JP2018021983A - フィルムの処理方法、及び偏光フィルムの製造方法 - Google Patents

フィルムの処理方法、及び偏光フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 フィルム処理に合わせて一連に余剰液から有効成分を分離し、再利用するフィルムの処理方法を提供する。
【解決手段】 本発明のフィルムの処理方法は、フィルムBを染色浴2に浸漬する染色工程、染色したフィルムBを架橋浴3に浸漬する架橋工程、架橋したフィルムBを調整浴5に浸漬する調整工程、を有し、前記調整浴5が、前記ホウ素化合物及びヨウ素化合物を含む溶液を有し、前記調整浴5から溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜71を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液に分離し、ヨウ素化合物を含む溶液を前記調整浴5に補充する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、偏光フィルムなどを作製する際のフィルムの処理方法などに関する。
従来、液晶表示装置や偏光サングラスなどの構成材料として、偏光フィルムが使用されている。偏光フィルムとしては、例えば、ヨウ素系偏光フィルムが知られている。
ヨウ素系偏光フィルムは、ヨウ素をフィルムに吸着させ、ホウ素化合物で架橋するというフィルム処理を行うことによって得られる。
具体的には、ヨウ素系偏光フィルムは、ヨウ素を含む溶液を有する染色浴にフィルムを浸漬して染色し、染色したフィルムをホウ素化合物を含む架橋浴に浸漬して架橋し、架橋したフィルムを延伸浴に浸漬して延伸し、延伸したフィルムをヨウ化カリウムなどのヨウ素化合物を含む調整浴に浸漬して色相調整する、という一連のフィルム処理を行うことによって得られる。
このようなフィルム処理を一連に行っていると、フィルムの移動に伴って、前側の処理浴内の溶液が後側の処理浴の溶液に混じり、後側の処理浴の溶液の濃度が変化する。
例えば、染色浴に浸漬された後のフィルムは、ヨウ素を含む溶液(染色浴の溶液)が付着した状態で架橋浴に導入され、架橋浴に浸漬された後のフィルムは、ホウ素化合物を含む溶液(架橋浴の溶液)が付着した状態で調整浴に導入される。
このため、実際にフィルム処理を行っていると、例えば、架橋浴の溶液は、ホウ素化合物とヨウ素を含み且つ相対的にホウ素化合物の濃度が低下した溶液となり、調整浴は、ヨウ素化合物とホウ素化合物を含み且つ相対的にヨウ素化合物の濃度が低下した溶液となる。このように前側の処理浴の溶液が後側の処理浴に混入することによって、後側の処理浴の溶液の濃度が、当初の設定値から変わってしまう。このため、例えば、架橋浴にあっては、ホウ素化合物を補充することによって架橋浴内の溶液の有効成分の濃度を許容範囲に維持し、調整浴にあっては、ヨウ素化合物を補充して調整浴内の溶液の有効成分の濃度を許容範囲に維持している。
前記補充するヨウ素化合物などは、一般にバージン材料が用いられている。この点、各処理浴の余剰液(オーバーフロー液などを含む余剰液)から有効成分を抽出し、それを補充することにより、余剰液の廃棄を少なくでき、材料コストを低減できる。特に、ヨウ化カリウムは、ホウ素化合物などに比して高価であるため、その再利用は材料コストの低減に大きく貢献し得る。
特許文献1には、染色浴、架橋浴及び洗浄浴からのそれぞれ余剰液を、貯蔵槽に纏めて貯蔵し、その貯蔵槽の余剰液を電気透析装置に移し、電気透析装置にてヨウ化カリウム濃縮液として分離し、ヨウ化カリウムを再利用することが開示されている。
しかしながら、染色、架橋、延伸などのフィルム処理は一連に行われるのに対し、前記電気透析装置を用いた分離は、これら一連のフィルム処理と連動して行うことができない。
具体的には、前記電気透析装置を用いた分離にあっては、各浴から余剰液を集めて貯蔵槽に貯蔵し、所定量の余剰液が貯まった段階で、直流電流を印加した電気透析装置に余剰液を移し、所定時間透析した後、ヨウ化カリウム濃縮液を取り出す。そして、得られたヨウ化カリウム濃縮液の濃度を調整した後、それを染色浴などに補充する。このように電気透析装置は、フィルム処理に伴って連鎖的に生じる余剰液を逐次分離できず、フィルム処理とは別個独立して行うものである(いわゆるバッチ処理方式)。このため、余剰液の分離・再利用をフィルムの処理に合わせて一連に行うことができない。
また、電気透析装置の使用には、比較的大きな設置場所が必要となる上、電気透析膜の維持管理が煩雑な上、電力費などのランニングコストが高くなる。
特開2009−22921号公報
本発明の目的は、フィルム処理に合わせて一連に余剰液から有効成分を分離できるフィルムの処理方法及び偏光フィルムの製造方法を提供することである。
本発明の第1のフィルムの処理方法は、ホウ素化合物及びヨウ素化合物を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(X)を有し、前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液に分離する。
本発明の好ましい第1のフィルムの処理方法は、前記工程(X)が、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ヨウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である。
本発明の好ましい第1の処理方法は、フィルムの処理が、フィルムを染色浴に浸漬する染色工程、染色したフィルムを架橋浴に浸漬する架橋工程、架橋したフィルムを調整浴に浸漬する調整工程、を有し、前記調整工程が、前記工程(X)であり、前記逆浸透膜を通じて分離したヨウ素化合物を含む溶液を前記調整浴に補充する。
本発明の好ましい第1のフィルムの処理方法は、前記フィルムが、ポリビニルアルコール系フィルムを含み、前記ホウ素化合物が、ホウ酸を含み、前記ヨウ素化合物が、ヨウ化カリウムを含む。
本発明の第2のフィルムの処理方法は、ホウ素化合物及びヨウ素を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(Y)を有し、前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素を含む溶液に分離する。
本発明の好ましい第2のフィルムの処理方法は、前記工程(Y)が、ヨウ素を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である。
