JP2018011520A - 育苗容器 - Google Patents

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【課題】移植後に枯れにくい植物マットを生産することができ、特に、異種植物マットの生産に適した育苗容器を提供する。【解決手段】第一の方向に伸びる凹条部111と凸条部112とが交互に連続する底面11と、前記底面11を取り囲む側壁12を有し、前記底面の総面積(S1)が、水平方向における断面積(S0)の1.2倍以上2.0倍以下であり、前記凹条部111が排水用穴113、前記凸条部112が換気用穴114を備える育苗容器。【選択図】図1

Description

本発明は、植物マットを生産するための育苗容器に関する。
都市部での緑化において、単一種による人工的な植生ではなく、複数の植物種が共存する豊かな自然植生を導入することが求められている。この際、雑草の侵入や病気の発生を防ぎ、生長速度を速めるために、複数種の植物を予め育苗容器で育苗し、根を絡み合わせてマット状にした異種植物マットを移植することが行われている。例えば、特許文献1には、自然植生を有する場所から採取した種子含有土壌から発芽生長させた複数の植物を有する緑化用野草マットが提案されている。また、特許文献2には、異種植物を組み合わせて移植した植生ブロックマットが提案されている。
しかし、複数種の植物からなる異種植物マットは、単一種の植物からなる植物マットと比べると、移植した植物が枯れやすいという問題がある。移植した植物が枯れてしまうと、緑化部分の美観を維持するために、雑草の駆除や、異種植物マットの張り直しが必要であり、当初予定よりもメンテナンスコストが高くなってしまう。
本発明者らは、異種植物マットが、移植後に枯れやすい原因について鋭意研究した結果、次のことを発見した。
異種植物マットは、複数種の植物からなるため、それらの中には、根の生長が遅い植物種(以下、遅生長種21という。)と、根の生長が早い植物種(以下、早生長種22という。)とが存在する。そのため、遅生長種21と早生長種22を、平坦な底面を有する従来の育苗容器内で同時に育苗すると、早生長種22の根が遅生長種21の根より先に伸長する(図5A)。
その後、早生長種22の根が、育苗容器の底面51に到達するまで生長しても、遅生長種21の根はまだ十分に発達しておらず、底面51に達していない(図5B)。この段階では、各植物の根が十分に絡み合っておらず、育苗容器から植物マットを取り出すことができないため、育苗を継続する必要がある。
遅生長種21の根が生長して早生長種22の根と絡みあい、育苗容器から異種植物マットを取り出せる頃には、早生長種22の根は、育苗容器の底面51を覆っており、いわゆる「根巻き」した状態になってしまう(図5C)。
この状態の異種植物マットは、根巻きにより水はけが悪く、根腐れが起こりやすい。また、遅生長種21の根は、育苗容器底面51を覆う早生長種22の根に阻まれて、移植先の土壌に伸長しにくく、早生長種22の根は、根巻きにより先端が上方を向いてしまい、下方に伸長しにくい。すなわち、異種植物マットは、根巻きにより根腐れが起こりやすく、遅生長種21、早生長種22ともに、根が移植先の土壌に向けて伸長しにくく移植先の土壌から十分な栄養、水分を得ることができないため、単一種の植物からなる植物マットと比べて枯れやすい。
特開2000−303472号公報 特開2006−006173号公報
本発明は、移植後に枯れにくい植物マットを生産することができ、特に、異種植物マットの生産に適した育苗容器を提供することを課題とする。
1.第一の方向に伸びる凹条部と凸条部とが交互に連続する底面と、
前記底面を取り囲む側壁を有し、
前記底面の総面積(S1)が、水平方向における断面積(S0)の1.2倍以上2.0倍以下であり、
前記凹条部が排水用穴、前記凸条部が換気用穴を備えることを特徴とする育苗容器。
2.前記底面の第一の方向と直交する第二の方向における断面形状が、三角波状であることを特徴とする1.に記載の育苗容器。
3.前記側壁が、
前記凹条部、前記凸条部のいずれか、または両方の位置を示す指示構造を備えることを特徴とする1.または2.に記載の育苗容器。
4.複数種の植物を同時に育苗することを特徴とする1.〜3.のいずれかに記載の育苗容器。
本発明の育苗容器は、底面が凹条部と凸条部とを備えており、底面の総面積が水平方向断面積より大きい。本発明の育苗容器は、平坦な底面を有する従来の育苗容器と比較して底面の総面積が大きいため、植物の根が底面を覆うのに時間がかかり、育苗中に根巻きが生じにくい。
