本開示の一態様は、SMYDタンパク質の阻害剤としての本開示の化合物の使用に基づくものである。この特性を考慮して、本開示の化合物は、SMYDタンパク質の阻害に反応性の疾病、疾患、または病態、例えば、癌を治療するのに有用である。
本開示の一態様は、SMYD3の阻害剤としての本開示の化合物の使用に基づくものである。この特性を考慮して、本開示の化合物は、SMYD3の阻害に反応性の疾病、疾患、または病態、例えば、癌を治療するのに有用である。
本開示の一態様は、SMYD2の阻害剤としての本開示の化合物の使用に基づくものである。この特性を考慮して、本開示の化合物は、SMYD2の阻害に反応性の疾病、疾患、または病態、例えば、癌を治療するのに有用である。
一実施形態において、本開示の化合物は、式I:
R
1が、エチルおよびシクロプロピルからなる群から選択され;
R
2a、R
2b、R
3a、およびR
3bがそれぞれ、独立して、水素、C
1〜4アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アラルキル、および−C(=O)R
6cからなる群から選択され;または
R
2aおよびR
2bが一緒になって、C
1〜4架橋を形成し;R
3aおよびR
3bが、独立して、水素、C
1〜4アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アラルキル、および−C(=O)R
6cからなる群から選択され;または
R
3aおよびR
3bが一緒になって、C
1〜4架橋を形成し;R
2aおよびR
2bが、独立して、水素、C
1〜4アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アラルキル、および−C(=O)R
6cからなる群から選択され;または
R
2aおよびR
3bが一緒になって、C
1〜4架橋を形成し;R
2bおよびR
3aが、独立して、水素、C
1〜4アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アラルキル、および−C(=O)R
6cからなる群から選択され;または
R
2bおよびR
3aが一緒になって、C
1〜4架橋を形成し;R
2aおよびR
3bが、独立して、水素、C
1〜4アルキル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アラルキル、および−C(=O)R
6cからなる群から選択され;または
R
4が、水素、任意選択的に置換されるC
1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、−C(=O)R
6a、および−S(=O)
2R
6bからなる群から選択され;
R
5が、水素、任意選択的に置換されるC
1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、および(ヘテロシクロ)アルキルからなる群から選択され;
R
6aが、任意選択的に置換されるC
1〜6アルキル、アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シクロアルキルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(アミノ)(ヒドロキシ)アルキル、(アラルキルアミノ)アルキル、任意選択的に置換されるC
4〜14ヘテロシクロ、任意選択的に置換されるC
5〜14ヘテロアリール、および任意選択的に置換されるC
3〜12シクロアルキルからなる群から選択され;
R
6bが、任意選択的に置換されるC
1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シクロアルキルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(アミノ)(ヒドロキシ)アルキル、(アラルキルアミノ)アルキル、任意選択的に置換されるC
4〜14ヘテロシクロ、任意選択的に置換されるC
5〜14ヘテロアリール、および任意選択的に置換されるC
3〜12シクロアルキルからなる群から選択され;
R
6cが、任意選択的に置換されるC
1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シクロアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シクロアルキルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(アミノ)(ヒドロキシ)アルキル、(アラルキルアミノ)アルキル、任意選択的に置換されるC
4〜14ヘテロシクロ、任意選択的に置換されるC
5〜14ヘテロアリール、および任意選択的に置換されるC
3〜12シクロアルキルからなる群から選択され;
R
7が、水素、C
1〜6アルキル、ヒドロキシアルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、アルコキシアルキル、およびアラルキルからなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R4およびR5が両方とも水素であることはない)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R7が水素である)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、
(式中、R
1、R
2a、R
4、R
5、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物;
ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式V
(式中、R
1、R
3a、R
4、R
5、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物;
ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R2a、R2b、R3a、およびR3bが水素であり;R1、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R2aが、メチル、エチル、およびベンジルからなる群から選択され;R2b、R3a、およびR3bが水素であり;R1、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜VII(式中、R2aが、メチル、エチル、およびベンジルからなる群から選択され;R1、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式VIII〜XIII(式中、R3aが、メチル、エチル、およびベンジルからなる群から選択され;R1、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R
4が−C(=O)R
6aであり;R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b R
5、R
6a、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
6aが:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R
4が−C(=O)R
6aであり;R
1、R
2a(式II〜VII中)、R
3a(式VIII〜XIII中)、R
5、R
6a、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
6aが:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R
4が−S(=O)
2R
6bであり;R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b R
5、R
6b、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
6bが:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R
4が−S(=O)
2R
6bであり;R
1、R
2a(式II〜VII中)、R
3a(式VIII〜XIII中)、R
5、R
6b、およびR
7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
6bが:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R4がC1〜6アルキルであり;R1、R2a、R2b、R3a、R3b R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R4がC1〜6アルキルであり;R1、R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R5が水素であり;R1、R2a、R2b、R3a、R3b R4、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R5が水素であり;R1、R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R4、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R5が、−CH2CH2OH、−CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2OH、および−CH2CH2CH2NH2からなる群から選択され;R1、R2a、R2b、R3a、R3b R4、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R5が、−CH2CH2OH、−CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2OH、および−CH2CH2CH2NH2からなる群から選択され;R1、R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R4、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R7が水素であり;R1、R2a、R2b、R3a、R3b R4、およびR5が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R7が水素であり;R1、R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R4、およびR5が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R
7が、C
1〜4アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、およびアラルキルからなる群から選択され;R
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b R
4、およびR
5が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
7が:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R
7が、C
1〜4アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、およびアラルキルからなる群から選択され;R
1、R
2a(式II〜VII中)、R
3a(式VIII〜XIII中)、R
4、およびR
5が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。別の実施形態において、R
7が:
からなる群から選択される。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R1がエチルであり;R2a、R2b、R3a、R3b R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R1がエチルであり;R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I(式中、R1がシクロプロピルであり;R2a、R2b、R3a、R3b R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式II〜XIII(式中、R1がシクロプロピルであり;R2a(式II〜VII中)、R3a(式VIII〜XIII中)、R4、R5、およびR7が、式Iに関連して上に定義されるとおりである)で表される化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物である。
別の実施形態において、本開示の化合物は、表1の化合物、ならびにその薬学的に許容できる塩または溶媒和物、例えば、水和物、またはその異なる薬学的に許容できる塩である。
特定の実施形態における本開示の化合物が、遊離塩基、様々な塩、および水和物形態であり、表1に列挙される特定の塩に限定されないことが理解されるべきである。
別の実施形態において、本開示の化合物は、式I〜XIIIで表される化合物であり、ただし、化合物は、以下のものではない。
ある実施形態において、本開示は、以下の化合物のうちの1つまたは複数と、薬学的に許容できる担体とを含む医薬組成物に関する。
ある実施形態において、本開示は、被験体においてSMYD3またはSMYD2、またはその両方などのSMYDタンパク質を阻害する方法であって、それを必要とする被験体に、有効量の以下の化合物の少なくとも1つを投与する工程を含む方法に関する。
定義
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキル」という用語は、1〜12個の炭素原子(すなわち、C1〜12アルキル)または示される炭素原子数(すなわち、メチルなどのC1アルキル、エチルなどのC2アルキル、プロピルまたはイソプロピルなどのC3アルキル)を含有する直鎖状または分枝鎖状脂肪族炭化水素を指す。一実施形態において、アルキル基は、直鎖状C1〜10アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、分枝鎖状C3〜10アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、直鎖状C1〜6アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、分枝鎖状C3〜6アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、直鎖状C1〜4アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、分枝鎖状C3〜4アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、直鎖状または分枝鎖状C3〜4アルキル基から選択される。別の実施形態において、アルキル基は、部分的にまたは完全に重水素化され、すなわち、アルキル基の1つまたは複数の水素原子が、重水素原子で置換される。非限定的な例示的なC1〜10アルキル基としては、メチル(−CD3を含む)、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソ−ブチル、3−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルが挙げられる。非限定的な例示的なC1〜4アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、およびイソ−ブチルが挙げられる。非限定的な例示的なC1〜4基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびtert−ブチルが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「任意選択的に置換されるアルキル」という用語は、上に定義されるアルキルが、非置換であるか、またはニトロ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、およびカルボキシアルキルから独立して選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されることを意味する。一実施形態において、アルキルは、C1〜4アルキルである。一実施形態において、任意選択的に置換されるアルキルは、2つの置換基で置換される。別の実施形態において、任意選択的に置換されるアルキルは、1つの置換基で置換される。非限定的な例示的な任意選択的に置換されるアルキル基としては、−CH2CH2NO2、−CH2CH2CO2H、−CH2CH2SO2CH3、−CH2CH2COPh、および−CH2C6H11が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「シクロアルキル」という用語は、3〜12個の炭素原子(すなわち、C3〜12シクロアルキル)または示される炭素数を有する1〜3つの環を含有する飽和および部分的に不飽和の(1つまたは2つの二重結合を含有する)環状脂肪族炭化水素を指す。一実施形態において、シクロアルキル基は、2つの環を有する。一実施形態において、シクロアルキル基は、1つの環を有する。別の実施形態において、シクロアルキル基は、C3〜8シクロアルキル基から選択される。別の実施形態において、シクロアルキル基は、C3〜6シクロアルキル基から選択される。非限定的な例示的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、ノルボルニル、デカリン、アダマンチル、シクロヘキセニル、およびスピロ[3.3]ヘプタンが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「任意選択的に置換されるシクロアルキル」という用語は、上に定義されるシクロアルキルが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意選択的に置換されるアリール、任意選択的に置換されるヘテロアリール、任意選択的に置換されるヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シアノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、または(ヘテロアリール)アルキルから独立して選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換される。一実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルキルは、2つの置換基で置換される。別の実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルキルは、1つの置換基で置換される。一実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルキルは、少なくとも1つのアミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基で置換される。非限定的な例示的な任意選択的に置換されるシクロアルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「シクロアルケニル」という用語は、上に定義される部分的に不飽和のシクロアルキル基を指す。一実施形態において、シクロアルケニルは、1つの炭素間二重結合を有する。別の実施形態において、シクロアルケニル基は、C4〜8シクロアルケニル基から選択される。例示的なシクロアルケニル基としては、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「任意選択的に置換されるシクロアルケニル」という用語は、上に定義されるシクロアルケニルが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、モノヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意選択的に置換されるアリール、任意選択的に置換されるヘテロアリール、任意選択的に置換されるヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シアノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルから独立して選択される1つ、2つ、または3つの置換基で置換されることを意味する。一実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルケニルは、2つの置換基で置換される。