JP2018026261A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
非水電解質二次電池 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018026261A JP2018026261A JP2016157401A JP2016157401A JP2018026261A JP 2018026261 A JP2018026261 A JP 2018026261A JP 2016157401 A JP2016157401 A JP 2016157401A JP 2016157401 A JP2016157401 A JP 2016157401A JP 2018026261 A JP2018026261 A JP 2018026261A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- positive electrode
- electrode mixture
- nonaqueous electrolyte
- mixture layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Landscapes
- Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
【課題】PTC特性に優れる非水電解質二次電池を提供すること。【解決手段】非水電解質二次電池は、正極集電箔11、および正極合材層12を備える。正極集電箔11と正極合材層12との間に、第1層1が配置されている。第1層1は、温度の上昇により膨張する膨張性粒子を含有する。第1層1と正極合材層12との間に、第2層2が配置されている。第2層2は、導電性を有する。第2層2は、正極合材層12の空孔率よりも低い空孔率を有する。【選択図】図2
Description
本開示は、非水電解質二次電池に関する。
国際公開第2015/046469号(特許文献1)は、正極集電箔と正極合材層との間にPTC(Positive Temperature Coefficient)層が配置されている電池構成を開示している。
非水電解質二次電池の安全性の向上を目的として、各種の提案がなされている。特許文献1では、正極集電箔と正極合材層との間にPTC層を配置することが提案されている。PTC層は、正の抵抗温度係数を有する。すなわち、PTC層は、温度の上昇により膨張する膨張性粒子を含有する。電池が発熱した際、PTC層が膨張することにより、正極集電箔と正極合材層とが引き離される。これにより、正極集電箔と正極合材層との間の抵抗が増加し、やがて正極集電箔と正極合材層との間の導通が遮断される。しかしながら、以下の点に改善の余地が残されている。
正極合材層は、粒子層であり、多くの空孔を含んでいる。特に高出力が重視される用途(たとえば車載用途等)では、正極合材層の空孔率が高く設計されている。そのため、膨張した膨張性粒子が、正極合材層内の空孔に入り込む可能性がある。膨張性粒子が正極合材層内の空孔に入り込んでしまうと、正極集電箔と正極合材層との間の導通が十分に遮断されない可能性がある。
そこで本開示は、温度が上昇した際に電池内部の導通を遮断する特性(以下「PTC特性」と称される)に優れる非水電解質二次電池の提供を目的とする。
本開示の非水電解質二次電池は、正極集電箔、および正極合材層を備える。
正極集電箔と正極合材層との間に、第1層が配置されている。第1層は、温度の上昇により膨張する膨張性粒子を含有する。
第1層と正極合材層との間に、第2層が配置されている。第2層は、導電性を有する。第2層は、正極合材層の空孔率よりも低い空孔率を有する。
正極集電箔と正極合材層との間に、第1層が配置されている。第1層は、温度の上昇により膨張する膨張性粒子を含有する。
第1層と正極合材層との間に、第2層が配置されている。第2層は、導電性を有する。第2層は、正極合材層の空孔率よりも低い空孔率を有する。
本開示の非水電解質二次電池において、第1層はPTC層に相当する。第1層は、電池が発熱した際に、膨張することにより、正極集電箔と正極合材層との間の抵抗を増加させる。本開示の非水電解質二次電池では、第1層(PTC層)と正極合材層との間に、第2層が配置されている。第2層は、正極合材層よりも空孔率が低い。第2層の存在により、第1層に含有される膨張性粒子が正極合材層に入り込むことが抑制される。したがって本開示の非水電解質二次電池は、PTC特性に優れる。
以下、本開示の実施形態(以下「本実施形態」と記される)が説明される。ただし、以下の説明は、本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池>
本実施形態の非水電解質二次電池は、PTC特性に優れる。そのため、本実施形態の非水電解質二次電池は、たとえば、極めて高い安全性が要求される車載用途に好適である。「車載用途」とは、たとえばハイブリッド車両(HV)等の電動車両の動力電源を示す。ただし、本実施形態の非水電解質二次電池の用途は、車載用途に限られない。本実施形態の非水電解質二次電池は、あらゆる用途に適用可能である。
