JP2018009669A - 転がり軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】径方向の荷重の他に軸方向の荷重も作用する転がり軸受において、クリープを抑制すると共に、転がり軸受が相手部材に接触することで、この相手部材に生じる接触面圧を低減する。【解決手段】転がり軸受7は、内輪11と、外輪12と、複数の玉13と、保持器14とを備え、内輪11が回転輪であり外輪12が固定輪である。外輪12が取り付けられるハウジング2との嵌め合い面22に、クリープ抑制用の環状溝32が形成されている。環状溝32の軸方向一方側及び軸方向他方側それぞれにハウジング2に接触可能となる円筒面36a,37aが形成されている。外輪12及び内輪11に軸方向荷重が作用することによって玉13が外輪12に接触する側となる軸方向一方側の円筒面36aは、軸方向他方側の円筒面37aよりも軸方向に長い。【選択図】 図1

Description

本発明は、転がり軸受に関する。
各種産業機器には多くの転がり軸受が用いられている。転がり軸受は、内輪、外輪、これら内輪と外輪との間に介在している複数の転動体、及びこれら転動体を保持する保持器を備えている。例えば、図4に示すように、ハウジング97内の回転軸99を支持する転がり軸受90では、内輪91が回転軸99に外嵌して取り付けられており、外輪92がハウジング97の内周面98に取り付けられている。
このような転がり軸受90では、内輪91と回転軸99とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられるのに対して、外輪92とハウジング97とは「すきま嵌め」の状態で組み立てられることが多い。このため、回転軸99が回転している使用状態で、外輪92とハウジング97との間においてクリープ(ハウジング97に対する外輪92の周方向の滑り)が発生しやすい。
そこで、外輪92の外周面94の中央にクリープ発生を抑制するための環状溝93を形成した転がり軸受が提案されている(特許文献1参照)。この転がり軸受90によれば、径方向(ラジアル方向)の大きな荷重が作用している場合に発生しやすいクリープを抑制することが可能となる。なお、このような荷重が作用している場合に発生しやすいクリープは、軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪92が滑るクリープである。
特開2006−322579号公報
前記のとおり、外輪92の外周面94に環状溝93を形成することで、径方向の大きな荷重が作用した場合に発生する前記クリープを抑制することが可能となる。しかし、転がり軸受90には、径方向の荷重のみならず、軸方向の荷重が作用する場合もある。この場合、玉95は外輪92の軌道溝92aに対して軸方向一方側に偏った位置Pで接触し(図5参照)、外輪92は、軸方向他方側よりも軸方向一方側において大きな転動体荷重を受けることになる。
このため、ハウジング97において外輪92が接触することで生じる面圧は、図5に示すように、軸方向一方側で高くなる。ハウジング97に生じる接触面圧が高い状態で外輪92が少しでもクリープすると、接触面圧が高くなっている部分でハウジング97が摩耗するおそれがある。特に外輪92が軸受鋼等であるのに対して、ハウジング97がアルミ合金製等のように比較的摩耗しやすい材料である場合、何らかの対策が必要となる。
そこで、本発明は、径方向の荷重の他に軸方向の荷重も作用する転がり軸受において、クリープを抑制すると共に、転がり軸受が相手部材に接触することで、この相手部材に生じる接触面圧を低減することを目的とする。
本発明は、内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であり他方が固定輪である転がり軸受であって、前記固定輪が取り付けられる相手部材との嵌め合い面に、クリープ抑制用の環状溝が形成されており、前記環状溝の軸方向一方側及び軸方向他方側それぞれに前記相手部材に接触可能となる円筒面が形成されており、前記固定輪及び前記回転輪に軸方向荷重が作用することによって前記転動体が当該固定輪に接触する側となる軸方向一方側の前記円筒面は、軸方向他方側の前記円筒面よりも軸方向に長い。
この転がり軸受によれば、固定輪に環状溝が形成されていることで、固定輪の弾性変形に起因する相手部材との間の相対滑りの発生を抑えることができ、クリープを抑制することが可能となる。更に、径方向の荷重と軸方向の荷重とが共に転がり軸受に作用した場合に、固定輪において、転動体荷重が大きく作用する軸方向一方側の方が、円筒面の面積が広くなるため、相手部材の軸方向一方側に生じる接触面圧を分散させて低減することが可能となる。
