以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
[第一の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成について説明する。図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例のシステム構成図である。情報処理システム1はサーバ装置10と、電子機器12と、業務担当用クライアント装置14とを含み、インターネット等の広域的なネットワーク16を介して通信可能に接続されている。
サーバ装置10はネットワーク16を介してクラウドサービス等の各種サービスを電子機器12や業務担当用クライアント装置14に提供する。なお、本実施形態は、クラウドサービスの他、ASP(Application Service Provider)によって提供されるサービスやWebサービス等、ネットワーク16を介して提供される各種サービスに適用できる。サーバ装置10は一台以上の情報処理装置で実現される。
電子機器12は、サーバ装置10からダウンロードしたアプリケーションを導入(インストール)する画像形成装置などの機器である。画像形成装置は複合機、スキャナ、プリンタ、ファクシミリ、電子黒板やプロジェクタなどの機器である。本実施形態では電子機器12がユーザ企業等の組織に納品(設置)された後、サーバ装置10からダウンロードしたアプリケーションを電子機器12にインストールする。情報処理システム1には一台以上の電子機器12が含まれる。
業務担当用クライアント装置14は、例えば販売企業などの業務担当者が操作するクライアント装置である。本実施形態では、業務担当者が業務担当用クライアント装置14から後述の機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を、サーバ装置10に登録する。また、業務担当者は業務担当用クライアント装置14から後述のように機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を複製する。
業務担当者が機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報をサーバ装置10に登録しておくことにより、図1の情報処理システム1では、電子機器12に対するアプリケーションのインストール作業を後述のように容易化している。また、業務担当者が機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を複製することで、図1の情報処理システム1では置き換え又は増設用の電子機器12に対するアプリケーションのインストール作業を後述のように容易化している。
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
サーバ装置10及び業務担当用クライアント装置14は例えば図2に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図2は、本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図2のコンピュータ500は入力装置501、表示装置502、外部I/F503、RAM504、ROM505、CPU506、通信I/F507及びHDD508などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。なお、入力装置501及び表示装置502は必要なときに接続して利用する形態であってもよい。
入力装置501はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置502はディスプレイ等を含み、コンピュータ500による処理結果を表示する。
通信I/F507はコンピュータ500を各種ネットワークに接続するインタフェースである。これにより、コンピュータ500は通信I/F507を介してデータ通信を行うことができる。
また、HDD508は、プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置の一例である。格納されるプログラムやデータには、コンピュータ500全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、及びOS上において各種機能を提供するアプリケーションなどがある。なお、コンピュータ500はHDD508に替え、記憶媒体としてフラッシュメモリを用いるドライブ装置(例えばソリッドステートドライブ:SSD)を利用するものであってもよい。
外部I/F503は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体503aなどがある。これにより、コンピュータ500は外部I/F503を介して記録媒体503aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体503aにはフレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリなどがある。
ROM505は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。ROM505にはコンピュータ500の起動時に実行されるBIOS、OS設定、及びネットワーク設定などのプログラムやデータが格納されている。RAM504はプログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリ(記憶装置)の一例である。
CPU506は、ROM505やHDD508などの記憶装置からプログラムやデータをRAM504上に読み出し、処理を実行することで、コンピュータ500全体の制御や機能を実現する演算装置である。
サーバ装置10及び業務担当用クライアント装置14は、例えば図2のコンピュータ500のハードウェア構成により、後述するような各種処理を実現できる。
《MFP》
図1の電子機器12の一例であるMFP600は、例えば図3に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図3は本実施形態に係るMFPの一例のハードウェア構成図である。
図3のMFP600は、コントローラ601、操作パネル602、外部I/F603、通信I/F604、プリンタ605及びスキャナ606などを備える。コントローラ601はCPU611、RAM612、ROM613、NVRAM614及びHDD615などを備える。ROM613は、各種プログラムやデータが格納されている。RAM612はプログラムやデータを一時保持する。NVRAM614は、例えば設定情報等が格納されている。また、HDD615は各種プログラムやデータが格納されている。
CPU611は、ROM613やNVRAM614、HDD615などからプログラムやデータ、設定情報等をRAM612上に読み出し、処理を実行することで、MFP600全体の制御や機能を実現する。
操作パネル602はユーザからの入力を受け付ける入力部と、表示を行う表示部とを備えている。外部I/F603は外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体603aなどがある。これにより、MFP600は外部I/F603を介して記録媒体603aの読み取り及び/又は書き込みを行うことができる。記録媒体603aにはICカード、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
通信I/F604はMFP600をネットワーク16に接続させる為のインタフェースである。これにより、MFP600は通信I/F604を介してデータ通信を行うことができる。プリンタ605は印刷データを被搬送物に印刷するための印刷装置である。例えば被搬送物は紙、コート紙、厚紙、OHP、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔など、紙に限定されない。また、スキャナ606は原稿から画像データ(電子データ)を読み取り、画像ファイル(電子ファイル)を生成するための読取装置である。
第1の実施形態に係る電子機器12は、上記したようなハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
<機能構成>
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。
《サーバ装置》
図4は本実施形態に係るサーバ装置の一例の機能構成図である。図4のサーバ装置10は通信部21、ユーザ管理部22、機器構成管理部23、アプリ情報管理部24、ファイル管理部25、ライセンス管理部26及びアプリストレージ部27を有する。さらに図4のサーバ装置10は、機器構成情報テーブル28、アプリ構成情報テーブル29及び設定ファイル情報テーブル30を有する。
通信部21は電子機器12や業務担当用クライアント装置14と通信を行う。ユーザ管理部22はユーザ認証に必要なテナント情報、ユーザ情報を管理する。また、ユーザ管理部22はユーザ認証を行う。
機器構成管理部23は後述の機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を管理する。また、機器構成管理部23は機器認証を行う。アプリ情報管理部24はアプリ情報を管理する。アプリ情報には、名称、説明、無償アプリのライセンスキー、公開する地域、動作する機種などの情報が含まれている。ファイル管理部25は後述の設定ファイルを管理する。ライセンス管理部26はアプリケーションのライセンスの発行、有効化、無効化などのライセンス管理を行う。アプリストレージ部27はアプリケーションの実行ファイルを保管する。
機器構成情報テーブル28は図5に示す機器構成情報を記憶している。図5は機器構成情報テーブルの一例の構成図である。図5の機器構成情報はテナントID、機器構成情報ID、機番、世代情報、状態、説明を項目として有する。
項目「テナントID」はユーザ企業、学校、病院等の組織を一意に識別する情報の一例である。項目「機器構成情報ID」は機器構成情報テーブルのレコードである機器構成情報を一意に識別する情報の一例である。項目「機番」は登録された電子機器12を一意に識別する情報の一例である。電子機器12が登録される前の項目「機番」は電子機器12の機番が保存されていない空の状態である。電子機器12の登録により、項目「機番」には電子機器12の機番が保存される。
項目「世代情報」は機器構成情報が登録された電子機器12に対する関係を表すものであり、Current、Next又はPreviousなど、機器構成情報の世代管理のための情報が保存される。
項目「状態」は、準備中、準備完了、実行予約、実行中又は完了などの電子機器12に対するアプリケーションの導入の状態が保存される。項目「説明」は後述の機器構成情報選択画面において各機器構成情報の説明として表示される情報である。図5の機器構成情報に示したように、一つの機器構成情報は機器の登録により一つの機番(一つの電子機器12)と対応付けられる。
図6は項目「世代情報」の説明図である。世代情報の値「Current」は現在、適用されている機器構成情報を表す。世代情報の値「Next」は現在、実行予約されている機器構成情報を表す。また、世代情報の値「Previous」は1世代前に適用されていた機器構成情報を表す。
