JP2018021112A - ブロック共重合体組成物およびホットメルト粘接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を得ることができるブロック共重合体組成物を提供する。【解決手段】本発明は、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有する、分子量分布が1.30以下のブロック共重合体Aを10質量%以上含有するブロック共重合体組成物であって、ブロック共重合体組成物中のAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bの、ブロック共重合体組成物中の含有量が60質量%以下、かつ、分子量分布が1.30以下、ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%、ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量が300000〜800000、メルトインデックス(G条件)が2g/10分〜20g/10分であるブロック共重合体組成物を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】なし
Description
本発明は、ブロック共重合体組成物、およびブロック共重合体組成物を含有するホットメルト粘接着剤組成物に関する。
ホットメルト粘接着剤は、加熱溶融状態から冷却すると短時間で固化する性質を有しており、種々の製品を効率的に接着させることが可能であり、その上、溶剤を必要としないことから、人体への安全性が高い粘接着剤であるので、様々な分野で用いられている。例えば、食品、衣料、電子機器、化粧品などの紙、段ボール、フィルムの包装用の封緘用接着剤、紙おむつや生理用品などの衛生用品を製造する際には、それらを構成するための部材を接着させるための接着剤として、また、粘着テープやラベルの粘着層を構成する粘着剤として、ホットメルト粘接着剤が賞用されている。
ホットメルト粘接着剤を構成するためのベースポリマーとして、種々の熱可塑性樹脂が用いられており、例えば、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体などの芳香族−共役ジエン共重合体を用いることが知られている。
また、特許文献1には、ホットメルト粘接着剤を主用途とするものではないが、粘着性、凝集強さ、接着性および低応力剥離の要件を満たす、再剥離可能なテープ等の製造に用いられる感圧接着剤を提供することを目的として、分子量の異なる2種類以上のジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体を感圧接着剤のベースポリマーとして用いることが記載されている。
ここで、ホットメルト粘接着剤には、種々の特性が要求されるが、その特性として加熱時に所望の流動性を示すホットメルト性、高温環境下に晒された後にも糊残りなく剥離可能となる耐熱安定性、および高温における接着性が挙げられる。
しかしながら、特許文献1にはブロック共重合体を、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤の調製に用いることについて記載がない。
また、特許文献1に記載のブロック共重合体を用いたホットメルト粘接着剤組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性が不十分であった。
しかしながら、特許文献1にはブロック共重合体を、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤の調製に用いることについて記載がない。
また、特許文献1に記載のブロック共重合体を用いたホットメルト粘接着剤組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性が不十分であった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を得ることができるブロック共重合体組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、ジブロック体を分岐鎖として有する分岐構造を有するブロック共重合体および線状ジブロック体であるブロック共重合体の分子量分布および含有量、ブロック共重合体組成物全体の芳香族モノビニル単量体単位の含有量、ならびにブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量、重量平均分子量およびメルトインデックス等を所定の範囲とすることにより、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を得ることが可能なブロック共重合体組成物を提供することができることを見出した。
本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、この知見に基づいて完成するに至ったものである。
かくして、本発明によれば、下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを含有するブロック共重合体組成物であって、前記ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、前記ブロック共重合体組成物中の前記ブロック共重合体Aの含有量が10質量%以上であり、前記ブロック共重合体組成物中の下記一般式(II)で表されるAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bの、前記ブロック共重合体組成物中の含有量が60質量%以下であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、前記ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であり、前記ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であり、前記ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)が300000〜800000の範囲内であり、前記ブロック共重合体組成物全体のASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定したメルトインデックスが2g/10分〜20g/10分の範囲内であることを特徴とするブロック共重合体組成物が提供される。
(Ar1−D1)mX (I)
Ar2−D2 (II)
(一般式(I)および(II)中、Ar1およびAr2は、それぞれ芳香族モノビニル重合体ブロックであり、D1およびD2は、それぞれ共役ジエン重合体ブロックであり、mは3以上の整数であり、Xは多官能性カップリング剤の残基である。)
上記ブロック共重合体組成物は、前記多官能性カップリング剤が分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物であることが好ましい。
本発明によれば、前記ブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与性樹脂25質量部〜400質量部と、架橋剤0.01質量部〜50質量部と、可塑剤0質量部〜200質量部と、を含有することを特徴とするホットメルト粘接着剤組成物が提供される。
本発明によれば、前記ホットメルト粘接着剤組成物が架橋された粘接着剤組成物が提供される。
本発明は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を得ることが可能なブロック共重合体組成物を提供できるという効果を奏する。
本発明は、ブロック共重合体組成物およびホットメルト粘接着剤組成物に関するものである。
以下、本発明のブロック共重合体組成物およびホットメルト粘接着剤組成物について詳細に説明する。
以下、本発明のブロック共重合体組成物およびホットメルト粘接着剤組成物について詳細に説明する。
A.ブロック共重合体組成物
本発明のブロック共重合体組成物は、下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを含有するブロック共重合体組成物であって、ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量が10質量%以上であり、ブロック共重合体組成物中の下記一般式(II)で表されるAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bの、ブロック共重合体組成物中の含有量が60質量%以下であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であり、ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であり、ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)が300000〜800000の範囲内であり、ブロック共重合体組成物全体のASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定したメルトインデックスが2g/10分〜20g/10分の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明のブロック共重合体組成物は、下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを含有するブロック共重合体組成物であって、ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量が10質量%以上であり、ブロック共重合体組成物中の下記一般式(II)で表されるAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bの、ブロック共重合体組成物中の含有量が60質量%以下であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であり、ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であり、ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)が300000〜800000の範囲内であり、ブロック共重合体組成物全体のASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定したメルトインデックスが2g/10分〜20g/10分の範囲内であることを特徴とするものである。
(Ar1−D1)mX (I)
Ar2−D2 (II)
(一般式(I)および(II)中、Ar1およびAr2は、それぞれ芳香族モノビニル重合体ブロックであり、D1およびD2は、それぞれ共役ジエン重合体ブロックであり、mは3以上の整数であり、Xは多官能性カップリング剤の残基である。)
本発明によれば、ブロック共重合体Aとして、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するものを所定量以上含有することにより、ブロック共重合体組成物は、加熱時の流動性を向上させることができ、ホットメルト性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
また、ブロック共重合体Aは、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するため、カップリング剤によりカップリングされていない線状ジブロック体であるブロック共重合体Bと比較して高分子量なブロック共重合体となる。
また、ブロック共重合体Aの分子量分布は1.30以下と狭い。分子量分布が狭いため、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
また、ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性および高温での接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
さらに、ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は耐熱安定性および高温での接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
また、ブロック共重合体Aは、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するため、カップリング剤によりカップリングされていない線状ジブロック体であるブロック共重合体Bと比較して高分子量なブロック共重合体となる。
また、ブロック共重合体Aの分子量分布は1.30以下と狭い。分子量分布が狭いため、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
また、ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性および高温での接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
さらに、ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は耐熱安定性および高温での接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を与えることができる。