また、前記転がり軸受の場合、固定輪の前記嵌め合い面において、前記環状溝が軸方向他方側に偏って形成される構成となる。そこで、前記固定輪に形成され前記転動体が転がり接触する軌道は、当該固定輪において軸方向他方側に偏って形成されているのが好ましい。この場合、固定輪において、環状溝及び軌道が共に軸方向について他方側に偏って位置する構成となる。これにより、環状溝によるクリープ抑制効果を高く維持することができる。
本発明によれば、固定輪がクリープするのを抑制することが可能となると共に、相手部材に生じる接触面圧を分散させて低減することが可能となる。この結果、相手部材における摩耗を抑制することができる。
本発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。 図1に示す転がり軸受においてハウジング内周面に作用する面圧分布を示している説明図である。 転がり軸受の他の形態を示す断面図である。 従来の転がり軸受の断面図である。 従来の転がり軸受においてハウジング内周面に作用する面圧分布を示している説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の転がり軸受の実施の一形態を示す断面図である。図1に示す転がり軸受7は、ハウジング2及び回転軸4を有している回転装置に設けられており、ハウジング2に対して回転軸4を回転自在として支持している。回転軸4は、転がり軸受7が外嵌して取り付けられている小径軸部4aと、この小径軸部4aよりも外径が大きい大径軸部4bとを有している。大径軸部4bに転がり軸受7の内輪11が軸方向から接触した状態にある。ハウジング2の内周面3(以下、ハウジング内周面3ともいう。)の軸方向一方側には、環状部5が設けられている。環状部5に転がり軸受7の外輪12が軸方向から接触した状態にある。
転がり軸受7は、回転軸4に外嵌して取り付けられている内輪11と、ハウジング内周面3に取り付けられている外輪12と、これら内輪11と外輪12との間に介在している複数の転動体と、これら転動体を保持する環状の保持器14とを備えている。本実施形態の転動体は玉13であり、図1に示す転がり軸受7は深溝玉軸受である。
ハウジング2の環状部5が外輪12を軸方向一方側から軸方向他方側へ押し、回転軸4の大径軸部4bが内輪11を軸方向他方側から軸方向一方側に押すようにして、これら環状部5、転がり軸受7及び回転軸4は設けられており、転がり軸受7には軸方向の荷重(予圧)が付与された状態にある。そして、転がり軸受7は回転軸4を支持することで、この転がり軸受7には径方向の荷重が作用する。したがって、転がり軸受7には、軸方向の荷重と径方向の荷重との合成荷重が作用する。
本実施形態では、内輪11と回転軸4とは「締まり嵌め」の状態で組み立てられており、内輪11は回転軸4に密着して嵌合しており回転軸4と一体回転可能である。これに対して、外輪12は、固定状態にあるハウジング2に取り付けられているが、この外輪12はハウジング内周面3に「すきま嵌め」の状態で組み立てられている。
このため、回転軸4が内輪11と共に回転している使用状態で、外輪12とハウジング2との間においてクリープ(ハウジング2に対する外輪12の周方向の滑り)が発生することがある。なお、クリープについては、後にも説明する。
内輪11の外周面には、玉13が転動する内輪軌道溝(軌道面)11aが設けられており、外輪12の内周面には、玉13が転動する外輪軌道溝(軌道面)12aが設けられている。複数の玉13は、内輪11と外輪12との間の環状空間15に設けられており、転がり軸受7が回転すると(内輪11が回転すると)、これら玉13は保持器14によって保持された状態で内輪軌道溝11aと外輪軌道溝12aとを転動する。
保持器14は、複数の玉13を周方向に沿って所定間隔(等間隔)をあけて保持することができ、このために、保持器14には玉13を収容するためのポケット18が周方向に沿って複数形成されている。本実施形態の保持器14は、玉13の軸方向一方側に設けられている円環部14aと、この円環部14aから軸方向他方側に延在している複数の柱部14bとを有している。そして、円環部14aの軸方向他方側であって、周方向で隣り合う一対の柱部14b,14b間がポケット18となる。なお、保持器14は、他の形態であってもよく、例えば、軸方向他方側にも円環部を有する構成とすることができる。
