以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
図1には、本実施形態に係る画像形成装置11の外観図を示した。図1に示すように、画像形成装置11は、画像読取部10と、画像形成部80と、用紙供給部82と、用紙排出部84とを含んで構成されている。
図2に示すように、画像読取部10は、裏面画像読取部28を含む原稿搬送部12(DADF:Dual Auto Document Feeder)と表面画像読取部14とを備えている。
原稿搬送部12は、画像が記録された原稿18が置かれる原稿台20と、原稿台20に置かれた原稿18を一枚ずつ取り出す取り出しロール22と、複数の搬送ロール対26を備えた搬送路24と、裏面画像読取部28と、裏面画像読取部28に対向配置された基準板46と、読取処理が終了した原稿が排出される排紙部30とを含んで構成されている。
裏面画像読取部28は、原稿18及び基準板46に対して照明光を照射する主走査方向に沿って配列された複数の発光素子を備えた光源28Bと、光源28Bにより照明された原稿18及び基準板46を複数の画素に分割して測光し、画素毎に測光した画素値に応じた読取データを出力するラインセンサ28Aとを含んで構成された固定密着型のイメージセンサである。また、裏面画像読取部28は、図示しないロッドレンズアレイを備えており、原稿18または基準板46で反射した光がロッドレンズアレイを介してラインセンサ28Aで測光される。基準板46は、シェーディング補正を行う場合にラインセンサ28Aにより読み取られる基準板で、例えば、白色の樹脂板または白色に塗装された金属板等が用いられる。
一方、表面画像読取部14は、上面に原稿18を置くことが可能とされている透明なプラテンガラス32を備えている。プラテンガラス32の下側には、原稿18の表面に向けて照明光を照射する光源34と、原稿18の表面で反射した反射光を受ける第1反射ミラー36、第1反射ミラー36で受けた反射光の進行方向を90°曲げるための第2反射ミラー38、第2反射ミラー38で受けた反射光の進行方向をさらに90°曲げるための第3反射ミラー40とが備えられている。
なお、光源34は、例えば蛍光ランプ又は原稿18の搬送方向と交差する方向に沿って配列された複数のLED(Light Emitting Diode)等が適用される。
また、表面画像読取部14は、レンズ42と、複数の画素を備えた光電変換部44とを備えており、表面画像読取部14は、第3反射ミラー40で反射された反射光を、レンズ42によって光電変換部44に結像させることで、原稿18の表面を読み取る。
光電変換部44は、例えば複数のCCD(Charge Coupled Device)で構成されるCCDラインセンサ又はCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の固体撮像素子が適用される。
このように構成された画像読取部10によれば、原稿台20に置かれた原稿18は、一枚ずつ取り出しロール22で取り出され、搬送路24へ送られる。搬送路24へ送られた原稿18は、搬送ロール対26によって表面画像読取部14の表面読取位置まで搬送され、表面を表面画像読取部14で読み取られる。その後、原稿18は、表面読取位置よりも搬送方向下流側に設置されている裏面画像読取部28に搬送され、原稿18の両面を読み取る設定となっていた場合は、裏面を裏面画像読取部28で読み取られた後、排紙部30に排紙される。
また、画像読取部10は、光源34、第1反射ミラー36、第2反射ミラー38、及び第3反射ミラー40が図1の矢印A方向に移動可能とされている。これにより、原稿搬送部12が表面画像読取部14の上方へ開けられ、プラテンガラス32の上面に原稿18が置かれた場合は、光源34から照明光を原稿18に向けて照射しつつ、矢印A方向へ光源34、第1反射ミラー36、第2反射ミラー38、及び第3反射ミラー40を移動させることで、上記原稿18に記録された画像が読み取られる。なお、画像読取部10は、取得手段の一例である。
画像形成部80は、電子写真方式によって原稿画像を用紙に印刷するものであり、無端状の中間転写ベルトと、中間転写ベルトに各色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)のトナー画像を転写する画像形成ユニットと、画像情報に基づいて変調されたレーザ光で画像形成ユニットの感光体ドラムを露光することにより感光体ドラム上に静電潜像を形成する光学部とを備えている。
画像形成ユニットは、感光体ドラムと、感光体ドラムの表面を一様に帯電する帯電器と、感光体ドラムの表面に光学部によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像したトナー画像を形成する現像部と、中間転写ベルトを感光体ドラムに押し付ける転写ローラとを有している。中間転写ベルトは、モータに連結された駆動ローラによって駆動される。