例えば図6に示すように、実行予約が行われた機器構成情報「Device Configuration(2)」の世代情報の値は「Next」となる。適用が完了すると機器構成情報「Device Configuration(2)」の世代情報の値は「Next」から「Current」に変化する。また、機器構成情報「Device Configuration(1)」の世代情報の値は「Current」から「Previous」に変化する。このように、機器構成情報は項目「世代情報」により世代管理を行うことができる。
図7は項目「状態」の遷移図である。状態の値「準備中」は、適用可能な機器構成情報として完成していない状態を表す。状態の値「準備完了」は、適用可能な機器構成情報として完成している状態であるが、電子機器12に公開されていない状態を表す。
状態の値「実行予約」は機器構成情報の実行が予約されている状態であり、電子機器12に公開されている状態を表す。状態の値「実行中」は電子機器12が機器構成情報の適用を開始した状態である。状態の値「完了」は電子機器12への機器構成情報の適用が完了した状態である。状態の値「失敗」はエラーが発生し、電子機器12への機器構成情報の適用が失敗した状態である。
このように、機器構成情報は状態が「準備完了」に遷移しても電子機器12から見ることができず、状態が「準備完了」から「実行予約」に遷移したあと、電子機器12から見ることができるようになる。
また、図4のアプリ構成情報テーブル29は例えば図8に示すアプリ構成情報を記憶している。図8はアプリ構成情報テーブルの一例の構成図である。図8のアプリ構成情報は機器構成情報ID、アプリID、ライセンスキー、状態を項目として有する。
項目「機器構成情報ID」は機器構成情報テーブルのレコードである機器構成情報を一意に識別する情報の一例である。項目「アプリID」は、アプリケーションを一意に識別する情報の一例である。項目「ライセンスキー」は、アプリIDにより識別されるアプリケーションのライセンスキーを一意に識別する情報である。項目「状態」は準備中、準備完了、実行中、完了などのアプリケーションの状態を表す。
アプリケーションの登録によりアプリ構成情報テーブル29には、機器構成情報IDと対応付けられた新しいアプリ構成情報が登録される。なお、図9のアプリ構成情報テーブルに示したように、一つの機器構成情報IDには複数のアプリケーションが登録される場合がある。
また、図4の設定ファイル情報テーブル30は例えば図9に示す設定ファイル情報を記憶している。図9は設定ファイル情報テーブルの一例の構成図である。図9の設定ファイル情報は機器構成情報ID、設定ファイル、状態を項目として有する。
項目「機器構成情報ID」は機器構成情報テーブルのレコードである機器構成情報を一意に識別する情報の一例である。項目「設定ファイル」は機器構成情報に対して登録された設定ファイルを一意に識別する情報の一例である。項目「状態」は準備中、準備完了、実行中、完了などの設定ファイルの状態を表す。
ここでは、図5の機器構成情報、図8のアプリ構成情報及び図9の設定ファイル情報について説明する。図5の機器構成情報、図8のアプリ構成情報及び図9の設定ファイル情報のレコードは機器構成情報IDにより対応付けられている。
機番「Dev_000001」の電子機器12及び機番「Dev_000002」の電子機器12はアプリID「FreeApp_001」のアプリケーションがインストール済みである。機番が登録されていない機器構成情報ID「Conf_0000003」の機器構成情報は状態が「準備完了」である。
機器構成情報ID「Conf_0000003」の機器構成情報に機番を登録した電子機器12にはアプリID「FreeApp_001」及び「PaidApp_002」のアプリケーションがインストールされる。
また、機番が登録されていない機器構成情報ID「Conf_0000004」の機器構成情報は状態が「準備完了」である。機器構成情報ID「Conf_0000004」の機器構成情報に機番を登録した電子機器12には、アプリID「FreeApp_001」のアプリケーションがインストールされる。また、機番が登録されていない機器構成情報ID「Conf_0000005」の機器構成情報は状態が「準備完了」である。機器構成情報ID「Conf_0000005」の機器構成情報に機番を登録した電子機器12は、アプリID「FreeApp_001」及び「PaidApp_002」のアプリケーションがインストールされる。
《業務担当用クライアント装置》
図10は本実施形態に係る業務担当用クライアント装置の一例の構成図である。図10の業務担当用クライアント装置14は通信部41、ログイン処理部42、機器構成情報検索部43、機器構成情報作成部44、アプリ情報検索部45、アプリ登録部46、設定ファイル登録部47、機器構成情報複製処理部48を有する。例えば図10に示す通信部41、ログイン処理部42、機器構成情報検索部43、機器構成情報作成部44、アプリ情報検索部45、アプリ登録部46、設定ファイル登録部47、機器構成情報複製処理部48はブラウザ上で実行されるWebアプリにより実現される。
通信部41はサーバ装置10と通信を行う。ログイン処理部42はサーバ装置10に対するログイン処理を行う。機器構成情報検索部43は、サーバ装置10に登録されている機器構成情報リストを検索する。機器構成情報作成部44は、サーバ装置10に機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を作成する。アプリ情報検索部45はサーバ装置10に登録されているアプリ情報を検索する。アプリ登録部46は、サーバ装置10にアプリ情報を登録する。設定ファイル登録部47はサーバ装置10に設定ファイルを登録する。機器構成情報複製処理部48はサーバ装置10に機器構成情報を複製させる。
《電子機器》
図11は本実施形態に係る電子機器の一例の構成図である。図11の電子機器12は通信部61、ログイン処理部62、機器構成情報検索部63、機器登録部64、アプリ導入処理部65、設定反映部66、状態通知部67、アプリ移行処理部68を有する。例えば図11に示す通信部61、ログイン処理部62、機器構成情報検索部63、機器登録部64、アプリ導入処理部65、設定反映部66、状態通知部67、アプリ移行処理部68は電子機器12で実行されるアプリケーションにより実現される。
通信部61はサーバ装置10と通信を行う。ログイン処理部62はサーバ装置10に対するログイン処理を行う。機器構成情報検索部63はサーバ装置10に登録されている機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報を検索する。機器登録部64はサーバ装置10に電子機器12を登録する。アプリ導入処理部65は、電子機器12にアプリケーションを導入する処理を行う。設定反映部66はサーバ装置10から設定ファイルを取得して、設定を反映する。状態通知部67はアプリケーションの状態(導入の状態)をサーバ装置10に通知する。
アプリ移行処理部68は、既に稼働している電子機器12(複製元)と同じ状態になるように、置き換え又は増設用の電子機器12(複製先)にアプリケーションを導入するアプリ移行処理を後述のように行う。
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る情報処理システム1の処理の詳細について説明する。本実施形態では、前提として例えば図12に示すように、新規の電子機器12にアプリケーションを導入する。図12では、業務担当がテナントに機器構成情報、アプリ構成情報及び設定ファイル情報(以下、機器構成情報等と呼ぶ)を対応付けておき、機器構成情報等を利用して、電子機器12にアプリケーションを導入する動作シナリオについて説明する。
図12は、機器構成情報等を利用して電子機器にアプリケーションを導入する動作シナリオの一例を示す説明図である。業務担当者(以下、業務担当と呼ぶ)は業務担当用クライアント装置14からサーバ装置10にログインし、テナントと対応付けて機器構成情報等をサーバ装置10に登録する。このように、業務担当は事前作業として機器構成情報等をテナントと対応付けてサーバ装置10に登録しておく。
電子機器12がユーザ環境に納品されたあと、保守担当や管理者(以下、単に操作者と呼ぶ)はアプリケーション導入作業を行う。操作者は電子機器12を操作し、サーバ装置10にログインする。電子機器12はテナントを指定してサーバ装置10から機器構成情報等を取得し、機器構成情報等に機番を登録する処理を行う。
電子機器12は、機番を登録した機器構成情報等に基づき、サーバ装置10からアプリケーションをダウンロードし、インストールする。また、電子機器12は機番を登録した機器構成情報等に基づき、サーバ装置10から設定ファイルを取得し、設定を反映する。
以下、図12に示した動作シナリオについて業務担当が業務担当用クライアント装置14で事前に行う機器構成情報等の登録作業と、操作者がユーザ環境の電子機器12で行うアプリケーションの導入作業と、について説明する。
《機器構成情報等の登録作業》
図13は機器構成情報等の登録作業の一例を示すシーケンス図である。業務担当は業務担当用クライアント装置14で動作するブラウザから機器構成情報管理ツールにアクセスして図14に示すログイン画面を表示させる。図14は機器構成情報管理ツールのログイン画面の一例のイメージ図である。
ステップS11において業務担当は図14のログイン画面にユーザID及びパスワードを入力し、ログインを要求する。ステップS12において、業務担当用クライアント装置14のログイン処理部42は、ログイン画面に入力されたユーザID及びパスワードによるログインをサーバ装置10のユーザ管理部22に要求する。ユーザ管理部22はユーザ認証を行い、ログインに成功すると認証チケットを返す。
認証チケットを返された業務担当用クライアント装置14の機器構成情報検索部43は図15に示すテナント選択画面を表示する。図15はテナント選択画面の一例のイメージ図である。なお、図15のテナント選択画面はテナントIDを入力する例であるが、テナント一覧からテナントIDを選択するものであってもよい。また、テナント選択画面はテナントIDの一部やテナント名からテナントIDを選択できるものであってもよい。
ステップS13において業務担当は図15のテナント選択画面にテナントIDを入力して「開く」ボタンを押下する。ステップS14に進み、機器構成情報検索部43はテナント選択画面に入力されたテナントIDによる機器構成情報の検索を、サーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。機器構成管理部23はテナントIDと対応付けられている機器構成情報等を検索し、機器構成情報等を返す。
機器構成情報等を返された業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は図16に示す機器構成情報管理画面を表示する。図16は機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。なお、図16の機器構成情報管理画面は図5、図8及び図9に示した機器構成情報等に基づき作成された例を示している。図16の機器構成情報管理画面はアプリケーションの導入が完了している2つの機器構成情報を表示している。なお、図16の機器構成情報管理画面の「表示する」リンクが押下されると、機器構成情報作成部44は反映済みの設定ファイルを表示する。また、図16の機器構成情報管理画面の「複製」ボタンが押下されると、機器構成情報複製処理部48はサーバ装置10に機器構成情報等の複製を要求する。
