ID、配送業者、サイズ種別及び預入鍵データを関連付けて配送管理データ24eに登録する。さらに、預入鍵データ及びサイズ種別などを配送先のロッカー装置10に送信する。
配送処理部25eが予約処理を行った場合には、ロッカー装置管理部25aは、指定されたロッカー装置10及び配送業者に対応するロッカー装置状態データ24dの空き数を1減算する。
また、配送処理部25eは、販売者40などから配送予定日時の通知を受けたならば、配送予定日時を配送管理データ24eに追加して更新する。
配送処理部25eは、予約処理の後、ロッカー装置10から預入完了通知を受信したならば、受取鍵データの生成を行い、受取鍵データと預入日時を配送管理データ24eに追加して更新する。また、受取期限を設定することも可能である。受取期限を設定した場合には、受取期限も配送管理データ24eに追加して更新する。
配送処理部25eは、生成した受取鍵データを対応する利用者の連絡先に送信することで、配送の完了を利用者に通知する。また、配送処理部25eは、受取鍵データをロッカー装置10に送信する。なお、受取期限を設定した場合には、受取期限も合わせて利用者及びロッカー装置10に送信する。
配送処理部25eは、受取鍵データの送信後、ロッカー装置10から受取完了通知を受信したならば、受取日時を配送管理データ24eに追加して更新する。また、配送処理部25eが受取完了通知を受信した場合には、ロッカー装置管理部25aは、受取が完了したロッカー装置10及び配送業者に対応するロッカー装置状態データ24dの空き数を1加算する。
なお、配送処理部25eは、受取期限の超過が発生した場合には、配送業者50や所定の管理者に回収を指示する。そして、ロッカー装置10から回収が行われた旨の通知を受けたならば、利用者に回収完了を通知する。
次に、図6に示した記憶部24が記憶するデータについて説明する。図7及び図8は、図6に示した記憶部24が記憶するデータについての説明図である。図7(a)に示すように、ロッカー装置基本データ24aは、ロッカー装置名称と、場所データと、サイズ種別ごとの収納部数とを示すデータである。
図7(a)では、ロッカー装置名称「新宿第1」に対し、場所データ「東京都新宿区・・・」、サイズ種別「小」の収納部数「18」、サイズ種別「大」の収納部数「2」が対応付けられている。このロッカー装置基本データ24aでは、ロッカー装置名称がロッカー装置10を一意に識別するデータとなっている。また、ロッカー装置基本データ24aは、ロッカー装置10ごとに同様のデータを有する。
図7(b)に示すように、配送業者データ24bは、配送業者名と、連絡先と、ロッカー装置ごとの契約内容とを対応付けたデータである。図7(b)では、配送業者名「A」の連絡先が「東京都港区・・・」であることを示している。また、ロッカー装置名称「新宿第1」について、サイズ種別「小」の収納部を2つ保有し、サイズ種別「大」の収納部を1つ保有し、共用使用を行う旨の契約を行っていることを示している。配送業者データ24bは、配送業者ごとに同様のデータを有する。
図7(c)に示すように、利用者データ24cは、利用者ID、利用者名、連絡先などを対応付けたデータである。図7(c)では、利用者ID「U0023」に対し、利用者名「E F」や連絡先「EF@・・・」などを対応付けている。利用者データ24cは、利用者ごとに同様のデータを有する。
図8(d)に示すように、ロッカー装置状態データ24dは、ロッカー装置名称に対し、配送業者ごとの収納部の保有数と空き数を対応付けたデータである。また、保有数及び空き数はサイズ種別によって区別して管理されている。さらに、配送業者ごとの保有数及び空き数に加え、共用使用可能なロッカーの保有数と空き数が示される。
図8(d)では、ロッカー装置名称「新宿第1」のロッカー装置10について、配送業者Aのサイズ種別「小」の保有数が「2」、サイズ種別「小」の空き数が「1」である状態を示している。また、配送業者Aのサイズ種別「大」の保有数が「1」、サイズ種別「大」の空き数が「1」である状態を示している。
また、配送業者Bのサイズ種別「小」の保有数が「1」、サイズ種別「小」の空き数が「1」である状態を示している。また、配送業者Bのサイズ種別「大」の保有数が「0」、サイズ種別「大」の空き数が「0」である状態を示している。