また、画像形成部80は、中間転写ベルト上に形成されたトナー画像を用紙供給部82から給紙された用紙に転写する転写部と、用紙に転写されたトナー画像を用紙上に定着させる定着部と、定着部を通過した用紙を用紙排出部84に排出する排出ローラとを備えている。
用紙供給部82は、向き、大きさ、紙質等の異なる用紙をそれぞれ収容する複数の用紙カセットと、各用紙カセットから用紙を取り出し、画像形成部80の転写部へ搬送するための複数のローラとを備える。
このように構成された画像形成装置11によれば、画像読取部10で原稿を読み取り、読み取ったデータに基づいて、画像形成部80において、用紙供給部82から給紙された用紙に画像が形成される。
図3には、本実施形態に係る画像形成装置11のブロック図を示した。図3に示すように、画像形成装置11は、コンピュータ50を含んで構成されている。
コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)50A、ROM(Read Only Memory)50B、RAM(Random Access Memory)50C、不揮発性メモリ50D、及び入出力インターフェース(I/O)50Eがバス50Fを介して各々接続された構成となっている。なお、CPU50は、表示手段及び処理手段の一例である。
I/O50Eには、操作部60、表示部62、画像読取部10、画像形成部80、用紙供給部82、用紙排出部84、ネットワーク通信インターフェース(I/F)86、電話回線インターフェース(I/F)88、及びハードディスク90等の各機能部が接続されている。
操作部60は、例えばコピー開始等を指示するためのスタートボタンやテンキー等の各種ボタンを含む。
表示部62は、コピー濃度等の各種の画像形成条件を設定するための設定画面や後述するプレビュー画像(参照画像)を確認するための確認画面等の各種画面を表示する。なお、本実施形態では、表示部62は、各種画面において指で触れることにより各種操作が可能なタッチパネルにより構成される。なお、表示部62は、本発明に係る検出手段の一例である。
ネットワーク通信I/F86は、ネットワークを介して外部装置とデータ通信を行うためのインターフェースである。
電話回線通信I/F88は、図示しない電話回線を介して接続された他の画像形成装置とファクシミリ通信を行うためのインターフェースである。
ハードディスク90は、例えば装置の各部の状態や稼働状況等のログデータ、コピーやファクシミリ通信、プリント等の処理結果のログデータ、各種の設定データ、後述する表示制御プログラム等が記憶される。
ところで、本実施形態に係る画像形成装置11では、原稿台20に複数枚の原稿をセットして読み取りを指示した場合、画像読取部10で順次読み取られた原稿の画像からプレビュー画像を生成し、生成したプレビュー画像の一覧画面を表示部62に表示する機能を有する。
図4には、プレビュー画像の一覧画面の一例を示した。図4に示す一覧画面では、画像読取部10で読み取った原稿のうち1ページ目〜10ページ目までのプレビュー画像PV1〜PV10が表示されている。そして、画像形成装置11では、例えばユーザーが予め定めたジェスチャー操作により処理対象のプレビュー画像に対して処理を指示すると、ジェスチャー操作に応じた処理を実行する。ここで、ユーザーが指示する処理とは、例えば処理が指示されたプレビュー画像に対応する処理対象画像の属性を変更する処理である。属性には、例えば画像の向き、画像の順番、及び画像のサイズ等の少なくとも1つが含まれるが、これらに限られるものではない。本実施形態では、属性を変更する処理として、画像の向きを回転させる処理を実行する場合について説明する。例えば、処理対象のプレビュー画像上で円を描くようなジェスチャー操作を行った場合、そのプレビュー画像に対応する処理対象画像を例えば90度回転させる。この際、プレビュー画像が小さいため、ユーザーがどのプレビュー画像に対してジェスチャー操作をしたのか認識しづらい。このため、画像形成装置11は、ユーザーがどのプレビュー画像を選択したのかを認識しやすくなるように、ジェスチャー操作をしたプレビュー画像の少なくとも一部を拡大する表示制御処理を実行する。なお、ジェスチャー操作と、ジェスチャー操作に対応した処理と、の対応関係は、上記の例に限られるものではなく、任意に設定される。このように、本実施形態では、一覧画面に表示されたプレビュー画像に対してジェスチャー操作をすることで何らかの処理を指示した場合に、そのプレビュー画像を拡大して表示する。すなわち、ユーザーがプレビュー画像を拡大することを意図してジェスチャー操作した場合に拡大表示するのではなく、本来の目的である何らかの処理をジェスチャー操作で指示した場合に、そのジェスチャー操作に付随してプレビュー画像を拡大表示するものである。
