JP2018007640A - 流体取扱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一つの基板内で液滴の生成、PCR、および検出を行うことが可能であり、かつ液滴を適切な速度で流動させることが可能な流体取扱装置を提供する。【解決手段】液体中に、核酸および試薬を含むサンプルの液滴を生成するための液滴生成部110と、液滴生成部110に接続され、液滴中の核酸をPCRにより増幅させるための反応流路21と、反応流路21に接続され、液滴内で増幅した核酸を検出するための検出用収容部130と、を有し、液滴生成部110、反応流路21、および検出用収容部130が、同一基板に配置された流体取扱装置100とする。液滴生成部110は、反応流路21と接続するように配置された、サンプルを反応流路21側に流すためのサンプル流路12を含み、反応流路21の断面積は、サンプル流路12の断面積より大きく、検出用収容部130の液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積は、反応流路21の断面積より大きい。【選択図】図1

Description

本発明は、流体取扱装置に関する。
従来、各種検査や研究のために、DNAの特定の領域をポリメラーゼ連鎖反応(以下、「PCR」とも称する)で増幅することが行われている。PCRでは通常、DNAを一本鎖に変性させるステップと、DNAの所望の領域にプライマーをアニーリングするステップと、ポリメラーゼにより、DNAを伸長させるステップと、を行う。これらのステップを1サイクル行うと、当該DNAの特定の領域の数が2倍になり、理論的にはnサイクルの反応で2倍となる。
近年、細胞に含まれるDNA断片またはRNA断片の量を特定する手法として、デジタルPCRと称される技術が提案されている。デジタルPCRでは、検体を十分に希釈し、当該希釈液を多数の液滴(もしくは多数のウェル)に分配する。このとき、DNA断片(もしくはcDNA断片)を1つのみ含む液滴(もしくはウェル)、およびDNA断片を含まない液滴(もしくはウェル)が生成される。そして、これらの液滴についてPCRを行うと、所望のDNA断片またはRNA断片を含む液滴(もしくはウェル)中でのみ、DNAが増幅する。したがって、検出部により、液滴(もしくはウェル)中でのDNAの増幅の有無を確認することで、検体に含まれるDNA断片またはRNA断片の量を特定できる。
このようなデジタルPCRを行う装置として、所望の液体中にDNA断片等を含む液滴を生成するための液滴生成部と、PCRを行う反応流路と、を有するマイクロ流体デバイスが提案されている(特許文献1)。また、当該技術では、当該マイクロ流体デバイスの反応流路の出口に、液滴中で増幅したDNA断片を検出するための検出器を配置することも提案されている。
特開2015−107113号公報
上述のように、デジタルPCRでは、液滴の生成、PCR、および液滴内で増幅したDNA断片の検出を行う。しかしながら、液滴の生成に要する時間や、PCRに要する時間、液滴内で増幅したDNA断片の検出に要する時間はそれぞれ異なる。そこで、これらを異なる装置で行うことが一般的である。しかしながら、ピペッティング等により液滴を移動させると、液滴の破壊やロスが生じやすく、精度よくDNA断片またはRNA断片の量を特定することが難しい。一方で、特許文献1に記載の技術のように、液滴の生成部、反応流路、および検出機器を単純に接続しただけでは、デバイス内部で液滴を適切な速度で移動させることが難しい。そのため、DNA断片の増幅量が不十分となったり、検出漏れが生じることがある。つまり、当該技術によっても、精度よくDNA断片またはRNA断片の量を特定することは難しかった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、一つの基板内で核酸および試薬を含む液滴の生成、PCR、および検出を行うことが可能であり、かつ液滴を適切な速度で流動させることが可能な流体取扱装置を提供することを目的とする。
本発明に係る流体取扱装置は、液体中に、核酸および試薬を含むサンプルの液滴を生成するための液滴生成部と、前記液滴生成部に接続され、前記液滴中の前記核酸をポリメラーゼ連鎖反応により増幅させるための反応流路と、前記反応流路に接続され、前記液滴内で増幅した核酸を検出するための検出用収容部と、を有する。前記液滴生成部、前記反応流路、および前記検出用収容部は、同一基板に配置されており、前記液滴生成部は、前記反応流路と接続するように配置された、前記サンプルを前記反応流路側に流すためのサンプル流路を含む。また、前記反応流路の断面積は、前記サンプル流路の断面積より大きく、前記検出用収容部の前記液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積は、前記反応流路の断面積より大きい。
