JP2018000134A - 細胞培養容器 - Google Patents

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将慶 籠田
Shokei Kagota
将慶 籠田
奈月 久保
Nazuki Kubo
奈月 久保
裕美子 成田
Yumiko NARITA
裕美子 成田
正敏 黒田
Masatoshi Kuroda
正敏 黒田
智紀 赤井
Tomonori Akai
智紀 赤井
琢磨 馬塲
Takuma Baba
琢磨 馬塲
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Abstract

【課題】細胞の培養凹部からの脱出を防止できる細胞培養容器の提供。【解決手段】略円板状の底部10と、底部10の周縁から立設された円筒状の側壁部11とを備える、細胞培養容器1。底部10には、上方に開口する培養凹部12が複数形成されており、培養凹部12は、底面から開口に向かって直径が拡がるように設けられた周壁部13を有しており、周壁部13のうち培養凹部12の深さの半分の位置から開口までの間には、周壁部13の周方向に沿って突起部14が設けられている、細胞培養容器1。【選択図】図2

Description

本開示の実施形態は、受精卵などの個別管理が必要な細胞を培養するための細胞培養容器に関する。
培養系で***と卵子とを体外受精させて受精卵を作製して、更に受精卵を卵割、桑実胚、胚盤胞の段階を経て、透明帯から孵化した脱出胚盤胞の段階まで培養することが可能となり、この卵割から胚盤胞の段階にある受精卵を子宮に移植して産子を得る補助的生殖技術(ART)が、家畜領域のみならずヒトの不妊治療でも確立されている。
これに伴って、受精卵の個別管理の重要性が高まり、受精卵などの個別管理が必要な細胞を培養する細胞培養容器の研究開発も盛んに行われている。一例として、例えば特許文献1には、上面が開口した容器本体と、該容器本体の上面を覆う蓋とを有し、容器本体中に複数のウェルが設けられ、少なくとも一部のウェルの底面に複数の細胞培養穴(培養凹部)が形成された細胞培養容器が開示されている。このように構成された細胞培養容器では、培養凹部毎に細胞の培養を行うことで、細胞の個別管理を実現している。
特開2007−185110号公報
しかし、上述した細胞培養容器では、以下の問題が生じている。すなわち、培養液と共に培養凹部に収容された細胞が、通常では培養凹部の底面に沈んだ状態となっているが、振動等の原因で浮き上がって培養凹部から脱出する(すなわち、培養凹部から外に出る)可能性がある。特に、培養液を循環させる循環系を備える細胞培養容器の場合には、細胞が培養液の流れによって培養凹部から脱出しやすくなる。細胞が培養凹部から脱出すると、細胞の培養に影響を与えるだけではなく、隣接の培養凹部に混入し、該隣接の培養凹部に培養される細胞と混同してしまい、細胞の個別管理に影響を与える。
本開示の実施形態は、上記の点に鑑みてなされたものであり、細胞の培養凹部からの脱出を防止できる細胞培養容器を提供することを目的とする。
本開示の実施形態に係る細胞培養容器は、上方に開口する培養凹部を複数有する細胞培養容器であって、前記培養凹部は、その底面から開口に向かって幅が拡がるように設けられた周壁部を有し、前記周壁部のうち前記培養凹部の深さの半分の位置から前記開口までの間には、前記周壁部の周方向に沿って突起部が設けられている。
本開示の一実施形態に係る細胞培養容器において、前記突起部は、前記周壁部の周方向に沿って連続して設けられていることが好適である。
本開示の一実施形態に係る細胞培養容器において、前記突起部は、前記周壁部の周方向に沿って複数設けられていることが好適である。
また、本開示の実施形態に係る細胞培養容器は、上方に開口する複数の培養凹部と、前記培養凹部の上方に着脱可能に設けられ、該培養凹部に収容される細胞の脱出を防止する脱出防止部材と、を備える。
本開示の一実施形態に係る細胞培養容器において、前記脱出防止部材には、該脱出防止部材の厚さ方向に沿う貫通孔が設けられていることが好適である。
また、本発明に係る細胞培養容器において、前記脱出防止部材は、前記貫通孔が複数設けられた平板部材であることが好適である。
本開示によれば、細胞の培養凹部からの脱出を防止することができる。