次に、本実施形態の作用として、CPU50で実行されるプレビュー画像の表示制御処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。なお、図5に示す表示制御処理は、プレビュー画像の一覧画面が表示部62に表示されると実行される。
ステップS100では、何らかの操作が有ったことを検出したか否かを判定し、操作が検出された場合はステップS102へ移行し、操作が検出されていない場合は、操作が検出されるまで待機する。
ステップS102では、検出された操作が、プレビュー画像に対応する処理対象画像(読み取り画像)に対して、何らかの処理を指示する操作であったか否かを判定する。例えば、処理が指示された処理対象画像を右方向に90度回転させる処理を指示するための操作であれば、図6に示すように、処理対象画像に対応するプレビュー画像PV上で円を時計回りで描くようなジェスチャー操作JS1を指で行う。なお、図6においては、説明の便宜上、1つのプレビュー画像PVのみを表示し、他のプレビュー画像の表示は省略している。
ステップS104では、図7に示すように、処理対象画像に対応するプレビュー画像PVの一部の領域を拡大した拡大画像PV−Aを表示する。拡大する領域は、例えば、図6に示すようなジェスチャー操作JS1を行った際に囲まれた領域とする。なお、ジェスチャー操作JS1を行った際に囲まれた領域以外の領域を拡大してもよいし、プレビュー画像PV全体を拡大してもよい。
ここで、ユーザーは、拡大画像PV−Aを参照し、処理を指示したプレビュー画像が意図通りか否かを確認し、意図通りであれば確認OKであることを示す操作を行う。一方、処理を指定したプレビュー画像が意図通りか否かを確認し、意図通りでなければ確認NGであることを示す操作を行う。なお、確認OKであることを示す操作は、例えば、プレビュー画像PV又は拡大画像PV−Aを1回タップする操作としてもよいし、図示は省略するが、表示部62に表示されたOKボタンをタップする操作としてもよい。また、確認NGであることを示す操作は、例えば、プレビュー画像PV及び拡大画像PV−A以外の領域を1回タップする操作としてもよいし、図示は省略するが、表示部62に表示されたNGボタンをタップする操作としてもよい。
ステップS106では、確認OKであるか否かを判定し、確認OKである場合はステップS108へ移行し、確認NGである場合はステップS110へ移行する。
ステップS108では、指示された処理を処理対象画像に対して実行する。これにより、プレビュー画像PVに対応する処理対象画像が90度回転される。この際、例えば図8に示すように、処理内容を認識しやすくするために、プレビュー画像PVを拡大した拡大画像PV−Bを表示部62に表示させるようにしてもよい。
ステップS110では、処理対象画像に処理を指示する操作及びプレビュー画像の一覧画面の表示を終了する操作以外の他の操作がされたか否かを判定し、肯定判定だった場合はステップS112へ移行し、否定判定だった場合はステップS114へ移行する。
ステップS112では、操作に対応した処理を実行する。
ステップS114では、プレビュー画像の一覧画面の表示を終了する操作がされたか否かを判定し、肯定判定だった場合は本ルーチンを終了し、否定判定だった場合はステップS100へ移行する。
このように、本実施形態では、プレビュー画像に対して例えば回転処理等の処理を指示した場合に、指示されたプレビュー画像の一部を拡大して表示するので、処理が指示された画像が認識しやすくなる。また、プレビュー画像を選択する操作、選択したプレビュー画像を拡大する操作、の2ステップの操作ではなく、プレビュー画像を選択する1ステップの操作だけで拡大表示も実行されるため、操作が簡略化される。
(第2実施形態)
次に、本実施形態の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第2実施形態では、プレビュー画像に処理を指示する際に、操作の度合いが予め定めた基準度合いよりも大きい場合に、処理を指示したプレビュー画像を含む複数のプレビュー画像を拡大して表示する場合について説明する。
なお、本実施形態に係る画像形成装置の装置構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
次に、本実施形態の作用として、CPU50で実行されるプレビュー画像の表示制御処理について、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
