JP2018020932A - 六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体及び樹脂組成物とその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】パワーデバイスなどの発熱性電子部品の熱を放熱部材に伝達するための樹脂組成物として好適に用いられ、特にプリント配線板の絶縁層及び熱インターフェース材の樹脂組成物に充填される、高い熱伝導率を発現する六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体、及び前記凝集体を含む樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いた熱インターフェース材を提供する。【解決手段】平均球形度が0.80以上、空隙率が40%以下、タップ密度が1.0g/cm3以上、粒子強度が5.0MPa以上である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体とする。なお、前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、平均径と平均厚さのアスペクト比が10を越え20以下の鱗片状である一次粒子が凝集していることが好ましく、また前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径は、20〜100μmであることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体に関する。また本発明は、前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物とその用途に関する。
従来から、パワーデバイス、トランジスタ、サイリスタ、CPU等に代表される発熱性電子部品は、大電力化が年々進みつつあり、また他方では電子機器類の軽薄短小化にも伴い、発熱性電子部品の実装密度も増加する一方であり、電子機器内部の発熱密度も年々増加している。そのため、発熱性電子部品を使用する際に発生する熱を効率的に放熱させる方法や、放熱材料に関する研究開発は継続的に進められている。
発熱性電子部品の発生する熱を放熱する方法としては、発熱性電子部品または発熱性電子部品を実装したプリント配線板に、電気絶縁性備えた平板状またはシート状の熱インターフェース材を介して、ヒートシンク等の放熱部材を取り付ける方法などが一般的である。また、プリント配線板には、その中間に電気絶縁層が通常設けられているが、この電気絶縁層も、同時に優れた熱インターフェース材であることが求められる。この熱インターフェース材としては、例えばセラミックス粒子と熱硬化性樹脂とを含む組成物が好ましく用いられている。
前記セラミックス粒子としては、基本的に電気絶縁性を有し、熱伝導性にも優れる六方晶窒化ホウ素が注目され、好ましく用いられている。但し、その結晶構造に由来して、六方晶窒化ホウ素の一次粒子は鱗片状で、面内方向(a軸方向ともいう)の熱伝導率が約400W/(m・K)、厚み方向(c軸方向ともいう)の熱伝導率が約2W/(m・K)であり、熱伝導率の異方性が甚だしく大きい。そのため、六方晶窒化ホウ素の一次粒子をそのまま樹脂中に充填して、平板状またはシート状の熱インターフェース材の製造を試みると、鱗片状の一次粒子が、熱インターフェース材の面方向に沿って平面的に配向する傾向が強く、熱を伝達したい方向(即ち熱インターフェース材の厚み方向)と六方晶窒化ホウ素一次粒子の高い熱伝導率を有する方向とが必ずしも一致せず、むしろ直交するため、六方晶窒化ホウ素の面内方向の高い熱伝導性を十分に活かすことができなかった。
そのため、このような六方晶窒化ホウ素の一次粒子の形状に起因する熱伝導率の異方性を緩和し、等方的な熱伝導率を持たせるように意図された、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が開発されている。
例えば特許文献1及び2では、六方晶窒化ホウ素一次粒子を、平板状またはシート状の熱インターフェース材中で同一方向に配向させないように、予め等方的に凝集させ、熱伝導率の異方性を緩和した六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が提案されている。但し、ここに開示されている六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の形状は、いびつな松かさ状(例えば、特許文献1:段落[0020]図6参照)や塊状(例えば、特許文献2:段落[0037]図3〜5参照)であるため、樹脂への充填割合にも限界が生じ、熱インターフェース材としたときの熱伝導率は、現在の要求水準を必ずしも満たさなくなっていた。
凝集体の形状を改善する試みとして、特許文献3では、ホウ酸塩粒子を六方晶窒化ホウ素一次粒子で被覆した、平均球形度の高い六方晶窒化ホウ素被覆粒子の使用が提案されている。前記被覆粒子においては、熱伝導率の異方性の抑制と樹脂への充填性の向上には一定の効果がみられるものの、熱伝導率の低いホウ酸塩粒子を含有するため、六方晶窒化ホウ素の高い熱伝導率を十分に活かしきれない課題があった。
