JP2018016662A - 記録液セット及び記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の均一性に優れ、光沢や密着性にも優れる記録液セット及び記録方法を提供すること。
【解決手段】本発明の記録液セットは、アニオン性分散顔料と、1種以上の有機溶剤と、水とを少なくとも含有する記録インクと、カチオン性樹脂微粒子と、水とを少なくとも含有する処理液と、からなる記録液セットであって、記録インクは、樹脂微粒子を含有しないか、又は、樹脂微粒子を含有する場合は、処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有することを特徴とする。また、本発明の記録方法は、その記録液セットを用いて、記録媒体である非吸水性のフィルムに記録を行うことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、記録液セット及び記録方法に関し、より詳しくは、非吸水性のフィルムに対して好適に用いることができる記録液セット及び記録方法に関する。
特許文献1には、プラスチックフィルムに画像を記録するために、2種類のインクからなるインクセットを用いることが開示されている。
特許第5500410号公報
特許文献1は、インクセットを構成する2種類のインクを、インクジェット法によりプラスチックフィルム上に付与し、それぞれのインクに由来する成分を凝集させて迅速に固着させることにより、滲みによる画像の乱れがなく、印刷直後の耐擦性に優れる印刷物が得られるとしている。
しかるに、特許文献1のインクセットを用いた場合は、インク成分の凝集に伴って記録画像中に斑が形成されるなど平滑性が得られにくく、画像の均一性に更なる改善の余地が見出された。この結果、光沢の低下や、密着性の低下が誘発され易くなることもわかった。
そこで本発明の課題は、画像の均一性に優れ、光沢や密着性にも優れる記録液セット及び記録方法を提供することにある。
また本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
アニオン性分散顔料と、1種以上の有機溶剤と、水とを少なくとも含有する記録インクと、
カチオン性樹脂微粒子と、水とを少なくとも含有する処理液と、
からなる記録液セットであって、
前記記録インクは、樹脂微粒子を含有しないか、又は、樹脂微粒子を含有する場合は、前記処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有することを特徴とする記録液セット。
2.
前記処理液は、有機溶剤を含有しないか、又は、有機溶剤を含有する場合は、前記記録インクに含有される前記有機溶剤の重量濃度未満の重量濃度で含有することを特徴とする前記1記載の記録液セット。
3.
前記処理液に含有される前記カチオン性樹脂微粒子が、ポリウレタン構造を有することを特徴とする前記1又は2記載の記録液セット。
4.
前記記録インクが、前記樹脂微粒子を含有する場合は、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子を含有することを特徴とする前記1〜3の何れかに記載の記録液セット。
5.
前記1〜4の何れかに記載の前記記録液セットを用いて、記録媒体である非吸水性のフィルムに記録を行うことを特徴とする記録方法。
6.
前記記録媒体が、防曇加工が施されたフィルムであることを特徴とする前記5記載の記録方法。
7.
前記処理液により前記記録媒体の表面をプレコートした後、前記記録インクにより該表面に記録を行うことを特徴とする前記5又は6記載の記録方法。
本発明によれば、画像の均一性に優れ、光沢や密着性にも優れる記録液セット及び記録方法を提供することができる。
以下に、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の記録液セットは、記録インクと処理液とにより構成される。
記録インクは、アニオン性分散顔料と、1種以上の有機溶剤と、水とを少なくとも含有する。
処理液は、カチオン性樹脂微粒子と、水とを少なくとも含有する。
更に、記録インクは、樹脂微粒子を含有しないか、又は、樹脂微粒子を含有する場合は、前記処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有する。
かかる記録液セットを用いれば、例えば、処理液によってプレコートした記録媒体の表面に、記録インクによって画像の記録を行うことができる。
このとき、処理液にカチオン性樹脂微粒子を含有させていることにより、記録インク中のアニオン性分散顔料をプレコート上に凝集させて、記録媒体上における記録インクの液寄りを抑制できる。
のみならず、記録インク中のアニオン性分散顔料をプレコート上に凝集させる際に、記録画像中に斑が形成されることなどを防止して、平滑性の低下を防止できる。この理由としては、記録液インク中の樹脂微粒子の重量濃度が、処理液よりも低い(あるいは樹脂微粒子を含まない)ことにより、構造粘性が抑えられ、凝集時の凹凸の形成が緩和されること等が推定される。凝集時に平滑性が保持されることにより、光沢や密着性にも優れる効果が得られる。
本発明の記録液セットは、記録媒体が非吸水性のフィルムである場合に好適に用いられ、例えば、防曇加工が施された非吸水性のフィルムに対して特に有効である。
まず、本発明の記録液セットを構成する記録インクについて詳しく説明する。
記録インクに含有されるアニオン性分散顔料としては、アニオン性の自己分散性顔料や、アニオン性の高分子分散剤により顔料を分散したものを用いることができ、特に、アニオン性の高分子分散剤により顔料を分散したものが好適である。
顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、水分散性顔料、溶剤分散性顔料等何れも使用可能であり、例えば、不溶性顔料、レーキ顔料等の有機顔料および、カーボンブラック等の無機顔料を好ましく用いることができる。これらの顔料は、インク中に高分子分散剤により分散させた状態で存在させて、使用することができる。
不溶性顔料としては、特に限定するものではないが、例えば、アゾ、アゾメチン、メチン、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、キナクリドン、アントラキノン、ペリレン、インジゴ、キノフタロン、イソインドリノン、イソインドリン、アジン、オキサジン、チアジン、ジオキサジン、チアゾール、フタロシアニン、ジケトピロロピロール等が好ましい。
好ましく用いることのできる具体的な顔料としては、以下の顔料が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド222、C.I.ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー15:3、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー155等が挙げられる。特に色調と耐光性のバランスにおいて、C.I.ピグメントイエロー155が好ましい。
また、従来の方法では、特にイエロー用の顔料については、フィルムなどのような非吸水性の媒体に対して記録した際に、顔料による画像記録部と、非記録部との間で、光沢度差が顕著に目立つことが、本発明者の検討において判明した。この課題に関しても、本発明のインクセットを用いることにより、好適に改善することが可能である。
グリーンまたはシアン用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
また、ブラック用の顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7等が挙げられる。
顔料を分散させるために用いる高分子分散剤は、アニオン性であれば格別限定されないが、分子量が5000以上、200000以下のものを好適に用いることができる。
高分子分散剤としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩、ポリオキシアルキレン、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等を挙げることができる。
高分子分散剤は、中和塩基で中和して添加することが好ましい。ここで中和塩基は特に限定されないが、アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン等の有機塩基であることが好ましい。
また、高分子分散剤の添加量は、顔料に対して、10〜100重量%であることが好ましく、10〜40重量%の範囲がより好ましい。
アニオン性分散顔料は、顔料を樹脂で被覆した、いわゆるカプセル顔料の形態を有することが特に好ましい。顔料を樹脂で被覆する方法としては、公知の種々の方法を用いることができるが、例えば、転相乳化法、酸析法、あるいは、顔料を重合性界面活性剤により分散し、そこへモノマーを供給し、重合しながら被覆する方法などを好ましく例示できる。
特に好ましい方法として、水不溶性樹脂を、メチルエチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、さらに塩基にて樹脂中の酸性基を部分的、もしくは完全に中和後、顔料およびイオン交換水を添加し、分散したのち、有機溶剤を除去し、必要に応じて加水して調製する方法を挙げることができる。
記録インク中におけるアニオン性分散顔料の分散状態の平均粒子径は、50nm以上、200nm未満であることが好ましい。これにより、アニオン性分散顔料の安定性を向上でき、記録インクの保存安定性を向上できる。
アニオン性分散顔料の粒子径測定は、動的光散乱法、電気泳動法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることができるが、動的光散乱法による測定が簡便で、且つ上記粒子径領域を精度よく測定できる。
アニオン性分散顔料は、分散剤およびその他所望する諸目的に応じて必要な添加物と共に、分散機により分散して用いることができる。
分散機としては、従来公知のボールミル、サンドミル、ラインミル、高圧ホモジナイザー等を使用できる。中でもサンドミルによる分散により製造されるインクは、粒度分布がシャープであり好ましい。
また、サンドミル分散に使用するビーズの材質は、格別限定されないが、ビーズ破片の生成やイオン成分のコンタミネーションを防止する観点から、ジルコニアまたはジルコンであることが好ましい。さらに、このビーズ径は、0.3mm〜3mmであることが好ましい。
記録インクにおけるアニオン性分散顔料の含有量は、格別限定されないが、1重量%〜15重量%の範囲が好ましい。
記録インクに含有される有機溶剤としては、格別限定されるものではないが、水溶性の有機溶剤が好適である。
水溶性の有機溶剤としては、例えば、アルコール類、多価アルコール類、アミン類、アミド類、グリコールエーテル類、炭素数が4以上である1,2−アルカンジオール類などを好ましく例示できる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール等を好ましく例示できる。