本発明の育苗容器は、凹条部に排水用穴、凸条部に換気用穴を備えており、水はけと通気性とに優れ、育苗する植物の根腐れが生じにくい。また、本発明の育苗容器は、育苗する植物の根の生長が早く、根が絡み合ってマット状に取り出せるまでの期間が短いため、植物マットを効率的に生産することができる。
育苗容器の最も隣接する排水用穴の間に換気用穴が存在せず、最も隣接する換気用穴の間に排水用穴が存在しないことにより、土壌を充填して重くなった育苗容器を持ち上げても、育苗容器の変形や破断を防ぐことができる。
本発明の育苗容器底面の第一の方向と直交する第二の方向における断面形状が、三角波状であると、植物の根は波形の底に向けて斜め下方に伸長する。根の先端が下方に向いている状態で移植することにより、根が移植先の土壌に向けてスムーズに伸長することができるため、植物マットが移植後の土壌に素早く定着することができ、移植後に枯れにくい。また、本発明の育苗容器で生産した植物マットは、底面が凹凸であり、移植先の地面と広い面積で接することができるため、移植後に剥がれにくく、養生期間を短くすることができる。
本発明の育苗容器は、異種植物マットの生産に適している。底面の凸条部上方で早生長種、凹条部上方で遅生長種を育苗すると、早生長種の根は、育苗容器底面の斜面に沿って凹条部へ向けて伸長し、長い距離を真っ直ぐ伸長するため、折れ曲がった根が育苗容器底面を覆うのにかかる時間が長くなる。早生長種の根が底面を覆う前に、遅生長種の根が底面に到達すると、早生長種、遅生長種の両方の根が移植先の土壌に向けて伸長して水分や栄養素を吸収することができるため、移植後の異種植物マットが枯れにくい。
また、複数の植物種を、それぞれの根が異なる凹部に向けて伸長するように植えることにより、育苗期間中の根の接触を防ぐことができる。必要な栄養素が共通し、互いに競合するような相性の悪い植物種であっても、本発明の育苗容器を用いて根圏を制限・分離することにより、異種植物マットとすることができる。
容器側壁に凹条部、凸条部のいずれか、または両方の位置を示す指示構造を備える育苗容器は、容器土壌を充填した後であっても、凹条部、凸条部のいずれか、または両方の位置を容易に知ることができる。そのため、底面、側面を確認することなく、根が伸長する範囲を想定しながら移植することができる。
本発明の育苗容器で生産される異種植物マットは、他の植物種が存在する環境下で育苗されており、近接する植物に対して馴養されている。異種植物同士は、アレロパシーと呼ばれる他感作用や、土壌中の菌類等を通じて、互いに拮抗しあっているが、同一環境下で育苗し、異種植物マットとしてそのまま移植することにより、移植後のストレスが緩和され、枯れにくい。
本発明の育苗容器の第一の実施態様を示す図。 第一の実施態様である育苗容器を用いて、遅生長種と早生長種とを育苗する様を示す図。 第一の実施態様である育苗容器を用いて、相性の悪い植物種を育苗する様を示す図。 本発明の育苗容器の第二の実施態様を示す図。 従来の育苗容器を用いて、遅生長種と早生長種とを育苗する様を示す図。
本発明は、植物マットを生産するための育苗容器に関する。
本発明の育苗容器の第一の実施態様を図1に示す。
第一の実施態様である育苗容器1は、底面11と側壁12を有する一辺が約25cmの正四角形である。底面11は、第一の方向に伸びる凹条部111と凸条部112とが交互に連続しており、第一の方向と直交する第二の方向における底面の断面形状は、直角二等辺三角形が連続する三角波である。底面11は、三角波の周期が2cm、凹条部111の深さが4.5cm、凸条部112の深さが3.5cmである。
凹条部111は排水用穴113、凸条部112は換気用穴114を備え、最も隣接する二つの排水用穴113の間に換気用穴114が存在せず、最も隣接する二つの換気用穴114の間に排水用穴113が存在しない。側壁12は、上部に凸条部112の位置を示す指示構造である突起121を備える。
底面11の総面積(S1)は、断面形状である直角二等辺三角形の直角に隣接する2つの辺の長さ、水平方向における断面積(S0)は、断面形状である直角二等辺三角形の斜辺の長さに比例するため、S1は、S0の約1.41倍(=2/√2)である。なお、底面の断面形状が三角波である本発明の育苗容器において、三角波一周期の形状は、直角二等辺三角形に限定されない。