別の実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルケニルは、1つの置換基で置換される。別の実施形態において、シクロアルケニルは非置換である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルケニル」という用語は、1つ、2つまたは3つの炭素間二重結合を含有する上に定義されるアルキル基を指す。一実施形態において、アルケニル基は、C2〜6アルケニル基から選択される。別の実施形態において、アルケニル基は、C2〜4アルケニル基から選択される。非限定的な例示的なアルケニル基としては、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、sec−ブテニル、ペンテニル、およびヘキセニルが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として本明細書において使用される際の「任意選択的に置換されるアルケニル」という用語は、上に定義されるアルケニルが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意選択的に置換されるアリール、任意選択的に置換されるヘテロアリール、または任意選択的に置換されるヘテロシクロから独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されることを意味する。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキニル」という用語は、1〜3つの炭素間三重結合を含有する上に定義されるアルキル基を指す。一実施形態において、アルキニルは、1つの炭素間三重結合を有する。一実施形態において、アルキニル基は、C2〜6アルキニル基から選択される。別の実施形態において、アルキニル基は、C2〜4アルキニル基から選択される。非限定的な例示的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、2−ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニル基が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として本明細書において使用される際の「任意選択的に置換されるアルキニル」という用語は、上に定義されるアルキニルが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクロから独立して選択される1つ、2つまたは3つの置換基で置換されることを意味する。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ハロアルキル」という用語は、1つまたは複数のフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素原子で置換されるアルキル基を指す。一実施形態において、アルキル基は、1個、2個、または3個のフッ素および/または塩素原子で置換される。別の実施形態において、ハロアルキル基は、C1〜4ハロアルキル基から選択される。非限定的な例示的なハロアルキル基としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロプロピル、4,4,4−トリフルオロブチル、およびトリクロロメチル基が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つまたは複数、例えば、1つ、2つまたは3つのヒドロキシ基で置換されるアルキル基を指す。一実施形態において、ヒドロキシアルキル基は、モノヒドロキシアルキル基であり、すなわち、1つのヒドロキシ基で置換される。別の実施形態において、ヒドロキシアルキル基は、ジヒドロキシアルキル基であり、すなわち、2つのヒドロキシ基で置換される。別の実施形態において、ヒドロキシアルキル基は、C1〜4ヒドロキシアルキル基から選択される。非限定的な例示的なヒドロキシアルキル基としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピルおよびヒドロキシブチル基(1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、1,2−ジヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、および1,3−ジヒドロキシプロパ−2−イルなど)が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルコキシ」という用語は、末端酸素原子に結合された、任意選択的に置換されるアルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、任意選択的に置換されるアルケニルまたは任意選択的に置換されるアルキニルを指す。一実施形態において、アルコキシ基は、C1〜4アルコキシ基から選択される。別の実施形態において、アルコキシ基は、末端酸素原子に結合されたC1〜4アルキル、例えば、メトキシ、エトキシ、およびtert−ブトキシから選択される。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキルチオ」という用語は、任意選択的に置換されるアルキル基で置換された硫黄原子を指す。一実施形態において、アルキルチオ基は、C1〜4アルキルチオ基から選択される。非限定的な例示的なアルキルチオ基としては、−SCH3、および−SCH2CH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルコキシアルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を指す。非限定的な例示的なアルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、メトキシプロピル、メトキシブチル、エトキシメチル、エトキシエチル、エトキシプロピル、エトキシブチル、プロポキシメチル、イソ−プロポキシメチル、プロポキシエチル、プロポキシプロピル、ブトキシメチル、tert−ブトキシメチル、イソブトキシメチル、sec−ブトキシメチル、およびペンチルオキシメチルが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ハロアルコキシ」という用語は、末端酸素原子に結合されたハロアルキルを指す。非限定的な例示的なハロアルコキシ基としては、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、および2,2,2−トリフルオロエトキシが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ヘテロアルキル」という用語は、1〜10個の炭素原子と、O、N、またはSから選択される、同じかまたは異なり得る少なくとも2個のヘテロ原子とを含有する安定した直鎖状または分枝鎖状炭化水素基を指し、ここで:1)窒素原子および硫黄原子が任意選択的に酸化され得;および/または2)窒素原子が任意選択的に四級化され得る。ヘテロ原子は、ヘテロアルキル基の任意の内部位置にまたはヘテロアルキル基が分子の残りの部分に結合された位置に配置され得る。一実施形態において、ヘテロアルキル基は、2個の酸素原子を含有する。一実施形態において、ヘテロアルキルは、1個の酸素および1個の窒素原子を含有する。一実施形態において、ヘテロアルキルは、2個の窒素原子を含有する。非限定的な例示的なヘテロアルキル基としては、−CH2OCH2CH2OCH3、−OCH2CH2OCH2CH2OCH3、−CH2NHCH2CH2OCH2、−OCH2CH2NH2、−NHCH2CH2N(H)CH3、−NHCH2CH2OCH3、および−OCH2CH2OCH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アリール」という用語は、6〜14個の炭素原子を有する単環式または二環式芳香環系(すなわち、C6〜14アリール)を指す。非限定的な例示的なアリール基としては、フェニル(「Ph」と略記される)、ナフチル、フェナントリル、アントラシル(anthracyl)、インデニル、アズレニル、ビフェニル、ビフェニレニル、およびフルオレニル基が挙げられる。一実施形態において、アリール基は、フェニルまたはナフチルから選択される。一実施形態において、アリール基はフェニルである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として本明細書において使用される際の「任意選択的に置換されるアリール」という用語は、上に定義されるアリールが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意選択的に置換されるアリール、任意選択的に置換されるヘテロアリール、任意選択的に置換されるヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シアノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(シクロアルキルアミノ)アルキル、(C
1〜4ハロアルコキシ)アルキル、(ヘテロアリール)アルキル、−N(R
43)(R
44)、および−N(H)C(=O)−R
45からなる群から独立して選択される1〜5つの置換基で置換されることを意味し、ここで、R
43が、水素またはC
1〜4アルキルであり;R
44が、アルコキシアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、または(ジアルキルアミノ)アルキルであり;R
45が、アルキル、任意選択的に置換されるアリールまたは任意選択的に置換されるヘテロアリールである。一実施形態において、任意選択的に置換されるアリールは、任意選択的に置換されるフェニルである。一実施形態において、任意選択的に置換されるフェニルは、4つの置換基を有する。別の実施形態において、任意選択的に置換されるフェニルは、3つの置換基を有する。別の実施形態において、任意選択的に置換されるフェニルは、2つの置換基を有する。別の実施形態において、任意選択的に置換されるフェニルは、1つの置換基を有する。別の実施形態において、任意選択的に置換されるフェニルは、1つのアミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、または(ジアルキルアミノ)アルキル置換基を有する。非限定的な例示的な置換アリール基としては、2−メチルフェニル、2−メトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、3−メチルフェニル、3−メトキシフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−メトキシフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、2,6−ジ−フルオロフェニル、2,6−ジ−クロロフェニル、2−メチル、3−メトキシフェニル、2−エチル、3−メトキシフェニル、3,4−ジ−メトキシフェニル、3,5−ジ−フルオロフェニル、3,5−ジ−メチルフェニル、3,5−ジメトキシ、4−メチルフェニル、2−フルオロ−3−クロロフェニル、3−クロロ−4−フルオロフェニル、および2−フェニルプロパン−2−アミンが挙げられる。任意選択的に置換されるアリールという用語は、縮合された任意選択的に置換されるシクロアルキルおよび縮合された任意選択的に置換されるヘテロシクロ環を有する基を含むことが意図される。例としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アリールオキシ」という用語は、末端酸素原子に結合された任意選択的に置換されるアリールを指す。非限定的な例示的なアリールオキシ基はPhO−である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ヘテロアリールオキシ」という用語は、末端酸素原子に結合された任意選択的に置換されるヘテロアリールを指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アラルキルオキシ」または「アリールアルキルオキシ」という用語は、末端酸素原子に結合されたアラルキル基を指す。非限定的な例示的なアラルキルオキシ基はPhCH2O−である。
本開示の趣旨では、「ヘテロアリール」または「複素環式芳香族」という用語は、5〜14個の環原子(すなわち、C5〜14ヘテロアリール)および酸素、窒素または硫黄から独立して選択される1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する単環式および二環式芳香環系を指す。一実施形態において、ヘテロアリールは、3個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、2個のヘテロ原子を有する。別の実施形態において、ヘテロアリールは、1個のヘテロ原子を有する。一実施形態において、ヘテロアリールはC5ヘテロアリールである。別の実施形態において、ヘテロアリールはC6ヘテロアリールである。非限定的な例示的なヘテロアリール基としては、チエニル、ベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾオキサゾニル、クロメニル、キサンテニル、2H−ピロリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、シンノリニル、キナゾリニル、プテリジニル、4aH−カルバゾリル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、フェノチアゾリル、イソオキサゾリル、フラザニル、およびフェノキサジニルが挙げられる。一実施形態において、ヘテロアリールは、チエニル(例えば、チエン−2−イルおよびチエン−3−イル)、フリル(例えば、2−フリルおよび3−フリル)、ピロリル(例えば、1H−ピロール−2−イルおよび1H−ピロール−3−イル)、イミダゾリル(例えば、2H−イミダゾール−2−イルおよび2H−イミダゾール−4−イル)、ピラゾリル(例えば、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イル、および1H−ピラゾール−5−イル)、ピリジル(例えば、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、およびピリジン−4−イル)、ピリミジニル(例えば、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、およびピリミジン−5−イル)、チアゾリル(例えば、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、およびチアゾール−5−イル)、イソチアゾリル(例えば、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、およびイソチアゾール−5−イル)、オキサゾリル(例えば、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、およびオキサゾール−5−イル)およびイソオキサゾリル(例えば、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、およびイソオキサゾール−5−イル)から選択される。「ヘテロアリール」という用語は、可能なN−オキシドを含むことも意味する。例示的なN−オキシドとしては、ピリジルN−オキシドが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「任意選択的に置換されるヘテロアリール」という用語は、上に定義されるヘテロアリールが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アラルキル、アリールオキシ、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、任意選択的に置換されるシクロアルキル、アルケニル、アルキニル、任意選択的に置換されるアリール、任意選択的に置換されるヘテロアリール、任意選択的に置換されるヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シアノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(ヘテロアリール)アルキル、−N(R43)(R44)、または−N(H)C(=O)−R45から独立して選択される1〜4つの置換基、例えば、1つまたは2つの置換基で置換されることを意味し、ここで、R43が、水素またはC1〜4アルキルであり;R44が、アルコキシアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、(アミノ)アルキル、(アルキルアミノ)アルキル、または(ジアルキルアミノ)アルキルであり;R45が、アルキル、任意選択的に置換されるアリール、または任意選択的に置換されるヘテロアリールである。一実施形態において、任意選択的に置換されるヘテロアリールは、1つの置換基を有する。一実施形態において、置換基は、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、−N(R43)(R44)、または−N(H)C(=O)−R45である。一実施形態において、任意選択的に置換されるのは、任意選択的に置換されるピリジル、すなわち、2−、3−、または4−ピリジルである。任意の利用可能な炭素または窒素原子が置換され得る。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「複素環」または「ヘテロシクロ」という用語は、3〜14個の環員を有する1つ、2つ、または3つの環(すなわち、3員〜14員ヘテロシクロ)および少なくとも1個のヘテロ原子を含有する飽和および部分的に不飽和の(例えば、1つまたは2つの二重結合を含有する)環式基を指す。各ヘテロ原子が、独立して、酸素、スルホキシドおよびスルホンを含む硫黄、および/または四級化され得る窒素原子からなる群から選択される。「ヘテロシクロ」という用語が、イミダゾリジニル−2−オンなどの環状ウレイド基、β−ラクタム、γ−ラクタム、δ−ラクタムおよびε−ラクタムなどの環状アミド基、およびオキサゾリジニル−2−オンなどの環状カルバメート基を含むことが意図される。「ヘテロシクロ」という用語が、縮合された任意選択的に置換されるアリール基、例えば、インドリニル、インドリニル−2−オン、ベンゾ[d]オキサゾリル−2(3H)−オンを有する基を含むことも意図される。一実施形態において、ヘテロシクロ基は、1つの環および1個または2個の酸素および/または窒素原子を含有する4員、5員、6員、7員または8員環式基から選択される。一実施形態において、ヘテロシクロ基は、1つの環および1個または2個の窒素原子を含有する5員または6員環式基から選択される。一実施形態において、ヘテロシクロ基は、2つの環および1個または2個の窒素原子を含有する8員、9員、10員、11員、または12員環式基から選択される。ヘテロシクロは、炭素または窒素原子を介して分子の残りの部分に任意選択的に結合され得る。非限定的な例示的なヘテロシクロ基としては、2−オキソピロリジン−3−イル、2−イミダゾリジノン、ピペリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(ノルトロパン)、6−アザスピロ[2.5]オクタン、6−アザスピロ[3.4]オクタン、インドリニル、インドリニル−2−オン、1,3−ジヒドロ−2H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−オンが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として本明細書において使用される際の「任意選択的に置換されるヘテロシクロ」という用語は、上に定義されるヘテロシクロが、非置換であるか、またはハロ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ハロアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、アルキルチオ、カルボキサミド、スルホンアミド、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ウレイド、グアニジノ、カルボキシ、カルボキシアルキル、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロ、アルコキシアルキル、(アミノ)アルキル、ヒドロキシアルキルアミノ、(アルキルアミノ)アルキル、(ジアルキルアミノ)アルキル、(シアノ)アルキル、(カルボキサミド)アルキル、メルカプトアルキル、(ヘテロシクロ)アルキル、および(ヘテロアリール)アルキルから独立して選択される1〜4つの置換基で置換されることを意味する。