JP2018031940A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018031940A
JP2018031940A JP2016165267A JP2016165267A JP2018031940A JP 2018031940 A JP2018031940 A JP 2018031940A JP 2016165267 A JP2016165267 A JP 2016165267A JP 2016165267 A JP2016165267 A JP 2016165267A JP 2018031940 A JP2018031940 A JP 2018031940A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
acrylate
group
resin composition
photosensitive resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016165267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6849346B2 (ja
Inventor
和樹 尾形
Kazuki Ogata
和樹 尾形
優 酒井
Masaru Sakai
優 酒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Chemical Industries Ltd filed Critical Sanyo Chemical Industries Ltd
Priority to JP2016165267A priority Critical patent/JP6849346B2/ja
Publication of JP2018031940A publication Critical patent/JP2018031940A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6849346B2 publication Critical patent/JP6849346B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Abstract

【課題】本発明はアルカリ現像が可能で、高い透明性かつ硬度を有し、さらに耐透湿性が高く基板や透明電極膜などとの密着性が良好である感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】 特定の化学構造を有する金属アルコキシドの縮合物(A)と、ラジカル重合性基を有する親水性樹脂(B)と、リン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)と、光重合開始剤(E)とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は光照射を含む工程により硬化し、アルカリ現像可能な感光性樹脂組成物に関する。詳しくは、フォトスペーサーやカラーフィルター用保護膜、タッチパネル用保護膜、タッチパネル用絶縁膜、半導体基板用絶縁膜などに好適なアルカリ現像可能な感光性樹脂組成物に関する。
タッチパネルはその動作原理によって、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波方式、電磁誘導方式などに分類される。最近では誤作動が少なく低コストで液晶表示装置などに搭載可能であるので、静電容量方式のタッチパネルがよく用いられている。
静電容量方式の場合、基板上に透明導電膜、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜を形成し、その透明導電膜を保護するために耐擦傷性を備え、かつ基板との良好な密着性を有する保護膜を透明導電膜上に形成する必要がある(特許文献1)。
近年、携帯電話、PDA、モバイル型コンピュータのように、情報端末を屋外で使用する機会が増えている。さらに、カーナビゲーションなどに用いられるタッチパネルのように、夏場に高温になる車内で使用される材料も増えている。このような高温、高湿の過酷な環境下などにおいて、タッチパネルが指先に接触される際に汗などの水分がタッチパネル内部に浸入することがある。タッチパネルの内部に水分が浸入すると金属配線が腐食し、電気抵抗の増加や絶縁が起こる可能性がある。したがって、このような高温、高湿の過酷な環境下でもタッチパネル内部の金属配線を腐食せず、品質変化が少ない保護膜、すなわち、耐透湿性に優れた保護膜が要望されている。
さらに、これまで用いられている保護膜形成用樹脂組成物では硬度が不足しているために、搬送時、輸送時や利用時に傷を生じてタッチパネルとしての信頼性を低下させる問題があった。したがって、さらに硬度が優れた保護膜が要望されている。
このような透明性が高く導電膜との密着性に優れ高硬度で耐擦傷性に優れた保護膜を形成する樹脂組成物としては、例えば、アルカリ可溶性樹脂、分子中に1つ以上のカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物、および感放射線性重合開始剤を含む樹脂組成物が知られている(特許文献2)。
硬度を付与させるために、シリカ粒子や無機フィラー等の無機化合物を含有した樹脂硬化物は、フレキシブル回路基板用保護材料、層間絶縁膜、カラーフィルター用保護膜などに広く用いられている(特許文献3)。
例えば、回路基板用保護材料として使用される感光性組成物が知られており、高い冷熱衝撃耐性を有しているとしている。しかしながら、この組成物に含有されるシリカ粒子の粒径が大きいことから、高硬度要求を満たすためにシリカ粒子を高濃度に含有させた場合には、解像度や透明性の低下が懸念される。
また、ナノオーダーサイズのシリカ粒子を含んだ活性エネルギー線硬化性組成物が知られており、透明な耐擦傷性に優れた防眩フィルムが得られるとしている。ところが、このフィルムを得るのに用いられる硬化性樹脂は特にアルカリ現像性を有しておらず、アルカリ現像性を利用するプロセスには適用することができない(特許文献4)。
特開2009−003518号公報 特開2010−027033号公報 特開2009−217037号公報 特開2010−032916号公報
本発明はアルカリ現像が可能で、高い透明性かつ硬度を有し、さらに耐透湿性が高く基板や透明電極膜などとの密着性が良好である感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、特定の化学構造を有する金属アルコキシドの縮合物(A)と、ラジカル重合性基を有する親水性樹脂(B)と、リン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)と、光重合開始剤(E)とを含有することを特徴とする感光性樹脂組成物;この感光性樹脂組成物を硬化させてなるタッチパネル用の保護膜または絶縁膜、カラーフィルター用保護膜または半導体基板用絶縁膜である。
本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像が可能で、高い透明性かつ硬度を有し、さらに耐透湿性が高く基板や透明電極膜などとの密着性が良好であるフォトスペーサーやカラーフィルター用保護膜、タッチパネル用保護膜、タッチパネル用絶縁膜、半導体基板用絶縁膜を形成することができるという効果を奏する。
本発明の感光性樹脂組成物は、金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と、ラジカル重合性基を有する親水性樹脂(B)と、リン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)と、光重合開始剤(E)とを含有する。 そしてこの金属アルコキシドの縮合物(A)は下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
[式(1)中、RとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。R3とR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基、または下記一般式(3)で表される金属原子含有有機基を表し、複数ある場合は同一であっても異なっていてもよい。
Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。nは2〜15の整数である。]