本発明の好ましい第2のフィルムの処理方法は、フィルムの処理が、フィルムを染色浴に浸漬する染色工程、染色したフィルムを架橋浴に浸漬する架橋工程、架橋したフィルムを調整浴に浸漬する調整工程、を有し、前記架橋工程が、前記工程(Y)であり、前記逆浸透膜を用いて分離したホウ素化合物を含む溶液を前記架橋浴に補充する。
本発明の別の局面によれば、偏光フィルムの製造方法を提供する。
本発明の偏光フィルムの製造方法は、前記いずれかのフィルムの処理方法を含む。
本発明のフィルムの処理方法及び偏光フィルムの製造方法は、逆浸透膜を用いて、ホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液、又は、ホウ素化合物を含む溶液とヨウ素を含む溶液に分離する。逆浸透膜を用いることにより、フィルム処理と一連に余剰液から有効成分を分離し、これをフィルム処理と連動して任意の浴に補充できる。
第1実施形態のフィルム処理装置を示す概略参考図。 同フィルム処理装置の分離装置を示す概略参考図。 第2実施形態のフィルム処理装置を示す概略参考図。 同フィルム処理装置の分離装置を示す概略参考図。
本発明のフィルムの処理方法は、任意のフィルムに有効成分を含む溶液を浸漬する工程を有する。その工程は、任意のフィルムに溶液中の有効成分を、吸着、付着、含有、又は、結合させることを含む。本明細書において、有効成分とは、その溶液の使用目的のために必要な成分をいう。
また、本発明のフィルムの処理方法は、任意のフィルムの改質処理、表面処理などに利用できる。
例えば、本発明のフィルム処理方法を用いて、偏光フィルムを製造できる。
以下、偏光フィルムの製造において用いられるフィルム処理を中心にして、本発明を具体的に説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態のフィルム処理は、ホウ素化合物及びヨウ素化合物を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(X)を有し、前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液に分離することを含む。
この工程(X)は、例えば、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ヨウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である。
(フィルム処理装置)
図1は、第1実施形態のフィルム処理装置を示す参考図であり、図2は、前記処理装置が具備する、逆浸透膜を含む分離装置を示す参考図である。図中の白抜き矢印は、フィルムの進行方向(搬送方向)を示し、矢印は、各液の流れ方向を示す。
なお、偏光フィルムの製造において用いられるフィルム処理を中心にして説明している実施形態にあっては、前記フィルム処理装置は、偏光フィルムの製造装置でもある。
フィルム処理装置Aは、長尺帯状のフィルムBを長手方向に搬送する搬送部9と、溶液を有する複数の浴と、溶液から有効成分を分離する分離装置6と、を有する。
前記複数の浴は、前側(フィルムBの進行方向上流側)から順に、例えば、膨潤浴1、染色浴2、架橋浴3、延伸浴4、調整浴5を有する。
前記分離装置6は、前記複数の浴の中の少なくとも1つの浴から溶液を取り出し、その溶液から有効成分を分離する逆浸透膜を有する。
<長尺帯状のフィルム>
処理の対象であるフィルムBは、長尺帯状である。長尺帯状は、長手方向の長さが短手方向(長手方向と直交する方向)の長さよりも十分に大きい長方形状をいう。長尺帯状のフィルムBの長手方向の長さは、例えば、10m以上であり、好ましくは50m以上である。
フィルムBは、特に限定されないが、ヨウ素による染色性に優れていることから、親水性ポリマーフィルムが好ましい。前記親水性ポリマーフィルムとしては、特に限定されず、従来公知のフィルムが使用できる。具体的には、親水性ポリマーフィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系フィルム、これらの部分ケン化フィルムなどが挙げられる。また、これらの他にも、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物などのポリエン配向フィルム、延伸配向されたポリビニレン系フィルムなども使用できる。これらの中でも、特にヨウ素による染色性に優れることから、PVA系ポリマーフィルムが好ましい。
前記PVA系ポリマーフィルムの原料ポリマーとしては、例えば、酢酸ビニルを重合した後にケン化したポリマー、酢酸ビニルに対して少量の不飽和カルボン酸や不飽和スルホン酸等の共重合可能なモノマーを共重合したポリマー、などが挙げられる。前記PVA系ポリマーの重合度は、特に限定されないが、水に対する溶解度の点等から、500〜10000が好ましく、より好ましくは、1000〜6000である。また、前記PVA系ポリマーのケン化度は、75モル%以上が好ましく、より好ましくは、98モル%〜100モル%である。前記フィルムBの厚みは、特に限定されないが、例えば、15μm〜110μmであり、好ましくは、38μm〜110μmであり、より好ましくは、50μm〜100μmである。
<膨潤浴>
膨潤浴1は、前記フィルムBを膨潤させるために設けられている。
膨潤浴1は、槽11と、前記槽11に入れられた溶液12と、を有する。以下、膨潤浴1の溶液を「膨潤液」という。なお、後述する染色浴2で十分に膨潤するフィルムBが用いられる場合には、膨潤浴は、省略してもよい。
図示例では、膨潤浴1は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の膨潤浴1を並設してもよい(図示せず)。
前記膨潤液としては、例えば、水を使用することができる。更に、水に、グリセリンやヨウ化カリウムなどを適量加えた水を膨潤液としてもよい。グリセリンを添加する場合、その濃度は5重量%以下が好ましく、ヨウ化カリウムを添加する場合、その濃度は10重量%以下が好ましい。
<染色浴>
染色浴2は、前記フィルムBを染色するために設けられている。
染色浴2は、槽21と、前記槽に入れられた溶液22と、を有する。以下、染色浴2の溶液を「染色液」という。
図示例では、染色浴2は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の染色浴2を並設してもよい(図示せず)。
前記染色液は、フィルムBを染色するための溶液であり、有効成分としてヨウ素を含む溶液を使用できる。例えば、染色液としては、ヨウ素を溶媒に溶解した溶液を使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒が更に添加されてもよい。染色液中のヨウ素の濃度としては、特に限定されないが、0.01重量%〜10重量%であることが好ましく、0.02重量%〜7重量%の範囲がより好ましく、0.025重量%〜5重量%であることがさらに好ましい。