本発明のブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aを少なくとも含有するものである。
以下、本発明のブロック共重合体組成物の各構成について説明する。
以下、本発明のブロック共重合体組成物の各構成について説明する。
1.ブロック共重合体A
本発明におけるブロック共重合体Aは、下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体であり、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1および共役ジエン重合体ブロックD1からなるAr1−D1ジブロック体を多官能性カップリング剤でカップリングさせた構造を有する。
本発明におけるブロック共重合体Aは、下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体であり、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1および共役ジエン重合体ブロックD1からなるAr1−D1ジブロック体を多官能性カップリング剤でカップリングさせた構造を有する。
(Ar1−D1)mX (I)
(一般式(I)中、Ar1は、芳香族モノビニル重合体ブロックであり、D1は、共役ジエン重合体ブロックであり、mは3以上の整数であり、Xは多官能性カップリング剤の残基である。)
(1)芳香族モノビニル重合体ブロックAr1
ブロック共重合体Aの芳香族モノビニル重合体ブロックAr1は、芳香族モノビニル単量体単位を構成単位とする重合体ブロックである。芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の芳香族モノビニル単量体単位を構成するために用いられる芳香族モノビニル単量体としては、ラジカル重合性基を1個有する芳香族ビニル化合物であれば特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−メチル−4,6−ジクロロスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、芳香族モノビニル単量体としては、スチレンを用いることが好ましい。これらの芳香族モノビニル単量体は、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1において、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ブロック共重合体Aの芳香族モノビニル重合体ブロックAr1は、芳香族モノビニル単量体単位を構成単位とする重合体ブロックである。芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の芳香族モノビニル単量体単位を構成するために用いられる芳香族モノビニル単量体としては、ラジカル重合性基を1個有する芳香族ビニル化合物であれば特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−エチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ブロモスチレン、2−メチル−4,6−ジクロロスチレン、2,4−ジブロモスチレン、ビニルナフタレンなどが挙げられる。これらのなかでも、芳香族モノビニル単量体としては、スチレンを用いることが好ましい。これらの芳香族モノビニル単量体は、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1において、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ブロック共重合体Aの芳香族モノビニル重合体ブロックAr1は、芳香族モノビニル単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよい。芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に含まれ得る芳香族モノビニル単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)などの共役ジエン単量体、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸または酸無水物単量体、不飽和カルボン酸エステル単量体、非共役ジエン単量体が例示される。芳香族モノビニル重合体ブロックAr1における芳香族モノビニル単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが特に好ましい。
ブロック共重合体Aの芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の重量平均分子量(Mw(Ar1))は、7000〜18000の範囲内とすることができ、7500〜17000の範囲内であることが好ましく、8000〜16000の範囲内であることがより好ましい。芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の重量平均分子量(Mw(Ar1))が7000未満であると、得られるホットメルト粘接着剤組成物が接着剤としての保持力が低いものとなるおそれがある。また、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の重量平均分子量(Mw(Ar1))が18000を超えると、ホットメルト粘接着剤組成物の溶融粘度が著しく高くなるおそれがある。
なお、本発明において、重合体ブロック、ジブロック体およびブロック共重合体組成物等の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)は、高速液体クロマトグラフィの測定による、ポリスチレン換算の値として求めるものとする。
重量平均分子量および数平均分子量の測定は、より具体的には、流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めることができる。装置は、東ソ一社製HLC8220、カラムは昭和電工社製Shodex(登録商標)KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施することができる。
重量平均分子量および数平均分子量の測定は、より具体的には、流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めることができる。装置は、東ソ一社製HLC8220、カラムは昭和電工社製Shodex(登録商標)KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施することができる。
(2)共役ジエン重合体ブロックD1
ブロック共重合体Aの共役ジエン重合体ブロックD1は、共役ジエン単量体単位を構成単位とする重合体ブロックである。共役ジエン重合体ブロックD1の共役ジエン単量体単位を構成するために用いられる共役ジエン単量体としては、共役ジエン化合物であれば特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これら共役ジエン単量体の中でも、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックD1をイソプレン単量体単位で構成することにより、得られるホットメルト粘接着剤組成物が、接着性と柔軟性に優れるものとなる。これらの共役ジエン単量体は、共役ジエン重合体ブロックD1において、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、共役ジエン重合体ブロックD1の不飽和結合の一部に対し、水素添加反応を行ってもよい。
ブロック共重合体Aの共役ジエン重合体ブロックD1は、共役ジエン単量体単位を構成単位とする重合体ブロックである。共役ジエン重合体ブロックD1の共役ジエン単量体単位を構成するために用いられる共役ジエン単量体としては、共役ジエン化合物であれば特に限定されないが、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが挙げられる。これら共役ジエン単量体の中でも、1,3−ブタジエンおよび/またはイソプレンを用いることが好ましく、イソプレンを用いることが特に好ましい。共役ジエン重合体ブロックD1をイソプレン単量体単位で構成することにより、得られるホットメルト粘接着剤組成物が、接着性と柔軟性に優れるものとなる。これらの共役ジエン単量体は、共役ジエン重合体ブロックD1において、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
さらに、共役ジエン重合体ブロックD1の不飽和結合の一部に対し、水素添加反応を行ってもよい。
ブロック共重合体Aの共役ジエン重合体ブロックD1は、共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を含んでいてもよい。共役ジエン重合体ブロックD1に含まれ得る共役ジエン単量体単位以外の単量体単位を構成する単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル単量体、α,β−不飽和ニトリル単量体、不飽和カルボン酸または酸無水物単量体、不飽和カルボン酸エステル単量体、非共役ジエン単量体が例示される。共役ジエン重合体ブロックD1における共役ジエン単量体単位以外の単量体単位の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが特に好ましい。
ブロック共重合体Aの共役ジエン重合体ブロックD1の重量平均分子量(Mw(D1))は、特に限定されないが、20000〜140000の範囲内とすることができ、25000〜120000の範囲内であることが好ましく、30000〜100000の範囲内であることがより好ましい。共役ジエン重合体ブロックD1の重量平均分子量(Mw(D1))が20000未満であると、得られるホットメルト粘接着剤組成物の初期粘着力が低いものとなるおそれがある。また、共役ジエン重合体ブロックD1の重量平均分子量(Mw(D1))が140000を超えると、得られるホットメルト粘接着剤組成物が低温での溶融粘度が高いものとなるおそれがある。
(3)Ar1−D1ジブロック体
ブロック共重合体Aに分岐鎖として含まれるAr1−D1ジブロック体は、任意のカップリング剤を用いて製造されたものであってもよく、また、カップリング剤を用いずに製造されたものであってもよい。すなわち、Ar1−D1ジブロック体は、各重合体ブロック中または各重合体ブロック間に、カップリング剤の残基を含んでいてもよく、また、カップリング剤の残基を含まないものであってもよい。ただし、得られるブロック共重合体組成物を用いたホットメルト粘接着剤組成物を耐熱性および透明性に優れたものとする観点からは、Ar1−D1ジブロック体は、カップリング剤を用いずに製造されたものであり、各重合体ブロック中および各重合体ブロック間にカップリング剤の残基を含まないものであることが好ましい。
ブロック共重合体Aに分岐鎖として含まれるAr1−D1ジブロック体は、任意のカップリング剤を用いて製造されたものであってもよく、また、カップリング剤を用いずに製造されたものであってもよい。すなわち、Ar1−D1ジブロック体は、各重合体ブロック中または各重合体ブロック間に、カップリング剤の残基を含んでいてもよく、また、カップリング剤の残基を含まないものであってもよい。ただし、得られるブロック共重合体組成物を用いたホットメルト粘接着剤組成物を耐熱性および透明性に優れたものとする観点からは、Ar1−D1ジブロック体は、カップリング剤を用いずに製造されたものであり、各重合体ブロック中および各重合体ブロック間にカップリング剤の残基を含まないものであることが好ましい。
ブロック共重合体Aに分岐鎖として含まれるAr1−D1ジブロック体の重量平均分子量(Mw(Ar1−D1))および分子量分布(Mw/Mn)は、特に限定されないが、例えば、後述する「2.ブロック共重合体B」の項に記載のブロック共重合体Bの重量平均分子量および分子量分布と同様とすることができる。
ブロック共重合体Aに分岐鎖として含まれるAr1−D1ジブロック体の数、すなわちブロック共重合体Aの分岐数を示すmの値としては、3以上であれば特に限定されず、異なる数のAr1−D1ジブロック体が結合したブロック共重合体Aが混在していてもよい。本発明において、mは、ブロック共重合体Aおよびブロック共重合体組成物の重量平均分子量および分子量分布等に応じて適宜設定されるものであるが、通常、3〜15の範囲内の整数であり、好ましくは、3〜10の範囲内の整数である。mの値が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成可能となる。
(4)多官能性カップリング剤の残基
ブロック共重合体Aにおける多官性カップリング剤の残基Xを形成するカップリング剤としては、Ar1−D1ジブロック体と結合し、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体を与えることができるものであればよい。
多官能性カップリング剤としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のハロゲン化シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン等のシラン化合物;テトラクロロすず等のハロゲン化すず等のすず化合物;ポリカルボン酸エステル、エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物等を挙げることができる。