本実施形態の非水電解質二次電池は、PTC特性に優れる。そのため、本実施形態の非水電解質二次電池は、たとえば、極めて高い安全性が要求される車載用途に好適である。「車載用途」とは、たとえばハイブリッド車両(HV)等の電動車両の動力電源を示す。ただし、本実施形態の非水電解質二次電池の用途は、車載用途に限られない。本実施形態の非水電解質二次電池は、あらゆる用途に適用可能である。
図1は、本実施形態に係る非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略断面図である。以下では、非水電解質二次電池が「電池」と略記される場合がある。
電池100は、電池ケース101を備える。図1に示される電池ケース101は、角形(扁平直方体)である。ただし、電池ケース101は、たとえば、円筒形等であってもよい。電池ケース101は、たとえば、アルミニウム(Al)合金製である。ただし、電池ケース101は、所定の密閉性を有する限り、たとえば、アルミラミネートフィルム製の袋等であってもよい。図示されていないが電池ケース101には、注液口、安全弁、圧力感応式の電流遮断機構(CID)等が設けられていてもよい。
電池ケース101の内部には、電極群102および非水電解質103が配置されている。非水電解質103は、液体電解質(電解液)である。非水電解質103の一部は、電池ケース101の底部に貯留されている。非水電解質103は、電極群102の内部にも保持されている。
電極群102は、集電端子104により、電池ケース101の外部に導出されている。電極群102は、正極、負極およびセパレータを含む。電極群102は、巻回型の電極群であってもよいし、積層型の電極群であってもよい。巻回型の電極群とは、帯状の正極と帯状の負極とが渦巻状に巻回されることにより構成される電極群である。積層型の電極群とは、矩形状の正極と矩形状の負極とが交互に積層されることにより構成される電極群である。いずれの電極群においても、正極と負極との間には、セパレータが配置される。
電極群102の幅寸法(図1中のX軸方向の寸法)は、たとえば、130mm程度であってもよい。電極群102の高さ寸法(図1中のY軸方向の寸法)は、たとえば、50mm程度であってもよい。電極群102の厚さ方向(図1のZ軸方向)には、たとえば、セパレータが130枚程度積層されていてもよい。
《正極》
正極は、帯状、矩形状等のシート部材であり得る。図2は、正極の構成の一例を示す概略断面図である。正極10は、正極集電箔11および正極合材層12を備える。すなわち、電池100は、正極集電箔11および正極合材層12を備える。
正極は、帯状、矩形状等のシート部材であり得る。図2は、正極の構成の一例を示す概略断面図である。正極10は、正極集電箔11および正極合材層12を備える。すなわち、電池100は、正極集電箔11および正極合材層12を備える。
(正極集電箔)
正極集電箔11は、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。正極集電箔11は、たとえば、Al箔、Al合金箔等でよい。
正極集電箔11は、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。正極集電箔11は、たとえば、Al箔、Al合金箔等でよい。
(正極合材層)
正極合材層12は、たとえば、100〜200μm程度の厚さを有する。正極合材層12は、後述の第2層2の表面に塗着されている。正極合材層12は、たとえば、80〜98質量%の正極活物質粒子、1〜10質量%の導電材、および1〜10質量%のバインダを含有する。正極活物質粒子は、たとえば、リチウム含有金属酸化物である。リチウム含有金属酸化物としては、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等が挙げられる。正極活物質粒子は、たとえば、1〜30μm程度の平均粒径を有する。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
正極合材層12は、たとえば、100〜200μm程度の厚さを有する。正極合材層12は、後述の第2層2の表面に塗着されている。正極合材層12は、たとえば、80〜98質量%の正極活物質粒子、1〜10質量%の導電材、および1〜10質量%のバインダを含有する。正極活物質粒子は、たとえば、リチウム含有金属酸化物である。リチウム含有金属酸化物としては、たとえば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiMn2O4、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等が挙げられる。正極活物質粒子は、たとえば、1〜30μm程度の平均粒径を有する。本明細書の平均粒径は、レーザ回折散乱法により測定される体積基準の粒度分布において、微粒側から累積50%の粒径を示すものとする。
出力特性の観点から、正極合材層12は、好ましくは25%以上の空孔率を有する。体積エネルギー密度の観点から、正極合材層12は、好ましくは35%以下の空孔率を有する。正極合材層12の空孔率は、たとえば、正極合材層12の組成、圧縮率等により調整され得る。
本明細書の「空孔率」は、下記式:
空孔率=(V1−V2)÷V1
により算出される。式中、V1は層(正極合材層、後述の第2層)の見かけ体積を示し、V2は層の真体積を示す。見かけ体積は、層の厚さと層の面積との積である。真体積は、層の質量が層の真密度で除されることにより算出される。層の真密度は、層を構成する各材料の真密度と、層の組成(配合比)とから算出される。