第1実施形態の細胞培養容器を示す平面図である。 細胞培養容器の内部に培養液及び細胞が収容された状態を示す断面図である。 (a)は第2実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 (a)は第3実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。 (a)は第4実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 (a)は第5実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、(b)は(a)のD−D線に沿う断面図である。 脱出防止部材の変形例を示す平面図である。 第6実施形態の細胞培養容器を示す分解斜視図である。 第6実施形態の細胞培養容器を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る細胞培養容器の実施形態を説明する。図面の説明において同一の要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。また、以下の説明では、上下、左右及び前後の位置、方向は、細胞培養容器の通常の使用状態における位置及び方向である。更に、各図において、各構成部の間の距離や間隔などは、発明の理解を容易にするために、実施形態に記載の寸法に比べて大きく或いは小さく描かれている場合がある。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、図2は細胞培養容器の内部に培養液及び細胞が収容された状態を示す断面図である。本実施形態の細胞培養容器1は、個別管理が必要とされる細胞を培養するのに適しており、内部に複数の培養凹部12が設けられた有底円筒状の容器である。
ここで、個別管理が必要とされる細胞とは、培養中及び培養後において個々の細胞を特定する必要があるものをさし、複数の細胞を培養する培養容器において互いに混同してしまうことが望ましくない細胞をさす。個別管理が必要とされる細胞としては、例えば、受精卵、卵細胞、ES細胞(胚性幹細胞)及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)が挙げられる。卵細胞は、未受精の卵細胞をさし、未成熟卵母細胞及び成熟卵母細胞が含まれる。受精卵は、受精後、卵割により2細胞期、4細胞期、8細胞期と細胞数が増えていき、桑実胚を経て、胚盤胞へと発生する。
受精卵には、2細胞胚、4細胞胚及び8細胞胚などの初期胚、桑実胚、胚盤胞(初期胚盤胞、拡張胚盤胞及び脱出胚盤胞を含む)が含まれる。胚盤胞は、胎盤を形成する潜在能力がある外部細胞と胚を形成する潜在能力がある内部細胞塊からなる胚を意味する。ES細胞は胚盤胞の内部細胞塊から得られる未分化な多能性又は全能性細胞をさす。iPS細胞は、体細胞(主に線維芽細胞)へ数種類の遺伝子(転写因子)を導入することにより、ES細胞に似た分化万能性を持たせた細胞をさす。
また、本実施形態の細胞培養容器1は、好ましくは哺乳動物及び鳥類の細胞、特に哺乳動物の細胞の培養に好適である。哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒト及びサルなどの霊長類、マウス、ラット及びウサギなどの齧歯類、イヌ及びネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマ及びブタなどの家畜が挙げられる。本実施形態の細胞培養容器1は、ウシの受精卵の培養に特に好適である。
細胞培養容器1は、互いに平行に配置された上面10aと底面10bとを有する略円板状の底部10と、底部10の周縁から立設された円筒状の側壁部11とを備えており、底部10及び側壁部11によって形成される空間に培養液を収容可能となっている。なお、本実施形態の細胞培養容器1は、蓋部を備えていないが、通常のシャーレと同様に蓋部を備えても良い。
底部10には、断面が上方に開口した円錐台形状を呈し、受精卵を収容し培養するための培養凹部12が複数形成されている。平面視(図1参照)において、これらの培養凹部12は、前後左右方向に一定の間隔で近接して配列されている。断面視(図2参照)では、各培養凹部12は、その底面12aから開口12bに向かって徐々に拡径されている。すなわち、培養凹部12は、底面12aから開口12bに向かって直径が拡がるように形成された周壁部13を有する。