また、配送業者Cのサイズ種別「小」の保有数が「1」、サイズ種別「小」の空き数が「0」である状態を示している。また、配送業者Cのサイズ種別「大」の保有数が「0」、サイズ種別「大」の空き数が「0」である状態を示している。
さらに、共用使用が可能な配送業者は「A、B、D」であり、共用使用のサイズ種別「小」の保有数が「4」、サイズ種別「小」の空き数が「3」である状態を示している。また、共用使用のサイズ種別「大」の保有数が「1」、サイズ種別「大」の空き数が「0」である状態を示している。なお、ロッカー装置状態データ24dは、ロッカー装置10ごとに同様のデータを有する。
図8(e)に示すように、配送管理データ24eは、予約データとして予約日時、利用者ID、配送先、配送業者、サイズ種別、預入鍵データ、配送予定日時を有する。また、配送管理データ24eは、預入データとして預入日時、受取鍵データ及び受取期限を有する。また、配送管理データ24eは、受取データとして受取日時を有する。
具体的には、図8(e)では、予約日時が「2016 08/02 22:40」であり、利用者IDが「U0023」であり、配送業者が「A」であり、サイズ種別が「小」であり、預入鍵データが「12341234」であり、配送予定日時が「2016 08/03 11:00」である状態を示している。
また、預入日時が「2016 08/03 10:30」であり、受取鍵データが「11223344」であり、受取期限が「2016 08/09 10:30」であり、受取日時が「2016 08/07 19:00」である状態を示している。配送管理データ24eは、ロッカー装置10を配送先として行われる配送について、同様のデータを有する。
<処理手順の説明>
次に、ロッカー管理装置20の処理手順を説明する。図9は、ロッカー管理装置20の予約処理に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、ロッカー管理装置20の配送先指定受付部25cは、利用者端末30から配送先としてロッカー装置10の指定を受け付ける(ステップS101)。ロッカー装置10の指定を受け付けた配送先指定受付部25cは、ロッカー装置状態データ24dを参照し、配送業者別の収納部の空き情報を通知する(ステップS102)。
配送先特定部25dは、ロッカー装置10の収納部に係る属性、すなわち、サイズ種別と配送業者別の空き数と、利用者の選択とに基づいて、配送先のロッカー装置10を特定するとともに(ステップS103)、配送業者を特定する(ステップS104)。
配送処理部25eは、預入鍵データを生成し(ステップS105)、特定された配送先及び配送業者とともに利用者端末30に通知する(ステップS106)。また、予約日時、利用者ID、配送業者、サイズ種別及び預入鍵データを関連付けて配送管理データ24eを更新する(ステップS107)。その後、ロッカー装置管理部25aは、指定されたロッカー装置10及び配送業者に対応するロッカー装置状態データ24dの空き数を1減算して更新し(ステップS108)、処理を終了する。
図10は、預入と受取に係るロッカー管理装置20の処理手順を示すフローチャートである。ロッカー管理装置20の配送処理部25eは、ロッカー装置10から預入完了通知を受信する(ステップS201)。その後、配送処理部25eは、受取鍵データの生成を行い(ステップS202)、受取鍵データと預入日時を配送管理データ24eに追加して更新する(ステップS203)。また、配送処理部25eは、生成した受取鍵データを対応する利用者の連絡先に送信することで、配送の完了を利用者に通知する(ステップS204)。
配送処理部25eは、受取鍵データの通知後、ロッカー装置10から受取完了通知を受信したならば(ステップS205)、受取日時を配送管理データ24eに追加して更新する(ステップS206)。また、ロッカー装置管理部25aは、受取が完了したロッカー装置10及び配送業者に対応するロッカー装置状態データ24dの空き数を1加算して更新し(ステップS207)、処理を終了する。