ブロック共重合体Aにおける多官性カップリング剤の残基Xを形成するカップリング剤としては、Ar1−D1ジブロック体と結合し、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体を与えることができるものであればよい。
多官能性カップリング剤としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン等のハロゲン化シラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン等のシラン化合物;テトラクロロすず等のハロゲン化すず等のすず化合物;ポリカルボン酸エステル、エポキシ化大豆油等のエポキシ化合物;分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物等を挙げることができる。
分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物としては、例えば、ジビニルベンゼン(DVB)、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルアントラセン、ジビニルナフタレン、ジビニルズレン(divinyl durene)等の芳香族ジビニル化合物、トリビニルベンゼン等の芳香族トリビニル化合物、テトラビニルベンゼン等の芳香族テトラビニル化合物等の2個以上のラジカル重合性基および芳香族環を有するラジカル重合性芳香族化合物、ペンタエリスリトールテトラアクリレートなどの2個以上のラジカル重合性基および脂肪族基を有するラジカル重合性脂肪族化合物等を挙げることができる。
本発明においては、多官能性カップリング剤が、分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物であることが好ましく、そのなかでも、ラジカル重合性芳香族化合物であることが好ましく、特に、芳香族ジビニル化合物であることが好ましく、なかでも特にジビニルベンゼンであることが好ましい。カップリング剤が上述の化合物であることで、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを安定的に得ることができる。
本発明においては、多官能性カップリング剤が、分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物であることが好ましく、そのなかでも、ラジカル重合性芳香族化合物であることが好ましく、特に、芳香族ジビニル化合物であることが好ましく、なかでも特にジビニルベンゼンであることが好ましい。カップリング剤が上述の化合物であることで、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを安定的に得ることができる。
(5)ブロック共重合体A
ブロック共重合体Aの重量平均分子量(MwA)は、300000〜800000の範囲内とすることができ、330000〜750000の範囲内であることが好ましく、350000〜700000の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体Aの重量平均分子量(MwA)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Aの重量平均分子量(MwA)は、300000〜800000の範囲内とすることができ、330000〜750000の範囲内であることが好ましく、350000〜700000の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体Aの重量平均分子量(MwA)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)は、1.30以下である必要があり、1.00〜1.30の範囲内であることが好ましく、1.00〜1.20の範囲内であることがより好ましく、1.00〜1.18であることがさらに好ましく、1.00〜1.16の範囲内であること特に好ましい。ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Aの芳香族モノビニル単量体単位の含有量(ブロック共重合体Aを構成する全単量体単位に対して芳香族ビニル単量体単位が占める割合)は、例えば、後述する「3.ブロック共重合体組成物」の項に記載の「ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量」と同様とすることができる。
ブロック共重合体Aの共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量(ブロック共重合体Aを構成する全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合)は、後述する「3.ブロック共重合体組成物」の項に記載の「ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位のビニル結合含有量」と同様とすることができる。
ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%以上であることが必要であり、30質量%〜99質量%の範囲内であることが好ましく、40質量%〜99質量%の範囲内であることが好ましく、50質量%〜99質量%の範囲内であることが好ましく、60質量%〜99質量%の範囲内であることが好ましく、70質量%〜99質量%の範囲内であることがより好ましく、75質量%〜98質量%の範囲内であることがさらに好ましく、85質量%〜98質量%の範囲内であることが特に好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
なお、本発明のブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体Aは、実質的に単一の構成を有する1種のブロック共重合体Aのみからなるものであってもよいし、実質的に異なる構成を有する2種以上のブロック共重合体Aによって構成されたものであってもよい。
2.その他の成分
ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aを少なくとも有するものであるが、本発明の効果を妨げない程度において、ブロック共重合体A以外の共重合体成分を含むことができる。
ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aを少なくとも有するものであるが、本発明の効果を妨げない程度において、ブロック共重合体A以外の共重合体成分を含むことができる。
このようなブロック共重合体A以外の共重合体成分としては、例えば、下記一般式(II)で表されるAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bを挙げることができる。
Ar2−D2 (II)
(一般式(II)中、Ar2は、芳香族モノビニル重合体ブロックであり、D2は、共役ジエン重合体ブロックである。)
このようなブロック共重合体Bを構成する芳香族モノビニル重合体ブロックAr2および共役ジエン重合体ブロックD2については、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載の芳香族モノビニル重合体ブロックAr1および共役ジエン重合体ブロックD1と同様の内容とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、ブロック共重合体Bに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr2、共役ジエン重合体ブロックD2およびAr2−D2ジブロック体は、通常、ブロック共重合体Aに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr1、共役ジエン重合体ブロックD1およびAr1−D1ジブロック体と同一のものが用いられるが、相違してもよい。
なお、後述の本発明のブロック共重合体組成物の製造方法によれば、Ar2、D2およびAr2−D2ジブロック体が、Ar1、D1およびAr1−D1ジブロック体と同一のものとなりうる。
なお、ブロック共重合体Bに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr2、共役ジエン重合体ブロックD2およびAr2−D2ジブロック体は、通常、ブロック共重合体Aに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr1、共役ジエン重合体ブロックD1およびAr1−D1ジブロック体と同一のものが用いられるが、相違してもよい。
なお、後述の本発明のブロック共重合体組成物の製造方法によれば、Ar2、D2およびAr2−D2ジブロック体が、Ar1、D1およびAr1−D1ジブロック体と同一のものとなりうる。
ブロック共重合体Bを構成するAr2−D2ジブロック体は、任意のカップリング剤を用いて製造されたものであってもよく、また、カップリング剤を用いずに製造されたものであってもよいが、各重合体ブロック中および各重合体ブロック間にカップリング剤の残基を含まないものであることが好ましい。
ブロック共重合体Bの重量平均分子量(MwB)は、30000〜150000の範囲内とすることができ、35000〜130000の範囲内であることが好ましく、4000〜110000の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体Bの重量平均分子量(MwB)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Bの分子量分布(Mw/Mn)は、1.30以下である必要があり、1.00〜1.30の範囲内であることが好ましく、1.00〜1.18の範囲内であることが好ましく、1.00〜1.13であることがより好ましく、1.00〜1.10の範囲内であることがさらに好ましい。ブロック共重合体Bの分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Bの芳香族モノビニル単量体単位含有量(ブロック共重合体Bを構成する全単量体単位に対して芳香族ビニル単量体単位が占める割合)は、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載のブロック共重合体Aの芳香族モノビニル単量体単位含有量と同様とすることができる。
ブロック共重合体Bの共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量(ブロック共重合体Bを構成する全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合)は、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載のブロック共重合体Aの共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量と同様とすることができる。
ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Bの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、60質量%以下であることが必要であり、0質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、0質量%〜20質量%の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Bの含有量が、0質量%〜10質量%の範囲内であることがより好ましく、0.5質量%〜10質量%の範囲内であることがさらに好ましく、1質量%〜10質量%の範囲内であることが特に好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Bの含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
なお、本発明のブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体Bは、実質的に単一の構成を有する1種のブロック共重合体Bのみからなるものであってもよいし、実質的に相異なる構成を有する2種以上のブロック共重合体Bによって構成されたものであってもよい。
ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aおよびブロック共重合体B以外の共重合体成分として、下記一般式(III)で表わされる、ブロック共重合体Cを含有するものであってもよい。
(Ar3−D3)nX3 (III)
(一般式(III)中、Ar3およびD3は、それぞれ、芳香族モノビニル重合体ブロックおよび共役ジエン重合体ブロックであり、nは1又は2の整数であり、X3は多官能性カップリング剤の残基である。)
