JP2018021872A - 機能水濃度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】メンテナンスを行わなくても長期間にわたって高い検出精度を有する機能水濃度センサを提供する。【解決手段】機能水濃度センサ1は、容器10と、第1波長の光及び第2波長の光を含む紫外光3を発する光源20と、第1波長の光を透過させる第1フィルタ31と、第2波長の光を透過させる第2フィルタ32と、(i)機能水2と第1フィルタ31を通過した第1紫外光4a、又は、機能水2と第2フィルタ32とを通過した第2紫外光4bによって励起されて第1蛍光5a又は第2蛍光5bを発する蛍光体40と、第1蛍光5a又は第2蛍光5bを受光することで第1受光信号又は第2受光信号を出力する受光素子50と、第1受光信号と第2受光信号とを比較することで、機能水2の機能出現成分の濃度を算出する信号処理回路70とを備え、機能出現成分による第2波長の光の吸収レベルは、機能出現成分による第1波長の光の吸収レベルより小さい。【選択図】図1A

Description

本発明は、機能水の成分濃度を測定する機能水濃度センサに関する。
従来、除菌、脱臭、脱色などにはオゾン、二酸化塩素、次亜塩素酸などの成分が使われている。具体的には、これらの成分を含む水、いわゆる機能水を用いて除菌などが行われる。
「機能水」とは、人為的な処理によって再現性のある有用な機能を付与された水溶液の中で、処理と機能に関して科学的根拠が明らかにされたもの、及び明らかにされようとしているものと定義付けられている。
機能水は、その目的とする効果を発揮するために、その濃度を制御する必要がある。例えば、オゾンを含む機能水の測定では、近紫外光の吸収を利用した光吸収式オゾン濃度計が使われている(特許文献1を参照)。このような光吸収式オゾン濃度計は、紫外線を発光する紫外線光源と、試料を収納する試料セルと、試料セルを透過した紫外線の強度を検出する検出器とを有している。
特開2002−5826号公報
上述したようなオゾン濃度計には、検出精度が経年劣化しないことが求められる。しかしながら、光源の劣化による紫外線の光量の減少、及び、試料セルに付着する汚れに起因する光量の減少によって、検出器による検出値が本来の濃度に対応する値よりも小さくなって、濃度が高い(すなわち、吸収が大きい)と誤認識(誤検出)するという問題がある。
もっとも、光源の交換、及び、汚れの除去などのメンテナンスを行うことで、誤検出を抑えることができる。しかしながら、特に民生機器の場合において、メンテナンスは、ユーザの利便性を損なうだけでなく、ユーザ個々の能力などに応じてメンテナンスばらつきが発生する。不適切なメンテナンスが行われた場合には、検出精度がさらに低下する恐れもある。
そこで、本発明は、メンテナンスを行わなくても長期間にわたって高い検出精度を有する機能水濃度センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る機能水濃度センサは、機能水が入れられる容器と、第1波長の光及び第2波長の光を含む紫外光を発する光源と、前記第1波長の光を透過させ、前記第2波長の光の透過を抑制する第1フィルタと、前記第2波長の光を透過させ、前記第1波長の光の透過を抑制する第2フィルタと、(i)前記光源が発した紫外光のうち、前記容器に入れられる機能水と前記第1フィルタとを通過した第1紫外光によって励起されて第1蛍光を発し、かつ、(ii)前記光源が発した紫外光のうち、前記容器に入れられる機能水と前記第2フィルタとを通過した第2紫外光によって励起されて第2蛍光を発する蛍光体と、前記第1蛍光を受光することで第1受光信号を出力し、かつ、前記第2蛍光を受光することで第2受光信号を出力する受光素子と、前記第1受光信号と前記第2受光信号とを比較することで、前記機能水の機能出現成分の濃度を算出する信号処理回路とを備え、前記機能出現成分による前記第2波長の光の吸収レベルは、前記機能出現成分による前記第1波長の光の吸収レベルより小さい。
本発明によれば、メンテナンスを行わなくても長期間にわたって高い検出精度を有する機能水濃度センサを提供することができる。
実施の形態1に係る機能水濃度センサの動作期間内の所定のタイミングにおける機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 図1Aとは異なるタイミングにおける実施の形態1に係る機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 実施の形態1に係る次亜塩素酸水の成分濃度毎の吸光スペクトルを示す図である。 実施の形態1に係る次亜塩素酸水の成分濃度に対する紫外光の透過度を示す図である。 実施の形態1に係るオゾン水の成分濃度毎の吸光スペクトルを示す図である。 実施の形態1に係るオゾン水の成分濃度に対する紫外光の透過度を示す図である。 実施の形態1に係る機能水濃度センサの光源が重水素ランプである場合の紫外光の発光スペクトルを示す図である。 実施の形態1に係る機能水濃度センサの光源がキセノンランプである場合の紫外光の発光スペクトルを示す図である。 実施の形態1に係る機能水濃度センサのフィルタ部の構成を示す正面図である。 実施の形態1に係る機能水濃度センサの第1フィルタ及び第2フィルタのフィルタ特性を示す図である。 実施の形態1に係る蛍光体の一例による励起光及び蛍光のスペクトルを示す図である。 実施の形態1に係る蛍光体の別の一例による励起光及び蛍光のスペクトルを示す図である。 実施の形態1に係る受光素子が生成する受光信号を示す図である。 実施の形態1の変形例に係る機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 実施の形態2に係る機能水濃度センサの動作期間内の所定のタイミングにおける機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 図10Aとは異なるタイミングにおける実施の形態2に係る機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る機能水濃度センサの構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る機能水濃度センサの第1フィルタ及び第2フィルタの正面図である。 実施の形態4に係る機能水濃度センサの構成を示す断面図である。
以下では、本発明の実施の形態に係る機能水濃度センサについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
[概要]
まず、本実施の形態に係る機能水濃度センサの概要について、図1A及び図1Bを用いて説明する。
図1A及び図1Bに示すように、機能水濃度センサ1は、容器10と、光源20と、フィルタ部30と、蛍光体40と、受光素子50と、制御回路60と、信号処理回路70と、記憶部75とを備える。なお、図1A及び図1Bでは、制御回路60、信号処理回路70及び記憶部75を機能的なブロックとして示している。
機能水濃度センサ1では、フィルタ部30が可動式である。このため、機能水濃度センサ1の構成は、動作期間内のタイミングに応じて部分的に変化する。図1A及び図1Bは、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1の動作期間内の互いに異なるタイミングにおける機能水濃度センサ1の構成を示す断面図である。具体的には、図1Aと図1Bとでは、フィルタ部30の姿勢が異なっている。
より具体的には、フィルタ部30が備える第1フィルタ31及び第2フィルタ32の各々の位置が可変である。図1Aは、第1フィルタ31が光源20と容器10との間に位置するタイミングでの機能水濃度センサ1の構成を示している。図1Bは、第2フィルタ32が光源20と容器10との間に位置するタイミングでの機能水濃度センサ1の構成を示している。
機能水濃度センサ1は、容器10に入れられた機能水2に含まれる機能出現成分の濃度(成分濃度)を測定するセンサである。機能水濃度センサ1は、機能水2の機能出現成分による紫外光の吸収量(吸収レベル)が成分濃度に依存することを利用して、成分濃度を測定する。
本実施の形態では、機能水濃度センサ1では、光源20が、機能出現成分によって吸収される波長の光を含む紫外光を機能水2に照射する。機能水2を透過中に吸収された後の残りの紫外光(透過光)によって励起された蛍光体40が発する蛍光を受光素子50が受光することで、機能水濃度センサ1は、受光された蛍光の強度に基づいて機能水2の成分濃度を測定する。なお、図1A及び図1Bには、光源20から受光素子50に至る光路を矢印で示している。
なお、図1A及び図1Bには示していないが、機能水濃度センサ1は、外光が受光素子50に入射するのを抑制するために、遮光性の筐体の内部に収納されている。このとき、光源20が発した紫外光のうち、機能水2を通過しなかった紫外光(迷光)などを吸収するように、筐体の内面は、紫外光を吸収する材料から形成されてもよい。機能水濃度センサ1は、例えば、次亜塩素酸水を利用した民生用の空気清浄機などに用いられる。
[機能水]
まず、機能水2について、図2A〜図3Bを用いて説明する。
機能水2は、固有の吸光スペクトルを有する機能出現成分を含む水溶液である。機能水2は、例えば、次亜塩素酸水、又は、オゾン水などである。このとき、機能出現成分は、次亜塩素酸(HClO)又はオゾン(O)である。
以下では、機能水2が次亜塩素酸水である場合と、オゾン水である場合とについて説明するが、これらに限定されない。
<次亜塩素酸水>
図2Aは、本実施の形態に係る次亜塩素酸水の成分濃度毎の吸光スペクトルを示す図である。図2Aにおいて、横軸は、機能水2(次亜塩素酸水)に照射する紫外光の波長を示し、縦軸は、機能水2の吸光度を示している。なお、吸光度は、機能出現成分による吸収量を示す吸収レベルの一例である。
図2Aに示すように、次亜塩素酸水の吸光スペクトルでは、その成分濃度(次亜塩素酸の濃度)に依存せずに、約292nmに吸収ピーク(吸光度の極大値)が存在する。次亜塩素酸水は、吸収ピークにおける波長であるピーク波長(具体的には、約292nm)を含む所定の範囲の光を多く吸収する。
