JP2018021573A - ディスクレススラスト磁気軸受及び3軸能動制御磁気軸受 - Google Patents

ディスクレススラスト磁気軸受及び3軸能動制御磁気軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】ロータの軸長の短縮化を図りつつ、スラスト支持力の低下を抑制することができるディスクレススラスト磁気軸受及び3軸能動制御磁気軸受の提供。【解決手段】ロータ10と、ロータ10の周面10cに対向して配置された共有磁極21Aと、共有磁極21Aを挟んで対向して配置された第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2と、を有し、第1のスラストステータ30z1は、ロータ10の一方の端面10aと対向して配置された第1のスラストステータ磁極33z1を有し、第2のスラストステータ30z2は、ロータ10の他方の端面と非対向で配置された第2のスラストステータ磁極33z2を有する、ディスクレススラスト磁気軸受1Aを採用する。【選択図】図1

Description

本発明は、ディスクレススラスト磁気軸受及び3軸能動制御磁気軸受に関するものである。
磁気軸受は、機械的接触による摩耗が発生せず、さらに、潤滑剤が不要である等の利点がある。この磁気軸受は、軸受での損失が少ないため、高速で羽根車や軸を回転させるターボ分子ポンプ、圧縮機、ガスタービン、電力貯蔵用フライホイール等に利用されている。磁気軸受は、電磁力によって回転体を非接触で支持するため、回転体を空間中に固定するためには、並進3自由度、傾き2自由度、回転1自由度の運動を制御する必要がある。通常、回転1自由度は、モータが担当し、残りの5自由度を磁気軸受で制御するようになっている。
下記非特許文献1には、5自由度制御形磁気軸受の基本的な構成が開示されている(非特許文献1の図1参照)。この磁気軸受は、2組のラジアル磁気軸受と1つのスラスト軸受から構成される。軸の並進方向2自由度の運動制御を担うラジアル磁気軸受は、軸端に1個ずつ合計2個配置され、並進方向2自由度と傾き2自由度の運動を制御する。また、1自由度方向に力を発生するスラスト軸受は、軸方向の1自由度の運動を制御する。スラスト軸受は、軸に取り付けられた1枚の磁性体の円板(スラストディスク)を、コイル用の溝を設けた2つのリング状の電磁石で挟み込む構成となっている。
進士忠彦、「磁気軸受 基礎と応用」、精密工学会誌、Vol.78、No.12、2012年、p.1054−1057
ところで、ラジアル/スラスト磁気軸受は、機械式軸受に対して軸受剛性において劣るため、システムが大型化する。同時に、軸長の増加に伴い軸剛性が低下し、危険速度の低下を招く。加えて、スラスト磁気軸受は、スラストディスクとそれを挟み込む一対のスラストステータにより構成されるため、スラストステータとロータを独立して組み立てたり分離したりすることができないという問題がある。
この問題を解決するべく、本願発明者らは、一対のスラストステータを一体化し、ロータの軸長の短縮化を図ったディスクレススラスト磁気軸受を発案した。しかしながら、ディスクレス構造を採用する場合、磁力の大きさにかかわる対向面積が小さくなるため、スラスト支持力が低下するという新たな問題が生じた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ロータの軸長の短縮化を図りつつ、スラスト支持力の低下を抑制することができるディスクレススラスト磁気軸受及び3軸能動制御磁気軸受の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、ロータと、前記ロータの周面に対向して配置された共有磁極と、前記共有磁極を挟んで対向して配置された第1のスラストステータ及び第2のスラストステータと、を有し、前記第1のスラストステータは、前記ロータの一方の端面と対向して配置された第1のスラストステータ磁極を有し、前記第2のスラストステータは、前記ロータの他方の端面と非対向で配置された第2のスラストステータ磁極を有する、ディスクレススラスト磁気軸受を採用する。
また、本発明においては、前記第1のスラストステータは、第1のスラスト巻線を有し、前記第2のスラストステータは、第2のスラスト巻線を有する、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2のスラストステータは、前記第1のスラスト巻線よりも巻き数が多い、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2のスラスト巻線が形成する磁気回路の磁気抵抗は、前記第1のスラスト巻線が形成する磁気回路よりも大きい、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2のスラスト巻線は、前記第1のスラスト巻線よりも径方向に大きい、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2のスラスト巻線は、前記第1のスラスト巻線よりも軸方向に大きい、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記第2のスラストステータ磁極の厚みは、前記第1のスラストステータ磁極の厚みよりも太い、という構成を採用する。
また、本発明においては、ロータと、前記ロータの周面に対向して配置されたラジアルステータと、前記ラジアルステータを挟んで対向して配置され、前記ラジアルステータのラジアルステータコアを共有磁極とする先に記載のディスクレススラスト磁気軸受の第1のスラストステータ及び第2のスラストステータと、を有する、3軸能動制御磁気軸受を採用する。
したがって、本発明では、ロータの軸長の短縮化を図りつつ、スラスト支持力の低下を抑制することができる。