さらに、染色効率をより一層向上させるために、染色液にヨウ素化合物を添加することが好ましい。ヨウ素化合物は、分子内にヨウ素とヨウ素以外の元素を含む化合物である。前記ヨウ素化合物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタンなどが挙げられる。ヨウ素化合物を添加する場合、その濃度は0.01重量%〜10重量%であることが好ましく、0.1重量%〜5重量%であることがより好ましい。ヨウ素化合物の中でも、ヨウ化カリウムを添加することが好ましい。
前記染色液がヨウ素とヨウ素化合物を含む場合、ヨウ素が溶液の主成分でもよく、或いは、ヨウ素化合物が溶液の主成分でもよい。通常、ヨウ素化合物の方がヨウ素よりも多く含まれている溶液が染色液として使用される。つまり、この染色液は、ヨウ素が有効成分であるが、ヨウ素化合物が主成分である。ここで、本明細書において、主成分とは、溶液中に重量基準で最も多く含まれている成分をいう。
<架橋浴>
架橋浴3は、前記ヨウ素を吸着させたフィルムBを架橋するために設けられている。
架橋浴3は、槽31と、前記槽31に入れられた溶液32と、を有する。以下、架橋浴3の溶液を「架橋液」という。
図示例では、架橋浴3は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の架橋浴3を並設してもよい(図示せず)。
前記架橋液は、フィルムBを架橋するための溶液であり、有効成分としてホウ素化合物を含む溶液を使用できる。例えば、架橋液としては、ホウ素化合物を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒が更に添加されてもよい。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂などが挙げられる。中でも、ホウ酸を用いることが好ましい。架橋液中のホウ素化合物の濃度としては、特に限定されないが、1重量%〜10重量%であることが好ましく、2重量%〜7重量%がより好ましく、2重量%〜6重量%であることがさらに好ましい。また、必要に応じて、前記架橋液に、グリオキザール、グルタルアルデヒドなどを添加してもよい。
さらに、均一な光学特性を有する偏光フィルムが得られることから、前記架橋液にヨウ素化合物を添加することが好ましい。このヨウ素化合物としては、特に限定されず、上記染色液で例示したようなものが挙げられる。中でも、ヨウ化カリウムが好ましい。ヨウ素化合物の濃度は、特に限定されないが、0.05重量%〜15重量%であることが好ましく、0.5重量%〜8重量%であることがより好ましい。ヨウ素化合物を添加する場合、ホウ素化合物(好ましくはホウ酸)とヨウ素化合物(好ましくはヨウ化カリウム)の割合としては、重量比で、1:0.1〜1:6の範囲であることが好ましく、1:0.5〜1:3.5であることがより好ましく、1:1〜1:2.5であることがさらに好ましい。
前記架橋液がホウ素化合物とヨウ素化合物を含む場合、ホウ素化合物が溶液の主成分でもよく、或いは、ヨウ素化合物が溶液の主成分でもよい。
<延伸浴>
延伸浴4は、ヨウ素を吸着させ且つ架橋させたフィルムBを配向させるために設けられている。
延伸浴4は、槽41と、前記槽41に入れられた溶液42と、を有する。以下、延伸浴4の溶液を「延伸液」という。
図示例では、延伸浴4は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の延伸浴4を並設してもよい(図示せず)。
なお、染色浴2や架橋浴3などでもフィルムBを延伸できるので、延伸浴4を省略することもできる。
前記延伸液は、特に限定されないが、例えば、有効成分としてホウ素化合物を含む溶液を使用できる。延伸液としては、例えば、ホウ素化合物、及び必要に応じて、ヨウ化化合物、各種金属塩、亜鉛化合物などを溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒が更に添加されてもよい。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂などが挙げられ、中でも、ホウ酸を用いることが好ましい。延伸液中のホウ素化合物の濃度としては、特に限定されないが、1重量%〜10重量%であることが好ましく、2重量%〜7重量%がより好ましい。
さらに、フィルムBに吸着させたヨウ素の溶出を抑制する観点から、前記延伸液にヨウ素化合物を添加することが好ましい。このヨウ素化合物としては、特に限定されず、上記染色液で例示したようなものが挙げられる。中でも、ヨウ化カリウムが好ましい。延伸液中のヨウ素化合物の濃度は、特に限定されないが、0.05重量%〜15重量%であることが好ましく、0.5重量%〜8重量%がより好ましい。
前記延伸液がホウ素化合物とヨウ素化合物を含む場合、ホウ素化合物が溶液の主成分でもよく、或いは、ヨウ素化合物が溶液の主成分でもよい。通常、ヨウ素化合物の方がホウ素化合物がよりも多く含まれている溶液が延伸液として使用される。
<調整浴>
調整浴5は、フィルムBの色相を調整するため、及び、ホウ素化合物などを除去するために設けられている。この調整浴5は、前記架橋液(架橋液は、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液である)を有する架橋浴の後側に配置された浴である。また、この調整浴5は、前記延伸液(延伸液は、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液である)を有する延伸浴の後側に配置された浴である。調整浴5には、前記架橋浴及び/又は延伸浴に浸漬された後にその浴から取り出されたフィルムBが浸漬される。
調整浴5は、槽51と、前記槽51に入れられた溶液52と、を有する。以下、調整浴5の溶液を「調整液」という。
図示例では、調整浴5は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の調整浴5を並設してもよい(図示せず)。
前記調整液は、フィルムBの色相調整などのための溶液であり、有効成分としてヨウ素化合物を含む溶液を使用できる。例えば、調整液としては、ヨウ素化合物を溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒が更に添加されてもよい。このヨウ素化合物としては、特に限定されず、上記染色液で例示したようなものが挙げられ、中でも、ヨウ化カリウムが好ましい。調整液中のヨウ素化合物の濃度は、特に限定されないが、0.5重量%〜20重量%が好ましく、1重量%〜15重量%がより好ましい。