本実施形態の転がり軸受7では、固定輪である外輪12がハウジング2(相手部材)に取り付けられており、この外輪12の外周面が、ハウジング2(内周面3)に対する嵌め合い面22となっている。そして、この嵌め合い面22に環状溝32が形成されている。環状溝32は、周方向に連続する環状の凹溝からなり、その断面形状は、周方向に沿って変化しておらず同じである。環状溝32は、嵌め合い面22の軸方向の中央部から軸方向他方側(図1の場合、左側)に偏った領域に設けられている。なお、環状溝32を示す図1等では、その形状の説明を容易とするために深く記載しているが、実際の環状溝32の深さは外輪12の厚さに比べて極めて小さく、環状溝32の深さは、例えば1mm未満とすることができる。環状溝32は、ハウジング2(内周面3)に対して非接触となる。
嵌め合い面22に環状溝32が設けられていることから、外輪12は、この環状溝32の軸方向両側に円筒部36,37を有している。これら円筒部36,37の外周面は、転がり軸受7の軸受中心線C0を中心とする円筒面からなり、これら円筒部36,37の外周面を、以下において、円筒面36a,37aと呼ぶ。図1に示すように、軸受中心線C0を含む断面において、円筒面36a,37aは、軸受中心線C0に平行な直線形状を有している。これら円筒面36a,37aは、ハウジング2(内周面3)に接触可能な面となる。前記のとおり、嵌め合い面22において環状溝32は軸方向他方側に位置ずれして形成されていることから、軸方向一方側の第一の円筒面36aは、軸方向他方側の第二の円筒面37aよりも軸方向に長くなっている(Y1>Y2)。
前記のとおり、転がり軸受7には、軸方向の予圧が付与されている。つまり、転がり軸受7には径方向の荷重が作用する他に、軸方向の荷重も作用する。このため、玉13は、外輪軌道溝12aのうち最も深い点Q1よりも軸方向一方側の点P1で外輪12に接触し、また、内輪軌道溝11aのうち最も深い点Q2よりも軸方向他方側の点P2で内輪11と接触する。図1に示す断面において、外輪12及び内輪11に対する玉13の接触点となる点P1と点P2とを結ぶ直線L1は、玉13の中心を通り径方向に延びる中心線L0に対して傾斜している。つまり、この転がり軸受7には、前記のとおり径方向の荷重と軸方向の荷重との合成荷重が作用しており、この合成荷重によって玉13が外輪12及び内輪11に接触する方向が、前記中心線L0に対して傾斜している直線L1の方向となっており、この転がり軸受7は接触角を有している。
前記径方向の中心線L0は、玉13の中心を通過する直線であり、本実施形態では、この中心線L0から外輪12の軸方向一方側の側面12bまでの距離は、この中心線L0から外輪12の軸方向他方側の側面12cまでの距離よりも大きい。つまり、玉13が転がり接触する軌道(外輪軌道溝12a)は、外輪12において軸方向他方側に偏って形成されており、玉13が転がり接触する軌道(内輪軌道溝11a)は、内輪11において軸方向他方側に偏って形成されている。
ここで、ハウジング2と外輪12との間で生じるクリープについて説明する。転がり軸受7において発生する可能性のあるクリープには、次の三つが考えられる。なお、下記の軸受回転方向とは、本実施形態の場合、回転輪である内輪11の回転方向である。
・第一のクリープ:軸受回転方向と同方向へゆっくりと外輪12が滑るクリープ
・第二のクリープ:軸受回転方向と同方向へ速く外輪12が滑るクリープ
・第三のクリープ:軸受回転方向と逆方向に外輪12が滑るクリープ
第一のクリープは、転がり軸受7に径方向(ラジアル方向)の大きな荷重が作用している場合に発生しやすく、下記のメカニズムによって発生すると考えられる。すなわち、転がり軸受7に径方向の大きな荷重が作用している場合、玉13が高負荷を受けて外輪軌道溝12aを通過し、その際、玉13の直下である外輪外周側が部分的に弾性変形する。なお、転がり軸受7において、径方向の大きな荷重の他に軸方向の荷重も作用しており、前記直線L1の方向の合成荷重が作用することで、点P1の径方向外側の部分において、ひずみが大きくなるように外輪12は弾性変形する。
そして、玉13は外輪軌道溝12aに沿って移動することから、外輪12は脈動変形(脈動変位)する。これにより、(環状溝32が形成されていない場合)外輪12のハウジング2との接触領域における弾性変形に起因して相対滑りが生じ、この相対滑りにより第一のクリープが発生すると考えられる。