本発明の第1実施形態におけるディスクレススラスト磁気軸受を示す縦断面図である。 図1に示すディスクレススラスト磁気軸受の要部を抜き出して拡大した要部拡大図である。 本発明の第2実施形態における磁気軸受の縦断面構造を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態における磁気軸受の構成を示す分解斜視図である。 本発明の第2実施形態におけるラジアルステータの構成を示す磁気軸受の横断面図である。 本発明の第2実施形態におけるスラストステータの構成を示す磁気軸受の縦断面図である。 実施例として、ラジアルステータ磁極において磁束の向きが異なる方向となるように第2の磁気回路を形成するスラストステータの構成を示す磁気軸受の縦断面図である。 図7に示す磁気軸受においてラジアルステータとスラストステータの磁束を重畳したときの(a)ラジアルステータ磁束の変化、(b)ラジアルステータの支持力の変化を示すグラフである。 比較例として、ラジアルステータ磁極において磁束の向きが同じ方向となるように第2の磁気回路を形成するスラストステータの構成を示す磁気軸受の縦断面図である。 図9に示す磁気軸受においてラジアルステータとスラストステータの磁束を重畳したときの(a)ラジアルステータ磁束の変化、(b)ラジアルステータの支持力の変化を示すグラフである。 本発明の別実施形態におけるラジアルステータを示す平面図である。 図8に示すラジアルステータコアを示す斜視図である。 本発明の別実施形態におけるラジアルステータを示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために、例を挙げて説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明に用いる図面は、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、本発明の特徴を分かりやすくするために、便宜上、省略した部分がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態におけるディスクレススラスト磁気軸受1Aを示す縦断面図である。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ラジアル方向において互いに直交する2軸をそれぞれX軸方向、Y軸方向とし、スラスト方向の1軸をZ軸方向とする。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と直交する。
ディスクレススラスト磁気軸受1Aは、図1に示すように、ロータ10と、共有磁極21Aと、ロータ10のスラスト方向における支持力を発生するスラストステータ30と、を有する。
スラストステータ30は、スラスト方向において共有磁極21Aを挟んで対向して設けられ、スラスト方向の1軸を制御する。
なお、以下の説明では、一対で設けられたスラストステータ30のうち、一方を第1のスラストステータ30z1と称し、他方を第2のスラストステータ30z2と称する。
共有磁極21A及び第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2は、互いに接続されて一体化されている。このディスクレススラスト磁気軸受1Aの中心には、ロータ10が配置される孔部3が形成されている。
ロータ10は、磁性体であって、円筒状に形成されている。
共有磁極21Aは、磁性体であって、円環状に形成されている。共有磁極21Aは、ロータ10の外側に配置され、ロータ10の周面10cにギャップをあけて対向している。
スラストステータ30は、スラストステータコア31と、スラスト巻線32と、を有する。本実施形態のスラストステータ30は、電磁石型ホモポーラスラスト磁気軸受を形成している。スラストステータコア31は、磁性体であって、共有磁極21Aと接続されている。
スラストステータコア31は、略有底円筒状に形成され、その内側にスラスト巻線32を収容している。スラストステータコア31は、孔部が中央に形成された円板状のスラストステータ磁極33と、スラストステータ磁極33の周縁部から共有磁極21Aに向かって突出する円筒状のスラストステータバックヨーク34と、を有する。スラストステータバックヨーク34は、スラストステータ磁極33と共有磁極21Aとの間を接続する。
第1のスラストステータ30z1の第1のスラストステータ磁極33z1は、共有磁極21Aの厚みt3よりも小さい厚みt1で形成されている。また、第2のスラストステータ30z2の第2のスラストステータ磁極33z2は、共有磁極21Aの厚みt3よりも小さい厚みt2で形成されている。厚みt1と厚みt2は等しく、第1のスラストステータ磁極33z1及び第2のスラストステータ磁極33z2は、共有磁極21Aの1/2以下の厚みを有する。また、第1のスラストステータ30z1の第1のスラストステータバックヨーク34z1と、第2のスラストステータ30z2の第2のスラストステータバックヨーク34z2との外径は、等しく形成されている。
スラスト巻線32は、スラストステータコア31、ロータ10、及び、共有磁極21Aを経由する磁気回路102を形成する。すなわち、磁気回路102を形成する磁束(鎖交磁束)は、スラストステータ磁極33、スラストステータバックヨーク34、共有磁極21A、及び、ロータ10を経由する。
上記構成のスラストステータ30は、スラスト方向において共有磁極21Aを挟んで対向して設けられており、第1のスラストステータ30z1の第1のスラスト巻線32z1と第2のスラストステータ30z2の第2のスラスト巻線32z2は、ロータ10が延びるZ軸方向において対向して配置されている。これら第1のスラスト巻線32z1及び第2のスラスト巻線32z2に直流電流をそれぞれ流すと、その電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力が発生し、スラスト方向の1軸(Z軸方向)を制御することができる。
第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2のそれぞれは、共有磁極21Aを経由する磁気回路102z1,102z2を形成する。すなわち、共有磁極21Aは、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の共有の磁路となっている。