培養凹部12の底面12aは、平面状に形成されている。このようにすることで、底面にテーパーを付けた場合と比べて、受精卵の観察作業が行い易くなる。すなわち、底面にテーパーを付けた場合には、受精卵がテーパーの底に安定した状態で保持されるが、培養凹部に混入された異物などもテーパーの底に集まり易い。異物などは観察作業を邪魔する。一方、本実施形態のように底面12aを平面状にすることで、異物などをどけたりずらしたりしやすくなるので、観察作業の効率向上を図ることができる。また、観察の際に受精卵を回転させて細胞分割数などを確認する場合もあり、底面12aを平面状にすることで、受精卵を横に転がして特定位置で静止した観察を実施し易くなる。
なお、ここでの平面状は、完全に水平であることが勿論だが、必ずしも完全な水平である必要はない。実質的に受精卵などの細胞に対して水平であれば良く、一般的な射出成形品の平面部のように数μm程度の差や、JIS B 0419−1991で標準公差にあるような1%以下程度の製造上の表面粗さがあっても良い。
また、本実施形態において、培養凹部12の底面12aの面積は1mm以下であることが好ましい。これは、底面12aの面積が受精卵の大きさに対して広すぎると、顕微鏡を介して受精卵を見つけ難くなる問題が生じており、受精卵をスムーズに見つけて観察作業を効率良く行うために、底面12aの面積は1mm以下であることが好適である。
更に、培養凹部12の開口12bの面積は底面12aの面積の2倍以上であることが好ましい。このようにすることで、受精卵を転がしたり、異物をどけたりする際に、これらの作業が行い易くなる。また、仮に受精卵が大きくなりすぎて培養凹部12内にはまりそうな場合があっても、培養凹部12の上部に受精卵の位置をずらしながら取り出すことが可能である。
更に、本実施形態において、培養凹部12の底面12aは円形状に形成されており、その直径が1000μm以下であることが好ましい。受精卵は、胚盤胞で直径が250μm程度まで、透明帯も含めて直径が500μm程度まで成長することがある。このような受精卵の大きさを考慮しつつ、上述した観察作業、例えば、受精卵探し、異物排除を行い易くするために、底面12aの直径は受精卵最大直径の2倍である1000μm以下と設定されている。なお、受精卵等の細胞は、成長によってその形が球状であったり、楕円状等の形状であったりする場合がある。このため、本実施形態での細胞の直径とは、球状の場合にその直径、球状でない場合に最大幅を意味する。
また、生殖医療分野では胚盤胞が直径250μm程度まで成長させて移植することが多いので、作業の余裕などを考慮し、底面12aの直径が600μm以下であることが特に好ましい。更に、胚盤胞までしか成長させない場合には、底面12aの直径が300μm以下であることがより好ましい。
なお、ここでの円形状は、完全に円形状であることが勿論だが、必ずしも完全な円形状である必要はない。例えば、一般的な標準公差にあるような1%以下程度の製造上の差があっても良い。
培養凹部12の深さは、以下のことを考慮し、底面12aの直径よりも大きく設定されている。すなわち、培養凹部12の深さが底面12aの直径より小さくなると、収容される受精卵の頭が開口12bから出やすくなる。受精卵の頭が開口12bから出た場合には、培養液30の流れの影響を受けやすくなるので、受精卵が培養凹部12から脱出する可能性が高くなる。更に、顕微鏡を介しキャピラリーなどを用いて作業する際に、上下方向の距離を把握し難いので、キャピラリーなどで受精卵が傷つく可能性も高くなる。
一方、培養凹部12の深さが深くなることにつれ、培養凹部12内部を流れる培養液30の速度が遅くなり、これによって受精卵20が脱出し難くなるが、培養凹部12が深すぎると、培養凹部12内部、特に底面12a付近の培養液30の循環が悪くなるのみならず、受精卵の取り出し作業も難しくなる。例えば、キャピラリーでの吸出し作業では、培養凹部12が深すぎると、キャピラリー先端と受精卵との位置合わせの困難さが増し、キャピラリーが折れる可能性や、受精卵にダメージを与えるリスクも高くなる。
以上のことを考慮し、本実施形態では、培養凹部12の深さは底面12aの直径よりも大きく設定されている。なお、培養凹部12の深さとは、開口12bから底面12aまでの高さをさしており、開口12bとは、細胞培養容器1における底部10の上面10aと同一平面上に位置する場所をさしている。
