JP2018000379A - 線量計算装置、線量計算方法、及び線量計算プログラム - Google Patents

線量計算装置、線量計算方法、及び線量計算プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】実測の結果を反映した放射線の線量を計算することができる。【解決手段】独立計算検証装置18は、放射線治療照射装置14から患者に照射された治療用放射線の線量を測定する線量計19により測定された治療用放射線の実測線量を取得する取得部と、実測線量に基づいて、治療計画装置16により生成された治療計画情報に含まれる治療用放射線の計画線量を補正する補正部と、患者のCT画像と、治療計画装置16により生成された治療計画情報と、補正部により補正された計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に治療用放射線を照射したときの線量を計算する計算部と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、線量計算装置、線量計算方法、及び線量計算プログラムに関する。
患者のがん腫瘍等の患部に放射線を照射して治療する放射線治療(Radiation Therapy)は、例えば特許文献1にも記載されているように、治療計画装置(radiation treatment planning system : RTPS)によって生成された治療計画情報に基づいて行われるのが一般的である。
この場合、放射線の過剰照射等の放射線治療の事故を回避するために、治療計画情報に含まれる、放射線の照射線量を表すMU(モニタユニット)値や吸収線量値が適切か否かを独立計算検証装置によって検証し、安全性の確認を行うことが重要である。
放射線照射装置から出力された放射線の線量は、放射線照射装置内に設けられた線量計によって測定し管理される。線量計で測定された放射線の線量が治療計画情報で指定された線量に達すると、放射線照射装置は放射線の照射を停止する。
放射線治療照射装置に装備されているモニタ線量計の感度は変化する場合があり、これによって患者に照射される放射線の線量が変動してしまうのを防ぐために、モニタ線量計の感度調整(校正)が行われる。モニタ線量計の感度調整後、放射線の線量を別の線量計で実測し、その誤差が許容範囲内に収まっているか否かを確認する。
特開2016−39878号公報
線量計の校正によって患者に照射される放射線の線量の誤差が許容範囲内に収まっている場合でも、放射線の出力の変動が生じている場合がある。
また、放射線の照射野を患部の形状に合わせて絞るマルチリーフコリメータ(MLC)を用いた放射線照射装置の場合、MLCを構成する多数の可動リーフの位置(MLC位置)についても、測定装置によってMLC位置を測定できるのが通常であるが、このMLC位置についても変動が生じる場合がある。
しかしながら、治療計画装置や独立計算検証装置では、放射線の出力の変動やMLC位置の変動が無い理想的な状態を前提として放射線の線量が計算されており、実際の患者体内の線量を精度良く計算されているとは言えない、という問題があった。
本発明は上記問題点を解決するために成されたものであり、実測の結果を反映した放射線の線量を計算することができる線量計算装置、線量計算方法、及び線量計算プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の線量計算装置は、放射線照射装置から患者に照射された治療用放射線の線量を測定する線量計により測定された前記治療用放射線の実測線量を取得する取得部と、前記実測線量に基づいて、治療計画装置により生成された治療計画情報に含まれる前記治療用放射線の計画線量を補正する補正部と、前記患者のCT画像と、治療計画装置により生成された治療計画情報と、前記補正部により補正された前記計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算する計算部と、を含む。
なお、請求項2に記載したように、前記取得部は、前記治療用放射線を照射野の形状に応じて絞るマルチリーフコリメータを構成する複数の可動リーフの位置を測定する測定装置により測定された前記可動リーフの実測位置を取得し、前記補正部は、前記実測位置に基づいて、前記治療計画情報に含まれる前記複数の可動リーフの位置を補正し、前記計算部は、前記CT画像と、前記治療計画情報と、前記補正部により補正された前記計画線量と、前記補正部により補正された前記複数の可動リーフの位置と、に基づいて、前記線量計算法を用いて前記照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算するようにしてもよい。