置換は、任意の利用可能な炭素または窒素原子上で起こり得、スピロ環を形成し得る。一実施形態において、任意選択的に置換されるヘテロシクロは、少なくとも1つのアミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基で置換される。非限定的な例示的な任意選択的に置換されるヘテロシクロ基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アミノ」という用語は、−NH2を指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキルアミノ」という用語は、−NHR22(ここで、R22がC1〜6アルキルである)を指す。一実施形態において、R22がC1〜4アルキルである。非限定的な例示的なアルキルアミノ基としては、−N(H)CH3および−N(H)CH2CH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ジアルキルアミノ」という用語は、−NR23aR23b(ここで、R23aおよびR23bがそれぞれ、独立して、C1〜6アルキルである)を指す。一実施形態において、R23aおよびR23bがそれぞれ、独立して、C1〜4アルキルである。非限定的な例示的なジアルキルアミノ基としては、−N(CH3)2および−N(CH3)CH2CH(CH3)2が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ヒドロキシアルキルアミノ」という用語は、−NHR24(ここで、R24がヒドロキシアルキルである)を指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「シクロアルキルアミノ」という用語は、−NR25aR25b(ここで、R25aが、任意選択的に置換されるシクロアルキルであり、R25bが、水素またはC1〜4アルキルである)を指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アラルキルアミノ」という用語は、−NR26aR26b(ここで、R26aがアラルキルであり、R26bが、水素またはC1〜4アルキルである)を指す。非限定的な例示的なアラルキルアミノ基としては、−N(H)CH2Ph、および−N(CH3)CH2Phが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(アミノ)アルキル」という用語は、アミノ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(アミノ)アルキル基としては、−CH2NH2、−C(NH2)(H)CH3、−CH2CH2NH2、−CH2C(NH2)(H)CH3、−CH2CH2CH2NH2、−CH2CH2CH2CH2NH2、および−CH2C(CH3)2CH2NH2が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(アルキルアミノ)アルキル」という用語は、アルキルアミノ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(アルキルアミノ)アルキル基は、−CH2CH2N(H)CH3である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(ジアルキルアミノ)アルキル」という用語は、ジアルキルアミノ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(ジアルキルアミノ)アルキル基は、−CH2CH2N(CH3)2である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(シクロアルキルアミノ)アルキル」という用語は、シクロアルキルアミノ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(シクロアルキルアミノ)アルキル基としては、−CH2N(H)シクロプロピル、−CH2N(H)シクロブチル、および−CH2N(H)シクロヘキシルが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(アラルキルアミノ)アルキル」という用語は、アラルキルアミノ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(アラルキルアミノ)アルキルは、−CH2CH2CH2N(H)CH2Phである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(シアノ)アルキル」という用語は、1つまたは複数のシアノ基、例えば、−CN基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(シアノ)アルキル基としては、−CH2CH2CN、−CH2CH2CH2CN、および−CH2CH2CH2CH2CNが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(アミノ)(ヒドロキシ)アルキル」という用語は、1つのアミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基および1つのヒドロキシ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC
1〜6アルキルである。別の実施形態において、アルキルはC
1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(アミノ)(ヒドロキシ)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(アミノ)(アリール)アルキル」という用語は、1つのアミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基および1つの任意選択的に置換されるアリール基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC
1〜6アルキルである。一実施形態において、任意選択的に置換されるアリール基は、任意選択的に置換されるフェニルである。非限定的な例示的な(アミノ)(アリール)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(シクロアルキル)アルキル」という用語は、1つの任意選択的に置換されるシクロアルキル基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC
1〜4アルキルである。一実施形態において、シクロアルキルはC
3〜6シクロアルキルである。一実施形態において、任意選択的に置換されるシクロアルキル基は、アミノまたは(アミノ)アルキル基で置換される。非限定的な例示的な(シクロアルキル)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(ヒドロキシ)(アリール)アルキル」という用語は、1つのヒドロキシ基および1つの任意選択的に置換されるアリール基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アルキルはC
1〜6アルキルである。一実施形態において、任意選択的に置換されるアリール基は、任意選択的に置換されるフェニルである。非限定的な例示的な(ヒドロキシ)(アリール)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「カルボキサミド」という用語は、式−C(=O)NR26aR26b(ここで、R26aおよびR26bがそれぞれ、独立して、水素、任意選択的に置換されるアルキル、任意選択的に置換されるアリール、または任意選択的に置換されるヘテロアリールであり、またはR26aおよびR26bが、それらが結合される窒素と一緒になって、3員〜8員ヘテロシクロ基を形成する)の基を指す。一実施形態において、R26aおよびR26bがそれぞれ、独立して、水素または任意選択的に置換されるアルキルである。非限定的な例示的なカルボキサミド基としては、−CONH2、−CON(H)CH3、CON(CH3)2、および−CON(H)Phが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(カルボキサミド)アルキル」という用語は、カルボキサミド基で置換されたアルキル基を指す。非限定的な例示的な(カルボキサミド)アルキル基としては、−CH2CONH2、−C(H)CH3−CONH2、および−CH2CON(H)CH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「スルホンアミド」という用語は、式−SO2NR27aR27b(ここで、R27aおよびR27bがそれぞれ、独立して、水素、任意選択的に置換されるアルキル、または任意選択的に置換されるアリールであり、またはR27aおよびR27bが、それらが結合される窒素と一緒になって、3員〜8員ヘテロシクロ基を形成する)の基を指す。非限定的な例示的なスルホンアミド基としては、−SO2NH2、−SO2N(H)CH3、および−SO2N(H)Phが挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキルカルボニル」という用語は、カルボニル基、すなわち、アルキル基で置換された−C(=O)−を指す。非限定的な例示的なアルキルカルボニル基は−COCH3である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アリールカルボニル」という用語は、カルボニル基、すなわち、任意選択的に置換されるアリール基で置換された−C(=O)−を指す。非限定的な例示的なアリールカルボニル基は−COPhである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキルスルホニル」という用語は、スルホニル基、すなわち、上記の任意選択的に置換されるアルキル基のいずれかで置換された−SO2−を指す。非限定的な例示的なアルキルスルホニル基は−SO2CH3である。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アリールスルホニル」という用語は、スルホニル基、すなわち、上記の任意選択的に置換されるアリール基のいずれかで置換された−SO2−を指す。非限定的な例示的なアリールスルホニル基は−SO2Phである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「メルカプトアルキル」という用語は、−SH基で置換された上記のアルキル基のいずれかを指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「カルボキシ」という用語は、式−COOHの基を指す。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「カルボキシアルキル」という用語は、−COOHで置換された上記のアルキル基のいずれかを指す。非限定的な例示的なカルボキシアルキル基は−CH2CO2Hである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルコキシカルボニル」という用語は、カルボニル基、すなわち、アルコキシ基で置換された−C(=O)−を指す。非限定的な例示的なアルコキシカルボニル基は、−CO2Meおよび−CO2Etである。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アラルキル」または「アリールアルキル」という用語は、1つ、2つ、または3つの任意選択的に置換されるアリール基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、アラルキル基は、1つの任意選択的に置換されるアリール基で置換されたC1〜4アルキルである。非限定的な例示的なアラルキル基としては、ベンジル、フェネチル、−CHPh2、−CH2(4−OH−Ph)、および−CH(4−F−Ph)2が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「ウレイド」という用語は、式−NR30a−C(=O)−NR30bR30c(ここで、R22aが、水素、アルキル、または任意選択的に置換されるアリールであり、R30bおよびR30cがそれぞれ、独立して、水素、アルキル、または任意選択的に置換されるアリールであり、またはR30bおよびR30cが、それらが結合される窒素と一緒になって、4員〜8員ヘテロシクロ基を形成する)の基を指す。非限定的な例示的なウレイド基としては、−NH−C(C=O)−NH2および−NH−C(C=O)−NHCH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「グアニジノ」という用語は、式−NR28a−C(=NR29)−NR28bR28c(ここで、R28a、R28b、およびR28cがそれぞれ、独立して、水素、アルキル、または任意選択的に置換されるアリールであり、R29が、水素、アルキル、シアノ、アルキルスルホニル、アルキルカルボニル、カルボキサミド、またはスルホンアミドである)の基を指す。非限定的な例示的なグアニジノ基としては、−NH−C(C=NH)−NH2、−NH−C(C=NCN)−NH2、および−NH−C(C=NH)−NHCH3が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(ヘテロシクロ)アルキル」という用語は、1つ、2つ、または3つの任意選択的に置換されるヘテロシクロ基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、(ヘテロシクロ)アルキルは、1つの任意選択的に置換されるヘテロシクロ基で置換されたC
1〜4アルキルである。ヘテロシクロは、炭素または窒素原子を介してアルキル基に結合され得る。非限定的な例示的な(ヘテロシクロ)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「(ヘテロアリール)アルキル」という用語は、1つ、2つ、または3つの任意選択的に置換されるヘテロアリール基で置換されたアルキル基を指す。一実施形態において、(ヘテロアリール)アルキル基は、1つの任意選択的に置換されるヘテロアリール基で置換されたC
1〜4アルキルである。非限定的な例示的な(ヘテロアリール)アルキル基としては:
が挙げられる。
本開示の趣旨では、単独でまたは別の基の一部として使用される際の「アルキルカルボニルアミノ」という用語は、アミノに結合されたアルキルカルボニル基を指す。非限定的な例示的なアルキルカルボニルアミノ基は−NHCOCH3である。
本開示の趣旨では、「C1〜4架橋」という用語は、シクロヘキシル基の2個の炭素原子と結合して、C7、C8、C9、またはC10ビシクロ基を形成する、−CH2−、−(CH2)2−、−(CH2)3−、または−(CH2)4−基を指す。例えば、式I中、R2aおよびR2bが一緒になって、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[3.3.1]ノナン、またはビシクロ[4.3.1]デカン基を形成することができる。C1〜4架橋の各メチレン単位は、C1〜4アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される1つまたは2つの置換基で任意選択的に置換され得る。
本開示は、異なる原子質量または質量数を有する原子で置換された1つまたは複数の原子を有することによって同位体標識された(すなわち、放射性標識された)本開示の化合物のいずれかを包含する。開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、それぞれ2H(または重水素(D))、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Cl、例えば、3H、11C、および14Cなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。一実施形態において、本開示の化合物内の位置において原子の実質的に全てが、異なる原子質量または質量数を有する原子で置換された組成物が提供される。別の実施形態において、本開示の化合物内の位置において原子の一部が置換された、すなわち、本開示の化合物が、異なる原子質量または質量数を有する原子を有する位置において富化された組成物が提供される。同位体標識された本開示の化合物は、当該技術分野において公知の方法によって調製され得る。
本開示の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有していてもよく、したがって、鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性体を生じ得る。本開示は、全てのこのような可能な形態、ならびにそれらのラセミ体および分解形態(resolved form)およびそれらの混合物の使用を包含することが意図される。個々の鏡像異性体は、本開示を考慮して、当該技術分野において公知の方法にしたがって分離され得る。本明細書に記載される化合物が、オレフィン性二重結合または他の幾学的不斉中心を含有する場合、特に規定されない限り、それらはEおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。全ての互変異性体も、本開示によって包含されることが意図される。
本明細書において使用される際、「立体異性体」という用語は、空間におけるそれらの原子の配向のみが異なる個々の分子の全ての異性体の一般用語である。立体異性体は、1つの別の(ジアステレオマー)の鏡像でない2つ以上の不斉中心を有する化合物の鏡像異性体および異性体を含む。
「不斉中心」または「不斉炭素原子」という用語は、4つの異なる基が結合された炭素原子を指す。
「鏡像異性体」および「鏡像異性(enantiomeric)」という用語は、その鏡像に重ね合わせることができず、したがって光学的に活性である分子を指し、ここで、鏡像異性体は、一方向に偏光面を回転させ、その鏡像化合物は、逆方向に偏光面を回転させる。
「ラセミ体(racemic)」という用語は、等量の鏡像異性体の混合物を指し、この混合物は、光学的に不活性である。
「絶対配置」という用語は、キラル分子実体(または基)の原子の空間的配置およびその立体化学的記述、例えば、RまたはSを指す。
本明細書において使用される立体化学的条件および慣例は、特に示されない限り、Pure & Appl.Chem 68:2193(1996)に記載されているものと一致することが意図される。
「鏡像体過剰率」または「ee」という用語は、どのくらいの1つの鏡像異性体が他の鏡像異性体と比較して存在するかの尺度を指す。RおよびS鏡像異性体の混合物の場合、鏡像体過剰率パーセントは、│R−S│*100として定義され、式中、RおよびSが、R+S=1であるような混合物中の鏡像異性体のそれぞれのモル分率または重量分率である。キラル物質の旋光度を認識した上で、鏡像体過剰率パーセントは、([α]obs/[α]max)*100として定義され、式中、[α]obsは、鏡像異性体の混合物の旋光度であり、[α]maxは、純粋な鏡像異性体の旋光度である。鏡像体過剰率の決定は、NMR分光法、キラルカラムクロマトグラフィーまたは光学的な偏光分析法を含む様々な分析技術を用いて可能である。
「鏡像異性的に純粋な」または「エナンチオピュアな」という用語は、(検出限界の範囲内で)その分子の全てが同じキラリティーの意味を有するキラル物質の試料を指す。
「鏡像異性体に富んだ(enantiomerically enriched)」または「鏡像異性体に富んだ(enantioenriched)」という用語は、鏡像異性体比率が50:50を超えるキラル物質の試料を指す。鏡像異性体に富んだ化合物は、鏡像異性的に純粋であり得る。
単数形(「a」および「an」)の用語は、1つまたは複数を指す。
本明細書において使用される際の「約」という用語は、記載される数値±10%を含む。したがって、「約10」は、9〜11を意味する。