多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等を好ましく例示できる。
アミン類としては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等を好ましく例示できる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等を好ましく例示できる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、およびトリプロピレングリコールモノメチルエーテル等を好ましく例示できる。
炭素数が4以上である1,2−アルカンジオール類としては、例えば、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、および1,2−ヘプタンジオール等を好ましく例示できる。
記録インクは、これら有機溶剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
記録インクは、沸点が、好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上の有機溶剤を1種以上含むことが好ましく、これにより、本発明の効果がより顕著に発揮される。
記録インクにおける有機溶剤の含有量は、格別限定されないが、15重量%〜60重量%の範囲であることが好ましい。
記録インクは、樹脂微粒子を含まないか、又は、樹脂微粒子を含有する場合は、処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有する。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合、かかる樹脂微粒子としては、格別限定されないが、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子、ポリプロピレンなどのポリオレフィン構造を有する樹脂微粒子等を好ましく例示でき、特に、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子が好適である。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合は、該樹脂微粒子として、アニオン性樹脂微粒子を含有することが好ましい。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合、該樹脂微粒子の平均粒子径は、格別限定されないが、10nm〜300nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径は、光散乱方式やレーザードップラー方式を用いた市販の測定装置を使用して簡便に計測することが可能である。また、樹脂微粒子の分散物を凍結乾燥し、透過型顕微鏡で観察される粒子から平均粒子径を換算することもできる。
記録インクが樹脂微粒子を含有する場合は、好ましくは5重量%未満、より好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2重量%未満で、且つ処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有することが好ましい。
また、記録インクに、界面活性剤を含有させることも好ましいことである。これにより、記録インクを記録媒体に付与するに際して、インクジェット法などの液滴吐出法を用いる場合に、吐出安定性を向上することができる。
界面活性剤は、格別限定されず、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、および脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、およびポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤;アルキルアミン塩類、および第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;シリコン系界面活性剤;フッ素系界面活性剤などの1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
記録インクにおける界面活性剤の含有量は、格別限定されないが、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。
記録インクにおける水の含有量は、格別限定されないが、25重量%〜80重量%の範囲であることが好ましい。
次に、本発明の記録液セットを構成する処理液について詳しく説明する。
処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子としては、格別限定されないが、ポリウレタン構造を有するカチオン性樹脂微粒子、ポリプロピレンなどのポリオレフィン構造を有するカチオン性樹脂微粒子等を好ましく例示でき、特に、ポリウレタン構造を有するカチオン性樹脂微粒子が好適である。
カチオン性樹脂微粒子の平均粒子径は、格別限定されないが、10nm〜500nmの範囲であることが好ましい。平均粒子径の測定は、記録インクの樹脂微粒子について上述した方法を用いて行うことができる。
処理液におけるカチオン性樹脂微粒子の含有量は、格別限定されないが、3重量%〜30重量%の範囲であることが好ましい。