図9に示す表示制御処理は、図5に示す表示制御処理と比較すると、ステップS103、S105が追加されている点が異なる。その他の処理は図5に示す表示制御処理と同一なので説明は省略する。
ステップS103では、プレビュー画像に処理を指示する操作の度合いが予め定めた基準度合いより大きいか否かを判定する。例えば、図6に示すように、プレビュー画像PV上でジェスチャー操作JS1を指で行った場合、ジェスチャー操作JS1の回転速度が、予め定めた基準回転速度より速い場合を、操作の度合いが基準度合いより大きいと判定する。
なお、画面を押下した際の圧力を検出する構成を表示部62に採用した場合には、表示部62の画面を押下した際の圧力が予め定めた圧力以上の場合を、操作の度合いが基準度合いより大きいと判定するようにしてもよい。
そして、ステップS103で肯定判定だった場合は、ステップS104へ移行し、否定判定だった場合はステップS105へ移行する。
ステップS105では、操作の度合いに応じて、処理を指示されたプレビュー画像を含む複数のプレビュー画像を表示部62に表示する。例えば図10に示すように、プレビュー画像PV1の付近で円を時計回りで描くようなジェスチャー操作JS2を指で行った際に、ジェスチャー操作の回転速度が予め定めた基準回転速度より速かった場合には、図11に示すように、プレビュー画像PV1、PV2、PV3の3個のプレビュー画像の一部を各々拡大した拡大画像PV1−A、PV2−A、PV3−Aを表示する。図11の例は、拡大表示するプレビュー画像の個数が3個の場合であるが、拡大表示するプレビュー画像の個数は、回転速度に応じて設定される。すなわち、回転速度が速くなるに従って拡大表示するプレビュー画像の個数が多くなり、回転速度が遅くなるに従って拡大表示するプレビュー画像の個数が少なくなる。
このように、本実施形態では、プレビュー画像に処理を指示する際に、操作の度合いが予め定めた基準度合いよりも大きい場合に、処理を指示したプレビュー画像を含む複数のプレビュー画像を拡大して表示するので、複数のプレビュー画像に対する処理の指示がまとめられると共に、処理対象の複数のプレビュー画像が認識しやすくなる。
(第3実施形態)
次に、本実施形態の第3実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第3実施形態では、処理が指示されたプレビュー画像に対応する処理対象画像だけではなく、処理対象画像と近似する近似画像についても同じ処理を行う場合について説明する。
なお、本実施形態に係る画像形成装置の装置構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
次に、本実施形態の作用として、CPU50で実行されるプレビュー画像の表示制御処理について、図12に示すフローチャートを参照して説明する。
図12に示す表示制御処理は、図5に示す表示制御処理と比較すると、ステップS103A、S105A、S109A、S109Bが追加されている点が異なる。その他の処理は図5に示す表示制御処理と同一なので説明は省略する。
ステップS103Aでは、表示部62に表示されたプレビュー画像に対応する画像(読み取り画像)のうち、処理が指示されたプレビュー画像に対応する処理対象画像と近似する近似画像が存在するか否かを判定する。ここで、画像が近似するか否かの判定方法としては、例えば以下のようは判定方法が挙げられる。
第1の判定方法として、例えば、各プレビュー画像に対応する画像の各々に対してOCR(Optical Character Recognition)処理を施し、処理対象画像のヘッダー及びフッターの少なくとも一方を含む付加情報の位置及び文字列が類似する付加情報を有する画像が存在するか否かを判定することにより、処理対象画像と近似する画像が存在するか否かを判定してもよい。なお、文字列が類似するか否かの判定は、種々公知の手法が用いられる。
また、第2の判定方法として、各プレビュー画像に対応する画像の各々に対してOCR処理を施し、処理対象画像の見出し情報(章、節)の位置が類似する見出し情報を有する画像が存在するか否かを判定することにより、処理対象画像と近似する画像が存在するか否かを判定してもよい。
また、第3の判定方法として、各プレビュー画像に対応する画像の各々に対してOCR処理を施し、処理対象画像に含まれる文字列の方向と同じ文字列の方向の画像が存在するか否かを判定することにより、処理対象画像と近似する画像が存在するか否かを判定してもよい。
なお、第1〜第3の判定方法を組み合わせて判定してもよい。すなわち、第1〜第3の判定方法の少なくとも1つの判定方法で肯定判定された場合に、処理対象画像と近似する画像が存在すると判定するようにしてもよい。
