JP2018032753A - 太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】出力向上が可能となる太陽電池モジュール用シート、及び太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】以下の特徴1〜4のうち、特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層をA層、A層よりも空隙率が低く、かつ特徴2〜4を全て備える層をB層、屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、A層及びB層を有することを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。【選択図】図1
Description
太陽電池モジュール用シート及び太陽電池モジュールに関するものである。
近年、二酸化炭素の増加による温室効果で地球の温暖化が生じることが予測され、二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーへの要求が高まっている。このような状況下で、太陽電池モジュールを利用した太陽光発電は、安全性と汎用性の高さから非常に注目されている。一般に、太陽電池モジュールは、受光面側から順に透明基板、表側封止材、光電変換を行う発電素子、裏側封止材、および太陽電池モジュール用バックシートが積層された概略構成を有する。また、隣り合う発電素子と発電素子の隙間に、反射性能に優れたシート(セル間シート)を配置して太陽電池モジュールの発電効率を向上させる技術も存在する。
太陽電池モジュール用バックシートやセル間シート(以後、両社をまとめて太陽電池モジュール用シートと呼ぶ場合もある。)は発電素子同士の間を通過した光を反射させ、この反射光が発電素子に入り込むことで太陽電池モジュールの発電効率は向上する。これまでに、太陽電池モジュールの発電効率を向上させるため、太陽電池モジュール用シートの反射性能を高めるための技術が開発されてきた。具体的には、基材とコーティング層それぞれに、粒径の異なる無機粒子を用いることで反射性能を向上させる技術(特許文献1)や、空洞を含む層を形成することにより高反射のバックシートを提供する技術(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、特許文献1や2に示すような技術により反射性能は向上するが、太陽電池モジュールの出力向上にはより反射性能に優れた太陽電池モジュール用シートが求められる。本発明はかかる従来技術を更に改良し、より反射性能に優れた太陽電池モジュール用シート、及びより高出力の太陽電池モジュールを提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、下記の構成からなる。
(1) 以下の特徴1〜4のうち、特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層をA層、A層よりも空隙率が低く、かつ特徴2〜4を全て備える層をB層、屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、A層及びB層を有することを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。
特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。
特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。
特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。
特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。
(2) 600nm以上1,000nm以下の波長領域における平均反射率が90%以上であることを特徴とする、(1)に記載の太陽電池モジュール用シート。
(3) 600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveが、以下の式1を満たすことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用シート。
式1: R70−ave/R10−ave≧0.4
(4)波長1,000nmにおける、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmが以下の式2を満たすことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
式2: R70−1000nm/R10−1000nm≧0.45
(5) 前記A層がポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シートを有し、前記B層が発電素子と前記A層の間に位置することを特徴とする、太陽電池モジュール。
(1) 以下の特徴1〜4のうち、特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層をA層、A層よりも空隙率が低く、かつ特徴2〜4を全て備える層をB層、屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、A層及びB層を有することを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。
特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。
特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。
特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。
特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。
(2) 600nm以上1,000nm以下の波長領域における平均反射率が90%以上であることを特徴とする、(1)に記載の太陽電池モジュール用シート。
(3) 600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveが、以下の式1を満たすことを特徴とする、(1)又は(2)に記載の太陽電池モジュール用シート。
式1: R70−ave/R10−ave≧0.4
(4)波長1,000nmにおける、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmが以下の式2を満たすことを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
式2: R70−1000nm/R10−1000nm≧0.45
(5) 前記A層がポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シートを有し、前記B層が発電素子と前記A層の間に位置することを特徴とする、太陽電池モジュール。
本発明により、反射性能に優れた太陽電池モジュール用シート、及び高出力の太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明の太陽電池モジュール用シートについて説明する。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、以下の特徴1〜4のうち、特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層をA層、A層よりも空隙率が低く、かつ特徴2〜4を全て備える層をB層、屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、A層及びB層を有することを特徴とする。
特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。
特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。
特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。
特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。
特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。
特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。
特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。
特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。
ここで、「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない」とは、特徴3や4を備えるか否かを問わず、特徴1を備えるが特徴2を備えないことをいう。また、「特徴2〜4を全て備える」とは、特徴1を備えるか否かを問わず、特徴2〜4を全て備えることをいう。層全体とは、一つの層の全体を意味し、太陽電池モジュール用シートに含まれる全ての層を意味するものではない。空洞とは、太陽電池モジュール用シートを厚み方向に潰さずにシート面と垂直に切断して得られる断面(以下、厚み方向断面ということがある。)における、面積が0.1μm2以上の空隙をいう。そして空隙率とは、厚み方向断面に占める空洞部分の割合をいう。空隙率は、厚み方向断面の拡大画像より、層全体の面積に占める空洞部分の面積の割合を算出することにより求めることができる。空洞部分の面積の測定には公知のイメージアナライザーを用いることができる。