このようなブロック共重合体Cを構成する芳香族モノビニル重合体ブロックAr3、共役ジエン重合体ブロックD3および多官能性カップリング剤の残基X3については、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載の芳香族モノビニル重合体ブロックAr1、共役ジエン重合体ブロックD1および多官能性カップリング剤の残基Xと同様の内容とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、ブロック共重合体Cに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr3、共役ジエン重合体ブロックD3、Ar3−D3ジブロック体および多官能性カップリング剤の残基X3は、通常、ブロック共重合体Aに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr1、共役ジエン重合体ブロックD1、Ar1−D1ジブロック体および多官能性カップリング剤の残基Xと同一のものが用いられるが、相違してもよい。
なお、ブロック共重合体Cに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr3、共役ジエン重合体ブロックD3、Ar3−D3ジブロック体および多官能性カップリング剤の残基X3は、通常、ブロック共重合体Aに含まれる芳香族モノビニル重合体ブロックAr1、共役ジエン重合体ブロックD1、Ar1−D1ジブロック体および多官能性カップリング剤の残基Xと同一のものが用いられるが、相違してもよい。
ブロック共重合体Cに含まれるAr3−D3ジブロック体の数、すなわち、ブロック共重合体Cの分岐数を示すnの値としては、1又は2の整数であれば特に限定されず、互いに異なる数のAr3−D3ジブロック体が結合したブロック共重合体Cが混在していてもよい。本発明において、nは、ブロック共重合体Cおよびブロック共重合体組成物の重量平均分子量および分子量分布等に応じて適宜設定されるものである。
なお、nが1の場合には、ブロック共重合体Cは、Ar3−D3−X3の直線構造となる。
なお、nが1の場合には、ブロック共重合体Cは、Ar3−D3−X3の直線構造となる。
ブロック共重合体Cの重量平均分子量(MwC)は、60000〜300000の範囲内とすることができ、70000〜260000の範囲内であることが好ましく、なかでも80000〜220000の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体Cの重量平均分子量(MwC)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性および耐熱安定性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Cの分子量分布(Mw/Mn)は、1.00〜1.30の範囲内とすることができ、1.00〜1.10の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体Cの分子量分布(Mw/Mn)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体Cの芳香族モノビニル単量体単位含有量(ブロック共重合体Cを構成する全単量体単位に対して芳香族ビニル単量体単位が占める割合)は、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載のブロック共重合体Aの芳香族モノビニル単量体単位含有量と同様とすることができる。
ブロック共重合体Cの共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量(ブロック共重合体Cを構成する全共役ジエン単量体単位において、1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合)は、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載のブロック共重合体Aの共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量と同様とすることができる。
ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Cの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、0質量%〜50質量%の範囲内とすることができ、0質量%〜35質量%の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Cの含有量が0質量%〜20質量%の範囲内であることがより好ましく、0質量%〜10質量%の範囲内であることがさらに好ましく、0質量%〜5質量%の範囲内であることが特に好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Cの含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
なお、本発明のブロック共重合体組成物を構成するブロック共重合体Cは、実質的に単一の構成を有する1種のブロック共重合体Cのみからなるものであってもよいし、実質的に相異なる構成を有する2種以上のブロック共重合体Cによって構成されたものであってもよい。
3.ブロック共重合体組成物
ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aを少なくとも含有し、本発明の効果を妨げない範囲においてブロック共重合体Bおよびブロック共重合体Cを含むものであってもよい。ここで、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体A/ブロック共重合体B/ブロック共重合体Cの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%〜100質量%/0質量%〜60質量%/0質量%〜30質量%であることが好ましく、30質量%〜100質量%/0質量%〜50質量%/0質量%〜20質量%であることが好ましく、30質量%〜99質量%/0.5質量%〜50質量%/0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、50質量%〜99質量%/0.5質量%〜40質量%/0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、60質量%〜98質量%/1質量%〜30質量%/1質量%〜10質量%であることが好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体A/ブロック共重合体B/ブロック共重合体Cの含有量が、70質量%〜98質量%/1質量%〜25質量%/1質量%〜5質量%であることがより好ましく、75質量%〜98質量%/1質量%〜20質量%/1質量%〜5質量%であることがさらに好ましく、85質量%〜98質量%/1質量%〜10質量%/1質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
ブロック共重合体組成物は、ブロック共重合体Aを少なくとも含有し、本発明の効果を妨げない範囲においてブロック共重合体Bおよびブロック共重合体Cを含むものであってもよい。ここで、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体A/ブロック共重合体B/ブロック共重合体Cの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、10質量%〜100質量%/0質量%〜60質量%/0質量%〜30質量%であることが好ましく、30質量%〜100質量%/0質量%〜50質量%/0質量%〜20質量%であることが好ましく、30質量%〜99質量%/0.5質量%〜50質量%/0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、50質量%〜99質量%/0.5質量%〜40質量%/0.5質量%〜10質量%であることが好ましく、60質量%〜98質量%/1質量%〜30質量%/1質量%〜10質量%であることが好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体A/ブロック共重合体B/ブロック共重合体Cの含有量が、70質量%〜98質量%/1質量%〜25質量%/1質量%〜5質量%であることがより好ましく、75質量%〜98質量%/1質量%〜20質量%/1質量%〜5質量%であることがさらに好ましく、85質量%〜98質量%/1質量%〜10質量%/1質量%〜5質量%であることが特に好ましい。
さらに、本発明の効果を妨げない範囲において、ブロック共重合体A〜C以外のブロック共重合体Dを含んでいてもよい。
そのようなブロック共重合体Dとしては、例えば、芳香族モノビニル単量体単位の含有量がブロック共重合体Aと異なる等、ブロック共重合体Aと異なる構成を有するブロック共重合体を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Dの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Dの含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
そのようなブロック共重合体Dとしては、例えば、芳香族モノビニル単量体単位の含有量がブロック共重合体Aと異なる等、ブロック共重合体Aと異なる構成を有するブロック共重合体を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Dの含有量は、ブロック共重合体組成物の全質量を100質量%としたときに、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Dの含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量、すなわち、ブロック共重合体Aおよび場合によって含有されるブロック共重合体B〜Dを含む本発明のブロック共重合体組成物において、当該ブロック共重合体の合計量に対して芳香族モノビニル単量体単位が占める割合、つまり、ブロック共重合体組成物のブロック共重合体成分全体に対して芳香族モノビニル単量体単位が占める割合(以下の記載において、「全体の芳香族モノビニル単量体単位含有量」という場合がある)は、5質量%〜35質量%の範囲内である必要があり、10質量%〜30質量%の範囲内であることが好ましく、12質量%〜28質量%であることがより好ましく、12質量%〜26質量%の範囲内であることがさらに好ましい。全体の芳香族モノビニル単量体単位含有量が5質量%未満であると、得られるホットメルト粘接着剤組成物が接着剤としての保持力に劣るものとなる。また、全体の芳香族モノビニル単量体単位含有量が35質量%を超えると、得られるホットメルト粘接着剤組成物が硬質すぎるものとなり、接着力に劣るものとなる。
全体の芳香族モノビニル単量体単位含有量は、ブロック共重合体組成物を構成する各ブロック共重合体の芳香族モノビニル単量体単位の含有量を勘案し、各ブロック共重合体の配合量を調節することにより、容易に調節することが可能である。なお、ブロック共重合体組成物を構成する全ての重合体成分が、芳香族モノビニル単量体単位および共役ジエン単量体単位のみにより構成されている場合であれば、Rubber Chem. Technol.,45,1295(1972)に記載された方法に従って、ブロック共重合体をオゾン分解し、次いで、水素化リチウムアルミニウムにより還元すれば、共役ジエン単量体単位部分が分解され、芳香族モノビニル単量体単位部分のみを取り出せるので、容易に全体の芳香族モノビニル単量体単位含有量を測定することができる。
ブロック共重合体組成物中(ブロック共重合体Aおよび場合によって含有されるブロック共重合体B〜Dを含む本発明のブロック共重合体組成物中)の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量、すなわち、ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位の合計量に対して1,2−ビニル結合と3,4−ビニル結合が占める割合は、10質量%〜50質量%の範囲内である必要があり、15質量%〜45質量%の範囲内であることが好ましく、17質量%〜40質量%であることがより好ましく、19質量%〜35質量%の範囲内であることがさらに好ましく、20質量%〜30質量%であることが特に好ましい。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%未満であると、得られるホットメルト粘接着剤組成物の紫外線(UV)または電子線による架橋性が不十分であり、耐熱性および高温における接着性が不十分となるおそれがある。また、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が50質量%を超えると、ホットメルト加工時に熱架橋による粘度上昇が生じ加工が困難となるおそれがあり、また、得られるホットメルト粘接着剤組成物が硬質すぎるものとなり、接着力に劣るものとなるおそれがある。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%未満であると、得られるホットメルト粘接着剤組成物の紫外線(UV)または電子線による架橋性が不十分であり、耐熱性および高温における接着性が不十分となるおそれがある。また、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が50質量%を超えると、ホットメルト加工時に熱架橋による粘度上昇が生じ加工が困難となるおそれがあり、また、得られるホットメルト粘接着剤組成物が硬質すぎるものとなり、接着力に劣るものとなるおそれがある。