また、テナントIDと対応付けられている機器構成情報が無かった場合、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は図17に示す機器構成情報管理画面を表示する。図17は機器構成情報が登録されていない場合の機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。
業務担当は図16又は図17の「新規作成」リンクを押下することで図18に示す機器構成情報の新規作成画面を表示させることができる。図18は機器構成情報の新規作成画面の一例のイメージ図である。ステップS15において業務担当は図18の新規作成画面に説明を入力して「作成」ボタンを押下する。機器構成情報作成部44は新規作成画面に入力された説明を指定し、機器構成情報の作成をサーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。
サーバ装置10の機器構成管理部23は指定された説明が登録されている機器構成情報を機器構成情報テーブル28に追加し、追加した機器構成情報の機器構成情報IDを業務担当用クライアント装置14に返す。機器構成情報IDを返された業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は例えば図19に示す機器構成情報管理画面を表示する。
図19は新規に作成された機器構成情報を含む機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。図19の機器構成情報管理画面に表示されている機器構成情報は新規に作成されたものであるため、項目「状態」が準備中となっている。
また、図19の機器構成情報管理画面に表示されている機器構成情報は新規に作成されたものであるため、項目「アプリ」及び「設定」が登録されていない。このため、図19の機器構成情報管理画面では項目「アプリ」及び「設定」に「登録」リンクが表示されている。
ステップS17に進み、業務担当は図19のアプリの「登録」リンクを押下することでアプリ登録を指示する。ステップS18において、業務担当用クライアント装置14のアプリ情報検索部45はテナントIDを指定してサーバ装置10のアプリ情報管理部24にアプリ情報の検索を要求する。
サーバ装置10のアプリ情報管理部24は、アプリIDやライセンスキーを含むアプリ情報を業務担当用クライアント装置14に返す。アプリ情報に含まれるライセンスキーは無償のアプリケーションのインストールに必要なライセンスキーである。
なお、業務担当用クライアント装置14に返すアプリ情報は業務担当が登録する権限のあるアプリケーションのアプリ情報を返すようにしてもよいし、テナントの地域で公開されているアプリケーションのアプリ情報を返すようにしてもよい。
アプリ情報を返された業務担当用クライアント装置14のアプリ登録部46は例えば図20に示すアプリ選択画面を表示する。図20は、アプリ選択画面の一例のイメージ図である。アプリ登録部46はサーバ装置10から返されたアプリ情報に含まれているアプリIDをアプリ選択画面の「登録できるアプリ」にリストで表示する。なお、アプリ登録部46はアプリ情報にアプリケーションの名称や説明が含まれていれば、アプリ選択画面に表示するようにしてもよい。
業務担当は図20のアプリ選択画面を操作することで「登録できるアプリ」にリストで表示されているアプリIDを「選択したアプリ」に追加したり「選択したアプリ」から削除したりすることができる。
ステップS19において業務担当はアプリ選択画面の「登録」ボタンを押下することにより「選択したアプリ」に追加したアプリIDのアプリ構成情報への登録を要求する。業務担当用クライアント装置14のアプリ登録部46は「選択したアプリ」に追加されたアプリIDのうち、ライセンスキーを取得できていないアプリIDについて、ステップS20のライセンスキー入力画面表示を行う。
図21はライセンスキー入力画面の一例のイメージ図である。ステップS21において業務担当は図21のライセンスキー入力画面にライセンスキーを入力し「登録」ボタンを押下する。ステップS20及びS21の処理を行うことで、アプリ登録部46は「選択したアプリ」に追加されたアプリIDのうち、ライセンスキーを取得できていなかったアプリIDのライセンスキーを取得できる。
ステップS22に進み、業務担当用クライアント装置14のアプリ登録部46は機器構成情報ID、アプリIDリスト、ライセンスキーリストを指定して、サーバ装置10の機器構成管理部23にアプリの登録要求を行う。機器構成管理部23はアプリの登録要求に基づいて、図8に示したアプリ構成情報テーブル29にレコードを追加する。
例えば図20のアプリ選択画面の状態で「登録」ボタンが押下されると、機器構成管理部23は図8のアプリ構成情報テーブル29のように機器構成情報ID「Conf_0000003」の2つのレコードを追加する。
なお、アプリ登録部46は「選択したアプリ」に追加されたアプリIDのうち、ライセンスキーを取得できていないアプリIDが無ければ、ステップS20、S21の処理を省略してステップS22の処理を行う。
ステップS22のアプリの登録要求のあと、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は機器構成情報管理画面の表示を図19から図22に遷移させる。図22はアプリ登録が終了したあとの機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。図22の機器構成情報管理画面は、機器構成情報の項目「アプリ」に、ステップS22で登録されたアプリIDが表示されている。
また、図22の機器構成情報管理画面は項目「状態」が準備中から準備完了に遷移している。図22の機器構成情報管理画面は項目「アプリ」か項目「設定」のどちらかが登録されると、項目「状態」が準備中から準備完了に遷移する例を示している。また、図22の機器構成情報管理画面では項目「アプリ」に記載されているアプリIDがリンク形式となっており、クリックすることで登録されたアプリIDを編集できる。
また、業務担当は図22の設定の「登録」リンクを押下することで例えば図23に示す設定ファイル登録画面を表示させる。図23は設定ファイル登録画面の一例のイメージ図である。設定ファイル登録画面の「参照」ボタンが押下されると、設定ファイル登録部47はファイル選択ダイアログを表示し、業務担当にファイルを選択させる。
ファイル選択後、業務担当により「登録」ボタンが押下されると、設定ファイル登録部47はステップS24に進み、業務担当により選択されたファイルをサーバ装置10の機器構成管理部23にアップロードして、設定ファイルの登録を要求する。機器構成管理部23はステップS25に進み、ファイル管理部25に設定ファイルを保存させる。
機器構成管理部23はファイル管理部25から返されたファイルパスに基づき、図9の設定ファイル情報テーブル30にレコードを登録する。設定ファイル情報テーブル30に登録されたレコードの項目「状態」は準備完了となる。
業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は図24の機器構成情報管理画面のように、機器構成情報の項目「設定」に「表示/修正」リンクを表示する。図24はアプリ登録及び設定ファイル登録が終了したあとの機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。
ステップS26において、業務担当は図24の機器構成情報管理画面の「予約」ボタンを押下することで、登録した機器構成情報の実行予約を要求する。機器構成情報作成部44は「予約」ボタンが押下されると、ステップS27に進み、機器構成情報IDを指定してサーバ装置10の機器構成管理部23に実行予約を要求する。機器構成管理部23は機器構成情報IDと対応付けられている機器構成情報の「状態」を準備完了から実行予約に遷移させる。
図13のシーケンス図に示す処理が終わると、業務担当用クライアント装置14は図25に示すような機器構成情報管理画面を表示している。図25は実行予約を行った後の機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。例えば図25の機器構成情報管理画面は項目「状態」が実行予約となっている。また、図25の機器構成情報管理画面は項目「状態」を実行予約から準備完了に戻すための「予約解除」ボタンが、項目「操作」に表示されている。
なお、図13のシーケンス図が示す処理では、サーバ装置10のアプリ情報管理部24が保持する(無償アプリケーションなどの)ライセンスキーを、業務担当用クライアント装置14のブラウザが取得し、アプリ登録の処理に利用している。機器構成管理部23はライセンスキーをアプリ情報管理部24から取得するようにしてもよい。
また、図13のシーケンス図が示す処理では、サーバ装置10のアプリ情報管理部24が保持しない(有償アプリケーションなどの)ライセンスキーを、業務担当に入力させていたが、ライセンス管理部26と連携して、その場でライセンスを発行してもよい。
《アプリケーションの導入作業》
図26はアプリケーションの導入作業の一例を示すシーケンス図である。操作者は電子機器12の例えば操作パネルから機器構成アプリを起動して図27に示すログイン画面を表示させる。図27は機器構成アプリのログイン画面の一例のイメージ図である。機器構成アプリはブラウザ上で動作するWebアプリであってもよいし、インストールされたアプリケーションであってもよい。
ステップS31において操作者は図27のログイン画面にユーザID及びパスワードを入力し、ログインを要求する。ステップS32において、電子機器12のログイン処理部62はログイン画面に入力されたユーザID及びパスワードによるログインをサーバ装置10のユーザ管理部22に要求する。ユーザ管理部22はユーザ認証を行い、ログインに成功すると認証チケットを返す。
例えば管理者が操作者としてログインした場合、ログイン処理部62は返された認証チケットにより管理者が属するテナントを特定できる。一方で、保守担当が保守担当専用のユーザID及びパスワードを用いてログインした場合、ログイン処理部62は返された認証チケットによりテナントを特定できない。そこで、保守担当が操作者としてログインする場合は別途、テナントIDを入力するようにする。
ステップS33に進み、機器構成情報検索部63はテナントIDによる機器構成情報の検索を、サーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。機器構成管理部23はテナントIDに基づいて、状態が「実行予約」である機器構成情報を機器構成情報テーブル28から検索し、機器構成情報リストを返す。