太陽電池モジュール用シートの反射性能向上と製膜安定性を両立させる観点から、A層は、空洞を有し、かつ空隙率10%以上60%以下であること、すなわち、特徴1を備えることが重要である。A層の空隙率が、10%以上であることにより太陽電池モジュール用シートの反射性能が向上し、60%以下であることにより、製膜性の悪化を軽減することができる。太陽電池モジュール用シートの反射性能を向上させる観点から、A層の空隙率は15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。一方、製膜安定性の観点からは、A層の空隙率は50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましい。
なお、本発明の太陽電池モジュール用シートは、本発明の効果を損なわない限り、図1に示す例のように「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層」を一つ有していても、複数有していてもよい。太陽電池モジュール用シートが「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層」を複数有する場合においては、これらの層のうち空隙率が最も高い層の空隙率をA層の空隙率とする。
A層に空洞を形成させる方法は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されないが、例えば、A層を得るための樹脂組成物中に後述する空洞核剤を含有させ、この樹脂組成物を溶融させてシート状に吐出し、さらに冷却固化することにより得られるシート状物を延伸する方法が挙げられる。この方法においては、空洞核剤の量を増やすことや、延伸倍率を高くすることによりA層の空隙率を高くすることができる。
ここで、空洞核剤としては、例えばポリエステル樹脂と非相溶であるオレフィン系樹脂などの有機系核剤や、無機粒子やガラスビーズなどの無機系核剤が挙げられる。得られる空洞の大きさを製膜条件により調整可能という観点から、空洞核剤としては有機系核剤が好ましい。
有機系核剤としては、オレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン46、ナイロンMXD6、ナイロン6Tなどのポリアミド系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマーなどのスチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどのスーパーエンプラ、あるいはA層を構成するポリエステル樹脂と非相溶である異なる種類のポリエステル樹脂などを用いることができるが、反射性能の向上の観点から、オレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
オレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリメチルペンテンなどの脂肪族ポリオレフィン樹脂、シクロオレフィンポリマーやシクロオレフィンコポリマーなど環状ポリオレフィン樹脂などを用いることができる。中でもA層に微細な空洞を形成させて反射性能をより向上性させる観点から、ビカット軟化点が140℃以上のオレフィン系樹脂を用いることが好ましく、ビカット軟化点が180℃以上のオレフィン系樹脂を用いることがより好ましい。有機系核剤としてビカット軟化点が140℃未満のオレフィン系樹脂を用いた場合、空洞の形状が粗大化し過ぎて、太陽電池モジュール用シートの層間密着性や反射率が低下する場合がある。ここで、ビカット軟化点とは一定の試験荷重をかけて一定の速度で伝熱媒体を昇温させ、針状圧子が試験片の表面から1mm侵入したときの伝熱媒体の温度をいい、JIS K 7206(1999)に基づき測定することができる。ビカット軟化点が140℃以上のオレフィン系樹脂としては、例えばポリプロピレンや環状ポリオレフィン樹脂があり、ビカット軟化点が180℃以上のオレフィン系樹脂としては、例えばポリメチルペンテンがある。
また、A層中の空洞核剤量は、太陽電池モジュール用シートの反射性能と層間密着性を両立させる観点から、A層の全成分100質量%に対して1質量%以上30質量%以下が好ましく、より好ましくは4質量%以上15質量%以下、さらに好ましくは8質量%以上13質量%以下である。A層中の空洞核剤量が1質量%以上であることにより、太陽電池モジュール用シートの反射性能が向上し、太陽電池モジュールとしたときの出力も向上する。一方、A層中の空洞核剤量が30質量%以下であることにより、空洞形成による層間密着性の低下を軽減することができる。なお、太陽電池モジュール用シートが複数のA層を有する場合、各A層のうち空洞核剤量が最も高い層の空洞核剤量をA層の空洞核剤含有量とし、後述する分散助剤についても同様とする。
空洞核剤として有機系核剤を用いる場合、さらに分散助剤を同時に併用することが好ましい。分散助剤とは、A層を得るための樹脂組成物に混合させることにより空洞核剤の分散を促進することができる化合物の総称である。分散助剤としてはポリエーテル構造や屈曲骨格構造、嵩高いシクロヘキサン骨格構造などが共重合されたポリエステル系エラストマーや非晶性ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。分散性のさらなる向上の点からは、分散助剤を2種以上併用する態様も好ましい。
また、A層中に含まれる分散助剤量はA層を構成する全成分100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは2質量%以上8質量%以下、さらに好ましくは3質量%以上6質量%以下である。A層中の分散助剤量が1質量%以上であることにより、分散助剤としての効果十分に発揮されて過度に大きな空洞の形成が抑えられ、層間密着性の低下が軽減される。一方、分散助剤量が10質量%以下であることにより、結晶性の低下によるA層の耐湿熱性低下が軽減される。
A層は、太陽電池モジュール用シートとしたときの反射特性の観点から、層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含まないこと、すなわち、特徴2を備えないことが重要である。空洞による反射は鏡面反射成分が強く、無機フィラーによる反射は散乱成分が強い。このように空洞による反射と無機フィラーによる反射は異なる特性を有しているが、太陽電池モジュールの発電性能向上への寄与がより大きいのは鏡面反射成分である。そのため、このような態様とすることにより、空洞によって鏡面反射した光の散乱が軽減されて、太陽電池モジュールとしたときの発電性能がより向上する。
B層は、反射性能の観点から、A層よりも空隙率が低いことが重要である。このような態様とすることにより太陽電池モジュール用シートに光が入射した際に、光の反射角度を大きくすることが可能となる。B層は、A層よりも空隙率が低ければ、その空隙率については特に制限されない。但し、上記観点から、B層の空隙率は小さければ小さいほど好ましく、0%であることがより好ましい。ここで、空隙率が0%であるとは、層中に空洞が存在しないことをいう。
なお、太陽電池モジュール用シートが「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層」及び/又は「特徴2〜4を全て備える層」を複数有する場合は、「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層」のうち最も空隙率の低い層における空隙率よりも、「特徴2〜4を全て備える層」のうち最も空隙率の高い層における空隙率が低い場合に、B層はA層よりも空隙率が低いものとして扱う。
B層は、層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含むこと、すなわち、特徴2を備えることが重要である。無機フィラーとは、グラファイトやダイヤモンドなど炭素の同素体、金属炭酸塩、金属炭化物からなる粒子や、前記以外の炭素原子を含まない化合物から成る粒子をいう。フィラーには無機フィラーと有機フィラーがあるが、無機フィラーを用いることでフィラー自体の耐候性や耐熱性などが向上するため、太陽電池モジュール用シートの信頼性、耐久性も向上する。
また、層全体100体積%に対し無機フィラーを40体積%以上含むことにより、太陽電池モジュール用シートの光拡散効果が向上する。光拡散効果が向上することで、太陽電池モジュール用シートに入射した光の反射角度が大きくなる。そして、光の反射角度が大きくなることで、太陽電池モジュール用シートで反射された光が、太陽電池モジュールの受光面表面に位置するガラスなどの透明基板と空気の界面で全反射しやすくなり、その結果、発電素子に入射する光の量が増加する。それに伴い、太陽電池モジュールの発電性能も向上する。この観点から、B層は、層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを50体積%以上含むことが好ましく、60体積%以上含むことがより好ましい。B層中の無機フィラーの量の上限は、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、製膜性やチョーキングなどの観点から現実的には80体積%となる。
B層は、無機フィラーの量を抑えつつ光拡散効果を増大させる観点から、層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下であること、すなわち、特徴3を備えることが重要である。ここで無機フィラーの粒径分布の最大値とは、後述する方法で測定した無機フィラーの粒径のデータを0.2μm間隔のヒストグラムで表した際に、最も頻度が多い粒径の区間下限値のことを意味する。
無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上であることにより、太陽電池モジュール用シートとしたときの光拡散効果を大きくすることが可能となる。この観点からは、無機フィラーの粒径分布の最大値が1.0μm以上であることが好ましく、1.4μm以上であることがより好ましい。
また、無機フィラーの粒径分布の最大値が5.0μm以下であることにより、無機フィラー粒子間の隙間が減り、光の拡散に必要な無機フィラーの総量が抑えられる。この観点からは、無機フィラーの粒径分布の最大値が4.0μm以下であることが好ましく、3.0μm以下であることがより好ましい。