さらに、従来の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の表面から内部にかけては、空隙もまだ多く存在していると考えられ、凝集体単体の熱伝導率が十分高くなりきれてなく、またその凝集体の粒子強度も不十分で、例えば凝集体と樹脂とを混合して樹脂組成物とする際に、一次粒子凝集体が混練時に受ける力に耐え切れずに破壊することもあった。
特許文献4には、凝集粒子の空隙率範囲を規定することにより、これを含む樹脂組成物の非誘電率を低く保つと共に、凝集窒化ホウ素粉末のカルシウム含有量が規定された、樹脂との混練時の凝集粒子の破壊防止を図った窒化ホウ素粉末が開示されている。特許文献4の凝集粒子は空隙率をやや高めに設定しているため、粒子強度や熱伝導率の面ではさらなる改善余地があった。
特許文献5には、凝集窒化ホウ素の一次粒子や凝集体の構造が記載されているが、一次粒子の平均径径が小さく、また粉体のバルク密度も低いため、樹脂組成物に高充填するには課題があった。
以上示したように、近年の発熱性電子部品を用いた電子機器類の放熱性要求水準を満たすような、実用的には許容できる非誘電率の範囲内で、熱伝導率の改善に特に重きをおいた、即ち、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の球形度をより高め、空隙率をさらに低くし、粒子強度もさらに高めることにより、従来よりも樹脂組成物としてさらに高充填することを可能とする凝集体はそもそも得られておらず、従って、それを用いた樹脂組成物や熱インターフェース材も開発されてなかった。
特開平9−202663号公報 特開2011−98882号公報 特開2001−122615号公報 特開2014−40341号公報 WO2015/119198号国際公開パンフレット
本発明は、従来技術の課題に鑑み、充填特性が良好となる形状を有し、その結果として窒化ホウ素一次粒子凝集体を高密度で充填することが可能で、また二次加工時に想定される外力を受けても破壊されないような高い粒子強度を有する六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を提供することである。またそれによりパワーデバイスなどの発熱性電子部品が実装されるプリント配線板の電気絶縁層や、熱を放熱部材に伝達する熱インターフェース材に用いられる、前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物、並びに前記樹脂組成物を用いた熱インターフェース材の提供を目的とする。
本発明者らは、樹脂組成物中に高充填することが可能で、高密度に凝集している高強度の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体について鋭意検討し、一次粒子凝集体が満たすべき要件を鋭意検討することにより本発明に到った。
上記の課題を解決する本発明は、即ち六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を、平均球形度が0.80以上、空隙率が40%以下、タップ密度(タップかさ密度ともいう)が1.0g/cm以上、粒子強度が5.0MPa以上である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体であるとする。なお本発明においては、一次粒子の長径と厚さのアスペクト比が10を越え20以下の鱗片状である一次粒子が凝集している、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体であることが好ましい。また本発明においては、平均粒子径が20〜100μmである、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体であることが好ましい。さらに本発明は、前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物であり、またさらに前記樹脂組成物を用いた熱インターフェース材である。
本発明の実施により、産業上有用な、高い熱伝導率を発現する六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体、及び前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物、前記樹脂組成物を用いた電気絶縁部材を提供することができる。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、鱗片状の六方晶窒化ホウ素の一次粒子同士が、球形近い形状で、高強度に焼結している凝集体であり、樹脂と合わせて混練する程度の外力では容易に破壊されない高い粒子強度をも備える六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体である。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、平均球形度、タップ密度、粒子強度を規定することにより、従来の技術では達成できなかった、高熱伝導率を達成する窒化ホウ素粉末、及び窒化ホウ素粉末を含有してなる樹脂組成物を得ることができる。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、特に製造方法を限定するものではないが、例えば、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体を準備する前駆体準備工程と、前記前駆体を含むスラリーを得るスラリー化工程と、前記スラリーを噴霧して前駆体の乾燥粉体(以下、前駆体乾燥粉体という)となす噴霧乾燥工程と、前記前駆体乾燥粉体を焼成して六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得る焼成工程と、を含む諸工程を経る製造方法を、好ましく採用することができる。