なお、機器構成管理部23は機器構成情報の検索要求のパラメータに、電子機器12のパラメータが含まれる場合、機番が一致し、状態が「実行予約」である機器構成情報を検索する。機番が一致し、状態が「実行予約」である機器構成情報が存在した場合、機器構成管理部23は機番が一致し、状態が「実行予約」である機器構成情報を電子機器12に返す。
機番が一致し、状態が「実行予約」である機器構成情報が存在しなければ、機器構成管理部23はテナントIDに基づいて、状態が「実行予約」であり、且つ、機番が登録されていない機器構成情報を、機器構成情報テーブル28から検索し、機器構成情報リストを返す。
図28は機器構成情報を検索するリクエストとレスポンスの例を示す図である。例えば図28(A)は、機器構成情報を検索するリクエストの一例であり、機番(Dev_000003)と認証チケット(xxxxxxxxxx)と状態「実行予約」とが含まれている。また、図28(B)はレスポンスの一例であり、図5に示した機器構成情報ID「Conf_0000003」の機器構成情報と、図8に示した機器構成情報ID「Conf_0000003」のアプリ構成情報とが含まれている。
機器構成情報リストを返された電子機器12の機器登録部64は例えば図29に示すような機器構成情報選択画面を表示する。図29は機器構成情報選択画面の一例のイメージ図である。なお、図29の機器構成情報選択画面は図28(B)に示したレスポンスに基づき作成された例を示している。
また、図5の機器構成情報テーブル28では、状態が「実行予約」であれば、テナントID「Tenant3」による機器構成情報の検索により、機器構成情報ID「Conf_0000004」及び「Conf_0000005」の機器構成情報が電子機器12に返される。図30は複数の機器構成情報を含むレスポンスの例を示す図である。
例えば図30はレスポンスの一例であり、図5の機器構成情報ID「Conf_0000004」及び「Conf_0000005」の機器構成情報と、図8の機器構成情報ID「Conf_0000004」及び「Conf_0000005」のアプリ構成情報とが含まれている。
機器構成情報リストを返された電子機器12の機器登録部64は例えば図31に示すような機器構成情報選択画面を表示する。図31は機器構成情報選択画面の一例のイメージ図である。なお、図31の機器構成情報選択画面は図30に示したレスポンスに基づき作成された例を示している。
サーバ装置10から返された機器構成情報リストが空であった場合、電子機器12の機器構成アプリは導入すべき機器構成情報が存在しないため、アプリケーションを導入する処理を終了する。例えば図5の機器構成情報テーブル28は、テナントID「Tenant1」の機器構成情報の状態が「完了」であり、導入すべき機器構成情報が存在しない例に該当する。
ステップS34において、電子機器12の操作者は、図29や図31などの機器構成情報選択画面の「導入する」ボタンを押下することにより、機器構成情報を選択してアプリケーションの導入開始を要求する。なお、図29の機器構成情報選択画面のように機器構成情報を一意に特定できる場合は「導入ボタン」を表示せず、自動的にアプリケーションの導入を開始してもよい。
また、複数の機器構成情報が登録されている場合であっても、説明、設定ファイル及びアプリ構成の全てが同じであれば、「導入ボタン」を表示せず、自動的に一つの機器構成情報を選択してアプリケーションの導入を開始してもよい。典型的なケースとしては同じ用途に使用する複数台の電子機器12を一括納品した場合などである。
納品する電子機器12の台数が多くなると、業務担当による機器構成情報の登録作業の手間が増えるため、複数台分の機器構成情報を一括して登録できることが望ましい。例えば機器構成情報作成部44は図18に示した新規作成画面において台数を入力できるようにする。サーバ装置10の機器構成管理部23は機器構成情報テーブル28に台数分のレコードを作成する。
また、図21のライセンスキー入力画面では、複数台のボリュームライセンスキーの入力を求め、ライセンス管理部26でボリュームライセンスを確認できた場合に、複数の機器構成情報に対して同じライセンスキーを登録する。
アプリケーションの導入開始後、電子機器12の機器登録部64は操作者により選択された機器構成情報に機番が登録されていなければ、ステップS35においてサーバ装置10の機器構成管理部23に電子機器12の登録要求を行う。ステップS35の電子機器12の登録要求では電子機器12の機番と、その機番を登録する機器構成情報の機器構成情報IDとを指定して、機番の登録を要求する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDの機器構成情報に電子機器12の機番を登録する。また、機器構成管理部23は指定された機器構成情報の状態を「実行中」に更新する。
例えば図5の機器構成情報テーブルのテナントID「Tenant2」のレコードは図32に示すように更新される。図32は、アプリ導入中の機器構成情報の一例の構成図である。図32の機器構成情報は項目「世代情報」がnextである。
次に、電子機器12のアプリ導入処理部65はステップS36〜S38の処理を導入するアプリケーションの数だけ繰り返し行い、アプリケーションを導入する。ステップS36において、アプリ導入処理部65はステップS34で選択された機器構成情報と対応付けられているアプリIDを指定してサーバ装置10のアプリストレージ部27からアプリケーションの実行ファイルを取得する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDと対応付けられているアプリ構成情報の状態を「実行中」に更新する。ステップS37に進み、アプリ導入処理部65は取得した実行ファイルによりアプリケーションをインストールする。
ステップS38に進み、アプリ導入処理部65はステップS34で選択された機器構成情報と対応付けられているアプリID、ライセンスキー及び機番を指定し、サーバ装置10のライセンス管理部26にライセンスを有効化させる。機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDと対応付けられているアプリ構成情報の状態を「完了」に更新する。
ステップS39に進み、設定反映部66はステップS34で操作者により選択された機器構成情報の設定ファイルのファイルパスを指定して、サーバ装置10のファイル管理部25から設定ファイルを取得する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDと対応付けられている設定ファイル情報の状態を「実行中」に更新する。
ステップS40に進み、設定反映部66はサーバ装置10から取得した設定ファイルの設定を反映する。設定ファイルはインストールしたアプリケーションの設定を含んでいてもよい。したがって、ステップS40の設定の反映はステップS37のアプリケーションのインストールよりも後に行う。
ステップS41に進み、電子機器12の状態通知部67はサーバ装置10の機器構成管理部23に状態「完了」を通知する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報の状態を「完了」に更新する。また、機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDと対応付けられている設定ファイル情報の状態を「完了」に更新する。
その後、電子機器12はステップS42において導入結果表示画面を操作パネルに表示し、アプリケーションの導入作業を完了する。
図12では、業務担当がテナントに機器構成情報を対応付けておき、その機器構成情報を利用して、電子機器12にアプリケーションを導入する動作シナリオを説明したが、図33に示すような動作シナリオでもよい。
図33は機器構成情報を利用して電子機器にアプリケーションを導入する動作シナリオの一例を示す説明図である。業務担当は業務担当用クライアント装置14からサーバ装置10にログインし、機番と対応付けて機器構成情報をサーバ装置10に登録する。このように、業務担当は事前作業として機器構成情報を機番と対応付けてサーバ装置10に登録しておく。
電子機器12がユーザ環境に納品されたあとで、操作者はアプリケーション導入作業を行う。操作者は電子機器12を操作し、導入画面を開く。電子機器12はサーバ装置10に機器認証を要求する。機器認証が成功すると、電子機器12は機番を指定してサーバ装置10から状態が「実行予約」の機器構成情報を取得する。
電子機器12は取得した機器構成情報に基づき、サーバ装置10からアプリケーションをダウンロードし、インストールする。また、電子機器12は取得した機器構成情報に基づき、サーバ装置10から設定ファイルを取得し、設定を反映する。
以下、図33の動作シナリオについて業務担当が業務担当用クライアント装置14で事前に行う機器構成情報の登録作業と、操作者が電子機器12で行うアプリケーションの導入作業と、について説明する。
《機器構成情報の登録作業》
図33の動作シナリオに係る機器構成情報の登録作業のシーケンス図は第一の実施形態と一部を除いて同様である。したがって、図13を参照しながら異なる部分について説明する。ステップS13のテナントを選択する処理は省略してもよい。ステップS13のテナントを選択する処理を省略した場合は、図16の機器構成情報管理画面に業務担当が参照できる全ての機器構成情報が表示される。
また、図16又は図17の「新規作成」リンクを押下することで表示される機器構成情報の新規作成画面は図34に示すようになる。図34は機器構成情報の新規作成画面の一例のイメージ図である。ステップS15において、業務担当は図34の新規作成画面に機番及び説明を入力して「作成」ボタンを押下する。
機器構成情報作成部44は新規作成画面に入力された機番及び説明を指定し、機器構成情報の作成をサーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。サーバ装置10の機器構成管理部23は指定された機番及び説明が登録されている機器構成情報を機器構成情報テーブル28に追加する。このように、図33の動作シナリオに係る機器構成情報テーブル28のレコードは最初から機番が登録された状態となる。他の処理は図12の動作シナリオと同様であるため、説明を省略する。
図35はアプリケーションの導入作業の一例を示すシーケンス図である。図35に示したシーケンス図は操作者によるログインの代わりに電子機器12による機器認証を行うものである。機器認証は電子機器12で動作する機器構成アプリと、サーバ装置10の機器構成管理部23との間で行われるため、操作者の入力を必要としない。
例えば個体を識別するデジタル証明書を記憶装置に保存して出荷される電子機器12の場合は、このデジタル証明書を用いたSSL/TLSクライアント認証により機器認証を実現できる。
ステップS51において操作者が導入画面を開くと、電子機器12はステップS52において機器認証を行う。機器認証に成功すると、ステップS53に進み、電子機器12は機番による機器構成情報の検索をサーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。機器構成管理部23は機番が一致し、状態が「実行予約」である機器構成情報を機器構成情報テーブル28から検索して電子機器12に返す。