そして、ステップS103Aにおいて、近似するプレビュー画像が存在しないと判定された場合はステップS104へ移行し、近似するプレビュー画像が存在すると判定された場合はステップS105Aへ移行する。
ステップS105Aでは、処理対象画像に対応するプレビュー画像だけでなく、近似画像に対応するプレビュー画像も一緒に拡大する。
例えば、図13に示すように、プレビュー画像PV1上で円を時計回りで描くようなジェスチャー操作JS3をした場合、プレビュー画像PV1に対応する処理対象画像と同じ位置に類似する文字列を有するプレビュー画像PV3に対応する画像が近似画像と判定される。この場合、図14に示すように、プレビュー画像PV1を拡大した拡大画像PV1−Aだけでなく、近似画像に対応するプレビュー画像PV3を拡大した拡大画像PV3−Aも一緒に拡大表示される。
そして、ステップS106で確認OKと判定された場合、ステップS108において、図15に示すように、処理対象画像に対応するプレビュー画像PV1だけでなく、近似画像に対応するプレビュー画像PV3も一緒に回転される。
ステップS109Aでは、読み取った複数の画像のうち、プレビュー画像が表示部62に表示されていない非表示画像の中に、処理対象画像と近似する近似画像が存在するか否かを判定する。そして、ステップS109Aが肯定判定の場合はステップS109Bへ移行し、否定判定の場合はステップS110へ移行する。
ステップS109Bでは、近似画像に対して処理を実行するか否かを確認するための確認処理を実行すると共に、処理の実行が指示された近似画像に対して処理を実行する。具体的には、例えば図16に示すような確認画面を表示部62に表示する。この確認画面は、一例として、読み取った複数の画像のうち、プレビュー画像の一覧画面に表示されていない近似画像に対して、回転させる処理を実行するか否かを確認するための画面である。
図16に示す確認画面には、プレビュー画像の一覧画面に表示されていない近似画像毎に、ページ番号Pn及びチェックボックスCKを表示するページ領域AR、スクロールボタンSK、確認ボタンK1、K2が表示されている。図16の例では、5ページ目、10ページ目、12ページ目、18ページ目が、処理対象画像と対応する近似画像である。ここで、チェックボックスCKが「□」のページについては、ユーザーによって回転が設定されていない画像であり、チェックボックスCKが「■」のページについては、ユーザーによって回転が設定された画像であることを示す。
そして、例えば5ページ目のページ領域ARをクリックすると、図17に示すような確認画面が表示される。図17に示す確認画面は、元々横長の5ページ目のプレビュー画像を90度回転させて縦長のプレビュー画像PV5として表示している。ここで、ユーザーが「はい」と表示された確認ボタンK3を押下すると、5ページ目の画像を回転するように設定され、「戻す(回転しない)」と表示された確認ボタンK4を押下すると、5ページ目の画像を回転しないように設定される。図17の確認画面で確認ボタンK3又はK4が押下されると、図16の確認画面に戻る。
そして、図16の確認画面において、「はい(一括で回転)」と表示された確認ボタンK1が押下されると、チェックボックスCKが「■」となっているページの近似画像が一括して回転されて表示部62に表示される。一方、「いいえ」と表示された確認ボタンK2が押下されると、画像は回転されず、確認画面の表示を終了する。
なお、図18に示すような確認画面としてもよい。図18に示す確認画面は、画面下部の表示領域A1には、プレビュー画像の一覧画面に表示されていないプレビュー画像に対応する画像のうち、処理対象画像と近似する近似画像のプレビュー画像の一覧が矢印X方向に並んで表示される。また、画面上部の表示領域A2には、表示領域A1から選択されたプレビュー画像を拡大した拡大画像がX方向に並んで表示される。表示領域A1は、表示領域A2の表示が邪魔されないように、例えば画面の下方から矢印Y方向にスライドインして表示される。なお、図18では、一例として表示領域A2に表示されるプレビュー画像の個数が2個の場合を示したが、表示されるプレビュー画像の個数は2個に限られるものではない。
ユーザーが、表示領域A1に表示されたプレビュー画像のうち、処理対象画像と同様に回転させたいプレビュー画像をジェスチャー操作により選択すると、選択されたプレビュー画像を拡大したプレビュー画像が表示領域A2に表示される。また、表示領域A2に拡大表示されたプレビュー画像のうち、回転させたくないプレビュー画像をジェスチャー操作により選択すると、そのプレビュー画像が表示領域A2から消去される。
