JP2018031109A - 外壁修復方法 - Google Patents

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裕次 原山
Yuji Harayama
裕次 原山
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Abstract

【課題】剥離等の問題のある壁材のある外壁を、一括して修復するとともに、修復後の耐久性を向上させる外壁修復方法を提供する。
【解決手段】本発明の外壁修復方法は、壁材の表面に、第1接着用素材を塗布して第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、前記第1接着層に網状部材を取り付ける取付け工程と、前記網状部材の上から、前記壁材に挿入孔を穿孔する穿孔工程と、前記挿入孔にアンカーボルトを挿入して、前記壁材を固定する固定工程と、前記網状部材および前記アンカーボルトの表面に、第2接着用素材を塗布して、第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、前記第2接着層の表面に仕上げ壁材を貼り付ける貼り付け工程と、を備え、前記第1接着用素材と前記第2接着用素材とは、同一素材である。
【選択図】図3

Description

本発明は、時間経過によって壁材が浮いたり剥離したりしている外壁を、壁材の固定を行いつつ修復する外壁修復方法に関する。
我が国を始め、世界中には多くの建造物がある。集合住宅やビルなどの建造物は、その壁面にタイルやセラミックなどの壁材を備えている。これらの壁材は、タイルなどに代表されるように、複数の壁材として、壁面に取り付けられている。例えば、これらの壁材は、セメントや接着剤によって壁面に固定されている。
しかしながら、これら複数の壁材は、固定されてからの時間経過によって、固定が弱まったり、地震や車両通行など外力による振動の衝撃が起因としたりして、壁面から浮いた状態になったり剥離しかかったりすることがある。特に、集合住宅やビルなどには、多量の壁材が取り付けられており、風雨にさらされたり日光にさらされたりすることで、複数の壁材の一部やいずれかが浮いたり剥離しかかったりすることがある。
このように、浮いたり剥離しかかったりしている壁材を放置することは、壁材の落下に繋がることになり非常に危険である。このため、浮いている壁材を固定することが行われている。この固定には、様々なやり方があるが、例えば、浮いている壁材に孔を開け(壁面にまで孔を貫通させる)、この孔にボルトなどを挿入して、壁材が固定される。
このような壁材に穿孔した後で、ボルトなどで固定する固定装置や固定方法については、種々の技術が提案されている。その中でも、例えば、浮きのある壁材に孔を開け、この孔の中にグリスガンなどで接着剤を注入して、アンカーピンを接着剤で固定して壁材を固定する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1、2に開示される技術は、上述のように接着剤を用いて壁材を貫通するアンカーピンを固定することで、浮きのある壁材を固定する。
このように壁面から浮きかかったり剥離しかかったりしているタイルやセラミック板やモルタルなどの壁材を、ボルトなどの固定装置で固定する方法がある。この方法であれば、浮くなどの問題のある壁材のみを固定して対応することができる。
しかしながら、壁面には大量の壁材が貼り付けられており、これらの内で、問題のある壁材を選び出すのは非常な手間である問題がある。また、問題のある壁材のみに固定作業を行うことも、非常な手間となる問題がある。加えて、問題ある壁材を把握する精度の低さにより、問題ある壁材を確実に補修できない問題もあり得る。
このような問題に対応するために、壁面に貼り付けられているすべての壁材を固定することも考えられる。しかしながら、この場合には大量の壁材の一つずつに孔をあけてボルトで固定する作業に、多くの時間が掛かる。非常に手間が大きくなる問題がある。
これらの問題を解決するために、浮いたり剥離したりしている壁材が存在する壁面全体を修復する修復方法が提案されている。貼り付けられている大量の壁材を1枚ずつ固定するのではなく、まとめて修復する手法である(例えば特許文献3参照)。
特開2006−219970公報 特開2007−120273号公報 特開平09−317199号公報