所定の範囲は、例えば、吸収ピークの所定の割合(例えば、5%〜20%)以上の吸光度を有する範囲である。例えば、所定の範囲は、250nm〜350nm以下であり、次亜塩素酸水は、当該範囲の紫外光を多く吸収する。
図2Bは、本実施の形態に係る次亜塩素酸水の成分濃度に対する紫外光の透過度を示す図である。図2Bにおいて、横軸は、次亜塩素酸水の成分濃度であり、縦軸は、次亜塩素酸水の紫外光に対する透過度を示している。
図2Bにおいて、黒丸は実測値であり、実線及び破線はランベルト・ベールの法則に基づいて、最小二乗法によって求めた実測値の指数近似曲線を示している。
ランベルト・ベールの法則では、媒質に入射する前の光の強度をI、長さLの媒質を透過した後の光の強度をIとしたとき、以下の(式1)及び(式2)を満たす。
Figure 2018021872
ここで、“α”は、機能出現成分の吸光係数である。“C”は、機能水2のモル濃度である。“L”は、紫外光が透過する機能水2の長さ(すなわち、光路長)であり、本実施の形態では、容器10の入射窓11から出射窓12までの距離に相当する。“α”は、機能水2の種別によって決定される値(定数)である。“L”は、容器10の大きさなどに基づいて決定される値(定数)である。
図2B及び(式1)に示すように、成分濃度が大きくなる程、紫外光の透過度が低下する、すなわち、機能水2による吸収量が増加することが分かる。したがって、機能水2による吸収量(あるいは、透過量)を検出することで、成分濃度を算出することができる。
また、図2Bに示すように、波長が292nm(ピーク波長)の紫外光の方が、波長が275nmの紫外光に比べて、濃度変化に対する透過度の変化の割合が大きい。すなわち、紫外光がピーク波長に近い光である程、透過度に基づいて機能水2の成分濃度を算出しやすくなる。
<オゾン水>
図3Aは、本実施の形態に係るオゾン水の成分濃度毎の吸光スペクトルを示す図である。図3Aにおいて、横軸は、機能水2(オゾン水)に照射する紫外光の波長を示し、縦軸は、機能水2の吸光度(吸収レベル)を示している。
図3Aに示すように、オゾン水の吸光スペクトルでは、その成分濃度(オゾンの濃度)に依存せずに、約260nmに吸収ピークが存在する。オゾン水は、ピーク波長(約260nm)を含む所定の範囲の光を多く吸収する。所定の範囲は、例えば、220nm以上300nm以下であり、オゾン水は、当該範囲の紫外光を多く吸収する。
図3Bは、本実施の形態に係るオゾン水の成分濃度に対する紫外光の透過度を示す図である。図3Bにおいて、横軸は、オゾン水の成分濃度であり、縦軸は、オゾン水の紫外光に対する透過度を示している。
図3Bにおいて、黒丸は実測値であり、実線はランベルト・ベールの法則に基づいて、最小二乗法によって求めた実測値の指数近似曲線を示している。
図3Bに示すように、成分濃度が大きくなるほど、紫外光の透過度が低下する、すなわち、機能水2による吸収量が増加することが分かる。したがって、機能水2による吸収量を検出することで、成分濃度を算出することができる。
以上のように、機能水2が次亜塩素酸水である場合、及び、オゾン水である場合のいずれの場合も、機能水2による紫外光の吸収量(又は透過量)を検出することで、機能水2に含まれる機能出現成分の濃度(成分濃度)を算出することができる。
以下では、機能水濃度センサ1が備える、成分濃度を検出するための各構成要素について詳細に説明する。
[容器]
容器10は、機能水2が入れられる容器である。容器10は、例えば有底円筒又は有底角筒などの有底筒状の容器(セル)であるが、これに限定されない。容器10は、紫外光を透過させる2つの透過窓を備える。具体的には、図1A及び図1Bに示すように、容器10は、入射窓11と、出射窓12とを備える。
入射窓11は、光源20が発した紫外光が入射する窓である。本実施の形態では、図1Aに示す所定のタイミング(例えば、時刻t1)で、入射窓11には、光源20が発した紫外光3のうち第1フィルタ31を通過した第1紫外光4aが入射する。また、図1Bに示す別のタイミング(例えば、時刻t2)では、入射窓11には、光源20が発した紫外光3のうち第2フィルタ32を通過した第2紫外光4bが入射する。
入射窓11は、容器10に形成された開口に設けられた、紫外光を透過させる透光部材から形成される。入射窓11(透光部材)は、例えば、石英ガラス、サファイアガラスなどから形成されている。具体的には、入射窓11は、入射面及び出射面が略平面である板状のガラスから形成される。入射窓11には、紫外光が略垂直に入射する。具体的には、紫外光は、板状のガラス(入射窓11)の厚み方向に沿って入射する。つまり、紫外光は、入射面の法線方向に入射する。
出射窓12は、容器10に入射した紫外光が蛍光体40に向けて出射する窓である。本実施の形態では、図1Aに示すように、時刻t1で、第1紫外光4aが蛍光体40に向けて出射窓12から出射される。また、図1Bに示すように、時刻t2で、第2紫外光4bが蛍光体40に向けて出射窓12から出射される。
出射窓12は、容器10に形成された開口に設けられた、紫外光を透過させる透光部材から形成される。出射窓12(透光部材)は、例えば、石英ガラス、サファイアガラスなどから形成されている。具体的には、出射窓12は、入射面及び出射面が略平面である板状のガラスから形成される。出射窓12からは、紫外光が略垂直に出射される。具体的には、紫外光は、板状のガラス(出射窓12)の厚み方向に沿って出射する。つまり、紫外光は、出射面の法線方向に出射される。
本実施の形態では、容器10の本体(具体的には、2つの透過窓以外の部分)は、紫外光を遮蔽(吸収又は反射)する材料から形成される。例えば、容器10の本体は、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などの樹脂材料、又は、金属材料などから形成される。なお、容器10全体が紫外光に対して透光性を有してもよい。具体的には、容器10全体が石英ガラスなどから形成されてもよい。
本実施の形態では、光源20、容器10、蛍光体40及び受光素子50は、この順で略同一直線上に配置されている。図1A及び図1Bに示すように、第1フィルタ31又は第2フィルタ32と、容器10の入射窓11及び出射窓12とも当該直線上に配置されている。これにより、光源20から発せられた紫外光3は、途中、第1フィルタ31又は第2フィルタ32を通過した後、蛍光体40によって波長変換されて、最短距離で受光素子50に到達する。したがって、光源20から受光素子50までの間での光漏れ(迷光)を抑制することができる。これにより、蛍光の強度を精度良く検出することができ、機能水2の濃度を精度良く測定することができる。
容器10には、機能水2が入れられて、静止した状態が保たれるが、これに限定されない。例えば、容器10は、配管(流路)の一部でもよく、機能水2が内部を流れていてもよい。例えば、機能水2は、容器10と反応槽(図示せず)との間で循環されてもよい。反応槽は、機能水2の機能を発揮させるための容器である。例えば、機能水2が除菌、脱臭などの機能を有する場合、機能水2は、反応槽内で対象物(例えば、空気などの気体)に接触することで、当該対象物の除菌、脱臭などを行う。この場合、機能水2が除菌、脱臭などを行いながら、機能水濃度センサ1が機能水2の濃度を測定することができる。つまり、機能水濃度センサ1を空気清浄機、脱臭装置などに組み込んで用いることができる。
[光源]
光源20は、紫外光3を発する。本実施の形態では、図1A及び図1Bに示すように、光源20は、所定のガスが封入された封入管21を有する放電ランプである。光源20は、放電用の2つの電極22を有する。封入管21は、例えば、ガラス管であり、内部に水銀、希ガス、重水素、金属ハロゲン化合物などのガスが封入されている。2つの電極22は、例えば、銅、タングステンなどの金属材料を主成分とする金属電極である。光源20は、いわゆる水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、重水素ランプなどである。
光源20が発する紫外光3は、第1波長の光と第2波長の光とを含んでいる。第1波長及び第2波長は、機能水2の機能出現成分による吸収レベルに応じて定められる。第1波長は吸収レベルが大きい波長であり、機能水2が次亜塩素酸水の場合、例えば292nmである。第2波長は吸収レベルが小さい波長であり、機能水2が次亜塩素酸水の場合、例えば235nmである。第1波長及び第2波長を決定する条件については、後で詳しく説明する。
本実施の形態では、光源20は、ブロードな光源であり、第1波長及び第2波長のうち小さい方の波長から、蛍光体40を励起可能な波長帯域の最大波長までの光を含む紫外光3を発する。蛍光体40を励起可能な波長帯域の最大波長は、例えば、350nmである(後述する図7Aを参照)。このため、光源20は、235nmから350nmまでの光を含む紫外光3を発する。
図4A及び図4Bは、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1の光源20が発する紫外光3の発光スペクトルを示す図である。具体的には、図4Aは、光源20が重水素ランプである場合の発光スペクトルを示し、図4Bは、光源20がキセノンランプである場合の発光スペクトルを示している。図4A及び図4Bに示すように、紫外光3の発光スペクトルは、次亜塩素酸による特徴的な吸収のある所定の範囲の250nm〜350nm以下、又は、オゾンによる特徴的な吸収のある所定の範囲の220nm以上300nm以下の波長帯で発光パワーを持つ。
具体的には、紫外光3の発光スペクトルでは、所定幅以上の波長帯域において、強度が所定強度(例えば、相対強度が5%)以上になる。ここで、所定幅は、例えば、50nmであるが、100nmでもよく、200nmでもよい。所定強度は、最大強度に依存し、例えば5%であるが、10%でもよい。