次に、利用者が配送先及び配送業者を選択する場合の利用者端末30の表示画面の具体例について説明する。図11は、利用者端末30の表示画面の具体例である。利用者端末30がロッカー管理装置20にアクセスすると、図11(a)に示すように、配送先のロッカー装置10を選択する画面が表示される。
図11(a)では、ロッカー装置名称「新宿第1」であるロッカー装置10の空き数の合計が「5」であり、ロッカー装置名称「新宿第2」であるロッカー装置10の空き数の合計が「2」である状態を示している。ここでは、ロッカー装置10の名称と空き数の合計を表示しているが、ロッカー装置10の設置場所などを合わせて表示してもよい。また、設置場所や名称などから、表示するロッカー装置10の絞り込みを可能としてもよい。
図11(a)に示した画面でロッカー装置10を選択すると、選択されたロッカー装置10の詳細が表示される。図11(b)は、ロッカー装置名称「新宿第1」を選択し、ロッカー装置名称「新宿第1」の空き数の合計が「5」であり、利用可能な配送業者が「A、B、C、D」である状態を示している。
図11(b)の表示画面は、ロッカー装置状態データ24dに基づいて生成されたものである。具体的には、配送業者Aの保有数が「2」、空き数が「1」、配送業者Bの保有数が「1」、空き数が「0」、配送業者Cの保有数が「1」、空き数が「1」、共用の保有数が「4」、空き数が「3」であるため、空き数の合計は「5」となっている。なお、配送業者Bの空き数は「0」であるが、配送業者Bは共用利用の契約を行っており、共用利用の空き数が「3」であるために、利用可能配送業者に配送業者Bが含まれている。
例えば、図11(b)の状態から配送業者Cが選択され、配送業者Cの空き数が「0」となれば、利用者端末30に表示される画面は、図11(c)に示すように、空き数の合計が「4」となり、利用可能な配送業者が「A、B、D」となる。
図11(d)は、予約の結果を通知する表示画面である。図11(d)では、配送先として「新宿第1」を指定し、その住所が「東京都新宿区・・・」であり、指定配送業者が「C」であり、受取鍵が「12341234」であることを示している。なお、受取鍵に有効期限を設定した場合や、配送予定日時が決まっている場合等、予約時に他の情報が得られているならば、他の情報を合わせて通知することができる。
次に、ロッカー装置10の処理手順を説明する。図12は、ロッカー装置10の預入に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、ロッカー装置10の表示操作部11などが預入鍵データを受け付ける(ステップS301)。入出庫処理部16bは、受け付けた預入鍵データの認証を実行し(ステップS302)。物品を収納する収納部の選択を受け付ける(ステップS303)。入出庫処理部16bは、選択された収納部について、解錠を行うよう施開錠制御部16cに指示する(ステップS304)。
その後、開錠した収納部の扉の開閉が行われたならば、施開錠制御部16cが収納部を施錠し(ステップS305)、入出庫処理部16bは配送管理データ15bを更新する(ステップS306)。また、入出庫処理部16bは、預入完了通知をロッカー管理装置20に送信し(ステップS307)、処理を終了する。
図13は、ロッカー装置10の受取に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、ロッカー装置10の表示操作部11などが受取鍵データを受け付ける(ステップS401)。入出庫処理部16bは、受け付けた受取鍵データの認証を実行し(ステップS402)。受取鍵データに対応する収納部を解錠するよう施開錠制御部16cに指示する(ステップS403)。
その後、開錠した収納部の扉の開閉が行われたならば、施開錠制御部16cが収納部を施錠し(ステップS404)、入出庫処理部16bは配送管理データ15bを更新する(ステップS405)。また、入出庫処理部16bは、受取完了通知をロッカー管理装置20に送信し(ステップS406)、処理を終了する。
次に、配送システムにおける要素の関係について説明する。図14は、配送システムの要素の関係についての説明図である。まず、利用者端末30は、既に説明したように、ロッカー管理装置20に対して予め利用者登録を行う。