無機フィラーの形状は、前述した粒径分布の最大値が上記範囲にあり、かつ本発明の効果を損なわない限り特に限定されない。例えば、球状、鱗片上、平板状、及び針状など、各種形状の無機フィラーを単独で又は混合して用いることができる。
屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、B層は、層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含むこと、すなわち、特徴4を備えることが重要である。このような態様とすることにより、太陽電池モジュール用シートの拡散性能が向上する。
ここで屈折率とは、「Handbook of optical constants of solids 第1巻−5巻」(EDWARD D.PALIK 編 Academic Press 1997年 以下、参考文献1ということがある。)に記載の、室温(20℃〜30℃)におけるナトリウムD線に相当する波長589nmの屈折率の小数第2位を四捨五入した値(値が整数又は小数第1位までの場合はその値)をいう。また、参考文献1に屈折率の値が掲載されていない無機フィラーに関しては、「無機化学ハンドブック」(技報堂 1965年 以下、参考文献2ということがある。)に記載の屈折率の値を採用し、参考文献2にも数値が掲載されていない無機フィラーに関しては「フィラー活用事典」(大成社 1994年 以下、参考文献3ということがある。)に記載の屈折率の値を採用する。
なお、各参考文献において、屈折率の数値が一つの値ではなく範囲で記載されている場合は、該範囲の上限値と下限値の平均値を屈折率として採用する。ナトリウムD線に相当する波長589nmの屈折率の値が記載されていない場合は、該波長に最も近い波長における屈折率の値を屈折率とし、該波長に最も近い波長における屈折率の値が2つ存在する場合は、その平均値を屈折率とする。採用する波長において2つ以上の屈折率値が記載されている場合(粒子が異方性を有する場合)は、それらの平均値をその粒子の屈折率とする。
また、参考文献1〜3に記載の無い無機フィラーについては、無機フィラーを純水に分散した分散液を準備し、これにレーザーを照射して得られる回折・散乱光の強度分布パターンより、データ解析ソフトを用いて光強度再現法で屈折率を算出するものとする。測定装置及びデータ解析ソフトは、特に制限されず市販されているものを適宜使用することができ、例えば、測定装置としては分散レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD−2300((株)島津製作所製)等を、データ解析ソフトウエアとしてはWingSALDII((株)島津製作所製)を用いることができる。
無機フィラーXは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、屈折率が高いことに加え、電気絶縁性や耐候性、及び安定性の観点から、酸化チタン、硫化亜鉛、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、及び酸化マグネシウム等を単独で又は複数種類を混合して用いることが好ましい。さらに太陽電池モジュール用シートとしたときの耐候性も考慮すると、無機フィラーXは酸化チタンを含むことがより好ましく、酸化チタンであることがさらに好ましい。また、酸化チタンについては、例えばアナタース型酸化チタン、およびルチル型酸化チタンのような結晶型の酸化チタンを用いることが好ましく、より耐紫外線性に優れる観点から、ルチル型酸化チタンを用いることがより好ましい。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、太陽電池モジュールとしたときの発電性能を向上させる観点から、600nm以上1,000nm以下の波長領域における平均反射率が90%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましい。一般的に、受光面側から入射した太陽光の一部は発電素子と発電素子の隙間を抜けて太陽電池モジュール用シートに入射する。この際、600nm以上1,000nm以下の波長領域における平均反射率が高ければ、太陽電池モジュール用シートに入射した太陽光は透明基板側に反射して発電に寄与する。ここで、平均反射率とは、硫酸バリウムの副白板を基準とし、スリット12nm、サンプリングピッチ1nmで測定して得られる各波長の相対反射率の値の平均値をいう。A層の空隙率を高くすることや、B層の無機フィラー濃度を高く、厚みを厚くすることで、平均反射率を高くすることが可能である。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveが、以下の式1を満たすことが好ましい。
式1: R70−ave/R10−ave≧0.4
600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveは、後述する変角分光光度計により測定することができる。70度反射の反射率R70−aveが大きいことは拡散性が高いことを意味し、10度反射の反射率R10−aveが大きいことは鏡面反射が大きいことを意味する。すなわち、R70−ave/R10−aveが大きいほど拡散性が大きくなり、太陽電池モジュールとしたときの発電性能も向上する。
式1: R70−ave/R10−ave≧0.4
600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveは、後述する変角分光光度計により測定することができる。70度反射の反射率R70−aveが大きいことは拡散性が高いことを意味し、10度反射の反射率R10−aveが大きいことは鏡面反射が大きいことを意味する。すなわち、R70−ave/R10−aveが大きいほど拡散性が大きくなり、太陽電池モジュールとしたときの発電性能も向上する。
R70−ave/R10−aveを0.4以上又は上記の好ましい範囲とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えばB層における無機フィラーの粒径分布の最大値、含有量、屈折率、B層の厚みを調節する方法が挙げられる。より具体的には、B層における無機フィラーの粒径分布の最大値、含有量、屈折率、又はB層の厚みを大きくすることによりR70−ave/R10−aveを大きくすることができる。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、波長1,000nmにおける、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmが以下の式2を満たすことが好ましい。
式2: R70−1000nm/R10−1000nm≧0.45
1,000nmの波長における、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmは、後述する変角分光光度計により測定することができる。70度反射の反射率R70−1000nmが大きいことは拡散性が高いことを意味し、10度反射の反射率R10−1000nmが大きいことは鏡面反射が大きいことを意味する。すなわち、R70−1000nm/R10−1000nmが大きいほど拡散性が大きくなり、太陽電池モジュールとしたときの発電性能も向上する。
式2: R70−1000nm/R10−1000nm≧0.45
1,000nmの波長における、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmは、後述する変角分光光度計により測定することができる。70度反射の反射率R70−1000nmが大きいことは拡散性が高いことを意味し、10度反射の反射率R10−1000nmが大きいことは鏡面反射が大きいことを意味する。すなわち、R70−1000nm/R10−1000nmが大きいほど拡散性が大きくなり、太陽電池モジュールとしたときの発電性能も向上する。
R70−1000nm/R10−1000nmを0.45以上又は上記の好ましい範囲とする方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えばB層における無機フィラーの粒径分布の最大値、含有量、屈折率、B層の厚みを調節する方法が挙げられる。より具体的には、B層における無機フィラーの粒径分布の最大値、体積%、屈折率、又はB層の厚みを大きくすることによりR70−1000nm/R10−1000nmを大きくすることができる。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、A層がポリエステル樹脂を主成分とすることが好ましい。
本発明においてポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体(以下、これらを総称してジカルボン酸等ということがある。)とジオール又はその誘導体(以下、これらを総称してジオール等ということがある。)が縮重合した樹脂、一分子内にカルボキシル基と水酸基を有する化合物が縮重合した樹脂、及びこれらの2つの縮重合の組み合わせにより得られる樹脂をいう。「A層がポリエステル樹脂を主成分とする」とは、A層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、A層がポリエステル樹脂を50質量%より多く含むことをいう。なお、太陽電池モジュール用シートが「特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層」を複数有する場合においては、これらの層のうち少なくとも一つが層を構成する樹脂成分全体を100質量%としたときに、該層がポリエステル樹脂を50質量%より多く含むのであれば、「A層がポリエステル樹脂を主成分とする」に該当するものとする。
ジカルボン酸等としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、ダイマー酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸等の脂肪族ジカルボン酸類、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸などの芳香族ジカルボン酸、及びそのエステル誘導体などを単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