本発明の流体取扱装置によれば、一つの基板内で核酸および試薬を含む液滴の生成、PCR、および増幅した核酸の検出を行うことが可能であり、当該流体取扱装置内では、液滴を適切な速度で流動させることが可能である。
図1は、本発明の流体取扱装置の一実施形態の平面図である。 図2は、本発明の流体取扱装置の液滴生成部の部分拡大平面図である。 図3は、本発明の流体取扱装置の液滴生成部の部分拡大平面図である。 図4は、本発明の流体取扱装置の反応流路の拡大平面図である。 図5は、本発明の流体取扱装置を用いたPCR装置の模式図である。
以下、本発明に係る一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、以下の実施の形態に限定されない。
本実施形態の流体取扱装置の平面図を図1に示す。図1に示すように、本実施形態の流体取扱装置100は、核酸(例えばDNA)および試薬を含む液滴を生成するための液滴生成部110と、一定速度で液滴を流動させて、液滴中の核酸の特定領域を増幅させるための反応流路21を含む反応流路部120と、液滴を保持し、液滴中で増幅した核酸をデジタルPCR装置の液滴検出部等に検出させるための検出用収容部130と、を有する。本実施形態の流体取扱装置100では、液滴生成部110、反応流路部120、および検出用収容部130が、同一の基板40に配置されており、当該基板40内で、液滴生成、液滴中の核酸の増幅、および液滴中で増幅した核酸の検出、を全て行うことができる。
また、本実施形態の流体取扱装置100では、後述するように、反応流路部120の反応流路21の断面積が、液滴生成部110の液滴の流路(サンプル流路12)の断面積より大きい。さらに、検出用収容部130(液滴貯留部31)の液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積が、反応流路部120の反応流路21の断面積より大きい。そのため、流体取扱装置100内での液滴の流動速度を、各領域ごとに調整することが可能である。つまり、流体取扱装置100内で液滴を適切な速度で流動させることが可能である。なお、本明細書における流路の「断面積」とは、流体の流れに垂直方向の断面形状を観察したときの流路の面積とする。
以下、本実施形態の流体取扱装置100の各構成について説明する。
(液滴生成部)
液滴生成部110は、液体中に、核酸および試薬を含むサンプルの液滴を生成するための領域である。本実施形態の液滴生成部110は、図1に示すように、核酸および試薬を含むサンプルを導入するためのサンプル導入口11と、サンプル導入口11および反応流路部120の反応流路21と接続するように配置され、反応流路21側にサンプルを流すためのサンプル流路12と、液体を導入するための液体導入口13と、液体導入口13およびサンプル流路12に接続するように配置され、液体を流すための液体流路14と、を含む。当該液滴生成部110では、サンプル流路12を流動するサンプルが、液体流路14から流入する液体によって液滴状に分断される。
ここで、上記サンプル導入口11および液体導入口13は、それぞれサンプルおよび液体を供給するための開口部を有していれば、その形状は特に制限されず、例えばサンプルや液体を一次的に収容するためのウェルとして機能するものであってもよい。本実施形態では、サンプル導入口11および液体導入口13が、基板40に設けられた円柱状の凹部からなり、サンプルや液体を一次的に貯留する構造となっている。なお、サンプル導入口11および液体導入口13の開口部には、サンプル流路12側または液体流路14側にサンプルまたは液体を送り出すためのポンプ(図示せず)が接続されていてもよい。
また、サンプル流路12は、一方の端部が後述の反応流路部120の反応流路21と接続し、他方の端部がサンプル導入口11と接続するように配置されている流路である。本実施形態では、サンプル流路12が、基板40に形成された溝と、この溝の上面を覆うフィルム(図示せず)とから構成されている。ただし、サンプル流路12の構造は、当該構造に限定されず、サンプル流路12が基板40の内部に形成されていてもよい。なお、サンプル流路12の断面形状は特に制限されず、半円状や矩形状、円形状等、いずれの形状であってもよい。また、サンプル流路12の流路幅や断面積は、液滴を適切に生成する観点から、適宜設定される。