<前駆体準備工程>
前駆体準備工程は、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体を準備する工程である。前記前駆体は、それを原料として用いることにより窒化ホウ素一次粒子凝集体が得られる物質であれば、特に制限はないが、例えばメラミンとホウ酸を含む混合物を焼成して得た窒化ホウ素が、平均球形度が0.80以上で球形度が高く、また平均径と平均厚さのアスペクト比が10を越え20以下である一次粒子が凝集している六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得やすい前駆体として好ましく準備される。平均球形度が0.8以上になると、樹脂への充填性が増し、熱伝導性の高い熱インターフェース材を得ることができる。なお、メラミンとホウ酸を含む混合物を焼成する条件により、得られる窒化ホウ素の結晶性が、アモルファス状態から結晶化が進んだ状態まで変化することがあるが、特に前記前駆体としての窒化ホウ素の結晶性に関する限定はなく、結晶性の異なる窒化ホウ素を複数準備して、それらを混合したものも、粒子強度が5.0MPa以上となる高い六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得やすい前駆体として好ましく用いることができる。
<スラリー化工程>
スラリー化工程は、前記前駆体を含むスラリーを得る工程である。スラリーの液体成分の種類に特に限定はないが、液体成分としては水や、アルコール等の水溶性有機溶媒が一般的に用いられる。スラリーの好ましい組成割合として、例えば液体成分の濃度は55質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがさらに好ましい。また、前駆体の焼結を促進させるための0.5〜5.0質量%の焼結助剤をスラリー中に好ましく添加することができ、残りが六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体の質量割合となる。焼結助剤の種類としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属の炭酸塩、硝酸塩、酸化物、窒化物が好ましく用いられ、炭酸カルシウムが特に好ましい。さらに前記スラリー100質量部に対し、前駆体同士の結着剤やスラリー安定化剤を、を0.1〜2質量部の割合で好ましく添加することができる。前記結着剤としては、ポリビニルアルコール(PVAとも標記される)やカルボキシメチルセルロース(CMCとも標記される)が好ましく用いられる。また前記スラリー安定化剤は、硫酸エステル型、リン酸エステル型、カルボン酸型、スルホン酸型の各種アニオン型界面活性剤、例えばポリオキシエチレントリデシルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C10)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12、13)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルリン酸エステルや、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル型、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル型、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル型、ポリオキシエチレンナフチルエーテル型、ポリオキシエチレンフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウリルエーテル型のノニオン型界面活性剤、及び高分子型界面活性剤、例えばナフタレンスルホン酸ナトリウムホルマリン縮合物、から選ばれる少なくとも一種以上の界面活性剤を含むスラリー安定化剤が好ましく用いられる。列記した界面活性剤の中では、特にリン酸エステル型の界面活性剤を含む界面活性剤が好ましく、リン酸エステル型の中では、特にポリオキシエチレンアルキル(C8)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C10)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキル(C12、13)エーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステルが好ましく用いられる。