また、一対の第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2は、共有磁極21Aにおいて磁束の向きが互いに逆方向となるように磁気回路102z1,102z2を形成している。
第1のスラスト巻線32z1及び第2のスラスト巻線32z2は、共有磁極21Aにおける磁気飽和を抑制するため、共有磁極21Aにおいて互いに逆方向になるように極性を選択している。例えば、第1のスラスト巻線32z1が形成する磁気回路102z1は反時計回りであり、第2のスラスト巻線32z2が形成する磁気回路102z2も反時計回りである。ロータ10においては、第1のスラスト巻線32z1による磁束の向きと、第2のスラスト巻線32z2による磁束の向きが、共にZ軸方向の+側を向いている。
第1のスラストステータ30z1は、ロータ10の一方の端面10aと対向して配置された第1のスラストステータ磁極33z1を有する。この円環状の第1のスラストステータ磁極33z1の内径は、ロータ10の外径より小さく、ロータ10の内径より大きい。
また、第2のスラストステータ30z2は、ロータ10の他方の端面10bと非対向で配置された第2のスラストステータ磁極33z2を有する。この円環状の第2のスラストステータ磁極33z2の内径は、ロータ10の外径より大きい。
また、第2のスラストステータ30z2は、第1のスラスト巻線32z1よりも巻き数が多い第2のスラスト巻線32z2を有する。第2のスラスト巻線32z2の幅w2は、第1のスラスト巻線32z1の幅w1と同一であるが、第2のスラスト巻線32z2は、第1のスラスト巻線32z1よりも径方向に大きくなっている。すなわち、第2のスラスト巻線32z2の外径r2は、第1のスラスト巻線32z1の外径r1よりも大きくなっている。外径r1と外径r2とが異なることにより、磁気回路102z1と磁気回路102z2とが異なることになる。外径r2が外径r1よりも大きいことにより、磁気回路102z2の磁気抵抗は、磁気回路102z1の磁気抵抗よりも大きくなる。なお、スラスト巻線32z1、32z2の幅w1、w2及び外径r1、r2とは、ディスクレススラスト磁気軸受1Aの縦断面図(図1)における巻線エリアの幅及び外径のことである。
続いて、上記構成のディスクレススラスト磁気軸受1Aの作用効果について、図2を追加して説明する。
図2は、図1に示すディスクレススラスト磁気軸受1Aの要部を抜き出して拡大した要部拡大図である。
上記構成のディスクレススラスト磁気軸受1Aでは、図1に示すように、ロータ10のスラスト方向における支持力が、スラストステータ30のスラスト巻線32を流れる電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力によって発生する。スラストステータコア31は共有磁極21Aと接続されており、この磁束は、スラストステータコア31、ロータ10、及び、共有磁極21Aを経由する磁気回路102を形成する。すなわち、第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2との間に共有磁極21Aを配置し、当該共有磁極21Aを、第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2の共有の磁路とすることにより、第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2を一体化して軸方向の省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1のスラストステータ30z1の第1のスラストステータ磁極33z1を、ロータ10の一方の端面10aと対向して配置することで、図2に示すように、磁力fが作用する面積S1を大きく確保できる。このため、スラスト支持力の向上を図ることができる。他方、第2のスラストステータ30z2の第2のスラストステータ磁極33z2は、ロータ10の他方の端面10bと非対向で配置されているため、スラストステータ及びロータ10の組立・分解を独立して行うことができる。すなわち、この構成によれば、第2のスラストステータ磁極33z2と干渉することなくロータ10を抜き差しすることができる。
図2に示すように、第1のスラストステータ30z1においては、第1のスラストステータ磁極33z1がロータ10の一方の端面10aに対向しているため、磁力fが面積S1に直接、スラスト支持力として作用する。このため、ディスクレス構造とした場合であっても、スラスト支持力を向上させることができる。
他方、第2のスラストステータ30z2においては、第2のスラストステータ磁極33z2がロータ10の他方の端面10bに非対向であるため、磁力fが作用する面積S2(第2のスラストステータ磁極33z2の先端の投影面積と略同じと考えられる)が面積S1よりも小さくなる。また、磁力fは、スラスト方向の分力f1とラジアル方向の分力f2に分解される。
このように、第2のスラストステータ30z2のスラスト支持力は、第1のスラストステータ30z1のスラスト支持力よりも小さくなるため、この不均衡を是正するべく、本実施形態では、図1に示すように、第1のスラスト巻線32z1よりも第2のスラスト巻線32z2の巻き数を多くしている。
すなわち、磁力fは、下記式(1)で表すことができる。Bは磁束密度、Sは面積、μは真空の透磁率である。
Figure 2018021573
ここで、B=μHの関係を有する。μは透磁率、Hは磁場の強さである。Hは、コイルの巻き数に比例する値である。よって、第2のスラスト巻線32z2の巻き数を、第1のスラスト巻線32z1の巻き数よりも多くすることで、第1のスラストステータ30z1のスラスト支持力と、第2のスラストステータ30z2のスラスト支持力との均衡を図ることができる。
本実施形態では、図1に示すように、第2のスラスト巻線32z2を、第1のスラスト巻線32z1よりも径方向に大きくしている。この構成によれば、第2のスラスト巻線32z2の巻き数を多くしても幅w2が変わらないため、軸方向の省スペース化を図ることができる。なお、図1では、第1のスラスト巻線32z1と第2のスラスト巻線32z2との径方向の大きさの差を誇張しているが、磁力fは、上述のようにスラスト巻線32の巻き数の2乗で効いてくるため、第1のスラスト巻線32z1と第2のスラスト巻線32z2との大きさの差は、それほど大きくならない。