[式(3)中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表し、複数ある場合は同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。kは0〜5の整数である。]
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートまたはメタクリレート」を、「(メタ)アクリル酸」とは「アクリル酸またはメタクリル酸」を、「(メタ)アクリル樹脂」とは「アクリル樹脂またはメタクリル樹脂」を、「(メタ)アクリロイル基」とは「アクリロイル基またはメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリロイロキシ基」とは「アクリロイロキシ基またはメタクリロイロキシ基」を意味する。
また、アルカリ現像可能とは、現像液を用いて未硬化部を除去する工程で、現像液のアルカリ性水溶液で未硬化部分がきれいに除去できることを意味する。
以下に、必須成分の、金属アルコキシド(a)の縮合物(A)、ラジカル重合性基を有する親水性樹脂(B)、リン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)、および光重合開始剤(E)を順次説明する。
本発明の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)は、下記一般式(1)で表されるものに限定される。
この式(1)中のRとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。
ここで、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物とは、多価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とを反応させたエステル反応物のうち、水酸基が少なくとも1個以上残っているエステル化合物であって、RとR2として使用できる有機基としてはこのエステル化合物から水酸基を除いた残基のことを指す。
多価アルコールとしては、エチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの炭化水素が水酸基で置換された通常のアルコール;その誘導体としてのジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらの多価アルコールとアクリル酸とのエステル反応物で水酸基が1個以上残っているエステル化合物としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中で好ましいエステル化合物としては、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基としては、下記一般式(2)で表される有機基が好ましい。
[式(2)中、mは0〜5の整数である。]
この一般式(2)で表される有機基は、具体的にはペンタエリスリトールまたはこの誘導体としてのジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールとアクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基である。
この式(2)中のmは0〜5の整数であり、具体的には、mが0のペンタエリスリトールのトリアクリレートの残基、mが1のジペンタエリスリトールペンタアクリレートの残基、mが2のトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートの残基、mが3のテトラペンタエリスリトールノナンアクリレート、mが4のペンタペンタエリスリトールウンデカンアクリレート、mが5のヘキサペンタエリスリトールトリデカンアクリレートの残基が挙げられる。
3とR4はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基、または下記一般式(3)で表される金属原子含有有機基を表す。
式(3)中、kは0〜5の整数であり、好ましくは0〜1である。
5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または上記一般式(2)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。
式(1)と(3)中のMはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表し、好ましくは硬度の観点からシリコン、チタニウムである。
また、式(1)中のnは2〜15の整数である。
本発明の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)は、テトラアルコシキシランなどの金属アルコキシド(a)と水との加水分解物の縮合と同時に、この縮合物と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物が縮合して得られる。
金属アルコキシド(a)と水酸基を少なくとも1個有する多官能アクリレート(b)を共存させることにより、一般式(1)のR〜Rのうちの少なくとも1個が、一般式(2)で表される不多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基であるか、または一般式(3)のR〜Rうちの少なくとも1個が、一般式(2)ので表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基であると、鉛筆硬度が著しく向上する。
この反応は、触媒の存在下で行うのが好ましい。この際の触媒としては無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸など)、有機酸(カルボン酸、ヒドロキシ酸、スルホン酸など)などが挙げられる。反応性の観点で好ましいのは塩酸、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸であり、さらに好ましいのは塩酸および酢酸である。
金属アルコキシド(a)としては、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウムなどが挙げられる。
これらのうち、硬度の観点から好ましいのは、アルコキシシラン、アルコキシチタンである。
アルコキシシランとして、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシランが挙げられ、これらの市販品として、テトラエトキシシラン(東京化成工業株式会社製)、エチルシリケート28、エチルシリケート28P、N−プロピルシリケート、N−ブチルシリケート(以上、コルコート株式会社製)、正珪酸メチル、正珪酸エチル、高純度正珪酸エチル、高純度正珪酸エチル(EL)(以上、多摩化学工業株式会社製)、Dynasylan SILBOND CONDENSED(エボニックジャパン社製)などが挙げられる。
本発明の金属アルコキシドの縮合物(A)のうちの金属アルコキシド(a)の加水分解縮合物と多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物との化学結合は、金属アルコキシドと水とを反応させて金属アルコキシド縮合物を生成させる際の反応条件で十分進行する。温度は、40〜80℃であることが好ましく、60〜70℃であることがより好ましい。
本発明の金属アルコキシド(a)の縮合物(A)の含有量は、耐透湿性および鉛筆硬度の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、15〜70重量%であり、好ましくは30〜60重量%である。
本発明における第2の必須成分であるラジカル重合性有機基を有する親水性樹脂(B)における親水性の指標はHLBにより規定され、一般にこの数値が大きいほど親水性が高いことを示す。