例えば、図4Aに示す重水素ランプの発光スペクトルでは、波長が200nmの光の強度を100%としたときの波長毎の強度(相対放射パワー)を示している。図4Aに示すように、重水素ランプが発する紫外光3は、200nm以上400nm以下の波長帯域(幅が200nmの波長帯域)では、波長が大きくなるにつれて、徐々に強度が低下する。例えば、300nm以下の波長帯域では、相対強度が20%以上である。300nm以上の波長帯域であっても、相対強度は、約10%以上である。このように、重水素ランプは、ブロードな波長帯域(ここでは、幅200nm)において、所定値(ここでは、10%)以上の強度の紫外光3を発する。
また、図4Bに示すキセノンランプの発光スペクトルでは、波長が400nmの光の強度を100%としたときの波長毎の強度(相対放射パワー)を示している。図4Bに示すように、キセノンランプが発する紫外光3は、200nm以上400nm以下の波長帯域では、波長が大きくなるにつれて、徐々に強度が増加する。例えば、約230nm以上の波長帯域では、相対強度が10%以上である。230nm以下の波長帯域であっても、相対強度は、約7%以上である。このように、キセノンランプは、ブロードな波長帯域(ここでは、幅200nm)において、所定値(ここでは、7%)以上の強度の紫外光3を発する。
なお、光源20が発した紫外光を効率良く入射窓11に入射させるために、光源20と入射窓11との間に、コリメートレンズ又は集光レンズなどが設けられてもよい。例えば、光源20の光出射側近傍にコリメートレンズを設けることで、紫外光を平行光にすることができる。これにより、光源20が発した紫外光を入射窓11及び出射窓12を介して効率良く蛍光体40(受光素子50)まで導くことができる。
また、本実施の形態では、機能水濃度センサ1は、光源20を1つのみ備えるが、これに限らず、複数の光源20を備えてもよい。複数の光源20は、例えば同一の構成を有する光源であり、点消灯が互いに同期して制御される。
[フィルタ部]
図5は、本実施の形態に係るフィルタ部30の正面図である。具体的には、図5は、光源20から容器10の入射窓11に向かう方向に見たときのフィルタ部30を示している。
フィルタ部30は、図1A及び図1B並びに図5に示すように、第1フィルタ31と、第2フィルタ32と、支持部35とを備える。フィルタ部30は、支持部35の中心軸35aの軸周りに回転する回転ホイール機構を有する。
具体的には、フィルタ部30は、略円盤形状を有し、図5の矢印で示すように、中心軸35aを中心として軸周りに回転する。図1A及び図1Bには、フィルタ部30の回転方向を黒塗りの矢印で示している。なお、回転方向は、正面視において時計回り及び反時計回りのいずれでもよい。
支持部35は、フィルタ部30の回転の中心となる中心軸35aと、第1フィルタ31及び第2フィルタ32を支持する円環状の枠体35bとを備える。
支持部35の中心軸35aは、制御回路60によって制御されるモータ(図示せず)などに接続され、モータが回転することで、支持部35が回転する。これにより、フィルタ部30の全体が中心軸35aの軸周りに回転する。
支持部35は、光源20から受光素子50に至る光路上に、第1フィルタ31及び第2フィルタ32が互いに時間排他的に位置するように、第1フィルタ31及び第2フィルタ32を可動に支持する。なお、時間排他的とは、機能水濃度センサ1の動作期間内において、第1フィルタ31及び第2フィルタ32のうちの第1フィルタ31のみが光路上に位置する第1期間と、第1フィルタ31及び第2フィルタ32のうちの第2フィルタ32のみが光路上に位置する第2期間とが排他的である(すなわち、重複しない)ことを意味する。第1期間には、図1Aに示す時刻t1が含まれ、第2期間には、図1Bに示す時刻t2が含まれる。第1期間と第2期間との間に、第1フィルタ31及び第2フィルタ32の両方が光路上に位置する期間があってもよい。
フィルタ部30には、図5の破線で示すように、光源20が発した紫外光3が照射される照射領域90が形成される。照射領域90は、例えば円形の領域であるが、これに限定されない。照射領域90は、例えば、入射窓11の正面視形状と同じ形状及び同じ大きさである。
図5では、照射領域90が第1フィルタ31に形成されている例(図1Aの時刻t1に対応)について示している。照射領域90は、フィルタ部30が回転することで、第2フィルタ32にも形成される(図1Bの時刻t2に対応)。具体的には、フィルタ部30が回転することで、照射領域90は、第1フィルタ31と第2フィルタ32とに時間的に交互に形成される。言い換えると、光源20が発した紫外光3は、第1フィルタ31と第2フィルタ32とを時間的に交互に通過する。
図1A及び図1Bに示すように、第1フィルタ31と第2フィルタ32とは、同一平面(光路に直交する面)内で並んで配置されている。具体的には、図5に示すように、第1フィルタ31と第2フィルタ32とは、互いに接触して配置されている。このため、フィルタ部30が回転した場合に、照射領域90は、第1フィルタ31と第2フィルタ32とを交互に連続して移り変わる。
図5に示すように、第1フィルタ31の正面視形状は、例えば、半円形の中心部が切り欠かれた略半円形状である。第2フィルタ32の正面視形状は、例えば、第1フィルタ31の正面視形状と略同じである。第1フィルタ31及び第2フィルタ32は、支持部35の略円形の枠体35bに固定されている。
また、フィルタ部30の正面視形状は円形に限らず、正方形、長方形などでもよい。また、第1フィルタ31と第2フィルタ32とは連続せずに離れて配置されていてもよい。
第1フィルタ31は、第1波長の光を透過させ、第2波長の光の透過を抑制する。具体的には、第1フィルタ31は、中心波長が第1波長で所定の帯域幅のバンドパスフィルタである。光源20が発した紫外光3のうち、第1フィルタ31を通過した第1紫外光4aは、主として第1波長の光を含み、第2波長の光を含んでいない、又は、ほとんど含んでいない。
第2フィルタ32は、第2波長の光を透過させ、第1波長の光の透過を抑制する。具体的には、第2フィルタ32は、中心波長が第2波長で所定の帯域幅のバンドパスフィルタである。光源20が発した紫外光3のうち、第2フィルタ32を通過した第2紫外光4bは、主として第2波長の光を含み、第1波長の光を含んでいない、又は、ほとんど含んでいない。
第1フィルタ31及び第2フィルタ32の各々のフィルタ特性は、第1波長及び第2波長に基づいて予め設定されている。第1波長及び第2波長は、検出対象の機能水2の機能出現成分に応じて決定される。具体的には、第1波長及び第2波長は、以下の条件に基づいて定められる。
例えば、本実施の形態では、機能水2の機能出現成分による第2波長の光の吸収レベルは、機能出現成分による第1波長の光の吸収レベルより小さい(条件(i))。このため、第1フィルタ31を通過した第1紫外光4aは、機能水2によって大きく吸収され、第2フィルタ32を通過した第2紫外光4bは、機能水2によってはあまり吸収されない。
機能水濃度センサ1では、後で詳しく説明するように、第1紫外光4aの吸収量と第2紫外光4bの吸収量との比較結果に応じて成分濃度を検出する。具体的には、第1紫外光4aに基づく受光信号(第1受光信号)を検知用として用い、第2紫外光4bに基づく受光信号(第2受光信号)を参照用として用いる。検知用の第1受光信号の信号強度の変化量が大きく、参照用の第2受光信号の信号強度の変化量が小さい程、検知精度を高めることができる。
つまり、後述する[成分濃度の測定]の機能出現成分の吸光係数αは、第1紫外光4aの吸収量から求められる吸光係数α1と第2紫外光4bの吸収量から求められる吸光係数α2との差分に相当する吸光係数αとなる。このため、第2紫外光4bに基づく吸光係数α2が小さいほど[成分濃度の測定]の機能出現成分の吸光係数αが大きくなり、S/N比が高くなって検知精度を高めることができる。検出感度に相当するSは、最小検知成分濃度における規格化信号比Rに対する変化率に相当する。ノイズに相当するNは、規格化信号比Rに対するノイズに相当する。ここで、ノイズNを小さくするには、光源20の発光出力を大きくする必要がある。ただし、光源20の出力を大きくすることは、光源20の点灯時間に対する発光出力の低下を大きくすることにつながる。つまり、光源20の交換が必要になりユーザによるメンテナンスが生じる課題につながる。
このため、例えば、機能出現成分による第2波長の吸収レベルは、機能出現成分による第1波長の吸収レベルの9/10以下である(条件(ii))。これにより、S/N比を1/10倍以上にすることができるので、光源20の出力を極端に大きくせずとも最小分解能を確保することができる。これにより、光源20の寿命も確保できる。
また、機能出現成分による第2波長の吸収レベルは、第1波長の光の吸収レベルの1/10以下でもよく、好ましくは、1/20以下でもよい(条件(iii))。これにより、S/N比を9/10倍以上にすることができるので、光源20の出力を極端に大きくせずとも定量下限を確保することができる。
あるいは、第2波長は、機能出現成分の吸収スペクトルにおいて吸収レベルが実質的に0になる波長でもよい(条件(iv))。この場合、第2フィルタ32を通過した第2紫外光4bは、機能水2によっては実質的に吸収されない。言い換えると、入射窓11に入射する第2紫外光4bの強度と、出射窓12から出射される第2紫外光4bの強度とは、実質的に等しくなる。したがって、吸光係数αを減少させることなく、検知精度を一層高めることができる。
また、第1波長は、例えば、光源20が発する紫外光3の波長成分のうち、機能水2の機能出現成分の吸収スペクトルにおいて吸収レベルが極大になる波長(例えば、ピーク波長)である(条件(v))。これにより、第1紫外光4aは、機能水2による吸収が大きいので、機能水2を通過する前後で強度が大きく減少する。したがって、第1紫外光4aに基づく受光信号(第1受光信号)の信号強度の変化を大きくすることができるので、検知精度を高めることができる。
以下では、機能水2が次亜塩素酸水である場合に、上記条件(i)〜(v)の少なくとも1つに基づいて定められた第1フィルタ31及び第2フィルタ32の透過特性について図6を用いて説明する。図6は、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1の第1フィルタ31及び第2フィルタ32のフィルタ特性を示す図である。