第二のクリープは、第一のクリープと外輪12の移動方向(滑り方向)は同じであるが、転がり軸受7が無負荷である状態で発生しやすい。つまり、無負荷である場合、内輪11の回転によって外輪12を連れ回りさせ、これにより第二のクリープが発生すると考えられる。
第三のクリープは、外輪12の移動方向(滑り方向)が第一及び第二のクリープと反対であり、これは、例えば径方向の荷重が偏荷重となることで外輪12がハウジング内周面3に沿って振れ回りすることで発生すると考えられる。
そして、本実施形態の転がり軸受7では、前記第一のクリープを抑制するために、外輪12の嵌め合い面22であって外輪軌道溝12aの径方向外側に環状溝32が形成されている。このようにハウジング2に対する外輪12の嵌め合い面22に環状溝32が形成されていることで、前記の第一のクリープの発生メカニズムで説明したような弾性変形に起因する相対滑りの発生を抑えることができ、第一のクリープを抑制することが可能となる。つまり、転がり軸受7に径方向の大きな荷重を含む合成荷重が作用している場合、外輪12のうちの外輪軌道溝12aの点P1の径方向外側の領域は径方向外側に弾性変形(拡径)するが、その領域に環状溝32が形成されていることにより、弾性変形(拡径)を主に環状溝32の範囲で生じさせることができる。このため、弾性変形部分とハウジング内周面3とが直接的に接触する範囲を減らすことができ、弾性変形がハウジング2に(ほとんど)伝わらず、外輪12とハウジング2との間における第一のクリープの発生が抑制される。以上より、環状溝32は、第一のクリープ抑制用の溝(逃げ溝)となる。
そして、本実施形態の転がり軸受7では、前記のとおり、玉13は外輪12に対して軸方向一方側(図1では右側)に偏った位置(点P1)で接触することから、外輪12は、軸方向他方側よりも軸方向一方側において大きな転動体荷重を受けることになる。そこで、外輪12において、軸方向一方側の第一の円筒面36aを、軸方向他方側の第二の円筒面37aよりも軸方向に長くしている(Y1>Y2)。このため、軸方向一方側の第一の円筒面36aの方が、軸方向他方側の第二の円筒面37aと比較して、面積が広くなる。つまり、ハウジング内周面3との接触面積は、第一の円筒面36aの方が第二の円筒面37aよりも広くなる。
したがって、転がり軸受7に対して径方向の荷重と軸方向の荷重とが共に作用した場合において、図2に示すように、ハウジング2の軸方向一方側に生じる接触面圧を、接触面積が広くなっている軸方向一方側において分散させることができ、軸方向一方側の全体として接触面圧を低減することが可能となる。この結果、仮にクリープが少し発生したとしても、ハウジング2における摩耗を抑制することができる。特に、本実施形態では外輪12が軸受鋼であるのに対して、ハウジング2はアルミ合金製であって面圧が高くなる部分で摩耗しやすいが、第一の円筒面36aを広くすることで、このような摩耗を防ぐことが可能となる。
また、第一の円筒面36aと第二の円筒面37aとの軸方向の長さの比は、転がり軸受7に合成荷重が作用した場合において、第一の円筒面36aが接触することによりハウジング2に生じる面圧(平均値)と、第二の円筒面37aが接触することによりハウジング2に生じる面圧(平均値)とが同等となるように設定するのが好ましい。これにより、軸方向一方側で大きくなるはずの接触面圧が、軸方向他方側にも分散され、ハウジング2の摩耗を効果的に防ぐことが可能となる。
更に、本実施形態の場合、第一の円筒面36aを第二の円筒面37aよりも広くすることで、外輪12の嵌め合い面22において、環状溝32が軸方向他方側に偏って形成される構成となる。そこで、図1に示すように、外輪軌道溝12aについても、外輪12において軸方向他方側に偏って形成されている。これにより、外輪12において、環状溝32及び外輪軌道溝12aが共に軸方向について他方側に偏って位置する構成となる。
この構成により、環状溝32によるクリープ抑制効果を高く維持することができる。その理由は、転がり軸受7に径方向の荷重が作用した場合において、外輪12の弾性変形によるひずみが大きくなる部分に環状溝32を形成することで、高いクリープ抑制効果が得られることに依る。すなわち、外輪12が合成荷重の径方向成分によって径方向外側に弾性変形すると、外輪12の外周部におけるひずみ量は、玉13と外輪軌道溝12aとの接触点P1に近い部分において大きくなり、その軸方向両側に向かうにしたがってひずみ量は小さくなる。そこで、前記のような第一のクリープを抑制するためには、ひずみ量が大きくなる領域に環状溝32を形成すればよく、そのために、本実施形態のように環状溝32が軸方向他方側に偏って形成されるのであれば、外輪軌道溝12aも軸方向他方側に偏って形成すればよい。これにより、外輪12においてひずみ量が大きくなる領域に環状溝32が形成された構成となる。この結果、外輪12のひずみ量が大きくなる領域をハウジング2に接触させないで済み、外輪12の脈動変形(脈動変位)に起因する第一のクリープが抑えられる。