特許文献1および特許文献2に開示される技術は、接着剤を注入して、アンカーピンを固定する必要を有している。接着剤による固定により、アンカーピンの固定力が上がり同時に壁材の固定力も上がるメリットがある。
しかしながら、特許文献1、2に開示される固定方法では、(1)穿孔、(2)接着剤の注入、(3)ボルトやアンカーの挿入、(4)固定、という手順に沿って作業する必要があり、作業者にとっては非常に煩雑である。この手順を、大量の壁材の内で問題のある壁材を探しながら行う必要がある手間がある。また、上述したように、これらの手間の多さにより作業コストの増加や作業効率の低下などの問題がある。
浮きや剥離などの問題のある壁材を探して固定するよりも、特許文献3のように壁面をまとめて修復することも提案されている。
特許文献3は、耐アルカリ性短繊維不織布シート(11)に対して、合成樹脂により被覆された長繊維糸(12)の複数本を数軸方向での交錯状態に複合一体化したネツト組織体(N)と、通孔(19)を有するワツシヤー(18)が挿入セツトされたアンカーピン(P1)とを用意し、旧仕上げ層(A)へ下地調整用並びにネツト組織体張り付け用セメント系塗材(20)(21)を順次塗り付けて、その後者の硬化しない間にネツト組織体をその不織布シートの表面が毛羽立つように張り付け、その硬化後コンクリート躯体(C)まで打ち込み固定したアンカーピンのワツシヤーにより、ネツト組織体を押え付けて、最後に仕上げ材張り付け用セメント系塗材(27)を全体的な被覆状態に塗り付ける外壁補修方法を開示する。
特許文献3における外壁補修方法では、壁面にタイルなどの壁材が貼り付けられている状態において、この壁材に浮きなどの劣化問題がある場合に、壁材の上から前面を補修する方法である。まず、壁材の上から樹脂接着剤を塗布する。この上にネット組織体を貼り付けて、アンカーピンで壁材を固定する。更にその上にセメント塗布剤を塗布し、このセメント塗布剤に新たな壁材となるタイルなどを貼り付ける。
このようにして、劣化した外壁の上に、新しい外壁を形成することで、外壁を補修する。外壁全体を新しく積層するような補修方法である。
しかしながら、特許文献3に提案される技術では、従来の壁材の上に樹脂接着剤とネットが貼り付けられて、アンカーピンで固定される剥離防止までの工程と、セメント塗布剤が塗布されて外壁が貼り付けられる仕上げ工程とは、別の事業者によって行われている。
剥離防止までの工程と仕上げ工程とが別の事業者によって行われることで、次のような問題が生じる。
(問題1)異なる事業者による作業により、全体として工期およびコストが高くなる。
(問題2)工程間にタイムラグが生じることで、全体の仕上がり精度が低下する。
(問題3)剥落防止までの工程で壁材の上に使用する接着用材料と、仕上げ工程で壁材の貼り付けに使用する接着用材料とが異なってしまう。
特許文献3でも、問題3の通り、異なる接着用材料が使用されている。この問題3での2つの異なる層での接着用材料が相違すると、それぞれの熱膨張率や応力変形性の違いが生じる。この違いにより、外壁に負荷が加わってしまうとそれぞれの層でひび割れや損傷が生じてしまうことがある。
特に、最初の壁材の上に塗布された接着用材料とネット部分でひび割れや損傷が生じてしまうと、内部に隠れた場所での損傷であるので、大きな問題となる。もちろん、補修して形成された新しい壁材が、再び浮いたり剥離したりすることにもつながりかねない。
問題1、問題2は人為的なものであるが、技術的な問題3によって、外壁補修後の維持期間が短くなったり、その補修レベルが低下したりなどの技術的な問題が生じてしまう。この結果、外壁補修の目的が十分に達成できないとの問題が生じてしまう。
本発明は、これらの課題に鑑み、剥離等の問題のある壁材のある外壁を、一括して修復するとともに、修復後の耐久性を向上させる外壁修復方法を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明の外壁修復方法は、
壁材の表面に、第1接着用素材を塗布して第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、
第1接着層に網状部材を取り付ける取付け工程と、
網状部材の上から、壁材に挿入孔を穿孔する穿孔工程と、
挿入孔にアンカーボルトを挿入して、壁材を固定する固定工程と、
網状部材およびアンカーボルトの表面に、第2接着用素材を塗布して、第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、
第2接着層の表面に仕上げ壁材を貼り付ける貼り付け工程と、を備え、