本発明の育苗容器の平面形状は特に制限されないが、生産した植物マットを移植先に隙間なく敷き詰められる形状であることが好ましい。すなわち、正三角形、直角三角形、二等辺三角形等の全ての三角形、正四角形、長方形、菱型、平行四辺形、台形等の全ての四角形、正六角形、平行六角形等の六角形、および、これらの対応する箇所にそれぞれ嵌合する凹凸を有する形状等が挙げられる。これらの中で、生産時、運搬時、敷設時の効率性、作業性の点から、正四角形、正六角形が好ましい。
本発明の育苗容器の面積は、運搬時や移植時の作業性の点から、100cm以上10,000cm以下が好ましく、400cm以上2,500cm以下がより好ましい。
本発明の育苗容器の深さは、根が伸長するスペースや重さの点から凹条部部分で2cm以上10cm以下が好ましく、3cm以上8cm以下がより好ましく、4cm以上7cm以下がさらに好ましい。
底面の断面形状が三角波である本発明の育苗容器において、底面の三角波の周期は、1cm以上10cm以下が好ましく、2cm以上8cm以下がより好ましい。周期が1cm未満であると、凹凸が細かくなりすぎて、排水用穴、換気用穴の形成の手間が大きくなる。また、凸条部と隣接する凹条部とを接続する斜面が短くなり、根が下向きに伸長できる距離が短くなる。周期が10cmより大きいと、凹条部が少なくなり、多くの植物の根が凹条部に集中して凹条部で根巻きが生じやすくなる。
本発明の育苗容器において、底面の総面積(S1)は、水平方向における断面積(S0)の1.2倍以上2.0倍以下である。底面の総面積(S1)が、水平方向における断面積(S0)の1.2倍未満であると、底面積が小さく、植物の根で底面全面が覆われやすくなる。底面の総面積(S1)が、水平方向における断面積S0の2.0倍より大きいと、底面形状が細かくなりすぎて、排水用穴、換気用穴の形成に手間がかかり、また、根が下向きに伸長できる距離が短くなる。底面の総面積(S1)は、水平方向における断面積(S0)の1.25倍以上1.8倍以下が好ましく、1.3倍以上1.6倍以下がより好ましい。
本発明の育苗容器において、排水用穴と換気用穴の大きさ、個数、間隔は、育苗する植物が乾燥条件、湿潤条件のいずれを好むかに応じて、適宜調整することができる。
最も隣接する二つの排水用穴の間に換気用穴が、最も隣接する二つの換気用穴の間に排水用穴が存在すると、換気用穴、排水用穴が同一直線上に切り取り線のように並んで存在するため、育苗容器を持ち上げた際に、土壌や植物の重みで破断してしまう場合がある。第一の実施態様である育苗容器は、最も隣接する二つの排水用穴の間に換気用穴が存在せず、最も隣接する二つの換気用穴の間に排水用穴が存在しないため、強度に優れており、持ち上げた際の変形や破断を防止することができる。
指示構造は、凸条部、凹条部のいずれか、または両方の位置を示すものである。指示構造の具体的な構成は特に限定されず、突起、穴、窪み、文字等を用いることができる。凹凸の存在を視覚から容易に理解できるため、凸条部の位置を突起、凹状部の位置を窪みにより示すことが好ましい。
本発明の育苗容器は、底面積が広く、通気性、水はけに優れているため、根巻き、根腐れが生じにくい植物マットを生産することができる。本発明の育苗容器は、単一の植物種を育苗することもできるが、特に、複数種の植物を同時に育苗する用途に適している。
以下、第一の実施態様である育苗容器1を用いて遅生長種21と早生長種22とを育苗する方法を説明する。
第一の実施態様である育苗容器1で育苗する複数種の植物は、特に制限されず、移植先の温度、湿度、日照等の環境条件に応じ、適宜選択することができる。なお、同一の環境を好む植物種であっても、本来の生息地が異なる植物種を選択すると、ある植物種の予期せぬアレロパシーにより、他の植物種の生育が阻害される可能性があるため、本来の生息地が同一であり、自然環境中で共存している植物種を選択することが好ましい。また、外来種や、在来種であっても移植先の自然環境下には生息していない種は、飛散した種が周辺で発芽、生長することにより、地域本来の生態系を乱すことが懸念されるため、移植先に生息している地域的在来種を選択することが好ましい。
芝生関係など相性の良い植物の組み合わせは、コンパニオンプランツと称される。また、栄養素が競合して生長阻害の関係になるなど相性の悪い植物の組み合わせもある。緑化材料の提供、造園設計上、植物の相性に関わらず植生群を作る必要があり、本発明の育苗容器を用いて生産した異種植物マットを用いることにより、狭い環境で多様で安定的な植生を創造することができる。