なお、調整浴5の後に、必要に応じて、洗浄浴などの洗浄部(図示せず)を配置してもよい。洗浄部は、調整浴5を通過した後のフィルムBの表面に残存するヨウ素化合物やホウ素化合物などの残渣成分を除去するために設けられる。洗浄液としては、水を用いることができる。
また、必要に応じて、調整浴5の後に、乾燥部(図示せず)を配置してもよい。乾燥部は、フィルムBの表面に残存する水分などを除去するために設けられる。
上記<膨潤浴>、<染色浴>、<架橋浴>、<延伸浴>及び<調整浴>の欄で説明した、膨潤液、染色液、架橋液、延伸液及び調整液の有効成分の濃度などは、当初の設定値である。後述するように、処理装置を実際に稼働させると、前側の浴の溶液が後側の浴の溶液に混入する及びフィルムBに有効成分が含浸などするため、各浴の濃度が当初の設定値から随時変わることに留意されたい。
<分離装置>
分離装置6は、前記各浴から選ばれる少なくとも1つの溶液から有効成分を分離し、回収するために設けられている。
分離装置6は、前記各浴の少なくとも1つの浴に具備される。本実施形態では、分離装置6は、調整浴5に具備されている。
前記分離装置6は、例えば、順に、移送ポンプ612と、安全フィルター632と、圧送ポンプ613と、逆浸透膜71と、混合機671と、導電率計652と、返送管691と、を有する。分離装置6は、これら以外の部材を有していてもよい。
具体的には、調整浴5には、取水ポンプ611が具備されている。取水ポンプ611によって、調整液52の一部が調整浴5から取り出される。以下、浴から取り出す溶液の一部を「余剰液」といい、特に、調整浴5から取り出す調整液52の一部を「余剰調整液」という。取水ポンプ611の後には補助タンク621が設けられている。補助タンク621は、余剰調整液を一時的に貯留するタンクである。補助タンク621の後には、移送ポンプ612が設けられている。なお、補助タンク621は、必要に応じて設けられる。補助タンク621を有さない場合、移送ポンプ612が余剰調整液を取り出し、それを圧送ポンプ613に送り出す。移送ポンプ612と圧送ポンプ613の間には、順に、汎用フィルター631、安全フィルター632、活性炭を含んだ吸着フィルター633が配置されている。汎用フィルター631は、余剰調整液に混入している可能性がある比較的大きな異物を除去するために設けられている。安全フィルター632は、逆浸透膜71の目詰まりや破損を防止するため、比較的小さな異物を除去するために設けられている。例えば、安全フィルター632は、目開き1μm程度のフィルターエレメントを備える。活性炭を含んだ吸着フィルター633は有機物除去などの目的で設けられている。
圧送ポンプ613は、余剰調整液を加圧して逆浸透膜71に送る。圧送ポンプ613は、特に限定されず、例えば、渦巻ポンプ、ディフューザーポンプ、渦巻斜流ポンプ、ピストンポンプ、プランジャポンプ、ダイアフラムポンプ、歯車ポンプ、スクリューポンプ、ベーンポンプ、カスケードポンプ、ジェットポンプなどが挙げられる。
圧送ポンプ613の後には、逆浸透膜71が設けられている。また、圧送ポンプ613と逆浸透膜71の間には流量計641が設けられている。
本実施形態では、余剰調整液に含まれるヨウ素化合物とホウ素化合物を分離できる逆浸透膜71が用いられる。
逆浸透膜71は、前記のような分離をできるものであれば特に限定されず、従来公知のものを使用できる。例えば、逆浸透膜71としては、スパイラル型膜エレメント、中空糸型膜エレメント、チューブラー型膜エレメント、フレームアンドプレート型膜エレメントなどが挙げられる。逆浸透膜71は、単数又は複数の膜エレメントを有するものを使用できる。複数の膜エレメントは、通常、直列に接続される。
また、逆浸透膜71は、単数でもよく、複数の逆浸透膜71を直列又は並列に接続してもよい。
膜エレメントを構成する素材は、特に限定されず、例えば、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステルなどの各種高分子素材を用いることができる。
逆浸透膜71として、市販品を用いてもよい。本発明で使用できる市販品としては、日東電工(株)製の商品名「LFC3LD」、日東電工(株)製の商品名「ESPA4−7」などが挙げられる。
逆浸透膜71を通じて、余剰調整液は、ホウ素化合物を含む透過液とヨウ素化合物を含む濃縮液に分離される。逆浸透膜71の透過液側には、必要に応じて、流量計642と導電率計651が設けられ、さらにその後に透過液を入れる貯留タンク622が必要に応じて設けられている。この導電率計651は、透過液の導電率を測定するものである。
逆浸透膜71の濃縮液側には、必要に応じて、流量調整部661(例えば、バルブなど)と、流量計643が設けられている。さらに、その後に混合機671と導電率計652が設けられ、その後に貯留タンク623が必要に応じて設けられている。また、混合機671の前には、濃縮液に希釈液を導入する希釈部662が設けられている。前記貯留タンク623には、移送ポンプ614を具備する返送管691が接続され、その返送管691の先は調整浴5に開放されている。
(フィルムの処理方法及び偏光フィルムの製造方法)
本実施形態において、フィルム処理は、フィルムを長手方向に搬送する工程、フィルムを膨潤させる膨潤工程、フィルムを染色する染色工程、フィルムを架橋する架橋工程、フィルムを延伸する延伸工程、フィルムの色相を調整する調整工程を有する。必要に応じて、他の工程を有していてもよい。これらの工程の中から選ばれる少なくとも1つの工程において、溶液から有効成分を分離し、回収し、再び返送して使用する。つまり、溶液中の有効成分を循環させて使用する。
これらの工程は、上記フィルム処理装置Aを用いて実施される。
<膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程、その他の工程>
これらの各工程は、従来のヨウ素系偏光フィルムの製造工程と同様にして実施できる。
図1を参照しつつ、簡単に説明すると、搬送部9により、長尺帯状のフィルムBを膨潤浴1に導き、膨潤液12に浸漬させる。膨潤液の温度は、例えば、20℃〜45℃であり、膨潤液への浸漬時間は、例えば、20秒〜300秒である。
膨潤浴1から引き出されたフィルムBは、染色浴2に導入され、染色液22に浸漬される。染色液の温度は、例えば、10℃〜35℃であり、染色液への浸漬時間は、例えば、10秒〜200秒である。
染色浴2から引き出されたフィルムBは、架橋浴3に導入され、架橋液32に浸漬される。架橋液の温度は、例えば、20℃〜70℃であり、架橋液への浸漬時間は、例えば、5秒〜400秒である。