第1接着用素材と第2接着用素材とは、同一素材である。
本発明の外壁修復方法は、剥離等の問題のある壁材のある外壁を、一括して修復できる。この一括した修復においては、仕上げ用の壁材の貼り付けまで行われるので、作業効率やコストが低下するメリットがある。
また、壁材の上の接着用素材と仕上げ用壁材の接着用素材とが同一素材であることで、熱的負荷や機械的負荷による、接着用素材の層やこれと積層される層の損傷が防止できる。熱膨張率や応力変形性の違いによる問題が防止できるからである。
この結果、修復後の外壁の耐久性が向上し、その修復の維持期間が長くなる。
本発明の実施の形態における建造物の外壁の模式図である。 本発明の実施の形態における外壁修復方法で修復された後の外壁の側面図である。 外壁修復方法での修復過程を示す説明図である。 、本発明の実施の形態における外壁修復方法のフローチャートである。 本発明の実施の形態における網状部材の正面図である。 本発明の実施の形態におけるアンカーボルトによる固定を示す側面図である。 本発明の実施の形態における修復の終わった外壁を示す説明図である。
本発明の第1の発明に係る外壁修復方法は、壁材の表面に、第1接着用素材を塗布して第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、
第1接着層に網状部材を取り付ける取付け工程と、
網状部材の上から、壁材に挿入孔を穿孔する穿孔工程と、
挿入孔にアンカーボルトを挿入して、壁材を固定する固定工程と、
網状部材およびアンカーボルトの表面に、第2接着用素材を塗布して、第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、
第2接着層の表面に仕上げ壁材を貼り付ける貼り付け工程と、を備え、
第1接着用素材と第2接着用素材とは、同一素材である。
この構成により、外壁を一括して修復することができる。加えて、網状部材を基準にして両側に形成される2つの層が熱膨張や物理的変形が同一となり、耐久性が向上する。
本発明の第2の発明に係る外壁修復方法では、第1の発明に加えて、第1接着用素材および第2接着用素材は、有機系接着剤である。
この構成により、接着力が高まる。
本発明の第3の発明に係る外壁修復方法では、第1の発明に加えて、第1接着用素材および第2接着用素材は、防水性が同等である。
この構成により、第1接着層と第2接着層との熱膨張や変形の差分が無くなり、耐久性が向上する。
本発明の第4の発明に係る外壁修復方法では、第1の発明に加えて、第1接着用素材および第2接着用素材は、応力吸収性が同等である。
この構成により、第1接着層と第2接着層との熱膨張や変形の差分が無くなり、耐久性が向上する。
本発明の第5の発明に係る外壁修復方法では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第1接着層および第2接着層の厚みは、略同一である。
この構成により、網状部材を基点として、第1接着層と第2接着層の変形などが同一となりやすくなる。結果として、耐久性が向上する。
本発明の第6の発明に係る外壁修復方法では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第1接着層の厚みと、第2接着層と仕上げ外壁とを合わせた厚みとは、略同一である。
この構成により、仕上げ壁材を含めた状態で、第1接着層と第2接着層との厚みバランスが最適化される。
本発明の第7の発明に係る外壁修復方法では、第1から第6のいずれかの発明に加えて、網状部材は、格子状の基材と、格子状の基材の間を埋める繊維製素材とを、備える。
この構成により、引張圧力に対する高い耐久性を実現できる。
本発明の第8の発明に係る外壁修復方法では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、仕上げ壁材は、表面処理されている。
この構成により、外壁の外観がきれいに仕上がる。
本発明の第9の発明に係る外壁修復方法では、第1から第8のいずれかの発明に加えて、第1接着層が形成されてから、第2接着層が形成されるまでの期間は、所定期間に収まる。
この構成により、第1接着層と第2接着層との相違による物理的損傷などの発生が防止される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態)
(全体概要)
まず、実施の形態における外壁修復方法の概要について説明する。