処理液は、有機溶剤を含有しないか、又は、有機溶剤を含有する場合は、記録インクに含有される有機溶剤の重量濃度未満の重量濃度で含有することが好ましい。
これにより、特に防曇加工が施された非吸水性のフィルムに対して記録を行う際に、本発明の効果が顕著になる。
防曇加工が施されたフィルムとしては、一般的に、界面活性剤を含有させたフィルムが用いられているが、処理液中の有機溶剤の重量濃度が、記録インクよりも低い(あるいは有機溶剤を含まない)ことにより、フィルムからの界面活性剤のブリードアウトを、より好適に抑制できる。そのため、非吸水性のフィルム、特に防曇加工が施されたフィルムを記録媒体とする場合においても、本発明の効果を好適に発揮できる。また、界面活性剤のブリードアウトを抑制する結果、記録媒体に対する記録インクの濡れ性を安定化できる。特に比較的高沸点の有機溶剤を用いる場合においても、乾燥時に界面活性剤が移動することが抑制され、記録インクが記録媒体上で弾かれることが防止される。
処理液が有機溶剤を含有する場合、例えば、記録インクについて説明された有機溶剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
処理液は、比較的低沸点の有機溶剤を含んでもよいが、比較的高沸点の有機溶剤も、好適に含有することができる。処理液は、例えば、沸点が、好ましくは100℃以上、より好ましくは150℃以上の有機溶剤を1種以上含むことも好ましいことである。
処理液は、有機溶剤を含有する場合は、好ましくは30重量%未満、より好ましくは25重量%未満、最も好ましくは20重量%未満で、且つ記録インクに含有される有機溶剤の重量濃度未満の重量濃度で含有することが好ましい。
また、処理液には、界面活性剤を含有させることも好ましいことである。処理液に含有させる界面活性剤は、例えば、記録インクについて説明された界面活性剤から選ばれる1種又は2種以上を組み合わせて含有することができる。
処理液における界面活性剤の含有量は、格別限定されないが、0.1重量%〜3.0重量%の範囲であることが好ましい。
処理液における水の含有量は、格別限定されないが、40重量%〜95重量%の範囲であることが好ましい。
本発明の記録方法では、以上に説明した本発明の記録液セットを用いて、記録媒体に記録を行う。
記録媒体として、非吸水性のフィルムを好適に用いることができる。非吸水性のフィルムとしては、例えば樹脂フィルムを好ましく例示できる。
樹脂フィルムとしては、例えば公知の樹脂フィルムが使用でき、具体例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンフィルム、ナイロン等のポリアミドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリ乳酸フィルム等の生分解性フィルム等が挙げられる。特にポリオレフィンフィルム、ナイロン等が好ましい。
樹脂フィルムは、未延伸フィルムであってもよいが、1軸又は2軸方向に延伸されたものが好ましい。
樹脂フィルムの表面は、未処理であってもよいが、コロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、フレーム処理、グロー放電処理等の各種処理を施したものであってもよい。
また、非吸水性のフィルムとして、防曇加工が施されたフィルムを用いることも好ましいことである。防曇加工が施されたフィルムとしては、界面活性剤を含有させたフィルムが好適である。
界面活性剤としては、一般に使用される界面活性剤を使用することができ、例えば、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、陽イオン系界面活性剤、両性イオン系界面活性剤等を例示できる。
以上に説明した記録液セットを用いた本発明の記録方法においては、処理液により記録媒体の表面をプレコートした後、記録インクにより該表面に記録を行うことが好ましい。
記録方法の好ましい一例として、例えばローラー塗布法などの液体付与法を用いて、記録媒体の表面に処理液を付与し、乾燥させてプレコートを形成する。次いで、プレコートが形成された記録媒体の表面に、例えばインクジェット法などの液体付与法を用いて、記録インクを付与し、乾燥させて画像を形成することが好ましい。
処理液の記録媒体への付与方法は、格別限定されず、例えば、インクジェット法を用いることも好ましいが、より好ましいのは、インクジェット法以外の方法を用いることである。インクジェット法以外の方法としては、例えば、ローラー塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法などの方法を好ましく例示することができる。
処理液の記録媒体への付与方法として、インクジェット法以外の方法を好ましく用いることができる理由として、処理液によるプレコートの形成領域を自由度高く設定できることが挙げられる。例えば、その後に記録インクにより形成される画像の形成領域と、プレコートの形成領域を一致させてもよいが、より広い範囲にわたってプレコートの形成領域を設定することも好ましいことである。そのため、プレコート形成のための処理液の付与には、インクジェット法のような正確性は必ずしも要求されず、例えばローラー塗布法、カーテン塗布法、スプレー塗布法などのような比較的簡易な液体付与法を好適に用いることができ、これにより生産性を高めることができる。特に、本発明では、処理液により形成されるプレコートと、該プレコート上に記録インクにより形成される画像とで、光沢度差が発生することを防止できるため、プレコートの形成領域を、画像の形成領域よりも広く設定することは、好ましいことである。