架橋浴3から引き出されたフィルムBは、延伸浴4に導入され、延伸処理が施される。延伸倍率は、例えば、フィルムBの元長に対して、総延伸倍率で2倍〜6.5倍である。延伸処理は、前記染色工程、架橋工程でも実施でき、これらの工程で延伸が施されている場合には、延伸工程での延伸倍率は、これらの工程での延伸倍率を考慮して、総延伸倍率が2倍〜6.5倍となるように設定される。なお、前記染色工程、架橋工程で総延伸倍率まで延伸される場合には、別個独立した、延伸工程を省略してもよい。
延伸処理されたフィルムBは、調整浴5に導入され、調整液52に浸漬される。調整液の温度は、例えば、15℃〜40℃であり、調整液への浸漬時間は、2秒〜20秒である。
調整浴5から引き出されたフィルムBは、必要に応じて洗浄され、乾燥された後、ロール状に巻き取られる。
このような処理を経て偏光フィルムが得られる。例えば、得られた偏光フィルムの少なくとも片面に保護フィルムを積層することにより、偏光板が得られる。
上記各工程によるフィルム処理は、搬送される長尺帯状のフィルムBに一連に行われるため、前側の処理浴の溶液が後側の処理浴に混入するようになる。このため、後側の処理浴の溶液の濃度が、当初の設定値から変化する。例えば、架橋浴3においては、染色浴2のヨウ素を含む染色液が架橋液に混入するので、架橋液は、当初のホウ素化合物の設定濃度から相対的に低下する。さらに、架橋浴3においてホウ素化合物がフィルムBに含浸することからも、架橋液は、当初のホウ素化合物の設定濃度から相対的に低下する。
同様に、調整浴5においては、架橋浴3及び/又は延伸浴4のホウ素化合物を含む架橋液及び/又は延伸液が調整液に混入するので、調整液は、当初のヨウ素化合物の設定濃度から相対的に低下する。さらに、調整浴5においてヨウ素化合物がフィルムBに含浸することからも、調整液は、当初のヨウ素化合物の設定濃度から相対的に低下する。
このような各浴での溶液の濃度変化を矯正するため、従来においては、各浴の溶液を余剰液として取り出すと共に、有効成分を含む新たな溶液を補充している。例えば、調整浴5においては、調整液の一部(余剰調整液)を取り出す一方で、ヨウ素化合物(好ましくはヨウ化カリウム)を含む溶液を調整浴5に補充する。
本発明においては、分離装置6にて、余剰液から有効成分を逆浸透膜71にて分離して、それを回収し、再利用することを特徴とする。
本実施形態では、ホウ素化合物及びヨウ素化合物を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(X)において、その浴から溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液に分離する。
上記膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程及び調整工程の中で、例えば、調整工程は、架橋工程又は延伸工程の後に連続的に行われる。つまり、調整工程は、ホウ素化合物を有効成分として含む架橋液又は延伸液を有する架橋浴又は延伸浴に浸漬して取り出したフィルムを、ヨウ素化合物を有効成分として含む調整液を有する調整浴に浸漬する工程である。この調整工程は、本願明細書の工程(X)に相当する。
<分離工程>
図2に示すように、フィルム処理装置Aの分離装置6において、調整液の一部を余剰液(余剰調整液)として取水ポンプ611を通じて取り出す。なお、余剰液(余剰調整液)は、余分な液という意味ではなく、分離処理するために浴から部分的に取り出される溶液をいう。なお、余剰調整液は、調整浴5から直接的に抜き取られるものに限られず、調整浴5からオーバーフローする液を含んでいてもよい。なお、余剰調整液は、調整浴5でのフィルム処理に支障を来さない程度の流量で、調整浴5から取り出される。余剰調整液は、主として架橋液及び/又は延伸液に含まれていたホウ素化合物(好ましくはホウ酸)と、ヨウ素化合物(好ましくはヨウ化カリウム)と、を含んでいる溶液である。通常、余剰調整液は、ヨウ素化合物を主成分として含んでいる。
取り出された余剰調整液は、必要に応じて、補助タンク621に一旦貯留される。
溶媒として水を主として使用する調整液にあっては、通常、余剰調整液は、ほぼ中性(pH7前後)である。仮に、余剰調整液がアルカリ性となっている場合には、中和剤などを混入して余剰調整液を中性又は酸性に変えておくことが好ましい。余剰調整液がアルカリ性であると、ホウ酸などのホウ素化合物が電離し、後述する逆浸透膜71にてホウ素化合物とヨウ素化合物を良好に分離できないおそれがある。
移送ポンプ612を通じて余剰調整液を送り、余剰調整液を汎用フィルター631、安全フィルター632、吸着フィルター633に通過させる。各フィルターを通過した余剰調整液は、圧送ポンプ613を通じて逆浸透膜71に圧入される。圧送ポンプ613の吐出圧は、逆浸透膜71などの性能に応じて適宜設定され、例えば、1MPa〜10MPa程度である。圧送ポンプ613から逆浸透膜71に入る余剰調整液の量は、流量計641にて測定される。
逆浸透膜71において、余剰調整液は濃縮液と透過液に分離される。濃縮液は、ホウ素化合物の濃度が低減され且つ有効成分としてヨウ素化合物を高濃度で含む。また、透過液は、実質的にヨウ素化合物を含まず且つ有効成分としてホウ素化合物を高濃度で含む。例えば、前記透過液は、逆浸透膜71に入る前の余剰調整液に含まれるホウ素化合物の重量を100%とした場合に、ホウ素化合物を60%〜90%含み、好ましくは70%〜90%含む。
逆浸透膜71を透過した透過液は、流量計642及び導電率計651を通り、一旦貯留タンク622に入れられた後、廃棄される。また、透過液を貯留タンク622に入れずに、直接廃棄してもよい。
透過液側に配置された導電率計651は、実施中、ほぼ一定の値を示す。導電率計の値が上がったときには、逆浸透膜71の膜エレメントの破損又は性能劣化が考えられる。逆浸透膜71が破損などすると、電離したヨウ化カリウムなどのヨウ素化合物が透過液に過剰に混入するようになる。そうすると、透過液の導電率計651の値が増加する。このように、透過液側に配置された導電率計651は、逆浸透膜71のメンテナンス時期を指標するという機能を有する。
また、流量計642は、透過液の流量を計測する。この流量計642の値が設定値を保つように、制御装置(図示せず)を通じて流量調整部661の開度が制御されている。
前記流量調整部661の後に配置された流量計643で、逆浸透膜71で分離された濃縮液の流量を測定する。この流量計の値が設定値を保つように、制御装置(図示せず)を通じて圧送ポンプ613の吐出量が制御されている。