なお、式(1)によれば、スラスト巻線32の巻き数や面積Sによって、磁力fを大きくできるため、第1のスラストステータ磁極33z1をロータ10の一方の端面10aに対向させない形態も採用し得るとも考えられるが、第1のスラストステータ磁極33z1をロータ10の一方の端面10aに対向させないと、図2に示す第2のスラストステータ30z2側と同じように、スラストステータ磁極33の角に磁束が集中し、磁気飽和が起こって、電流をいくら上げてもスラスト支持力が収束してしまう。すなわち、本実施形態のように、第1のスラストステータ磁極33z1をロータ10の一方の端面10aに対向させることで、スラスト支持力のポテンシャルを向上させることができるというメリットがある。
なお、第2のスラストステータ30z2側では、磁気飽和を抑制するべく、第2のスラストステータ磁極33z2の厚みを、第1のスラストステータ磁極33z1の厚みよりも太く形成してもよい。すなわち、厚みt1<厚みt2の関係を有するように構成してもよい。第1のスラストステータ磁極33z1と第2のスラストステータ磁極33z2との厚みの相違により、磁気回路102z1と磁気回路102z2とが異なることになる。第2のスラストステータ磁極33z2の厚みが第1のスラストステータ磁極33z1よりも太いことにより、磁気回路102z2の磁気抵抗は、磁気回路102z1の磁気抵抗よりも大きくなる。
このように、上述の本実施形態によれば、ロータ10と、ロータ10の周面10cに対向して配置された共有磁極21Aと、共有磁極21Aを挟んで対向して配置された第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2と、を有し、第1のスラストステータ30z1は、ロータ10の一方の端面10aと対向して配置された第1のスラストステータ磁極33z1を有し、第2のスラストステータ30z2は、ロータ10の他方の端面10bと非対向で配置された第2のスラストステータ磁極33z2を有する。つまり、互いに対向して配置された第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2との間に共有磁極21Aを配置し、当該共有磁極21Aをロータ10の周面に対向させ、第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2の共有の磁路とする。これにより、第1のスラストステータ30z1と第2のスラストステータ30z2を一体化して軸方向の省スペース化を図ることができる。よって、ロータ10の軸長の短縮化を図ることができる。
また、本実施形態では、第1のスラストステータ30z1の第1のスラストステータ磁極33z1を、ロータ10の一方の端面と対向して配置することで、ロータ10との対向面積を大きく確保し、スラスト支持力の向上を図ることができる。つまり、スラスト支持力の低下を抑制できる。
さらに、第2のスラストステータ30z2の第2のスラストステータ磁極33z2は、ロータ10の他方の端面と非対向で配置されているため、スラストステータ30z1、30z2及びロータ10の組立・分解を独立して行うことができる。つまり、組立・分解性の向上を図ることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図3は、本発明の第2実施形態における磁気軸受1の縦断面構造を示す斜視図である。図4は、本発明の第2実施形態における磁気軸受1の構成を示す分解斜視図である。なお、視認性向上のため、図3では、図4に示すロータ10を図示していない。また、図4では、図3に示すハウジング2を図示していない。
磁気軸受1は、図3及び図4に示すように、ロータ10と、ロータ10のラジアル方向における支持力を発生するラジアルステータ20と、ロータ10のスラスト方向における支持力を発生するスラストステータ30と、を有する。ロータ10は、磁性体であって、円筒状に形成されている。
本実施形態の磁気軸受1は、3軸能動制御磁気軸受である。すなわち、ラジアルステータ20は、ラジアル方向の2軸を制御する。スラストステータ30は、スラスト方向においてラジアルステータ20を挟んで対向して設けられ、スラスト方向の1軸を制御する。
なお、以下の説明では、一対で設けられたスラストステータ30のうち、一方をスラストステータ30z1と称し、他方をスラストステータ30z2と称する。
ラジアルステータ20及び第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2は、ハウジング2の内側に一体となって収容されている。ハウジング2の中央には、ロータ10が配置される孔部3が形成されている。ハウジング2は、筒部2aと、一対の蓋部2bと、を有する。筒部2aは、円筒状に形成され、ラジアルステータ20及び第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の外周面に嵌合している。一対の蓋部2bは、筒部2aの両端部に接続され、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の端面を覆っている。このハウジング2は、非磁性体であって、ステンレス鋼等から形成されている。
図5は、本発明の第2実施形態におけるラジアルステータ20の構成を示す磁気軸受1の横断面図である。なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ラジアル方向において互いに直交する2軸をそれぞれX軸方向、Y軸方向とし、スラスト方向の1軸をZ軸方向とする。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向と直交する。
ラジアルステータ20は、図5に示すように、共有磁極21Aに相当するラジアルステータコア21と、ラジアル巻線22と、を有する。本実施形態のラジアルステータ20は、電磁石型ヘテロポーララジアル磁気軸受を形成している。