電子機器12に返される機器構成情報は一つ又は無し、である。該当する機器構成情報が無ければ、機器構成アプリは処理を終了する。該当する機器構成情報があれば、電子機器12はサーバ装置10から返された機器構成情報により、ステップS54以降の処理を行う。機番により機器構成情報を一意に特定できるため、図29や図31の機器構成情報選択画面の「導入ボタン」を表示せず、自動的にアプリケーションの導入を開始してもよい。また、最初から機番が登録された状態であるため、図26のステップS35の電子機器12を登録する処理は必要ない。
《置き換え又は増設用の電子機器に対するアプリケーションの導入》
本実施形態では、例えば図36に示すように、置き換え又は増設用の電子機器12に対してアプリケーションを導入する。図36は機器構成情報を利用して置き換え又は増設用の電子機器にアプリケーションを導入する動作シナリオの一例を示す説明図である。
図36ではユーザ環境に設置される電子機器12を、機器構成情報を複製する複製元の電子機器12Aと、置き換え又は増設される複製先の電子機器12Bと、に分けて示している。
電子機器12Bへの置き換えは、例えば「Tenant2」において機番「Dev_000003」の電子機器12Aの動作が不安定になった場合に行われる。また、電子機器12Bの増設は、例えば業務の効率を上げるために行われる。なお、サーバ装置10の機器構成情報テーブル28の「Tenant2」に対応付いた機器構成情報は、上記したアプリケーションを導入する動作シナリオにより、例えば図5から図37のように更新されたものとする。図37はアプリケーションの導入が完了した機器構成情報の一例の構成図である。
業務担当は業務担当用クライアント装置14からサーバ装置10にログインし、事前作業として複製元の電子機器12Aの機器構成情報を複製しておく。複製した機器構成情報は「Tenant2」と対応付けてサーバ装置10に登録しておく。
複製先の電子機器12Bがユーザ環境に納品されたあと、操作者は複製元の電子機器12Aでのデータ移行作業と、複製先の電子機器12Bでのアプリケーション導入作業とを後述のように行う。
《機器構成情報の複製作業》
図38は機器構成情報の複製作業の一例を示すシーケンス図である。業務担当は業務担当用クライアント装置14で動作するブラウザから機器構成情報管理ツールにアクセスして図14のログイン画面からサーバ装置10にログインし、図15のテナント選択画面を表示させる(S111〜S112)。
業務担当は図15のテナント選択画面にテナントIDを入力して「開く」ボタンを押下することにより例えば図39に示す機器構成情報管理画面を表示させる(S113〜S114)。図39は機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。なお、図39の機器構成情報管理画面は図37に示した機器構成情報テーブルに基づき作成された例を示している。
図39の機器構成情報管理画面の「複製」ボタンが押下されると、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48は、図40のような機器構成情報複製画面を表示する。図40は機器構成情報複製画面の一例のイメージ図である。図40の機器構成情報複製画面は、複製元の電子機器12Aの機器構成情報ID、機番、複製する機器構成情報の説明が表示されると共に、設定値移行のチェックボックス、及び、ライセンス移行のチェックボックスが表示される例を示している。
例えば電子機器12Aを置き換える場合は、電子機器12Aの設定値及びライセンスを複製先の電子機器12Bに移行する必要がある。そこで、業務担当は電子機器12Aを置き換える場合に「設定値移行」及び「ライセンス移行」のチェックボックスにチェックを入れる。また、複製する機器構成情報の説明には、機器構成情報の複製元である電子機器12Aが分かる説明文(例えば1F(Dev_000003)からの複製など)を表示する。複製する機器構成情報の説明は業務担当が変更できるようにしてもよい。
また、電子機器12Aを元に、電子機器12Bを増設する場合は電子機器12Aの設定値を複製先の電子機器12Bに移行する必要がある。そこで、業務担当は電子機器12Aを元に、電子機器12Bを増設する場合に「設定値移行」のチェックボックスにチェックを入れる。
なお、電子機器12Aから複製先の電子機器12Bに対して設定値及びライセンスを移行するか否かは業務担当が自由に選択できる。また、電子機器12Aを元に、複数台の電子機器12Bを増設する場合は、業務担当の作業を単純化するため、図40の機器構成情報複製画面に台数入力欄を設けて、複数台分の機器構成情報を一度に複製するようにしてもよい。
図40の機器構成情報管理画面の「複製」ボタンが押下されると、機器構成情報複製処理部48はテナントID、複製元機器構成情報ID、説明、設定値移行要否、ライセンス移行要否を指定してサーバ装置10に機器構成情報の複製を要求する。
サーバ装置10の機器構成管理部23は、業務担当用クライアント装置14から機器構成情報の複製が要求されると、機器構成情報テーブル28、アプリ構成情報テーブル29及び設定ファイル情報テーブル30にレコードを追加(複製)する。
設定値移行「要」、ライセンス移行「否」である場合、機器構成管理部23は機器構成情報テーブル28に、例えば図41に示すレコードを追加する。また、機器構成管理部23はアプリ構成情報テーブル29に例えば図42に示すレコードを追加する。また、機器構成管理部23は、設定ファイル情報テーブル30に例えば図43に示すレコードを追加する。
図41は、設定値移行「要」、ライセンス移行「否」の場合に機器構成情報テーブルに追加されるレコードの一例の構成図である。図42は、ライセンス移行「否」の場合にアプリ構成情報テーブルに追加されるレコードの一例の構成図である。また、図43は設定値移行「要」の場合に設定ファイル情報テーブルに追加されるレコードの一例の構成図である。
図43に示した設定ファイル情報テーブルの複製元の設定ファイル(上のレコード)は状態が「準備完了」となっている。これは、複製元の機器構成情報に登録されている設定ファイルが、最新の設定か分からないため、一旦削除するためである。なお、この段階では設定ファイル情報テーブルに、複製元の機器構成情報に対応付いた設定ファイルをエクスポートすることを示すデータを保存しておく。
複製先の電子機器12Bには、複製元の電子機器12Aからエクスポートした最新の設定ファイルが後でインポートされる。なお、この段階では設定ファイル情報テーブルに、複製元の機器構成情報に対応付いた設定ファイルから複製することを示すデータを保存しておく。
図42に示したアプリ構成情報テーブルは、下二つのレコードが追加されたレコードである。アプリID「FreeApp_001」は無償アプリの例であるため、ライセンスキーが複製元のアプリ構成情報から複製されている。なお、ライセンスキーの複製が可能であるか否かは、ライセンス管理部26に問い合わせてもよい。
ライセンスは無償有償のフラグを属性として持つようにしてもよいし、適用可能な電子機器12の台数を持ち、ライセンスキーを複製してもよい場合に、適用可能な電子機器12の台数を無制限としてもよい。
アプリID「PaidApp_002」は有償アプリの例であるため、新たなライセンスキーの入力が必要となる。したがって、図42に示したアプリ構成情報テーブルでは項目「ライセンスキー」が空欄となっている。
サーバ装置10の機器構成管理部23は複製した機器構成情報の機器構成情報IDを業務担当用クライアント装置14に返す。機器構成情報IDを返された業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48はステップS117に進み、例えば項目「ライセンスキー」が空欄となっているアプリIDについて、例えば図21に示したライセンスキー入力画面を表示する。
ステップS118において業務担当は図21のライセンスキー入力画面にライセンスキーを入力し「登録」ボタンを押下する。ステップS119に進み、業務担当用クライアント装置14のアプリ登録部46は機器構成情報ID、アプリID、ライセンスキーを指定して、サーバ装置10の機器構成管理部23にアプリ構成情報の変更要求を行う。
機器構成管理部23は、アプリ構成情報の変更要求に基づき、図42に示したアプリID「PaidApp_002」のアプリ構成情報テーブル29のレコードに例えばライセンスキー「Lic_002_000003」を追加する。ライセンスキーが追加されたことにより、図42のアプリID「PaidApp_002」のアプリ構成情報テーブル29のレコードの状態は準備中から準備完了に遷移する。
ステップS119のアプリ構成情報の変更要求のあと、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48は図44の機器構成情報管理画面を表示する。図44は機器構成情報が複製された機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。なお、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48は図44の機器構成情報管理画面から、複製された機器構成情報に対して更にアプリケーションを追加できるようにしてもよい。
また、複数台分の機器構成情報を一度に複製した場合は、各機器構成情報に対応するアプリ構成情報に対してライセンスキーの入力を行う。なお、ライセンスキーがボリュームライセンスである場合を想定して、複数の機器構成情報に対して同じライセンスキーを同時に登録できるようにしてもよい。
また、サーバ装置10の機器構成管理部23は、業務担当用クライアント装置14から機器構成情報の複製が要求されると、設定値移行「要」、ライセンス移行「要」である場合に、以下のように処理を行う。
機器構成管理部23は、機器構成情報テーブル28、アプリ構成情報テーブル29及び設定ファイル情報テーブル30にレコードを追加(複製)する。機器構成情報テーブルに追加されるレコードは図41と同じである。
アプリ構成情報テーブルに追加されるレコードは図45のようになる。図45はライセンス移行「要」の場合にアプリ構成情報テーブルに追加されるレコードの一例の構成図である。アプリID「FreeApp_001」の無償アプリについては、図42に示したライセンス移行「否」の場合と同じである。
一方、アプリID「PaidApp_002」の有償アプリについては、複製元の電子機器12Aの項目「ライセンスキー」に「無効化中」であることを示すデータが保存される。さらに、複製先の電子機器12Bの項目「ライセンスキー」には、複製元のライセンスキーと共に、ライセンス移行中であることを示すデータが保存される。なお、新たなライセンスキーは不要であるため、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48はライセンスキー入力画面を表示せずに、図46の機器構成情報管理画面を表示する。図46は機器構成情報が複製された機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。つまり、図38のステップS117〜S119の処理は省略される。