逆浸透膜71から得られた濃縮液を直接的に調整浴5に補充してもよいが、通常、それを補充する前に、濃度調整することが好ましい。
図示例では、逆浸透膜71から調整浴5へ濃縮液を返送する途中で、希釈液を導入し、濃縮液の有効成分であるヨウ素化合物の濃度を調整している。逆浸透膜71から得られた濃縮液中のヨウ素化合物の濃度は、余剰調整液のヨウ素化合物の濃度よりも大きい。このため、希釈液にて希釈することにより、濃縮液の濃度を、調整浴中の調整液と同様な濃度又は補充のための基準濃度に調整する。希釈液としては、調整液の溶媒と同じものを用いることが好ましく、例えば、水、又は、水と相溶性のある有機溶媒が添加された水が挙げられる。
前記希釈液にて希釈された濃縮液(以下、希釈されて濃度調整済みの濃縮液を、第1補充液という)を、混合機671にて混合し、濃度を均一化する。混合機671で混合された第1補充液の導電率が導電率計652で測定される。この導電率計652は、第1補充液の有効成分であるヨウ素化合物の濃度が設定通りであるかどうかを監視するためのものであり、導電率計652の値の変化に応じて、希釈液の導入量が制御装置にて制御される。例えば、導電率計の値652が設定値よりも大きい場合には、希釈液の導入量を増やし、設定値よりも低い場合には、希釈液の導入量を減らすという制御が行われる。
設定濃度に調整された第1補充液は、必要に応じて貯留タンク623に入れられた後、移送ポンプ614にて引き出され、返送管691を通じて調整浴5に補充される。第1補充液を一旦貯留タンク623に入れることにより、濃度斑のない補充液が得られる。もっとも、設定濃度に調整された第1補充液を、調整浴5に直接補充してもよい。
本発明は、フィルム処理において、逆浸透膜を用いて余剰液から有効成分を分離し、再利用する。逆浸透膜を用いることにより、余剰液の分離・再利用をフィルム処理に合わせて一連に行うことができる。つまり、本発明は、各浴にてフィルムの処理をしている間に、その浴から余剰液を取り出し、有効成分を分離し、有効成分を各浴に適した濃度に調整した第1補充液とし、それを再び浴内に補充できる。
また、本発明のように、逆浸透膜を用いることにより、設置場所を比較的小さくでき、さらに、電力費などのランニングコストも低く抑えることも可能である。
特に、ヨウ化カリウムは比較的高価であるところ、本実施形態のように、ヨウ化カリウムなどのヨウ素化合物を再利用して循環させることにより、ランニングコストのより一層の低減を図ることができる。
なお、本実施形態において、ホウ素化合物とヨウ素化合物を含む溶液として調整液から余剰液を取り出しているが、これに限定されず、例えば、延伸液などがホウ素化合物とヨウ素化合物を含む場合、この余剰液を逆浸透膜にて同様に透過液と濃縮液に分離して再利用してもよい。
また、本実施形態において、分離装置(分離工程)にて得られた第1補充液を調整浴に補充しているが、これに代えて又は併用して、他の浴にこれを使用してもよい(図示せず)。例えば、上述のように、染色浴や架橋浴などにおいて、ヨウ素化合物を含む溶液を使用する場合には、余剰調整液から分離したヨウ素化合物を含む第1補充液を、これらの浴に使用してもよい。
さらに、本実施形態において、実質的にホウ素化合物を含む透過液を廃棄しているが、これを、他の浴に使用してもよい。例えば、上述のように、架橋浴や延伸浴などにおいて、ホウ素化合物を含む溶液を使用するが、余剰調整液から分離したホウ素化合物を含む透過液を、これらの浴に使用してもよい。この場合、逆浸透膜から得られた透過液を直接的に浴に使用してもよいが、通常、透過液の有効成分であるホウ素化合物の濃度が高いので、濃度調整した上で使用することが好ましい。なお、この濃度調整の方法としては、下記第2実施形態を適宜用いることができる。
[第2実施形態]
第2実施形態のフィルム処理は、ホウ素化合物及びヨウ素を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(Y)を有し、前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素を含む溶液に分離することを含む。
この工程(Y)は、例えば、ヨウ素を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である。
以下、第2実施形態を説明するが、その説明に於いては、主として第1実施形態と異なる構成などについて説明し、同様の構成などについては、その説明を省略する場合がある。
(フィルム処理装置)
図3は、第2実施形態のフィルム処理装置を示す参考図であり、図4は、前記処理装置が具備する、逆浸透膜を含む分離装置を示す参考図である。
第2実施形態のフィルム処理装置Aも、第1実施形態と同様に、長尺帯状のフィルムBを長手方向に搬送する搬送部9と、溶液を有する複数の浴と、溶液から有効成分を分離する分離装置6と、を有する。
前記フィルムB、搬送部9及び複数の浴1,2,3,4,5は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略し、用語及び符号をそのまま援用する。
<分離装置>
分離装置6は、前記各浴から選ばれる少なくとも1つの溶液から有効成分を分離し、回収するために設けられている。本実施形態では、分離装置6は、架橋浴3に具備されている。
本実施形態において、逆浸透膜71までの分離装置6の構成は、第1実施形態とほぼ同様である。すなわち、架橋浴3から逆浸透膜71までの間に、取水ポンプ611、貯留タンク621、移送ポンプ612、各フィルター631,632,633、圧送ポンプ613、流量計641が設けられている。これらの部材の機能は、第1実施形態で説明した通りであり、また、必要に応じて、これらの部材の中の一部を省略してもよい。
逆浸透膜71は、第1実施形態と同様なものを使用できる。
逆浸透膜71の透過液側には、第1実施形態と同様に、流量計642、導電率計651及び貯留タンク622が設けられているが、さらに、本実施形態では、透過液を架橋浴3などに返送する返送路が設けられている。
具体的には、透過液を貯留する貯留タンク622には、ホウ素化合物の濃度を測定する濃度計681が設けられている。前記濃度計681としては、例えば、ホウ酸濃度を測定する濃度計を用いることができる。このようなホウ酸濃度計としては、例えば、ホウ酸濃度常時監視計((株)セレス製の型式「SRM−1DB」)などを用いることができる。さらに、前記貯留タンク622には、移送ポンプ615が設けられ、その後に、ホウ素化合物の濃度を調整する濃度調整部663及び混合機672が設けられている。また、混合機672の後には、必要に応じて、貯留タンク624が設けられている。前記貯留タンク624には、移送ポンプ616を具備する返送管692が接続され、その返送管692の先は架橋浴3に開放されている。