また、上述のジカルボン酸等の少なくとも一方のカルボキシ末端に、l−ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類およびその誘導体や該オキシ酸類が複数個連なったもの等を縮合させたジカルボキシ化合物を用いてもよい。
ジオール等としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビドなどの脂環式ジオール、ビスフェノールA、1,3−ベンゼンジメタノール,1,4−ベンセンジメタノール、9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの芳香族ジオールなどを単独で又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
また、上述のジオール等の少なくとも一方のヒドロキシ末端に上記以外の水酸基を有する化合物を縮合させて形成されるジヒドロキシ化合物も用いてもよい。
一分子内にカルボキシル基と水酸基を有する化合物の例としては、l-ラクチド、d−ラクチド、ヒドロキシ安息香酸などのオキシ酸類およびその誘導体、オキシ酸類のオリゴマー、ジカルボン酸の一方のカルボキシル基にオキシ酸が縮合したもの等が挙げられる。
A層におけるポリエステル樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、及びポリ−1,4−シクロへキシレンジメチレンテレフタレート等を単独で又は複数種類を混合して用いることができる。中でも製膜性の観点から、ポリエチレンテレフタレート及び/又はポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートを用いることが好ましく、さらに接着層との密着性も考慮すると、ポリエチレンテレフタレートを用いることがより好ましい。
ここでポリエチレンテレフタレートとは、ジオール等成分全100モル%中にエチレングリコール成分を55モル%以上100モル%以下含み、かつ、ジカルボン等酸成分全100モル%中にテレフタル酸成分を55モル%以上100モル%以下含むホモポリエステル樹脂又はコポリエステル樹脂をいう。なお、ジオール等成分とは、縮重合によりポリマー鎖中に組み込まれた成分のうちジオール等に由来するものをいい、ジカルボン酸等成分とは、縮重合によりポリマー鎖中に組み込まれた成分のうちジカルボン酸等に由来するものをいう。
A層におけるポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、太陽電池モジュール用シートとしたときの耐湿熱性向上の観点から、35当量/トン以下であることが好ましく、30当量/トン以下であることがより好ましく、25当量/トン以下であることがさらに好ましく、20当量/トン以下であることが特に好ましく、17当量/トン以下であることが最も好ましい。ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量の下限は、接着層との密着性の観点から、7当量/トンであることが好ましく、11量/トンであることがより好ましい。末端カルボキシル基量が7当量/トン未満であると表面の極性末端基が不足し、A層やB層と接着層との密着強度が低下する場合がある。なお、ここで末端カルボキシル基量とは、M.J. Maulice, F. Huizinga, Anal.Chim.Acta,22 363(1960)に記載の方法に準じて測定したものをいう。
A層におけるポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量を上記好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、重合時の温度や固相重合の時間を調節する方法が挙げられる。より具体的には、重合時の温度を高くすることで末端カルボキシル基量を増加させることができ、固相重合の時間を長くすることで末端カルボキシル基量を減少させることができる。
A層におけるポリエステル樹脂の固有粘度(IV)は、0.63dl/g以上0.80dl/g以下であることが好ましく、より好ましくは0.65dl/g以上0.80dl/g以下、さらに好ましくは0.67dl/g以上0.80dl/g以下である。ポリエステル樹脂の固有粘度が0.63dl/g未満であると、A層やB層と接着層との密着性や、各層の耐湿熱性が低下することがあり、一方、0.80dl/gを超えると、ポリエステル樹脂の押出性が悪くなることがある。すなわち、A層におけるポリエステル樹脂の固有粘度を0.63dl/g以上0.80dl/g以下とすることで、層間密着性、耐湿熱性、及び加工性が向上する。なお、ここで固有粘度とは、オルトクロロフェノールに固形分が完全になくなるまで溶解させ、その溶液の25℃での粘度をオストワルド粘度計により測定して得られる固有粘度をいう。
A層におけるポリエステル樹脂の固有粘度を上記好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、重合時の温度や固相重合の時間を調節する方法が挙げられる。より具体的には、固相重合時の温度を高く、時間を短くすることで固有粘度を減少させることができ、固相重合時の温度を低く、時間を長くすることで固有粘度を増加させることができる。
A層におけるポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、8,000〜40,000であることが好ましく、より好ましくは9,000〜30,000、さらに好ましくは10,000〜20,000である。ポリエステル樹脂の数平均分子量が8,000に満たないと、太陽電池モジュール用シートとしたときの耐湿熱性、耐熱性、及び耐久性が低下することがあり、一方、40,000を超えると、重合が困難であり、重合できたとしてもその押出性が悪くなることがある。なお、ここで数平均分子量とは、GPC法により測定して得られる数平均分子量をいう。
A層におけるポリエステル樹脂の数平均分子量を上記好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、重合時の温度や固相重合の時間を調節する方法が挙げられる。より具体的には、固相重合時の温度を高く、時間を短くすることで数平均分子量を減少させることができ、固相重合時の温度を低く、時間を長くすることで固有粘度を増加させることができる。
A層におけるポリエステル樹脂には、前記空洞核剤、無機粒子以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、有機系/無機系の易滑剤、有機系/無機系の微粒子、充填剤、核剤、染料、カップリング剤等の添加剤を一種類以上含有してもよい。例えば、紫外線吸収剤を含有することにより、紫外線によるポリエステル樹脂の劣化が軽減され、太陽電池モジュール用シートの耐紫外線性が向上する。また、帯電防止剤を含有することにより、太陽電池モジュール用シートの絶縁性が向上する。
本発明の太陽電池モジュール用シートのA層の厚みは、太陽電池モジュール用シートの反射率を向上させる観点から、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。A層の厚みの上限値は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、400μmより大きくしても太陽電池モジュール用シートの反射率は一定以上増加しないことから、400μmあれば十分である。
本発明の太陽電池モジュール用シートのB層の主成分は、無機フィラーを含有できる成分であれば本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、A層と同様のポリエステル樹脂や、ポリウレタン樹脂、エチレンビニルアセテート共重合体、及び前述のオレフィン系樹脂などを用いることができる。中でも無機フィラーの充填率を高くすることが可能であるオレフィン系樹脂、ポリウレタン樹脂が好ましく、ポリウレタン樹脂が好ましい。ここでいう主成分とは、層中の樹脂成分全体100質量%に対し層中に50質量%以上含まれる成分を意味する。
ここで、ポリウレタン樹脂とは、イソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する化合物から得られた重合体の総称である。イソシアネート基を有する化合物としては、トリメチレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、メチレンビス(4、1−フェニレン)−ジイソシアネート(MDI)、3−イソシアネートメチル−3、5、5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)等のジイソシアネートや、これらジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、これらジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート体、これらジイソシアネートのビューレット結合体、ポリメリックジイソシアネートなどがあるが、これらの中でも色調の観点からヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。水酸基を有する化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオール、フッ素系ポリオールなどがあるが、耐湿熱性、耐候性の観点からポリアクリルポリオール、フッ素系ポリオールが好ましい。
B層の厚みは、太陽電池モジュール用シートとしたときの光拡散性と加工性の観点から、1μm以上25μm以下であることが好ましく、2μm以上15μm以下であることがより好ましい。B層の厚みを1μm以上とすることで拡散性が向上し、25μm以下とすることで太陽電池モジュール用シートの加工性が向上する。B層の厚みとは、太陽電池モジュール用シートのB層の厚み方向の長さをいい、これは電界放射型走査電子顕微鏡で撮影した画像を測長することにより測定することができる。