ラジアルステータコア21は、磁性体であって、ラジアル巻線22が巻回された複数のラジアルステータ磁極23と、複数のラジアルステータ磁極23の間を接続するラジアルステータバックヨーク24と、を有する。ラジアルステータバックヨーク24は、円環状に形成され、ロータ10の外側に配置されている。ラジアルステータ磁極23は、ラジアルステータバックヨーク24の内周面から、ロータ10の外周面に向かって突設されている。
ラジアルステータ磁極23は、ロータ10の外周面にギャップをあけて対向している。本実施形態のラジアルステータ磁極23は、ロータ10の周方向に45°間隔で8個設けられている。ラジアル巻線22は、周方向で隣り合うラジアルステータ磁極23間に形成されるスロット開口部を利用してラジアルステータ磁極23に巻回されている。ラジアル巻線22は、周方向で隣り合うラジアルステータ磁極23を二つ一組として巻回されている。
具体的に、周方向で隣り合う二つ一組のラジアルステータ磁極23x1には、ラジアル巻線22x1が巻回されている。また、周方向で隣り合う二つ一組のラジアルステータ磁極23x2には、ラジアル巻線22x2が巻回されている。また、周方向で隣り合う二つ一組のラジアルステータ磁極23y1には、ラジアル巻線22y1が巻回されている。また、周方向で隣り合う二つ一組のラジアルステータ磁極23y2には、ラジアル巻線22y2が巻回されている。
ラジアル巻線22x1,22x2,22y1,22y2は、ラジアルステータコア21、ロータ10を経由する第1の磁気回路101をそれぞれ形成する。第1の磁気回路101を形成する磁束(鎖交磁束)は、ラジアル巻線22が巻回された二つ一組のラジアルステータ磁極23、当該二つ一組のラジアルステータ磁極23を接続するラジアルステータバックヨーク24、及びロータ10を経由する。
ラジアル巻線22x1,22x2は、ロータ10の中心を通るX軸方向において対となって配置されている。これらラジアル巻線22x1,22x2に直流電流をそれぞれ流すと、その電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力が発生し、ラジアル方向の1軸(X軸方向)を制御することができる。
また、ラジアル巻線22y1,22y2は、ロータ10の中心を通るY軸方向において対となって配置されている。これらラジアル巻線22y1,22y2に直流電流をそれぞれ流すと、その電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力が発生し、ラジアル方向のもう1軸(Y軸方向)を制御することができる。
ラジアル巻線22x1,22x2,22y1,22y2は、磁束の短絡を防ぐため、隣り合う磁束は互いに逆方向となるように極性を選択している。例えば、ラジアル巻線22x1,22x2が形成する第1の磁気回路101は反時計回りであり、ラジアル巻線22y1,22y2が形成する第1の磁気回路101は時計回りである。これらラジアルステータ磁極23の極性は、周方向においてN極→N極→S極→S極→N極→N極→S極…の順に交互に配置される。
図6は、本発明の第2実施形態におけるスラストステータ30の構成を示す磁気軸受1の縦断面図である。
スラストステータ30は、図5に示すように、スラストステータコア31と、スラスト巻線32と、を有する。本実施形態のスラストステータ30は、電磁石型ホモポーラスラスト磁気軸受を形成している。スラストステータコア31は、磁性体であって、ラジアルステータコア21と接続されている。
スラストステータコア31は、略有底円筒状に形成され、その内側にスラスト巻線32を収容している。スラストステータコア31は、ロータ10を配置する孔が中央に形成された円板状のスラストステータ磁極33と、スラストステータ磁極33の周縁部からラジアルステータコア21に向かって突出する円筒状のスラストステータバックヨーク34と、を有する。スラストステータバックヨーク34は、スラストステータ磁極33とラジアルステータコア21との間を接続するものであり、その先端はラジアルステータバックヨーク24に接続されている。
スラストステータ磁極33は、図6に示す断面視で、ラジアルステータ磁極23よりも小さい厚みで形成されている。本実施形態のスラストステータ磁極33は、ラジアルステータ磁極23の1/2以下の厚みを有する。また、スラストステータバックヨーク34は、図6に示す断面視で、ラジアルステータバックヨーク24(ラジアルステータコア21の外周からラジアル巻線22まで)よりも小さい厚みで形成されている。本実施形態のスラストステータバックヨーク34は、ラジアルステータバックヨーク24の1/4以下の厚みを有する。スラストステータバックヨーク34とラジアルステータバックヨーク24の外径は等しく形成されている。
スラストステータ磁極33は、ラジアル巻線22に対しスラスト方向において第1の空間201をあけて配置されている。また、スラストステータバックヨーク34は、ラジアル巻線22に対しラジアル方向に第2の空間202をあけて配置されている。これら第1の空間201及び第2の空間202には、スラスト巻線32が配置されている。スラスト巻線32は、Z軸回りに巻かれ、ラジアル巻線22の側面及び上面を覆うL字断面のリング状(図4参照)に成形されている。
ここで、第2のスラスト巻線32z2は、第1のスラスト巻線32z1よりも巻き数が多く、第1のスラスト巻線32z1よりも軸方向に大きく形成されている。すなわち、ロータ10の一方の端面10aと対向して配置された第1のスラストステータ磁極33z1よりも、ロータ10の他方の端面10bと非対向で配置された第2のスラストステータ磁極33z2の方が、第1の空間201が大きくなっている。第1のスラスト巻線32z1と第2のスラスト巻線32z2との軸方向の相違により、磁気回路102z1と磁気回路102z2とが異なることになる。第2のスラスト巻線32z2の巻き数が第1のスラスト巻線32z1よりも多いことにより、磁気回路102z2の磁気抵抗は、磁気回路102z1の磁気抵抗よりも大きくなる。この構成によれば、第1のスラストステータ30z1のスラスト支持力と、第2のスラストステータ30z2のスラスト支持力との不均衡を是正することができる。また、この構成によれば、図1に示すように、第1のスラストステータバックヨーク34z1を厚くする必要がないため、径方向の小型化、軽量化に寄与できる。