利用者端末30は、既に説明したように、販売者40に配送依頼を行う。この配送依頼には、利用料金や運送代などの費用が都度発生する。なお、費用を販売者40が負担することとしてもよい。同様に、販売者40が配送業者50に行う配送手配についても、利用料金や運送代などの費用が都度発生する。この費用を販売者40が負担することとしてもよい。
配送業者50は、ロッカー装置10の使用に関する契約をロッカー管理装置20の運営者と結び、所定の使用料金を負担する。使用料金は、月極などで設定してもよいし、利用回数毎に設定してもよい。また、ロッカー管理装置20の運営者は、ロッカー装置10について、場所の使用や装置自体の使用に係る費用を負担する。
次に、ロッカー装置10の特典に係る処理手順を説明する。図15は、ロッカー装置10の特典に係る処理手順を示すフローチャートである。まず、ロッカー装置10のコードリーダ12などが特典データを読み取り(ステップS501)、特典処理部16dは特典データの認証を行う(ステップS502)。そして、特典用の物品を収納した収納部を解錠し(ステップS503)、開錠した収納部の扉の開閉が行われたならば、施開錠制御部16cが収納部を施錠して(ステップS504)、処理を終了する。
次に、収納部の保有の変形例について説明する。これまでの説明では、配送業者50が保有する収納部は他の配送業者50に使用させず、共用の収納部については使用する配送業者50を適宜決定する場合を示した。変形例として、配送業者50が保有する収納部の一部を他の配送業者50に貸出可能としてもよい。
図16は、配送業者50が保有する収納部を貸出可能とする場合の説明図である。この場合には、図16(b)に示すように、配送業者データ24bは、ロッカー装置ごとの契約内容において、保有数と貸出可能数とを設定することになる。図16(b)では、ロッカー装置名称「新宿第1」について、サイズ種別「小」の収納部を2つ保有し、そのうち2つを貸出可能としている。また、サイズ種別「大」の収納部を1つ保有し、サイズ種別「大」の収納部については貸出を行わないこととしている。
また、図16(d)に示すように、ロッカー装置状態データ24dは、ロッカー装置名称に対し、配送業者ごとの収納部の保有数、使用数、貸出数、空き数を対応付けることになる。
図16(d)では、ロッカー装置名称「新宿第1」のロッカー装置10について、配送業者Aのサイズ種別「小」の保有数が「4」、使用数が「3」、貸出数が「1」、空き数が「1」である状態を示している。なお、サイズ種別「大」の保有数は「1」、使用数は「0」となっている。
また、配送業者Bのサイズ種別「小」の保有数が「2」、使用数が「1」、貸出数が「0」、空き数が「1」である状態を示している。なお、サイズ種別「大」の保有数は「1」、使用数は「1」となっている。
また、配送業者Cのサイズ種別「小」の保有数が「1」、使用数が「0」、貸出数が「0」、空き数が「1」である状態を示している。なお、サイズ種別「大」の保有数は「0」、使用数は「0」となっている。
次に、受取鍵データ生成の変形例について説明する。これまでの説明では、ロッカー管理装置20が受取鍵データを生成する構成を示した。変形例として、ロッカー装置10が受取鍵データを生成してもよい。
図17は、ロッカー装置が受取鍵データを生成する場合の説明図である。図17に示した例では、利用者は、利用者端末30を用いて販売者40が提供する販売サイトにアクセスし、物品の購入操作を行う。購入した物品の配送先をロッカー装置10とする場合には、利用者は利用者端末30を用いてロッカー装置10に照会を行って配送予約を行う(1)。
ロッカー管理装置20は、配送業者別の収納部の空き情報を管理しており(2)、利用者端末30からの照会を受けて、配送業者別の収納部の空き情報を通知する。そして、利用者端末30から配送の予約を受け付けたならば、配送業者別の収納部の空き情報を更新し、預入鍵データを生成する(3)。
ロッカー管理装置20は、生成した預入鍵データを利用者端末30に通知する(4)。利用者端末30は、配送先及び配送業者の指定とともに、預入鍵データを付して販売者40に配送依頼を行う(5)。