また、図示しないが、培養凹部12には、細胞非接着層が設けられることが好ましい。受精卵を胚盤胞まで培養する場合には、受精卵が直径250μmを超えて大きく成長することが多く、特に透明帯を形成し透明帯から脱出するまで培養する場合には、受精卵が更に大きくなる。しかし、受精卵が大きくなることにつれ、細胞接着性が増加する傾向がある。細胞接着性が増加すると、受精卵を培養凹部12から取り出し難くなる問題が生じる。このようなことを防止するために、本実施形態では、培養凹部12の底面12a及び周壁部13の全体又はその一部には、細胞非接着層が設けられている。
細胞非接着層としては、ポリエチレングリコールやポリヒドロキシエチルメタクリレート、エチレンビニルアルコール共重合体などの親水性物質が用いられる。また、界面活性剤、リン脂質などのコーティング、プラズマ処理などの表面処理による親水化によって形成されても良い。
また、周壁部13のうち、培養凹部12の深さの半分の位置から開口12bまでの間には、該周壁部13の周方向に沿って突起部14が設けられている。平面視において(図1に参照)、突起部14は周壁部13の周方向に沿って連続して形成され、円環状になっている。断面視では(図2参照)、突起部14は断面三角形状を呈し、培養凹部12の内側に向かって突出している。なお、図2では突起部14の頂点部が尖っているように描かれているが、実際に曲面状に形成されている。このようにすれば、受精卵20が突起部14の頂点部と接触する際に、受精卵20が傷つくことを防止できる。
突起部14は、受精卵20の動きを阻止し、受精卵20が培養凹部12から脱出することを抑制するための構造である。この突起部14は、以下のことを考慮し、培養凹部12の深さの半分の位置から開口12bまでの間の周壁部13に設けられている。
すなわち、周壁部13が培養凹部12の底面12aから開口12bに向かって直径が拡がるように形成されているため、開口12b側と比べて底面12a側の方は周壁部13の幅が狭い。そして、仮に底面12a側の周壁部13に突起部14を設けた場合には、受精卵20が成長と共に大きくなるにつれ、突起部14に引っ掛かる可能性が増えるので、受精卵20の自由な成長が制限されるおそれがある。また、受精卵20の培養凹部12からの脱出を防止するために、上方から受精卵20の動きを制限するのは最も効果的である。このように受精卵20の自由な成長を確保しつつ、受精卵20の脱出を効果的に抑制するため、突起部14は周壁部13のうち培養凹部12の深さの半分の位置から開口12bまでの間に設けられている。
本実施形態の細胞培養容器1の材質は、特に制限されない。具体的には、金属、ガラス、及びシリコン等の無機材料、プラスチック、例えば、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂で代表される有機材料を挙げることができる。また、この細胞培養容器1は、当業者に公知の方法で製造することができる。例えば、プラスチック材料を用いて製造する場合には、射出成形により製造することができる。
このように構成された細胞培養容器1では、例えば図2に示すように、培養凹部12毎に受精卵20を1個ずつ収容し、細胞培養容器1の内部に培養液30を充填して循環させながら受精卵20を培養する。このとき、受精卵20は自重によって培養凹部12の底面12aに沈む。そして、振動や培養液30の流れなどの原因で、受精卵20が浮き上がった場合には、周壁部13に設けられた突起部14が受精卵20の動きを阻止し、受精卵20が培養凹部12から脱出することを防止することができる。
本実施形態の細胞培養容器1によれば、受精卵20が培養凹部12から脱出することを防止することができる。加えて、複数の培養凹部12が形成されるので、大量の受精卵の個別管理を実現し、大量培養を行う際の観察を短時間で行うことができると共に、観察作業の効率を向上する効果も奏する。
<第2実施形態>
図3(a)は第2実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A線に沿う断面図である。本実施形態の細胞培養容器2と第1実施形態との相違点は、突起部15が断続的に形成されることである。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