さらに、スラリー化工程においては、ボールミルなどを用いてスラリー中の固形成分、即ち六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体や焼結助剤を微粉化し、より均一で安定なスラリーとなすことも好ましく実施される。
<噴霧乾燥工程>
噴霧乾燥工程では、例えば一般に回転式アトマイザーと呼称される装置を用い、前記六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体を含むスラリーを、例えば高温の容器中にアトマイザーを用いて噴霧することにより、その液体成分を除去した前駆体乾燥粉体を好ましく得ることができる。容器内の温度は特に限定はないが、通常150〜250℃の範囲が好ましい。アトマイザーの噴霧方式などは特に限定はない。
<焼成工程>
焼成工程では、前記前駆体乾燥粉体を通常1600〜2300℃、好ましくは1700〜1900℃の炉で焼成する。本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を最終的に得る工程である。炉の形式等は特に限定はなく、公知の抵抗式発熱体加熱炉、高周波炉の種類や、またバッチ式炉でも連続式炉でもどちらを選定しても良い。
次に焼成工程で得られた、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均球形度、タップ密度、粒子強度、平均粒子径、及び一次粒子の長径と厚さのアスペクト比について、それぞれの定義および測定方法について以下に記載する。
<平均球形度>
本発明でいう六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均球形度は、多数の前記一次粒子凝集体を実際に撮影した2次元画像を基にして、画像解析の手法により算出した個々の球形度の平均値であり、1個の一次粒子凝集体の球形度は、例えば以下のような手順で測定する。即ち、試料台上の導電性両面テープに固定された任意の1個の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体(Pとする)を、走査型電子顕微鏡を用いて撮影し、得られた2次元画像から、画像解析ソフトウェアを利用して、P1の投影面積(Sとする)と周囲長(Lとする)を測定する。本発明の、Pの球形度(Rとする)は、S1と同じ長さの周囲長を有する半径(rとする)の真円の面積(即ちπr )を基準にして、R=S/πr で示されるものとすると、別にL=2πrの関係も成立していることから、R=4πS/L の式に、前記S、Lの測定値をそれぞれ代入して算出することができる。本発明では、このようにして任意の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体100個の球形度をそれぞれ求め、その平均値をもって、本発明の平均球形度とした。なお、真球の球形度は1であることから、この値に近い方がより真球に近い形となり、樹脂組成物中への充填性が良好となる。本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均球形度は0.80以上である。平均球形度が0.8より小さいと樹脂組成物中への充填性が劣り、熱伝導率が低下する。平均球形度は0.85以上であると更に好ましい。
<空隙率>
本発明でいう空隙率は、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体に存在する空隙の割合のことであり、空隙率は40%以下であることが必要である。空隙率は水銀圧入法により水銀ポロシメーターを用いて測定することができる。充填密度を高くする観点からは空隙率は低い方が好ましいが、本発明に到る検討中に得られた値は、29%以上であった。なお、空隙率が小さくなると、比誘電率が小さい空気の占める体積が小さくなり、全体の比誘電率も高くなる傾向があるが、
<タップ密度>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体のタップ密度は、JIS R1628に準拠して測定した値で、市販の装置を用いて測定することができ、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を100cmの専用容器に充填し、タッピングタイム180秒、タッピング回数180回、タップリフト18mmの条件でタッピングを行った後のかさ密度を測定し、タップ密度とした。本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体のタップ密度は、1.0g/cm以上である。タップ密度が1.0g/cm未満であると樹脂に充填したときの粘度が上昇するため、実際の製造に適さなくなる問題がある。なお、空隙率が低くなるほど、タップ密度が高くなる傾向があるが、低いスラリー濃度で焼結助剤の配合割合を増やした場合では、空隙率が比較的低くてもタップ密度が高くならない粒子となる場合もあり、従って、少なくとも空隙率とタップ密度の両方の規定を設けて共に満たしていることが必要である。
<粒子強度>