本開示は、非毒性の薬学的に許容できる塩を含む、本開示の化合物の塩の調製および使用を包含する。薬学的に許容できる付加塩の例としては、無機および有機酸付加塩および塩基性塩が挙げられる。薬学的に許容できる塩としては、限定はされないが、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩などの金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属;トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機アミン塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、硫酸塩などの無機酸塩;クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、酢酸塩、ジクロロ酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ギ酸塩などの有機酸塩;メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などのスルホン酸塩;およびアルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などのアミノ酸塩が挙げられる。本明細書において使用される際の「薬学的に許容できる塩」という用語は、例えば、標的患者(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)において生理学的に許容される本開示の化合物の、酸または塩基との反応によって得られる任意の塩を指す。
酸付加塩は、本開示の特定の化合物の溶液を、塩酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、リン酸、シュウ酸、ジクロロ酢酸などの薬学的に許容できる非毒性の酸の溶液と混合することによって形成され得る。塩基性塩は、本開示の化合物の溶液を、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化コリン、炭酸ナトリウムなどの薬学的に許容できる非毒性の塩基の溶液と混合することによって形成され得る。
本開示は、本開示の化合物の溶媒和物の調製および使用を包含する。溶媒和物は、典型的に、化合物の生理学的活性または毒性を実質的に変化させず、したがって、薬理学的な同等物として機能し得る。本明細書において使用される際の「溶媒和物」という用語は、本開示の化合物と、例えば二溶媒和物、一溶媒和物または半溶媒和物(hemisolvate)などの溶媒分子との組合せ、物理的結合および/または溶媒和であり、ここで、本開示の化合物に対する溶媒分子の比率は、それぞれ約2:1、約1:1または約1:2である。この物理的結合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合を含む。場合によっては、溶媒和物は、1つまたは複数の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合などに単離され得る。したがって、「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。本開示の化合物は、水、メタノール、エタノールなどの薬学的に許容できる溶媒とともに溶媒和形態として存在し得、本開示は、本開示の化合物の溶媒和および非溶媒和形態の両方を含むことが意図される。1つのタイプの溶媒和物は、水和物である。「水和物」は、溶媒分子が水である溶媒和物の特定の部分群に関する。溶媒和物は、典型的に、薬理学的な同等物として機能し得る。溶媒和物の調製は、当該技術分野において公知である。例えば、酢酸エチルおよび水を用いたフルコナゾールの溶媒和物の調製を記載しているM.Caira et al,J.Pharmaceut.Sci.,93(3):601−611(2004)を参照されたい。溶媒和物、半溶媒和物、水和物などの同様の調製が、E.C.van Tonder et al.,AAPS Pharm.Sci.Tech.,5(1):Article 12(2004)、およびA.L.Bingham et al.,Chem.Commun.603−604(2001)によって記載されている。典型的な非限定的な、溶媒和物を調製する方法は、20℃超〜約25℃の温度で、本開示の化合物を所望の溶媒(有機、水、またはそれらの混合物)に溶解させる工程と、次に、溶液を、結晶を形成するのに十分な速度で冷却する工程と、公知の方法、例えば、ろ過によって結晶を単離する工程とを含み得る。赤外分光法などの分析技術を用いて、溶媒和物の結晶中の溶媒の存在を確認することができる。
本開示の化合物は、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の阻害剤であるため、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質によって媒介されるいくつかの疾病、病態、または疾患が、これらの化合物を用いることによって治療され得る。したがって、本開示は、一般に、その疾患に罹患しているか、または罹患するリスクのある動物における、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の阻害に反応性の疾病、病態、または疾患を治療するための方法であって、この動物に、有効量の1つまたは複数の本開示の化合物を投与する工程を含む方法に関する。
本開示はさらに、それを必要とする動物におけるSMYDタンパク質を阻害する方法であって、その動物に、治療的に有効な量の本開示の少なくとも1つの化合物を投与する工程を含む方法に関する。
本開示はさらに、それを必要とする動物におけるSMYD3を阻害する方法であって、その動物に、治療的に有効な量の本開示の少なくとも1つの化合物を投与する工程を含む方法に関する。
本開示はさらに、それを必要とする動物におけるSMYD2を阻害する方法であって、その動物に、治療的に有効な量の本開示の少なくとも1つの化合物を投与する工程を含む方法に関する。
本明細書において使用される際、「治療する」、「治療すること」、「治療」などの用語は、疾病または病態、および/またはそれに関連する症状を取り除き、軽減し、または改善することを指す。除外されないが、疾病または病態の治療は、疾病、病態、またはそれに関連する症状が完全に取り除かれることを必要としない。本明細書において使用される際、「治療する」、「治療すること」、「治療」などの用語は、「予防的処置」を含んでいてもよく、これは、疾病または病態を再発していないが、再発するリスクがあるかまたは再発しやすい被験体における疾病または病態の再発、または以前に制御された疾病または病態の再発、または疾病または病態の再発の可能性を軽減することを指す。「治療する」という用語および同義語は、治療的に有効な量の本開示の化合物を、このような治療を必要とする個体に投与することを想定している。
本開示の意味の範囲内で、「治療」は、再発予防またはフェーズ予防(phase prophylaxis)、ならびに急性または慢性の兆候、症状および/または機能不全の治療も含む。治療は、例えば、症状を抑制するために、症状に適応され得る(orientated symptomatically)。治療は、例えば維持療法の文脈の範囲内で、短期間にわたって行われ得、中期にわたって適応され得、または長期治療であり得る。
本明細書において使用される際の「治療的に有効な量」または「有効量」という用語は、本開示の方法によって投与される場合、該当する病態または疾病の治療のために、それを必要とする個体に活性成分を有効に送達するのに十分な活性成分の量を指す。癌または他の増殖性疾患の場合、治療的に有効な量の薬剤は、望ましくない細胞増殖を軽減し(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止させ);癌細胞の数を減少させ;腫瘍サイズを縮小し;末梢器官への癌細胞浸潤を阻害し(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止させ);腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度遅らせ、好ましくは停止させ);腫瘍増殖をある程度阻害し;標的細胞中のタンパク質メチル化を調節し;および/または癌に関連する症状の1つまたは複数をある程度軽減し得る。投与される化合物または組成物が増殖を防止し、および/または存在する癌細胞を死滅させる程度まで、それは、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性であり得る。
「容器(container)」という用語は、医薬品を貯蔵し、輸送し、分配し、および/または取り扱うのに好適な任意のレセプタクル(receptacle)およびクロージャ(closure)を意味する。
「挿入物(insert)」という用語は、医師、薬剤師、および患者に、製品の使用に関して十分な情報を得た上での判断を行わせるのに必要な安全性および有効性データとともに、製品を投与する方法の説明を提供する、医薬品に付属する情報を意味する。添付文書は、一般に、医薬品の「ラベル」とみなされる。
「疾病」または「病態」または「疾患」という用語は、一般に、病的状態または機能とみなされる、特定の兆候、症状、および/または機能不全の形態でそれ自体現れ得る障害および/または異常を示す。以下に示されるように、本開示の化合物は、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質を阻害し、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の阻害が利益をもたらす、増殖性疾患などの疾病および病態を治療するのに使用され得る。
ある実施形態において、本開示の化合物は、「SMYDタンパク質媒介性疾患」(例えば、SMYD3媒介性疾患またはSMYD2媒介性疾患)を治療するのに使用され得る。SMYDタンパク質媒介性疾患は、SMYDタンパク質が役割を果たすことが知られている任意の病的状態である。ある実施形態において、SMYD媒介性疾患は、増殖性疾患である。
ある実施形態において、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の阻害は、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の1つまたは複数の活性の活性の阻害である。ある実施形態において、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質の活性は、SMY3またはSMYD2などのSMYDタンパク質が、メチル基を標的タンパク質(例えば、ヒストン)に移動させる能力である。SMYD3およびSMYD2などの1つまたは複数のSMYDタンパク質の活性が、インビボまたはインビボで阻害され得ることが理解されるべきである。SMYD3およびSMYD2などの1つまたは複数のSMYDタンパク質の活性の阻害の例示的なレベルとしては、少なくとも10%の阻害、少なくとも20%の阻害、少なくとも30%の阻害、少なくとも40%の阻害、少なくとも50%の阻害、少なくとも60%の阻害、少なくとも70%の阻害、少なくとも80%の阻害、少なくとも90%の阻害、および最大で100%の阻害が挙げられる。
リジンメチルトランスフェラーゼ(KMT)のSMYD(SETおよびMYNDドメイン)ファミリーは、遺伝子発現調節およびDNA損傷応答を含む、様々な細胞過程において極めて重要な役割を果たす。ヒトSMYDタンパク質のファミリーは、SMYD1、SMYD2、SMYD3、SMYD4およびSMYD5からなる。SMYD1、SMYD2、およびSMYD3は、高度の配列相同性を共有し、SMYD5を除いて、ヒトSMYDタンパク質は、少なくとも1つのC末端テトラトリコペプチド反復配列(TPR)ドメインを保有する(例えば、Abu−Farha et al.J Mol Cell Biol(2011)3(5)301−308を参照)。SMYDタンパク質は、様々な癌に関連があることが分かっている(例えば、Hamamoto et al.Nat Cell.Biol.2004,6:731−740を参照)、Hu et al.Canncer Research 2009,4067−4072、およびKomatsu et al.Carcinogenesis 2009,301139−1146)。
SMYD3は、いくつかの様々な癌において高レベルで発現されることが分かっているタンパク質メチルトランスフェラーゼである(Hamamoto,R.,et al.,Nat.Cell Biol.,6(8):731−40(2004))。SMYD3は、乳癌、肝臓癌、前立腺癌および肺癌細胞株の生存に重要な遺伝子転写およびシグナル伝達経路の調節に役割を果たす可能性が高い(Hamamoto,R.,et al.,Nat.Cell Biol.,6(8):731−40(2004);Hamamoto,R.,et al.,Cancer Sci.,97(2):113−8(2006);Van Aller,G.S.,et al.,Epigenetics,7(4):340−3(2012);Liu,C.,et al.,J.Natl.Cancer Inst.,105(22):1719−28(2013);Mazur,P.K.,et al.,Nature,510(7504):283−7(2014))。
SMYD3の遺伝子ノックダウンが、様々な癌細胞株の増殖の減少につながる(Hamamoto,R.,et al.,Nat.Cell Biol.,6(8):731−40(2004);Hamamoto,R.,et al.,Cancer Sci.,97(2):113−8(2006);Van Aller,G.S.,et al.,Epigenetics,7(4):340−3(2012);Liu,C.,et al.,J.Natl.Cancer Inst.,105(22):1719−28(2013);Mazur,P.K.,et al.,Nature,510(7504):283−7(2014))。RNAiに基づく技術を用いるいくつかの研究により、肝細胞癌細胞株におけるSMYD3の除去が、細胞生存を非常に低下させ、その生存促進の規則(pro−survival role)が、その触媒活性に応じて決まることが示された(Hamamoto、R.,et al.,Nat.Cell Biol.,6(8):731−40(2004);Van Aller,G.S.,et al.,Epigenetics,7(4):340−3(2012))。さらに、SMYD3はまた、癌遺伝子、マウスモデルにおける膵臓腺癌および肺腺癌のいずれの場合もKRASにおける機能獲得型突然変異に起因する形質転換の重要な伝達物質であることも示された。SMYD3に対するKRASの依存性はまた、その触媒活性に応じて決まることも示された(Mazur,P.K.,et al.,Nature,510(7504):283−7(2014))。
SMYD2(SETおよびMYNDドメインを含有するタンパク質2)を、基質タンパク質上へのメチル基の部位特異的な移動を触媒するSETドメイン含有タンパク質のサブファミリーの1つであるタンパク質としてまず特性評価した。SMYD2は、ヒストンH3上のリジン36(H3K36)に対してメチルトランスフェラーゼ活性を有することが最初に示されたが、その後、ヒストンおよび非ヒストンメチルトランスフェラーゼ活性の両方を有することが示された。
SMYD2は、多発性癌の病因に関与しているとされている。SMYD2は、対応する正常な試料と比較して、***、頸部、結腸、腎臓、肝臓、頭頸部、皮膚、膵臓、卵巣、食道および前立腺の腫瘍、ならびにAML、B−およびT−ALL、CLLおよびMCLなどの血液悪性疾患において、過剰発現されることが示されており、このことは、これらの癌の生態におけるSMYD2の役割を示唆している。より詳細には、SMYD2の遺伝子ノックダウンを用いた研究により、食道扁平上皮細胞癌(ESCC)、膀胱癌および子宮頸癌細胞株における抗増殖効果が実証された。さらに、SMYD2の高度発現が、ESCCおよび小児ALLの両方における不良の予後因子であることが示されている(例えば、Komatsu et al.Br J Cancer.2015 Jan 20;112(2):357−64、およびSakamoto et al.,Leuk Res.2014 Apr;38(4):496−502を参照)。最近、Nguyenらは、SMYD2の小分子阻害剤(LLY−507)が、いくつかの食道、肝臓および乳癌細胞株の増殖を、用量依存的に阻害したことを示した(Nguyen et al.J Biol Chem.2015 Mar 30.pii:jbc.M114.626861[冊子体に先行して電子版が公開されている(Epub ahead of print)])。
一態様において、本開示は、患者における癌を治療する方法であって、治療的に有効な量の本開示の化合物を投与する工程を含む方法を提供する。特定の機構に限定されるものではないが、ある実施形態において、本開示の化合物は、SMYD3およびSMYD2などのSMYDタンパク質を阻害することによって、癌を治療することができる。治療可能な癌の例としては、限定はされないが、副腎癌、腺房細胞癌、聴神経腫、末端黒子型黒色腫、先端汗腺腫、急性好酸球性白血病、急性赤白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性単球性白血病、急性前骨髄球性白血病、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺様歯原性腫瘍、腺扁平上皮癌、脂肪組織腫瘍、副腎皮質癌、成人T細胞白血病/リンパ腫、アグレッシブNK細胞白血病、AIDS関連リンパ腫、胞巣型横紋筋肉腫、胞状軟部肉腫、エナメル上皮線維腫、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、星細胞腫、非定型奇形腫様ラブドイド腫瘍、B細胞性慢性リンパ球性白血病、B細胞性前リンパ球性白血病、B細胞リンパ腫、基底細胞癌、胆道癌、膀胱癌、芽細胞腫、骨肉腫、ブレナー腫瘍、褐色腫、バーキットリンパ腫、乳癌、脳腫瘍、癌腫、上皮内癌、癌肉腫、軟骨腫瘍、セメント腫、骨髄性肉腫、軟骨腫、脊索腫、絨毛腫、脈絡叢乳頭腫、腎明細胞肉腫、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、子宮頸癌、大腸癌、ドゴー病、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、未分化胚細胞腫、胚性癌腫、内分泌腺腫瘍、内胚葉洞腫瘍、腸管症関連T細胞リンパ腫、食道癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、神経節細胞腫、消化管癌、胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛癌、巨細胞線維芽腫、骨巨細胞腫、グリア系腫瘍、多形膠芽細胞腫、神経膠腫、大脳神経膠腫症、グルカゴノーマ、性腺芽細胞腫、顆粒膜細胞腫、半陰陽性卵巣腫瘍、胆嚢癌、胃癌、有毛細胞性白血病、血管芽腫、頭頸部癌、血管外皮細胞腫、悪性血液疾患、肝芽腫、肝脾T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、浸潤性小葉癌、腸癌、腎臓癌、喉頭癌、悪性黒子、致死性正中線癌、白血病、ライディッヒ細胞腫、脂肪肉腫、肺癌、リンパ管腫、リンパ管肉腫、リンパ上皮腫、リンパ腫、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病、肝臓癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、MALTリンパ腫、悪性線維性組織球腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性トリトン腫瘍、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、乳腺髄様癌、甲状腺髄様癌、髄芽腫、黒色腫、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、転移性尿路上皮癌、ミュラー管混合腫瘍、粘液性腫瘍、多発性骨髄腫、筋組織腫瘍、菌状息肉腫、粘液型脂肪肉腫、粘液腫、粘液肉腫、鼻咽頭癌、神経鞘腫、神経芽細胞腫、神経繊維腫、神経腫、結節型黒色腫、眼癌、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、好酸性腺腫、視神経鞘髄膜腫、視神経腫瘍、口腔癌、骨肉腫、卵巣癌、パンコースト腫瘍、甲状腺乳頭癌、傍神経節腫、松果体芽腫、松果体細胞腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体部腫瘍、形質細胞腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系原発リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、原発性腹膜癌、前立腺癌、膵臓癌、咽頭癌(pharyngeal cancer)、腹膜偽粘液腫、腎細胞癌、腎髄様癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、直腸癌、肉腫、シュワン細胞腫症、精上皮腫、セルトリ細胞腫、性索・性腺間質性腫瘍、印環細胞癌、皮膚癌、小円形青色細胞腫瘍、小細胞癌、軟組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脾性辺縁帯リンパ腫、扁平上皮細胞癌、滑膜肉腫、セザリー病、小腸癌、扁平上皮癌、胃癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、卵胞膜細胞腫、甲状腺癌、移行上皮癌、咽頭癌(throat cancer)、尿膜管癌、泌尿生殖器癌、尿路上皮癌、ブドウ膜黒色腫、子宮癌、疣贅性癌、視経路神経膠腫、外陰癌、膣癌、ワルデンストレームマクログロブリン血症、ワルチン腫瘍、およびウィルムス腫瘍が挙げられる。