次亜塩素酸水は、図2Aで示したように、約292nmにピーク波長を有する。このため、条件(v)に基づいて、第1波長である約292nmの光を透過させるように、第1フィルタ31の透過特性が設計される。具体的には、図6に示すように、第1フィルタ31の中心波長は、例えば約290nmである。第1フィルタ31の帯域幅は、約10nmである。すなわち、第1フィルタ31は、光源20が発した紫外光3のうち、約285nm〜約295nmの光を第1紫外光4aとして通過させる。ここでは、第1フィルタ31の中心波長と第1波長とが僅かに異なる例について示したが、第1フィルタ31の中心波長が第1波長に等しくてもよい。
また、次亜塩素酸水は、図2Aで示したように、約235nmにおける吸収レベルが実質的に0に近くなっている。このため、例えば、条件(i)〜(iv)に基づいて、第2波長である約235nmの光を透過させるように、第2フィルタ32の透過特性が設計される。具体的には、図6に示すように、第2フィルタ32の中心波長は、約235nmである。第2フィルタ32の帯域幅は、約10nmである。すなわち、第2フィルタ32は、光源20が発した紫外光3のうち、約230nm〜約240nmの光を第2紫外光4bとして通過させる。ここでは、第2フィルタ32の中心波長と第2波長とが等しい例について示したが、第2フィルタ32の中心波長と第2波長とは異なっていてもよい。
図6に示すように、第1フィルタ31の通過帯域には、第2波長(約235nm)は含まれていない。第2フィルタ32の通過帯域には、第1波長(約292nm)は含まれていない。第1フィルタ31の通過帯域と第2フィルタ32の通過帯域とは、実質的に重複していない。このため、第1フィルタ31を通過した第1紫外光4aの波長成分と、第2フィルタ32を通過した第2紫外光4bの波長成分とは、重複していない。
なお、第1フィルタ31及び第2フィルタ32のフィルタ特性は、この例に限らない。例えば、第2フィルタ32の中心波長である第2波長は、約370nm又はそれ以上でもよい。また、例えば、第1フィルタ31の帯域幅と第2フィルタ32の帯域幅とは異なっていてもよい。また、第2フィルタ32の通過帯域の一部が第1フィルタ31の通過帯域に重なっていてもよい。
[蛍光体]
蛍光体40は、光源20が発した紫外光によって励起されて蛍光を発する。具体的には、図1Aに示すように、蛍光体40は、光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第1フィルタ31とを通過した第1紫外光4aによって励起されて第1蛍光5aを発する。図1Bに示すように、蛍光体40は、光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第2フィルタ32とを通過した第2紫外光4bによって励起されて第2蛍光5bを発する。第1蛍光5a及び第2蛍光5bは、紫外光3の波長より長波長の光である。
蛍光体40は、例えば、紫外光及び可視光を透過する透明なガラス板の内部に分散された複数の蛍光体粒子である。蛍光体40は、図1A及び図1Bに示すように、容器10の出射窓12と受光素子50との間に位置している。なお、蛍光体40は、当該ガラス板の表面に塗布された樹脂材料に含まれた複数の蛍光体粒子でもよい。あるいは、蛍光体40は、複数のセラミック粒子(例えば、アルミナなど)と混合されて板状に焼結された複数の蛍光体粒子でもよい。
蛍光体40が発する蛍光の波長は、蛍光体40として用いる蛍光体粒子の蛍光特性に依存する。ここでは、一例として、2種類の蛍光体粒子について説明する。
図7A及び図7Bは、本実施の形態に係る蛍光体40の一例による励起光及び蛍光のスペクトルを示す図である。図7A及び図7Bにおいて、破線が、励起光である紫外光のスペクトルを示し、実線が、可視光である蛍光を示している。
図7Aには、YPV蛍光体(ユーロピウム賦活リン・バナジン酸イットリウム; Y(P,V)O:Eu3+)を示している。YPV蛍光体は、図7Aに示すように、350nm以下の紫外光を受けた場合に、約620nmにピーク波長を有する蛍光(赤色光)を発する。
図7Bには、LAP蛍光体(セリウム、テルビウム賦活リン酸ランタン蛍光体; LaPO:Ce3+,Tb3+)を示している。LAP蛍光体は、図7Bに示すように、300nm以下の紫外線を受けた場合に、約550nmにピーク波長を有する蛍光(緑色光)を発する。
本実施の形態に係る蛍光体40としては、第1フィルタ31及び第2フィルタ32の透過特性に応じて適切な蛍光体粒子を用いることができる。具体的には、蛍光体40としては、励起光のスペクトルの強度が所定強度以上である波長帯域に第1波長及び第2波長の両方が含まれる蛍光体粒子を用いる。上述したように、例えば、第1波長が292nmであり、第2波長が235nmであるので、一例として、図7Aに示すYPV蛍光体を蛍光体40として利用することができる。
[受光素子]
受光素子50は、受光した光に応じた受光信号を出力する。具体的には、受光素子50は、受光した光を光電変換することで、受光量に応じた電気信号である受光信号を生成する。
本実施の形態では、受光素子50は、光源20が発した紫外光3のうち第1フィルタ31又は第2フィルタ32を通過した第1紫外光4a又は第2紫外光4bによって励起された蛍光体40が発する第1蛍光5a又は第2蛍光5bを受光する。受光素子50は、第1蛍光5aを受光することで第1受光信号を出力し、かつ、第2蛍光5bを受光することで第2受光信号を出力する。
第1受光信号は、第1蛍光5aの受光量に応じた電気信号であり、第1波長を含む第1紫外光4aに基づく信号である。すなわち、第1受光信号は、機能水2の成分濃度に応じて信号強度が大きく変化する信号(検知用の信号)である。
第2受光信号は、第2蛍光5bの受光量に応じた電気信号であり、第2波長を含む第2紫外光4bに基づく信号である。すなわち、第2受光信号は、機能水2の成分濃度に応じて信号強度が実質的に変化しない信号(参照用の信号)である。第1受光信号及び第2受光信号は、信号処理回路70に出力される。
図8は、本実施の形態に係る受光素子50が生成する受光信号を示す図である。図8において、横軸は時間であり、縦軸は受光信号の信号強度(例えば、電圧レベル)である。
上述したように、受光素子50には、互いに異なるタイミングで第1蛍光5a及び第2蛍光5bが入射する。第1蛍光5aと第2蛍光5bとが交互に入射するので、受光素子50が生成する受光信号の信号強度は、図8に示すように、VDとVRとを所定期間毎に繰り返す。なお、VDは、第1蛍光5aが入射したときの信号強度であり、VRは、第2蛍光5bが入射したときの信号強度である。なお、図8では、説明を簡単にするため、照射領域90が第1フィルタ31と第2フィルタ32とを瞬時に切り替わって形成される場合を例に示している。
本実施の形態では、受光素子50が生成する受光信号を適切なタイミングでサンプリングすることにより、第1受光信号及び第2受光信号を生成する。サンプリング(生成又は出力)のタイミングを図8の下向きの矢印で示している。
本実施の形態では、受光素子50が第1受光信号及び第2受光信号を生成(又は出力)するタイミングは、フィルタ部30の回転に同期している。具体的には、サンプリング周期は、フィルタ部30の回転のスピードに対応しており、一周期は、フィルタ部30が半回転に要する時間である。すなわち、フィルタ部30が半回転する度に、第1受光信号及び第2受光信号が交互に生成(又は出力)される。
例えば、図1Aに示すように、第1フィルタ31が光源20と入射窓11との間に位置しているとき、すなわち、第1フィルタ31に照射領域90が形成されているときに、受光素子50は、第1蛍光5aを受光して第1受光信号を出力する。図1Bに示すように、第2フィルタ32が光源20と入射窓11との間に位置しているとき、すなわち、第2フィルタ32に照射領域90が形成されているときに、受光素子50は、第2蛍光5bを受光して第2受光信号を出力する。
受光素子50は、例えば、可視光領域に感度を有するフォトダイオードなどの光電変換素子である。受光素子50は、フォトトランジスタなどでもよい。
[制御回路]
制御回路60は、光源20の動作を制御するコントローラである。制御回路60は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。制御回路60は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現される。
制御回路60は、光源20の点灯及び消灯を制御する。制御回路60は、例えば、ユーザ指示又はプログラムなどに基づいて所定のタイミングで所定の強度及び波長の紫外光を、光源20に出射させる。制御回路60は、光源20が発する紫外光の強度及び波長の少なくとも一方を変更してもよい。例えば、制御回路60は、機能水2の種類に基づいて紫外光の強度及び波長を変更してもよい。
また、制御回路60は、機能水2の成分濃度の測定結果をフィードバックして光源20を制御してもよい。例えば、制御回路60は、受光素子50によって受光された蛍光の強度が低すぎる場合(すなわち、機能水2の成分濃度が大きすぎる場合)、光源20が発する紫外光の強度を高くしてもよい。制御回路60は、受光素子50によって受光された蛍光の強度が高すぎる場合(すなわち、機能水2の成分濃度が小さすぎる場合)、光源20が発する紫外光の強度を低くしてもよい。
本実施の形態では、制御回路60は、さらに、フィルタ部30の回転を制御する。具体的には、制御回路60は、支持部35を一方向に一定の角速度で回転させる。これにより、照射領域90が第1フィルタ31に形成される第1期間と、第2フィルタ32に形成される第2期間とを略同じ長さにすることができる。これにより、受光素子50が第1受光信号と第2受光信号とを一定の周期で生成すればよいので、受光素子50の制御を容易に行うことができ、検出誤差などを抑制することができる。
[信号処理回路]
信号処理回路70は、第1受光信号と第2受光信号とを比較することで、成分濃度を算出する。成分濃度の算出の具体的な原理については、後で説明する。