そして、処理液の記録媒体への付与方法として、インクジェット法以外の方法を用いることにより、インクジェット法における液滴吐出安定性の制約を受けることなく、処理液の処方を設定することが可能になる。
即ち、特に処理液は、記録インクよりも多くの樹脂微粒子を含有している。その上、処理液は、有機溶剤を、含有しないか又は記録インクよりも少なく含有することが好ましい。インクジェット法における液滴吐出安定性が得られやすい粘度範囲は概ね15mPa・s以下であるが、かかる粘度範囲を達成することは、上記のような処理液の処方の設定において制約となり得る。また、インクジェット法を用いる際に液滴吐出ノズルの乾燥を防止する観点では、インクは概ね15%以上の高沸点有機溶剤を含有することが望ましいが、このことも、上記のような処理液の処方の設定において制約となり得る。インクジェット法以外の方法を用いることにより、このような制約を受けずに、処理液の処方を、記録媒体の種類などに応じて適宜設定できるようになる。
また、処理液の処方を、記録媒体の種類に応じて、本発明の範囲内で設定することは好ましいことであり、これにより、種々の記録媒体に対して汎用性高く記録を行うことができる。あらかじめ複数の処理液を用意しておき、これらの中から、記録媒体の種類に応じて処理液を選択することも好ましいことである。この場合、インクジェット法を用いると、処理液を変更する度にインクジェットヘッドおよび流路の洗浄を行うか、処理液の種類に対応した数のヘッドを装着したシステムが必要になり、生産性が低下したり、システム負荷が大きくなったりする場合があるが、インクジェット法以外の方法を用いることにより、これらを好適に改善することができる。
以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明はかかる実施例により限定されない。
1.インクセットの調製
《インクセット1》
<顔料分散体の調製>
高分子分散剤としてスチレン−アクリル酸共重合体(ジョンクリル678、分子量8500、酸価215)3.0重量%、顔料(ピグメントイエロー155)15重量%、残部としてイオン交換水を加えた混合液をプレミックスした後、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、顔料の含有量が15重量%の顔料分散液を調製した。この顔料分散体に含まれる顔料粒子の平均粒子径は、122nmであった。なお、粒径測定はマルバーン社製ゼータサイザ1000HSにより行った。
<記録インクの調製>
上記調製した顔料分散体の26.7重量部を撹拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インクを得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。調製した記録インクの25℃における粘度は、5.2mPa・sであった。
・顔料分散体 26.7重量部
・エチレングリコール 24.0重量部
・プロピレングリコール 10.0重量部
・シリコン系界面活性剤(信越化学工業製「KF−351A」) 0.3重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 60.0重量部(固形分18.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット2》
<記録インクの調製>
上記調製した顔料分散体の26.7重量部を撹拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インクを得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。調製した記録インクの25℃における粘度は、5.1mPa・sであった。
・顔料分散体 26.7重量部
・樹脂微粒子A−1;アニオン性ウレタンエマルジョン、粒子径40nm、固形分濃度35重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス210」) 4.3重量部(固形分1.5重量部)
・エチレングリコール 24.0重量部
・プロピレングリコール 8.2重量部
・シリコン系界面活性剤(信越化学工業製「KF−351A」) 0.3重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
<処理液の調製>
インクセット1と同様の処理液を用いた。
《インクセット3》
<記録インクの調製>
上記調製した顔料分散体の26.7重量部を撹拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インクを得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。調製した記録インクの25℃における粘度は、5.3mPa・sであった。
・顔料分散体 26.7重量部
・樹脂微粒子A−1;アニオン性ウレタンエマルジョン、粒子径40nm、固形分濃度35重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス210」) 11.4重量部(固形分4.0重量部)
・エチレングリコール 24.0重量部
・プロピレングリコール 6.8重量部
・シリコン系界面活性剤(信越化学工業製「KF−351A」) 0.3重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
<処理液の調製>
インクセット1と同様の処理液を用いた。
《インクセット4》