別の実施形態において、癌は、乳癌、頸癌、結腸癌、腎臓癌、肝臓癌、頭頸部癌、皮膚癌、膵臓癌、卵巣癌、食道癌、または前立腺癌である。
別の実施形態において、癌は、急性骨髄性白血病(AML)、B−およびT−急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、またはマントル細胞リンパ腫(MCL)などの血液悪性腫瘍である。
別の実施形態において、癌は、食道扁平上皮細胞癌(ESCC)、膀胱癌、または子宮頸癌である。
別の実施形態において、癌は、白血病、例えば、急性単球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ球性白血病および混合系統白血病(MLL)から選択される白血病である。別の実施形態において、癌はNUT正中線癌である。別の実施形態において、癌は多発性骨髄腫である。別の実施形態において、癌は、小細胞肺癌(SCLC)などの肺癌である。別の実施形態において、癌は神経芽細胞腫である。別の実施形態において、癌はバーキットリンパ腫である。別の実施形態において、癌は子宮頸癌である。別の実施形態において、癌は食道癌である。別の実施形態において、癌は卵巣癌である。別の実施形態において、癌は大腸癌である。別の実施形態において、癌は前立腺癌である。別の実施形態において、癌は乳癌である。
別の実施形態において、本開示は、治療的に有効な量の本開示の化合物をこのような治療を必要とする被験体に投与することによって、上記の癌においてインビボでタンパク質メチル化、遺伝子発現、細胞増殖、細胞分化および/またはアポトーシスを調節する治療方法を提供する。
本開示の化合物は、存在する他の成分なしに化学原料の形態で哺乳動物に投与され得る。本開示の化合物はまた、好適な薬学的に許容できる担体と組み合わされた化合物を含有する医薬組成物の一部として哺乳動物に投与され得る。このような担体は、薬学的に許容できる賦形剤および補助剤から選択され得る。「薬学的に許容できる担体」または「薬学的に許容できるビヒクル」という用語は、標準的な医薬担体、溶媒、界面活性剤、またはビヒクルのいずれかを包含する。好適な薬学的に許容できるビヒクルは、水性ビヒクルおよび非水性ビヒクルを含む。標準的な医薬担体およびそれらの製剤が、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,PA,19th ed.1995に記載されている。
本開示の範囲内の医薬組成物は、本開示の化合物が1つまたは複数の薬学的に許容できる担体と組み合わされた全ての組成物を含む。一実施形態において、本開示の化合物は、その意図される治療目的を達成するのに有効な量で組成物中に存在する。個体の要求は様々であり得るが、各化合物の有効量の最適な範囲の決定は、当該技術分野の技能の範囲内である。典型的に、本開示の化合物は、特定の疾患を治療するために1日当たり、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0025〜約1500mg、または当量のその薬学的に許容できる塩または溶媒和物の用量で、哺乳動物、例えば、ヒトに、経口投与され得る。哺乳動物に投与される本開示の化合物の有用な経口用量は、哺乳動物の体重のkg当たり約0.0025〜約50mg、または当量のその薬学的に許容できる塩または溶媒和物である。筋肉内注射の場合、用量は、典型的に、経口用量の約半分である。
単位経口用量は、約0.01mg〜約1gの本開示の化合物、例えば、約0.01mg〜約500mg、約0.01mg〜約250mg、約0.01mg〜約100mg、0.01mg〜約50mg、例えば、約0.1mg〜約10mgの化合物を含み得る。単位用量は、例えば、約0.01mg〜約1gの化合物、または当量のその薬学的に許容できる塩または溶媒和物をそれぞれが含有する1つまたは複数の錠剤またはカプセル剤として、1日に1回または複数回投与され得る。
本開示の医薬組成物は、本開示の化合物の有益な効果を受け得る任意の患者に投与され得る。このような患者の中で一番先に挙げられるのは、哺乳動物、例えば、ヒトおよびコンパニオンアニマルであるが、本開示はそのように限定されることが意図されていない。一実施形態において、患者はヒトである。
本開示の医薬組成物は、その意図される目的を達成する任意の手段によって投与され得る。例えば、投与は、経口、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、鼻腔内、経粘膜、直腸、膣内もしくは口腔経路によって、または吸入によって行うことができる。投与される用量および投与経路は、特定の被験体の状況に応じて、レシピエントの年齢、性別、健康状態、および体重、治療される病態または疾患、もしあれば併用療法の種類、治療の頻度、および所望の効果の性質などの要因を考慮に入れて変化し得る。
一実施形態において、本開示の医薬組成物は、経口投与され得る。別の実施形態において、本開示の医薬組成物は、経口投与され得、錠剤、糖衣錠、カプセル剤、または経口液体製剤へと製剤化される。一実施形態において、経口製剤は、本開示の化合物を含む押し出された多粒子(multiparticulate)を含む。
あるいは、本開示の医薬組成物は、直腸投与され得、坐薬中で製剤化される。
あるいは、本開示の医薬組成物は、注入によって投与され得る。
あるいは、本開示の医薬組成物は、経皮投与され得る。
あるいは、本開示の医薬組成物は、吸入によって、または鼻腔内もしくは経粘膜投与によって投与され得る。
あるいは、本開示の医薬組成物は、膣内経路によって投与され得る。
本開示の医薬組成物は、約0.01〜99重量パーセント、例えば、約0.25〜75重量パーセントの本開示の化合物、例えば、約1重量%、約5重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、または約75重量%の本開示の化合物を含有し得る。
本開示の医薬組成物は、本開示を考慮してそれ自体が公知である方法で、例えば、従来の混合、造粒、糖衣作製(dragee−making)、溶解、押し出し、または凍結乾燥プロセスによって製造される。したがって、経口使用用の医薬組成物は、活性化合物を固体賦形剤と組み合わせて、任意選択的に、得られた混合物を粉砕し、必要に応じてまたは必要な場合、好適な補助剤を加えた後、顆粒の混合物を加工して、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって得られる。
好適な賦形剤としては、サッカリド(例えば、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトール)、セルロース調製物、リン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウムまたはリン酸水素カルシウム)などの充填剤、ならびにでんぷんペースト(例えば、トウモロコシでんぷん、コムギでんぷん、コメでんぷん、またはジャガイモでんぷんを用いた)、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、および/またはポリビニルピロリドンなどの結合剤が挙げられる。必要に応じて、上記のでんぷんおよびさらにカルボキシメチルでんぷん、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの1つまたは複数の崩壊剤が加えられ得る。
補助剤は、典型的に、例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸またはその塩(例えば、ステアリン酸マグネシウムまたはステアリン酸カルシウム)、およびポリエチレングリコールなどの、流動調節剤および潤滑剤である。糖衣錠コアには、胃液に耐性のある好適なコーティングが設けられる。このために、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液(lacquer solution)および好適な有機溶媒または溶媒混合物を任意選択的に含有し得る濃縮サッカリド溶液が使用され得る。胃液に耐性のコーティングを生成するために、酢酸フタル酸セルロース(acetylcellulose phthalate)またはヒドロキシプロピルメチル−セルロースフタレートなどの好適なセルロース調製物の溶液が使用され得る。例えば、識別のため、または活性化合物用量の組合せを特徴付けるために、染料または顔料が、錠剤または糖衣錠コーティングに加えられ得る。
経口使用され得る他の医薬製剤の例としては、ゼラチンで作製された押し込み型カプセル(push−fit capsule)、またはゼラチンおよびグリセロールもしくはソルビトールなどの可塑剤で作製された密封された軟カプセル剤が挙げられる。押し込み型カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、でんぷんなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤および、任意選択的に、安定剤と混合され得る顆粒の形態で、または押し出された多粒子の形態で、化合物を含有し得る。軟カプセルでは、活性化合物は、好ましくは、脂肪油または流動パラフィンなどの好適な液体に溶解または懸濁される。さらに、安定剤が加えられ得る。
直腸投与用の考えられる医薬製剤としては、例えば、1つまたは複数の活性化合物と、坐薬基剤との組合せからなる坐薬が挙げられる。好適な坐薬基剤としては、特に、天然および合成トリグリセリド、およびパラフィン炭化水素が挙げられる。活性化合物と、例えば、液体トリグリセリド、ポリエチレングリコール、またはパラフィン系炭化水素などの基材との組合せからなるゼラチン直腸投与カプセル剤を使用することも可能である。
非経口投与用の好適な製剤としては、例えば、水溶性塩、アルカリ性溶液、または酸性溶液などの水溶性形態の活性化合物の水溶液が挙げられる。あるいは、活性化合物の懸濁液は、油性懸濁液として調製され得る。懸濁液などのための好適な親油性溶媒またはビヒクルは、脂肪油(例えば、ゴマ油)、合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エチル)、トリグリセリド、またはポリエチレングリコール−400(PEG−400)などのポリエチレングリコールを含み得る。水性懸濁液は、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、および/またはデキストランを含む、懸濁液の粘度を高めるための1つまたは複数の物質を含有し得る。懸濁液は、安定剤を任意選択的に含有し得る。
別の実施形態において、本開示は、本開示の方法を実施するためにそれらの使用を容易にする方法で包装された本開示の化合物(または本開示の化合物を含む組成物)を含むキットを提供する。一実施形態において、キットは、容器(container)に貼られるかまたは本開示の方法を実施するために化合物または組成物の使用を説明するキットに含まれるラベルとともに、密封された瓶または容器(vessel)などの容器中に包装された本開示の化合物(または本開示の化合物を含む組成物)を含む。一実施形態において、化合物または組成物は、単位剤形中に包装される。キットは、意図される投与経路にしたがって、組成物を投与するのに好適なデバイスをさらに含み得る。
化合物の一般的な合成
本開示の化合物は、本開示を考慮して当業者に公知の方法を用いて、または以下の一般的なスキームに示される例示的な方法によって調製される。一般的なスキーム中、特に示されない限り、式A〜CのR
1、R
2a、R
2b、R
3a、R
3b、R
5、R
6a、R
6b、およびR
7が、式Iに関連して定義されるとおりである。一般的なスキームのいずれかにおいて、例えば、R
6aまたはR
6bが、(アミノ)アルキルまたは保護を必要とし得る基であり得る任意の他の基である場合、好適な保護基が、合成に用いられ得る。(Wuts,P.G.M.;Greene,T.W.,“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”,4th Ed.,J.Wiley & Sons,NY,2007を参照)。
化合物Aが、ジクロロメタン、アセトニトリル、またはDMFなどの好適な溶媒中で、TEAまたはDIPEAなどの好適な塩基の存在下で、好適な塩化スルホニル(R
6b−SO
2Cl)と結合することによって、化合物B(すなわち、式I(式中、R
4が−S(=O)
2R
6bである)で表される化合物)に転化される。
化合物Aが、ジクロロメタン、アセトニトリル、またはDMFなどの好適な溶媒中で、TEAまたはDIPEAなどの好適な塩基の存在下で、好適な酸塩化物(R6b−COCl)と結合することによって、またはジクロロメタン、アセトニトリル、またはDMFなどの好適な溶媒中で、HATUなどの好適なカップリング試薬およびTEAまたはDIPEAなどの好適な塩基の存在下で、好適なカルボン酸(R6b−CO2H)と結合することによって、化合物C(すなわち、式I(式中、R4が−C(=O)R6bである)で表される化合物)に転化される。
一般的な合成方法
表1の化合物を調製し、特性評価するための一般的な方法および実験手順が、上記の一般的なスキームおよび以下の実施例に記載されている。必要なときはいつでも、反応物を、従来の加熱板装置または加熱マントルまたはマイクロ波照射機器を用いて加熱した。反応を、開放容器または閉鎖容器のいずれかの中で、大気圧または高圧下で、撹拌しながらまたは撹拌せずに行った。反応の進行を、以下に記載される計測器および方法を用いて、TLC、HPLC、UPLC、またはLCMSなどの従来の技術を用いて監視した。反応をクエンチし、粗化合物を、提供される特定の実施例に記載されるように、従来の方法を用いて単離した。溶媒除去を、ロータリーエバポレータまたは遠心エバポレータのいずれかを用いて、大気圧または減圧下で、加熱しながらまたは加熱せずに行った。
化合物精製を、限定はされないが、順相もしくは逆相HPLCまたはフラッシュカラムまたは分取TLCプレートのいずれかを用いた、酸性、中性、または塩基性条件下における、分取クロマトグラフィーを含む様々な従来の方法を必要に応じて用いて行った。化合物の純度および質量の確認を、標準的なHPLCおよび/またはUPLCおよび/またはMS分光計および/またはLCMSおよび/またはGC機器(すなわち、限定はされないが、以下の計測器:ZQ検出器およびESI源と接続された2996PDA検出器を備えたWaters Alliance 2695;Shimadzu LDMS−2020;SQ検出器およびESI源と接続されたPDA検出器を備えたWaters Acquity H Class;PDA検出器を備えたAgilent 1100 Series;2998 PDA検出器を備えたWaters Alliance 2695;ESI源を備えたAB SCIEX API 2000;Agilent 7890 GCを含む)を用いて行った。例示される化合物を、約1mg/mLの濃度になるまでMeOHまたはMeCNのいずれかに溶解させ、以下の表に示される方法を用いて、適切なLCMSシステム中への0.5〜10μLの注入によって分析した。いずれの場合も、流量は1mL/分である。
化合物構造の確認を、必要なときはいつでもnOeとともに行われる標準的な300または400MHzのNMR分光計を用いて行った。
以下の略語を、本明細書において使用した:
実施例1
5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボン酸の合成
工程1:エチル4−シクロプロピル−2,4−ジオキソブタノエートの合成
窒素Naの不活性雰囲気(164g、1.20当量)でパージされ、維持された10Lの3つ口丸底フラスコ中に、エタノール(5L)を少しずつ加えた。(CO
2Et)
2(869g、1.00当量)および1−シクロプロピルエタン−1−オン(500g、5.94mol、1.00当量)の溶液を、0〜20℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を、20〜30℃で1時間、次に80℃でさらに1時間撹拌した。得られた溶液を、15LのH
2Oで希釈した。塩酸(12N)を用いて、pHを2に調整した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を組み合わせて、NaHCO
3(飽和水溶液)で洗浄した。抽出物を減圧下で濃縮したところ、820g(粗生成物)のエチル4−シクロプロピル−2,4−ジオキソブタノエートが黄色の油として得られた。TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/5):Rf=0.5。
工程2:エチル5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキシレートの合成
10Lの丸底フラスコ中に、エタノール(1.1L)およびNH
2OH−HCl(200g)中のエチル4−シクロプロピル−2,4−ジオキソブタノエート(177g)の溶液を入れた。得られた溶液を20〜30℃で1時間撹拌した。得られた溶液を、80℃でさらに1時間にわたって、撹拌しながら反応させた。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1/10)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、143g(2工程収率は66.3%であった)のエチル5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキシレートが黄色の油として得られた。TLC(酢酸エチル/石油エーテル=1/5):Rf=0.2。
工程3:5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボン酸の合成
10Lの丸底フラスコ中に、エチル5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキシレート(280g、1.55mol、1.00当量)および水(4L)中の水酸化ナトリウム(74.3g、1.20当量)の溶液を入れた。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。得られた混合物をエーテルで洗浄した。塩酸(12N)を用いて、水溶液のpH値を2〜3に調整した。得られた溶液を酢酸エチルで抽出し、有機層を組み合わせて、減圧下で濃縮した。これにより、220g(93%)の5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボン酸がオフホワイトの固体として得られた。LCMS(方法A、ESI):RT=1.99分、m/z=153.9[M+H]
+。
1H−NMR(300MHz CDCl
3):8.42(brs,1H)、6.37(s,1H)、2.16−2.05(m,1H)、1.29−1.12(m,2H)、1.12−0.99(m,2H)ppm。
実施例2
N−((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)−5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩の合成
工程1:tert−ブチル(1r,4r)−4−(5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシルカルバメートの合成
100mLの丸底フラスコ中で、5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボン酸(100mg、0.65mmol、1.00当量)、tert−ブチルN−[(1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル]カルバメート(154mg、0.72mmol、1.10当量)およびTEA(198mg、1.96mmol、3.00当量)を10mlのジクロロメタンに溶解させ、次に、HATU(496mg、1.31mmol、2.00当量)を溶液に加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(4:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、210mg(92%)のtert−ブチル(1r,4r)−4−(5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシルカルバメートが白色の固体として得られた。LCMS(方法A、ESI):RT=1.48min、m/z=294.0[M−56]
+.