本発明でいう、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の粒子強度は、実際に個々の粒子の圧縮強度の測定値を基にした値である。粒子強度の測定は、市販されている微少粒子の圧縮強度測定が可能な圧縮試験器を用い、JIS R1639−5に準拠して測定することができる。このとき六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の粒子径をd(単位はmm)、破壊試験力をP(単位はN)とすると、破壊強度をCs(単位はMPa)は、Cs=2.48P/πdの式から算出される。なお本発明では、10個の粒子の破壊強度の平均値を粒子強度とした。本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体においては、粒子強度は5.0MPa以上であることが必要である。粒子強度が、5.0MPaより小さいと、例えば樹脂と混練して組成物なす際に、凝集体粒子が破壊されてしまうので、好ましくない。
<平均粒子径>
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径は、JIS Z8825に準拠し、レーザー回折光散乱法による粒度分布測定において、累積粒度分布の累積値50%の粒径で、20〜100μmであることが好ましい。20μmより小さいと、窒化ホウ素粒子と樹脂界面の総数の増加にともなう接触熱抵抗の増加により熱伝導率が低下する。100μmより大きいと、窒化ホウ素粒子の粒子強度が低下する傾向にあるため、樹脂への混練時に受ける剪断応力により、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の一部が一次粒子に近い形状の粒子にまで破壊され、その破壊された粒子が同一方向に配向するため、熱伝導性が低下する傾向がある。また、厚みの厚い樹脂に配合する時には、平均粒子径の大きさによる影響は少ないが、放熱シートのようなシート状に成形する場合では、シート厚みが制限され、100μmまでの大きさが好適である。
本発明の平均粒子径は、市販の粒度分布測定装置を用いることができる。測定に際しては、溶媒には水、分散剤としてはヘキサメタリン酸を用いた。なお、平均粒子径の測定時においては、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体が解砕され、実際の凝集体の粒子径が変化することを避けるために、スラリーが良好に分散していることは確認したが、敢えて超音波処理による分散処理は実施しなかった。水の屈折率には1.33を用い、窒化ホウ素粉末の屈折率については1.80を用いた。
<長径と厚みのアスペクト比>
本発明でいう一次粒子の長径と厚みのアスペクト比は、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を構成する一次粒子の断面写真画像を実測して算出した値である。即ち、樹脂に包埋されて精密にカットされた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の断面の粒子像を走査型電子顕微鏡にてSEM像を撮影し、短冊状に写る鱗片状一次粒子を、画像解析装置に取り込みソフトウエアで解析することにより算出した値である。なお、樹脂に包埋された六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、任意の断面でカットされるため、アスペクト比は、任意に選んだ粒子の測定値から求めた平均値ではなく、短冊状に見える粒子を100個を観察した上で、長径が長い方から10位以内に入る粒子を10個選定し、前記10個の粒子の長径と厚みの長さを測り、アスペクト比=長径/厚みとする計算式より各10個の粒子のアスペクト比を算出し、それらの平均値をアスペクト比とした。
<六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物>
次に本発明の第2の実施形態である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物について説明する。前記樹脂組成物中に含まれる前記一次粒子凝集体の割合は、20体積%以上80体積%以下であることが好ましい。20体積%未満だと樹脂組成物の熱伝導率が低く、80体積%を越えると樹脂組成物の成形や成型が難しくなるので好ましくない。
なお、このときに本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体より平均粒子径の小さい各種セラミックミックス粉末(以下、各種セラミックス粉末と称する)、例えば窒化アルミニウム、六方晶窒化ホウ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、炭化ケイ素の粉末を、本発明の目的を損なわない範囲において、1種類以上適宜添加しても良い。各種セラミックス粉末の適切な平均粒子径は、本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径によって変化するが、本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径に対して40%以下であることが好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。例えば本発明の窒化ホウ素粉末の凝集体の平均粒子径が50μmの場合は、20μm以下が好ましく、10μm以下がさらに好ましい。粒子の充填構造をより密にすることができるので、充填性が向上し、結果として樹脂組成物の熱伝導率を向上させることができる。各種セラミックス粉末の平均粒子径は本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体と同様の手順で測定される。