図1は、本発明の実施の形態における建造物の外壁の模式図である。例えば、集合住宅やビルなどの外壁であって、タイルなどの複数の部材である壁材が取り付けられている状態を示している。一般的な建造物において良く見られる外壁である。
外壁1は、建造物の外側に見られる一般的な外壁である。壁面2には、多数の壁材3(タイル、セラミックなど)が取り付けられている。図1では、見易さのために、複数の壁材の中の一つに符号「3」をつけている。このような複数の壁材3の中には、経年劣化や特殊要因によって壁面2から浮いたり剥離しかかったりしている壁材4が含まれることもある。図1では、白色で示している壁材4が、浮いたり剥離しかかったりしている壁材である。言い換えると、壁材4は、補修対象の壁材である。図1では、複数の壁材が、浮いたり剥離しかかったりしている。
補修対象の壁材4は、外壁1のどこで発生するかは予測不能であり、ランダムな位置で発生する。このため、補修対象の壁材4を検出するには、全ての壁材3を検査することが必要である。また、図1に示されるように、ランダムな位置に補修対象の壁材4が発生するので、補修作業(壁材4を固定する作業)も煩雑になりがちである。
このような状況から、浮いたり剥離しかかったり大量の壁材3から補修対象の壁材4を探し出して補修することは非常に手間がかかり効率的ではない。
貼り付けられている大量の壁材3の内で、剥離等の状況にある壁材4が生じている場合には、外壁1をまとめて修復することが好ましい。本発明の実施の形態における外壁修復方法は、このように外壁1をまとめて修復する。
図2は、本発明の実施の形態における外壁修復方法で修復された後の外壁の側面図である。外壁1の内部が分かる状態で示されている。図3は、外壁修復方法での修復過程を示す説明図である。図4は、本発明の実施の形態における外壁修復方法のフローチャートである。
図1に示されるように問題のある壁材3が存在している外壁1が、所定の工程を経て修復される。図2は、この修復後を示している。もとの壁面2の表面には、問題のある壁材を含む元の壁材3が貼り付けられている。この壁材3の表面(より正確には、壁材3の表面および壁材3の隙間においては壁面2の表面)に、第1接着層5が形成されている。
さらに、この第1接着層5の上に、網状部材6が取り付けられている。この網状部材6の上から壁材3がアンカーボルト7で壁面2に固定されている。更に、この網状部材6の表面に、第2接着層8が形成されている。この第2接着層8の上に、仕上げ壁材9が貼り付けられている。
図2とこの説明のように、問題のある壁材3を含む外壁1は、その表面に新しい仕上げ壁材9が貼り付けられて、全体として一括して修復される。すなわち、古い壁材3の外側に、新しい仕上げ壁材9が施されて、外観として新しい外壁1が構築された状態となる。
周囲から見ると、新しく貼り付けられた仕上げ壁材9がその表面に見えるので、外壁が一新されたように感じられる。
図3は、この図2のような最終状態となるまでの過程を示している。図3では、左から順に修復の必要な外壁に対する修復が進んでいく状態が示されている。図3の左には、修復の必要な外壁が示されている。
この右側には、まず、第1接着層5が形成されて網状部材6が取付けられている状態が示されている。この状態では、アンカーボルト7が壁面2に固定されようとしている。さらにこの右側には、第2接着層8が形成されている状態が示されている。第2接着層8が形成されて、仕上げ壁材9を貼り付け可能としている。
右側の2つの図は、それぞれ、異なる種類の仕上げ壁材9が貼り付けられる状態を示している。一方は、仕上げ壁材9として石調シートなどを用いており、一方は、仕上げ壁材9として、タイルを用いている。このような仕上げ壁材9が貼り付けられることで、図2のような最終の修復態様となる。
図4を用いて、外壁修復方法の工程と手順について説明する。図1のような問題のある壁材3を取り付けた外壁1が修復されて、図2の状態に至るまでの工程である。
まず、ステップST1にて、壁材3および壁材3の隙間の壁面2の表面に、第1接着用素材を塗布して第1接着層を形成する第1接着層形成工程が行われる。第1接着用素材が塗布されると、一つの層を形成でき、これが第1接着層5となる。
次いで、ステップST2にて、第1接着層5に網状部材6を取り付ける取付け工程が実施される。この取付け工程が行われると、第1接着層5の上に、網状素材6が取り付けられる。第1接着層5は、第1接着用素材が塗布されて形成されるので、網状部材6は、この第1接着用素材によって取り付けられる。