工程2:N−((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)−5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩の合成
250mLの丸底フラスコ中に、tert−ブチル(1r,4r)−4−(5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシルカルバメート(210mg、0.60mmol、1.00当量)および1,4−ジオキサン(20mL)を入れた。この後、塩化水素(ジオキサン中2M、20mL)を加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。固体をろ過によって収集した。これにより、140mg(93%)のN−((1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル)−5−シクロプロピルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩が白色の固体として得られた。
1H−NMR(300MHz、D
2O):δ 6.62(s,1H)、3.82−3.69(m,1H)、3.21−3.17(m,1H)、2.13−1.92(m,5H)、1.57−1.33(m,4H)、1.10−1.00(m,2H)、0.93−0.84(m,2H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=0.99min、m/z=291.0[M+41]
+.
実施例3
N−[(1S,2R,4S)−4−[(3S)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドおよびN−[(1R,2S,4R)−4−[(3S)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド(ジアステレオマー混合物)(化合物番号39)の合成
工程1:2−[1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジンの合成
500mLの丸底フラスコ中に、1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(25g、160.07mmol、1.00当量)、ベンゼン(250mL)および1,1−ジメチルヒドラジン塩酸塩(15.6g、161.56mmol、1.01当量)を入れた。次に、TEA(14.6g、144.28mmol、0.90当量)を滴下して加えた。得られた溶液を一晩加熱還流させた。反応混合物を水/氷浴で室温に冷ました。得られた溶液を250mLのEAで希釈した。得られた混合物を3×200mLの塩水(飽和)で洗浄した。混合物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物を減圧(10mm Hg)下で蒸留によって精製し、主な画分を110℃で収集した。これにより、14g(44%)の2−[1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジンが無色油として得られた。
1H−NMR(300MHz、CDCl
3):δ 3.99(s,4H)、2.74−2.61(m,2H)、2.55−2.49(m,1H)、2.45(s,6H)、2.05−1.95(m,1H)、1.90−2.71(m,4H)ppm.
工程2:2−[(8Z)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジンの合成
窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された250mLの3つ口丸底フラスコ中に、ビス(プロパン−2−イル)アミン(7.3g、72.14mmol、1.08当量)、テトラヒドロフラン(70mL)を入れた。この後、n−ブチルリチウム(30.2mL、75.51mmol、1.15当量、ヘキサン中2.5M)を、−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を−20℃で40分間撹拌した。これに、テトラヒドロフラン(30mL)中の2−[1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジン(13g、65.57mmol、1.00当量)の溶液を、−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を、−78℃でさらに2時間にわたって撹拌しながら反応させた。混合物に、テトラヒドロフラン(30mL)中の(ブロモメチル)ベンゼン(1.9g、11.11mmol、1.10当量)の溶液を、−78℃で撹拌しながら滴下して加えた。得られた溶液を、室温で一晩、撹拌しながら反応させた。次に、反応を、5mLの飽和NH
4Cl(飽和水溶液)の添加によってクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を400mLのEAで希釈した。得られた混合物を3×200mLの塩水(飽和)で洗浄した。混合物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(12%)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、9g(55%)の2−[(8Z)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジンが黄色の油として得られた。LCMS(方法D、ESI):RT=1.14min、m/z=289.1[M+H]
+.
工程3:7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オンの合成
2Lの3つ口丸底フラスコ中に、2−[(8Z)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン]−1,1−ジメチルヒドラジン(20g、69.35mmol、1.00当量)、テトラヒドロフラン(200mL)、水(200mL)、酢酸(300mL)、酢酸ナトリウム(100g、1.22mol、17.58当量)を入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。2Mの水酸化ナトリウム(水溶液)を用いて、溶液のpHを8に調整した。得られた溶液を、3×500mLの酢酸エチルで抽出し、有機層を組み合わせた。組み合わされた抽出物を3×500mLの塩水(飽和)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、PE:EA(10:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、11.1g(65%)の7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オンが黄色の油として得られた。
1H−NMR(300MHz、CDCl
3):δ 7.32−7.08(m,5H)、4.00−3.80(m,4H)、3.30−3.14(m,1H)、3.04−2.84(m,1H)、2.80−2.55(m,1H)、2.55−2.30(m,2H)、2.10−1.88(m,3H)、1.85−1.60(m,1H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.47min、m/z=247.1[M+H]
+.
工程4:ラセミ(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オールの合成
窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された250mLの3つ口丸底フラスコ中に、7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(8g、32.48mmol、1.00当量)、テトラヒドロフラン(40mL)、およびメタノール(40mL)を入れた。次に、NaBH
4(1.5g、40.73mmol、1.25当量)を、混合物に回分式に加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。次に、反応を、50mLの飽和NH
4Cl(飽和水溶液)の添加によってクエンチした。得られた溶液を500mLのEAで希釈した。混合物を3×200mLの塩水(飽和)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(7%〜12%)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、3.1g(38%)のラセミ(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オールが白色の固体として得られた。
1H−NMR(300MHz、CDCl
3):δ 7.30−7.27(m,2H)、7.20−7.10(m,3H)、3.91−3.76(m,4H)、3.49−3.29(m,1H)、3.20−3.01(m,1H)、2.59−2.48(m,1H)、2.10−1.82(m,2H)、1.80−1.42(m,5H)、1.32−1.10(m,1H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.47min、m/z=247.1[M+H]
+.
工程5:ラセミ[[(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシランの合成
250mLの丸底フラスコ中に、ラセミ(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(3.1g、12.48mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(60mL)、tert−ブチル(クロロ)ジフェニルシラン(8.6g、31.29mmol、2.51当量)およびイミダゾール(3.0mg、0.04mmol)を入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、200mLのEAで希釈した。得られた混合物を、3×100mLの塩水(飽和)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘキサン(3%〜10%)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、10g(165%)のラセミ[[(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシランが無色油として得られた。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.72−7.68(m,4H)、7.43−7.35(m,6H)、7.25−7.00(m,5H)、3.88−3.66(m,4H)、3.56−3.45(m,1H)、3.30−3.18(m,1H)、2.20−2.10(m,1H)、2.02−1.95(m,1H)、1.76−1.55(m,4H)、1.38−1.28(m,1H)、1.18−1.10(m,1H)、1.00(s,9H)ppm.
工程6:ラセミ(3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オンの合成
500mLの丸底フラスコ中に、ラセミ[[(7S,8S)−7−ベンジル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシラン(11g、22.60mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(200mL)およびFeCl
3−6H
2O(24g、89.22mmol、3.95当量)を入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた溶液を100mLのDCで希釈し、3×500mLの塩水(飽和)、1×500mLの0.5Nの水酸化ナトリウム(水溶液)および1×500mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、10g(100%)のラセミ(3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オンが黄色の油として得られた。LCMS(方法D、ESI):RT=1.98min、m/z=465.1[M+Na]
+.
工程7:ラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オールの合成
窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された250mLの3つ口丸底フラスコ中に、ラセミ(3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オン(9g、20.33mmol、1.00当量)、テトラヒドロフラン(50mL)、およびメタノール(50mL)を入れた。この後、NaBH
4(1.6g、43.45mmol、2.14当量)を−10℃で少しずつ加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。次に、反応を、5mLの0.5Mの水酸化ナトリウム(水溶液)の添加によってクエンチした。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を500mLのEAで希釈し、3×300mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(3%〜20%)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、3.1g(34%)のラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オールが無色油として得られた。LCMS(方法D、ESI):RT=2.00min、m/z=445.1[M+H]
+.
工程8:ラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシルメタンスルホネートの合成
窒素の不活性雰囲気でパージされ、維持された250mLの3つ口丸底フラスコ中に、ラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキサン−1−オール(3.6g、8.10mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(100mL)、およびDIEA(3.2g、24.76mmol、3.06当量)を入れた。この後、メタンスルホニルクロリド(1.4g、12.22mmol、1.51当量)を0〜5℃で加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を200mLのDCMで希釈し、3×100mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、4.5g(粗生成物)のラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシルメタンスルホネートが黄色の油として得られた。
工程9:ラセミ[[(1S,2S,4R)−4−アジド−2−ベンジルシクロヘキシル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシランの合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミ(1S,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシルメタンスルホネート(4.5g、8.61mmol、1.00当量)、N,N−ジメチルホルムアミド(60mL)およびNaN
3(1.7g、26.15mmol、3.04当量)を入れた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌した。得られた溶液を300mLのEAで希釈し、3×200mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた固体を、減圧下で、オーブン中で乾燥させ、次に、以下の条件:カラム:Xbridge C18、19
*150mm、5um;移動相A:水/0.05%のH
4HCO
3、移動相B:ACN;流量:30mL/分;勾配:20分で84%のBから85%のB;254nmを用いた分取HPLCによって精製した。これにより、1g(25%)のラセミ[[(1S,2S,4R)−4−アジド−2−ベンジルシクロヘキシル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシランが無色油として得られた。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.88−7.60(m,4H)、7.49−7.32(m,6H)、7.30−7.05(m,5H)、3.55−3.29(m,2H)、3.19−3.01(m,1H)、2.06−1.90(m,1H)、1.86−1.65(m,4H)、1.45−1.30(m,1H)、1.18−1.01(m,10H)、1.00−0.08(m,1H)ppm.
工程10 ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートの合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミ[[(1S,2S,4R)−4−アジド−2−ベンジルシクロヘキシル]オキシ](tert−ブチル)ジフェニルシラン(1.1g、2.34mmol、1.00当量)、メタノール(80mL)、10%のPd(OH)
2/C(0.5g)および二炭酸ジ−tert−ブチル(800mg、3.67mmol、1.57当量)を入れた。上記に、水素を導入した。得られた溶液を2気圧の圧力で維持し、室温で一晩撹拌した。固体をろ去し、得られたろ液を減圧下で濃縮した。これにより、1.1g(86%)のラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメートが黄色の油として得られた。LCMS(方法B、ESI):RT=1.53min、m/z=544.1[M+H]
+.
工程11:ラセミ[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−[(tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ]シクロヘキシル]カルバメート(1.1g、2.02mmol、1.00当量)、テトラヒドロフラン(50mL)、およびTBAF(2.1g、8.03mmol、3.97当量)を入れた。得られた溶液を50℃で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮した。残渣を200mLのEAで希釈した。得られた混合物を3×100mLの塩水(飽和)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を、PE:EA(10%〜20%)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、490mg(79%)のラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメートが無色油として得られた。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.31−7.28(m,2H)、7.22−7.13(m,3H)、4.54(brs,1H)、3.76(brs,1H)、2.54−3.29(m,1H)、3.11−2.85(m,1H)、2.66−2.36(m,1H)、1.89−1.70(m,4H)、1.60−1.50(m,2H)、1.41(s,9H)ppm.
工程12:ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−(メタンスルホニルオキシ)シクロヘキシル]カルバメートの合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−ヒドロキシシクロヘキシル]カルバメート(490mg、1.60mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(10mL)、およびDIEA(622mg、4.81mmol、3.00当量)を入れた。次に、MsCl(275mg、2.41mmol、1.50当量)を滴下して加えた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。混合物を50mLのDCMで希釈し、3×50mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、700mg(粗生成物)のラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−(メタンスルホニルオキシ)シクロヘキシル]カルバメートが黄色の固体として得られた。
1H−NMR(300MHz、CDCl
3):δ 7.35−7.28(m,2H)、7.24−7.11(m,3H)、4.65−4.50(m,1H)、4.40(brs,1H)、3.75(brs,1H)、2.95(s,3H)、2.60−2.44(m,1H)、2.30−2.15(m,1H)、2.14−1.97(m,1H)、1.97−1.83(m,1H)、1.83−1.63(m,4H)、1.41(s,9H)ppm.
工程13:ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アジド−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメートの合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4S)−3−ベンジル−4−(メタンスルホニルオキシ)シクロヘキシル]カルバメート(700mg、1.83mmol、1.00当量)、N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)およびNaN
3(414mg、6.37mmol、3.49当量)を入れた。得られた溶液を100℃で一晩撹拌した。混合物を100mLのEAで希釈し、3×50mLの塩水(飽和)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。これにより、360mg(60%)のラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アジド−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメートが黄色の油として得られた。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.36−7.27(m,2H)、7.22−7.13(m,3H)、4.69−4.39(m,1H)、4.05−3.75(m,1H)、3.60(s,1H)、2.78−2.60(m,1H)、2.59−2.25(m 1H)、2.00−1.46(m,6H)、1.40(s,9H)ppm.
工程14:ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメートの合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アジド−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメート(360mg、1.09mmol、1.00当量)、10%のパラジウム炭素(100mg)、およびメタノール(20mL)を入れた。上記に、水素を導入した。得られた溶液を2気圧の圧力に維持し、室温で3時間撹拌した。固体をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮した。これにより、240mgのラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメートが白色の固体として得られた。
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ 7.32−7.28(m,2H)、7.25−7.15(m,3H)、7.15−7.06(m,1H)、4.80−4.25(m,1H)、3.95−3.64(m,1H)、3.04−2.68(m,1H)、2.64−2.40(m,2H)、2.01−1.90(m,1H)、1.87−1.49(m,5H)、1.43(s,9H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.19min、m/z=305.1[M+H]
+.