育苗する植物としては、例えば、テイカカズラ、ツボスミレ、カンアオイ、サクラソウ、ニリンソウ等の双子葉類、ヤブラン、ナキリスゲ、ウラシマソウ、ハナミョウガ、キツネノカミソリ等の単子葉類、ベニシダ、イノデ、トウゴクシダ、オニヤブソテツ、ホソバカナワラビ等のシダ植物、ギンゴケ、ハリガネゴケ、ヒョウタンゴケ、アオギヌゴケ、スナゴケ、ゼニゴケ等のコケ植物等が挙げられる。
上記した各植物群は、異なる構造の根を有する。双子葉類の根は、太い主根とこの主根から伸びる細い側根を有し、主根は深くまで伸長する。単子葉類の根は、ひげ根と呼ばれているように、細い根が広がり、深く伸長しにくい。シダ植物は、一般に地下茎と根とを有し、根はあまり深く伸長しない。コケ植物は、厳密には根ではない植物体を固定する仮根を有し、仮根はあまり深く伸長しない。なお、本明細書において、「根」とは、植物体の地下部全体を意味する。
植物の根は、水や養分を吸収するだけでなく、呼吸を行っている。本発明の育苗容器は、凹条部が排水用穴、凸条部が換気用穴を有するため、水はけに優れ、かつ、根の呼吸に必要な空気を土壌に供給することができる。そのため、本発明の育苗容器は、平坦な底面を有する育苗容器と比較して育苗する植物の根毛が発達しやすく、健康で丈夫な苗を育てることができる。また、仮に、下方に位置する排水用穴が、伸長した植物の根により塞がれても、上方に位置する換気用穴は植物の根で目詰りしにくいため、根腐れが生じにくい。
育苗容器1に、培養土(ピートモス 20%、バーミュキューライト 15%、赤土 30%、泥炭 10%、腐葉土 5%、珪藻土(粒) 10%、パーライト 5%、炭 5%)等の土壌を充填し、複数種の植物の幼苗を移植する(図2A)。
この際、根の生長が遅い遅生長種21を凹条部111上に、根の生長が早い早生長種22を凸条部上112に移植する。育苗する複数種の植物は、予め同一条件下で育苗し、所定期間経過後に掘り出して根の生長を確認して、遅生長種と早生長種とに区分けしておくことが好ましい。事前に根の生長試験を行うことが困難な場合は、根があまり深く伸長しない単子葉類、シダ植物、コケ植物を遅生長種21、主根が深くまで伸長する双子葉類を早生長種22に区分けすることもできる。また、土壌には、幼苗を移植するのではなく、種を播種することもできる。
第一の実施態様である育苗容器1は、側壁12上方に凸条部の位置を示す突起121を有する。そのため、育苗容器の底面11、側面を確認することなく、凹条部111上に遅生長種21、凸条部112上に早生長種22を移植することができる。
本発明の育苗容器で複数種の植物の育苗を行うと、早生長種22の根が遅生長種21の根より早く生長し、凸条部112に達する(図2B)。
この段階では、遅生長種21の根は十分に伸長しておらず、各植物の根が絡み合っていないため、育苗容器1から異種植物マットとして取り出すことはできない。
育苗を続けると、早生長種22の根は、斜面に沿って下方に伸長し、また、遅生長種21の根も伸長して、早生長種と遅生長種の互いの根が接触し始める(図2C)。
さらに育苗を続けると、早生長種22の根と遅生長種21の根が絡み合い、育苗容器1から異種植物マットとして土壌と共に取り出すことができる(図2D)。
育苗は、早生長種22の根が、凹条部111に達するまで行い、早生長種22の根が凹条部111に達した後は、できるだけ早く移植することが好ましい。早生長種22の根が凹条部111に達したかは、凹条部111が備える排水用穴113から根が外部に伸長しているか視認することにより容易に判別できる。早生長種22の根が凹条部111に達するまで育苗を行うと、育苗容器の底面形状を転写した底面が凹凸形状である異種植物マットを生産することができる。底面が凹凸形状である異種植物マットは、移植先の土壌と広い面で接触できるため、移植直後に風等で剥がれにくく、養生期間を短くすることができる。
本発明の育苗容器で生産した異種植物マットは、早生長種22の根が主として下方、または側方を向いており、移植先の土壌に向けて伸長しやすい。また、底面が早生長種22の根で覆われていないため、遅生長種21の根が早生長種22の根の間を通って下方に向けて伸長することができる。そのため、本発明の育苗容器で生産した異種植物マットは、早生長種、遅生長種ともに、根が移植先の土壌に向けて伸長しやすく、移植先の土壌と素早く馴染むことができる。また、早生長種と遅生長種とは、同一の育苗容器内で馴養されながら育苗され、そのままの状態で異種植物マットとして移植されるため、移植の環境変化によるストレスを低減することができる。
本発明の育苗容器で生産した異種植物マットは、移植先の土壌に根が伸長して水分、栄養分を吸収することができ、移植後の環境変化への対応力が高いため、枯死しにくい。