また、複数台分の機器構成情報を一度に複製した場合は、1台目についてはライセンス移行「要」の場合の対応でライセンス移行を行えるが、2台目以降のアプリ構成情報についてライセンス移行「否」の場合の対応でライセンスキーの入力・登録を行う。なお、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報複製処理部48は図46の機器構成情報管理画面から、複製された機器構成情報に対して更にアプリケーションを追加できるようにしてもよい。
ステップS120において、業務担当は図44又は図46の機器構成情報管理画面に設けられた複製元の機器構成情報の「予約」ボタンを押下することにより、機器構成情報の複製の実行予約を要求する。
機器構成情報作成部44は複製元の機器構成情報の「予約」ボタンが押下されることによりステップS121に進み、機器構成情報IDを指定してサーバ装置10の機器構成管理部23に実行予約を要求する。機器構成管理部23は機器構成情報IDと対応付けられている機器構成情報の「状態」を準備完了から実行予約に遷移させる。
図38のシーケンス図に示す処理が終わると、業務担当用クライアント装置14は図47に示すような機器構成情報管理画面を表示している。図47は機器構成情報の複製の実行予約を行った後の機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。例えば図47の機器構成情報管理画面は複製元の機器構成情報の項目「状態」が実行予約となっている。また、図47の機器構成情報管理画面は複製元の機器構成情報の項目「状態」を実行予約から準備完了に戻すための「予約解除」ボタンが設けられている。
なお、業務担当が図40の機器構成情報複製画面の「設定値移行」及び「ライセンス移行」のチェックボックスにチェックを入れずに機器構成情報管理画面の「複製」ボタンを押下した場合は、図48のような機器構成情報管理画面が表示される。図48は機器構成情報の複製の実行予約を行った後の機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。設定値移行もライセンス移行も行わないため、図48の機器構成情報管理画面では複製元の機器構成情報の項目「状態」が完了となっている。また、図48の機器構成情報管理画面では複製先の機器構成情報の項目「状態」が準備完了となっており、複製先の機器構成情報の項目「状態」を準備完了から実行予約に遷移させるための「予約」ボタンが設けられている。
《複製元の電子機器でのデータ移行作業》
図49は複製元の電子機器でのデータ移行作業の一例を示すシーケンス図である。複製元の電子機器12Aは機器登録済みであるため、機器認証により機器構成情報を特定することができる。そこで、図49では機器認証から始めるシーケンス図を示すが、操作者によるログインから始めるシーケンスであってもよい。
ステップS151〜S152の処理は図35に示したステップS51〜S52と同じである。機器認証に成功すると、電子機器12Aの機器構成情報検索部63はステップS153において機番による機器構成情報の検索を、サーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。機器構成管理部23は機番が一致する機器構成情報を機器構成情報テーブル28から検索して電子機器12Aに返す。
状態が「実行予約」であり、設定ファイルをエクスポートすることを示すデータが保存された機器構成情報を受信した場合、電子機器12Aの機器構成アプリは図50のエクスポート開始確認画面を表示する。図50はエクスポート開始確認画面の一例のイメージ図である。図50のエクスポート開始確認画面は、設定ファイルのエクスポート処理の開始を操作者に確認させる画面である。
ステップS154において電子機器12Aは、図50に示したエクスポート開始確認画面の「エクスポートを開始する」ボタンが押下され、操作者からエクスポートの開始の指示を受け付ける。ステップS155において、電子機器12Aのアプリ移行処理部68は二次記憶領域に保存された各モジュールの設定値を収集し、設定ファイルを作成する。
ステップS156に進み、アプリ移行処理部68は機器構成情報IDを指定し、作成した設定ファイルの登録をサーバ装置10の機器構成管理部23に要求する。ステップS157において、機器構成管理部23は電子機器12Aから登録要求のあった設定ファイルをファイル管理部25に保存させる。そして、機器構成管理部23はファイル管理部25から返された設定ファイルのファイルパスで図43の設定ファイル情報テーブルを更新すると共に、項目「状態」を準備完了から完了に遷移させる。
電子機器12Aのアプリ移行処理部68は機器構成情報と共に受信したアプリ構成情報の項目「ライセンスキー」に「無効化中」であることを示すデータが保存されていた場合にステップS158の処理を行う。ステップS158において、アプリ移行処理部68はアンインストールの開始を操作者に確認させる図51のアンインストール開始確認画面を表示する。図51はアンインストール開始確認画面の一例のイメージ図である。
ステップS159において電子機器12Aは図51に示したアンインストール開始確認画面の「アンインストールを開始する」ボタンが押下され、操作者からアンインストールの開始の指示を受け付ける。ステップS160〜S162の処理はアンインストールするアプリの数だけ繰り返される。
ステップS160において、アプリ移行処理部68は、アプリ構成情報の項目「ライセンスキー」に「無効化中」であることを示すデータが保存されていたアプリをアンインストールする。ステップS161に進み、アプリ移行処理部68はアプリID、ライセンスキー及び機番を指定して、ライセンス管理部26にライセンスを無効化させる。
ステップS162に進み、電子機器12Aの状態通知部67はサーバ装置10の機器構成管理部23に機器構成情報ID、アプリIDを指定して、アンインストール完了の状態を通知する。機器構成管理部23はアプリ構成情報の項目「ライセンスキー」に「アンインストール済み」であることを示すデータを保存する。
なお、機器構成管理部23は無効化したライセンスのレコードをアプリ構成情報テーブル29から削除するようにしてもよい。また、図49のシーケンス図ではアプリのアンインストール処理の中でライセンスの無効化を行っているが、アンインストールせずにライセンスの無効化だけを行うようにしてもよい。
また、ステップS162のアンインストール完了の状態の通知は、ライセンス無効化の要求を受け付けたライセンス管理部26が機器構成管理部23に通知することで実現するようにしてもよい。この場合、アプリ構成情報の項目「ライセンスキー」には「無効化済み」であることを示すデータを保存する。
アンインストールするアプリの数だけステップS160〜S162の処理を繰り返したあと、電子機器12Aのアプリ移行処理部68はステップS163においてデータ移行作業の完了画面を表示する。また、複製元の機器構成情報の項目「状態」は実行予約から完了に遷移する。
《複製先の電子機器でのアプリケーション導入作業》
複製先の電子機器12Bにおけるアプリケーション導入作業は、一部を除いて図26に示したシーケンス図と同様である。複製先の電子機器12Bにおけるアプリケーション導入作業は、複製元の電子機器12Aからのデータ移行作業(アプリのインストールと設定ファイルの反映)が完了した後で行われる点で図26のシーケンス図と異なっている。
複製元の電子機器12Aからのデータ移行作業(アプリのインストールと設定ファイルの反映)が完了は、複製元の機器構成情報の項目「状態」が「完了」であるか否かにより判断できる。
例えば図41の機器構成情報テーブル28の場合、ステップS33では機器構成情報IDが「Conf_0000006」の機器構成情報が、複製先の機器構成情報として返される。複数台分の機器構成情報を一括して複製した場合は、ステップS33において返される複数の機器構成情報から操作者に選択させる。ステップS35において電子機器12Bの登録を行い、複製先の機器構成情報の項目「機番」には複製先の電子機器12Bの機番が登録される。複製先の機器構成情報を返された電子機器12の機器登録部64は例えば図52に示す機器構成情報選択画面を表示する。図52は機器構成情報選択画面の一例のイメージ図である。
ステップS36〜S39のアプリのインストールは、ライセンス移行する場合、複製元の電子機器12Aでのライセンスの無効化が完了するのを待つ必要がある。電子機器12Bは機器構成情報ID「Conf_0000003」の状態が「完了」であればライセンスの無効化が完了していると判断することができる。
ライセンスの無効化が完了していないと判断した場合、電子機器12BはステップS37のアプリのインストールまで進んだあと、ライセンスの無効化が完了したと判断できるまでステップS38の処理を行わずに待機する。電子機器12BはステップS38においてライセンスキー「Lic_002_000001」を有効化する。そして、ステップS39に進み、電子機器12の状態通知部67は、サーバ装置10の機器構成管理部23に状態「アプリ導入完了」を通知する。
また、ステップS40〜S42の設定ファイルの反映は、複製元の電子機器12Aでの設定ファイルのエクスポートが完了するのを待つ必要がある。電子機器12Bは機器構成情報ID「Conf_0000003」の状態が「完了」であれば設定ファイルのエクスポートが完了していると判断することができる。設定ファイルのエクスポートが完了していないと判断した場合、電子機器12BはステップS40の処理を行わずに待機する。
具体的に、電子機器12Bは所定時間間隔でサーバ装置10から機器構成情報ID「Conf_0000003」の機器構成情報を取得し、項目「状態」が実行予約から完了に遷移するのを待つ。
この状態を検知した後で電子機器12BはステップS40の処理を行う。電子機器12Bはファイルパスを指定してサーバ装置10から設定ファイルを取得する。ステップS41に進み、電子機器12Bは取得した設定ファイルの設定を反映する。
ステップS42に進み、電子機器12の状態通知部67はサーバ装置10の機器構成管理部23に状態「完了」を通知する。機器構成管理部23は、指定された機器構成情報と対応付けられた設定ファイル情報の項目「設定ファイル」を更新する。
《電子機器のフローチャート》
上記のシーケンス図の処理は例えば図53のフローチャートに示す電子機器12の処理により実現できる。図53は電子機器の処理の一例のフローチャートである。なお、図53のフローチャートでは画面表示、ユーザ入力及び複数の対象に対するループの記載を省略している。
ステップS201において、電子機器12は機器認証から開始し、機器登録が完了している場合のみに機器認証が成功するとした場合の例を示している。ステップS203〜S208は複製元の電子機器12Aの処理を示している。ステップS209〜S218は複製先の電子機器12B(或いは単独でアプリケーションを導入する電子機器12)の処理を示している。なお、ここでは図36の動作シナリオの例を説明する。
ステップS201において、電子機器12A又は12Bは機器認証を行う。電子機器12Aからの機器認証の場合は機器認証に成功し(S202においてY)、ステップS203に進む。なお、電子機器12Bからの機器認証の場合は機器認証に失敗し(S202においてN)、ステップS209に進む。
ステップS203において電子機器12Aは自機の機番がセットされた機器構成情報をサーバ装置10から検索する。検索した機器構成情報の状態が「実行予約」でなければ電子機器12Aは処理を終了する。