一方、液体流路14は、一方の端部が上記サンプル流路12と接続し、他方の端部が液体導入口13と接続するように配置されている流路である。本実施形態では、液体流路14が、基板40に形成された溝と、この溝の上面を覆うフィルム(図示せず)とから構成されている。ただし、液体流路14の構造は、当該構造に限定されず、液体流路14が基板40の内部に形成されていてもよい。なお、液体流路14の断面形状も特に制限されず、半円状や矩形状、円形状等、いずれの形状であってもよい。また、液体流路14の流路幅や断面積は、液滴を適切に生成する観点から、適宜設定される。
ここで、図2に、サンプル流路12と液体流路14との接続部、すなわち図1において、点線Aで示す領域の部分拡大平面図を示す。図2では、サンプルの流れ方向を実線の矢印で示し、液体の流れ方向を一点鎖線の矢印で示す。図2に示すように、サンプルは、サンプル流路12内を、サンプル供給口11から反応流路21に向けて流動する。一方、液体は、液体流路14内を、液体供給口13からサンプル流路12との接続部(図2中、αおよびβで表される開口部)に向けて流動した後、サンプル流路12に流入する。液体流路14からサンプル流路12に液体が流入すると、サンプル流路12内を流れるサンプルの流れが液体によって分断され、サンプルが液滴となる。そして、生成されたサンプルの液滴は液体と共に反応流路21に流入する。サンプルの液滴の大きさは、サンプルの流量や流動速度、液体の流量、液体の流動速度等によって調整される。また、サンプル流路12内を流動する液滴の流動速度は、サンプル流路12の断面積等によっても調整される。
なお、本実施形態では、サンプル流路12に、2つの液体流路14が接続しており、一方の液体流路14のサンプル流路12側開口部(図2中、αで示される領域)と、他方の液体流路14のサンプル流路12側開口部(図2中、βで示される領域)とが、サンプル流路12を挟んで対向している。そのため、液体流路14のサンプル流路12側開口部(図2中、αおよびβで示される領域)近傍では、サンプルの流れに、両側面から剪断力が加わる。したがって、サンプルの流れが液体によって分断されやすく、サンプルは所望の大きさの液滴となる。
ただし、サンプル流路12および液体流路14の接続は、上記十字状の構造に制限されるものではなく、例えば図3に示すように、サンプル流路12および液体流路14がT字状に接続していてもよい。この場合、サンプルの流れに一方向から剪断力が加わる。このような剪断力によっても、液体によってサンプルの流れを十分に分断することが可能であり、上記と同様に、液体によってサンプルを所望の大きさの液滴に分断することが可能である。
ここで、サンプル導入口11から導入するサンプルは、所望の核酸(例えばDNA)と、核酸の特定領域を増幅させるための試薬を含んでいればよく、必要に応じて他の成分を含んでいてもよい。試薬は、核酸の特定領域を増幅させるための成分であればよく、試薬の例には、核酸の特定領域を増幅するためのプライマー、ポリメラーゼまたは変異ポリメラーゼ、塩、pH調整用のバッファ、ヌクレオチド、核酸と結合した場合に蛍光を発する蛍光色素、希釈剤等が含まれる。
また、液体導入口13から導入する液体は、液体は、サンプル中の成分と相溶し難い成分であれば特に制限されず、その例には、鉱物油、シリコーンオイル等の常温で液状のオイルが含まれる。また、液体は、界面活性剤を添加したオイルであってもよい。
(反応流路部)
反応流路部120は、液滴生成部110で生成した液滴を液体と共に、一定の速度で流動させるための領域である。反応流路部120は、一方の端部が、前述の液滴生成部110のサンプル流路12と接続し、他方の端部が、後述の検出用収容部130の液滴貯留部31と接続するように配置されている反応流路21を有する。本実施形態では、反応流路21が、基板40に形成された溝と、この溝の上面を覆うフィルム(図示せず)から構成されている。ただし、反応流路21の構造は、当該構造に限定されず、反応流路21が基板40の内部に形成されていてもよい。また、反応流路21の断面形状は特に制限されず、半円状や矩形状、円形状等、いずれの形状であってもよい。ここで、反応流路21の断面積は、PCRを十分に行うとの観点から適宜設定される。一般的に、PCRに要する時間は、前述の液滴の生成に要する時間より長い。したがって、本実施形態の流体取扱装置100では、反応流路21の断面積が、液滴生成部110のサンプル流路12の断面積より大きい。サンプル流路12の幅に対して反応流路21の幅を十分に広げることで、反応流路21における液滴の流動速度を、サンプル流路12における液滴の流動速度より十分に遅くすることができる。その結果、反応流路21において、液滴中で核酸(例えばDNA)を十分に増幅させることが可能となる。