また、請求項3に記載したように、前記線量計算法がクラークソン法であるものとしてもよい。
請求項4記載の発明の線量計算方法は、放射線照射装置から患者に照射された治療用放射線の線量を測定する線量計により測定された前記治療用放射線の実測線量を取得するステップと、前記実測線量に基づいて、治療計画装置により生成された治療計画情報に含まれる前記治療用放射線の計画線量を補正するステップと、前記患者のCT画像と、治療計画装置により生成された治療計画情報と、補正された前記計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算するステップと、を含む。
請求項5記載の発明の線量計算プログラムは、コンピュータを、請求項1〜3の何れか1項に記載の線量計算装置の各手段として機能させるための線量計算プログラムである。
本発明によれば、実測の結果を反映した放射線の線量を計算することができる、という効果が得られる。
放射線治療照射システムの外観図である。 放射線治療照射システムのブロック図である。 (A)はジョー22Yの平面図、(B)はジョー22Xの平面図、(C)はMLC22Mの平面図である。 独立計算検証装置の機能ブロック図である。 独立計算検証装置で実行される線量計算処理のフローチャートである。 (A)は不均質物質領域が無い場合の照射野の一例を示す図、(B)、(C)は、不均質物質領域が有る場合の照射野の一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本実施形態に係る放射線治療照射システム10の外観図を、図2には、放射線治療照射システム10のブロック図を示した。図1、2に示すように、放射線治療照射システム10は、CT撮影装置12、放射線治療照射装置14、治療計画装置16、線量計算装置としての独立計算検証装置18、線量計19、及びMLC位置測定装置21を備える。
CT撮影装置12は、空洞部12A内に、寝台Sに横たわった患者Hの患部を通過させながらCT撮影用の撮影用放射線であるX線を照射することにより、CT画像(コンピュータ断層画像)を撮影する。図2に示すように、撮影されたCT画像は、治療計画装置16に出力される。なお、図1では、説明の便宜上、CT撮影装置12が放射線治療照射装置14と同室に設置されている例について示したが、CT撮影装置12は、放射線治療照射装置14と別室に設置されるのが一般的である。
放射線治療照射装置14は、治療計画装置16により生成された治療計画情報に基づいて、寝台Sに横たわった患者Hに治療用放射線(例えばX線)Rを照射して患部の治療を行う。具体的には、放射線治療照射装置14は、患者Hに照射する放射線Rを出力する放射線源20と、放射線源20から照射された放射線を患者Hの患部に応じた照射野に絞るコリメータ22と、を備える。ここで、治療用放射線には、高エネルギー(例えば1MeVから1000MeV)の放射線が用いられる。
コリメータ22は、放射線源20から照射された放射線Rの照射野をY方向に絞るジョー22Yと、ジョー22Yによって照射野がX方向に絞られた放射線Rの照射野をY方向と直交するX方向に絞るジョー22Xと、ジョー22Y、22Xによって照射野が絞られた放射線Rの照射野を患部の形状に合わせて絞るマルチリーフコリメータ(MLC)22Mと、を備える。なお、本実施形態では、上からジョー22Y、ジョー22X、MLC22Mの順に配置された場合を示したが、並び順はこれに限られるものではない。
図3(A)に示すように、ジョー22Yは、2枚の矩形状の可動ブロック24Y1、24Y2がY方向へ移動することにより、照射野FをY方向に絞る。
図3(B)に示すように、ジョー22Xは、2枚の矩形状の可動ブロック26X1、26X2がX方向へ移動することにより、照射野FをX方向に絞る。
図3(C)に示すように、MLC22Mは、患者Hの患部の形状に応じてX方向に可動する多数の可動リーフ28Mを含んで構成される。
図1に示すように、放射線源20及びコリメータ22は、ガントリ14Aに設けられている。ガントリ14Aは、Y方向に沿った回転軸30を介して回転可能に支持部32に支持されている。回転軸30を中心にしてガントリ14Aを回転させることにより、患者Hに照射される放射線RのX−Z平面内における照射角度を適切に調整することができる。