前記実施形態(図1参照)では、内輪11が、この内輪11が取り付けられている相手部材(回転軸4)と一体回転する回転輪であり、外輪12が、この外輪12が取り付けられている相手部材(ハウジング2)に(クリープするが)固定されている固定輪である。
しかし、本発明では、内輪11と外輪12との内の一方が回転輪であって他方が固定輪であればよく、図1に示す形態と反対に、図3に示すように、軸4に取り付けられている内輪11が固定輪であって、外輪12がハウジング2と共に一体回転する回転輪であってもよい。この場合、内輪11と軸4との間がすきま嵌めの状態とされ、軸4に対して内輪11がクリープすることから、相手部材である軸4に対する内輪11の嵌め合い面(内周面)21に(図1の形態と同様に)環状溝32が形成される。そして、図3に示す転がり軸受7に対して径方向荷重の他に軸方向荷重が作用することによって玉13が固定輪である内輪11に大きな荷重で接触する側(つまり、転動体荷重が大きく作用する側)となる軸方向一方側の円筒面38aが、軸方向他方側の円筒面39bよりも軸方向に長くなっている。
これにより、径方向の荷重と軸方向の荷重とが共に転がり軸受7に作用した場合に、内輪11において、転動体荷重が大きく作用する軸方向一方側の方が、軸方向他方側と比較して、円筒面38aの面積が広くなる。このため、軸4の軸方向一方側に生じる接触面圧を分散させて低減することが可能となる。
また、図3に示す形態においても、内輪11に形成され玉13が転がり接触する内輪軌道溝11aは、この内輪11において軸方向他方側に偏って形成されている。これにより、環状溝32及び内輪軌道溝11aが共に軸方向について他方側に偏って位置する構成となり、環状溝32によるクリープ抑制効果を高く維持することができる。
なお、図1(図3)に示す前記各形態では、外輪軌道溝12a(内輪軌道溝11a)が、外輪12(内輪11)において軸方向他方側に偏って形成されている場合について説明したが、(図示しないが)偏らずに外輪12(内輪11)の軸方向の中心位置に形成されていてもよい。
以上のとおり開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。つまり、本発明の転がり軸受は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。
例えば、環状溝32の形状(断面形状)は、図示した形状以外であってもよく、矩形以外に、凹円弧形状等とすることができる。
また、転がり軸受は深溝玉軸受以外にアンギュラ玉軸受であってもよく、また、転動体は玉以外であってもよく、円筒ころや円すいころであってもよい。
また、本発明の転がり軸受は、様々な回転機器に適用可能であり、特にクリープが課題となる回転機器に好適である。
2:ハウジング(相手部材) 4:軸(相手部材) 7:転がり軸受
11:内輪 11a:内輪軌道溝(軌道) 12:外輪
12a:外輪軌道溝(軌道) 13:玉(転動体) 14:保持器
21:嵌め合い面 22:嵌め合い面 32:環状溝
36a:円筒面 37a:円筒面 38a:円筒面
39b:円筒面

Claims (2)

  1. 内輪と、外輪と、前記内輪と前記外輪との間に介在している複数の転動体と、前記複数の転動体を保持する保持器と、を備え、前記内輪と前記外輪との内の一方が回転輪であり他方が固定輪である転がり軸受であって、
    前記固定輪が取り付けられる相手部材との嵌め合い面に、クリープ抑制用の環状溝が形成されており、
    前記環状溝の軸方向一方側及び軸方向他方側それぞれに前記相手部材に接触可能となる円筒面が形成されており、
    前記固定輪及び前記回転輪に軸方向荷重が作用することによって前記転動体が当該固定輪に接触する側となる軸方向一方側の前記円筒面は、軸方向他方側の前記円筒面よりも軸方向に長い、転がり軸受。
  2. 前記固定輪に形成され前記転動体が転がり接触する軌道は、当該固定輪において軸方向他方側に偏って形成されている、請求項1に記載の転がり軸受。
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