本発明の育苗容器は、凹条部により根が伸長する範囲を誘導することができる。そのため、必要とする栄養素が共通し、土壌中の栄養を互いに取り合ってしまう相性の悪い植物種であっても、異種植物マットを生産することができる。なお、このような相性の悪い植物種は、従来の育苗容器では同時に育苗すると、両者とも栄養素が不足して十分に生長せず、異種植物マットとすることが非常に困難であった。
図3に、第一の実施態様である育苗容器1を用いて3種の植物種31〜33を育苗する様を示す。図3に示す3種の植物種において、第一の植物種31と第三の植物種33は必要とする栄養素が共通しているため相性が悪く、第二の植物種32は、第一の植物種31、第三の植物種33のどちらとも相性が良いものとする。
第一〜第三の植物種31〜33は、それぞれの根が異なる凹条部111a〜cに向けて伸長している。本発明の育苗容器1を用い、第一の植物種31と第三の植物種33の根圏を、制限・分離することにより、相性の悪い植物種であっても同一の育苗容器1で同時に育苗することができる。
第一の植物種31と第三の植物種33との間には、両者と相性の良い第二の植物種32が植えられている。第二の植物種32の根により、第一の植物種31と第三の植物種33の根が接触することを妨げることができる。また、第二の植物種32の根が、第一、第三の植物種31、33の根のそれぞれと絡み合うことにより、異種植物マットとして育苗容器1から取り出すことができる。
図4に、本発明の育苗容器の第二の実施態様を示す。なお、第二の実施態様において、第一の実施態様と同一構造には同一符号を付す。
第二の実施態様である育苗容器4は、第一の方向と直交する第二の方向における断面が三角波の一種ある鋸歯状波であり、直角三角形が連続している。
第二の実施態様において、鋸歯状波の直角三角形の斜面と底面とのなす角(α)の大きさは15度である。底面の総面積(S1)は、断面形状である直角三角形の斜辺と高さの合計、水平方向における断面積(S0)は、断面形状である直角三角形の底辺の長さに比例するため、S1は、S0の約1.39倍(=(1+sin15)/cos15))である。
第二の実施態様の育苗容器4は、凸条部112の直上に早生長種22を移植すると、理論上は、根の半分が凸条部112のすぐ下方に位置する凹条部111へ、もう半分が近接する凹条部111へ斜辺に沿って伸長する。そのため、第二の実施態様の育苗容器は第一の実施態様の育苗容器よりも、早く凹条部111に備えられた排水用穴113から根を視認することができる。
通常、異種植物マットは、育苗容器ごと出荷され、現場で育苗容器から取り外されて移植先に張られる。出荷から現場で張られるまでは、数日の時間差が存在し、たとえ暗所に保管しても、その間に根が伸長してしまう。第二の実施態様の育苗容器4は、排水用穴113から根が視認できた状態で出荷すれば、出荷時には根が十分に絡み合っていなくても、現場で保管されている間に根が絡み合い、育苗マットとして取り外すのに適した状態となる。
本発明の育苗容器は、上記第一、および第二の実施態様に限定されない。例えば、底面の形状は、正弦波状、矩形波状とすることもできる。
1 第一実施態様の育苗容器
11 底面
111 凹条部
112 凸条部
113 排水用穴
114 換気用穴
12 側壁
121 突起

21 遅生長種
22 早生長種

31 第一の植物種
32 第二の植物種
33 第三の植物種

4 第二実施態様の育苗容器

51 従来の育苗容器の底面

Claims (4)

  1. 第一の方向に伸びる凹条部と凸条部とが交互に連続する底面と、
    前記底面を取り囲む側壁を有し、
    前記底面の総面積(S1)が、水平方向における断面積(S0)の1.2倍以上2.0倍以下であり、
    前記凹条部が排水用穴、前記凸条部が換気用穴を備えることを特徴とする育苗容器。
  2. 前記底面の第一の方向と直交する第二の方向における断面形状が、三角波状であることを特徴とする請求項1に記載の育苗容器。
  3. 前記側壁が、
    前記凹条部、前記凸条部のいずれか、または両方の位置を示す指示構造を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の育苗容器。
  4. 複数種の植物を同時に育苗することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の育苗容器。
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