配送依頼を受けた販売者40は、指定された配送業者に配送手配を行う(6)。この配送手配には、配送依頼で指定された配送先と、預入鍵データとが含まれる。配送手配は、販売者40のサーバから配送業者50のサーバに通信にて行うことができる。また、所定の伝票に配送先や預入鍵データを記入してもよい。
配送手配を受けた配送業者50は、購入された物品をロッカー装置10に配送し、ロッカー装置10の収納部に預け入れる(7)。具体的には、配送業者50が預入鍵データをロッカー装置10に入力すると、ロッカー装置10は預入鍵データの認証を行い、収納部を解錠し、物品を収納可能とする。配送業者50が収納部の扉を開け、物品を収納して扉を閉めると、ロッカー装置10は扉を施錠して、受取鍵データの生成を行う(8)。そして、受取鍵データとともに預入完了通知をロッカー管理装置20に送信する(9)。
ロッカー管理装置20は、預入完了通知及び受取鍵データを受信したならば、受信した受取鍵データを利用者端末30に通知することで、配送の完了を利用者に通知する(10)。利用者は、ロッカー装置10の設置場所へ赴き、受取鍵データを読み取らせて収納部を解錠し、購入した物品を取り出すことで、物品の受取を行う(11)。
利用者による受取が成立した場合には、ロッカー装置10はロッカー管理装置20に受取完了通知を送信する(12)。ロッカー管理装置20は、受取完了通知を受信したならば、配送業者別の収納部の空き情報を更新する。
上述してきたように、本実施例に係るロッカー管理システム、ロッカー管理装置及びロッカー管理方法では、ロッカー管理装置20は、ロッカー装置10の収納部を複数の配送業者に割り当て、配送業者別の収納部の空き数を収納部の属性として管理する。そして、利用者がロッカー装置10を物品の配送先とする場合に、収納部の属性である配送業者別の収納部の空き数に基づいて配送を担う配送業者50を選択することができる。このため、ロッカー装置10を複数の配送業者50が共同で利用し、各配送業者50の運用コストを軽減し、公共利用のニーズに応えることができる。
また、各配送業者50が利用可能なロッカー装置10の収納部の数に関する制限情報や、収納部のサイズ種別を属性として管理し、配送を担う配送業者50を選択することも可能である。なお、利用者により指定されたロッカー装置10に空きが無い場合は、近傍のロッカー装置10などを用いることができる。
また、ロッカー装置10の収納部は、利用の有無に関わらず施錠されるため、不正な使用や犯罪への使用を抑止することができる。さらに、予め登録した利用者が利用することになるため、問題発生時に原因の分析が容易となる。
また、利用に応じて特典を付与し、特典用の収納部を解錠制御して特典用の物品を取出し可能とすることで、利用の促進に寄与することができる。
なお、これまでの説明では、本発明に係る物品保管システム及び物品保管装置をインターネットショッピングに適用した場合について説明したが、本発明は適宜変形して実施可能である。例えば、集合住宅等に設置された宅配ボックスであっても同様に本発明を適用可能である。また、駅や店舗に設置された一時預り用のロッカー装置に本発明を適用することもできる。
一時預り用のロッカー装置に本発明を適用する場合には、一時預り用の収納部と配送用の収納部とをそれぞれ設けることとしてもよい。また、収納部を一時預り用と配送用のいずれにも使用可能としてもよい。収納部を一時預り用と配送用とで共用する場合には、一時預り用の保有数を設定すれば、一時預り用の収納部の数を確保することが可能である。
また、本実施例では、配送業者とロッカー管理装置の運用者とが異なる場合を例に説明を行ったが、配送業者がロッカー管理装置を運用し、収納部を他の配送業者に貸し出すことも可能である。
また、本実施例では、ロッカー管理装置がロッカー装置の収納部の空き数を管理し、預入時に収納部を選択する構成を例に説明を行ったが、ロッカー管理装置がロッカー装置の収納部を個別に管理し、特定の収納部を配送業者に割当て、予約時にいずれの収納部を配送先とするかを選択する構成としてもよい。
また、本実施例では、収納部を複数備えたロッカー装置を例に説明を行ったが、収納部が1つのロッカー装置に本発明を適用してもよい。
また、本実施例に図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。