本発明の親水性樹脂(B)のHLB値は、好ましくは4〜19、さらに好ましくは5〜 19、特に好ましくは6〜19である。4以上であれば現像を行う際に、現像性がさらに良好であり、19以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
ここでの「HLB」とは、親水性と親油性のバランスを示す指標であって、例えば「界面活性剤入門」〔2007年三洋化成工業株式会社発行、藤本武彦著〕212頁に記載されている小田法による計算値として知られているものであり、グリフィン法による計算値ではない。
HLB値は有機化合物の有機性の値と無機性の値との比率から計算することができる。
HLB=10×無機性/有機性
HLBを導き出すための有機性の値及び無機性の値については前記「界面活性剤入門」213頁に記載の表の値を用いて算出できる。
また、親水性樹脂(B)の溶解度パラメーター(以下、SP値という。)[(単位は(cal/cm1/2]は、好ましくは7〜14、さらに好ましくは8〜13、特に好ましくは9〜13である。7以上であるとさらに現像性が良好に発揮でき、14以下であれば硬化物の耐水性がさらに良好である。
なお、本発明におけるSP値は、Fedorsらが提案した下記の文献に記載の方法によって計算されるものである。
「POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,February,1974,Vol.14,No.2,Robert F. Fedors(147〜154頁)」
本発明の親水性樹脂(B)は、分子内に含有するラジカル重合性基を有するが、そのラジカル重合性有機基としては、光硬化性の観点から、(メタ)アクリロイル基、ビニル基およびアリル基が好ましく、より好ましくは(メタ)アクリロイル基である。
また、本発明のラジカル重合性有機基を有する親水性樹脂(B)が分子内に含有する親水性に寄与する官能基は、アルカリ現像性の観点から、カルボキシル基、エポキシ基、スルホン酸基、リン酸基が好ましく、より好ましくはカルボキシル基である。
本発明で用いることができる親水性樹脂(B)の具体的な例としては、ラジカル重合性有機基を有する親水性エポキシ樹脂(B1)およびラジカル重合性有機基を有する親水性(メタ)アクリル樹脂(B2)などが挙げられる。
本発明のラジカル重合性有機基を有する親水性エポキシ樹脂(B1)としては市販品のエポキシ樹脂にラジカル重合性有機基を有する化合物を反応させ、さらに親水性の官能基を有する化合物を反応することによって合成することができる。
例えば、分子中にエポキシ基を有するノボラック型のエポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を反応させ、さらにフタル酸や無水フタル酸などの多価カルボン酸や多価カルボン酸無水物を反応が挙げられる。
本発明のラジカル重合性有機基を有する親水性(メタ)アクリル樹脂(B2)は既存の方法により(メタ)アクリル酸誘導体を重合させ、さらにラジカル重合性基を有する化合物を反応することで得ることができる。
親水性(メタ)アクリル樹脂(B2)の製造方法としてはラジカル重合が好ましく、溶液重合法が分子量を調節しやすいため好ましい。
親水性(メタ)アクリル樹脂(B2)を製造するために使用するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸(b21)、(メタ)アクリル酸エステル(b22)があげられる。
(メタ)アクリル酸エステル(b22)としては(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸メチルである。
本発明の親水性樹脂(B)の数平均分子量は、通常3,000〜100,000であり、好ましくは3,000〜50,000である。
本発明の感光性樹脂組成物中の親水性樹脂(B)の含有量は、現像性の観点から、(A)〜(E)の合計重量に基づいて、10〜50重量%、好ましくは15〜40重量%である。
本発明の第3の必須成分であるリン酸基を有する(メタ)アクリレートとして、密着性の観点から、少なくとも1個のリン酸基を有し、(メタ)アクリロイル基の数は1個でも2個以上でもよい。
リン酸基は一般にアルコールとリン酸または無水リン酸とを反応させることにより形成されるものである。
一般に、カルボキシル基よりも水素結合が強く、さらに配位結合能を有する官能基であるため、ガラスや金属などの無機材料に対する密着性付与剤として有用である。
さらに、リン酸基を有する化合物は、水素結合性の強いスルホン酸基を有する化合物と比べて有機化合物に対する相溶性に優れており、その結果、リン酸基を有する化合物を配合させた樹脂組成物を硬化させてなる硬化物はスルホン酸基を有する化合物を配合したものと比べて透明性に優れる。
少なくとも1個のリン酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−(メタ)アクリロイロキシエチルカプロエートアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物中の少なくとも1個のリン酸基を有する(メタ)アクリレートモノマー(C)の含有量は、密着性の観点から(A)〜(E)の合計重量に基づいて、好ましくは5〜30重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。
本発明の第4の必須成分であるリン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)としては、リン酸基を有せず、かつ2個以上の(メタ)アクリロイル基を有するモノマーあれば、とくに限定されずに用いられる。数平均分子量は3,000未満が好ましい。
このような多官能(メタ)アクリレート(D)としては、2官能(メタ)アクリレート(D1)、3官能(メタ)アクリレート(D2)、4〜6官能(メタ)アクリレート(D3)及び7〜10官能(メタ)アクリレート(D4)が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート(D1)としては、例えば、多価アルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化物[例えば、グリコールのジ(メタ)アクリレート、グリセリンのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのジ(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1,5−ペンタンジオールのジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−エチル−1,3−プロパンジオールのジ(メタ)アクリレート]; 多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と(メタ)アクリル酸のエステル化物[例えばトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、グリセリンのエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート]; OH基含有両末端エポキシアクリレート; 多価アルコールと(メタ)アクリル酸とヒドロキシカルボン酸のエステル化物[例えばヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート]等が挙げられる。
なお、多価アルコールの水酸基のすべてを(メタ)アクリル酸、アルキレンオキサイド付加物などと反応させる必要はなく、未反応の水酸基が残っていてもよい。