空孔率=(V1−V2)÷V1
により算出される。式中、V1は層(正極合材層、後述の第2層)の見かけ体積を示し、V2は層の真体積を示す。見かけ体積は、層の厚さと層の面積との積である。真体積は、層の質量が層の真密度で除されることにより算出される。層の真密度は、層を構成する各材料の真密度と、層の組成(配合比)とから算出される。
(第1層)
第1層1は、正極集電箔11と正極合材層12との間に配置されている。第1層1は、典型的には、正極集電箔11の表面に塗着されている。第1層1は、たとえば5〜30μm程度の厚さを有する。第1層1は、膨張性粒子を含有する。膨張性粒子は、温度の上昇により膨張する。これにより、第1層1はPTC層、すなわち温度の上昇に伴って抵抗が増加する層として機能する。膨張性粒子は、非導電性であり、温度の上昇により膨張する粒子であればよい。膨張性粒子は、たとえば、ポリエチレン(PE)粒子、ポリプロピレン(PP)粒子等である。膨張性粒子は、たとえば、0.1〜10μmの平均粒径を有する。
第1層1は、正極集電箔11と正極合材層12との間に配置されている。第1層1は、典型的には、正極集電箔11の表面に塗着されている。第1層1は、たとえば5〜30μm程度の厚さを有する。第1層1は、膨張性粒子を含有する。膨張性粒子は、温度の上昇により膨張する。これにより、第1層1はPTC層、すなわち温度の上昇に伴って抵抗が増加する層として機能する。膨張性粒子は、非導電性であり、温度の上昇により膨張する粒子であればよい。膨張性粒子は、たとえば、ポリエチレン(PE)粒子、ポリプロピレン(PP)粒子等である。膨張性粒子は、たとえば、0.1〜10μmの平均粒径を有する。
第1層1は、膨張時以外は導電性を示す必要がある。第1層1は、たとえば、導電材およびバインダをさらに含有してもよい。第1層1は、たとえば、80〜98質量%の膨張性粒子、1〜10質量%の導電材、および1〜10質量%のバインダを含有する。導電材は、好ましくは、気相成長炭素繊維(VGCF)である。第1層1がVGCFを含有することにより、充放電サイクルに伴う抵抗増加が抑制される傾向にある。ただし、導電材は、導電性を有する限り、たとえばアセチレブラック(AB)等であってもよい。バインダは、たとえば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、アクリル樹脂等でよい。
(第2層)
第2層2は、第1層1と正極合材層12との間に配置されている。第2層2は、典型的には、第1層1の表面に塗着されている。第2層2は、たとえば、5〜20μmの厚さを有する。第2層2は、導電性を有する。第2層2は、正極合材層12の空孔率よりも低い空孔率を有する。これにより、第1層1に含有される膨張性粒子が膨張した際に、膨張性粒子が正極合材層12に入り込むことが抑制される。そのため、電池100はPTC特性に優れる。第2層2は、たとえば、19%以上25%未満の空孔率を有する。
第2層2は、第1層1と正極合材層12との間に配置されている。第2層2は、典型的には、第1層1の表面に塗着されている。第2層2は、たとえば、5〜20μmの厚さを有する。第2層2は、導電性を有する。第2層2は、正極合材層12の空孔率よりも低い空孔率を有する。これにより、第1層1に含有される膨張性粒子が膨張した際に、膨張性粒子が正極合材層12に入り込むことが抑制される。そのため、電池100はPTC特性に優れる。第2層2は、たとえば、19%以上25%未満の空孔率を有する。
第2層2は、好ましくは、黒鉛を含有する。黒鉛は、導電性が高い。また黒鉛は、配向しやすく、密に詰まり易い。第2層2は、たとえば、95〜99質量%の黒鉛、および1〜5質量%のバインダを含有してもよい。バインダとしては、たとえば、PVdF、アクリル樹脂等が挙げられる。
第2層2は、無機粒子をさらに含有してもよい。第2層2が無機粒子を含有することにより、空孔が無機粒子に埋められる。これにより、第2層2の空孔率が低く調整され得る。第2層2は、たとえば、25〜94質量%の黒鉛、5〜70質量%の無機粒子、および1〜5質量%のバインダを含有してもよい。PTC特性の観点から、第2層2は、好ましくは、25〜69質量%の黒鉛、30〜70質量%の無機粒子、および1〜5質量%のバインダを含有する。
無機粒子としては、たとえばα−アルミナ(α−Al2O3)、ベーマイト(AlOOH)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、マグネシア(MgO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)等が挙げられる。無機粒子は、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。したがって、無機粒子は、α−アルミナ、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシア、および水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。無機粒子は、たとえば、0.2〜2μm程度の平均粒径を有する。
《負極》