<記録インクの調製>
インクセット3と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 16.7重量部(固形分5.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット5》
<記録インクの調製>
インクセット2と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 60.0重量部(固形分18.0重量部)
・エチレングリコール 22.0重量部
・プロピレングリコール 7.4重量部
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット6》
<記録インクの調製>
インクセット2と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−2;カチオン性ポリオレフィンエマルジョン、粒子径70nm、固形分濃度27重量%(ユニチカ製「アローベース」) 66.7重量部(固形分18.0重量部)
・エチレングリコール 26.0重量部
・プロピレングリコール 9.0重量部
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット7》
<記録インクの調製>
上記調製した顔料分散体の26.7重量部を撹拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インクを得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。調製した記録インクの25℃における粘度は、5.2mPa・sであった。
・顔料分散体 26.7重量部
・樹脂微粒子A−2;アニオン性ポリオレフィンエマルジョン、粒子径(未測定)、固形分濃度30重量%(日本製紙製「アウローレンAE−301」) 5.0重量部(固形分1.5重量部)
・エチレングリコール 24.0重量部
・プロピレングリコール 8.2重量部
・シリコン系界面活性剤(信越化学工業製「KF−351A」) 0.3重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 60.0重量部(固形分18.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット8》
<記録インクの調製>
インクセット2と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−2;カチオン性ポリオレフィンエマルジョン、粒子径70nm、固形分濃度27重量%(ユニチカ製「アローベース」) 66.7重量部(固形分18.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット9》
<記録インクの調製>
インクセット3と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 11.7重量部(固形分3.5重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット10》
<記録インクの調製>
上記調製した顔料分散体の26.7重量部を撹拌しながら、下記に示す各添加剤を順次添加して、インク組成物を調製した後、0.8μmのフィルターによりろ過して記録インクを得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。調製した記録インクの25℃における粘度は、5.1mPa・sであった。
・顔料分散体 26.7重量部
・樹脂微粒子A−1;アニオン性ウレタンエマルジョン、粒子径40nm、固形分濃度35重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス210」) 14.3重量部(固形分5.0重量部)
・エチレングリコール 24.0重量部
・プロピレングリコール 5.3重量部
・シリコン系界面活性剤(信越化学工業製「KF−351A」) 0.3重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子B−1;カチオン性ウレタンエマルジョン、粒子径20nm、固形分濃度30重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス620」) 16.6重量部(固形分5.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インクセット11》
<記録インクの調製>
インクセット2と同様の記録インクを用いた。
<処理液の調製>
下記に示す各添加剤を撹拌しながら順次添加して処理液を調製した後、5.0μmのフィルターによりろ過して処理液を得た。なお、ろ過前後で、実質的な組成変化はなかった。
・樹脂微粒子A−1;アニオン性ウレタンエマルジョン、粒子径40nm、固形分濃度35重量%(第一工業製薬製「スーパーフレックス210」) 51.4重量部(固形分18.0重量部)
・アセチレングリコール系界面活性剤 1.0重量部
・イオン交換水 全量が100重量部となる量
《インク1》
インク1として、インクセット2の記録インクと同様のインクを、処理液と併用せず、単独使用した。
2.インクセットの評価
上記調製したインクセット1〜11及びインク1について、下記の方法に従って各評価を行った。
(1)印画サンプルの作製
ローラー塗布法により、記録媒体に対してインクセットの処理液を70×70mmのサイズに塗工量3g/mの条件で塗布し、プレコートを形成した。