ブロック共重合体全体の重量平均分子量(Mw)、すなわち、ブロック共重合体A、ならびに任意成分である、ブロック共重合体B、ブロック共重合体Cおよびブロック共重合体Dを含むブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)は、300000〜800000の範囲内であることが必要であり、320000〜750000の範囲内であることが好ましく、340000〜700000の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)が前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
また、このブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、特に限定されないが、通常1.01〜2.50の範囲内であり、1.02〜2.20の範囲内であることが好ましく、1.02〜2.0の範囲内であることがより好ましい。
また、このブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で表わされる分子量分布は、特に限定されないが、通常1.01〜2.50の範囲内であり、1.02〜2.20の範囲内であることが好ましく、1.02〜2.0の範囲内であることがより好ましい。
ブロック共重合体組成物全体のメルトインデックスは、ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定される値として、2g/10分〜20g/10分の範囲内であることが必要であり、4g/10分〜18g/10分の範囲内であることが好ましく、6g/10分〜16g/10分の範囲内であることが好ましい。ブロック共重合体組成物全体のメルトインデックスが前記範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、ホットメルト性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
4.ブロック共重合体組成物の製造方法
本発明のブロック共重合体組成物の製造方法としては、前記各ブロック共重合体成分を含むブロック共重合体組成物を得ることができる方法であれば特に限定されない。
このようなブロック共重合体組成物の製造方法としては、例えば、先ず、重合活性末端を有する共役ジエン重合体ブロックD1が芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に直接結合したAr1−D1ジブロック体を調製し、次いで、Ar1−D1ジブロック体の一部をカップリングさせて3以上の分枝をもつブロック共重合体とすることによって、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを得る方法が好ましい。
すなわち、有機リチウム開始剤と芳香族モノビニル単量体とを接触させて、重合活性末端を有する芳香族モノビニル重合体ブロックAr1を生成し、次いで、共役ジエン単量体を添加して、重合活性末端を有する共役ジエン重合体ブロックD1が芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に直接結合したAr1−D1ジブロック体を生成せしめ、次いで、多官能性カップリング剤を添加して、Ar1−D1ジブロック体の一部を上記式(I)で表わされるブロック共重合体Aに変換することを特徴とする製造方法が好ましい。
本発明のブロック共重合体組成物の製造方法としては、前記各ブロック共重合体成分を含むブロック共重合体組成物を得ることができる方法であれば特に限定されない。
このようなブロック共重合体組成物の製造方法としては、例えば、先ず、重合活性末端を有する共役ジエン重合体ブロックD1が芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に直接結合したAr1−D1ジブロック体を調製し、次いで、Ar1−D1ジブロック体の一部をカップリングさせて3以上の分枝をもつブロック共重合体とすることによって、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを得る方法が好ましい。
すなわち、有機リチウム開始剤と芳香族モノビニル単量体とを接触させて、重合活性末端を有する芳香族モノビニル重合体ブロックAr1を生成し、次いで、共役ジエン単量体を添加して、重合活性末端を有する共役ジエン重合体ブロックD1が芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に直接結合したAr1−D1ジブロック体を生成せしめ、次いで、多官能性カップリング剤を添加して、Ar1−D1ジブロック体の一部を上記式(I)で表わされるブロック共重合体Aに変換することを特徴とする製造方法が好ましい。
次に、本発明のブロック共重合体組成物を製造する上記の好ましい方法について、工程を追って、さらに詳しく説明する。
(i)先ず、有機リチウム開始剤を用いて溶媒中で芳香族モノビニル単量体を重合させる。有機リチウム開始剤としては、芳香族モノビニル単量体および共役ジエン単量体の重合を開始し得る公知のものが使用でき、その具体例としてはメチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどの有機モノリチウム開始剤が挙げられる。これらの中でもn−ブチルリチウムが好ましい。有機リチウム開始剤の使用量は、当業者に周知の方法で、所望する重合体の分子量に応じて計算により求められる。
(i)先ず、有機リチウム開始剤を用いて溶媒中で芳香族モノビニル単量体を重合させる。有機リチウム開始剤としては、芳香族モノビニル単量体および共役ジエン単量体の重合を開始し得る公知のものが使用でき、その具体例としてはメチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムなどの有機モノリチウム開始剤が挙げられる。これらの中でもn−ブチルリチウムが好ましい。有機リチウム開始剤の使用量は、当業者に周知の方法で、所望する重合体の分子量に応じて計算により求められる。
重合溶媒は、有機リチウム開始剤に不活性なものであれば特に限定されるものではなく例えば、開鎖炭化水素溶剤、環式炭化水素溶剤またはこれらの混合溶剤が使用される。開鎖炭化水素溶剤としてはn−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン又はこれらの混合物;1−ブテン、イソブチレン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン又はこれらの混合物;1−ぺンテン、トランス−2−ぺンテン、シス−2−ぺンテン又はこれらの混合物;ならびにn−ぺンタン、イソペンタン、neo−ぺンタン又はこれらの混合物などの炭素数4〜6の開鎖アルカンおよびアルケンを例示することができる。
また、環式炭化水素溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;およびシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素を挙げることができる。
重合温度の制御および芳香族モノビニル重合体ブロックAr1およびブロック共重合体組成物全体の分子量分布の制御の点から、炭素数4〜6の開鎖炭化水素溶剤と環式炭化水素溶剤とを、好ましくは質量比5:95〜50:50の範囲、より好ましくは質量比10:90〜40:60の範囲の混合溶剤として用いればよい。
また、環式炭化水素溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;およびシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素を挙げることができる。
重合温度の制御および芳香族モノビニル重合体ブロックAr1およびブロック共重合体組成物全体の分子量分布の制御の点から、炭素数4〜6の開鎖炭化水素溶剤と環式炭化水素溶剤とを、好ましくは質量比5:95〜50:50の範囲、より好ましくは質量比10:90〜40:60の範囲の混合溶剤として用いればよい。
芳香族モノビニル単量体の重合方法は特に限定されず、芳香族モノビニル単量体の全量と開始剤の全量を一括して重合系に仕込んで反応させるバッチ重合、これらを連続的に重合系に供給しつつ反応させる連続重合、単量体と開始剤の一部を用いて所定の転化率まで重合を行わせた後に、残りの単量体と開始剤を添加して重合を継続する方法などの、通常用いられる方法のいずれを用いてもよい。重合は、通常0℃〜90℃、好ましくは20℃〜80℃の範囲で実施される。反応温度の制御が困難な場合には還流型凝縮器を設置した反応容器を用い還流冷却による温度制御を行うことが好ましい。
(ii)次に、上記のように生成せしめた重合活性末端を有する芳香族モノビニル重合体ブロックAr1が存在する重合系に共役ジエン単量体を添加して重合を行わせ、重合活性末端を有する共役ジエン重合体ブロックD1が芳香族モノビニル重合体ブロックAr1に結合したAr1−D1ジブロック体を生成させる。共役ジエン単量体は反応熱を制御するために連続的に添加してもよい。
本発明においては、上記(i)における芳香族モノビニル単量体の重合、および上記(ii)における共役ジエン単量体の重合を重合調整剤の存在下に行うことが好ましい。重合調整剤の使用により、重合開始速度を調整し、芳香族モノビニル重合体ブロックAr1の分子量分布を調整し、また、共役ジエン重合体ブロックD1のビニル結合含有量を調整することができる。
重合調整剤としては、芳香族モノビニル単量体と共役ジエン単量体とを有機リチウム開始剤で共重合する場合において、ビニル含量調整剤またはランダマイザーとして用いられる公知の極性化合物のうち、比誘電率(25℃)が2.5〜5.0の芳香族若しくは脂肪族エーテル又は第3級アミンが好ましく使用できる。
重合調整剤としては、芳香族モノビニル単量体と共役ジエン単量体とを有機リチウム開始剤で共重合する場合において、ビニル含量調整剤またはランダマイザーとして用いられる公知の極性化合物のうち、比誘電率(25℃)が2.5〜5.0の芳香族若しくは脂肪族エーテル又は第3級アミンが好ましく使用できる。
このような極性化合物の具体例としては、ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族エーテル;およびトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミンなどの第3級モノアミン類;N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)などの第3級ポリアミン類が挙げられる。これらの極性化合物は1種または2種以上が組合せ使用される。
極性化合物の使用量は、好ましくは有機リチウム開始剤1モル当り0.001〜50モル、さらに好ましくは0.005〜10モルの範囲である。
極性化合物の使用量は、好ましくは有機リチウム開始剤1モル当り0.001〜50モル、さらに好ましくは0.005〜10モルの範囲である。
本発明のブロック共重合体組成物では、共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量を10質量%〜50質量%の範囲内になるように、ランダマイザーの種類と使用量を調節することが好ましい。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が、10質量%〜50質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が、10質量%〜50質量%の範囲内であることにより、ブロック共重合体組成物は、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたホットメルト粘接着剤組成物を形成することができる。
(iii)共役ジエン単量体の重合反応終了後、多官能性カップリング剤を重合系に添加することにより、上記活性末端を有するAr1−D1ジブロック体を結合して、上記式(I)で表わされる3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを生成せしめる。当該多官能性カップリング剤としては、上記「1.ブロック共重合体A」の項に記載のカップリング剤を用いることができる。このとき、カップリング反応を促進する作用をもつ化合物を添加することもできる。
本発明では、カップリング剤の使用量が重要である。カップリング剤の使用量は、カップリング剤の種類により変わるが、ブロック共重合体Aの分岐鎖としてのAr1−D1ジブロック体の数が所定の数となるように適宜選定される。カップリング剤の使用量は、有機リチウム開始剤1モル当り通常0.0001モル〜20モル、好ましくは0.01モル〜10モル、より好ましくは0.02モル〜6モルの範囲で選択される。
当該カップリング剤の使用量によって、ブロック共重合体Aがブロック共重合体組成物中に10質量%〜99質量%の範囲内、好ましくは30質量%〜99質量%の範囲内、より好ましくは60質量%〜99質量%の範囲内程度生成する。カップリング剤の使用量が0.0001モル未満又は20モルを超える場合、ブロック共重合体Cに該当する2つの分岐をもつブロック共重合体(Ar1−D1)2X(ただし、Ar1−D1、Xは上記に同じ)が多量に副生し易くなるため、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを殆んど得ることができなくなってしまう。