また、表示領域A1に表示されたプレビュー画像のうち、処理対象画像と同様に回転させたいプレビュー画像をクリックして選択ボタンB1を押下すると、選択されたプレビュー画像を拡大したプレビュー画像が表示領域A2に表示されるようにしてもよい。また、表示領域A2に拡大表示されたプレビュー画像のうち、回転させたくないプレビュー画像をクリックして戻すボタンB2を押下すると、そのプレビュー画像が表示領域A2から消去されるようにしてもよい。
図18では、一例として表示領域A1から選択された3ページ目のプレビュー画像PV3を拡大したプレビュー画像PV3−Aが表示領域A2に表示されている。また、図18の例では、表示領域A1に表示されていないプレビュー画像のうち7、9ページ目のプレビュー画像PV7、PV9も選択されているが、表示領域A2に表示されるプレビュー画像の個数が2個のため、プレビュー画像PV7を拡大したプレビュー画像PV7−Aだけ表示領域A2に表示されている。さらに、7、9ページ目のプレビュー画像PV7、PV9も選択されていることが認識されやすいように、その旨を示すメッセージM1が表示されている。
また、表示領域A1内において、例えば矢印X方向にスライドする操作をした場合、表示領域A1内のプレビュー画像の表示が矢印X方向にスクロールされる。
これにより、例えば図18では表示領域A1内に表示されていなかった7、9ページ目のプレビュー画像PV7、PV9が、図19に示すように表示領域A1内に表示され、拡大されたプレビュー画像PV7−A、PV9−Aが表示領域A2に表示される。また、表示領域A1内に表示されていない3ページ目のプレビュー画像PV3も選択されていることが認識されやすいように、その旨を示すメッセージM2が表示される。
なお、表示領域A2にプレビュー画像を拡大して表示する際には、表示領域A2のサイズと、表示領域A2内に表示させるプレビュー画像の個数と、に基づいて、拡大率を設定する。
例えば、図20に示すように、表示領域A2内に表示させるプレビュー画像の個数を3個に設定した場合において、表示領域A1に表示されたプレビュー画像PV1上で、円を時計回りで描くようなジェスチャー操作JS4をした場合、表示領域A2をX方向に3分割した分割領域A21〜A23のうち分割領域A21内に収まる拡大率でプレビュー画像PV1を拡大したプレビュー画像PV1−Aを分割領域21に表示する。
また、図21に示すように、表示領域A1に表示されたプレビュー画像PV1上で、円を時計回りで描くようなジェスチャー操作JS5をした際に、ジェスチャー操作JS5の回転速度が予め定めた基準回転速度より速く、2ページ分のプレビュー画像PV1、PV2が選択された場合は、選択されたプレビュー画像PV1、PV2を各々拡大したプレビュー画像PV1−A、PV2−Aを分割領域A21、A22にそれぞれ表示する。
このように、本実施形態では、処理対象画像に対応するプレビュー画像だけでなく、処理対象画像と近似する近似画像に対応したプレビュー画像についても同じ処理を施すため、処理を施したいプレビュー画像を1つ1つ指定する必要がなく、ユーザーの手間が軽減される。
(第4実施形態)
次に、本実施形態の第4実施形態について説明する。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
第4実施形態では、処理対象画像と近似しないと判定された非近似画像を、指示された処理に不適当な画像として警告すると共に、非近似画像の各々について個別に処理を指示するか否かを設定する場合について説明する。
なお、本実施形態に係る画像形成装置の装置構成は第1実施形態と同一であるので、説明は省略する。
次に、本実施形態の作用として、CPU50で実行されるプレビュー画像の表示制御処理について、図22に示すフローチャートを参照して説明する。
図22に示す表示制御処理は、図12に示す表示制御処理と比較すると、ステップS109Aに代えてステップS109Cが、ステップS109Bに代えてステップS109Dが実行される点が異なる。その他の処理は図5に示す表示制御処理と同一なので説明は省略する。
ステップS109Cでは、読み取った複数の画像のうち、プレビュー画像の一覧画面に表示されていない非表示画像の中に、処理対象画像と近似しない非近似画像が存在するか否かを判定する。そして、ステップS109Cが肯定判定の場合はステップS109Dへ移行し、否定判定の場合はステップS110へ移行する。
ステップS109Dでは、回転対象とされていない非近似画像が存在することを警告すると共に、非近似画像に対して処理を実行するか否かを確認するための確認処理を実行すると共に、処理の実行が指示された非近似画像に対して処理を実行する。具体的には、例えば図23に示すような確認画面を表示部62に表示する。この確認画面は、一例として、読み取った複数の画像のうち、表示部62に非表示の非近似画像を回転させる処理を実行するか否かを確認するための画面である。