具体的には、周壁部13のうち培養凹部12の深さの半分の位置から開口12bまでの間には、複数の突起部15が周壁部13の周方向に沿って等間隔で配置されている。各突起部15の断面形状は第1実施形態の突起部14と同様である。このように構成された細胞培養容器2は、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、隣接する突起部15間に隙間があるので、該隙間を介して培養凹部12内部の培養液30をスムーズに循環させることができる。
<第3実施形態>
図4(a)は第3実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B線に沿う断面図である。本実施形態の細胞培養容器3と第1実施形態との相違点は、突起部16が複数である。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
具体的には、周壁部13のうち培養凹部12の深さの半分の位置から開口12bまでの間には、複数の突起部16が周壁部13の周方向に沿って等間隔で配置されている。各突起部16は半球状を呈している。このように構成された細胞培養容器3は、上述の第1実施形態と同様な作用効果を得られるほか、隣接する突起部16間に隙間があるので、該隙間を介して培養凹部12内部の培養液30をスムーズに循環させることができる。
なお、突起部の形状については、上述した半球状や断面三角形状に限らずに、断面四角形状等の多角形状、断面半円形状、断面半楕円形状等であっても良い。また、突起部は周壁部13の周方向に沿って2周、3周設けられても良い。
<第4実施形態>
図5(a)は第4実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、図5(b)は図5(a)のC−C線に沿う断面図である。本実施形態の細胞培養容器4と第1実施形態との相違点は、突起部14に代えて脱出防止部材17を設置して受精卵20の脱出を防止することである。その他の構成は第1実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、培養凹部12の周壁部13には突起部が設けられておらず、そして、培養凹部12の上方には、該培養凹部12の開口12bを覆う脱出防止部材17が着脱可能に設けられている。脱出防止部材17は、円板状を呈しており、その外径が側壁部11の内径より僅かに小さい。
このように構成された細胞培養容器4では、脱出防止部材17が底部10の上面10aに当接するように培養凹部12の上方に配置されているので、培養凹部12の開口12bが該蓋部材17によって閉塞される。このため、受精卵20が培養凹部12から脱出することを確実に防止できる。なお、脱出防止部材17は、上述の細胞培養容器1と同様に金属、ガラス、及びシリコン等の無機材料、プラスチックによって形成されても良いが、受精卵20を容易に視認できるために、透明なガラスやプラスチックであることが好ましい。ここで、透明とは培養凹部12の上方から培養凹部12内部の様子を視認可能な程度に透明であれば良く、半透明も含まれることを意味する。
<第5実施形態>
図6(a)は第5実施形態の細胞培養容器を示す平面図であり、図6(b)は図6(a)のD−D線に沿う断面図である。本実施形態の細胞培養容器5と第4実施形態との相違点は、脱出防止部材18に複数の貫通孔19が設けられることである。
図6(b)に示すように、脱出防止部材18が底部10の上面10aに当接する際に、少なくとも該脱出防止部材18における培養凹部12の開口12bに対応する位置には、脱出防止部材18の厚さ方向に沿う貫通孔19が複数形成されている。平面視において、これらの貫通孔19は、それぞれ矩形状を呈し、互いに所定の間隔をあけて配列されている。
このように構成された細胞培養容器5では、脱出防止部材18に貫通孔19が複数形成されるので、培養凹部12の内部に収容される受精卵20の脱出を防止できると共に、培養液30が貫通孔19を通って培養凹部12内部に流入したり培養凹部12から流出したりできる。従って、第4実施形態の細胞培養容器4と比べて、培養凹部12内部の培養液30を循環させることが可能になる。