3官能(メタ)アクリレート(D2)としては、グリセリンのトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールのトリ(メタ)アクリレート;及びトリメチロールプロパンのエチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
4〜6官能(メタ)アクリレート(D3)としては、ペンタエリスリトールのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールのヘキサ(メタ)アクリレート; ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのエチレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド付加物のペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
7〜10官能の(メタ)アクリレート化合物としては例えばジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応により得られる化合物など、ジイソシアネート化合物と水酸基含有多官能(メタ)アクリレート化合物との反応により得ることができる。
多官能(メタ)アクリレート(D)のうち、硬化性の観点から好ましくは3官能以上の(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくはグリセリン、ペンタエリスリトールまたはジペンタエリスリトール骨格を有する3官能以上の(メタ)アクリレートである。
本発明の感光性樹脂組成物中の多官能(メタ)アクリレート(D)の含有量は、鉛筆硬度の観点から(A)〜(E)の合計重量に基づいて、10〜65重量%、好ましくは20〜60重量%である。
本発明の第5の必須成分である光重合開始剤(E)として、可視光線、紫外線、遠赤外線、荷電粒子線及びX線等の放射線の露光により、重合性不飽和化合物の重合を開始しうるラジカルを発生する成分であればどのようなものでもよい。
光重合開始剤(E)としては、α−ヒドロキシアルキルフェノン型(E1)(例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等);α−アミノアルキルフェノン型(E2)(例えば、(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等);チオキサントン化合物型(E3)(例えば、(イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等);リン酸エステル型(E4)(例えば、(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド等);アシルオキシム系型(E5)(例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等);ベンジルジメチルケタール型(E6)等;ベンゾフェノン型(E7)(例えば、ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4‘−メチルジフェニルスルフィド等)が挙げられる。
これらのうち硬化物の硬化性の観点から好ましいのはα−アミノアルキルフェノンであり、さらに好ましいのは2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1である。
光重合開始剤(E)の使用量は、(A)〜(E)の合計に基づいて硬化性および硬化物の着色の観点から2〜15重量%、好ましくは5〜10重量%である。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、レベリング剤(F)、酸化防止剤(G)、溶剤を配合してもよい。
レベリング剤(F)としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤等が挙げられる。これらのうちで塗布性の観点から、フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤が好ましく、相溶性の観点からオキシアルキル鎖を有する界面活性剤が好ましい。
酸化防止剤(G)としては、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。これらのうち、光硬化性と酸化防止能の観点から、好ましくはフェノール系酸化防止剤であり、特に好ましくは2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4、6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート(イルガノックス1076)、チオジエチエレンビス[3−(3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート(イルガノックス1035)、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート](イルガノックス245)、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(イルガノックス259)、ペンタエリスリトール・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](イルガノックス1010)である。
溶剤としては、ケトン溶剤(シクロヘキサノン等)、エーテル溶剤(エーテルエステル溶剤及びエーテルアルコール溶剤を含む)(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びメトキシブチルアセテート等)、エステル溶剤(酢酸ブチル等)、エーテル溶剤(エーテルエステル溶剤及びエーテルアルコール溶剤等)、アルコール溶剤(ケトンアルコール溶剤を含む)(1.3−ブチレングリコール及びジアセトンアルコール等)、エステル溶剤(乳酸エチル等)、ケトン溶剤(アセトン及びメチルエチルケトン等)等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、例えば、プラネタリーミキサー等の公知の混合装置により、上記の各成分を混合等することにより得ることができる。また感光性樹脂組成物は、通常、室温で液状であり、その粘度は25℃で1〜200mPa・s、好ましくは2〜150mPa・sである。
本発明の感光性樹脂組成物から硬化物を得る好ましい形成工程は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布後、光照射し、アルカリ現像してパターン形成し、さらにポストベークを行う工程である。
硬化物の形成は、通常、以下(1)〜(5)の工程で行われるが、これに限定されるものではない。
・ 基板の上に本発明の感光性樹脂組成物を塗布する工程
塗布方法としては、ロールコート、スピンコート、スプレーコートおよびスリットコート等が挙げられ、塗布装置としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ダイコーター、カーテンコーター、グラビアコーター及びコンマコーター等が挙げられる。
膜厚は、好ましくは0.5〜100μmである
(2)塗布された感光性樹脂組成物層を、必要に応じて熱を加えて乾燥させる(プリベーク)工程
乾燥温度としては、好ましくは20〜120℃、さらに好ましくは30〜110℃である。
乾燥時間は、好ましくは0.5〜10分、さらに好ましくは1〜8分、特に好ましくは1〜5分である。乾燥は減圧、常圧どちらでもよい。
(3)所定のフォトマスクを介して、活性光線により感光性樹脂組成物層の露光を行う工程
活性光線としては、例えば、可視光線、紫外線、およびレーザー光線が挙げられる。
光線源としては、例えば、太陽光、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、および半導体レーザーが挙げられる。