次いで、ステップST3にて、網状部材6の上から、壁材3に挿入孔を穿孔する穿孔工程が実施される。挿入孔は、壁材3から壁面2にかけて穿たれることが好適である。この態様で挿入孔が形成されることで、アンカーボルト7による壁材3の固定が確実となる。
次に、ステップST4にて、固定工程が実施される。固定工程では、形成された挿入孔に、アンカーボルト7が挿入されて、壁材3が壁面2に固定される。アンカーボルト7は、ねじなどの構造を有することで、挿入孔に固定できる。この固定により、壁材3は、壁面2に固定される。また、この固定において、網状部材6も併せて固定されてもよい。
次に、ステップST5にて網状部材6およびアンカーボルト7の表面に第2接着用素材が塗布される。この第2接着用素材が塗布されることで、第2接着層8が形成される。これが、第2接着層形成工程である。図2に示されるように、第2接着層8が形成される。
次に、ステップST6にて、貼り付け工程が実施される。貼り付け工程では、第2接着層8の上に、仕上げ壁材9が貼り付けられる。第2接着層8は、第2接着用素材により形成されている。この第2接着用素材によって、仕上げ壁材9が貼り付けられる。仕上げ壁材9の貼り付けは、通常の壁材と同じく、接着力のある第2接着層8によって実現される。
これらのステップST1〜ST6が実施されることで、図2のような結果となる外壁1の修復が完了する。
ここで、第1接着用素材と第2接着用素材とは、同一素材である。図2に示されるように、外壁1の修復においては、網状部材6を挟んで、第1接着層5と第2接着層8とが形成される。この結果、仕上げ壁材9の内側には、第1接着層5と第2接着層8の2つの接着層が形成されることになる。
これら2つの接着層の素材が同じであることで、第1接着層5と第2接着層8のそれぞれの素材が同じであることで、それぞれの熱膨張率や変形性が同一となる。このため、外部からの熱的負荷や物理的負荷が加わる場合であっても、第1接着層5と第2接着層8のそれぞれは、同じ挙動を示す。この結果、相互の違いによるクラックの発生などの損傷が生じにくい。
外壁1を一括して修復するためには、第1接着層5と第2接着層8が生じてしまう。実施の形態における外壁修復方法は、この前提に基づき、第1接着用素材と第2接着用素材を同一素材とすることで、従来の問題を解決できる。
以下、各部の詳細について説明する。
(接着用素材)
仕上げ壁材9が磁器タイルの場合、第1接着用素材と第2接着用素材は、有機系接着剤であることも好適である。有機系接着剤は、網状部材6や仕上げ壁材9を高い強度および耐久性で接着できるからである。また、第1接着用素材は、元の壁材3と接着されて第1接着層5を形成するので、有機系接着剤であることで、この接着力が高いメリットもある。
また、仕上げ壁材9が塗装系の場合、有機系接着剤以外でも下地調整の下塗り・中塗りを兼ねた下地調整材やコンクリート素材の接着剤やモルタル素材の接着剤であってもよい。これらの場合も、第1接着用素材と第2接着用素材とが同一である。同一であることで、外部負荷による損傷などの問題を防止できるからである。
また、第1接着用素材と第2接着用素材とは、防水性が同等であることも好適である。防水性が同等であることで、外部からの水分による挙動が、第1接着層5と第2接着層8とで同じになり、挙動の違いによるクラックの発生などの問題を生じさせにくい。すなわち、水分の浸透によって第1接着用素材と第2接着用素材とが膨張や収縮などを起こす際に、同じレベルや態様である。このような同じレベルや態様であることで、第1接着層5と第2接着層8との挙動が異なって、物理的な損傷が生じにくい。
あるいは、第1接着用素材と第2接着用素材とは、透水性が同じであることも好適である。透水性が同じであることで、外部からの水分浸透が生じる場合に、第1接着層5および第2接着層8のそれぞれに、同レベルで水分が浸透する。
この結果、水分の浸透によって第1接着用素材と第2接着用素材とが、同じレベルや態様で膨張などを示すようになる。同じレベルであることで、第1接着層5と第2接着層8の挙動が異なって物理的な損傷が生じることが少なくなる。
あるいは、第1接着用素材および第2接着用素材は、応力吸収性が同等であることも好適である。
第1接着層5と第2接着層8には、外部から物理的な負荷や荷重がかかることがある。この場合に、第1接着層5や第2接着層8には、応力が掛かる。このとき、第1接着層5と第2接着層8とで、異なる応力吸収が生じてしまうと、第1接着層5と第2接着層8とで異なる動きが生じてしまう。異なる動きが生じてしまえば、第1接着層5と第2接着層8との間に、クラックなどが生じる損傷が発生してしまう。