スラスト巻線32は、図6に示すように、スラストステータコア31、ロータ10、及び、ラジアルステータコア21を経由する第2の磁気回路102を形成する。第2の磁気回路102を形成する磁束(鎖交磁束)は、スラストステータ磁極33、スラストステータバックヨーク34、ラジアルステータバックヨーク24、ラジアルステータ磁極23、及び、ロータ10を経由する。
上記構成のスラストステータ30は、スラスト方向においてラジアルステータ20を挟んで対向して設けられており、第1のスラストステータ30z1の第1のスラスト巻線32z1と第1のスラストステータ30z1の第2のスラスト巻線32z2は、ロータ10が延びるZ軸方向において対となって配置されている。これらスラスト巻線32z1,32z2に直流電流をそれぞれ流すと、その電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力が発生し、スラスト方向の1軸(Z軸方向)を制御することができる。
第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2のそれぞれは、ラジアルステータ磁極23を経由する第2の磁気回路102z1,102z2を形成する。すなわち、ラジアルステータ磁極23は、ラジアルステータ20の磁路であると共に、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の共有の磁路となっている。
また、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2は、図6に示すように、ラジアルステータ磁極23において磁束の向きが互いに逆方向となるように第2の磁気回路102z1,102z2を形成している。
スラスト巻線32z1,32z2は、ラジアルステータ磁極23における磁気飽和を抑制するため、ラジアルステータ磁極23において互いに逆方向になるように極性を選択している。例えば、スラスト巻線32z1が形成する第2の磁気回路102z1は時計回りであり、スラスト巻線32z2が形成する第2の磁気回路102z2も時計回りである。ロータ10においては、スラスト巻線32z1による磁束の向きと、スラスト巻線32z2による磁束の向きが、共にZ軸方向の+側を向いている。
図7は、実施例として、ラジアルステータ磁極23において磁束の向きが異なる方向となるように第2の磁気回路102z1,102z2を形成するスラストステータ30の構成を示す磁気軸受1の縦断面図である。図8は、図7に示す磁気軸受1においてラジアルステータ20とスラストステータ30の磁束を重畳したときの(a)ラジアルステータ磁束の変化、(b)ラジアルステータ20の支持力の変化を示すグラフである。
図8(a)は、スラスト巻線32z1,32z2にバイアス電流をizb=0、izb=1.0、izb=2.0と与え、ラジアル巻線22の制御電流ixcを増加させたときのラジアルステータ磁極23(図7に示す領域300)における磁束φx1の変化を示している。また、図8(b)は、このときのラジアルステータ20の支持力fの変化を示している。
図8(a)に示すように、スラスト巻線32z1,32z2にバイアス電流をizb=0、izb=1.0、izb=2.0と与えた場合、磁束φx1は、制御電流ixcに比例して増加する。また、図8(b)に示すように、支持力fも、制御電流ixcに比例して増加する。このように、図7に示す磁気軸受1では、ラジアルステータ20とスラストステータ30の磁束を重畳しても、磁気飽和が確認されず、スラストステータ30の磁束によるラジアルステータ20の磁束変化がない(干渉がない)ことが分かる。
図9は、比較例として、ラジアルステータ磁極23において磁束の向きが同じ方向となるように第2の磁気回路102z1,102z2を形成するスラストステータ30の構成を示す磁気軸受1の縦断面図である。図10は、図9に示す磁気軸受1においてラジアルステータ20とスラストステータ30の磁束を重畳したときの(a)ラジアルステータ磁束の変化、(b)ラジアルステータの支持力の変化を示すグラフである。
図9に示すスラスト巻線32z1,32z2は、図7に示す構成とは逆に、ラジアルステータ磁極23において互いに同じ方向になるように極性を選択している。例えば、スラスト巻線32z1が形成する第2の磁気回路102z1は時計回りであり、スラスト巻線32z2が形成する第2の磁気回路102z2は反時計回りである。ロータ10においては、スラスト巻線32z1による磁束の向きと、スラスト巻線32z2による磁束の向きが、Z軸方向において互いに逆方向を向いている。
図10(a)に示すように、スラスト巻線32z1,32z2に小さいバイアス電流(izb=0、izb=1.0)を与えた場合、磁束φx1は制御電流ixcに比例して増加するが、大きいバイアス電流(izb=2.0)を与えた場合、磁束φx1は制御電流ixc=1.5辺りから比例関係ではなくなり、傾きが徐々に小さくなる(収束する)。また、図10(b)に示すように、大きいバイアス電流(izb=2.0)を与えた場合、支持力fも、磁束φx1と同様に傾きが徐々に小さくなる(収束する)。このように、図9に示す磁気軸受1では、ラジアルステータ20とスラストステータ30の磁束を重畳した結果、磁気飽和が起こり、スラストステータ30の磁束によるラジアルステータ20の磁束変化が生じた(干渉がある)ことが分かる。
続いて、上記構成の磁気軸受1の作用効果について説明する。