また、反応流路部120を平面視したときの反応流路21の形状は特に制限されず、例えば直線状であってもよく、曲線状であってもよい。本実施形態では、反応流路21が、図1に示すように、蛇行形状を有している。反応流路21がこのような蛇行形状を有していると、図4に示すように、デジタルPCR装置の温度調整部によって、複数の領域を同一の温度に制御することができ、反応流路21を流動する液滴の温度を、繰り返し変化させることができる。当該実施形態では、T1、T2、およびT3の3つの領域にわけて、温度を制御している。そして、このような温度制御を行うと、反応流路21内で、液滴中の核酸を一本鎖に変性するステップ、核酸の所望の領域にプライマーをアニーリングするステップ、プライマーにポリメラーゼを反応させ、核酸を伸長させるステップからなるサイクルを繰返し行うことが可能となり、核酸を十分に増幅させることが可能となる。なお、反応流路21の長さは、上記サイクルを十分な回数行える長さであればよい。
ここで、本実施形態では、反応流路21の液滴の流れに垂直方向の断面積が一定であるが、反応流路21の断面積は、必要に応じて変化していてもよい。例えば、図4に示すような特定の領域ごと(T1、T2、およびT3で表される領域ごと)に、反応流路21の断面積が変更されていてもよい。反応流路21の断面積を特定の領域ごとに変更されていると、各領域を通過する液滴の流動速度が調整されるため、各ステップを確実に行うことができる。ただしこの場合、反応流路21の全ての領域の断面積が、前述の液滴生成部110のサンプル流路12の断面積より大きいものとする。
(検出用収容部)
検出用収容部130は、液滴を保持して、液滴内で増幅した核酸をデジタルPCR装置の液滴検出部等に検出させるための領域である。本実施形態の検出用収容部130は、図1に示すように、反応流路部120の反応流路21に接続するように配置され、液滴を保持するための液滴貯留部31と、液滴貯留部31に接続するように配置され、液体を液滴貯留部31の外部に排出するための液体排出部32と、液滴貯留部31と液体排出部32との間に配置されたフィルター部33と、を含む。当該検出用収容部130では、反応流路120側から流入する液滴および液体のうち、液滴はフィルター部33によって堰き止められて液滴貯留部31内に貯留され、液体は液体排出部32から液滴貯留部31の外部に排出される。
液滴貯留部31は、一方の端部が反応流路21と接続し、他方の端部が液体排出部32と接続するように配置されている空間である。液滴貯留部31は、液滴を保持可能であり、かつ液滴中で増幅した核酸を十分に検出することが可能であれば、その形状は特に制限されない。ただし、液滴検出部によって、液滴貯留部31に貯留された液滴を精度よく検出するとの観点から、液滴どうしが重ならないように液滴を貯留可能な形状であることが好ましい。また、本実施形態の液滴貯留部31は、基板40に形成された円柱状の凹部と、当該凹部上面を覆うフィルム(図示せず)で形成された空間からなるが、液滴貯留部31の形状は当該形状に制限されない。ただし、凹部を覆うフィルムは、液滴検出部による核酸の検出を妨げないよう、可視光に対して透明であることが好ましい。また、液滴貯留部31を構成する基板40やフィルム(図示せず)は、自家蛍光の少ない材料からなることが好ましい。
ここで、液滴中で増幅した核酸の検出に要する時間は通常、PCRの各ステップに要する時間より長い。したがって、本実施形態の流体取扱装置100では、液滴貯留部31の液滴の流れ(反応流路21側から液体排出部32側への流れ)に対して垂直方向の最大断面積が、反応流路21の断面積より大きい。反応流路21の最大断面積をこのように設定することで、反応流路21側から検出収容部130に流入する液滴の流動が非常に遅くなり、液滴貯留部31内での液滴の流動が実質的に停止する。その結果、液滴検出部によって、液滴中で増幅した核酸を、漏れなく検出することが可能となる。本実施形態では、液滴貯留部31の液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積を十分大きくすることで、液滴貯留部31内での液滴の流動が実質的に停止する。ただし、反応流路21から液滴貯留部31へ到達した液滴が二層以上に重ならないように、液滴貯留部31の深さは液滴の直径φより大きく(深く)、液滴の2倍未満に形成する必要がある。これは後述するデジタルPCR装置の液滴検出部等で、液滴中で増幅した核酸を検出する際に、液滴が二層以上に重なっていると正しい検出ができないため、必要な条件である。