検索した機器構成情報の状態が「実行予約」であれば電子機器12AはステップS205に進み、検索した機器構成情報と対応付けられている設定ファイル情報の項目「設定ファイル」から設定ファイルがエクスポート中であるか否かを判定する。
設定ファイルがエクスポート中であると判定すると(S205においてY)、電子機器12AはステップS206に進み、設定ファイルをエクスポートした後でステップS207に進む。また、設定ファイルがエクスポート中でないと判定すると(S205においてN)、電子機器12AはステップS206の処理をスキップする。
ステップS207において、電子機器12Aは検索した機器構成情報と対応付いたアプリ構成情報の項目「ライセンスキー」に「無効化中」であることを示すデータが保存されていればステップS208に進む。ステップS208において電子機器12Aはアプリのアンインストール処理を行う。また、検索した機器構成情報と対応付いたアプリ構成情報の項目「ライセンスキー」に「無効化中」であることを示すデータが保存されていなければステップS208の処理をスキップする。
ステップS209に進んだ電子機器12Bはユーザ認証を行う。ユーザ認証に成功した場合は(S210においてY)、ステップS211に進む。ユーザ認証に成功しなかった場合は(S210においてN)、図53のフローチャートの処理を終了する。ステップS211において、電子機器12Bはサーバ装置10から状態が「実行予約」の機器構成情報を検索する。状態が「実行予約」の機器構成情報が存在しなければ(S212においてN)、電子機器12Bは図53のフローチャートの処理を終了する。
状態が「実行予約」の機器構成情報が存在すれば(S212においてY)、電子機器12Bはユーザからの機器構成情報の選択を受け付け(S213)、サーバ装置10に機器を登録する。ステップS214のあと、電子機器12BはステップS215以降の処理を行う。
ステップS215において、電子機器12Bはアプリをインストールするか否かを判定する。アプリをインストールすると判定した場合(S215においてY)、電子機器12BはステップS216に進み、アプリのインストール処理を行う。一方、アプリをインストールしないと判定した場合(S215においてY)、電子機器12BはステップS216の処理をスキップする。
ステップS217に進み、電子機器12Bは設定値を移行するか否かを判定する。設定値を移行すると判定した場合(S217においてY)、電子機器12Bはサーバ装置10から取得した設定ファイルを反映する処理を行い、処理を終了する。一方、設定値を移行しないと判定した場合(S217においてN)、電子機器12BはステップS218の処理をスキップして処理を終了する。
複製先の電子機器12Bの機番が事前に分かる場合は例えば図36に示した動作シナリオと同様に、機番と対応付けて機器構成情報を管理し、機器認証によりアプリケーションの導入を行うようにしてもよい。この場合は図40の機器構成情報複製画面に機番の入力欄を設け、機器構成情報を複製した時点で複製先の電子機器12Bの機番を保存する。
<まとめ>
以上、第一の実施形態によれば、電子機器12に対するアプリケーションの導入及び設定ファイルの反映を、簡単に行うことができる。
[第二の実施形態]
第一の実施形態は、アプリケーション及び設定値を機器個別の同期対象データとして扱うものである。一方、第二の実施形態はアドレス帳も機器個別の同期対象データとして扱えるようにしたものである。第二の実施形態では、第一の実施形態と同様な仕組みにより新規の電子機器12、置き換え又は増設用の電子機器12Bに、アドレス帳を導入、移行又は複製する。なお、以下の説明では第一の実施形態と同様な部分についての説明を適宜省略する。
<システム構成>
第二の実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成は、第一の実施形態と同様である。ただし、第二の実施形態に係る情報処理システム1はLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)サーバ、認証サーバ又はメールサーバなどが含まれていてもよい。
電子機器12は、アドレス帳を利用する画像形成装置などの機器である。第二の実施形態では電子機器12がサーバ装置10からダウンロードしたアドレス帳を利用する。業務担当者は業務担当用クライアント装置14から後述の機器構成情報及びアドレス帳構成情報を、サーバ装置10に登録する。また、業務担当者は業務担当用クライアント装置14から後述のように機器構成情報及びアドレス帳構成情報を複製する。
業務担当者が機器構成情報及びアドレス帳構成情報をサーバ装置10に登録しておくことにより、図1の情報処理システム1では、電子機器12に対するアドレス帳の導入を後述のように容易化している。また、業務担当者が機器構成情報及びアドレス帳構成情報を複製することで、図1の情報処理システム1では置き換え又は増設用の電子機器12に対するアドレス帳の導入を後述のように容易化している。
<機能構成>
次に、第二の実施形態に係る情報処理システム1の機能構成について説明する。
《サーバ装置》
図54は本実施形態に係るサーバ装置の他の例の機能構成図である。図54のサーバ装置10は図4のサーバ装置10の構成に、アドレス帳管理部31、イベント通知部32及びアドレス帳構成情報テーブル33が追加された構成である。
機器構成管理部23は機器構成情報、アプリ構成情報、設定ファイル情報及びアドレス帳構成情報を管理する。アドレス帳管理部31はアドレス帳を管理する。イベント通知部32は認証サーバなどからユーザ情報の変更などのイベント登録を受け付け、アドレス帳管理部31に通知する。
アドレス帳構成情報テーブル33は図55に示すアドレス帳構成情報を記憶する。図55はアドレス帳構成情報の一例の構成図である。図55のアドレス帳構成情報は機器構成情報ID、アドレス帳ID、状態を構成として有する。
項目「機器構成情報ID」は機器構成情報テーブルのレコードである機器構成情報を一意に識別する情報の一例である。項目「アドレス帳ID」は、アドレス帳を一意に識別する情報の一例である。項目「状態」は準備中、準備完了、実行中、完了などのアドレス帳の状態を表す。
アドレス帳の登録によりアドレス帳構成情報テーブル33には、機器構成情報IDと対応付けられた新しいアドレス帳構成情報が登録される。なお、機器構成情報IDには複数のアプリケーションが登録される場合がある。
《業務担当用クライアント装置》
図56は本実施形態に係る業務担当用クライアント装置の他の例の構成図である。図56の業務担当用クライアント装置14は図10の業務担当用クライアント装置14の構成にアドレス帳検索部49及びアドレス帳登録部50が追加された構成である。アドレス帳検索部49はサーバ装置10に登録されているアドレス帳を検索する。アドレス帳登録部50は、サーバ装置10にアドレス帳を登録する。
《電子機器》
図57は本実施形態に係る電子機器の他の例の構成図である。図57の電子機器12は図11の電子機器12の構成にアドレス帳導入処理部69及びアドレス帳移行処理部70が追加された構成である。アドレス帳導入処理部69は電子機器12にアドレス帳を導入する処理を行う。
アドレス帳移行処理部70は既に稼働している電子機器12(複製元)と同じ状態になるように、置き換え又は増設用の電子機器12(複製先)にアドレス帳を導入するアドレス帳移行処理を行う。
<処理の詳細>
次に、第二の実施形態に係る情報処理システム1の処理の詳細について説明する。第二の実施形態では、電子機器12にアドレス帳を導入する。第二の実施形態では業務担当がテナントに機器構成情報及びアドレス帳構成情報(以下、機器構成情報等と呼ぶ)を対応付けておき、機器構成情報等を利用して、電子機器12にアドレス帳を導入する動作シナリオについて説明する。
業務担当は業務担当用クライアント装置14からサーバ装置10にログインし、テナントと対応付けて機器構成情報等をサーバ装置10に登録しておく。操作者はユーザ環境の電子機器12にアドレス帳の導入作業を行う。操作者は電子機器12を操作し、サーバ装置10にログインする。電子機器12はテナントを指定してサーバ装置10から機器構成情報等を取得し、その機器構成情報等に基づき、アドレス帳を取得して導入する。
以下、電子機器12にアドレス帳を導入する動作シナリオについて業務担当が業務担当用クライアント装置14で事前に行う機器構成情報等の登録作業と、操作者がユーザ環境の電子機器12で行うアドレス帳の導入作業と、について説明する。
《機器構成情報等の登録作業》
図58は機器構成情報等の登録作業の一例を示すシーケンス図である。ステップS301〜S306の処理は図13に示したステップS11〜S16と同じである。機器構成情報等を返された業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は、機器構成情報管理画面を表示する。
テナントIDと対応付けられている機器構成情報が無かった場合、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は例えば図59(A)に示す機器構成情報管理画面を表示する。図59は機器構成情報を含む機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。
図59の機器構成情報管理画面に表示されている機器構成情報は新規に作成されたものであるため、項目「状態」が準備中となっている。また、図59の機器構成情報管理画面に表示されている機器構成情報は新規に作成されたものであるため、項目「アプリ」と項目「アドレス帳」と項目「設定」が登録されていない。このため、図59の機器構成情報管理画面では項目「アプリ」と項目「アドレス帳」と項目「設定」に「登録」リンクが表示されている。
ステップS307に進み、業務担当は図59のアドレス帳の「登録」リンクを押下することでアドレス帳登録を指示する。ステップS308において、業務担当用クライアント装置14のアドレス帳検索部49はテナントIDを指定してサーバ装置10のアドレス帳管理部31にアドレス帳の検索を要求する。
サーバ装置10のアドレス帳管理部31は、アドレス帳IDを含むアドレス帳情報を業務担当用クライアント装置14に返す。なお、業務担当用クライアント装置14に返すアドレス帳情報は業務担当が登録する権限のあるアドレス帳のアドレス帳情報を返すようにしてもよい。
アドレス帳情報を返された業務担当用クライアント装置14のアドレス帳登録部50は例えば図60に示すアドレス帳選択画面を表示する。図60は、アドレス帳選択画面の一例のイメージ図である。アドレス帳登録部50はサーバ装置10から返されたアドレス帳情報に含まれているアドレス帳IDをアドレス帳選択画面の「共有可能なアドレス帳」にリストで表示する。なお、アドレス帳登録部50はアドレス帳情報にアドレス帳の名称や説明が含まれていれば、アドレス帳選択画面に表示するようにしてもよい。業務担当は図60のアドレス帳選択画面を操作することで「共有可能なアドレス帳」にリストで表示されているアドレス帳IDリストからアドレス帳IDを選択できる。
ステップS309において業務担当はアドレス帳IDリストからアドレス帳IDを選択した状態でアドレス帳選択画面の「登録」ボタンを押下することにより、アドレス帳の登録を要求する。