露光量としては、特に限定されないが、好ましくは20〜300mJ/cm、生産コストの観点から20〜100mJ/cmがさらに好ましい。露光を行う工程においては、感光性樹脂組成物中の(メタ)アクリロイル基を有する成分が反応して光硬化反応する。
(4)光照射後、未露光部を現像液で除去し、現像を行う工程
現像液は、通常、アルカリ水溶液を用いる。
アルカリ水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩の水溶液;ヒドロキシテトラメチルアンモニウム、およびヒドロキシテトラエチルアンモニウム等の有機アルカリの水溶液が挙げられる。
これらを単独又は2種以上組み合わせて用いることもでき、また、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して用いることもできる。
現像方法としては、ディップ方式とシャワー方式があるが、シャワー方式の方が好ましい。現像液の温度は、好ましくは20〜45℃である。現像時間は、膜厚や感光性樹脂組成物の溶解性に応じて適宜決定される。
(5)後加熱(ポストベーク)工程
ポストベークの温度としては50〜280℃、好ましくは100〜250℃、さらに好ましくは120〜240℃である。
ポストベークの時間は、5分〜2時間、好ましくは10分〜1時間、さらに好ましくは15分〜45分である。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 [シロキサン縮合物(A−1)の製造]
撹拌機、冷却管、吹込み管および温度計を備えた反応容器に、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(D−1)[商品名:ネオマーDA−600、三洋化成工業(株)製]65部、水1.51部およびテトラエトキシシラン[商品名:TEOS、東京化成工業(株)製]35部を仕込み30分間攪拌した後、パラトルエンスルホン酸[東京化成工業(株)製]2.36部を仕込み、65℃で2時間反応させた。その後、反応容器を減圧にし、空気を吹き込みながら、70℃で2時間トッピングし、シロキサン縮合物(A−1)を得た。
製造例2 [シロキサン縮合物(A−2)の製造]
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(D−1)をペンタエリスリトールトリアクリレート(D−3)[商品名:ETERMER235、長興化学工業(株)製]に変える以外は製造例1と同様にして、シロキサン縮合物(A−2)を得た。
製造例3 [メタクリロイル基を有する親水性アクリル樹脂(B−1)の製造]
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート172部を仕込み、90℃まで加熱した。ここにメタクリル酸177部、メタクリル酸メチル13部、メタクリル酸イソボルニル395部、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207部を均一混合した溶液と、ジメチル−2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12部を均一混合した溶液をそれぞれ滴下し、ガラス製コルベン中でラジカル重合を行い、反応物を得た。
この反応物にさらにグリシジルメタクリレート19部を仕込み、90℃にて5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで親水性樹脂含有量が50重量%となるように希釈して、本発明のメタクリロイル基を有するアクリル樹脂(B−1)の50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
この樹脂の純分換算した酸価は100.2であった。GPCによる数平均分子量(Mn)は5,800であった。なお、SP値は10.5、HLB値は5.8であった。
製造例4 [アクリロイル基を有する親水性エポキシ樹脂(B−2)の製造]
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EOCN―102S」(日本化薬(株)製 エポキシ当量200)200部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート245部を仕込み、110℃まで加熱して均一に溶解させた。続いて、アクリル酸76部(1.07モル部)、トリフェニルホスフィン2部及びp−メトキシフェノール0.2部を仕込み、110℃にて10時間反応させた。
反応物にさらにテトラヒドロ無水フタル酸91部(0.60モル部)を仕込み、90℃にて5時間反応させ、その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで親水性樹脂含有量が50重量%となるように希釈して、本発明のアクリロイル基を有するカルボキシル基含有クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(B−2)の50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。
この樹脂の純分換算した酸価は88.4であった。GPCによる数平均分子量(Mn)は3,200であった。なお、SP値は11.3、HLB値は6.4であった。
比較製造例1 [ラジカル重合性基を有しない親水性アクリル樹脂(B’−1)の製造]
加熱冷却・攪拌装置、環流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製コルベンに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート172部を仕込み、90℃まで加熱した。
ここにメタクリル酸177部、メタクリル酸メチル13部、メタクリル酸イソボルニル395部、さらにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート207部を均一混合した溶液と、ジメチル−2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)5部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12部を均一混合した溶液をそれぞれ滴下し、ガラス製コルベン中でラジカル重合を行い、反応物を得た。
その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで親水性樹脂含有量が50重量%となるように希釈して、アクリル樹脂(B’−1)の50%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た。この樹脂の純分換算した酸価は100.2であった。GPCによる数平均分子量(Mn)は5,500であった。なお、SP値は135.7、HLB値は5.5であった。
実施例1
表1の配合部数(重量部)に従い、ガラス製の容器に、製造例1で製造した金属アルコキシドの縮合物(A−1)、製造例3で製造したメタクリロイル基を有する親水性アクリル樹脂のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート50%溶液(B−1)、(C−1)、(D−1)、(E−1)、(E−2)、(F−1)、(G−1)を仕込み、均一になるまで攪拌し、実施例1の感光性樹脂組成物を得た。
実施例2〜5および比較例1〜7
同様の操作で、表1の配合部数で仕込み、均一になるまで攪拌し、実施例2〜5、および比較例1〜7の感光性樹脂組成物を得た。
なお、表1中の略称の化学品の詳細は以下の通りである。
(A’−1):「シランカップリング剤KBM−5103」[3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン:信越化学(株)社製]
(A’−2):「KR−513」[アクリル変性アルコキシポリシロキサン:信越化学(株)社製]