一方、本実施形態の液体排出部32は、液滴貯留部32と接続するように配置されたウェルであり、基板40に形成された凹部から構成されている。ただし、液体排出部32は、当該構造に限定されず、基板40に設けられた貫通孔等であってもよい。液体排出部32が基板40に設けられた貫通孔であると、基板40の下方から、液体を流体取扱装置100の外部に排出することが可能となる。また、液体排出部32は、吸引装置(図示せず)等と接続されていてもよい。液体排出32が吸引装置と接続されていると、液体を効率よく回収することが可能となる。
また、液滴貯留部31と液体排出部32との間に配置されるフィルター部33は、液滴の液体排出部32側への侵入を抑制し、液体のみを液体排出部32側に流動させることが可能であれば、その形状等は特に制限されない。フィルター部33は、例えば網状の部材等であってもよいが、本実施形態では、複数の柱から構成されている。
ここで、本実施形態の流体取扱装置100の基板40は、サンプルからなる液滴や液体に対して安定な材料から形成されていればよく、例えば公知の成形法で成形された樹脂成形体とすることができる。また、本実施形態の流体取扱装置100の基板40を覆うフィルムも、サンプルからなる液滴や液体に対して安定な材料から形成されていればよく、公知の樹脂フィルムとすることができる。ここで、フィルムは、基板40の一方の面を全て覆うものであってもよく、所望の領域のみを覆うものであってもよい。また、フィルムは、基板40に熱融着や、接着剤(例えば、熱/紫外線硬化性樹脂)等で固定されていてもよい。
(流体取扱装置の使用方法)
上述の実施形態の流体取扱装置100の使用方法を以下説明する。上述の実施形態の流体取扱装置100は、図5に示すように、流体取扱装置100の反応流路21の温度を調整可能な温度調整部220と、流体取扱装置100の液滴貯留部31に貯留された液滴の検出が可能な液滴検出部230を有するデジタルPCR装置200内に設置して使用する。なお、図5では、流体取扱装置100の構成を明確にするため、流体取扱装置100については、断面図を表し、他の部材については側面図を表す。
まず、流体取扱装置100の液滴生成部110のサンプル導入口11から核酸および試薬を含むサンプルを導入すると共に、液体導入口13から液体を導入する。このとき、サンプル導入口11および液体導入口13には、ポンプ(図示せず)等で圧力を負荷する。これにより、液体およびサンプルが、液滴生成部110のサンプル流路12および流路14内に供給され、サンプル流路12内で、液体中にサンプルの液滴が生成される。そして、サンプル流路12を通過した液体および液滴は、反応流路部120の反応流路21に流入する。
次いで、デジタルPCR装置の温度調整部220を制御し、反応流路21の温度を多段階に温度調整する。温度調整の方法は特に制限されず、例えば反応流路21全体の温度を、一定時間毎に一様に変化させてもよい。一方で、図4に示すように、反応流路21を、いくつかの領域(図4では、T1、T2、およびT3で示される領域)にわけ、領域ごとに温度を変化させてもよい。反応流路21の温度を段階的に変化させることで、反応流路21内で、液滴中の核酸を一本鎖に変性させるステップ、核酸の所望の領域にプライマーをアニーリングするステップ、ポリメラーゼにより核酸を伸長させるステップからなるサイクルを繰返し行わせることができ、核酸の特定領域を十分に増幅させることができる。そして、流体取扱装置100の反応流路部120(反応流路21)を通過した液体および液滴は、流体取扱装置100の検出用収容部130に流入する。このとき、液滴は、液滴貯留部31内に貯留され、液体は、液滴貯留部31の外部(液体排出部32)に排出される。
その後、液滴中で増幅した核酸を、デジタルPCR装置200の液滴検出部230で検出し、サンプルに含まれていた核酸量を特定する。増幅した核酸の検出方法は、液滴検出部230の種類に応じて適宜選択される。例えば、増幅した核酸に蛍光標識が付されている場合には、液滴検出部230の光源(図示せず)から蛍光標識を励起させるための励起光を照射する。そして、励起光照射によって生じた蛍光を液滴検出部230の受光部(図示せず)で検出し、各液滴中での核酸の増幅の有無を確認する。そして、増幅した核酸を含む液滴の個数等から、サンプルに含まれていた核酸の量を特定する。
(効果)