ここで、第1接着用素材と第2接着用素材の応力吸収性が同等であることで、第1接着層5と第2接着層8との動きに相違が出にくい。この相違が出にくいことで、物理的な損傷が生じにくくなる。
このように、第1接着用素材と第2接着用素材とが、同一素材であることで(あるいは同一物性の素材であることで)、外的負荷による損傷が防止できる。
(第1接着層と第2接着層の厚み)
第1接着層5と第2接着層8は、網状部材6を介して、両側に設けられる層である。第1接着層5は、元の壁材3を壁面2に固定しつつ網状部材6を取り付ける役割を果たす。一方、第2接着層8は、網状部材を基点としつつ仕上げ壁材9を貼り付ける役割を果たす。
すなわち、網状部材6を基点として、第1接着層5と第2接着層8とは、それぞれの役割を有している。それぞれの役割を果たしつつ、網状部材6の両側に形成されている。
第1接着層5と第2接着層8の厚みは、略同一であることが好ましい。第1接着層5と第2接着層8の厚みとが略同一であることで、外部からの負荷や応力に対して、第1接着層5と第2接着層8が、同等の挙動を示す。同等の挙動を示すことで、物理的な損傷が生じにくい。
厚みが略同一であれば、外部からの負荷によって発生させる形状変動などが同等となり、クラックなどが生じにくくなるからである。
あるいは、第1接着層5の厚みと、第2接着層8と仕上げ壁材9とを合わせた厚みとが、略同一であることも好適である。網状部材6を基準とした場合に、外部からの負荷や荷重によって生じる形状変動などは、仕上げ壁材9を含めて生じることも考えられるからである。
なお、第1接着層5と第2接着層8の厚みは、作業の都合や使用する材料によって異なってもよい。例えば、仕上げ壁材9がタイルの場合には、第1接着層5と第2接着層8の厚みが異なることがあってもよい。上述の厚みについては、一つの態様である。
第1接着層5の厚みと、第2接着層8と仕上げ壁材9とを合わせた厚みとが、略同一であることで、外部からの負荷や荷重によって、網状部材6を基点とした両側での挙動が同等となりやすい。同等となることで、第1接着層5と第2接着層8での物理的な損傷が生じにくい。
(網状部材)
網状部材6は、図2の通り、第1接着層5の表面に取り付けられる。網状部材6が取り付けられることで、引張力に対する強度や耐久性が向上し、最終的に修復された外壁1全体の、強度と耐久性を向上させることができる。加えて、アンカーボルト7によって固定された元の壁材3を押さえつけて固定力をあげる役割を果たす。
網状部材6は、鉄筋コンクリートであれば、鉄筋のような役割を果たし、この役割によって、修復全体のレベルを上げることができる。
図5は、本発明の実施の形態における網状部材の正面図である。網状部材6は、格子状の基材61と、格子状の基材61の間を埋める繊維製素材62とを、備える。
基材61によって、引張に対する強度と耐久性が高まる。加えて、格子の間を埋める繊維製素材62が設けられることで、引張力に対して更に強くなる。また、変形性のある応力に対しても、繊維製素材62によって、より強くなる。
網状部材6は、第1接着層5に取り付けられるので、第1接着層5によって固定される。更に、その上から第2接着層8が形成されるので、網状部材6が確実に内側で固定される。また、網状部材6は、格子状で強度を有するため基材61のみでも良い。
このように、網状部材6が備わることで、より高い強度や耐久性が実現できる。
(アンカーボルト)
アンカーボルト7は、挿入孔に挿入されることで、元の壁材3を壁面2に固定する。このとき、剥離が懸念される壁材3のみにアンカーボルト7を挿入して固定してもよい。あるいは、すべての壁材3にアンカーボルト7を挿入して固定してもよい。
アンカーボルト7で固定された上に、第2接着層8および仕上げ壁材9が施されるので、アンカーボルト7による修復は外部から見えない。このため、すべての壁材3を、アンカーボルト7で固定してもよい。見た目上の問題が無いからである。
また、アンカーボルト7による固定は、図6のようであってもよい。図6は、本発明の実施の形態におけるアンカーボルトによる固定を示す側面図である。
壁材3に挿入孔75が穿たれる。この挿入孔75にケース71が挿入される。ケース71は、樹脂などで形成された、アンカーボルト7を挿入可能な部材である。アンカーボルト7は、このケース71の内部に挿入される。