負極は、負極集電箔および負極合材層を含む。負極集電箔は、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。負極集電箔は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。負極合材層は、負極集電箔の表面に塗着されている。負極合材層は、たとえば、50〜150μm程度の厚さを有する。負極合材層は、90〜99質量%の負極活物質粒子、および1〜10質量%のバインダを含有する。負極活物質粒子は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等でよい。黒鉛は、その表面が非黒鉛質炭素により被覆されていてもよい。負極活物質粒子は、たとえば、1〜30μm程度の平均粒径を有する。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。なお正負容量比(負極容量が正極容量で除された値)は、たとえば、1.7〜2.0程度でよい。
負極は、負極集電箔および負極合材層を含む。負極集電箔は、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。負極集電箔は、たとえば銅(Cu)箔等でよい。負極合材層は、負極集電箔の表面に塗着されている。負極合材層は、たとえば、50〜150μm程度の厚さを有する。負極合材層は、90〜99質量%の負極活物質粒子、および1〜10質量%のバインダを含有する。負極活物質粒子は、たとえば、黒鉛、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素等でよい。黒鉛は、その表面が非黒鉛質炭素により被覆されていてもよい。負極活物質粒子は、たとえば、1〜30μm程度の平均粒径を有する。バインダは、たとえば、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびスチレンブタジエンゴム(SBR)等でよい。なお正負容量比(負極容量が正極容量で除された値)は、たとえば、1.7〜2.0程度でよい。
《セパレータ》
セパレータは、正極と負極とを隔離し、かつ内部の空隙に非水電解質を保持する。セパレータは、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。セパレータは、たとえば、ポリオレフィン製の多孔質膜である。セパレータは、たとえば、PE製の多孔質膜、PP製の多孔質膜等であり得る。セパレータは、多層構造を有していてもよい。セパレータは、たとえば、PPの多孔質膜、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜がこの順に積層されて構成されていてもよい。
セパレータは、正極と負極とを隔離し、かつ内部の空隙に非水電解質を保持する。セパレータは、たとえば、5〜30μm程度の厚さを有する。セパレータは、たとえば、ポリオレフィン製の多孔質膜である。セパレータは、たとえば、PE製の多孔質膜、PP製の多孔質膜等であり得る。セパレータは、多層構造を有していてもよい。セパレータは、たとえば、PPの多孔質膜、PEの多孔質膜およびPPの多孔質膜がこの順に積層されて構成されていてもよい。
セパレータは、その表面に耐熱層を有していてもよい。耐熱層は、たとえば3〜10μm程度の厚さを有する。耐熱層は、たとえば、α−アルミナ等の無機粒子、アラミド樹脂等の耐熱樹脂を含有する。
《非水電解質》
非水電解質は、非プロトン性溶媒および支持電解質塩を含有する。非プロトン性溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、たとえば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、たとえば、体積比で「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5」程度でよい。非プロトン性溶媒は、たとえば、EC:EMC:DMC=3:3:4(v:v:v)の組成を有する。
非水電解質は、非プロトン性溶媒および支持電解質塩を含有する。非プロトン性溶媒は、たとえば、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合物でよい。環状カーボネートとしては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、たとえば、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートと鎖状カーボネートとの混合比は、たとえば、体積比で「環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5」程度でよい。非プロトン性溶媒は、たとえば、EC:EMC:DMC=3:3:4(v:v:v)の組成を有する。
非水電解質は、たとえば、0.5mоl/l以上2.0mоl/l以下の支持電解質塩を含有する。支持電解質塩は、たとえば、LiPF6、LiBF4、Li[N(SO2F)2]、Li[N(SO2CF3)2]等のLi塩でよい。
非水電解質は、上記の成分の他に、各種の添加剤を含有し得る。添加剤としては、たとえば、Li[B(C2O4)2]、Li[BF2(C2O4)]、Li[PF2(C2O4)2]、LiPO2F2、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、エチレンサルファイト(ES)、プロパンサルトン(PS)等が挙げられる。