本発明の太陽電池モジュール用シートは全体厚みが51μm以上425μm以下であることが好ましく、100μm以上400μm以下がより好ましい。全体厚みを51μm以上とすることで、反射率、ハンドリング性が向上し、400μm以下することで太陽電池モジュール用シートの巻き径が小さくなり、製品ロール1本あたりに巻き取ることができるシートの長さが長くなることで太陽電池モジュールの生産性を向上することが可能となる。
本発明の太陽電池モジュール用シートは、A層やB層以外の層を機能層として有することも可能である。例えば、封止材との密着性を強化する密着層、水蒸気バリア層として機能するシリカやアルミナなどの無機蒸着層や金属層、及び耐候性層として機能するフッ素樹脂層やポリエステル樹脂層などを発明の効果を損なわない範囲で有してもよい。それぞれの機能層は、例えば、ドライラミネート接着剤を使用して各層を積層するドライラミネート法、本発明のA層やB層に直接積層する溶融ラミネート法や共押出法など、従来公知の手段を用いて積層する事が可能である。
次に、A層がポリエステル樹脂を主成分とする単層、かつB層がウレタン樹脂を主成分とする層である態様を例として、本発明の太陽電池モジュール用シートの製造方法について説明する。これは本発明の太陽電池モジュール用シートの一例であり、本発明の太陽電池モジュール用シートは、かかる例によって得られる物のみに限定されない。
まず、ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸もしくはそのエステル誘導体と、ジオールを周知の方法でエステル交換反応、もしくはエステル化反応させることによって得ることができる。これらの反応においては、公知の触媒、例えば、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物、亜鉛化合物、鉛化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、アルミニウム化合物、アンチモン化合物、チタン化合物、及びリン化合物などを用いることが好ましく、重合触媒としてアルカリ金属化合物、マンガン化合物、アンチモン化合物またはゲルマニウム化合物、チタン化合物を用いることが好ましい。太陽電池モジュール用シートとしたときの層間密着性をより高める観点からは、ナトリウム化合物、マンガン化合物を用いることがより好ましい。触媒の添加方法については、本発明の効果を損なわない限り特に制限はないが、例えば、マンガン化合物を用いる場合は、そのまま添加することが好ましい。
また、ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基量は、重合時の温度や、ポリエステル樹脂を重合した後、190℃以上ポリエステル樹脂の融点未満の温度で、減圧または窒素ガスのような不活性気体の流通下で加熱する、いわゆる固相重合の時間によってコントロールすることができる。具体的には重合時の温度が高くなると末端カルボキシル基量が増加し、固相重合の時間を長くすると末端カルボキシル基量が低下する。
本発明のポリエステル樹脂に空洞核剤や無機粒子などを含有させる方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、成分の熱劣化を軽減する観点から、ベント式二軸混練押出機やタンデム型押出機を用いて予め原料を溶融混練して作製したマスターペレットをブレンドする方法が好ましい。この際、マスターペレットは熱履歴を受けるため少なからず熱劣化が進行する懸念がある。そのため、より高濃度で空洞核剤や無機粒子を含有するマスターペレットを作製し、それらを混合希釈して用いる方法がより好ましい。
本発明のポリエステル樹脂を使用した層の製膜方法は、層を構成する全成分100質量%に対してポリエステル樹脂を50質量%以上含有するように調整した原料を押出機内で加熱溶融し、口金から冷却したキャストドラム上に押出してシート状に加工する方法(溶融キャスト法)を使用することができる。
次いで、押し出されたシート状物をキャストドラムで冷却して無配向シートを得る。キャストドラムの温度は主成分となるポリエステル樹脂の種類にもよるが、80℃以下であることが好ましく、より好ましくは70℃以下、さらに好ましくは60℃以下である。キャストドラムの温度が80℃を超えると、ポリエステル樹脂の結晶化が進行しすぎて後述する延伸時に破れが発生する場合がある。キャストドラムの温度の下限はキャストドラムに結露が発生しない温度であれば特に制限は無く、30℃あれば十分である。
続いて得られた無配向シートを70〜140℃の温度に加熱されたロール群に導き、シートの進行方向(以下、長手方向ということがある。)に延伸し、20〜50℃の温度のロール群で冷却する。続いて、シートの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、80〜150℃の温度に加熱された雰囲気中で、長手方向及び厚み方向に垂直な方向(以下、幅方向ということがある。)に延伸し、二軸配向シートを得る。この際、延伸倍率は面倍率で2倍以上30倍以下の倍率であることが好ましく、より好ましくは4倍以上25倍以下、さらに好ましくは6倍以上20倍以下である。前記の倍率で延伸することにより二軸配向シートとすることができ、耐湿熱性が向上する。面倍率が2倍に満たない場合、耐湿熱性が劣る場合がある。一方で面倍率が30倍を超えると製膜機械への負荷が大きくなりすぎることがある。
さらに長手方向と幅方向の延伸倍率の差は4倍以下が好ましく、より好ましくは2倍以下、更に好ましくは1倍以下である。前記の延伸倍率の差が4倍を超えると製膜機械への負荷が大きくなりすぎることがある。
すなわち、長手方向と幅方向の延伸倍率の差を4倍以下、面倍率を2倍以上30倍以下の条件で無配向シートを二軸延伸することで、耐湿熱性や加工性に優れたポリエステル樹脂シートを容易に得ることができる。
続いて二軸延伸後にテンター内で熱固定を行う。この時の設定温度は150℃以上250℃以下が好ましく、より好ましくは170℃以上230℃以下、さらに好ましくは180℃以上220℃以下である。熱固定を150℃未満で行った場合、太陽電池モジュール用シート用フィルムの熱寸法安定性が低下し、バックシート加工時にカール等の問題が発生することがある。一方で250℃を超える温度で熱固定を行った場合、フィルム内の配向が小さくなり、シートの耐湿熱性が低下することがある。
このようにして得られたA層に、B層としてウレタン樹脂を主成分とする層を形成するための塗料を調合し、当該塗料をロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、およびその他のコート法、あるいは印刷法等から適宜選択されたコーティング法によって所望の厚みのB層を形成させることができる。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池モジュール用シートを有することが重要である。本発明の太陽電池モジュール用シートは反射性能に優れており、本発明の太陽電池モジュール用シートを有することで太陽電池モジュールの出力が向上する。
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の太陽電池モジュール用シートを有することが重要である。本発明の太陽電池モジュール用シートは反射性能に優れており、本発明の太陽電池モジュール用シートを有することで太陽電池モジュールの出力が向上する。
また、本発明の太陽電池モジュールは、B層が発電素子とA層の間に位置することが重要である。このような態様とすることにより、A層で反射した光がB層で拡散され、太陽電池モジュールの発電効率が向上する。ここで、「B層が発電素子とA層の間に位置する」とは、受光面と垂直かつ発電素子を含む面で太陽電池モジュールを切断したときに、発電素子とB層、B層とA層の間に層が存在するか否かにかかわらず、受光面側から発電素子、B層、及びA層がこの順に位置することをいう。
次に、本発明の太陽電池モジュールの一例について、図面を参照しながら説明する。本発明の一実施態様に係る太陽電池モジュールを受光面と垂直かつ発電素子を含む面で切断したときの断面図を図2に示す。電気を取り出すリード線(図2には示していない)を接続した発電素子7を、エチレンビニルアセテート共重合体(EVA)などの透明な樹脂を主成分とする表側封止材4及び裏側封止材5で封止したものの片面にガラスなどの透明基板6を、その反対側の面に太陽電池モジュール用シート1を貼り合わせた構成を有する。このとき太陽電池モジュール用シートはA層2がB層3と裏側封止材の間に位置するように配置することが、太陽電池モジュール用シート1の地面からの反射光による劣化を防ぐ点で好ましい。
発電素子は、太陽光の光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、結晶シリコン系、多結晶シリコン系、微結晶シリコン系、アモルファスシリコン系、銅インジウムセレナイド系、化合物半導体系、色素増感系など、目的に応じて任意の素子を、所望する電圧あるいは電流に応じて複数個を直列または並列に接続して使用することができる。透光性を有する透明基板は太陽電池モジュールの最表層に位置するため、高透過率の他に、高耐候性、高耐汚染性、高機械強度特性を有する透明材料が使用される。
本発明の太陽電池モジュールにおいて、透光性を有する透明基板は上記特性と満たせばいずれの材質をも用いることができ、その例としてはガラス、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)、ポリフッ化ビニリデン樹脂などのフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく挙げられる。
ガラスの場合、強化されているものを用いるのがより好ましい。また樹脂製の透光基材を用いる場合は、機械的強度の観点から、上記樹脂を一軸または二軸に延伸したものも好ましく用いられる。また、これら透明基板には発電素子の封止材料であるEVA樹脂などとの接着性を付与するために、表面に、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、易接着処理を施すことも好ましい。