上記構成の磁気軸受1では、ロータ10のラジアル方向における支持力が、ラジアルステータ20のラジアル巻線22を流れる電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力によって発生する。この磁束は、図5に示すように、ラジアルステータコア21、ロータ10を経由する第1の磁気回路101を形成する。また、本実施形態では、ロータ10のスラスト方向における支持力が、スラストステータ30のスラスト巻線32を流れる電流に伴う磁束に由来する磁気吸引力によって発生する。スラストステータコア31はラジアルステータコア21と接続されており、この磁束は、図6に示すように、スラストステータコア31、ロータ10、及び、ラジアルステータコア21を経由する第2の磁気回路102を形成する。このように、本実施形態では、ラジアルステータコア21にスラストステータコア31を接続し、ラジアルステータ20とスラストステータ30の磁路を共有化しているため、ラジアルステータ20及びスラストステータ30を一体化して軸方向の省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態では、スラストステータ30は、スラスト方向においてラジアルステータ20を挟んで対向して設けられている。この構成によれば、ラジアルステータ20及び第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の計3つの磁気軸受を一体化して軸方向の省スペース化を図ることができる。
また、本実施形態では、図6に示すように、ラジアルステータコア21は、ラジアル巻線22が巻回されたラジアルステータ磁極23を有し、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2のそれぞれは、ラジアルステータ磁極23を経由する第2の磁気回路102z1,102z2を形成する。この構成によれば、ラジアルステータ20の磁路である既存のラジアルステータ磁極23が、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の共有の磁路となるため、共有の磁路を別途設ける必要がなく、軸方向の省スペース化に寄与できる。
さらに、本実施形態においては、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2は、ラジアルステータ磁極23において磁束の向きが互いに逆方向となるように第2の磁気回路102z1,102z2を形成する。この構成によれば、ラジアルステータ磁極23において互いに逆方向になるように極性を選択でき、図8に示すように、ラジアルステータ磁極23における磁気飽和を抑制することができる。このため、ラジアルステータ20の磁路であるラジアルステータ磁極23を、第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2の共有の磁路とした場合であっても、磁気飽和を抑制し、磁束及び支持力の低下を抑制することができる。
また、本実施形態では、図6に示すように、スラストステータコア31は、ラジアル巻線22に対しスラスト方向において第1の空間201をあけて配置されたスラストステータ磁極33と、スラストステータ磁極33とラジアルステータコア21との間を接続し、ラジアル巻線22に対しラジアル方向に第2の空間202をあけて配置されたスラストステータバックヨーク34と、を有し、スラスト巻線32は、第1の空間201及び第2の空間202に配置されている。この構成によれば、ラジアルステータコア21とスラストステータコア31との断面L字状のデッドスペース(第1の空間201及び第2の空間202)を利用してスラスト巻線32を配置することができるため、軸方向の省スペース化に寄与できる。
このように、上述の本実施形態によれば、ロータ10と、ロータ10の周面10cに対向して配置されたラジアルステータと、ラジアルステータを挟んで対向して配置され、ラジアルステータのラジアルステータコアを共有磁極21Aとする先に記載のディスクレススラスト磁気軸受1Aの第1のスラストステータ30z1及び第2のスラストステータ30z2と、を有する、という構成を採用することによって、ラジアルステータ20及びスラストステータ30を一体化でき、ラジアルステータ20及びスラストステータ30を個々に配置するよりも、ロータ10の軸長を短縮化することができる。また、スラスト支持力の低下を抑制し、また、組立・分解性の向上を図ることができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本発明は、図11〜図13に示すような形態を採用し得る。なお、以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、本発明の別実施形態におけるラジアルステータ20を示す平面図である。図12は、図11に示すラジアルステータコア21を示す斜視図である。
図11に示すラジアルステータ20は、ラジアルステータバックヨーク24に溝26が形成されたラジアルステータコア21を有する。溝26は、ラジアルステータバックヨーク24の磁極間接続部25を横断するように形成されている。
溝26は、第1の磁気回路101が形成されない磁極間接続部25に形成され、具体的には、ラジアルステータ磁極23x1,23y2間の磁極間接続部25、ラジアルステータ磁極23y2,23x2間の磁極間接続部25、ラジアルステータ磁極23x2,23y1間の磁極間接続部25、及び、ラジアルステータ磁極23y1,23x1間の磁極間接続部25に形成されている。溝26は、図12に示すように、ラジアルステータバックヨーク24の表面24aと裏面24bに所定深さで形成され、ラジアル方向に直線的に延在している。
溝26には、ラジアル巻線22及びスラスト巻線32の少なくともいずれか一方のリード線40が配置されている。図11に示す一実施形態では、ラジアルステータ磁極23x1,23y2間の溝26及びラジアルステータ磁極23x2,23y1間の溝26には、ラジアル巻線22のリード線40rが2本配置されている。また、ラジアルステータ磁極23y1,23x1間の溝26及びラジアルステータ磁極23y1,23y2間の溝26には、ラジアル巻線22のリード線40rが2本、スラスト巻線32のリード線40tが1本、計3本配置されている。なお、表面24aと裏面24bにおけるリード線40の配置は同じにしても異ならせてもよいが、溝26には、リード線40が2本または3本配置されていることが好ましい。