以下、実施例が説明される。ただし、以下の例は本開示の発明の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の作製>
以下のようにして、実施例および比較例に係る非水電解質二次電池が作製された。
以下のようにして、実施例および比較例に係る非水電解質二次電池が作製された。
《実施例1》
91質量部の膨張性粒子(PE粒子)、5質量部の導電材(AB)および4質量部のバインダ(PVdF)が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として混合された。これにより、第1ペーストが調製された。正極集電箔として、15μmの厚さを有するAl箔が準備された。グラビアコータにより、Al箔の表面(表裏両面)に、第1ペーストが塗工された。これにより、第1層が形成された。
91質量部の膨張性粒子(PE粒子)、5質量部の導電材(AB)および4質量部のバインダ(PVdF)が、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を溶媒として混合された。これにより、第1ペーストが調製された。正極集電箔として、15μmの厚さを有するAl箔が準備された。グラビアコータにより、Al箔の表面(表裏両面)に、第1ペーストが塗工された。これにより、第1層が形成された。
97質量部の導電材(黒鉛)および3質量部のバインダ(PVdF)が、NMPを溶媒として混合された。これにより、第2ペーストが調製された。グラビアコータにより、第1層の表面に、第2ペーストが塗工された。これにより、第2層が形成された。
92質量部の正極活物質粒子(LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2)、4.5質量部の導電材(AB)および3.5質量部のバインダ(PVdF)が、NMPを溶媒として混合された。これにより、正極合材ペーストが調製された。ダイコータにより、第2層の表面に、正極合材ペーストが塗工された。これにより、正極合材層が形成された。以上より、正極が作製された。
黒鉛を負極活物質として含む負極が準備された。セパレータが準備された。このセパレータは、PP膜/PE膜/PP膜からなる3層構造を有する。正極と負極とが、それらの間にセパレータを挟んだ状態で巻回されることにより、電極群が構成された。電極群が電池ケースに収納された。電池ケースに非水電解質(電解液)が注入された。以上より、実施例1に係る非水電解質二次電池が作製された。
《比較例1》
第1層および第2層が形成されないこと、すなわち正極集電箔の表面に直接、正極合材層が形成されることを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例1に係る非水電解質二次電池が作製された。
第1層および第2層が形成されないこと、すなわち正極集電箔の表面に直接、正極合材層が形成されることを除いては、実施例1と同じ手順により、比較例1に係る非水電解質二次電池が作製された。
《実施例2、実施例3、比較例2》
下記表1に示されるように、第2層および正極合材層の空孔率が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例2、実施例3および比較例2に係る非水電解質二次電池が作製された。
下記表1に示されるように、第2層および正極合材層の空孔率が変更されることを除いては、実施例1と同じ手順により、実施例2、実施例3および比較例2に係る非水電解質二次電池が作製された。
《実施例4》
実施例4では、第1層がABに代えてVGCFを含有するように、正極が作製された。これを除いては、実施例2と同じ手順により、実施例4に係る非水電解質二次電池が作製された。
実施例4では、第1層がABに代えてVGCFを含有するように、正極が作製された。これを除いては、実施例2と同じ手順により、実施例4に係る非水電解質二次電池が作製された。
《実施例5〜12》
実施例5〜12では、第2層が無機粒子をさらに含有するように、正極が作製された。これを除いては、実施例4と同じ手順により、実施例5〜12に係る非水電解質二次電池が作製された。使用された無機粒子の種類は下記表1に示されている。
実施例5〜12では、第2層が無機粒子をさらに含有するように、正極が作製された。これを除いては、実施例4と同じ手順により、実施例5〜12に係る非水電解質二次電池が作製された。使用された無機粒子の種類は下記表1に示されている。
<評価>
以下のようにして、各電池が評価された。
以下のようにして、各電池が評価された。
《抵抗増加率》
高負荷充放電に伴う抵抗増加が評価された。下記の「充電→休止→放電→休止」が1サイクルと定義され、当該サイクルが1000回繰り返された。ここでは電流の大きさが「C」により表現されている。「1C」の電流は、1時間の充電で電池のSOC(State Of Charge)が0%から100%に到達する電流と定義されている。
高負荷充放電に伴う抵抗増加が評価された。下記の「充電→休止→放電→休止」が1サイクルと定義され、当該サイクルが1000回繰り返された。ここでは電流の大きさが「C」により表現されている。「1C」の電流は、1時間の充電で電池のSOC(State Of Charge)が0%から100%に到達する電流と定義されている。