信号処理回路70は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。信号処理回路70は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現される。なお、信号処理回路70は、メモリなどのハードウェア資源を制御回路60と共用してもよい。
[記憶部]
記憶部75は、第1基準信号と第2基準信号との信号比である基準信号比を記憶するメモリである。記憶部75は、例えば、半導体メモリ又はHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性メモリである。
第1基準信号は、容器10に機能水2が入れられていない状態(すなわち、容器10が空の状態)における第1受光信号に対応する。具体的には、第1基準信号は、光源20が発した紫外光3のうち、第1フィルタ31と成分濃度がゼロの状態の機能水2(実質はただの水)が入った容器10とを通過した第1紫外光によって励起された蛍光体40が発する第1蛍光を、受光素子50が受光したときに生成される受光信号である。第1基準信号は、機能水2の成分濃度がゼロである点を除いて第1受光信号と同じ条件で生成された受光信号である。
第2基準信号は、容器10が空の状態における第2受光信号に対応する。具体的には、第2基準信号は、光源20が発した紫外光3のうち、第2フィルタ32と成分濃度がゼロの状態の機能水2(実質はただの水)が入った容器10とを通過した第2紫外光によって励起された蛍光体40が発する第2蛍光を、受光素子50が受光したときに生成される受光信号である。第2基準信号は、機能水2の成分濃度がゼロである点を除いて第2受光信号と同じ条件で生成された受光信号である。また、機能水2が入れられていない状態にて取得した信号を基準信号としてもよい。
基準信号比は、例えば、機能水濃度センサ1の製造時の検査工程などにおいて予め算出されて、記憶部75に記憶されるが、これに限定されない。所定のタイミング(例えば、ユーザによる指示を受け付けたとき)に、容器10内に成分濃度がゼロの水が入れられた状態で基準信号比を新たに算出することで、記憶部75に記憶された基準信号比を更新してもよい。また、機能水2が入れられていない状態にて取得した信号を基準信号とし、その比から基準信号比を算出して更新してもよい。
[成分濃度の測定]
以下では、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1による成分濃度の測定について説明する。
本実施の形態では、信号処理回路70は、第1受光信号と第2受光信号との比較結果と、記憶部75に記憶された基準信号比とを比較することで、成分濃度を算出する。具体的には、信号処理回路70は、以下の(式3)〜(式5)に基づいて成分濃度を算出する。
Figure 2018021872
ここで、Rは、機能水2の成分濃度がゼロのときの基準信号比であり、VDは、機能水2の成分濃度がゼロのときの第1基準信号の信号強度であり、VRは、機能水2の成分濃度がゼロのときの第2基準信号の信号強度である。Rは、検知信号比であり、VDは、第1受光信号の信号強度であり、VRは、第2受光信号の信号強度である。なお、信号強度は、例えば、各信号の電圧レベルである。
Rは、実測値に基づいて算出され、R、α及びLは予め定められた定数であるので、(式5)を用いることで、信号処理回路70は、変数である成分濃度“C”を算出することができる。
なお、(式5)は、(式3)及び(式4)と上述したランベルト・ベールの法則((式1))とに基づいて導出される、成分濃度がゼロのときに1となる規格化信号比である。Rを右辺の係数として扱うこともできる。具体的には以下の通りである。
ここで、第1基準信号(VD)と第2基準信号(VR)とのいずれも機能水の成分濃度がゼロのときの機能水2を通過した紫外光に基づく信号であるので、基準信号比Rは、第1フィルタ31の透過率T1と第2フィルタ32の透過率T2との比に相当する。また、検知信号比Rは、(a)第1フィルタ31の透過率T1と機能水2による第1紫外光4aに対する吸収量に相当する項((式1)の右辺)と、(b)第2フィルタ32の透過率T2と機能水2による第2紫外光4bに対する吸収量に相当する項との比に相当する。
このため、R/Rを算出することで、第1フィルタ31の透過率T1と第2フィルタ32の透過率T2との比を打ち消すことができ、(式5)を導出することができる。言い換えると、第1フィルタ31と第2フィルタ32との各々の透過率比に依存せず選択した波長帯で決定される吸光係数αによって機能水成分の濃度を算出できる。このため、上述した条件(i)〜(v)などに基づいて吸光係数αの低下を抑制することにより、検出精度を高めることができる。
なお、第1フィルタ31の透過率と第2フィルタ32の透過率との劣化の影響を考慮に入れなくてもよい場合、又は、これらが同等に劣化する場合などは、信号処理回路70は、(式4)のみから成分濃度を算出することもできる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1は、機能水2が入れられる容器10と、第1波長の光及び第2波長の光を含む紫外光3を発する光源20と、第1波長の光を透過させ、第2波長の光の透過を抑制する第1フィルタ31と、第2波長の光を透過させ、第1波長の光の透過を抑制する第2フィルタ32と、(i)光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第1フィルタ31とを通過した第1紫外光4aによって励起されて第1蛍光5aを発し、かつ、(ii)光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第2フィルタ32とを通過した第2紫外光4bによって励起されて第2蛍光5bを発する蛍光体40と、第1蛍光5aを受光することで第1受光信号を出力し、かつ、第2蛍光5bを受光することで第2受光信号を出力する受光素子50と、第1受光信号と第2受光信号とを比較することで、機能水2の機能出現成分の濃度を算出する信号処理回路70とを備え、機能出現成分による第2波長の光の吸収レベルは、機能出現成分による第1波長の光の吸収レベルより小さい。
これにより、機能水濃度センサ1は、第1受光信号と第2受光信号との比較結果に基づいて、すなわち、第1波長の光と第2波長の光との吸収レベルの相対値(具体的には、(式4)に示す検知信号比)に基づいて、機能水2の成分濃度を算出する。つまり、機能水濃度センサ1は、ある波長の光の吸収レベルの絶対値を用いずに相対値を用いるので、光源20又は受光素子50の経年劣化及び容器10の汚れなどの影響を抑制することができる。
上述した(式1)に基づいて、第1受光信号の信号強度VDのみからでも、成分濃度を検出することができる。しかしながら、例えば、光源20などの経年劣化又は容器10の汚れによって、受光素子50が受光する光の強度(受光量)が低下することで、信号強度VDも低下する。このため、受光量が低下し、本来の濃度より高い濃度を検出してしまう。
一方で、本実施の形態に係る機能水濃度センサ1では、相対値を利用するので、光源20の経年劣化又は容器10の汚れの影響は、第1受光信号の信号強度VD及び第2受光信号の信号強度VRのいずれにも同等に及ぼされる。したがって、(式4)に基づいて、これらの影響が打ち消されられるので、相対値の変化を抑制することができる。したがって、機能水濃度センサ1は、メンテナンスを行わなくても長期間にわたって高い検出精度を実現することができる。
また、蛍光体40を利用することで、受光素子50は、紫外光に対して感度を有しなくてもよい。例えば、蛍光体40が可視光領域の蛍光を発する場合には、受光素子50として、可視光領域に感度を有する汎用のフォトダイオードなどを利用することができる。したがって、機能水濃度センサ1を安価で実現することができる。
また、例えば、機能出現成分による第2波長の光の吸収レベルは、機能出現成分による第1波長の光の吸収レベルの9/10以下である。
これにより、第1波長の光の吸収レベルと第2波長の光の吸収レベルとの差が成分検出を可能とするうえで十分に大きいので、第1受光信号の変化分に対して第2受光信号の変化分を十分に小さくすることができる。したがって、光源20の出力を大きくすることなく、S/N比を大きくすることができるので、成分濃度の検出精度を高めることができる。
また、例えば、第2波長は、機能出現成分の吸光スペクトルにおいて吸収レベルが実質的に0になる波長である。
これにより、第2紫外光4bは、機能水2によって実質的に吸収されないので、機能水2の通過前後で、その強度が実質的に等しい。したがって、規格化信号比に基づく吸光係数を最大にできるので、成分濃度の検出精度を高めることができる。
また、例えば、第1波長は、機能出現成分の吸光スペクトルにおいて吸収レベルが極大になる波長である。
これにより、第1波長の光の吸収レベルと第2波長の光の吸収レベルとの差を十分に大きくすることができるので、第1受光信号の変化分に対して第2受光信号の変化分を十分に小さくすることができる。したがって、S/N比を大きくすることができるので、成分濃度の検出精度を高めることができる。
また、例えば、第1蛍光5a及び第2蛍光5bは、紫外光3の波長より長波長の光であり、光源20は、第1波長及び第2波長のうち小さい方の波長から、蛍光体40を励起可能な波長帯域の最大波長までの光を含む紫外光3を発するブロードな光源である。例えば、光源20は、所定のガスが封入された封入管21を有する放電ランプである。
これにより、広い範囲の波長領域において十分な強度の紫外光を光源20が発するので、第1波長に対してS/N比が大きくなるような波長を第2波長として選択することができる。つまり、第2波長としての選択可能な波長領域が広いので、第2フィルタ32の設計などが容易になり、機能水濃度センサ1を安価で実現することができる。
また、例えば、機能水濃度センサ1は、さらに、光源20から受光素子50に至る光路上に、第1フィルタ31及び第2フィルタ32が互いに時間排他的に位置するように、第1フィルタ31及び第2フィルタ32を可動に支持する支持部35を備える。