発電素子を封止するための表側封止材、裏側封止材は、発電素子の表面の凹凸を樹脂で被覆し固定し、外部環境から発電素子を保護し、電気絶縁の目的の他、透光性を有する基材やバックシートと発電素子に接着するため、透明性、耐候性、接着性、及び耐熱性に優れた材料が使用される。その例としては、EVA、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、アイオノマー樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、およびこれらの混合物などが好ましく用いられる。
以上のように、本発明の太陽電池モジュール用シートを太陽電池モジュールに搭載することにより、従来の太陽電池モジュールと比べて太陽電池モジュールの発電性能を向上させることが可能となる。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
〔特性の測定方法および評価方法〕
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(各フィルムの物性評価方法)
貼り合わせて太陽電池モジュール用シートとする前の各フィルムの特性について、以下の方法により評価した。
貼り合わせて太陽電池モジュール用シートとする前の各フィルムの特性について、以下の方法により評価した。
(1)各層の厚み及びフィルムの全体厚み
太陽電池モジュール用シートの各層として用いるフィルム(後述)の上に、幅方向と平行に線を引き、その上における点を任意に10個選定した。次いで、これらの点において、フィルムを厚み方向に潰すことなく、ミクロトームを用いてフィルム面と垂直な面で切断した。このようにして得られた切断面を、日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて厚み方向全体が観察できる最大の倍率で観察し、その画像を電子機器に取り込み、その測長機能を用いて各層の厚み及びフィルムの全体厚みを測定した。10点の測定値の平均値をそれぞれ各層の厚み及びフィルムの全体厚みとした。
太陽電池モジュール用シートの各層として用いるフィルム(後述)の上に、幅方向と平行に線を引き、その上における点を任意に10個選定した。次いで、これらの点において、フィルムを厚み方向に潰すことなく、ミクロトームを用いてフィルム面と垂直な面で切断した。このようにして得られた切断面を、日立製作所製電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)S−800を用いて厚み方向全体が観察できる最大の倍率で観察し、その画像を電子機器に取り込み、その測長機能を用いて各層の厚み及びフィルムの全体厚みを測定した。10点の測定値の平均値をそれぞれ各層の厚み及びフィルムの全体厚みとした。
(2)A層の空隙率
「(1)各層の厚み及びフィルムの全体厚み」の項で電子機器に取り込んだ画像より、各層における空洞部分のみを透明なフィルム上にトレースした。次いで、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:“ルーゼックス”(登録商標)IID)を用いて各層における空洞面積を測定し、観察画像内の各層に相当する部分の面積との比を算出した。なお、面積が0.1μm2に達していない空洞は存在しないものとして扱った。測定は10点で行い、10点の測定値の平均値を各層の空隙率とし、その最大値をA層の空隙率とした。
「(1)各層の厚み及びフィルムの全体厚み」の項で電子機器に取り込んだ画像より、各層における空洞部分のみを透明なフィルム上にトレースした。次いで、イメージアナライザー(ニレコ株式会社製:“ルーゼックス”(登録商標)IID)を用いて各層における空洞面積を測定し、観察画像内の各層に相当する部分の面積との比を算出した。なお、面積が0.1μm2に達していない空洞は存在しないものとして扱った。測定は10点で行い、10点の測定値の平均値を各層の空隙率とし、その最大値をA層の空隙率とした。
(3)B層の無機フィラー体積%の測定
事前に1mm×1mm以下のサイズとしたB層を、その合計の質量がそれぞれ10gとなるように計り取って耐熱るつぼに入れ、耐熱るつぼを含む質量(熱分解前の質量)を測定した。その後、耐熱るつぼを800℃のオーブンに入れて酸素が十分に供給される条件下で樹脂成分の熱分解を行い、全ての樹脂が熱分解した後の耐熱るつぼを含む質量(熱分解後の質量)を測定した。得られた熱分解前後の質量の差を算出し、これを無機フィラーを除いたB層の質量とした。そして、耐熱るつぼに入れたB層の質量(10g)より無機フィラーを除いたB層の質量を差し引き、得られた値を無機フィラーの質量とした。
事前に1mm×1mm以下のサイズとしたB層を、その合計の質量がそれぞれ10gとなるように計り取って耐熱るつぼに入れ、耐熱るつぼを含む質量(熱分解前の質量)を測定した。その後、耐熱るつぼを800℃のオーブンに入れて酸素が十分に供給される条件下で樹脂成分の熱分解を行い、全ての樹脂が熱分解した後の耐熱るつぼを含む質量(熱分解後の質量)を測定した。得られた熱分解前後の質量の差を算出し、これを無機フィラーを除いたB層の質量とした。そして、耐熱るつぼに入れたB層の質量(10g)より無機フィラーを除いたB層の質量を差し引き、得られた値を無機フィラーの質量とした。
得られた無機フィラーの焼成物について、JIS K0061:2001に記載の比重測定方法により比重を確認し、比重と無機フィラー質量の関係から無機フィラー体積を算出した。
同様にして、無機フィラー以外の比重と無機フィラー以外の質量を求め、両者の関係から無機フィラー以外の体積を算出した。
それぞれ得られた無機フィラー体積と無機フィラー以外の体積から、以下式に従い、無機フィラー体積%を算出した。得られた値の小数点第一位を四捨五入し、無機フィラー体積%とした。
無機フィラー体積% = (無機フィラー体積/(B層の体積))×100
(4)無機フィラー最大粒径
「(1)各層の厚み及びフィルムの全体厚み」の項で観察した場合と同様にして、5,000〜10,000倍の範囲から任意に選択した倍率でFE−SEMにより切断面を観察し、その画像を画像解析用の機器に取り込み、機器の測長機能により各無機フィラー粒子の最大長さの測定を行った。100個の無機フィラー粒子の最大長さを測定し、得られた値を1区間が0.2μmであるヒストグラムに表し、の頻度が最大の粒径を無機フィラー最大粒径とした。ここで、無機フィラー粒子の最大長さとは、無機フィラー粒子の輪郭上に、その距離が最も大きくなるように取った2点間の距離をいう。
無機フィラー体積% = (無機フィラー体積/(B層の体積))×100
(4)無機フィラー最大粒径
「(1)各層の厚み及びフィルムの全体厚み」の項で観察した場合と同様にして、5,000〜10,000倍の範囲から任意に選択した倍率でFE−SEMにより切断面を観察し、その画像を画像解析用の機器に取り込み、機器の測長機能により各無機フィラー粒子の最大長さの測定を行った。100個の無機フィラー粒子の最大長さを測定し、得られた値を1区間が0.2μmであるヒストグラムに表し、の頻度が最大の粒径を無機フィラー最大粒径とした。ここで、無機フィラー粒子の最大長さとは、無機フィラー粒子の輪郭上に、その距離が最も大きくなるように取った2点間の距離をいう。
(5)無機フィラーXの屈折率
無機フィラーXの屈折率を確認するため、「(3)B層の無機フィラー体積%の測定」で得られた熱分解後の生成物を用いて、JIS K0131:1996に記載のX線回折法により得られたスペクトルから無機フィラーの同定を行った。同定された無機フィラー成分について、「Handbook of optical constants of solids 第1巻−5巻」(EDWARD D.PALIK 編 Academic Press 1997年 以下、参考文献1ということがある。)に記載の、室温(20℃〜30℃)におけるナトリウムD線に相当する波長589nmの屈折率の小数第2位を四捨五入した値(値が整数又は小数第1位までの場合はその値)を無機フィラーの屈折率とした。また、参考文献1に数値が掲載されていない無機フィラーに関しては、「無機化学ハンドブック」(技報堂 1965年)に記載の値を採用した。各参考文献において、屈折率の数値が一つの値ではなく範囲で記載されている場合は、該範囲の上限値と下限値の平均値を屈折率として採用した。上記の方法で得られた屈折率の値が1.6以上の無機フィラーを無機フィラーXとし、その屈折率の値を無機フィラーXの屈折率とした。
無機フィラーXの屈折率を確認するため、「(3)B層の無機フィラー体積%の測定」で得られた熱分解後の生成物を用いて、JIS K0131:1996に記載のX線回折法により得られたスペクトルから無機フィラーの同定を行った。同定された無機フィラー成分について、「Handbook of optical constants of solids 第1巻−5巻」(EDWARD D.PALIK 編 Academic Press 1997年 以下、参考文献1ということがある。)に記載の、室温(20℃〜30℃)におけるナトリウムD線に相当する波長589nmの屈折率の小数第2位を四捨五入した値(値が整数又は小数第1位までの場合はその値)を無機フィラーの屈折率とした。また、参考文献1に数値が掲載されていない無機フィラーに関しては、「無機化学ハンドブック」(技報堂 1965年)に記載の値を採用した。各参考文献において、屈折率の数値が一つの値ではなく範囲で記載されている場合は、該範囲の上限値と下限値の平均値を屈折率として採用した。上記の方法で得られた屈折率の値が1.6以上の無機フィラーを無機フィラーXとし、その屈折率の値を無機フィラーXの屈折率とした。
なお、上記文献にナトリウムD線に相当する波長589nmの屈折率の値が記載されていない場合は、該波長に最も近い波長における屈折率の値の小数第2位を四捨五入した値を無機フィラーの屈折率とした。また、屈折率が1.6以上の無機フィラーが複数存在する場合は、これらの無機フィラーの屈折率のうち最も低い値を無機フィラーXの屈折率とした。
(6)無機フィラーに占める無機フィラーXの体積比
「(5)無機フィラーXの屈折率」で特定した無機フィラーXについて、JIS K0131:1996のX線回折法を用いて無機フィラーXの体積%別の検量線を作成した。本検量線と(5)で得られたスペクトルデータから、無機フィラーに占める無機フィラーXの体積比を算出した。尚、無機フィラーXが複数の無機フィラーである場合、これらを合算して無機フィラーXの体積比を算出した。