充電:2.5C×240秒
休止:120秒
放電:30C×20秒
休止:120秒
休止:120秒
放電:30C×20秒
休止:120秒
1000サイクル後の電池抵抗が、サイクル前の電池抵抗で除されることにより、抵抗増加率が算出された。結果は上記表1に示されている。
《PTC特性》
電池のSOCが50%に調整された。電池の温度が30℃に調整された。30℃での電池抵抗が測定された。次いで、電池の温度が120℃に調整された。120℃での電池抵抗が測定された。120℃での電池抵抗が、30℃での電池抵抗で除されることにより、抵抗比が算出された。結果は上記表1に示されている。抵抗比が大きい程、PTC特性に優れることを示している。
電池のSOCが50%に調整された。電池の温度が30℃に調整された。30℃での電池抵抗が測定された。次いで、電池の温度が120℃に調整された。120℃での電池抵抗が測定された。120℃での電池抵抗が、30℃での電池抵抗で除されることにより、抵抗比が算出された。結果は上記表1に示されている。抵抗比が大きい程、PTC特性に優れることを示している。
<結果>
上記表1中、比較例2、実施例1〜3の結果より、第2層が正極合材層の空孔率よりも低い空孔率を有することにより、PTC特性が向上することが分かる。
上記表1中、比較例2、実施例1〜3の結果より、第2層が正極合材層の空孔率よりも低い空孔率を有することにより、PTC特性が向上することが分かる。
実施例4の結果より、第1層がVGCFを含有することにより、200以上の抵抗比を確保しつつ、抵抗増加率を低減できることが分かる。
実施例5〜7の結果より、第2層が5〜70質量%の無機粒子を含有することにより、PTC特性が向上することが分かる。無機粒子により第2層の空孔が埋められ、第2層の空孔率が低くなるためと考えられる。
実施例8〜12の結果より、ベーマイト、チタニア、ジルコニア、マグネシアおよび水酸化マグネシウムも、α−アルミナと同様の効果を有することが分かる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の発明の範囲は、上記された説明ではなくて、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1層、2 第2層、10 正極、11 正極集電箔、12 正極合材層、100 電池(非水電解質二次電池)、101 電池ケース、102 電極群、103 非水電解質、104 集電端子。
Claims (1)
- 正極集電箔、および
正極合材層
を備え、
前記正極集電箔と前記正極合材層との間に、第1層が配置されており、
前記第1層は、温度の上昇により膨張する膨張性粒子を含有し、
前記第1層と前記正極合材層との間に、第2層が配置されており、
前記第2層は、導電性を有し、
前記第2層は、前記正極合材層の空孔率よりも低い空孔率を有する、
非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016157401A JP2018026261A (ja) | 2016-08-10 | 2016-08-10 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016157401A JP2018026261A (ja) | 2016-08-10 | 2016-08-10 | 非水電解質二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018026261A true JP2018026261A (ja) | 2018-02-15 |
Family
ID=61194730
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016157401A Pending JP2018026261A (ja) | 2016-08-10 | 2016-08-10 | 非水電解質二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018026261A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020017489A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | トヨタ自動車株式会社 | 固体電池用電極及び固体電池 |
JP2020167066A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社エンビジョンAescエナジーデバイス | リチウムイオン二次電池用の正極電極、リチウムイオン二次電池用の正極電極シート、その製造方法 |
WO2021238709A1 (zh) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种多层复合正极极片及含有该极片的二次电池 |
CN114039029A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-02-11 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种极片和锂离子电池 |
-
2016