工程15:ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバメートの合成
50mLの丸底フラスコ中に、ラセミ5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボン酸(121mg、0.79mmol、1.00当量)、tert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−4−アミノ−3−ベンジルシクロヘキシル]カルバメート(240mg、0.79mmol、1.00当量)、EDCI(302mg、1.58mmol、2.00当量)、HOBT(213mg、1.58mmol、2.00当量)、TEA(319mg、3.15mmol、4.00当量)、およびジクロロメタン(10mL)を入れた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を1×10mLの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、280mg(81%)のラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバメートが白色の固体として得られた。LCMS(方法D、ESI):RT=2.12min、m/z=462.1[M+Na]
+.
工程16:ラセミN−[(1S,2R,4S)−4−アミノ−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩の合成
100mLの丸底フラスコ中に、ラセミtert−ブチルN−[(1R,3S,4R)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバメート(280mg、0.64mmol、1.00当量)、ジクロロメタン(20mL)を入れた。上記に、塩化水素(g)を導入した。得られた溶液を室温で1時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を、以下の条件(1#−Pre−HPLC−005(Waters)):カラム、Atlantis Prep OBD T3カラム、19
*150mm、5um;移動相、0.05%のトリフルオロ酢酸およびCH
3CN(10分で3.0%まで、1分で100.0%まで、100.0%で1分保持)を含む水;検出器、UV 254nmを用いた分取HPLCによって精製した。これにより、40mg(17%)のラセミN−[(1S,2R,4S)−4−アミノ−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩が白色の固体として得られた。
1H−NMR(400MHz、MeOD):δ 7.32−7.27(m,2H)、7.215−7.15(m,3H)、6.39(s,1H)、4.28−4.15(m,1H)、3.62−3.48(m,1H)、2.90−2.78(m,1H)、2.67−2.54(m,2H)、2.25−2.13(m 2H)、2.09−1.79(m,3H)、1.69−1.48(m,2H)、1.21−1.11(m,2H)、1.04−0.96(m,2H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.45min、m/z=440.1[M+H]
+.
工程17:tert−ブチルN−[(2R)−1−[[(1S,3R,4S)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバモイル]プロパン−2−イル]カルバメートとtert−ブチルN−[(2R)−1−[[(1R,3S,4R)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバモイル]プロパン−2−イル]カルバメートとのジアステレオマー混合物の合成
50mLの丸底フラスコ中に、(3R)−3−[[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ]ブタン酸(33mg、0.16mmol、1.53当量)、N−[(1S,2R,4S)−4−アミノ−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩(40mg、0.11mmol、1.00当量)、EDCI(41mg、0.21mmol、2.01当量)、HOBT(29mg、0.21mmol、2.02当量)、TEA(43mg、0.42mmol、3.99当量)、およびジクロロメタン(10mL)を入れた。得られた溶液を室温で5時間撹拌した。次に、混合物を1×10mLの水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固体をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール(50:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、50mg(90%)の、tert−ブチルN−[(2R)−1−[[(1S,3R,4S)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバモイル]プロパン−2−イル]カルバメートとN−[(2R)−1−[[(1R,3S,4R)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバモイル]プロパン−2−イル]カルバメートとのジアステレオマー混合物が白色の固体として得られた。LCMS(方法D、ESI):RT=1.57min、m/z=425.1[M+2H−Boc]
+.
工程18:N−[(1S,2R,4S)−4−[(3S)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドとN−[(1R,2S,4R)−4−[(3S)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドとのジアステレオマー混合物の合成
50mLの丸底フラスコ中に、tert−ブチルN−[(2R)−1−[[(1S,3R,4S)−3−ベンジル−4−(5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−アミド)シクロヘキシル]カルバモイル]プロパン−2−イル]カルバメート(50mg、0.10mmol、1.00当量)、およびジクロロメタン(10mL)を入れた。上記に、塩化水素を導入した。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、粗生成物を、以下の条件(分取HPLC−025):カラム、XBridge PrepフェニルOBDカラム、5um、19
*150mm;移動相、10mmolのNH
4HCO
3およびMeCN(20.0%のMeCN、10分で30.0%まで、1分で95.0%まで、95.0%で1分保持、2分で20.0%に低下)を含む水;検出器、UV 254/220nmを用いた分取HPLCによって精製した。これにより、20.8mg(51%)の、N−[(1S,2R,4S)−4−[(3R)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドとN−[(1R,2S,4R)−4−[(3R)−3−アミノブタンアミド]−2−ベンジルシクロヘキシル]−5−シクロプロピル−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドとのジアステレオマー混合物が白色の固体として得られた。
1H−NMR(400MHz、MeOD):δ 7.30−7.10(m,5H)、6.39(s,1H)、4.23−4.00(m,2H)、3.30−3.25(m,1H)、2.85−2.74(m,1H)、2.70−2.59(m,1H)、2.49−2.38(m 1H)、2.29−2.15(m,3H)、2.09−1.88(m,2H)、1.85−1.65(m,2H)、1.52−1.37(m,2H)、1.20−1.06(m,5H)、1.04−0.92(m,2H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.54min、m/z=425.2[M+H]
+.
実施例4
5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[3−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド(化合物番号11)の合成
100mLの丸底フラスコ中に、5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド(150mg、0.60mmol、1.00当量)、3−(ピロリジン−1−イル)プロパン酸(114mg、0.80mmol、1.50当量)、TEA(161mg、1.59mmol、3.00当量)、ジクロロメタン(15mL)、およびHATU(404mg、1.06mmol、2.00当量)を入れた。得られた溶液を室温で2時間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール(10:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、24.6mg(11%)の5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[3−(ピロリジン−1−イル)プロパンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドが白色の固体として得られた。
1H−NMR(300MHz、DMSO−d
6):δ 8.47(d,J=8.1Hz、1H)、7.83(d,J=7.8Hz、1H)、6.46(s,1H)、3.70−3.63(m,1H)、3.47−3.38(m,1H)、2.58(t,J=13.5Hz、2H)、2.45−2.34(m,4H)、2.25−2.13(m,3H)、1.83(d,J=9.3Hz、4H)、1.65(s,4H)、1.41(q,J=12.0Hz、2H)、1.26(q,J=10.5Hz、2H)、1.13−1.02(m,2H)、0.97−0.84(m,2H)ppm.LCMS(方法D、ESI):RT=1.30min、m/z=375.1[M+H]
+.
実施例5
5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[(3−アミノプロパン)スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩(化合物番号34)
工程1:5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[[3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)プロパン]スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドの合成
250mLの丸底フラスコ中に、5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−アミノシクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩(300mg、1.20mmol、1.00当量)を入れた。この後、ジクロロメタン(40mL)およびTEA(320mg、3.17mmol、3.00当量)を加えた。次に、3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)プロパン−1−スルホニルクロリド(360mg、1.25mmol、1.20当量)を、室温で30分間にわたって3回、回分式に加えた。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、酢酸エチルを用いたシリカゲルカラム上で精製した。これにより、320mg(53%)の5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[[3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)プロパン]スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミドが白色の固体として得られた。LCMS(方法A、ESI):RT=1.11分、m/z=501.3[M+H]
+。
工程2:5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[(3−アミノプロパン)スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩の合成
100mLの丸底フラスコ中に、5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[[3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロ−1H−イソインドール−2−イル)プロパン]スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド(320mg、0.64mmol、1.00当量)、メタノール(25mL)、およびヒドラジン水和物(2.5mL)を入れた。得られた溶液を室温で30分間撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール(4:1)を用いたシリカゲルカラム上で精製した。次に、粗生成物を、以下の条件(分取HPLC−025):カラム、XBridge Prep C18 OBDカラム、5um、19×150mm、;移動相、0.05%のTFAおよびMeCN(5.0%のMeCN、10分で21.0%まで)を含む水;検出器、UV 254/220nmを用いたフラッシュ−分取HPLCによって精製した。生成物を含有する画分を組み合わせて、6Nの塩酸で酸性化し、濃縮し、凍結乾燥させた。これにより、31.3mg(13%)の5−シクロプロピル−N−[(1r,4r)−4−[(3−アミノプロパン)スルホンアミド]シクロヘキシル]−1,2−オキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩が白色の固体として得られた。
1HNMR(300MHz、D
2O):δ 6.26(s,1H)、3.78−3.57(m,1H)、3.31−3.12(m,3H)、3.06(t,J=9.0Hz、2H)、2.14−1.81(m,7H)、1.48−1.29(m,4H)、1.09−0.99(m,2H)、0.92−0.82(m,2H)ppm.LCMS(方法A、ESI):RT=1.34min、m/z=371.1[M+H]
+.
実施例6
N−((1S,2R,4S)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド
および
N−((1R,2S,4R)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド(ジアステレオマー混合物)(化合物番号7を参照)の合成
工程1:1,1−ジメチル−2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)ヒドラジンの合成
1,1−ジメチルヒドラジン(9.71ml、128mmol)を、トルエン(100ml)中の1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(10g、64mmol)の溶液に室温で加えた。反応物を、約2mlの水が除去されるまでディーン・スタークトラップを用いて還流させた。ON還流の後、LCMSおよびNMRによって反応が完了され、溶媒を減圧下で除去したところ、1,1−ジメチル−2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)ヒドラジンが淡黄色の油として得られ、それを静置して結晶化させ(12.6g、定量的)、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 3.78(s,4H)、2.53−2.41(m,2H)、2.23(m,8H)、1.69−1.51(m,4H).
工程2:(E)−2−(7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)−1,1−ジメチルヒドラジンの合成
1,1−ジメチル−2−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)ヒドラジン(12.69g、64mmol)をTHF(50ml)に溶解させ、−78℃に冷却した。2Mのリチウムジプロパン−2−イルアザニド(41.62ml)を滴下して加え、反応物を−78℃で30分間撹拌した。ヨードエタン(7.7ml、96mmol)を滴下して加え、反応物を室温に温めた。反応をTLCおよびLCMSによって監視した。室温で2時間後、LCMSにより、ほぼ所望の質量および二重アルキル化(MSトレースにおいて)が示された。溶液をNH
4Cl(飽和、70ml)でクエンチし、EtOAc(3×100ml)で抽出した。組み合わされた有機相を減圧下で蒸発させたところ、(E)−2−(7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)−1,1−ジメチルヒドラジンが淡黄色の油として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 3.98(ttd,J=7.5、6.2、5.4、3.4Hz、3H)、2.54(ddd,J=14.0、8.5、5.6Hz、1H)、2.49−2.30(m,5H)、2.05−1.60(m,4H)、1.54−1.37(m,1H)、1.33−1.17(m,1H)、1.02−0.79(m,3H).
工程3:7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オンの合成
粗(E)−2−(7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イリデン)−1,1−ジメチルヒドラジンを、0℃で水(50ml)、AcOH(75ml)およびAcONa(24g)を加えながら、THF(50ml)に溶解させた。溶液を室温で1時間撹拌した。水(120ml)を加え、溶液をNa
2CO
3で中和し、次に、EtOAc(4×100ml)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させたところ、15gの黄色の油が得られ、それを、Biotage(SNAP 100g〜340g、溶離剤Hep/EtOAc 95/5〜20/80)によって2〜4gのバッチで精製したところ、合計で4.33g(36%)の7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オンが暗色の油として得られた。
1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 4.14−3.94(m,4H)、2.73−2.46(m,2H)、2.36(ddd,J=14.0、5.0、3.3Hz、1H)、2.18−1.91(m,3H)、1.91−1.56(m,3H)、1.26(dp、J=14.2、7.1Hz、1H)、0.88(t,J=7.5Hz、3H).TLC(Hep/EtOAc、8/2);Rf=0.31
工程4:ラセミ(7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オールの合成
7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オン(1g、5.43mmol)を、−10℃でTHF/MeOH(1/1、10ml)に溶解させた。テトラヒドロホウ酸ナトリウム(246mg、6.51mmol)を加え、TLC(Hep/EtOAc 7/3)によって監視しながら、反応物を−10℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.5M、10ml)を加え、溶液をEtOAc(3×30ml)で抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣を、Biotage(SNAP 100g、溶離剤Hep/EtOAc 95/5〜60/40)によって精製したところ、600mgのラセミ(7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(59%)、100mgのラセミ(7R,8S)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(10%)および300mgの混合画分(1/1、30%)が得られた。(7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール:
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 4.01−3.89(m,4H)、3.30(tt、J=9.9、5.1Hz、1H)、1.96−1.90(m,1H)、1.85−1.71(m,3H)、1.65−1.46(m,3H)、1.39(d,J=5.5Hz、1H)、1.31−1.14(m,2H)、0.89(t,J=7.5Hz、3H).(7R,8S)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール:
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 3.99−3.85(m,5H)、1.89−1.78(m,2H)、1.76−1.65(m,1H)、1.64−1.49(m,4H)、1.48−1.35(m,1H)、1.32−1.20(m,1H)、0.91(t,J=7.5Hz、3H).
工程5:ラセミtert−ブチル(((7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)オキシ)ジフェニルシランの合成
DCM(200mL)中のラセミ(7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−オール(93%の純度、4.6g、0.02mol)および1H−イミダゾール(4.69g、0.07mol)の溶液に、0℃で5分間にわたってTBDPSCl(11.95ml、0.05mol)を滴下して加えたところ;オフホワイトの沈殿物が直ぐに形成された。反応物をゆっくりと室温に温め、室温で72時間撹拌した。反応混合物をDCM(200mL)で希釈し、水(150mL)、塩水(150mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させた。組み合わされた有機相を減圧下で蒸発乾固させたところ、粘着性の無色の残渣が得られた。残渣を、Biotage(試料をSNAP KP Sil 340gのカートリッジに湿式充填した、溶離剤 ヘプタン中0%〜3%のEtOAc、全ての所望の生成物が溶離されるまでヘプタン中3%のEtOAcで保持)によって精製したところ、ラセミtert−ブチル(((7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル)オキシ)ジフェニルシランが無色油(9.7g、99%の収率)として得られた。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 7.69(td,J=7.9、1.4Hz、4H)、7.46−7.31(m,6H)、3.98−3.84(m,4H)、3.47−3.36(m,1H)、1.86−1.73(m,2H)、1.75−1.65(m,1H)、1.67−1.49(m,3H)、1.36−1.24(m,1H)、1.24−1.11(m,2H)、1.05(s,9H)、0.77(t,J=7.5Hz、3H).