上記のように、ラジアルステータコア21は、ラジアル巻線22が巻回された複数のラジアルステータ磁極23と、複数のラジアルステータ磁極23の間を接続するラジアルステータバックヨーク24と、を有し、ラジアルステータバックヨーク24は、第1の磁気回路101が形成されない磁極間接続部25に、該磁極間接続部25を横断する溝26を有する。このように、ラジアルステータコア21に溝26を形成することで、ラジアルステータコア21で発生する渦電流を抑制することができる。また、溝26は、第1の磁気回路101が形成されない磁極間接続部25に形成されているため、第1の磁気回路101の磁路が細くならず、磁気飽和を抑制することができる。
また、溝26には、ラジアル巻線22及びスラスト巻線32の少なくともいずれか一方のリード線40が配置されている。この構成によれば、渦電流抑制用の溝26を、ラジアル巻線22及びスラスト巻線32のリード線40を引き出す引出線用の溝として兼用することができる。
また、溝26には、リード線40が2本または3本配置されている。本実施形態では、ラジアルステータ磁極23が8極あるため、ラジアル巻線22のリード線40rは2本ずつで計16本あり、また、スラストステータ30は一対で設けられているため、スラスト巻線32のリード線40tは2本ずつで計4本ある。対して溝26は、表面24aと裏面24bに4つずつで計8つある。本実施形態のように、表裏8つの溝26にリード線40rを2本ずつ均等に配置した場合、表面24a側に配置されたスラスト巻線32の2本のリード線40tは表面24a側の4つの溝26のいずれかに配置し、裏面24b側に配置されたスラスト巻線32の2本のリード線40tは裏面24b側の4つの溝26のいずれかに配置する必要がある。ここで、スラスト巻線32の2本のリード線40tを1つの溝26に配置してもよい(計4本のリード線40を1つの溝26に配置してもよい)が、そうするとその分だけ溝26を大きく形成しなければならず、ラジアルステータコア21の機械的強度が弱くなる。このため、本実施形態では、スラスト巻線32の2本のリード線40tを別々の溝26に配置し、溝26から最大3本のリード線40が引き出されるようにして、ラジアルステータコア21の機械的強度を確保している。
図13は、本発明の別実施形態におけるラジアルステータ20を示す平面図である。なお、図13では視認性向上のため、リード線40を図示していない。
図13に示す変形例のように、表面24aに形成される溝26aと裏面24bに形成される溝26bをオフセットして形成してもよい。この構成によれば、溝26a,26bが厚み方向で対向して形成されないため、溝26a,26bにおける厚みが図11に示す形態と比べて大きくなり、ラジアルステータコア21の機械的強度を高くすることができる。
また、例えば、上記実施形態では、電磁石のみの構成について説明したが、永久磁石を構成に加えてもよい。永久磁石は、例えば、スラストステータバックヨーク34等に挿入することができる。
また、上記各実施形態の構成は、本発明の主旨から逸脱しない範囲において適宜組み合わせて適用することができる。
1 磁気軸受(3軸能動制御磁気軸受)
1A ディスクレススラスト磁気軸受
10 ロータ
10a 一方の端面
10b 他方の端面
10c 周面
20 ラジアルステータ
21 ラジアルステータコア(共有磁極)
21A 共有磁極
30z1 第1のスラストステータ
30z2 第2のスラストステータ
31z1 第1のスラストステータコア
31z2 第2のスラストステータコア
32z1 第1のスラスト巻線
32z2 第2のスラスト巻線
33z1 第1のスラストステータ磁極
33z2 第2のスラストステータ磁極

Claims (8)

  1. ロータと、
    前記ロータの周面に対向して配置された共有磁極と、
    前記共有磁極を挟んで対向して配置された第1のスラストステータ及び第2のスラストステータと、を有し、
    前記第1のスラストステータは、前記ロータの一方の端面と対向して配置された第1のスラストステータ磁極を有し、
    前記第2のスラストステータは、前記ロータの他方の端面と非対向で配置された第2のスラストステータ磁極を有する、ことを特徴とするディスクレススラスト磁気軸受。
  2. 前記第1のスラストステータは、第1のスラスト巻線を有し、
    前記第2のスラストステータは、第2のスラスト巻線を有する、ことを特徴とする請求項1に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  3. 前記第2のスラスト巻線は、前記第1のスラスト巻線よりも巻き数が多い、ことを特徴とする請求項2に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  4. 前記第2のスラスト巻線が形成する磁気回路の磁気抵抗は、前記第1のスラスト巻線が形成する磁気回路よりも大きい、ことを特徴とする請求項2または3に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  5. 前記第2のスラスト巻線は、前記第1のスラスト巻線よりも径方向に大きい、ことを特徴とする請求項4に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  6. 前記第2のスラスト巻線は、前記第1のスラスト巻線よりも軸方向に大きい、ことを特徴とする請求項4または5に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  7. 前記第2のスラストステータ磁極の厚みは、前記第1のスラストステータ磁極の厚みよりも太い、ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のディスクレススラスト磁気軸受。
  8. ロータと、
    前記ロータの周面に対向して配置されたラジアルステータと、
    前記ラジアルステータを挟んで対向して配置され、前記ラジアルステータのラジアルステータコアを共有磁極とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のディスクレススラスト磁気軸受の第1のスラストステータ及び第2のスラストステータと、を有する、ことを特徴とする3軸能動制御磁気軸受。
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