なお、貫通孔を有する脱出防止部材については、様々な変形例が考えられる。例えば図7(a)に示すように、複数の網目を有する網状の脱出防止部材21であっても良く、この場合には網目は培養液30が流れる貫通孔の役割を果たす。或いは、図7(b)に示すように複数の円孔を有する脱出防止部材22であっても良く、この場合には円孔は培養液30が流れる貫通孔の役割を果たす。
<第6実施形態>
図8は第6実施形態の細胞培養容器を示す分解斜視図であり、図9は第6実施形態の細胞培養容器を示す断面図である。本実施形態の細胞培養容器6は、板状に形成された容器本体31と、該容器本体31に設けられた複数の培養凹部12と、培養凹部12の上方に着脱可能に設けられた脱出防止部材32とを備える。
容器本体31は、細胞培養容器1のような側壁部11が設けられておらず、互いに平行に配置された上面31aと底面31bとを有する。脱出防止部材32は、平板状の基部33と、該基部33から起立する截頭円錐状の複数の起立部34とを有する。起立部34は、中空状に形成され、基部33側から上方に向かって徐々に縮径されている。そして、これらの起立部34は、脱出防止部材32が容器本体31の上面31aに当接する際に、容器本体31に設けられた各培養凹部12の位置と合わせるように配置されている。従って、脱出防止部材32が容器本体31の上面31aに当接する際に、起立部34は培養凹部12の上方に位置し、基部33に形成された貫通孔33aを介し培養凹部12と連通する(図9参照)。なお、容器本体31及び脱出防止部材32は、例えば射出成形やブロー成形によって形成される。
このように構成された細胞培養容器6では、脱出防止部材32に起立部34が設けられ、起立部34が基部33側から上方に向かって縮径されているので、該起立部34を介し受精卵20が培養凹部12から脱出することを防止することができる。また、起立部34が中空であり、且つ基部33に貫通孔33aが形成されるので、起立部34及び貫通孔33aを介して培養凹部12内の培養液30を循環させることが可能になる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、本発明の細胞培養容器は、上述した細胞培養のほか、細胞の一時保管や、細胞培養に使う培地の一時保管等にも適用される。
また、細胞培養容器としては、上述の有底円筒状のほか、有底楕円筒状や有底角筒状であっても良い。更に、本発明の細胞培養容器は、上記背景技術に挙げられた特許文献1に記載のように、区画される複数のウェルを細胞培養容器の底部に設け、ウェル毎に上述した構造を有する培養凹部、脱出防止部材等をそれぞれ形成してなるものであっても良い。また、培養凹部における細胞培養容器水平方向の断面形状が、円形に限られず、楕円形や三角形、四角形等の多角形であっても良い。
1,2,3,4,5,6 細胞培養容器
10 底部
10a 上面
10b 底面
11 側壁部
12 培養凹部
12a 底面
12b 開口
13 周壁部
14,15,16 突起部
17,18,21,22,32 脱出防止部材
19 貫通孔
20 受精卵
30 培養液
31 容器本体
33 基部
33a 貫通孔
34 起立部

Claims (6)

  1. 上方に開口する培養凹部を複数有する細胞培養容器であって、
    前記培養凹部は、その底面から開口に向かって幅が拡がるように設けられた周壁部を有し、
    前記周壁部のうち前記培養凹部の深さの半分の位置から前記開口までの間には、前記周壁部の周方向に沿って突起部が設けられている細胞培養容器。
  2. 前記突起部は、前記周壁部の周方向に沿って連続して設けられている請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記突起部は、前記周壁部の周方向に沿って複数設けられている請求項1に記載の細胞培養容器。
  4. 上方に開口する複数の培養凹部と、
    前記培養凹部の上方に着脱可能に設けられ、該培養凹部に収容される細胞の脱出を防止する脱出防止部材と、
    を備える細胞培養容器。
  5. 前記脱出防止部材には、該脱出防止部材の厚さ方向に沿う貫通孔が設けられている請求項4に記載の細胞培養容器。
  6. 前記脱出防止部材は、前記貫通孔が複数設けられた平板部材である請求項5に記載の細胞培養容器。
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