次いで、ドロップオンデマンドピエゾ方式のインクジェットヘッド(ノズル数1024(512×2列)、ノズル間隔70.5μm(141μm×2列))を搭載したインクジェットプリンタにより、インクセットの記録インクを、ヘッド走査速度500mm/秒、インク液滴体積42pl、記録密度360×360dpiの条件で、処理液が付与された記録媒体上(プレコート上)の一部に45×45mmの正方形画像を1走査で記録した。本明細書でいうdpiとは、2.54cmあたりのドット数を表す。
なお、インク1については、プレコートの形成を省略し、記録媒体上に直接、45×45mmの正方形画像を1走査で記録した。
記録媒体としては、両面防曇加工、コロナ処理済みの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(フタムラ化学製)(以下、防曇加工PPフィルムと称する場合がある。)及び、両面コロナ処理済みの2軸延伸ナイロンフィルム(東洋紡製)(以下、単にナイロンフィルムと称する場合がある。)の両方について試験した。
以上のようにして正方形画像が形成された印画サンプルについて、記録画像の均一性、印画部と非印画部の光沢度差および記録画像の耐擦性を評価した。
(2)記録画像の均一性評価
上記印画サンプルについて、形成画像における斑の発生状態を目視評価し、下記の基準に従って均一性の評価を行った。
<評価基準>
◎:斑の発生が全く認められず、良好な品質である
〇:部分的に斑が見られるが、実用上可能な範囲である
×:全面に斑が発生し、実用上好ましくない品質である
上記評価基準において、◎〜○が実用上好ましい範囲である。
なお、記録画像の均一性は、記録媒体が防曇加工PPフィルムの場合もナイロンフィルムの場合も同様の結果となった。
(3)印画部と非印画部の光沢度差の評価
上記印画サンプルについて、日本電色工業株式会社製の変角光沢度計(VGS−1001DP)を用いて光沢度を測定した。なお、入射及び反射角は20°で測定した。
ここで、処理液により形成されたプレコートのみ(非印画部)の光沢度と、該プレコート上に記録インクにより形成された画像(印画部)の光沢度をそれぞれ測定した。非印画部を100%としたときの印画部の光沢度(%)を求め、これらの差(非印画部の光沢度−印画部の光沢度)を光沢度差(%)とした。
また、光沢度差(%)に基づいて、下記の基準に従って評価した。
<評価基準>
◎:光沢度差(絶対値)が1%以下である
〇:光沢度差(絶対値)が3%以下である
×:光沢度差(絶対値)が3%より大きい
上記評価基準において、◎〜○であれば、印画部と非印画部との間の光沢度差による違和感がなく、実用上好ましい範囲である。
なお、光沢度差は、記録媒体が防曇加工PPフィルムの場合もナイロンフィルムの場合も同様の結果となった。
また、インクセット11及びインク1により得られた印画サンプルは、インク滴の液寄りにより均一なインク層が得られず、光沢度差の評価が不可能であった。
(4)耐擦性の評価
上記印画サンプルについて、23℃、55%相対湿度条件で12時間放置後、画像を乾いた木綿(カナキン3号)で擦り、下記基準に従って耐擦性を評価した。
耐擦性1として、記録媒体が防曇加工PPフィルムの場合について評価し、耐擦性2として、記録媒体がナイロンフィルムの場合について評価した。
<評価基準>
◎:50回以上擦っても木綿への転写が見られず画像にも変化が見られない
〇:50回以上擦ることで木綿への転写が若干あるが画像への変化は見られない
△:20〜50回擦る間に、画像へ傷がつき記録媒体が露出する
×:20回未満擦る間に、画像へ傷がつき記録媒体が露出する
上記評価基準において、◎〜○が実用上好ましい範囲である。
以上の評価結果を表1及び表2に示す。
Figure 2018016662
Figure 2018016662


Claims (7)

  1. アニオン性分散顔料と、1種以上の有機溶剤と、水とを少なくとも含有する記録インクと、
    カチオン性樹脂微粒子と、水とを少なくとも含有する処理液と、
    からなる記録液セットであって、
    前記記録インクは、樹脂微粒子を含有しないか、又は、樹脂微粒子を含有する場合は、前記処理液に含有されるカチオン性樹脂微粒子の重量濃度未満の重量濃度で含有することを特徴とする記録液セット。
  2. 前記処理液は、有機溶剤を含有しないか、又は、有機溶剤を含有する場合は、前記記録インクに含有される前記有機溶剤の重量濃度未満の重量濃度で含有することを特徴とする請求項1記載の記録液セット。
  3. 前記処理液に含有される前記カチオン性樹脂微粒子が、ポリウレタン構造を有することを特徴とする請求項1又は2記載の記録液セット。
  4. 前記記録インクが、前記樹脂微粒子を含有する場合は、ポリウレタン構造を有する樹脂微粒子を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の記録液セット。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の前記記録液セットを用いて、記録媒体である非吸水性のフィルムに記録を行うことを特徴とする記録方法。
  6. 前記記録媒体が、防曇加工が施されたフィルムであることを特徴とする請求項5記載の記録方法。
  7. 前記処理液により前記記録媒体の表面をプレコートした後、前記記録インクにより該表面に記録を行うことを特徴とする請求項5又は6記載の記録方法。
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