(C−1):「KAYAMER PM−21」[メタクリル変性リン酸エステル(2−(メタ)アクリロイロキシエチルカプロエートアシッドホスフェート):日本化薬(株)社製]
(C−2):「KAYAMER PM−2」[メタクリル変性リン酸エステル(2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート):日本化薬(株)社製]
(D−1):「ネオマーDA−600」[ジペンタエリスリトールペンタアクリレート:三洋化成工業(株)社製;官能基数5個、水酸基1個]
(D−2):「ネオマーEA−300」[ペンタエリスリトールテトラアクリレート:三洋化成工業(株)社製;官能基数が4個]
(D−3):「ペンタエリスリトールトリアクリレート」[商品名:ETERMER235、長興化学(株)製、官能基数3個、水酸基1個]
(D’−1):「ライトアクリレートPO−A」[フェノキシエチルアクリレート:共栄社化学(株)社製;官能基数が1個]
(E−1):「イルガキュアー 819」[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド:BASF(株)社製)]
(E−2):「イルガキュアー 907」[2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン:BASF(株)社製]
(E−3):「ルシリンTPO」[(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ジフェニルフォスフィンオキサイド:BASF(株)社製)]
(F−1):「KF−352A」[オキシアルキレン鎖を有するポリジメチルシロキサン:信越化学(株)社製、レベリング剤]
(F−2):「サーフロンS−386」[オキシアルキレン鎖を有するフッ素化合物:AGCセイミケミカル(株)社製、レベリング剤]
(G−1):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ―t―ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート] [「イルガノックス1010」:BASFジャパン(株)社製、酸化防止剤]
実施例1〜5、および比較例1〜7の感光性樹脂組成物の硬化物の密着性、透湿性、鉛筆硬度、ヘイズ、解像度の物性測定と性能評価を行った。
<密着性の評価>
[密着性評価用の基板の作成]
10cm×10cm四方のITO基板上にスピンコーターにより塗布し、乾燥膜厚4.5μmの塗膜を形成した。この塗膜を減圧下で完全に乾燥した後、ホットプレート上で85℃、2分間加熱した。
得られた塗膜に対し、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)し、さらに220℃、50分間加熱して、密着性評価用の基板を作成した。
上記の硬化膜をJIS K 5600−5−6に準拠し、100個(10個×10個)のマスができるよう1mm幅にカッターナイフで切込みを入れ樹脂密着性を測定する。
測定結果は「試験後に基材フィルム上に残ったマス目/100」で表す。
<透湿性の評価>
10cm×10cm四方のガラス基板上に10cm×10cm四方のポリイミドフィルムを貼り付け、感光性樹脂組成物をスピンコーターにより塗布し、乾燥膜厚4.5μmの塗膜を形成した。
この塗膜を減圧下で完全に溶剤を除去して乾燥した後、ホットプレート上で85℃、2分間加熱した。
得られた塗膜に対し、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)し、さらに220℃、50分間加熱した。
基板からポリイミド層を剥離し、ポリイミド上に硬化膜が形成された透湿性評価用フィルムを作成した。
上記の操作で得られた透湿性評価用フィルムを用い、JIS Z0208に準じてカップ法により透湿度を測定した。
吸湿剤として塩化カルシウム(水分測定用)を用い、この吸湿剤を5g測り取った透湿カップを上記の透湿性評価用フィルムで覆い、ろうで固定して硬化膜でカップを完全に密閉し、40℃/90%RHの恒温恒湿下に24時間(h)静置し試験前と試験後の吸湿剤の重量変化から透湿度を算出した。
透湿度(g/m・24h)=吸湿剤の重量変化量[g]/(透湿面積[m])
下記の判定基準に従って評価した。
○:60g/m・24h未満
×:60g/m・24h以上
<鉛筆硬度の評価>[鉛筆硬度評価用およびヘイズ測定用の基板の作成]
10cm×10cm四方のガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、乾燥膜厚4.5μmの塗膜を形成した。
この塗膜を減圧下で完全に乾燥した後、ホットプレート上で85℃、2分間加熱した。
得られた塗膜に対し、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)し、さらに220℃、50分間加熱して、密着性評価用の基板を作成した。
上記の操作で得られた硬化膜を有するサンプルについて、JIS K−5400に準じ、鉛筆硬度を測定した。
この評価条件で、3H以上が好ましい。
<透明性(ヘイズ)の測定>
上記の操作で得られた硬化膜を有するサンプルについて、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−gard dual」BYK gardner(株)製]を用いてヘイズを測定した。
この評価条件で、一般に0.5以下が好ましい。
<解像度の評価>
[解像性確認硬化パターンの作製]
10cm×10cm四方のガラス基板上にスピンコーターにより塗布し、乾燥し、乾燥膜厚4.5μmの塗膜を形成した。この塗膜をホットプレート上で85℃、2分間加熱して溶媒を完全に揮散させた。
得られた乾燥塗膜に対し、長さが約2cmで幅が50μmの開口部を100μmおきに100本刻んだライン形成用のマスクを通して超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度22mW/cm)。なお、マスクと基板の間隔(露光ギャップ)は100μmで露光した。
その後0.05%KOH水溶液を用いてアルカリ現像した。水洗したのち、220℃で50分間ポストベークを行い、ガラス基板上に長方形のパターンを100μmおきに100本形成した。
[解像度の評価]
解像度は、パターンの幅を測定し、マスク開口径の20μmにどれだけ近いかで評価した。この評価方法と条件(マスク開口径)においては、一般には50μm以下が好ましい。
本発明の実施例1〜5の感光性樹脂組成物は、表1に示す通り、密着性、耐透湿性、鉛筆硬度、ヘイズ、解像性のすべての点で優れている。
一方、本発明の金属アルコキシドの縮合物(A)を使用しない比較例1、(A)の代わりに(A’−1)または(A’−2)を使用した比較例2、3では透湿性、鉛筆硬度およびヘイズが不良である。
(B)の代わりに重合性基を含まない親水性樹脂を使用した比較例4では解像度が不良である。
リン酸基を有する(メタ)アクリレートを使用しない比較例5では密着性が不良である。
多官能(メタ)アクリレートを使用しない比較例6、多官能(メタ)アクリレートの代わりに単官能(メタ)アクリレートを使用する比較例7では鉛筆硬度が悪化する。
本発明は、アルカリ現像が可能で、高い透明性かつ硬度を有し、さらに耐透湿性が高く基板や透明電極膜などとの密着性が良好であるため、フォトスペーサーやカラーフィルター用保護膜、タッチパネル用保護膜、タッチパネル用絶縁膜または層間絶縁膜として好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 金属アルコキシド(a)の縮合物(A)と、ラジカル重合性基を有する親水性樹脂(B)と、リン酸基を有する(メタ)アクリレート(C)と、リン酸基を有しない多官能(メタ)アクリレート(D)と、光重合開始剤(E)とを含有し、縮合物(A)が下記一般式(1)で表されることを特徴とする感光性樹脂組成物。