これにより、第1フィルタ31及び第2フィルタ32を可動式にすることで、例えば、第1受光信号と第2受光信号とで、光源20から受光素子50に至るまでの光路を共通にすることができる。つまり、第1受光信号と第2受光信号とで同一の光学系を利用することで、経年劣化などの影響を抑制することができる。したがって、成分濃度の検出精度を高めることができる。
また、例えば、機能水濃度センサ1は、さらに、容器10に機能水2が入れられていない状態における第1受光信号及び第2受光信号の各々に対応する第1基準信号と第2基準信号との信号比である基準信号比を記憶する記憶部75を備え、信号処理回路70は、第1受光信号と第2受光信号との比較結果と、基準信号比とを比較することで、成分濃度を算出する。
これにより、光源20及び受光素子50などの経年劣化だけでなく、第1フィルタ31及び第2フィルタ32の劣化及び汚れの付着などの影響も抑制することができる。したがって、成分濃度の検出精度を一層高めることができる。
また、本実施の形態では、第1受光信号及び第2受光信号を時分割で生成するので、光源20、蛍光体40及び受光素子50をそれぞれ1つのみ備えればよい。したがって、機能水濃度センサ1の小型化及び軽量化を実現することができる。
[変形例]
以下では、実施の形態1の変形例について説明する。
実施の形態1では、光源20が放電ランプである例について示したが、これに限らない。本変形例では、光源20の変形例について図9を用いて説明する。
図9は、本変形例に係る機能水濃度センサ101の構成を示す断面図である。図9に示すように、機能水濃度センサ101は、図1A及び図1Bに示す機能水濃度センサ1と比較して、光源20の代わりに光源120を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略又は簡略化する。
光源120は、図9に示すように、紫外光3を発する火花放電を起こす2つの電極122を備える。2つの電極122は、例えば、銅、タングステンなどの金属材料を主成分とする金属電極である。2つの電極122は、大気中に露出して配置されている。2つの電極122に所定の高圧電圧が印加された場合に、2つの電極122間で火花放電が発生する。火花放電による発光(火花)が紫外光3に相当する。
火花放電による発光(紫外光3)のスペクトルには、大気成分の輝線が生じるものの、実施の形態1に係る放電ランプの場合と同様に、ブロードな基底レベルを持つ。したがって、実施の形態1と同様に、S/N比を大きくすることができ、成分濃度の検知精度を高めることができる。
このように、本変形例に係る機能水濃度センサ101では、例えば、光源120は、紫外光3を発する火花放電を起こす2つの電極122を備える。
これにより、光源120の構成を簡素化することができる。具体的には、光源120は、放電用の2つの電極122のみを備えればよく、機能水濃度センサ101の軽量化及び低コスト化を実現することができる。
(実施の形態2)
続いて、実施の形態2について説明する。
実施の形態1及びその変形例では、フィルタ部30が回転ホイール機構を有する例について示したが、フィルタ部30の構成はこれに限らない。本実施の形態では、フィルタ部の別の構成について説明する。
図10A及び図10Bは、本実施の形態に係る機能水濃度センサ201の構成を示す断面図である。実施の形態1と同様に、図10A及び図10Bはそれぞれ、機能水濃度センサ201の動作期間内における互いに異なるタイミング(時刻t1及び時刻t2)の構成を示している。
図10A及び図10Bに示すように、機能水濃度センサ201は、図1A及び図1Bに示す機能水濃度センサ1と比較して、フィルタ部30の代わりにフィルタ部230を備える点が相違する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明は省略又は簡略化する。
図10A及び図10Bに示すように、フィルタ部230は、第1フィルタ231と、第2フィルタ232と、支持部235とを備える。本実施の形態では、第1フィルタ231、第2フィルタ232及び支持部235の機能はそれぞれ、実施の形態1に係る第1フィルタ31、第2フィルタ32及び支持部35と同じである。例えば、第1フィルタ231の透過特性は第1フィルタ31と同じであり、第2フィルタ232の透過特性は第2フィルタ32と同じである。
第1フィルタ231及び第2フィルタ232は、第1フィルタ31及び第2フィルタ32と比較して、その形状が相違する。具体的には、第1フィルタ231及び第2フィルタ232はそれぞれ、平面視形状が略矩形の板状のフィルタである。
支持部235は、例えば、柱状の軸体である。支持部235は、第1フィルタ231と第2フィルタ232とを支持する。このとき、第1フィルタ231と第2フィルタ232との相対的な位置関係は固定である。例えば、図10A及び図10Bに示すように、第1フィルタ231と第2フィルタ232とは、互いのなす角度が略90°になるように支持部235に固定されている。
支持部235は、第1フィルタ231と第2フィルタ232とを揺動させる。具体的には、支持部235は、反復回動運動を行う。具体的には、支持部235は、軸方向(図10A及び図10Bにおいて紙面垂直方向)から見た場合に、所定の搖動角(例えば、90°以上)で時計回りと反時計回りとに回動を繰り返す。これにより、支持部235は、紫外光3の光路上に位置するフィルタを、第1フィルタ231と第2フィルタ232とで反復的に切り替えることができる。すなわち、実施の形態1と同様に、第1フィルタ231と第2フィルタ232とは、紫外光3の光路上に時間排他的に位置する。
具体的には、図10Aに示すように、時刻t1では、第1フィルタ231が光路上に位置し、第1フィルタ231に照射領域90(図示せず)が形成される。また、図10Bに示すように、時刻t2では、第2フィルタ232が光路上に位置し、第2フィルタ232に照射領域90(図示せず)が形成される。
これにより、実施の形態1と同様に、受光素子50は、時分割で第1受光信号及び第2受光信号を生成(又は出力)することができる。したがって、信号処理回路70は、実施の形態1と同様の効果を奏し、成分濃度を算出することができる。
(実施の形態3)
続いて、実施の形態3について説明する。
実施の形態1及び2などでは、可動式のフィルタ部30などを利用することで、1つの受光素子50が第1受光信号と第2受光信号とを時分割で生成した。これに対して、本実施の形態では、2つの受光素子が空間分割により第1受光信号と第2受光信号とを生成する。
図11は、本実施の形態に係る機能水濃度センサ301の構成を示す断面図である。図11に示すように、機能水濃度センサ301は、図1Aに示す機能水濃度センサ1と比較して、フィルタ部30、蛍光体40、受光素子50及び信号処理回路70の代わりに、第1フィルタ331及び第2フィルタ332、第1蛍光体341及び第2蛍光体342、第1受光素子351及び第2受光素子352、並びに、信号処理回路370を備える点が相違する。また、機能水濃度センサ301は、さらに、第1反射板381及び第2反射板382を備える。
本実施の形態では、図11に示すように、光源20から発せられた紫外光3は、空間的に2つに分割される。具体的には、紫外光3は、第1フィルタ331を通過した第1紫外光4aと、第2フィルタ332を通過した第2紫外光4bとに、第1反射板381及び第2反射板382によって分割される。
第1紫外光4aが第1蛍光体341に照射されることで、第1蛍光体341は、第1蛍光5aを発する。第1蛍光5aが第1受光素子351によって受光され、第1受光素子351は、第1受光信号を生成する。また、第2紫外光4bが第2蛍光体342に照射されることで、第2蛍光5bを発する。第2蛍光5bが第2受光素子352によって受光され、第2受光素子352は、第2受光信号を生成する。ここで、第1蛍光体341は、第1受光素子351の上面に配置しているが空間的に分離していてもよく、第2蛍光体342についても同様である。
また、反射板381及び382の代わりに第1蛍光体341及び第2蛍光体342を配置し、反射した第1蛍光5a及び第2蛍光5bを第1受光素子351及び第2受光素子352で受光するようにしてもよい。
このように、本実施の形態では、空間分割により第1受光信号及び第2受光信号を同時に生成する。信号処理回路370は、第1受光信号及び第2受光信号を取得することで、上述した(式5)などに基づいて機能水2の成分濃度を算出する。
以下、本実施の形態に係る機能水濃度センサ301の各構成要素について説明する。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点についての説明は省略又は簡略化する。
[フィルタ部]
機能水濃度センサ301のフィルタ部は、第1フィルタ331と、第2フィルタ332とを備える。第1フィルタ331及び第2フィルタ332はそれぞれ、実施の形態1に係る第1フィルタ31及び第2フィルタ32と機能は同じであり、その配置及び形状が相違する。
第1フィルタ331は、光源20と第1蛍光体341との間に配置されている。具体的には、第1フィルタ331は、光源20から第1蛍光体341に至る紫外光の光路上に配置されている。本実施の形態では、図11に示すように、第1フィルタ331は、容器10の出射窓12と第1反射板381との間に配置されている。なお、第1フィルタ331は、第1反射板381と第1蛍光体341との間に配置されていてもよい。
第2フィルタ332は、光源20と第2蛍光体342との間に配置されている。具体的には、第2フィルタ332は、光源20から第2蛍光体342に至る紫外光の光路上に配置されている。本実施の形態では、図11に示すように、第2フィルタ332は、容器10の出射窓12と第2反射板382との間に配置されている。なお、第2フィルタ332は、第2反射板382と第2蛍光体342との間に配置されていてもよい。
図12は、本実施の形態に係る機能水濃度センサ301の第1フィルタ331及び第2フィルタ332の正面図である。
図11及び図12に示すように、第1フィルタ331及び第2フィルタ332は、光源20が発した紫外光3であって、容器10に入れられる機能水2を通過した紫外光3である入射光の進行方向に直交する平面内で並んで配置されている。具体的には、図12に示すように、第1フィルタ331及び第2フィルタ332は、平面視において、互いに連続して配置されている。