<樹脂>
本発明の第2の実施形態である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物に用いることのできる樹脂の種類には、特に限定はないが、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アクリル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のポリイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、全芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液晶ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、マレイミド変性樹脂、ABS樹脂、AAS(アクリロニトリル−アクリルゴム・スチレン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・プロピレン・ジエンゴム−スチレン)樹脂、ポリグリコール酸樹脂、ポリフタルアミド、ポリアセタール、ナイロン樹脂等を好ましく挙げることができる。これら樹脂、特に熱硬化性樹脂には適宜、硬化剤、無機フィラー、シランカップリング剤、さらに濡れ性やレベリング性の向上及び粘度低下を促進して加熱加圧成形時の欠陥の発生を低減する添加剤を含有することができる。この添加剤としては、例えば、消泡剤、表面調整剤、湿潤分散剤等がある。また、エポキシ樹脂は、耐熱性と銅箔回路への接着強度が優れていることから、プリント配線板の絶縁層として好適である。さらにシリコーン樹脂及びシリコーンゴムは耐熱性、柔軟性及びヒートシンク等への密着性が優れていることから熱インターフェース材として好適である。なお、熱硬化性樹脂を用いた熱インターフェース材については、それを実際に使用する前の段階で、予め熱硬化性樹脂をBステージ化しておいても良い。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体と樹脂とを混合して樹脂組成物となす場合には、両者を混合しやすくするため、必要に応じて有機溶剤を加えても良い。有機溶剤としては、例えば、エタノール及びイソプロパノール等のアルコール類、2−メトキシエタノール、1−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、1−エトキシ−2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール及び2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びジイソブチルケトンケトン等のケトン類、トルエン及びキシレン等の炭化水素類が挙げられる。なお、これらの希釈剤は、単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の第3の実施形態である電気絶縁部材は、第2の実施形態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を成形加工或いは成型加工し、さらに必要に応じて他の素材等と組み合わせてなした、熱インターフェース材である。
<熱インターフェース材の熱伝導性の評価>
本発明の熱インターフェース材の熱伝導率H(単位はW/(m・K))は、前記熱インターフェース材の、熱拡散率A(単位はm/秒)、密度B(単位はkg/m)及び比熱容量C(単位はJ/(kg・K))から、H=A×B×Cとして算出することができる。なお、前記熱拡散率Aは、JIS R1611に準拠し、市販の装置を用いたレーザーフラッシュ法に従い測定した値である。また、密度Bは、JIS K6268に準拠し、アルキメデス法を用いて求めた値である。さらに、比熱容量Cは、JIS K7123に準拠し、DSC測定装置を用いて求めた値である。
以下、本発明を、実施例、比較例を挙げてさらに具体的に説明する。
<実施例1>
<六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の作製>
ホウ酸(日東電工社製)52kgとメラミン(DSM社製)50kgを混合し、バッチ式高周波炉(富士電波社製)にて窒素雰囲気下で、1000℃で4時間焼成後、さらに1600℃で4時間焼成して、アモルフォス状態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体(イ)と、ホウ酸52kgとメラミン50kgを混合し、バッチ式高周波炉にて窒素雰囲気下で1000℃で4時間焼成後、さらに2000℃で4時間焼成した結晶状態である六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の前駆体(ロ)を得た。