「(5)無機フィラーXの屈折率」で特定した無機フィラーXについて、JIS K0131:1996のX線回折法を用いて無機フィラーXの体積%別の検量線を作成した。本検量線と(5)で得られたスペクトルデータから、無機フィラーに占める無機フィラーXの体積比を算出した。尚、無機フィラーXが複数の無機フィラーである場合、これらを合算して無機フィラーXの体積比を算出した。
(太陽電池モジュール用シートの特性評価方法)
太陽電池モジュール用シートの特性について、以下の方法により評価した。
太陽電池モジュール用シートの特性について、以下の方法により評価した。
(7)平均反射率
太陽電池モジュール用シートを5cm×5cmで切り出した。島津製作所製分光光度計(UV−3600Plus UV−VIS−NIR Spectrophotometer)に付属の積分球を用いた基本構成で600nm〜1,000nmにおける各波長の反射率の測定を行った。測定は、装置付属の硫酸バリウムの副白板を基準とし、測定条件としてスリットは12nm、サンプリングピッチは1nm、スキャンスピードは高速とした。また、測定光の入射面が裏側封止材と接する側となるようにサンプルを配置して測定した。得られた各波長の相対反射率の値の平均値を、波長600nm〜1,000nmにおける平均反射率とした。平均反射率の測定結果から、平均反射率を以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:平均反射率が95%以上
B:平均反射率が90%以上95%未満
C:平均反射率が90%未満
(8)R70−ave/R10−ave
「(7)平均反射率」と同様の装置で角度可変絶対反射測定装置を使用して、R70−aveを測定した概念図を図3に示す。図3に示すように、入射光に対し垂直にサンプルをセットし、当該装置の受光器9を70°の位置とした場合の600nm〜1,000nmにおける平均反射率R70−ave、同じく10°における平均反射率R10−aveを測定した。得られたR70−ave/R10−aveの結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:0.45≦R70−ave/R10−ave
B:0.4≦R70−ave/R10−ave<0.45
C:R70−ave/R10−ave<0.4
(9)R70−1000nm/R10−1000nm
測定波長を変更した以外は「(8)R70−ave/R10−ave」と同様にして、太陽電池モジュール用シートに垂直に入射した光に対する70°における1,000nmの平均反射率R70−1,000nm、同じく10°における平均反射率R10−1,000nmを測定した。得られたR70−1000nm/R10−1000nmの結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:0.50≦R70−1,000nm/R10−1,000nm
B:0.45≦R70−1,000nm/R10−1,000nm<0.50
C:R70−1,000nm/R10−1,000nm<0.45
(10)太陽電池モジュールIsc.向上率
多結晶シリコン型太陽電池素子T1M17203L(Tainergy社製))の表面と裏面の銀電極部分に、フラックスH−722(HOZAN社製)をディスペンサーで塗布し、表面と裏面の銀電極の上に、155mmの長さに切断した配線材銅箔SSA−SPS0.2×1.5(20)(日立電線社製)を、表面側の太陽電池素子の片端から10mm離れたところが配線材の端に、そして裏面側は表面側と対称になるように乗せ、太陽電池素子裏面側から半田ごてを接触させて表面と裏面を同時に半田溶着し、1セルストリングスを作製した。
太陽電池モジュール用シートを5cm×5cmで切り出した。島津製作所製分光光度計(UV−3600Plus UV−VIS−NIR Spectrophotometer)に付属の積分球を用いた基本構成で600nm〜1,000nmにおける各波長の反射率の測定を行った。測定は、装置付属の硫酸バリウムの副白板を基準とし、測定条件としてスリットは12nm、サンプリングピッチは1nm、スキャンスピードは高速とした。また、測定光の入射面が裏側封止材と接する側となるようにサンプルを配置して測定した。得られた各波長の相対反射率の値の平均値を、波長600nm〜1,000nmにおける平均反射率とした。平均反射率の測定結果から、平均反射率を以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:平均反射率が95%以上
B:平均反射率が90%以上95%未満
C:平均反射率が90%未満
(8)R70−ave/R10−ave
「(7)平均反射率」と同様の装置で角度可変絶対反射測定装置を使用して、R70−aveを測定した概念図を図3に示す。図3に示すように、入射光に対し垂直にサンプルをセットし、当該装置の受光器9を70°の位置とした場合の600nm〜1,000nmにおける平均反射率R70−ave、同じく10°における平均反射率R10−aveを測定した。得られたR70−ave/R10−aveの結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:0.45≦R70−ave/R10−ave
B:0.4≦R70−ave/R10−ave<0.45
C:R70−ave/R10−ave<0.4
(9)R70−1000nm/R10−1000nm
測定波長を変更した以外は「(8)R70−ave/R10−ave」と同様にして、太陽電池モジュール用シートに垂直に入射した光に対する70°における1,000nmの平均反射率R70−1,000nm、同じく10°における平均反射率R10−1,000nmを測定した。得られたR70−1000nm/R10−1000nmの結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:0.50≦R70−1,000nm/R10−1,000nm
B:0.45≦R70−1,000nm/R10−1,000nm<0.50
C:R70−1,000nm/R10−1,000nm<0.45
(10)太陽電池モジュールIsc.向上率
多結晶シリコン型太陽電池素子T1M17203L(Tainergy社製))の表面と裏面の銀電極部分に、フラックスH−722(HOZAN社製)をディスペンサーで塗布し、表面と裏面の銀電極の上に、155mmの長さに切断した配線材銅箔SSA−SPS0.2×1.5(20)(日立電線社製)を、表面側の太陽電池素子の片端から10mm離れたところが配線材の端に、そして裏面側は表面側と対称になるように乗せ、太陽電池素子裏面側から半田ごてを接触させて表面と裏面を同時に半田溶着し、1セルストリングスを作製した。
次に、作製した1セルストリングスのセルから飛び出している前記の配線材の長手方向と、180mmに切断した取り出し電極「日立電線社製銅箔A−SPS0.23×6.0」の長手方向が垂直になるよう置き、前記の配線材と取り出し電極が重なる部分に前記のフラックスを塗布して半田溶着を行い、取り出し電極付きストリングスを作製した。この時点において、JIS C8914:2005の基準状態に準じて短絡電流の測定を実施し、発電素子単体の発電性能とした。
次に、カバー材として190mm×190mmのガラス(旭硝子社製太陽電池用3.2mm厚白板熱処理ガラス)と、表側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)と、発電素子単体の発電性能評価を実施した取り出し電極付きストリングスと、裏側封止材として190mm×190mmのエチレンビニルアセテート(サンビック社製封止材0.5mm厚)と、拡散層がエチレンビニルアセテートと反射層の間に位置する向きになるよう設置された190mm×190mmに裁断したバックシートの順に積層し、該ガラスを真空ラミネータの熱板と接触するようにセットし、熱板温度145℃、真空引き4分、プレス時間1分、および保持時間10分の条件で真空ラミネートを行い、太陽電池モジュールを得た。このとき、取り出し電極付き1セルストリングスはガラス面が太陽電池素子の表面側になるようにセットした。得られた太陽電池モジュールを、JIS C8914:2005の基準状態に準じて測定した短絡電流の測定を実施し、モジュール化後の発電性能とした。
このようにして得られた発電素子単体の発電性能と太陽電池モジュール化後の発電性能から、次の式に従い、モジュールIsc.向上率を算出した。
モジュールIsc.向上率(%)=(モジュール化後の発電性能/発電素子単体の発電性能−1)×100(%)
得られたモジュールIsc.向上率の結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:6.4%≦モジュールIsc.向上率
B:6.0%≦モジュールIsc.向上率<6.4%
C:モジュールIsc.向上率<6.0%
〔A層として用いたフィルム〕
[A−1]
P1層として、ポリエチレンテレフタレートのチップを、180℃の温度で3時間真空乾燥した後、280℃の温度に加熱された押出機Aに供給した。一方、P2層として、ポリエチレンテレフタレートを93質量%と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合物(PBT/PTMG、商品名:東レデュポン社製“ハイトレル”(登録商標))を1質量%と、全ジカルボン酸単位100質量%に対しイソフタル酸を10mol%、及び全ジオール単位100質量%に対し分子量1,000のポリエチレングリコールを5mol%が共重合されたポリエチレンテレフタレート共重合体(PET/I/PEG)を1質量%と、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテン3質量%とを、調整混合し、180℃の温度で3時間乾燥させた後、280℃の温度に加熱された押出機Bに供給した。押出機に供給したこれらのポリマーを、層構成がP1層/P2層/P1層、厚み比(P1層:P2層:P1層)が10:130:10となるように積層装置を通して積層し、Tダイからシート状に吐出させた。さらに、このシート状物を、表面温度が25℃の冷却ドラムで冷却固化して得られた未延伸フィルムを、90℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、21℃の温度のロール群で冷却した。続いて、このようにして得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、120℃の温度に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後、テンター内で200℃の温度の熱固定を行い、均一に徐冷後、25℃まで冷却して、厚み150μmのPETフィルムA−1を得た。