    [一般式(1)中、RとR2はそれぞれ独立に、水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表す。R3とR4はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基、または下記一般式(3)で表される金属原子含有有機基を表し、複数ある場合は同一であっても異なっていてもよい。
    Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。nは2〜15の整数である。]




    [一般式(3)中、R5、R6およびR7はそれぞれ独立に水素原子、炭素数が1〜4のアルキル基、または多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基を表し、複数ある場合は同一であっても異なっていてもよい。Mはシリコン、チタニウムまたはジルコニウム原子を表す。kは0〜5の整数である。]
  2. 多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基が、下記一般式(2)で表される有機基である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
    [式(2)中、mは0〜5の整数である。]
  3. 一般式(1)のR〜Rのうちの少なくとも1個が、一般式(2)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基であるか、または一般式(3)のR〜Rうちの少なくとも1個が、一般式(2)で表される多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物から水酸基を除いた残基である請求項1または2記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化されてなるタッチパネル用の保護膜または絶縁膜。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化されてなるカラーフィルター用保護膜。
  6. 請求項1〜3いずれかに記載の感光性樹脂組成物を硬化されてなる半導体基板用絶縁膜。
JP2016165267A 2016-08-26 2016-08-26 感光性樹脂組成物 Active JP6849346B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016165267A JP6849346B2 (ja) 2016-08-26 2016-08-26 感光性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016165267A JP6849346B2 (ja) 2016-08-26 2016-08-26 感光性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018031940A true JP2018031940A (ja) 2018-03-01
JP6849346B2 JP6849346B2 (ja) 2021-03-24