逆浸透膜71の濃縮液側には、必要に応じて、第1実施形態と同様に、流量調整部661と流量計643が設けられている。さらに、その後に貯留タンク625が必要に応じて設けられている。前記貯留タンク625には、移送ポンプ617を具備する返送管693が接続され、その返送管693の先は染色浴2に開放されている。
(フィルムの処理方法及び偏光フィルムの製造方法)
本実施形態において、フィルム処理は、第1実施形態と同様に、フィルムを長手方向に搬送する工程、フィルムを膨潤させる膨潤工程、フィルムを染色する染色工程、フィルムを架橋する架橋工程、フィルムを延伸する延伸工程、フィルムの色相を調整する調整工程を有する。必要に応じて、他の工程を有していてもよい。これらの工程の中から選ばれる少なくとも1つの工程において、溶液から有効成分を分離し、回収し、再び返送して使用する。つまり、溶液中の有効成分を循環させて使用する。
これらの工程は、図3及び図4に示すようなフィルム処理装置Aを用いて実施される。
<膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程、調整工程、その他の工程>
膨潤工程などの各工程は、上記第1実施形態と同様である。
本実施形態では、ホウ素化合物及びヨウ素を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(Y)において、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素を含む溶液に分離する。
上記膨潤工程、染色工程、架橋工程、延伸工程及び調整工程の中で、例えば、架橋工程は、染色工程の後に連続的に行われる。つまり、架橋工程は、ヨウ素を有効成分として含む染色液に浸漬して取り出したフィルムを、ホウ素化合物を有効成分として含む架橋液を有する架橋浴に浸漬する工程である。この架橋工程は、本願明細書の工程(Y)に相当する。
<分離工程>
図4に示すように、フィルム処理装置Aの分離装置6において、架橋液の一部を余剰液(余剰架橋液)として取水ポンプ611を通じて取り出す。なお、余剰架橋液は、架橋浴3から直接的に抜き取られるものに限られず、架橋浴3からオーバーフローする液を含んでいてもよい。なお、余剰架橋液は、架橋浴3でのフィルム処理に支障を来さない程度の流量で、架橋浴3から取り出される。余剰架橋液は、主として染色液に含まれていたヨウ素及びヨウ素化合物(好ましくはヨウ化カリウム)と、架橋液に含まれていたホウ素化合物(好ましくはホウ酸)及びヨウ素化合物(好ましくはヨウ化カリウム)と、を含んでいる溶液である。つまり、余剰架橋液は、ヨウ素とホウ素化合物とヨウ素化合物とを含んだ溶液である。通常、余剰架橋液は、ホウ素化合物を主成分として含んでいる。もっとも、架橋液の組成によっては、余剰架橋液は、ヨウ素化合物を主成分として含んでいる場合もある。
取り出された余剰架橋液は、必要に応じて、補助タンク621に一旦貯留される。溶媒として水を主として使用する架橋液にあっては、通常、余剰架橋液は、ほぼ中性(pH7前後)である。仮に、余剰架橋液がアルカリ性となっている場合には、中和剤などを混入して余剰架橋液を中性又は酸性に変えておくことが好ましい。
移送ポンプ612を通じて余剰架橋液を送り、余剰架橋液を汎用フィルター631、安全フィルター632、吸着フィルター633に通過させ、圧送ポンプ613を通じて逆浸透膜71に圧入する。圧送ポンプ613から逆浸透膜71に入る余剰架橋液の量は、流量計641にて測定される。
逆浸透膜71において、余剰架橋液は濃縮液と透過液に分離される。前記濃縮液は、ホウ素化合物の濃度が低減され且つ有効成分としてヨウ素及びヨウ素化合物を高濃度で含む。また、透過液は、実質的にヨウ素及びヨウ素化合物を含まず且つ有効成分としてホウ素化合物を高濃度で含む。例えば、前記透過液は、逆浸透膜71に入る前の余剰調整液に含まれるホウ素化合物の重量を100%とした場合に、ホウ素化合物を60%〜90%含み、好ましくは70%〜90%含む。
前記透過液を、直接的に架橋浴3に補充してもよいが、通常、それを補充する前に、濃度調整することが好ましい。例えば、逆浸透膜71から架橋浴3へ透過液を返送する途中で、透過液の有効成分であるホウ素化合物の濃度を調整している。具体的には、逆浸透膜71を透過した透過液は、流量計642及び導電率計651を通り、一旦貯留タンク622に入れられる。貯留タンク622に入れられた透過液のホウ素化合物濃度を、濃度計681にて常時測定する。その測定結果に基づいて、前記タンク622から移送ポンプ615を通じて透過液を送る途中で、濃度調整部663にて透過液のホウ素化合物の濃度を調整する。例えば、前記濃度計681にて測定されたホウ素化合物濃度が設定濃度(架橋浴3での架橋液のホウ素化合物濃度)よりも小さい場合には、濃度調整部663にてホウ素化合物を透過液に導入し、その濃度を高める。前記濃度計681にて測定されたホウ素化合物濃度が設定濃度よりも大きい場合には、濃度調整部663にて水などの希釈液を透過液に導入し、その濃度を低下させる。濃度調整後の透過液(以下、濃度調整済みの透過液を、第2補充液という)を、混合機672にて混合し、必要に応じて貯留タンク624に貯留する。その後、第2補充液は、移送ポンプ616にて引き出され、返送管692を通じて架橋浴3に補充される。
一方、逆浸透膜71から得られた濃縮液は、ヨウ素及びヨウ素化合物を主として含んでいる。この濃縮液のヨウ素の濃度を調整した上で、それを染色浴2に補充してもよいが、図示例では、濃縮液を直接的に染色浴2に補充している。
具体的には、逆浸透膜71にて分離された濃縮液の流量が、第1実施形態と同様に、流量計643で計測され、制御装置にて、流量調整部661の開度や圧送ポンプ613の吐出量が制御されている。
濃縮液は、必要に応じて貯留タンク625に入れられた後、移送ポンプ617にて引き出され、返送管693を通じて染色浴2に補充される。濃度調整していない濃縮液を染色浴2に補充すると、染色液のヨウ素濃度が設定濃度から変化する場合があるので、染色浴2において、濃度調整することが好ましい。例えば、染色浴2中の染色液のヨウ素濃度を滴定などの手法で常時測定し、測定された染色液のヨウ素濃度が設定濃度よりも大きい場合には、水などの希釈液を染色浴2に導入し、その濃度を低下させる。前記測定された染色液のヨウ素濃度が設定濃度よりも小さい場合には、ヨウ素(必要に応じて、ヨウ素を溶解させるためのヨウ化カリウムを含めて)を染色浴2に導入し、その濃度を高める。
本実施形態によれば、ヨウ素及びホウ素化合物を含む溶液からヨウ素を含む溶液とホウ素化合物を含む溶液とに分離でき、それらを再利用できる。