モジュールIsc.向上率(%)=(モジュール化後の発電性能/発電素子単体の発電性能−1)×100(%)
得られたモジュールIsc.向上率の結果から以下の基準で評価し、A、Bを合格とした。
A:6.4%≦モジュールIsc.向上率
B:6.0%≦モジュールIsc.向上率<6.4%
C:モジュールIsc.向上率<6.0%
〔A層として用いたフィルム〕
[A−1]
P1層として、ポリエチレンテレフタレートのチップを、180℃の温度で3時間真空乾燥した後、280℃の温度に加熱された押出機Aに供給した。一方、P2層として、ポリエチレンテレフタレートを93質量%と、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールの共重合物(PBT/PTMG、商品名:東レデュポン社製“ハイトレル”(登録商標))を1質量%と、全ジカルボン酸単位100質量%に対しイソフタル酸を10mol%、及び全ジオール単位100質量%に対し分子量1,000のポリエチレングリコールを5mol%が共重合されたポリエチレンテレフタレート共重合体(PET/I/PEG)を1質量%と、非相溶ポリマーとしてポリメチルペンテン3質量%とを、調整混合し、180℃の温度で3時間乾燥させた後、280℃の温度に加熱された押出機Bに供給した。押出機に供給したこれらのポリマーを、層構成がP1層/P2層/P1層、厚み比(P1層:P2層:P1層)が10:130:10となるように積層装置を通して積層し、Tダイからシート状に吐出させた。さらに、このシート状物を、表面温度が25℃の冷却ドラムで冷却固化して得られた未延伸フィルムを、90℃の温度に加熱されたロール群に導き、長手方向に3.4倍縦延伸し、21℃の温度のロール群で冷却した。続いて、このようにして得られた一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンターに導き、120℃の温度に加熱された雰囲気中で長手に垂直な方向に3.6倍横延伸した。その後、テンター内で200℃の温度の熱固定を行い、均一に徐冷後、25℃まで冷却して、厚み150μmのPETフィルムA−1を得た。
[A−2〜A−7、A−10、A−11]
組成を表1に示すとおりとした以外はA−1と同様にしてA−2〜A−7、A−10、及びA−11のPETフィルムを得た。
組成を表1に示すとおりとした以外はA−1と同様にしてA−2〜A−7、A−10、及びA−11のPETフィルムを得た。
[A−8、A−9、A−12]
厚みを表1に記載のとおりとした以外A−1と同様にして、A−8、A−9、及びA−12のPETフィルムを得た。
厚みを表1に記載のとおりとした以外A−1と同様にして、A−8、A−9、及びA−12のPETフィルムを得た。
組成の「質量%」は各層を構成する全成分を100質量%としたときの値を記載した。
[B層]
[B−1塗料]
(株)日本触媒製のアクリル系コーティング剤である“ハルスハイブリット”(登録商標)ポリマー UV−G301(固形分濃度:40質量%)を17.5質量部、可塑剤としてDIC(株)製ポリエステル系可塑剤“ポリサイザー”(登録商標)W−220ELを4.0質量部、溶媒として酢酸エチルを33.4質量部添加して、固形分濃度が20質量%であるB−1層形成用主剤を得た。
[B−1塗料]
(株)日本触媒製のアクリル系コーティング剤である“ハルスハイブリット”(登録商標)ポリマー UV−G301(固形分濃度:40質量%)を17.5質量部、可塑剤としてDIC(株)製ポリエステル系可塑剤“ポリサイザー”(登録商標)W−220ELを4.0質量部、溶媒として酢酸エチルを33.4質量部添加して、固形分濃度が20質量%であるB−1層形成用主剤を得た。
上記のようにして得られた主剤に、ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂である住化バイエルウレタン(株)製“デスモジュール”(登録商標)N3300(固形分濃度:100質量%)を、前記の樹脂層形成用主剤との質量比が55:4(主剤:ヌレート型ヘキサメチレンジイソシアネート樹脂)となるように配合して15分間攪拌することによりB−1塗料用ベース樹脂組成物を得た。
次いで、得られたベース樹脂組成物と酸化アルミニウムを主成分とするフィラー(昭和電工株式会社社製 CB−P02 以下、F−1ということがある。)を体積比が1:1となるように混合し、ビーズミル機を用いて樹脂組成物中にF−1を分散させた。その後、得られた混合物に、希釈剤として酢酸エチルを固形分濃度が20質量%となるよう添加し、B−1塗料を得た。
[B−2〜B−20塗料]
表2に示す配合となるよう、表3に記載の無機フィラーを混合した以外はB−1塗料と同様にしてB−2〜B−20塗料を得た。
表2に示す配合となるよう、表3に記載の無機フィラーを混合した以外はB−1塗料と同様にしてB−2〜B−20塗料を得た。
組成の「体積%」は塗料全成分を100体積%としたときの値を記載した。
各フィラーの主成分は誘導結合プラズマ発光分光分析法による成分分析から、当該成分が80質量%以上である成分を主成分とした。平均粒径はレーザー回折・散乱法で測定した値とした。
(実施例1)
A−1の片面に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗料B−1を塗布し、100℃の温度で60秒間乾燥させ、A−1をA層、塗料B−1が乾燥したものをB層とする太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表5に示す。
A−1の片面に、乾燥後の厚みが10μmとなるようにワイヤーバーを用いて塗料B−1を塗布し、100℃の温度で60秒間乾燥させ、A−1をA層、塗料B−1が乾燥したものをB層とする太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表5に示す。
(実施例2〜27)
表4に示すA層、B層の構成となるよう、実施例1と同様にして太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表5に示す。
表4に示すA層、B層の構成となるよう、実施例1と同様にして太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表5に示す。
A層におけるP2層の空隙率をA層の空隙率とした。B層のフィラー量(体積%)はB層全体の体積を100体積%としたときの値とした。また、フィラーXの量(体積%)はフィラー全体を100体積%としたときの値とした。表7においても同様である。
(比較例1〜9)
表6に示すA層、B層の構成となるよう、実施例1と同様にして太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表7に示す。
表6に示すA層、B層の構成となるよう、実施例1と同様にして太陽電池モジュール用シートを得た。その特性評価結果を表7に示す。
本発明により、より反射性能に優れた太陽電池モジュール用シート、及びより高出力の太陽電池モジュールを提供することができる。
1:太陽電池モジュール用シート
2:A層
3:B層
4:表側封止材
5:裏側封止材
6:透明基板
7:発電素子
8:角度可変絶対反射測定装置
9:受光器
10:受光器稼働範囲
2:A層
3:B層
4:表側封止材
5:裏側封止材
6:透明基板
7:発電素子
8:角度可変絶対反射測定装置
9:受光器
10:受光器稼働範囲
Claims (6)
- 以下の特徴1〜4のうち、特徴1を備え、かつ特徴2を備えない層をA層、
A層よりも空隙率が低く、かつ特徴2〜4を全て備える層をB層、
屈折率が1.6以上である無機フィラーを無機フィラーXとしたときに、A層及びB層を有することを特徴とする、太陽電池モジュール用シート。
特徴1:空洞を有し、かつ空隙率が10%以上60%以下である。
特徴2:層全体を100体積%としたときに、無機フィラーを40体積%以上含む。
特徴3:層全体に含まれる無機フィラーの粒径分布の最大値が0.8μm以上5.0μm以下である。
特徴4:層中の無機フィラー全体を100体積%としたときに、無機フィラーXを50体積%より多く含む。 - 600nm以上1,000nm以下の波長領域における平均反射率が90%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池モジュール用シート。
- 600nm以上1,000nm以下の波長領域における、70度反射の反射率R70−aveと10度反射の反射率R10−aveが、以下の式1を満たすことを特徴とする、請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール用シート。
式1: R70−ave/R10−ave≧0.4 - 波長1,000nmにおける、70度反射の反射率R70−1000nmと10度反射の反射率R10−1000nmが以下の式2を満たすことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
式2: R70−1000nm/R10−1000nm≧0.45 - 前記A層がポリエステル樹脂を主成分とすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シート。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール用シートを有し、前記B層が発電素子と前記A層の間に位置することを特徴とする、太陽電池モジュール。
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