ケース71は、アンカーボルト7の挿入によって、その先端72が拡張する。この拡張によって、ケース71はアンカーボルト7と一体となって、壁面2の内部に押し付け力を発揮する。この押し付け力によって、ケース71と一体化されたアンカーボルト7は、壁材3を壁面2に強い力で固定できる。
また、ケース71は、その外周に突起73を備えていることも好適である。突起73は、先端72が拡張することで、ケース71の挿入孔75での固定力が更に上がる。
このように図6に示される態様で、アンカーボルト7が固定されることも好適である。もちろん、これは一例である。
(仕上げ壁材)
仕上げ壁材9は、陶磁器タイル、塗装、石調塗装などの部材である。仕上げ壁材9は、外壁1の表面の外観を仕上げる。すなわち、元の壁材3に代わって、仕上げ壁材9が、新しく外壁1の表面を形成する。
ここで、仕上げ壁材9は、表面処理を施されていることも好適である。表面処理が施されていることで、外壁1の修復が最適に仕上げられる。外観上もきれいである。
また、表面処理によって、仕上げ壁材9の耐久性も高くなる。
(第1接着層と第2接着層の工事)
第1接着層5が形成される工程と第2接着層8が形成される工程とは、同じ事業者によって行われることが好ましい。同じ事業者によって行われることで、第1接着用素材と第2接着用素材とが同一素材となるからである。また、それぞれの形成条件や形成厚みを、確実に調整できるからである。
また、第1接着層5が形成されてから、第2接着層8が形成されるまでの期間は、所定期間に収まることが好ましい。所定期間に収まることで、施工の問題が生じにくい。また、厚みの調整なども確実に行えるからである。
もちろん、同一事業者によって所定期間内に作業が実施されることで、仕上がりのレベルが上がり、作業全体に占めるコストが低減するメリットもある。
以上のように、実施の形態における壁材修復方法は、修復レベルを向上させ、修復後の耐久性や維持期間を向上させることができる。
図7は、本発明の実施の形態における修復の終わった外壁を示す説明図である。実施の形態で説明した外壁修復方法によって修復の終わった外壁の内層も見える状態で示している。このように、修復された後の外壁は、表面すべてが仕上げ壁材9で覆われて、修復が完了している。
このような修復により、剥離などの問題のありうる外壁が、修復されて種々の問題を解決できる。
なお、実施の形態で説明された外壁修復方法は、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 外壁
2 壁面
3、4 壁材
5 第1接着層
6 網状部材
7 アンカーボルト
71 ケース
72 先端
73 突起
75 挿入孔
8 第2接着層
9 仕上げ壁材

Claims (9)

  1. 壁材の表面に、第1接着用素材を塗布して第1接着層を形成する第1接着層形成工程と、
    前記第1接着層に網状部材を取り付ける取付け工程と、
    前記網状部材の上から、前記壁材に挿入孔を穿孔する穿孔工程と、
    前記挿入孔にアンカーボルトを挿入して、前記壁材を固定する固定工程と、
    前記網状部材および前記アンカーボルトの表面に、第2接着用素材を塗布して、第2接着層を形成する第2接着層形成工程と、
    前記第2接着層の表面に仕上げ壁材を貼り付ける貼り付け工程と、を備え、
    前記第1接着用素材と前記第2接着用素材とは、同一素材である、外壁修復方法。
  2. 前記第1接着用素材および前記第2接着用素材は、有機系接着剤である、請求項1記載の外壁修復方法。
  3. 前記第1接着用素材および前記第2接着用素材は、防水性が同等である、請求項1記載の外壁修復方法。
  4. 前記第1接着用素材および前記第2接着用素材は、応力吸収性が同等である、請求項1記載の外壁修復方法。
  5. 前記第1接着層および前記第2接着層の厚みは、略同一である、請求項1から4のいずれか記載の外壁修復方法。
  6. 前記第1接着層の厚みと、前記第2接着層と前記仕上げ外壁とを合わせた厚みとは、略同一である、請求項1から4のいずれか記載の外壁修復方法。
  7. 前記網状部材は、格子状の基材と、前記格子状の基材の間を埋める繊維製素材とを、備える、請求項1から6のいずれか記載の外壁修復方法。
  8. 前記仕上げ壁材は、表面処理されている、請求項1から7のいずれか記載の外壁修復方法。
  9. 前記第1接着層が形成されてから、前記第2接着層が形成されるまでの期間は、所定期間に収まる、請求項1から8のいずれか記載の外壁修復方法。
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