当該カップリング剤の使用量によって、ブロック共重合体Aがブロック共重合体組成物中に10質量%〜99質量%の範囲内、好ましくは30質量%〜99質量%の範囲内、より好ましくは60質量%〜99質量%の範囲内程度生成する。カップリング剤の使用量が0.0001モル未満又は20モルを超える場合、ブロック共重合体Cに該当する2つの分岐をもつブロック共重合体(Ar1−D1)2X(ただし、Ar1−D1、Xは上記に同じ)が多量に副生し易くなるため、3以上のAr1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを殆んど得ることができなくなってしまう。
カップリング剤の適切な使用量は、目的とするブロック共重合体Aの分岐鎖の数等に応じて計算で求めることができるが、実際には有機リチウム開始剤またはカップリング剤の失活などが生じるため、予備実験を行って最適値を求めるのがよい。必要に応じて、カップリング率を調整するためにメタノールなどの反応停止剤を用いることができる。
(iv)カップリング反応終了後、必要に応じて水、アルコール、酸などを添加して重合活性種を失活させ、酸化防止剤を添加した後、公知の重合体分離法(例えば、スチームストリッピングなど)により重合体を分離し、乾燥工程を経て目的とするブロック共重合体Aを少なくとも含有する本発明のブロック共重合体組成物を得ることができる。
なお、この場合、ブロック共重合体組成物は、通常、カップリング剤によってカップリングされなかった、未カップリングのジブロック体成分であるブロック共重合体Bを含有するものとなる。
なお、この場合、ブロック共重合体組成物は、通常、カップリング剤によってカップリングされなかった、未カップリングのジブロック体成分であるブロック共重合体Bを含有するものとなる。
なお、本発明のブロック共重合体組成物は、上記製造方法により一括して製造することができるが、ブロック共重合体Aを用意し、別途調製した、ブロック共重合体B、ブロック共重合体CおよびDと任意に混合することにより製造してもよい。
B.ホットメルト粘接着剤組成物
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、前記ブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与性樹脂25質量部〜400質量部と、架橋剤0.01質量部〜50質量部と、可塑剤0質量部〜200質量部と、を含有することを特徴とするものであり、前記ブロック共重合体組成物、粘着付与性樹脂および架橋剤を少なくとも含み、必要に応じてさらに可塑剤を含むものである。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、前記ブロック共重合体組成物100質量部と、粘着付与性樹脂25質量部〜400質量部と、架橋剤0.01質量部〜50質量部と、可塑剤0質量部〜200質量部と、を含有することを特徴とするものであり、前記ブロック共重合体組成物、粘着付与性樹脂および架橋剤を少なくとも含み、必要に応じてさらに可塑剤を含むものである。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、前記ブロック共重合体組成物を含有することにより、ホットメルト性、耐熱安定性、および高温における接着性に優れたものとなる。
以下、本発明のホットメルト粘接着剤組成物の各成分について詳細に説明する。なお、ブロック共重合体組成物は、上記「A.ブロック共重合体組成物」の項に記載のブロック共重合体組成物と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
1.粘着付与性樹脂
本発明で使用する粘着付与性樹脂としては、従来公知の粘着付与性樹脂が使用できる。具体的には、粘着付与性樹脂は、ロジン;不均化ロジン、二量化ロジンなどの変性ロジン類:グリコール、グリセリン、ぺンタエリスリトールなどの多価アルコールとロジンまたは変性ロジン類とのエステル化物;テルペン系樹脂;脂肪族系、芳香族系、脂環族系または脂肪族−芳香族共重合系の炭化水素樹脂またはこれらの水素化物;フェノール樹脂;クマロン−インデン樹脂などが挙げられる。特に好ましく用いられる粘着付与性樹脂は、本発明で用いる重合体成分と相溶性のよい脂肪族系または脂肪族−芳香族共重合系の炭化水素樹脂である。
なお、粘着付与性樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で使用する粘着付与性樹脂としては、従来公知の粘着付与性樹脂が使用できる。具体的には、粘着付与性樹脂は、ロジン;不均化ロジン、二量化ロジンなどの変性ロジン類:グリコール、グリセリン、ぺンタエリスリトールなどの多価アルコールとロジンまたは変性ロジン類とのエステル化物;テルペン系樹脂;脂肪族系、芳香族系、脂環族系または脂肪族−芳香族共重合系の炭化水素樹脂またはこれらの水素化物;フェノール樹脂;クマロン−インデン樹脂などが挙げられる。特に好ましく用いられる粘着付与性樹脂は、本発明で用いる重合体成分と相溶性のよい脂肪族系または脂肪族−芳香族共重合系の炭化水素樹脂である。
なお、粘着付与性樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
粘着付与性樹脂の配合量は、ブロック共重合体組成物100質量部当り、25質量部〜400質量部の範囲内であることが必要であり、好ましくは50質量部〜350質量部の範囲内、より好ましくは60質量部〜300質量部の範囲内である。
2.架橋剤
本発明で用いられる架橋剤は、ホットメルト粘接着剤組成物に使用されている公知の架橋剤を使用することができる。代表的な架橋系として、過酸化物架橋系、硫黄架橋系および光架橋系が挙げられる。
本発明で用いられる架橋剤は、ホットメルト粘接着剤組成物に使用されている公知の架橋剤を使用することができる。代表的な架橋系として、過酸化物架橋系、硫黄架橋系および光架橋系が挙げられる。
過酸化物架橋系は過酸化物系架橋剤を含む。過酸化物系架橋剤としては、例えば、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−t−ブチルペルオキシヘキシン、1,3−ビス(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、p−クロロベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカルボナート、t−ブチルベンゾエートなどが挙げられる。
また、過酸化物架橋系は、これらの過酸化物系架橋剤に加えて、一般に加硫助剤として、トルチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、トリアリルトリメリテートなどの多官能性不飽和化合物が併用される。
また、過酸化物架橋系は、これらの過酸化物系架橋剤に加えて、一般に加硫助剤として、トルチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベンゼン、エチレンジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルイタコネート、トリアリルトリメリテートなどの多官能性不飽和化合物が併用される。
硫黄架橋系は硫黄系架橋剤を含む。硫黄系架橋剤として、粉末硫黄、硫黄華、沈降硫黄、コロイド硫黄、表面処理硫黄、不溶性硫黄などの硫黄;塩化硫黄、二塩化硫黄、モルホリン・ジスルフィド、アルキルフェノール・ジスルフィド、N,N’−ジチオービス(ヘキサヒドロ−2H−アゼピノン−2)、含りんポリスルフィド、高分子多硫化物などの硫黄化合物;さらに、テトラメチルチウラムジスルフィルド、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、2−(4’−モルホリノジチオ)べンゾチアゾールなどを挙げることができる。さらに、硫黄架橋系は、これらの硫黄系架橋剤に加えて、ステアリン酸;グアニジン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、ザンテート系などの硫黄加硫促進剤を併用することができる。
光架橋系は、紫外線(UV)などの光に感応して、過度の停止反応を生じることなく1つ又は複数のモノマーの重合を開始する遊離基を生成する任意の単一化合物、又は化合物の組み合わせとすることができる。公知の光架橋系として、特にキノン、ベンゾフェノン、ベンゾインエーテル、アリルケトン、過酸化物、ビイミダゾール、ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシアルキルフェニルアセトホン、ジアルコキシアクトフェノン、トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド誘導体、アミノケトン、ベンゾイルシクロヘキサノール、メチルチオフェニルモルフォリノケトン、モルフォリノフェニルアミノケトン、アルファハロゲノアセトフェノン、オキシスルホニルケトン、スルホニルケトン、オキシスルホニルケトン、ベンゾイルオキシムエステル、チオキサントロン、カンフォルキノン、ケトコウウマリン、ミヒラーケトンなどの遊離基光開始剤を使用することができる。あるいは、光架橋系は、その1つが放射線によって活性化された増感剤により誘発された場合に、遊離基を与える化合物の混合物であってもよい。該光架橋系は、可視または紫外線(化学線)に感応するものであることが好ましい。
本発明で用いられる架橋剤は、上記の架橋剤に限定されるものではなく、電子線や放射線等の活性エネルギー線に感応してホットメルト粘接着剤組成物を架橋できるものであってもよい。
架橋剤の配合量は、ブロック共重合体組成物100質量部当り、0.01質量部〜50質量部の範囲内であることが必要であり、好ましくは0.01質量部〜20質量部の範囲内、より好ましくは0.01質量部〜10質量部の範囲内である。
3.可塑剤
可塑剤としては、特に限定されないが、室温(23℃)で液状の有機化合物が好適に用いられる。可塑剤の種類は、ブロック共重合体組成物に対して相溶性を示すものである限りにおいて特に限定されず、具体的には、通常のホットメルト粘接着剤組成物に添加される、芳香族系、パラフィン系またはナフテン系のプロセスオイル;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体などを使用することができ、これらのなかでも、パラフィン系プロセスオイル又はナフテン系プロセスオイルが特に好適である。なお、可塑剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤としては、特に限定されないが、室温(23℃)で液状の有機化合物が好適に用いられる。可塑剤の種類は、ブロック共重合体組成物に対して相溶性を示すものである限りにおいて特に限定されず、具体的には、通常のホットメルト粘接着剤組成物に添加される、芳香族系、パラフィン系またはナフテン系のプロセスオイル;ポリブテン、ポリイソブチレンなどの液状重合体などを使用することができ、これらのなかでも、パラフィン系プロセスオイル又はナフテン系プロセスオイルが特に好適である。なお、可塑剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤の配合量は、ブロック共重合体組成物100質量部当り、0質量部〜200質量部の範囲内であることが必要であり、好ましくは1質量部〜150質量部の範囲内、より好ましくは2質量部〜100質量部の範囲内であるときに粘度特性が良好で且つブリードも少なく好適である。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、前記必須成分以外の重合体を含有していてもよい。このような重合体の例としては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン単独重合体、(スチレン−ブタジエン)ランダム共重合体、(スチレン−イソプレン)ランダム共重合体などの芳香族ビニル−共役ジエンランダム共重合体、ポリスチレンなどの芳香族ビニル単独重合体、イソブチレン系重合体、アクリル系重合体、エステル系重合体、エーテル系重合体、ウレタン系重合体、ポリ塩化ビニルなどの室温(23℃)で弾性を有する重合体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明のホットメルト粘接着剤組成物において、これらの重合体の配合量は、ブロック共重合体組成物100質量部当たり、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物には、必要に応じ酸化防止剤を添加することができる。その種類は特に限定されず、例えば、ぺンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールなどのヒンダードフェノール系化合物;ジラウリルチオプロピオネートなどのチオジカルボキシレートエステル類;トリス(ノニルフェニル)ホスファイトなどの亜燐酸塩類;を使用することができる。
酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ブロック共重合体組成物100質量部当り、通常10質量部以下であり、好ましくは0.5質量部〜5質量部である。なお、酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸化防止剤の配合量は、特に限定されないが、ブロック共重合体組成物100質量部当り、通常10質量部以下であり、好ましくは0.5質量部〜5質量部である。なお、酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明のホットメルト粘接着剤組成物には、さらに、ワックス、熱安定剤、紫外線吸収剤、充填剤など、その他の配合剤を添加することができる。なお、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、溶剤を含まない、無溶剤の組成物であることが好ましい。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物を得るにあたり、ブロック共重合体組成物とその他の成分とを混合する方法は特に限定されず、例えば、それぞれの成分を溶剤に溶解し均一に混合した後、溶剤を加熱などにより除去する方法、各成分をニーダーなどで溶融混合する方法を挙げることができる。混合をより効率的に行う観点からは、これらの方法のなかでも溶融混合が好適である。なお、溶融混合を行う際の温度は、特に限定されるものではないが、通常100℃〜200℃の範囲である。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物の用途(粘接着する対象)は、特に限定されず、ホットメルト接着を適用できる各種の接着に用いることができるものであるが、なかでもフィルム状の基体にホットメルト粘接着剤組成物を溶融塗布した、いわゆるテープの粘接着剤として特に好適に使用されるものである。例えば、本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、加熱により溶融された後、基体に溶融塗布し、ホットメルト粘接着剤組成物が完全に固化する前に、基体を構成する材料と同一または相異なる材料からなる被着体を圧着して接着することができる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、ホットメルト性が良好であることからこのようなテープの製造における不良品率の削減および生産性の向上に寄与するものである。しかも、得られるテープは、接着剤としての耐熱安定性および高温における接着性に優れたものとなる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、使い捨て紙おむつ、衛生ナプキンなどの衛生用品;冷凍食品、生鮮食品、菓子などの食品梱包;自動車部品、機械部品などの部材梱包;テレビ、オーディオ製品、冷蔵庫などの電気製品梱包;伝票、書籍、カタログなどの製本用途;クラフト製袋、ポリプロピレン製袋、ポリエチレン製袋などの製袋用途;コート類のスソ止め、皮革や生地の貼り合わせ、芯地の接着などの衣料用途;などに適用できる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、使い捨て紙おむつ、衛生ナプキンなどの衛生用品;冷凍食品、生鮮食品、菓子などの食品梱包;自動車部品、機械部品などの部材梱包;テレビ、オーディオ製品、冷蔵庫などの電気製品梱包;伝票、書籍、カタログなどの製本用途;クラフト製袋、ポリプロピレン製袋、ポリエチレン製袋などの製袋用途;コート類のスソ止め、皮革や生地の貼り合わせ、芯地の接着などの衣料用途;などに適用できる。
C.粘接着剤組成物
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、必須成分として、ブロック共重合体組成物、粘着付与性樹脂、架橋剤、および可塑剤を含有している。このホットメルト粘接着剤組成物を架橋することで、本発明の粘接着剤組成物が得られる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物の架橋性について、当該ホットメルト粘接着剤組成物を架橋した後において、ブロック共重合体組成物の20%以上が高分子量化するように設定されていることが望ましい。ブロック共重合体組成物が、上記のような架橋性を有することにより、耐熱安定性、および高温における接着性に優れた粘接着剤組成物を提供することができる。
また、架橋後のホットメルト粘接着剤組成物の動的粘弾性測定において、ゴム状領域での弾性率(G’)が、1.0×107MPaを超えないことが好ましい。
適切な架橋性を得るために、ブロック共重合体組成物における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量、架橋剤などの配合成分の種類や量、照射する光等の活性エネルギ―線の照射量を選択するなどして、架橋性を適宜調節すればよい。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物は、必須成分として、ブロック共重合体組成物、粘着付与性樹脂、架橋剤、および可塑剤を含有している。このホットメルト粘接着剤組成物を架橋することで、本発明の粘接着剤組成物が得られる。
本発明のホットメルト粘接着剤組成物の架橋性について、当該ホットメルト粘接着剤組成物を架橋した後において、ブロック共重合体組成物の20%以上が高分子量化するように設定されていることが望ましい。ブロック共重合体組成物が、上記のような架橋性を有することにより、耐熱安定性、および高温における接着性に優れた粘接着剤組成物を提供することができる。
また、架橋後のホットメルト粘接着剤組成物の動的粘弾性測定において、ゴム状領域での弾性率(G’)が、1.0×107MPaを超えないことが好ましい。
適切な架橋性を得るために、ブロック共重合体組成物における共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量、架橋剤などの配合成分の種類や量、照射する光等の活性エネルギ―線の照射量を選択するなどして、架橋性を適宜調節すればよい。
活性エネルギ―線として紫外線を用いる場合、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマレ―ザ、メタルハライドランプなどの紫外線源を用いて、照射量が通常50mJ/cm2〜5J/cm2となる範囲内で選択するのがよい。その際、必要により、短波長側の紫外線をカットするフイルタや、パイレックス(登録商標)ガラス、ポリエステルシ―トを用いてもよい。また、紫外線照射時の温度は、特に限定はなく、室温から180℃までの加熱条件を選択することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明についてより具体的に説明する。なお、各例中の部および%は、特に断りのない限り、質量基準である。
各種の測定については、以下の方法に従って行った。
〔重量平均分子量および分子量分布〕
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置は、東ソ一社製HLC8220、カラムは昭和電工社製Shodex(登録商標) KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施した。
流速0.35ml/分のテトラヒドロフランをキャリアとする高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めた。装置は、東ソ一社製HLC8220、カラムは昭和電工社製Shodex(登録商標) KF−404HQを3本連結したもの(カラム温度40℃)、検出器は示差屈折計および紫外検出器を用い、分子量の較正はポリマーラボラトリー社製の標準ポリスチレン(500から300万)の12点で実施した。
〔ブロック共重合体組成物中の各ブロック共重合体の含有量〕
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
上記の高速液体クロマトグラフィにより得られたチャートの各ブロック共重合体に対応するピークの面積比から求めた。
〔ブロック共重合体組成物(全体)のスチレン単位含有量〕
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
〔共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量〕
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
プロトンNMRの測定に基づき求めた。
〔ブロック共重合体組成物のメルトインデックス〕
ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定した。
ASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定した。
[実施例1]
1.ブロック共重合体組成物の調製
50リットルの耐圧反応器を用い、n−ブタン/シクロヘキサン=30/70の割合の混合溶剤18.75kg、N,N,N’,N’‐テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する。)20ミリモル、開始剤n−ブチルリチウム110ミリモルを存在させ、30℃で1時間、まずスチレン1.0kgを添加して重合し、続いてイソプレン7.0kgを添加し、反応温度が50℃から60℃の間になるように還流冷却により温度制御しながら約1時間半重合した。次いで、カップリング剤としてジビニルベンゼン(DVB)を開始剤に対し6倍当量を添加して2時間カップリング反応を行った。こののち、反応混合物に重合停止剤としてメタノールを50ml、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを40g加えてよく混合し、得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶剤を揮発させた。得られたポリマーを粉砕し、85℃で熱風乾燥してブロック共重合体組成物を得た。
このブロック共重合体組成物全体のスチレン含有量は12.5質量%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は540000であった。共役ジエン単量体中のビニル結合含有量は、10%であった。メルトインデックス(G条件)は、19g/10分であった。ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)は1.11であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量は96質量%であった。ブロック共重合体Bの分子量分布(Mw/Mn)は1.01であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Bの含有量は2質量%であった。
ブロック共重合体Cとして含まれる2分枝体の含有量は、ブロック共重合体組成物中に2質量%であった。
1.ブロック共重合体組成物の調製
50リットルの耐圧反応器を用い、n−ブタン/シクロヘキサン=30/70の割合の混合溶剤18.75kg、N,N,N’,N’‐テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」と称する。)20ミリモル、開始剤n−ブチルリチウム110ミリモルを存在させ、30℃で1時間、まずスチレン1.0kgを添加して重合し、続いてイソプレン7.0kgを添加し、反応温度が50℃から60℃の間になるように還流冷却により温度制御しながら約1時間半重合した。次いで、カップリング剤としてジビニルベンゼン(DVB)を開始剤に対し6倍当量を添加して2時間カップリング反応を行った。こののち、反応混合物に重合停止剤としてメタノールを50ml、酸化防止剤として2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを40g加えてよく混合し、得られた混合溶液を少量ずつ85〜95℃に加熱された温水中に滴下して溶剤を揮発させた。得られたポリマーを粉砕し、85℃で熱風乾燥してブロック共重合体組成物を得た。
このブロック共重合体組成物全体のスチレン含有量は12.5質量%、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は540000であった。共役ジエン単量体中のビニル結合含有量は、10%であった。メルトインデックス(G条件)は、19g/10分であった。ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)は1.11であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Aの含有量は96質量%であった。ブロック共重合体Bの分子量分布(Mw/Mn)は1.01であり、ブロック共重合体組成物中のブロック共重合体Bの含有量は2質量%であった。
ブロック共重合体Cとして含まれる2分枝体の含有量は、ブロック共重合体組成物中に2質量%であった。
2.ホットメルト粘接着剤組成物の調製
上記ブロック共重合体組成物100部を攪拌翼型混練機に投入し、これに粘着付与性樹脂(アルコンM−100;脂環族系炭化水素樹脂、荒川化学工業(株)製)100部、可塑剤としてのナフテン系プロセスオイル(シェルフレックス371、シェル化学製)20部、架橋剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、イルガキュア651、BASF製)1部、および酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギー(株)製)1.5部を添加して系内を窒素ガスで置換したのち、160℃〜180℃で2時間混練してホットメルト粘接着剤組成物を調製した。
この方法により調製されたホットメルト粘接着剤組成物を、10g採取し180℃における溶融粘度(単位mPa・s)を、ローターNo.27を使用して、サーモセル型ブルックフィールド粘度計により測定した。溶融粘度の値が300000mPa・s以下の場合には、「ホットメルトでの粘着剤製造」の評価項目を「○」とし、300000mPa・s以上の場合には「×」とした。