前記前駆体(イ)の粉末15.72kgと、前記前駆体(ロ)の粉末5.24kgと、焼結助剤の炭酸カルシウム(白石工業社製、PC−700)0.54kg及び水78.5kgを、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、容器内径50cm、ボール直径10cmのボールミルで5時間粉砕して、水スラリーを得た。さらに前記水スラリー100質量部に対して、ポリビニルアルコール樹脂(製品名ゴーセノール、日本合成化学社製)0.5質量部と、アニオン界面活性剤(製品名プライサーフA219B、第一工業製薬社製)0.5質量部を添加し、溶解するまで50℃で加熱撹拌した後、7000rpmの回転数で運転させた回転式アトマイザー(PK−05番、プリス社製)を通して温度230℃の噴霧乾燥機中に噴出させた。回収された前記水スラリー乾燥処理物を、さらにバッチ式高周波炉にて窒素雰囲気下で、1850〜1950℃で4時間焼成した後、解砕して実施例1の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を得た。このときの条件を表1にまとめて記した。
<平均球形度の測定>
作製した実施例1の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均球形度は、以下のような手順で測定した。試料台上の導電性両面テープに固定した各粗化処理済み凝集体を、走査型電子顕微鏡(JSM−6010LA、日本電子社製)にて撮影し、得られた凝集体2次元画像を画像解析ソフトウェア(Mac−View、マウンテック社製)に取り込み、写真から先述した手順によって凝集体2次元画像の投影面積と周囲長を測定し、凝集体の一個の球形度を算出した。この際の画像の倍率は100倍、画像解析の画素数は1510万画素であった。この操作を繰り返して、任意の凝集体100個の球形度を求め、その平均値を実施例1の平均球形度とした。この値は表1に記載した。
<空隙率>
作製した実施例1の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の空隙率は、水銀ポロシメーター(PASCAL 140−440、FISONS INSTRUMENTS社製)を用いて細孔体積を測定することにより求めた値である。前記空隙率をεg(%)とすると、εg=Vg/(Vg+1/ρt)×100の式から算出することができる。Vgは、水銀ポロシメーターで測定された全細孔体積から、粒子間空隙体積を差し引いた値(cm/g)である。なお粒子間空隙体積は、水銀ポロシメーターによる細孔体積の積算分布曲線における変曲点の積算容積とした。またρtは、六方晶窒化ホウ素一次粒子の真比重であり、2.34(g/cm)とした。
<タップ密度>
作製した実施例1の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体のタップ密度は、粉体特性評価装置(商品名パウダーテスター PT−E型、ホソカワミクロン社製)を用い、前記一次粒子凝集体を100cm3の専用容器に充填し、タッピングタイム180秒、タッピング回数180回、タップリフト18mmの条件でタッピングを行った後のかさ密度を測定し、実施例1のタップ密度とした。この値は表1に記載した。
<粒子強度>
作製した実施例1の六方晶ホウ素一次粒子凝集体の粒子強度の測定は、微小圧縮試験機(MCT−510、島津製作所社製)を用い、φ200μmの平面圧子を用いて、粒子径d(mm)の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の破壊試験力P(N)を求めた。破壊強度Cs(MPa)は、Cs=2.48P/πdの式から求めた。粒子を変えて同じ測定を10回繰り返した平均値を、実施例1の強度とした。この値は表1に記載した。
<平均粒子径の測定>
作製した実施例1の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の平均粒子径を、粒度分布測定機(MT3300EX、日機装社製)を用いて測定した。一回当たりの測定時間は30秒である。粒度分布測定に際し、前記凝集体を分散させる溶媒には水を、分散剤にはヘキサメタリン酸を用いた。このとき水の屈折率には1.33を、また、窒化ホウ素粉末の屈折率については1.80の数値を用いた。実施例1の平均粒子径の測定値は表1に示した。
<一次粒子の長径と平均厚みのアスペクト比の測定>
アスペクト比の測定は、観察の前処理として、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を樹脂で包埋後、CP(クロスセクションポリッシャー)法により加工し、試料台に固定した後にオスミウムコーティングを行った。その後、走査型電子顕微鏡、例えば「JSM−6010LA」(日本電子社製)にてSEM像を撮影し、得られた断面の粒子像を画像解析ソフトウェア、例えば「A像くん」(旭化成エンジニアリング社製)に取り込み、測定することができる。この際の画像の倍率は100倍、画像解析の画素数は1510万画素であった。マニュアル測定で、短冊状に見える粒子を100個を観察した上で、長径が長い方から10位以内に入る粒子を10個選定し、前記10個の粒子の長径と厚みの長さを測り、アスペクト比=長径/厚みとする計算式より各10個の粒子のアスペクト比を算出し、それらの平均値をアスペクト比とした。この方法で測定した、実施例1の六法晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を構成している一次粒子のアスペクト比は、13.8であった。