- 2016-08-10 JP JP2016157401A patent/JP2018026261A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020017489A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | トヨタ自動車株式会社 | 固体電池用電極及び固体電池 |
KR20210049767A (ko) * | 2018-07-27 | 2021-05-06 | 도요타 지도샤(주) | 고체 전지용 전극 및 고체 전지 |
KR102440930B1 (ko) | 2018-07-27 | 2022-09-07 | 도요타 지도샤(주) | 고체 전지용 전극 및 고체 전지 |
JP7147330B2 (ja) | 2018-07-27 | 2022-10-05 | トヨタ自動車株式会社 | 固体電池用電極及び固体電池 |
JP2020167066A (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社エンビジョンAescエナジーデバイス | リチウムイオン二次電池用の正極電極、リチウムイオン二次電池用の正極電極シート、その製造方法 |
WO2020202973A1 (ja) * | 2019-03-29 | 2020-10-08 | 株式会社エンビジョンAescエナジーデバイス | リチウムイオン二次電池用の正極電極、リチウムイオン二次電池用の正極電極シート、および、その製造方法 |
CN113748535A (zh) * | 2019-03-29 | 2021-12-03 | 远景Aesc日本有限公司 | 锂离子二次电池用的正极电极、锂离子二次电池用的正极电极片材和其制造方法 |
JP7372045B2 (ja) | 2019-03-29 | 2023-10-31 | 株式会社Aescジャパン | リチウムイオン二次電池用の正極電極、リチウムイオン二次電池用の正極電極シート、その製造方法 |
WO2021238709A1 (zh) * | 2020-05-29 | 2021-12-02 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种多层复合正极极片及含有该极片的二次电池 |
CN114039029A (zh) * | 2021-11-29 | 2022-02-11 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种极片和锂离子电池 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6338115B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
CN105280906B (zh) | 蓄电元件 | |
KR20160128355A (ko) | 비수전해질 이차 전지 | |
US10581049B2 (en) | Nonaqueous electrolyte secondary battery | |
JP2013201077A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR102243458B1 (ko) | 비수 전해질 이차전지, 및, 비수 전해질 이차전지의 제조 방법 | |
JP2016048624A (ja) | リチウム二次電池 | |
JP2018026261A (ja) | 非水電解質二次電池 | |
KR102232185B1 (ko) | 리튬 이온 이차 전지 | |
JP6743694B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP6409841B2 (ja) | 非水電解液二次電池 | |
JP2019153542A (ja) | 正極、非水電解質二次電池、および正極の製造方法 | |
US9991563B2 (en) | Energy storage device and energy storage apparatus | |
JP2020113486A (ja) | 正極 | |
KR102466828B1 (ko) | 비수 전해액 이차 전지 | |
JP2020071944A (ja) | 非水電解液リチウムイオン二次電池 | |
JP6224382B2 (ja) | リチウム二次電池 | |
JP7169524B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
WO2017056585A1 (ja) | 正極活物質、正極およびリチウムイオン二次電池 | |
JP6953991B2 (ja) | セパレータ、非水電解質二次電池、およびセパレータの製造方法 | |
JP2019029243A (ja) | リチウムイオン二次電池 | |
JP7174335B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP2015050035A (ja) | 非水電解質二次電池用正極、および非水電解質二次電池 | |
JP6392566B2 (ja) | 非水電解質二次電池 | |
JP7230798B2 (ja) | 非水電解質蓄電素子及びその製造方法 |