コリメータ22は、Z方向に沿った軸を回転軸として回転可能にガントリ14Aに支持されている。Z軸を中心としてコリメータ22を回転させることにより、患者Hに照射される放射線RのX−Y平面内における照射野Fを適切に調整することができる。
治療計画装置16は、CT撮影装置12により撮影されたCT画像に基づいて、患部(腫瘍部分)及び正常部分の形状を特定するための形状情報を生成すると共に、患部に照射すべき放射線に関する治療計画情報を生成する。
治療計画情報には、患者Hに照射する放射線の照射線量を表すMU(モニタユニット)値、吸収線量値、MLC22Mの位置(以下、MLC位置と称する)、ジョー22Xの位置(以下、X方向ジョー位置と称する)、ジョー22Yの位置(以下、Y方向ジョー位置と称する)、ガントリ14Aの回転角度(以下、ガントリ角度と称する)、コリメータ22の回転角度(以下、コリメータ角度と称する)、患者Hに照射する放射線のエネルギー(以下、エネルギーと称する)等が含まれる。ここで、MLC位置は、具体的には、MLC22を構成する多数の可動リーフ28Mの各々の位置である。
線量計19は、実際に照射された放射線の線量(実測線量)を測定する。
MLC位置測定装置21は、実際に放射線を照射した際のMLC位置(実測MLC位置)を測定する。
独立計算検証装置18は、CT撮影装置12で撮影されたCT画像、治療計画装置16で生成された患部の形状情報及び治療計画情報、線量計19で測定された実測線量、及びMLC位置測定装置21で測定された実測MLC位置に基づいて、患者Hに照射される放射線の線量を計算する。そして、計算した線量と治療計画情報の放射線の線量とを比較し、その結果を提供する。また、任意点における計算した吸収線量値と治療計画情報の吸収線量値とを比較し、その結果を提供する。
なお、独立計算検証装置18は、CPU、ROM、データ等を記憶するRAM、後述する線量計算プログラムを記憶したハードディスク等の不揮発性メモリ、及び、これらを接続するバスを含んで構成されている。
この独立計算検証装置18をハードウエアとソフトウエアとに基づいて定まる機能実現手段毎に分割した機能ブロックで説明すると、図4に示すように、独立計算検証装置18は、放射線治療照射装置14から患者に照射された治療用の高エネルギーの放射線の線量を測定する線量計19により測定された治療用の高エネルギーの放射線の実測線量を取得する取得部40と、実測線量に基づいて、治療計画装置16により生成された治療計画情報に含まれる治療用の高エネルギーの放射線の計画線量を補正する補正部41と、患者のCT画像と、治療計画装置16により生成された治療計画情報と、補正部41により補正された計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に治療用の高エネルギーの放射線を照射したときの線量を計算する計算部42と、計算結果等の各種情報及び線量計算プログラムを記憶する記憶部44と、計算結果等の各種情報を表示する表示部46と、を備える。
次に、本実施形態の作用として、独立計算検証装置18で実行される線量計算処理について、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
本実施形態では、例えば放射線治療照射装置14の設置時等において、予め定めた任意のサイズに調整されたジョー22Y、ジョー22X、MLC22を制御し、予め定めた照射線量の放射線を実際に照射する。この際に、照射された線量(実測線量)を線量計19で測定すると共に、MLC位置(実測MLC位置)を測定し、独立計算検証装置18内のメモリ(図示省略)に記録する。そして、このときの実測線量及び実測MLC位置をそれぞれ第1の実測線量及び第1の実測MLC位置とする。
なお、放射線治療照射装置14の設置時だけでなく、例えば年に1回等、定期的に第1の実測線量及び第1のMLC位置を実測し、記録してもよい。
そして、図5に示す線量計算処理を実行する前に、再度実測線量及び実測MLC位置を測定し、独立計算検証装置18内のメモリに記録する。このときの実測線量及び実測MLC位置をそれぞれ第2の実測線量及び第2の実測MLC位置とする。なお、第2の実測線量及び第2の実測MLC位置の測定は、例えば毎朝1回等、第1の実測線量及び第1の実測MLC位置の測定間隔よりも短い間隔で実行される。
まず、独立計算検証装置18で線量計算処理を実行する前に、CT撮影装置12により患者HのCT画像を撮影する。撮影されたCT画像は治療計画装置16に出力される。
治療計画装置16は、CT撮影装置12により撮影されたCT画像に基づいて、前述した患部の形状情報及び治療計画情報を生成する。なお、治療計画情報の生成は、種々公知の技術を採用することができる。