<実施例2〜11>
実施例2〜11の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、スラリー化工程におけるスラリーの配合条件、噴霧乾燥工程におけるアトマイザーの回転数条件、及び焼成工程における焼成温度条件を、実施例1と変えて作製したものである。これらの条件、及び得られた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の測定値を表1に示した。
<比較例1〜12>
比較例1〜12の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、スラリー化工程におけるスラリーの配合条件、噴霧乾燥工程におけるアトマイザーの回転数条件、及び焼成工程における焼成温度条件を、実施例1と変えて作製したものである。但し、比較例3の条件では、噴霧工程が実施できず、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は得られなかった。これらの条件、及び得られた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の測定値を表2に示した。
<比較例13>
炭化ホウ素粉末(#1200、デンカ社製)を、窒素ガスを圧力0.1MPaとした雰囲気中2250℃で処理して窒化ホウ素前駆体を取得し、以後の操作は実施例と同様にして、比較例13の六法晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を作製した。得られた六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体の測定値を表2に示した。
<樹脂組成物、及び熱インターフェース材の作製>
熱インターフェース材としての実用特性を評価するため、実施例1〜11、比較例1〜13(但し比較例3を除く)の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を60体積%、エポキシ樹脂(商品名エピコート807、三菱化学社製)が36体積%、硬化剤(商品名アクメックスH−84B、日本合成化工社製)が4体積%、となるように混合して樹脂組成物となし、さらにPET製シート上に厚みが1.0mmになるように塗布した後、500PaAの減圧脱泡を10分間行った。その後、温度150℃、圧力160kg/cm条件で60分間のプレス加熱加圧して厚さ0.5mmのシート状とし、実施例1〜11、及び比較例1〜13(但し比較例3を除く)の熱インターフェース材を作製した。
<熱伝導率の測定>
実施例1〜11、及び比較例1〜13(但し比較例3を除く)の熱インターフェース材の熱伝導率H(単位はW/(m・K))を、幅10mm×10mm×厚み0.5mmの大きさに切り出した測定用試料を用い、キセノンフラッシュアナライザ(LFA447NanoFlash、NETZSCH社製)によるレーザーフラッシュ法による熱拡散率A(単位はm/秒)、比重測定キット(エー・アンド・デイ社製)を用いて測定した密度B(単位はkg/m)、DSC測定装置(ThermoPlusEvo DSC8230、リガク社製)を用いて測定した比熱容量C(単位はJ/(kg・K))の各測定値から、H=A×B×Cとして求めた。これらの結果も、表1及び表2に併せて示した。なお、熱インターフェース材の熱伝導率が10W/(m・K)以上あれば、従来技術水準よりも改善されたと判断した。
Figure 2018020932
Figure 2018020932
実施例と比較例の対比から明らかなように、本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物を用いた熱インターフェース材は、優れた熱伝導率を有することがわかる。
本発明の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体は、高い熱伝導性を示し、これを含む樹脂組成物を用いた電気絶縁部材は、プリント配線板の熱インターフェース材として好ましく用いることができる。































Claims (5)

  1. 平均球形度が0.80以上、空隙率が40%以下、タップ密度が1.0g/cm以上、粒子強度が5.0MPa以上である、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体。
  2. 一次粒子の長径と厚さのアスペクト比が10を越え20以下の鱗片状である一次粒子が凝集している、請求項1記載の、六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体。
  3. 平均粒子径が20〜100μmである、請求項1または2記載の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体。
  4. 請求項1〜3いずれか一項記載の六方晶窒化ホウ素一次粒子凝集体を含む樹脂組成物。
  5. 請求項4記載の樹脂組成物を用いた熱インターフェース材。






















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