第1フィルタ331及び第2フィルタ332への入射光は、第1フィルタ331と第2フィルタ332とに略均等な面積で入射する。具体的には、図12に示すように、照射領域90は、第1フィルタ331と第2フィルタ332との両方に重なるように形成される。照射領域90のうち第1フィルタ331に形成される領域(上半円)と、照射領域90のうち第2フィルタ332に形成される領域(下半円)との面積が略等しくなる。例えば、第1フィルタ331と第2フィルタ332との境界を光源20の光軸が通過するように、第1フィルタ331と第2フィルタ332は配置される。
第1フィルタ331及び第2フィルタ332の平面視形状は、図12に示すように、例えば半円形であるが、これに限らない。第1フィルタ331及び第2フィルタ332の平面視形状は、正方形、長方形などでもよい。また、第1フィルタ331及び第2フィルタ332は、連続せずに離れて配置されていてもよい。
[蛍光体]
機能水濃度センサ301の蛍光体は、第1蛍光体341と、第2蛍光体342とを備える。第1蛍光体341及び第2蛍光体342は、実施の形態1に係る蛍光体40と同じ機能を有する。具体的には、第1蛍光体341及び第2蛍光体342はそれぞれ、光源20が発した紫外光によって励起されて蛍光を発する。
本実施の形態では、第1蛍光体341は、光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第1フィルタ331とを通過した第1紫外光4aによって励起されて第1蛍光5aを発する。第2蛍光体342は、光源20が発した紫外光3のうち、容器10に入れられる機能水2と第2フィルタ332とを通過した第2紫外光4bによって励起されて第2蛍光5bを発する。
第1蛍光体341及び第2蛍光体342は、互いに同じ構成を有し、例えばLAP蛍光体であるが、これに限らない。第1蛍光体341と第2蛍光体342とは、互いに異なる蛍光体粒子を含有していてもよい。
図11に示すように、第1蛍光体341及び第2蛍光体342は、互いに異なる位置に配置されている。具体的には、第1蛍光体341は、第1紫外光4aの光路上に配置されている。例えば、第1蛍光体341は、第1反射板381と第1受光素子351との間に配置されている。本実施の形態では、第1蛍光体341は、第1受光素子351の受光面上に配置されている。第2蛍光体342は、第2紫外光4bの光路上に配置されている。例えば、第2蛍光体342は、第2反射板382と第2受光素子352との間に配置されている。本実施の形態では、第2蛍光体342は、第2受光素子352の受光面上に配置されている。
[受光素子]
機能水濃度センサ301の受光素子は、第1受光素子351と、第2受光素子352とを備える。第1受光素子351及び第2受光素子352は、実施の形態1に係る受光素子50と同じ機能を有する。具体的には、第1受光素子351及び第2受光素子352はそれぞれ、受光した光に応じた受光信号を出力する。
本実施の形態では、第1受光素子351は、第1蛍光5aを受光することで第1受光信号を出力する。第2受光素子352は、第2蛍光5bを受光することで第2受光信号を出力する。
第1受光素子351及び第2受光素子352は、互いに同じ構成を有し、例えば、可視光領域に感度を有するフォトダイオードなどの光電変換素子であるが、これに限らない。第1受光素子351と第2受光素子352とは、互いに異なる領域に感度を有してもよい。
[信号処理回路]
信号処理回路370は、第1受光信号と第2受光信号とを比較することで、成分濃度を算出する。成分濃度の算出の具体的な原理については、実施の形態1で説明した通りである。
本実施の形態では、第1受光素子351及び第2受光素子352の各々から、第1受光信号及び第2受光信号を同時に取得することができる。したがって、実施の形態1の場合に比べて短期間で成分濃度の算出を行うことができる。
信号処理回路370は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを有する。信号処理回路370は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)などで実現される。なお、信号処理回路370は、メモリなどのハードウェア資源を制御回路60と共用してもよい。
[反射板]
機能水濃度センサ301の反射板は、第1反射板381及び第2反射板382を備える。第1反射板381及び第2反射板382は、紫外光3を2つに分割する。
本実施の形態では、第1反射板381は、第1フィルタ331を通過した第1紫外光4aを第1蛍光体341に向けて反射する。例えば、第1反射板381は、第1紫外光4aの入射角が45°になるように配置されている。
第2反射板382は、第2フィルタ332を通過した第2紫外光4bを第2蛍光体342に向けて反射する。例えば、第2反射板382は、第2紫外光4bの入射角が45°になるように配置されている。
具体的には、第1反射板381及び第2反射板382は、前方端(光源20側の端部)で互いに接続されている。当該前方端と、第1フィルタ331及び第2フィルタ332の接続部(照射領域90の略中心)と、出射窓12と、入射窓11と、光源20とが略同一直線上に配置されている。なお、第1反射板381及び第2反射板382の配置及び姿勢は、これらに限定されない。
第1反射板381及び第2反射板382はそれぞれ、紫外光を鏡面反射する。例えば、第1反射板381及び第2反射板382は、アルミニウムなどの金属材料から構成された金属板、又は、表面に金属蒸着膜などの反射膜が形成された樹脂製の板材などである。第1反射板381及び第2反射板382は、別体で形成されているが、一体に形成されていてもよい。また、第1反射板381及び第2反射板382の少なくとも一方は設けられていなくてもよい。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る機能水濃度センサ301では、例えば、蛍光体は、第1紫外光4aによって励起されて第1蛍光5aを発する第1蛍光体341と、第1蛍光体341とは異なる位置に配置され、第2紫外光4bによって励起されて第2蛍光5bを発する第2蛍光体342とを備え、受光素子は、第1蛍光5aを受光することで第1受光信号を出力する第1受光素子351と、第2蛍光5bを受光することで第2受光信号を出力する第2受光素子352とを備え、第1フィルタ331は、光源20と第1蛍光体341との間に配置され、第2フィルタ332は、光源20と第2蛍光体342との間に配置されている。
これにより、実施の形態1に係る支持部35などのような機械的な部品が必要とされないので、部品の故障、及び、機械的な振動などの影響を抑制することができる。例えば、振動による光学系のずれなどを抑制することができ、検出精度の劣化を抑制することができる。
また、例えば、第1フィルタ331及び第2フィルタ332は、光源20が発した紫外光3であって、容器10に入れられる機能水2を通過した紫外光3である入射光の進行方向に直交する平面内で並んで配置され、入射光は、第1フィルタ331と第2フィルタ332とに略均等な面積で入射する。
これにより、第1フィルタ331及び第2フィルタ332への入射光の入射量を略均等にすることができる。したがって、第1フィルタ331及び第2フィルタ332のいずれか一方への入射量が極端に少なくなる場合などを防ぐことができるので、成分濃度の検出精度を高めることができる。
なお、本実施の形態では、第1フィルタ331及び第2フィルタ332が出射窓12と第1反射板381及び第2反射板382との間に配置されているので、第1フィルタ331を通過した第1紫外光4aと第2フィルタ332を通過した第2紫外光4bとを効果的に分割することができる。なお、実施の形態1などと同様に、第1フィルタ331及び第2フィルタ332は、光源20と入射窓11との間に配置されていてもよい。
また、本実施の形態では、第1反射板381及び第2反射板382によって第1紫外光4a及び第2紫外光4bの進行方向を変更することができるので、第1蛍光体341及び第2蛍光体342、並びに、第1受光素子351及び第2受光素子352の配置などを変更することができる。すなわち、機能水濃度センサ301内の構成要素の配置の設計の自由度を高めることができる。
(実施の形態4)
続いて、実施の形態4について説明する。
実施の形態3では、第1反射板381及び第2反射板382を用いて紫外光を空間分割したが、空間分割の手法はこれに限らない。本実施の形態では、紫外光の空間分割にビームスプリッタを利用する例について説明する。
図13は、本実施の形態に係る機能水濃度センサ401の構成を示す断面図である。図13に示すように、機能水濃度センサ401は、図11に示す機能水濃度センサ301と比較して、第1フィルタ331及び第2フィルタ332と、第1反射板381及び第2反射板382との代わりに、第1フィルタ431及び第2フィルタ432と、ビームスプリッタ480とを備える点が相違する。また、第2蛍光体342と、第2受光素子352との配置も相違する。以下では、実施の形態3との相違点を中心に説明し、共通点についての説明は省略又は簡略化する。
[フィルタ部]
機能水濃度センサ401のフィルタ部は、第1フィルタ431と、第2フィルタ432とを備える。第1フィルタ431及び第2フィルタ432はそれぞれ、実施の形態3に係る第1フィルタ331及び第2フィルタ332と機能は同じであり、その配置が相違する。
第1フィルタ431は、ビームスプリッタ480と第1蛍光体341との間に配置されている。第2フィルタ432は、ビームスプリッタ480と第2蛍光体342との間に配置されている。第1フィルタ431及び第2フィルタ432は、例えば、実施の形態2に係る第1フィルタ231及び第2フィルタ232と同様に、平面視形状が略矩形の板状のフィルタであるが、これに限らない。
[ビームスプリッタ]