独立計算検証装置18は、CT撮影装置12により撮影されたCT画像及び治療計画装置16で生成された治療計画情報に基づいて、患者Hの患部に照射される放射線の線量を計算する。以下、具体的に説明する。
本実施形態では、クラークソン法を用いて患者Hに放射される放射線の線量を計算する。なお、クラークソン法を用いて放射線の線量を計算する方法としては、例えば上記特許文献1に記載された方法を用いることができる。クラークソン法による線量計算では、全体の線量を一次線による線量と散乱線による線量の二つの成分に分け、不整形な照射野を区分して散乱線量を求める。
ステップS80では、メモリから第1の実測線量及び第1の実測MLC位置を取得すると共に、直前に記録された第2の実測線量及び第2の実測MLC位置を取得する。そして、治療計画情報に含まれる照射線量(計画線量)のMU値や吸収線量値を補正するための計画線量補正係数を算出する。ここで、計画線量補正係数をA、第1の実測線量をB1、第2の実測線量をB2とすると、計画線量補正係数Aは、(B2−B1)/B1で算出される。すなわち、計画線量補正係数Aは、実測線量の変動分の割合を表す。
また、治療計画情報に含まれるMLC位置(計画MLC位置)を補正するための計画MLC位置補正係数を算出する。ここで、MLC位置は、具体的には、MLC22を構成する多数の可動リーフ28Mの位置であるので、計画MLC位置を補正するための計画MLC位置補正係数とは、多数の可動リーフ28Mの各々の計画位置を補正するための補正係数である。ここで、計画MLC位置補正係数をC、第1の実測MLC位置をD1、第2の実測MLC位置をD2とすると、計画MLC位置補正係数Cは、(D2−D1)/D1で算出される。すなわち、計画MLC位置補正係数Cは、実測MLC位置の変動分の割合を表す。
ステップS90では、ステップS80で算出した計画線量補正係数Aに基づいて、計画線量のMU値及び吸収線量値を補正する。すなわち、計画線量のMU値及び吸収線量値に、ステップS80で算出した計画線量補正係数A、すなわち実測線量の変動分の割合に応じた値を加算する。
また、ステップS80で算出した計画MLC位置補正係数基づいて、計画MLC位置を補正する。すなわち、多数の可動リーフ28Mの各々の計画位置に、ステップS80で算出した計画MLC位置補正係数C、すなわち実測MLC位置の変動分の割合に応じた値を各々加算する。
ステップS100では、治療計画装置16で生成された患部の形状情報及び治療計画情報に基づいて、患者Hに照射する放射線の照射野を特定する。放射線を照射すべき照射野の形状は放射線を照射する角度等によって変化するため、治療計画情報に含まれる情報のうち、MLC位置、X方向ジョー位置、Y方向ジョー位置、ガントリ角度、及びコリメータ角度と、患部の形状情報と、に基づいて、放射線の照射野を特定する。
ここで、MLC位置には、ステップS90で補正されたMLC位置(補正MLC位置)を用いる。これにより、放射線の照射野を精度良く特定できる。なお、補正MLC位置を用いて照射野を特定することが好ましいが、補正前のMLC位置を用いて照射野を特定してもよい。
ステップS102では、CT画像に基づいて、患者に治療用の高エネルギーの放射線を照射する照射野のうち、均質物質が存在する均質物質領域と、不均質物質が存在する不均質物質領域と、を特定する。本実施形態では、一例として、ステップS100で特定された放射線の照射野が図6(A)に示すような形状の照射野Fであった場合について説明する。なお、図6(A)においてハッチングされた領域は、コリメータ22によって放射線の照射が遮蔽される遮蔽領域Gを表す。
不均質物質が存在しない場合には、照射野Fは、均質物質である水と等価なものとして扱うことができ、照射野Fは全て均質物質領域E0と見なすことができる。しかしながら、実際には、図6(B)に示すように、照射野F内には、空気に近い第1の不均質物質が存在する不均質物質領域E1が含まれていたり、図6(C)に示すように、水と空気の間の第2の不均質物質が存在する不均質物質領域E2が含まれていたりする。不均質物質領域E1は、例えば患部が***等の場合に、装置と***との隙間によって発生する領域である。また、不均質物質領域E2は、例えば肺等の臓器が存在する領域である。
不均質物質領域が存在する場合、照射された放射線は側方(放射線の照射方向と直交する方向)に散乱するが、従来のクラークソン法を用いた線量計算では、照射野Fを全て水として放射線の線量を計算するため、放射線の側方への散乱が考慮されない。このため、実際の線量との誤差が大きくなり、独立計算検証の精度が低下してしまう恐れがある。