結果を下記表1に示す。
上記ブロック共重合体組成物100部を攪拌翼型混練機に投入し、これに粘着付与性樹脂(アルコンM−100;脂環族系炭化水素樹脂、荒川化学工業(株)製)100部、可塑剤としてのナフテン系プロセスオイル(シェルフレックス371、シェル化学製)20部、架橋剤(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、イルガキュア651、BASF製)1部、および酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギー(株)製)1.5部を添加して系内を窒素ガスで置換したのち、160℃〜180℃で2時間混練してホットメルト粘接着剤組成物を調製した。
この方法により調製されたホットメルト粘接着剤組成物を、10g採取し180℃における溶融粘度(単位mPa・s)を、ローターNo.27を使用して、サーモセル型ブルックフィールド粘度計により測定した。溶融粘度の値が300000mPa・s以下の場合には、「ホットメルトでの粘着剤製造」の評価項目を「○」とし、300000mPa・s以上の場合には「×」とした。
結果を下記表1に示す。
〔ホットメルト粘接着剤組成物の架橋性〕
ホットメルト粘接着剤組成物を、メタルハライドランプ下、1.0J/cm2の条件で照射した後、高速液体クロマトグラフィにより、ホットメルト粘接着剤組成物の架橋性を評価した。高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めたブロック共重合体Aのうち、面積比率で20%以上が架橋によって、架橋前のブロック共重合体Aよりも高分子量化した場合には、「架橋性」の評価項目を「○」、20%未満である場合には「×」とした。
結果を下記表1に示す。
ホットメルト粘接着剤組成物を、メタルハライドランプ下、1.0J/cm2の条件で照射した後、高速液体クロマトグラフィにより、ホットメルト粘接着剤組成物の架橋性を評価した。高速液体クロマトグラフィによりポリスチレン換算分子量として求めたブロック共重合体Aのうち、面積比率で20%以上が架橋によって、架橋前のブロック共重合体Aよりも高分子量化した場合には、「架橋性」の評価項目を「○」、20%未満である場合には「×」とした。
結果を下記表1に示す。
〔ホットメルト粘接着剤組成物の糊残り〕
ホットメルト粘接着剤組成物を、23℃の条件下で、2kgのゴムローラーを用いて300mm/分の速度で圧着することにより、ステンレス板に貼り付け、貼り付け後100℃で24h経過したものを測定試料とした。この測定試料について、23℃での剥離接着強さ(N/m)を、PSTC−1(米国粘着テープ委員会による180℃剥離接着試験)に準じて、測定機器としてテスター産業社製の高速剥離試験機「TE−701−S」を用いて、剥離速度を15m/分で剥離した。剥離後のポリプロピレンを目視して、糊残りが視認できるものを糊残り「あり」と評価し、「糊残り試験」の評価項目を「×」とし、糊残りが視認できないものを糊残り「なし」と評価し「○」とした。
結果を下記表1に示す。
ホットメルト粘接着剤組成物を、23℃の条件下で、2kgのゴムローラーを用いて300mm/分の速度で圧着することにより、ステンレス板に貼り付け、貼り付け後100℃で24h経過したものを測定試料とした。この測定試料について、23℃での剥離接着強さ(N/m)を、PSTC−1(米国粘着テープ委員会による180℃剥離接着試験)に準じて、測定機器としてテスター産業社製の高速剥離試験機「TE−701−S」を用いて、剥離速度を15m/分で剥離した。剥離後のポリプロピレンを目視して、糊残りが視認できるものを糊残り「あり」と評価し、「糊残り試験」の評価項目を「×」とし、糊残りが視認できないものを糊残り「なし」と評価し「○」とした。
結果を下記表1に示す。
〔ホットメルト粘接着剤組成物のせん断破壊温度(SAFT)〕
試料となるホットメルト粘接着剤組成物を25μmのPETフィルムに厚み20μmとなるように溶融塗布した。この塗布シートを用い、被着体としてステンレス鋼を使用し接着部が10×25mmとなるように接触させ、140℃で2秒間、加熱圧着させた。このようにして得られた試験片に、被着体としてステンレス鋼を使用し接着部が10×25mm、錘を500gとして負荷をかけ、温度上昇速度0.5℃/minにてせん断破壊温度(Shear Adhesion Failure Temperature:SAFT)を測定した。値が大きいものほど、高温接着性能に優れる。
結果を下記表1に示す。
試料となるホットメルト粘接着剤組成物を25μmのPETフィルムに厚み20μmとなるように溶融塗布した。この塗布シートを用い、被着体としてステンレス鋼を使用し接着部が10×25mmとなるように接触させ、140℃で2秒間、加熱圧着させた。このようにして得られた試験片に、被着体としてステンレス鋼を使用し接着部が10×25mm、錘を500gとして負荷をかけ、温度上昇速度0.5℃/minにてせん断破壊温度(Shear Adhesion Failure Temperature:SAFT)を測定した。値が大きいものほど、高温接着性能に優れる。
結果を下記表1に示す。
[実施例2〜4]
スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にそれぞれのブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表1に示す。
スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表1に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にそれぞれのブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表1に示す。
[比較例1]
開始剤n−ブチルリチウムを90ミリモルとし、スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製した。しかしながら、粘度が高過ぎ、架橋性および糊残り試験については評価することができなかった。結果を下記表2に示す。
開始剤n−ブチルリチウムを90ミリモルとし、スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製した。しかしながら、粘度が高過ぎ、架橋性および糊残り試験については評価することができなかった。結果を下記表2に示す。
[比較例2、3]
開始剤n−ブチルリチウムを150ミリモルとし、スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量、TMEDAの量、カップリング剤の種類およびカップリング剤の添加量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にそれぞれのブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表2に示す。
開始剤n−ブチルリチウムを150ミリモルとし、スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量、TMEDAの量、カップリング剤の種類およびカップリング剤の添加量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にそれぞれのブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表2に示す。
[比較例4]
開始剤n−ブチルリチウム50ミリモル、TMEDA3ミリモルの存在下、30℃で1時間、まずスチレン0.5kgを添加して重合し、続いて開始剤n−ブチルリチウム60ミリモル添加したのち、スチレン0.9kgを添加して、30℃で1時間反応させ、続いてイソプレン6.6kgを添加し、反応温度が50℃から60℃の間になるように還流冷却により温度制御しながら約1時間半重合した以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表2に示す。
開始剤n−ブチルリチウム50ミリモル、TMEDA3ミリモルの存在下、30℃で1時間、まずスチレン0.5kgを添加して重合し、続いて開始剤n−ブチルリチウム60ミリモル添加したのち、スチレン0.9kgを添加して、30℃で1時間反応させ、続いてイソプレン6.6kgを添加し、反応温度が50℃から60℃の間になるように還流冷却により温度制御しながら約1時間半重合した以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製し、その特性を評価した。結果を下記表2に示す。
[比較例5]
スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製した。しかし、組成物の粘度が高過ぎるため、架橋性および糊残り試験については評価することができなかった。結果を下記表2に示す。
スチレンとイソプレンの全体量を同じとし、全体のスチレン含有量およびTMEDAの量を表2に示す量とした以外は、実施例1と同様な手法によりブロック共重合体組成物を調製し、その特性を評価した。さらに、実施例1と同様にブロック共重合体組成物からホットメルト粘接着剤組成物を調製した。しかし、組成物の粘度が高過ぎるため、架橋性および糊残り試験については評価することができなかった。結果を下記表2に示す。
表1および表2に示す結果から、以下のようなことがわかる。
本発明のブロック共重合体組成物を含有するホットメルト粘接着剤組成物(実施例1〜4)は、加熱時の流動性を評価するホットメルトでの粘着剤製造評価が良好であり、耐熱安定性を評価する糊残り評価も良好であった。また、せん断破壊温度(SAFT)が高いことから、高温における接着性能に優れていることがわかった。
一方、比較例1〜5のブロック共重合体組成物を用いた場合には、ホットメルト性および耐熱安定性の両者が良好となるものは得られなかった。
本発明のブロック共重合体組成物を含有するホットメルト粘接着剤組成物(実施例1〜4)は、加熱時の流動性を評価するホットメルトでの粘着剤製造評価が良好であり、耐熱安定性を評価する糊残り評価も良好であった。また、せん断破壊温度(SAFT)が高いことから、高温における接着性能に優れていることがわかった。
一方、比較例1〜5のブロック共重合体組成物を用いた場合には、ホットメルト性および耐熱安定性の両者が良好となるものは得られなかった。
Claims (4)
- 下記一般式(I)で表わされる、Ar1−D1ジブロック体を分岐鎖として有するブロック共重合体Aを含有するブロック共重合体組成物であって、
前記ブロック共重合体Aの分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、
前記ブロック共重合体組成物中の前記ブロック共重合体Aの含有量が10質量%以上であり、
前記ブロック共重合体組成物中の下記一般式(II)で表されるAr2−D2ジブロック体であるブロック共重合体Bの、前記ブロック共重合体組成物中の含有量が60質量%以下であり、かつ、分子量分布(Mw/Mn)が1.30以下であり、
前記ブロック共重合体組成物中の芳香族モノビニル単量体単位の含有量が5質量%〜35質量%の範囲内であり、
前記ブロック共重合体組成物中の共役ジエン単量体単位中のビニル結合含有量が10質量%〜50質量%の範囲内であり、
前記ブロック共重合体組成物全体の重量平均分子量(Mw)が300000〜800000の範囲内であり、
前記ブロック共重合体組成物全体のASTM D1238(G条件、200℃、5kg荷重)に準拠して測定したメルトインデックスが2g/10分〜20g/10分の範囲内であることを特徴とするブロック共重合体組成物。
(Ar1−D1)mX (I)
Ar2−D2 (II)
(一般式(I)および(II)中、Ar1およびAr2は、それぞれ芳香族モノビニル重合体ブロックであり、D1およびD2は、それぞれ共役ジエン重合体ブロックであり、mは3以上の整数であり、Xは多官能性カップリング剤の残基である。) - 前記多官能性カップリング剤が、分子中にラジカル重合性基を2個以上有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のブロック共重合体組成物。
- 請求項1又は2に記載のブロック共重合体組成物100質量部と、
粘着付与性樹脂25質量部〜400質量部と、
架橋剤0.01質量部〜50質量部と、
可塑剤0質量部〜200質量部と、
を含有することを特徴とするホットメルト粘接着剤組成物。 - 請求項3に記載のホットメルト粘接着剤組成物が架橋されていることを特徴とする粘接着剤組成物。
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WO2020110854A1 (ja) * | 2018-11-30 | 2020-06-04 | 日本ゼオン株式会社 | ブロック共重合体、ブロック共重合体組成物、ホットメルト粘接着剤組成物および粘接着剤組成物 |
WO2023195539A1 (ja) * | 2022-04-08 | 2023-10-12 | 積水フーラー株式会社 | ホットメルト組成物 |
JP7513467B2 (ja) | 2020-08-20 | 2024-07-09 | 株式会社カネカ | グラフト変性ポリメチルペンテン組成物、成形品、及び銅張積層板 |
-
2016
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