なお、本実施形態において、ヨウ素及びホウ素化合物を含む溶液として架橋液から余剰液を取り出しているが、これに限定されず、例えば、延伸液などがヨウ素及びホウ素化合物を含む場合、この余剰液を逆浸透膜にて同様に透過液と濃縮液に分離して再利用してもよい。
また、本実施形態において、分離装置(分離工程)にて得られた第2補充液(濃度調整後の、ホウ素化合物を含む透過液)を架橋浴に補充しているが、これに代えて又は併用して、他の浴にこれを使用してもよい(図示せず)。例えば、上述のように、延伸浴などにおいて、ホウ素化合物を含む溶液を使用する場合には、第2補充液をこの浴に補充してもよい。
さらに、本実施形態において、ホウ素化合物を含む透過液を濃度調整した上で、架橋浴3などに補充しているが、予め濃度調整をせず、透過液を架橋浴3などに補充してもよい。なお、濃度調整していない透過液を架橋浴3などに補充すると、架橋液などのホウ素化合物濃度が設定濃度から変化する場合があるので、架橋浴3などにおいて、濃度調整することが好ましい。例えば、架橋浴3中の架橋液のホウ素化合物濃度を滴定などの手法で常時測定し、測定された架橋液のホウ素化合物濃度が設定濃度よりも大きい場合には、水などの希釈液を架橋浴3に導入し、前記測定された染色液のホウ素濃度が設定濃度よりも小さい場合には、ホウ素化合物を架橋浴3に導入する。
A フィルム処理装置
B フィルム
1 膨潤浴
2 染色浴
3 架橋浴
4 延伸浴
5 調整浴
6 分離装置
71 逆浸透膜
<延伸浴>
延伸浴4は、ヨウ素を吸着させ且つ架橋させたフィルムBを配向させるために設けられている。
延伸浴4は、槽41と、前記槽41に入れられた溶液42と、を有する。以下、延伸浴4の溶液を「延伸液」という。
図示例では、延伸浴4は1つだけ設置されているが、フィルムBの進行方向に2つ以上の延伸浴4を並設してもよい(図示せず)。
なお、染色浴2や架橋浴3などでもフィルムBを延伸できるので、延伸浴4を省略することもできる。
前記延伸液は、特に限定されないが、例えば、有効成分としてホウ素化合物を含む溶液を使用できる。延伸液としては、例えば、ホウ素化合物、及び必要に応じて、ヨウ化合物、各種金属塩、亜鉛化合物などを溶媒に溶解した溶液が使用できる。前記溶媒としては、水が一般的に使用されるが、水と相溶性のある有機溶媒が更に添加されてもよい。ホウ素化合物としては、ホウ酸、ホウ砂などが挙げられ、中でも、ホウ酸を用いることが好ましい。延伸液中のホウ素化合物の濃度としては、特に限定されないが、1重量%〜10重量%であることが好ましく、2重量%〜7重量%がより好ましい。
さらに、フィルムBに吸着させたヨウ素の溶出を抑制する観点から、前記延伸液にヨウ素化合物を添加することが好ましい。このヨウ素化合物としては、特に限定されず、上記染色液で例示したようなものが挙げられる。中でも、ヨウ化カリウムが好ましい。延伸液中のヨウ素化合物の濃度は、特に限定されないが、0.05重量%〜15重量%であることが好ましく、0.5重量%〜8重量%がより好ましい。
前記延伸液がホウ素化合物とヨウ素化合物を含む場合、ホウ素化合物が溶液の主成分でもよく、或いは、ヨウ素化合物が溶液の主成分でもよい。通常、ヨウ素化合物の方がホウ素化合物よりも多く含まれている溶液が延伸液として使用される。
移送ポンプ612を通じて余剰架橋液を送り、余剰架橋液を汎用フィルター631、安全フィルター632、吸着フィルター633に通過させ、圧送ポンプ613を通じて逆浸透膜71に圧入する。圧送ポンプ613から逆浸透膜71に入る余剰架橋液の量は、流量計641にて測定される。
逆浸透膜71において、余剰架橋液は濃縮液と透過液に分離される。前記濃縮液は、ホウ素化合物の濃度が低減され且つ有効成分としてヨウ素及びヨウ素化合物を高濃度で含む。また、透過液は、実質的にヨウ素及びヨウ素化合物を含まず且つ有効成分としてホウ素化合物を高濃度で含む。例えば、前記透過液は、逆浸透膜71に入る前の余剰架橋液に含まれるホウ素化合物の重量を100%とした場合に、ホウ素化合物を60%〜90%含み、好ましくは70%〜90%含む。

Claims (8)

  1. ホウ素化合物及びヨウ素化合物を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(X)を有し、
    前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素化合物を含む溶液に分離する、フィルムの処理方法。
  2. 前記工程(X)が、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ヨウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である、請求項1に記載のフィルムの処理方法。
  3. フィルムの処理が、フィルムを染色浴に浸漬する染色工程、染色したフィルムを架橋浴に浸漬する架橋工程、架橋したフィルムを調整浴に浸漬する調整工程、を有し、
    前記調整工程が、前記工程(X)であり、前記逆浸透膜を通じて分離したヨウ素化合物を含む溶液を前記調整浴に補充する、請求項1または2に記載のフィルムの処理方法。
  4. 前記フィルムが、ポリビニルアルコール系フィルムを含み、前記ホウ素化合物が、ホウ酸を含み、前記ヨウ素化合物が、ヨウ化カリウムを含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のフィルムの処理方法。
  5. ホウ素化合物及びヨウ素を含む溶液を有する浴にフィルムを浸漬する工程(Y)を有し、
    前記浴から前記溶液の一部を取り出し、その溶液を逆浸透膜を用いてホウ素化合物を含む溶液とヨウ素を含む溶液に分離する、フィルムの処理方法。
  6. 前記工程(Y)が、ヨウ素を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬して取り出したフィルムを、ホウ素化合物を有効成分として含む溶液を有する浴に浸漬する工程である、請求項5に記載のフィルムの処理方法。
  7. フィルムの処理が、フィルムを染色浴に浸漬する染色工程、染色したフィルムを架橋浴に浸漬する架橋工程、架橋したフィルムを調整浴に浸漬する調整工程、を有し、
    前記架橋工程が、前記工程(Y)であり、前記逆浸透膜を用いて分離したホウ素化合物を含む溶液を前記架橋浴に補充する、請求項5または6に記載のフィルムの処理方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のフィルムの処理方法を含む、偏光フィルムの製造方法。
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