上述の実施形態の流体取扱装置では、核酸および試薬を含むサンプルの液滴を生成する液滴生成部、液滴内でPCRを行うための反応流路部、および液滴内で増幅した核酸を検出するための検出用収容部が、一つの基板に形成されている。そのため、一つの基板内で、液滴の生成、PCR、および検出を連続して行うことが可能であり、液滴の破壊やロスが生じ難い。したがって、効率的に、かつ精度よく核酸の量を特定することが可能である。
また、従来のマイクロ流体デバイスでは、デバイス内部での液滴の流動速度の調整が困難であり、核酸の増幅量が不十分となったり、検出漏れが生じることがあった。これに対し、上述の実施形態の流体取扱装置では、反応流路の断面積がサンプル流路の断面積より大きく設定されていることから、反応流路内における液滴の流動速度を比較的遅くすることができる。つまり、液滴中の核酸を十分に増幅させることが可能である。
さらに、上述の実施形態の流体取扱装置では、検出用収容部の液滴の流れに対して直交方向の最大断面積が、反応流路の断面積より大きく設定されている。そのため、デジタルPCR装置の液滴検出部により、液滴中で増幅した核酸を検出する際に、液滴が流動し難く、検出漏れが生じ難い。
以上のことから、上述の実施形態の流体取扱装置では、各工程に必要な処理時間に合わせて、液滴の流動速度が調整されており、精度よく核酸の特定領域の量を特定することが可能である。
本発明の流体取扱装置によれば、一つの基板で核酸(例えばDNA)および試薬を含む液滴の生成、PCR、および増幅したDNAの検出を行うことが可能である。さらに、当該流体取扱装置内では、液滴を適切な速度で流動させることが可能である。したがって、精度よくDNA断片またはRNA断片の量を特定することが可能であり、各種検査や研究において、非常に有用である。
11 サンプル注入口
12 サンプル流路
13 液体導入口
14 液体流路
21 反応流路
31 液滴貯留部
32 液体排出部
33 フィルター部
40 基板
100 流体取扱装置
110 液滴生成部
120 反応流路部
130 検出用収容部
200 デジタルPCR装置
220 温度調整部
230 液滴検出部

Claims (5)

  1. 液体中に、核酸および試薬を含むサンプルの液滴を生成するための液滴生成部と、
    前記液滴生成部に接続され、前記液滴中の前記核酸をポリメラーゼ連鎖反応により増幅させるための反応流路と、
    前記反応流路に接続され、前記液滴内で増幅した核酸を検出するための検出用収容部と、
    を有し、
    前記液滴生成部、前記反応流路、および前記検出用収容部は、同一基板に配置され、
    前記液滴生成部は、前記反応流路と接続するように配置された、前記サンプルを前記反応流路側に流すためのサンプル流路を含み、
    前記反応流路の断面積は、前記サンプル流路の断面積より大きく、
    前記検出用収容部の前記液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積は、前記反応流路の断面積より大きい、
    流体取扱装置。
  2. 前記液滴生成部は、
    前記サンプルを導入するためのサンプル導入口と、
    前記サンプル導入口および前記反応流路に接続するように配置された前記サンプル流路と、
    前記液体を導入するための液体導入口と、
    前記液体導入口および前記サンプル流路に接続するように配置された、前記サンプル流路内を流れる前記サンプルを前記液体によって液滴状に分断するために、前記液体を流すための液体流路と、
    を含む、請求項1に記載の流体取扱装置。
  3. 前記検出用収容部は、
    前記反応流路と接続するように配置された、前記液滴を貯留するための液滴貯留部と、
    前記液滴貯留部と接続するように配置された、前記液体を前記液滴貯留部の外部に排出する液体排出部と、
    を有し、
    前記液滴貯留部の前記液滴の流れに対して垂直方向の最大断面積が、前記反応流路の断面積より大きい、
    請求項1または2に記載の流体取扱装置。
  4. 前記サンプル流路、前記反応流路、および前記液滴貯留部は、いずれも前記基板に形成された凹部と、前記凹部上面を覆うフィルムで形成された空間により構成される、
    請求項3に記載の流体取扱装置。
  5. 前記反応流路は、平面視したときに蛇行形状を有する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体取扱装置。
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