ステップS310に進み、業務担当用クライアント装置14のアドレス帳登録部50は機器構成情報ID、アドレス帳IDを指定して、サーバ装置10の機器構成管理部23にアドレス帳の登録要求を行う。機器構成管理部23は業務担当用クライアント装置14からのアドレス帳の登録要求に基づいて、図55に示したアドレス帳構成情報テーブル33にレコードを追加する。
例えば図60のアドレス帳選択画面のアドレス帳IDリストに含まれるアドレス帳IDからアドレス帳ID「Address_002」を選択した状態で「登録」ボタンが押下されると、機器構成管理部23は図55のように3つのレコードを追加する。
ステップS310のアドレス帳の登録要求のあと、業務担当用クライアント装置14の機器構成情報作成部44は図59(A)の機器構成情報管理画面から図59(B)の機器構成情報管理画面に遷移させる。
図59(B)は、アドレス帳の登録が終了したあとの機器構成情報管理画面の一例のイメージ図である。図59(B)の機器構成情報管理画面は、機器構成情報の項目「アドレス帳」に、ステップS310で登録されたアドレス帳IDが表示されている。
また、図59(B)の機器構成情報管理画面は項目「状態」が準備中から準備完了に遷移している。業務担当は図59の機器構成情報管理画面のアプリ及び設定の「登録」リンクを押下することで、第一の実施形態と同じ手順によりアプリケーション及び設定ファイルを登録できる。
そして、ステップS311において、業務担当は図59(B)の機器構成情報管理画面の「予約」ボタンを押下することで、登録した機器構成情報の実行予約を要求する。機器構成情報作成部44は「予約」ボタンが押下されると、ステップS312に進み、機器構成情報IDを指定してサーバ装置10の機器構成管理部23に実行予約を要求する。機器構成管理部23は機器構成情報IDと対応付けられている機器構成情報の「状態」を準備完了から実行予約に遷移させる。
図58のシーケンス図に示す処理が終わると、業務担当用クライアント装置14は、項目「状態」が実行予約となり、項目「操作」に「予約解除」ボタンが表示された機器構成情報管理画面に遷移する。
《アドレス帳の導入作業》
図61はアドレス帳の導入作業の一例を示すシーケンス図である。ステップS331〜S333の処理は図26に示したステップS31〜S33と同じである。機器構成情報リストを返された電子機器12の機器登録部64は例えば図62に示す機器構成情報選択画面を表示する。図62は機器構成情報選択画面の一例のイメージ図である。
ステップS334において、電子機器12の操作者は、図62などの機器構成情報選択画面の「導入する」ボタンを押下することにより、機器構成情報を選択してアドレス帳の導入開始を要求する。なお、図62の機器構成情報選択画面のように機器構成情報を一意に特定できる場合は「導入ボタン」を表示せず、自動的にアドレス帳の導入を開始してもよい。
また、複数の機器構成情報が登録されている場合であっても、説明及びアドレス帳が同じであれば、「導入ボタン」を表示せず、自動的に一つの機器構成情報を選択してアドレス帳の導入を開始してもよい。典型的なケースとしては同じ用途に使用する複数台の電子機器12を一括納品した場合などである。
アドレス帳の導入開始後、電子機器12の機器登録部64は操作者により選択された機器構成情報に機番が登録されていなければ、ステップS335においてサーバ装置10の機器構成管理部23に電子機器12の登録要求を行う。ステップS335の電子機器12の登録要求では電子機器12の機番と、その機番を登録する機器構成情報の機器構成情報IDとを指定して、機番の登録を要求する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDの機器構成情報に電子機器12の機番を登録する。また、機器構成管理部23は指定された機器構成情報の状態を「実行中」に更新する。
次に、電子機器12のアドレス帳導入処理部69はステップS336に進み、ステップS334で操作者により選択された機器構成情報のアドレス帳IDを指定して、サーバ装置10のアドレス帳管理部31からアドレス帳を取得する。機器構成管理部23は指定されたアドレス帳IDと対応付けられているアドレス帳構成情報の状態を「実行中」に更新する。
ステップS337に進み、アドレス帳導入処理部69はサーバ装置10から取得したアドレス帳を導入する。ステップS338に進み、電子機器12の状態通知部67はサーバ装置10の機器構成管理部23に状態「完了」を通知する。機器構成管理部23は指定された機器構成情報の状態を「完了」に更新する。
また、機器構成管理部23は指定された機器構成情報IDと対応付けられているアドレス帳構成情報の状態を「完了」に更新する。その後、電子機器12はステップS339において導入結果表示画面を操作パネルに表示し、アドレス帳の導入作業を完了する。
ここでは、業務担当がテナントに機器構成情報を対応付けておき、その機器構成情報を利用して、電子機器12にアドレス帳を導入する動作シナリオを説明したが、機番に機器構成情報を対応付けておいてもよい。また、ここではアドレス帳を導入する例を説明したがアドレス帳の移行又は複製についても、同様に実現できる。
ところで、アドレス帳は電子機器12において電子データの送信先を指定するために利用されたり、ログインする際のアカウントとして利用されたりする場合がある。つまり、アドレス帳は単なるバックアップ/リストア対象のデータというだけでなく、各種サービスにログインするためのアカウントとしても利用される場合がある。
第二の実施形態に係る情報処理システム1では、図63及び図64に示すように電子機器12に導入されているアドレス帳を認証サーバと同期させることもできる。図63及び図64は電子機器に導入されているアドレス帳を認証サーバと同期させる処理の一例を示したシーケンス図である。
電子機器12は実行予約の機器構成情報を確認するとステップS351からステップS352に進み、確認した機器構成情報に対応付けられたアドレス帳構成情報からアドレス帳IDを特定する。電子機器12は特定したアドレス帳IDの設定情報を確認し、サーバ装置10からアドレス帳の保管先URL、同期制御に関わる設定値を取得する。同期制御に関わる設定値は、アカウント同期の有効/無効、同期方向、同期時の上書きフラグの有効/無効などである。
ステップS353に進み、電子機器12はアドレス帳のエクスポートを行う。アドレス帳が電子機器12の内部ストレージにある場合、電子機器12はステップS354においてアドレス帳のエクスポート処理を行う。アドレス帳がLDAPサーバなどの外部サーバにある場合、電子機器12は外部サーバにアドレス帳のエクスポート処理を要求する。
また、ログイン方式が認証連携の場合、電子機器12はIdPエンドポイント情報を取得する。電子機器12はステップS357に進み、アドレス帳の保管先URL、アドレス帳データ及びIdPエンドポイント情報を指定してアドレス帳のアップロードをサーバ装置10のアドレス帳管理部31に対して行う。
ステップS358に進み、アドレス帳管理部31はテナントのアドレス帳に関する設定値を参照し、ステップS359においてアドレス帳を保管する。アカウント同期が有効かつ同期方向が電子機器12から認証サーバである場合、アドレス帳管理部31はステップS360に進み、認証サーバからユーザ情報一覧を取得する。
ステップS360以降の処理はユーザ情報(エントリ)分、行われる。アドレス帳に含まれるユーザが認証サーバのユーザ情報一覧に存在しない場合、アドレス帳管理部31はステップS361において認証サーバにユーザ作成を要求することで、ユーザアカウントを同期させる。
アドレス帳に含まれるユーザが認証サーバのユーザ情報一覧に存在するが、同期時の上書きフラグが有効の場合、アドレス帳管理部31はステップS362において認証サーバにユーザ更新を要求することで、ユーザアカウントを同期させる。
なお、パスワードが同期できない場合、アドレス帳管理部31はステップS363においてユーザIDを指定し、認証サーバへパスワード再設定を依頼する。ステップS364に進み、認証サーバはユーザIDと対応付けて一時トークンを発行する。
ステップS365に進み、認証サーバはメールサーバに対し、ユーザ宛のメール送信を依頼する。ユーザ宛のメールには、一時トークンを含むパスワード再設定用URLが記載されている。メールを受信したユーザは、一時トークンを含むパスワード再設定用URLにアクセスし、パスワードを設定する。また、パスワードが同期できない場合、アドレス帳管理部31はステップS366に示すように電子機器12をIdPエンドポイントとした認証連携行ってもよい。
また、第二の実施形態に係る情報処理システム1では、図65に示すように電子機器12に導入されているアドレス帳を認証サーバと同期させることもできる。図65は電子機器に導入されているアドレス帳を認証サーバと同期させる処理の他の例を示したシーケンス図である。図65のシーケンス図は認証サーバのユーザ情報に電子機器12のアドレス帳を同期させる。
例えば業務担当はステップS381において認証サーバのユーザ情報を変更する。認証サーバはステップS382においてユーザ情報の変更をイベントとしてサーバ装置10のイベント通知部32に通知する。イベント通知部32は認証サーバでユーザ情報の変更があったことをアドレス帳管理部31に通知する。ステップS384に進み、アドレス帳管理部31は同期制御に関わる設定値を参照する。
アカウント同期が有効かつ同期方向が認証サーバから電子機器12である場合、アドレス帳管理部31はステップS385に進み、認証サーバにおいて変更されたユーザ情報でアドレス帳を更新する。
ステップS386に進み、機器構成管理部23はアドレス帳管理部31が行ったアドレス帳の変更を検知する。ステップS386の処理は、所定時間ごとに機器構成管理部23からアドレス帳管理部31に問い合わせることで行ってもよいし、アドレス帳管理部31から機器構成管理部23に通知することで行ってもよい。
ステップS387に進み、機器構成管理部23はアドレス帳を電子機器12に反映させるための機器構成情報等を作成する。そして、ステップS388に進み、機器構成管理部23は作成した機器構成情報の状態を「実行予約」に変更する。この後、前述したアドレス帳の導入作業により、認証サーバで行われたユーザ情報の変更は、電子機器12のアドレス帳に反映される。
<まとめ>
以上、第二の実施形態によれば、電子機器12に対するアドレス帳の導入、移行及び複製を簡単に行うことができると共に、テナント内の複数の電子機器12でアドレス帳を共有できる。また、第二の実施形態によれば、テナント内の複数の電子機器12が利用するアドレス帳を、認証基盤と連携させることができる。
本発明は、具体的に開示された上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。サーバ装置10は特許請求の範囲に記載した情報処理装置の一例である。機器構成管理部23は構成情報管理手段の一例である。アプリストレージ部27は保持手段の一例である。機器構成情報検索部63は構成情報取得手段の一例である。アプリ導入処理部65及びアプリ移行処理部68は導入処理手段の一例である。テナントIDは組織識別情報の一例である。機番は機器識別情報の一例である。状態が実行予約の機器構成情報は、状態情報が構成情報の実行が予約されている状態を表している構成情報の一例である。