図23に示す確認画面には、非近似画像毎にページ番号Pn及びチェックボックスCKを表示するページ領域AR、スクロールボタンSK、確認ボタンK1、K2が表示されている。図23の例では、8ページ目、11ページ目、12ページ目、19ページ目が、非近似画像である。ここで、チェックボックスCKが「□」のページについては、ユーザーによって回転が設定されていない画像であり、チェックボックスCKが「■」のページについては、ユーザーによって回転が設定された画像であることを示す。
そして、例えば11ページ目のページ領域ARをクリックすると、図24に示すような確認画面が表示される。図24に示す確認画面は、元々縦長の11ページ目のプレビュー画像を90度回転させて横長のプレビュー画像PV11として表示している。ここで、ユーザーが「はい」と表示された確認ボタンK3を押下すると、11ページ目の画像を回転するように設定され、「戻す(回転しない)」と表示された確認ボタンK4を押下すると、11ページ目の画像を回転しないように設定される。図24の確認画面で確認ボタンK3又はK4が押下されると、図23の確認画面に戻る。
そして、図16の確認画面において、「はい(一括で回転)」と表示された確認ボタンK1が押下されると、チェックボックスCKが「■」となっているページの近似画像が一括して回転されて表示部62に表示される。一方、「いいえ」と表示された確認ボタンK2が押下されると、画像は回転されず、確認画面の表示を終了する。
このように、本実施形態では、回転対象となっていない非近似画像が存在することを警告すると共に、非近似画像の各々について回転させるか否かをユーザーに設定させる。これにより、処理対象画像に近似しない画像であってもユーザーの指示により回転対象とされるため、選択の自由度が増す。
なお、上記各実施形態では、ユーザーが指示する処理として、処理対象画像の属性を変更する処理のうち処理対象画像の向きを回転させる処理を実行する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、処理対象画像の属性を変更する処理として、処理対象画像の順番を入れ替える処理が挙げられる。この場合、例えば入れ替え対象の処理対象画像に対応するプレビュー画像に対し、ジェスチャー操作としてドラッグ操作(指でタッチしたまま移動させる操作)をすることにより、処理対象画像の順番が入れ替えられる。
また、処理対象画像の属性を変更する処理として、読み取った画像のサイズを変更する、すなわち画像を拡大又は縮小する処理が挙げられる。この場合、例えば処理対象画像に対応するプレビュー画像に対してピンチアウト操作(2本の指の間隔を広げる)又はピンチイン操作(2本の指の間隔を狭める)をすることにより、処理対象画像が拡大又は縮小される。
また、ユーザーが指示する処理として、処理対象画像の属性を変更する処理に限らず、処理対象画像に付加情報を追加する処理としてもよい。ここで、付加情報としては、例えばスタンプ等が挙げられるが、これに限られるものではない。
また、上記各実施形態では、画像読取部10により読み取られた画像のプレビュー画像の一覧画面が表示された場合に本発明を適用した場合について説明したが、画像形成部80により画像を形成させる前に、画像形成対象の画像のプレビュー画像の一覧画面を表示する場合や、ファクシミリ送信する際に送信対象の画像のプレビュー画像の一覧を表示させる場合にも本発明は適用される。
また、本実施形態では、画像読取部10により原稿の画像を読み取る場合について説明したが、例えばサーバから写真等の画像を順次ダウンロードし、ダウンロードした画像のプレビュー画像の一覧画面をディスプレイに表示させる場合にも本発明は適用される。
また、本実施形態では、電子写真方式の画像形成部を採用した画像形成装置について説明したが、インクジェット方式の画像形成装置にも、本発明を適用可能である。
また、上記実施の形態では、プレビュー画像の表示制御プログラムがハードディスク90に予めインストールされている場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、表示制御プログラムが、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)等の記憶媒体に格納されて提供される形態、又はネットワークを介して提供される形態としてもよい。
その他、上記実施の形態で説明した画像形成装置11の構成(図1〜3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施の形態で説明した表示制御プログラムの処理の流れ(図5参照)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。