ビームスプリッタ480は、光源20が発した紫外光3であって、容器10に入れられる機能水2を通過した紫外光3を、第1紫外光4aと第2紫外光4bとに分離する。本実施の形態では、ビームスプリッタ480は、例えばハーフミラーであり、紫外光3の一部を第1紫外光4aとして反射し、残りを第2紫外光4bとして透過させる。ビームスプリッタ480は、入射光を1:1で分割する。すなわち、反射光である第1紫外光4aの強度と、透過光である第2紫外光4bの強度とが略等しくなる。なお、ビームスプリッタ480による紫外光3の分割比は、1:1に限らず、透過光及び反射光の一方の光量が他方の光量より多くてもよい。
ビームスプリッタ480は、図13に示すように、光源20、入射窓11及び出射窓12を結ぶ直線上に配置されている。具体的には、ビームスプリッタ480は、光源20の光軸上に位置している。これにより、ビームスプリッタ480には、十分な強度の紫外光3が入射される。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る機能水濃度センサ401は、例えば、さらに、光源20が発した紫外光3であって、容器10に入れられる機能水2を通過した紫外光3を、第1紫外光4aと第2紫外光4bとに分離するビームスプリッタ480を備え、第1フィルタ431は、ビームスプリッタ480と第1蛍光体341との間に配置され、第2フィルタ432は、ビームスプリッタ480と第2蛍光体342との間に配置されている。
これにより、実施の形態1に係る支持部35などのような機械的な部品が必要とされないので、実施の形態3と同様に、部品の故障、及び、機械的な振動などの影響を抑制することができる。例えば、振動による光学系のずれなどを抑制することができ、検出精度の劣化を抑制することができる。
(その他)
以上、本発明に係る機能水濃度センサについて、上記の実施の形態などに基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態1では、第1フィルタ31及び第2フィルタ32が別部材として構成されている例について示したが、これに限らない。第1フィルタ31及び第2フィルタ32は、紫外光の透過特性を変更可能な1つのフィルタ部材によって実現されてもよい。例えば、静電式MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)型のフィルタを第1フィルタ31及び第2フィルタ32として用いることができる。
この場合、例えば、第1フィルタ31及び第2フィルタ32は、光源20から蛍光体40に至る光路上の所定の位置に固定されていてもよい。すなわち、機能水濃度センサ1は、第1フィルタ31及び第2フィルタ32を可変に支持する支持部35を備えなくてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態1又は2では、フィルタ部30又は230が光源20と容器10との間に位置している例について示したが、実施の形態3又は4と同様に、フィルタ部30又は230は、容器10と蛍光体40との間に位置していてもよい。すなわち、光源20が発した紫外光3は、第1フィルタ31又は231、及び、第2フィルタ32又は232のいずれか一方と、機能水2とのいずれを先に通過させてもよい。
また、上記の各実施の形態において、制御回路60又は信号処理回路70などは、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、これらに適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。これらは、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
なお、本発明は、機能水濃度センサとして実現できるだけでなく、機能水濃度センサの制御回路60又は信号処理回路70などが行う処理をステップとして含むプログラム、及び、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能なDVD(Digital Versatile Disc)などの記録媒体として実現することもできる。
つまり、上述した包括的又は具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能な記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、101、201、301、401 機能水濃度センサ
2 機能水
3 紫外光
4a 第1紫外光
4b 第2紫外光
5a 第1蛍光
5b 第2蛍光
10 容器
20 光源(放電ランプ)
21 封入管
22、122 電極
31、231、331、431 第1フィルタ
32、232、332、432 第2フィルタ
35、235 支持部
40 蛍光体
50 受光素子
70、370 信号処理回路
75 記憶部
120 光源
341 第1蛍光体
342 第2蛍光体
351 第1受光素子
352 第2受光素子
480 ビームスプリッタ

Claims (12)

  1. 機能水が入れられる容器と、
    第1波長の光及び第2波長の光を含む紫外光を発する光源と、
    前記第1波長の光を透過させ、前記第2波長の光の透過を抑制する第1フィルタと、
    前記第2波長の光を透過させ、前記第1波長の光の透過を抑制する第2フィルタと、
    (i)前記光源が発した紫外光のうち、前記容器に入れられる機能水と前記第1フィルタとを通過した第1紫外光によって励起されて第1蛍光を発し、かつ、(ii)前記光源が発した紫外光のうち、前記容器に入れられる機能水と前記第2フィルタとを通過した第2紫外光によって励起されて第2蛍光を発する蛍光体と、
    前記第1蛍光を受光することで第1受光信号を出力し、かつ、前記第2蛍光を受光することで第2受光信号を出力する受光素子と、
    前記第1受光信号と前記第2受光信号とを比較することで、前記機能水の機能出現成分の濃度を算出する信号処理回路とを備え、
    前記機能出現成分による前記第2波長の光の吸収レベルは、前記機能出現成分による前記第1波長の光の吸収レベルより小さい
    機能水濃度センサ。
  2. 前記機能出現成分による前記第2波長の光の吸収レベルは、前記機能出現成分による前記第1波長の光の吸収レベルの9/10以下である
    請求項1に記載の機能水濃度センサ。
  3. 前記第2波長は、前記機能出現成分の吸光スペクトルにおいて吸収レベルが実質的に0になる波長である
    請求項1又は2に記載の機能水濃度センサ。
  4. 前記第1波長は、前記機能出現成分の吸光スペクトルにおいて吸収レベルが極大になる波長である
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の機能水濃度センサ。
  5. 前記第1蛍光及び前記第2蛍光は、前記紫外光の波長より長波長の光であり、
    前記光源は、前記第1波長及び前記第2波長のうち小さい方の波長から、前記蛍光体を励起可能な波長帯域の最大波長までの光を含む前記紫外光を発するブロードな光源である
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の機能水濃度センサ。
  6. 前記光源は、所定のガスが封入された封入管を有する放電ランプである
    請求項5に記載の機能水濃度センサ。
  7. 前記光源は、前記紫外光を発する火花放電を起こす2つの電極を備える
    請求項5に記載の機能水濃度センサ。
  8. さらに、
    前記光源から前記受光素子に至る光路上に、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタが互いに時間排他的に位置するように、前記第1フィルタ及び前記第2フィルタを可動に支持する支持部を備える
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の機能水濃度センサ。
  9. 前記蛍光体は、
    前記第1紫外光によって励起されて前記第1蛍光を発する第1蛍光体と、
    前記第1蛍光体とは異なる位置に配置され、前記第2紫外光によって励起されて前記第2蛍光を発する第2蛍光体とを備え、
    前記受光素子は、
    前記第1蛍光を受光することで前記第1受光信号を出力する第1受光素子と、
    前記第2蛍光を受光することで前記第2受光信号を出力する第2受光素子とを備え、
    前記第1フィルタは、前記光源と前記第1蛍光体との間に配置され、
    前記第2フィルタは、前記光源と前記第2蛍光体との間に配置されている
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の機能水濃度センサ。
  10. 前記第1フィルタ及び前記第2フィルタは、前記光源が発した紫外光であって、前記容器に入れられる機能水を通過した紫外光である入射光の進行方向に直交する平面内で並んで配置され、
    前記入射光は、前記第1フィルタと前記第2フィルタとに略均等な面積で入射する
    請求項9に記載の機能水濃度センサ。
  11. さらに、
    前記光源が発した紫外光であって、前記容器に入れられる機能水を通過した紫外光を、前記第1紫外光と前記第2紫外光とに分離するビームスプリッタを備え、
    前記第1フィルタは、前記ビームスプリッタと前記第1蛍光体との間に配置され、
    前記第2フィルタは、前記ビームスプリッタと前記第2蛍光体との間に配置されている
    請求項9に記載の機能水濃度センサ。
  12. さらに、
    前記容器に機能成分を含まない水が入れられた状態、又は、機能水が入れられていない状態における前記第1受光信号及び前記第2受光信号の各々に対応する第1基準信号と第2基準信号との信号比である基準信号比を記憶する記憶部を備え、
    前記信号処理回路は、前記第1受光信号と前記第2受光信号との比較結果と、前記基準信号比とを比較することで、前記濃度を算出する
    請求項1〜11のいずれか1項に記載の機能水濃度センサ。
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