そこで、本実施形態では、不均質物質を考慮して、クラークソン法による線量計算を行う。
均質物質から不均質物質かは、CT画像のCT値に基づいて判定できる。CT画像は、CT値の分布を表している。CT値は、水を「0」として水に対する相対値で表され、例えば空気は「−1000」で表される。従って、第1の不均質物質及び第2の不均質物質が表すCT値の範囲を各々予め定めておくことにより、照射野F内の各物質がどの領域に属するのかを判定することができる。
ステップS104では、ステップS90で補正された計画線量のMU値(補正MU値)、治療計画情報に含まれるエネルギー等に基づいて、一次線による線量成分を計算する。上記非特許文献1に記載されているように、一次線による線量は、放射線源20から放射された散乱されていない光子によって付与され、照射野の大きさに依存しない。本実施形態では、上記非特許文献1に記載されているように、一次線による線量成分を、0×0cmの照射野におけるTAR(Tissue Air Ratio)として計算する。
ステップS106では、補正MU値、治療計画情報に含まれるエネルギー等に基づいて、散乱線による線量成分を計算する。上記非特許文献1に記載されているように、散乱線による線量は、コリメータ22やフラットニングフィルタ、まれに空気中で散乱された光子によって付与され、コリメータサイズ(照射野の大きさ)に依存する。なお、散乱線による線量は、さらにガントリ14Aのガントリヘッド内で生じた散乱成分とファントム中で生じた散乱成分の2つに分けて考えることができる。
散乱線による線量成分を計算するには、例えば図6(A)〜(C)に示すように、予め定めた線量評価点Kを中心として照射野Fを等角度で放射状に複数のセクタFSに分割する。図6(A)〜(C)の例では、照射野Fを30度で放射状に12分割した例を示した。
次に、照射野Fを等角度で放射状に分割した際の分割線Dの長さを算出する。このとき、分割線Dを単に線量評価点Kから照射野Fの周縁部までの長さとするのではなく、不均質物質領域E1、E2を通る分割線Dについては、不均質物質領域E1、E2を通る部分の長さを、均質物質領域E0を通る場合と等価な長さに変換して、各々の分割線Dの長さを算出する。
具体的には、次式により各々の分割線Dの長さを算出する。
・・・(1)
ここで、Nは分割線Dが通る不均質物質領域の数である。PLは、分割線Dがi番目に通る不均質物質領域の物理長である。EDは、分割線Dがi番目に通る不均質物質領領域のCT値に対応した電子密度である。例えば、CT値と電子密度との対応関係を表すテーブルデータを予め用意しておき、このテーブルデータを用いて、分割線Dがi番目に通る不均質物質領領域のCT値に対応したEDを求めればよい。
ここで、例えば均質物質領域E0、不均質物質領域E1、E2の順に通る分割線Dが存在する場合、不均質物質領域E1、E2を通る分割線Dの長さRPLは次式で表される。
RPL=PL×ED+PL×ED ・・・(2)
そして、分割線Dが通る均質物質領域E0の長さをLPLとすると、分割線Dの長さPLは次式で算出される。
PL=RPL+LPL ・・・(3)
このように、不均質物質領域を通る長さを、均質物質領域を通る長さと等価な長さに変換した上で、分割線Dの長さを算出する。これを全ての分割線Dについて行う。
そして、上記非特許文献1に記載されているように、各セクタFSのSAR(Scatter Air Ratio)を算出する。このとき、コリメータ22によって放射線の照射が遮られている遮蔽領域Gを除いてSARを計算する。
次に、各セクタFSのSARを全て足し合わせることにより、照射野Fの散乱線の線量成分を計算する。
ステップS108では、照射線量のMU値及び任意点の吸収線量値を計算する。具体的には、まずステップS102で計算した一次線の線量成分TARと、ステップS104で計算した散乱線の線量成分SARと、を加算することにより、照射野Fの照射線量Qを計算する。そして、照射線量Qから予め定めた計算式によりMU値及び任意点の吸収線量値を計算する。
本実施形態では、放射線を実際に照射して測定された実測線量によって補正された補正MU値に基づいて照射線量のMU値及び任意点の吸収線量値を計算するので、実測を反映した照射線量のMU値及び任意点の吸収線量値を計算することができる。
ステップS110では、ステップS108で計算した照射野Fの照射線量QのMU値と、治療計画装置16で生成した治療計画情報に含まれる照射線量のMU値と、の差分を計算する。