Family

ID=61304100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016165267A Active JP6849346B2 (ja) 2016-08-26 2016-08-26 感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6849346B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018150522A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 三洋化成工業株式会社 光硬化性樹脂組成物
JP2019157081A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 東京応化工業株式会社 光硬化性組成物及びパターン形成方法
US11822179B2 (en) 2019-04-22 2023-11-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Touch sensor panel and optical laminate
WO2024005189A1 (ja) * 2022-07-01 2024-01-04 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、当該組成物を硬化させた絶縁性硬化膜及びタッチパネル用絶縁性硬化膜、並びに、タッチパネル

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212248A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Arakawa Chem Ind Co Ltd 熱硬化性および活性エネルギー線硬化性を有する硬化性組成物
JP2004285119A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Arakawa Chem Ind Co Ltd 熱硬化性および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とその硬化方法
JP2013076791A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002212248A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Arakawa Chem Ind Co Ltd 熱硬化性および活性エネルギー線硬化性を有する硬化性組成物
JP2004285119A (ja) * 2003-03-19 2004-10-14 Arakawa Chem Ind Co Ltd 熱硬化性および活性エネルギー線硬化性樹脂組成物とその硬化方法
JP2013076791A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Sanyo Chem Ind Ltd 感光性樹脂組成物

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018150522A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 三洋化成工業株式会社 光硬化性樹脂組成物
JP2019157081A (ja) * 2018-03-16 2019-09-19 東京応化工業株式会社 光硬化性組成物及びパターン形成方法
JP7175092B2 (ja) 2018-03-16 2022-11-18 東京応化工業株式会社 光硬化性組成物及びパターン形成方法
US11822179B2 (en) 2019-04-22 2023-11-21 Sumitomo Chemical Company, Limited Touch sensor panel and optical laminate
WO2024005189A1 (ja) * 2022-07-01 2024-01-04 大阪有機化学工業株式会社 硬化性樹脂組成物、当該組成物を硬化させた絶縁性硬化膜及びタッチパネル用絶縁性硬化膜、並びに、タッチパネル

Also Published As

Publication number Publication date
JP6849346B2 (ja) 2021-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4680867B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP4231076B2 (ja) 感光性樹脂組成物
WO2011129210A1 (ja) ネガ型感光性樹脂組成物、それを用いた保護膜およびタッチパネル部材
JP2011039165A (ja) アルカリ可溶性光硬化型組成物、該組成物を使用した硬化塗膜及び透明部材
JP4899100B2 (ja) 感光性組成物
JP5755544B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6377056B2 (ja) 感光性樹脂組成物、フォトスペーサー、カラーフィルター用保護膜、及び、タッチパネルの保護膜もしくは絶縁膜
JP6849346B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP5902539B2 (ja) 樹脂組成物、それを用いたタッチパネルセンサ用透明膜およびタッチパネル
JP2012013906A (ja) 感光性樹脂組成物
JP5514566B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6234065B2 (ja) タッチパネル絶縁膜形成用の感光性樹脂組成物、及びこれを用いて得られたタッチパネル
JP2014215954A (ja) タッチパネル絶縁膜・保護膜形成用の感光性樹脂組成物、及びこれを用いて得られたタッチパネル
JP2015152726A (ja) 感光性樹脂組成物
JP6697222B2 (ja) エッチングレジスト組成物およびドライフィルム
JP2012098357A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2011203578A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2007264467A (ja) カラーフィルター基板保護膜用感光性樹脂組成物
JP2017037116A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2018112624A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2017116794A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物の製造方法
JP2017161682A (ja) 感光性樹脂組成物
JP2014197153A (ja) 感光性樹脂組成物
TWI830897B (zh) 感光性樹脂組成物、使所述感光性樹脂組成物硬化而成的硬化膜、及具有所述硬化膜的顯示裝置
JP2017045003A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191218

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200609

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200806

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210302

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210304

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6849346

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150