また、ステップS109では、治療計画情報に含まれる照射線量のMU値を取得する。
ステップS111では、ステップS109で取得したMU値に基づいて、任意点の照射野Fの吸収線量値を計算する。
ステップS113では、ステップS111で計算した、任意点の照射野Fの吸収線量値と、治療計画装置16で生成した治療計画情報に含まれる吸収線量値と、の差分を計算する。
ステップS110で計算された差分及びステップS113で計算された差分は、治療計画が妥当であるか否かを検証する際の判断材料とされる。
このように、本実施形態では、放射線を実際に照射して測定した実測線量で計画線量のMU値を補正した補正MU値を用いると共に、実測MLC位置で計画MLC位置を補正した補正MLC位置を用いて照射線量を計算する。これにより、実測を反映した照射線量を計算することができ、独立計算検証を実際の患者体内の線量により近い形で計算を実行することができる。
なお、本実施形態では、線量計算法として、不均質物質を考慮したクラークソン法を用いて照射線量を計算する場合について説明したが、不均質物質を考慮しない通常のクラークソン法を用いて照射線量を計算してもよい。また、クラークソン法に限らず、例えばスーパーポジション法、AAA(analytical anisotropic algorithm)法、CCC(Collapsed Cone Convolution)法、モンテカルロ法等、他の線量計算法を用いて照射線量を計算してもよい。
また、本実施形態で説明した線量計算プログラムはあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
10 放射線治療照射システム
12 CT撮影装置
14 放射線治療照射装置
14A ガントリ
16 治療計画装置
18 独立計算検証装置
19 線量計
20 放射線源
21 MLC位置測定装置
22 コリメータ
22X ジョー
22Y ジョー
22M マルチリーフコリメータ
40 取得部
41 補正部
42 計算部
44 記憶部
46 表示部
D 分割線
E0 均質物質領域
E1、E2 不均質物質領域

Claims (5)

  1. 放射線照射装置から患者に照射された治療用放射線の線量を測定する線量計により測定された前記治療用放射線の実測線量を取得する取得部と、
    前記実測線量に基づいて、治療計画装置により生成された治療計画情報に含まれる前記治療用放射線の計画線量を補正する補正部と、
    前記患者のCT画像と、治療計画装置により生成された治療計画情報と、前記補正部により補正された前記計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算する計算部と、
    を含む線量計算装置。
  2. 前記取得部は、前記治療用放射線を照射野の形状に応じて絞るマルチリーフコリメータを構成する複数の可動リーフの位置を測定する測定装置により測定された前記可動リーフの実測位置を取得し、
    前記補正部は、前記実測位置に基づいて、前記治療計画情報に含まれる前記複数の可動リーフの位置を補正し、
    前記計算部は、前記CT画像と、前記治療計画情報と、前記補正部により補正された前記計画線量と、前記補正部により補正された前記複数の可動リーフの位置と、に基づいて、前記線量計算法を用いて前記照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算する
    請求項1記載の線量計算装置。
  3. 前記線量計算法がクラークソン法である
    請求項1又は請求項2記載の線量計算装置。
  4. 放射線照射装置から患者に照射された治療用放射線の線量を測定する線量計により測定された前記治療用放射線の実測線量を取得するステップと、
    前記実測線量に基づいて、治療計画装置により生成された治療計画情報に含まれる前記治療用放射線の計画線量を補正するステップと、
    前記患者のCT画像と、治療計画装置により生成された治療計画情報と、補正された前記計画線量と、に基づいて、予め定めた線量計算法を用いて照射野に前記治療用放射線を照射したときの線量を計算するステップと、
    を含む線量計算方法。
  5. コンピュータを、
    請求項1〜3の何れか1項に記載の線量計算装置の各手段として機能させるための線量計算プログラム。
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