工程6:ラセミ(3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノンの合成
DCM(200mL)中のラセミtert−ブチル({[(7R,8R)−7−エチル−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−8−イル]オキシ})ジフェニルシラン(10g、23.55mmol)の溶液に、FeCl
3.6H
2O(32.8g、121.35mmol)を加えた。得られたオレンジ色の懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応を水(150mL)でクエンチし、有機相を分離し、水相をDCM(2×50mL)で抽出した。組み合わされた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、溶媒を減圧下で除去したところ、8g(89%)のラセミ(3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノンが無色油として得られ、それを静置して白色の固体が得られるまで固化した。
1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 7.72(d,J=7.3Hz、4H)、7.43(q,J=7.7、6.5Hz、6H)、3.92(d,J=3.3Hz、1H)、2.91(dd,J=13.9、5.7Hz、1H)、2.82−2.58(m,1H)、2.13(t,J=14.0Hz、2H)、1.91(d,J=19.8Hz、3H)、1.37−1.07(m,2H)、1.13(s,9H)、0.74(t,J=7.4Hz、3H).
工程7:ラセミ(1R,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノールの合成
THF/MeOH(100mL、1:1)中のラセミ(3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノン(9.4g、24.7mmol)の撹拌溶液を−10℃に冷却した。NaBH
4(1.4g、37.05mmol)を−10℃で少しずつ加え、反応物を、−10℃で1.5時間および室温で一晩撹拌した。NaOH(0.5M、120mL)を反応混合物に加えた。次に、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、塩水(50mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去したところ、無色の油状の残渣が得られ、それを、Biotage(HP SNAP 100gのカートリッジ、試料の湿式充填、全ての画分の収集、ヘプタン中5%〜40%のEtOAcの勾配)によって精製した。所望の異性体に富んだ画分を組み合わせて、第2のBiotage(HP SNAP 100gのカートリッジ、ヘプタン中5%〜40%のEtOAcの勾配)によってさらに精製した。所望の生成物の全ての透明の画分を組み合わせて、減圧下で蒸発させたところ、6.57g(66%)のラセミ(1R,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノールが得られた。TLC(Hep:EtOAc、8:2)、Rf=0.19(UV活性、主異性体)、Rf=0.25 UV活性、副異性体)。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 7.68(ddd,J=11.8、8.0、1.4Hz、4H)、7.46−7.33(m,6H)、3.64−3.54(m,1H)、3.32(td,J=10.2、4.3Hz、1H)、2.03−1.94(m,1H)、1.95−1.83(m,1H)、1.80−1.68(m,1H)、1.72−1.64(m,1H)、1.50−1.38(m,1H)、1.40−1.28(m,1H)、1.18−1.05(m,1H)、1.04(s,9H)、1.04−0.94(m,1H)、0.93−0.83(m,1H)、0.81(t,J=7.5Hz、3H).LCMS:2.26min、疎水性(METCR1426、3min)、m/z 365.15(M
+−H
2O+1).
工程8:ラセミ(((1R,2R,4S)−4−アジド−2−エチルシクロヘキシル)オキシ)(tert−ブチル)ジフェニルシランの合成
0℃でDCM(50mL)中のラセミ(1R,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサノール(90%の純度、2.20g、4.75mmol)の溶液に、DIPEA(2.48ml、14.25mmol)を加えた後、メタンスルホニルクロリド(550μl、7.13mmol)を加えた。次に、得られた混合物を室温に温めた。2時間後、LCMSにより、反応が完了したことが示された。反応を、NaHCO
3(50mL)の添加によってクエンチし、有機相を分離し、水相をDCM(2×50mL)で抽出した。組み合わされた有機層を塩水(30mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、溶媒を減圧下で除去したところ、黄色がかったオレンジ色の油が得られ、それを精製せずにそのまま次の段階に使用した。
DMF(50mL)中の上記の黄色がかったオレンジ色の油の溶液に、アジ化ナトリウム(0.927g、14.25mmol)を加え、得られた反応混合物を、一晩、100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO3水溶液(50mL)を加え、EtOAc(3×50mL)で抽出した。組み合わされた有機相をMgSO4上で乾燥させ、次に、減圧下で蒸発させたところ、無色の油状の残渣が得られた。シリカカラム(手動)による精製(ヘプタン中1%〜5%のEtOAcの溶媒勾配)により、無色油としてのラセミ(((1R,2R,4S)−4−アジド−2−エチルシクロヘキシル)オキシ)(tert−ブチル)ジフェニルシラン、1.04g(95%超の純度、54%の収率)および0.75g(80%の純度、31%の収率)が得られた。TLC(Hep:EtOAc、8:2)、Rf=0.7。1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 7.67(dq,J=5.6、1.7Hz、4H)、7.50−7.29(m,6H)、3.62−3.44(m,2H)、1.97(ddd,J=12.8、8.2、4.0Hz、1H)、1.90−1.69(m,1H)、1.73−1.57(m,2H)、1.54−1.35(m,4H)、1.18−1.04(m,1H)、1.07(s,9H)、0.72(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:2.63min、疎水性(METCR1426、3min)、m/z 380.1(M+−N2+1).
工程9:ラセミ(1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサンアミンの合成
ラセミ(((1R,2R,4S)−4−アジド−2−エチルシクロヘキシル)オキシ)(tert−ブチル)ジフェニルシラン(1.04g、2.55mmol)をEtOH(30mL)に溶解させ、反応混合物を窒素で2回パージした。Pd/C(10%、100mg)を加えた。得られた混合物をN
2で2回パージし、次に、H
2で2回パージした。混合物を、一晩室温で、H
2雰囲気下で撹拌した。次に、反応物を脱気し、後処理(work up)のためにN
2を2回補充した。反応混合物を小型のCeliteパッドに通してろ過し、エタノール(200mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で蒸発させたところ、ラセミ(1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサンアミンが無色の粘着性の油、1.02g(99%の収率)として得られた。1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 7.67(d,J=7.0Hz、4H)、7.37(q,J=6.1、5.6Hz、6H)、3.66(s,1H)、2.97(s,br、3H)、1.99−1.41(m,6H)、1.34−1.04(m,3H)、1.04(s,9H)、0.68(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:1.49min、疎水性(METCR1426、3min)、m/z 382.1(M
++1).
工程10:ラセミtert−ブチル((1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートの合成
0℃でDCM(30mL)中のラセミ(1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキサンアミン(1.02g、2.54mmol)の溶液に、NEt
3(0.71ml、5.08mmol)およびBoc
2O(0.94g、4.32mmol)を加えた。次に、反応物を室温で一晩撹拌した。混合物を50mLのDCMで希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(30mL)、および塩水(30mL)で洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させたところ、無色の油状の残渣が得られ、それを、手動のシリカカラム、ヘプタン中の2%〜10%のEtOAcの溶離剤によって精製したところ、ラセミtert−ブチル((1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートが無色油、1.4gとして得られた(NMRにより、いくらかの残留Boc
2Oが示され、100%の収率、87%の純度が推定され、次の段階にそのまま使用された)。TLC(Hep:EtOAc、4:6)、Rf=0.72(UVおよびニンヒドリン活性)。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 7.76−7.60(m,4H)、7.48−7.30(m,6H)、4.49(s,1H)、3.66−3.49(m,2H)、1.77(ddd,J=13.3、9.5、4.2Hz、1H)、1.66−1.47(m,4H)、1.45(s,9H)、1.38−1.24(m,3H)、1.23−1.12(m,1H)、1.07(s,9H)、0.70(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:2.58min、疎水性(METCR1426、3min)、m/z 504.1(M+Na
+).
工程11:ラセミtert−ブチル((1S,3R,4R)−3−エチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメートの合成
THF(10mL)中のラセミtert−ブチル((1S,3R,4R)−4−((tert−ブチルジフェニルシリル)オキシ)−3−エチルシクロヘキシル)カルバメート(86%、5.13g、9.16mmol)の溶液に、1MのTBAF(36.6mL、36.6mmol)を室温で滴下して加え、次に、それを50℃で21時間撹拌した。反応混合物を減圧下で回転蒸発によって濃縮し、残渣をEtOAc(130mL)に溶解させた。混合物を、50mLの水、50mLの塩水で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残渣を、Biotage(試料を、ヘプタン中12%のEtOAcとともに、SNAP−HP Sil 100gのカートリッジに湿式充填した、ヘプタン中12%〜90%のEtOAcの勾配)によって精製したところ、ラセミtert−ブチル((1S,3R,4R)−3−エチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメートが無色の粘着性の油、1.9g(84%の収率)として得られた。TLC(Hep:EtOAc、1:1)、Rf=0.54(ニンヒドリン中で陽性染色)。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 4.61(s,1H)、3.76(s,1H)、3.49−3.31(m,1H)、1.85−1.75(m,2H)、1.77−1.60(m,2H)、1.64−1.33(m,12H)、1.37−1.18(m,2H)、0.90(t,J=7.5Hz、3H).
工程12:ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アジド−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートの合成
0℃でDCM(20mL中のtert−ブチル((1S,3R,4R)−3−エチル−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバメート(655mg、2.69mmol)の溶液に、DIPEA(1.41ml、8.08mmol)を加えた後、メタンスルホニルクロリド(0.31ml、4.04mmol)を加えた。反応混合物を0℃で10分間撹拌し、次に、室温で撹拌させた。2時間後、反応を、飽和NaHCO
3水溶液(20mL)の添加によってクエンチし、有機相を分離し、水相をDCM(2×20mL)で抽出した。組み合わされた有機層を塩水(30mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させたところ、黄色がかったオレンジ色の油状の残渣が得られ、それを精製せずにそのまま使用した。
DMF(20mL)中の上記の黄色がかったオレンジ色の油の溶液に、アジ化ナトリウム(525mg、8.08mmol)を加え、反応混合物を3時間にわたって100℃に加熱した。反応混合物を室温に冷まし、飽和NaHCO3水溶液(75mL)および水(75mL)で希釈し、次に、ジエチルエーテル(4×50mL)で抽出した。組み合わされた有機相を、30mLの水、30mLの塩水で洗浄し、次に、MgSO4上で乾燥させた。ろ過の後、ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を、Biotage(試料をSNAP KP Sil 100gのカートリッジに湿式充填した、ヘプタン中12%〜90%のEtOAcの勾配)によって精製したところ、ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アジド−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートが無色油、445mg(93%の収率)として得られた。TLC(ニンヒドリン中で陽性染色、EtOAc/ヘプタン、1:1)、Rf=0.62。1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 4.54(s,1H)、3.96−3.48(m,2H)、1.92−1.76(m,2H)、1.70(ddt,J=20.1、9.5、4.8Hz、2H)、1.63−1.55(m,1H)、1.53−1.38(m,12H)、1.33−1.21(m,1H)、0.92(t,J=7.4Hz、3H).
工程13:ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートの合成
ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アジド−3−エチルシクロヘキシル)カルバメート(445mg、1.66mmol)をEtOH(20mL)に溶解させ、反応混合物をN
2で2回パージした。次に、Pd/C(10%、68mg)を加え、反応混合物をN
2で2回パージした後、H
2で2回パージし、室温で一晩、H
2雰囲気下で撹拌した。反応物を、後処理するべくN
2で2回パージした。混合物を短い小型のCeliteパッドに通し、150mLのEtOHで洗浄した。ろ液を蒸発させたところ、ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)カルバメートが無色油、365mg(81%の収率)として得られた。
1H NMR(500MHz、クロロホルム−d)δ 4.47(br,1H)、3.70(br,1H)、2.97(dt,J=7.6、3.7Hz、1H)、1.98−1.74(m,2H)、1.69−1.51(m,2H)、1.43(s,9H)、1.40−1.11(m,7H)、0.92(q,J=7.4Hz、3H).
工程14:ラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)カルバメートの合成
DMF8mL中のラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)カルバメート(90%の純度、215mg、0.8mmol)およびDIPEA(0.42ml、2.4mmol)の溶液に、5−エチルイソオキサゾール−3−カルボン酸(135mg、0.96mmol)を加えた後、HATU(395mg、1.04mmol)を室温で加えた。混合物を室温で撹拌した。2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をDCM(80mL)に溶解させた。この溶液を、水(2×20mL)および塩水(20mL)で洗浄し、MgSO
4上で乾燥させ、蒸発乾固させた。残渣を、Biotage(試料をTelos(商標)Bulk Sorbentsに吸収させ、SNAP KP−SIL−100gのカートリッジに乾式充填した、ヘプタン中12%〜100%のEtOAcによる溶離剤)によって2回精製した。生成物に富んだ画分を組み合わせて、濃縮したところ、白色の固体が得られ、それを、少量のヘプタンでさらに洗浄したところ、160mgのラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)カルバメートが白色の固体(52%の収率)として得られた。TLC(ヘプタン中50%のEtOAc)、Rf=0.6。1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 6.77(d,J=8.3Hz、1H)、4.48(s,1H)、4.23(s,1H)、3.71(s,1H)、2.81(q,J=7.5Hz、2H)、1.99−1.64(m,5H)、1.53−1.18(m,4H)、1.45(s,9H)、1.32(t,J=7.6Hz、3H)、0.94(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:1.37min、(METCR1673、Generic 2min)、m/z 388.00(M+Na
+).
工程15:ラセミN−((1S,2R,4S)−4−アミノ−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩の合成
ジオキサン(10ml)中の4MのHClを、DCM(5ml)中のラセミtert−ブチル((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)カルバメート(160mg、0.44mmol)の溶液に室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を蒸発させたところ、ラセミN−((1S,2R,4S)−4−アミノ−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩が白色の固体140mgとして得られ、
1H NMRにより、約90%の純度が示され、材料をさらに精製せずに使用した。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ 6.46(s,1H)、4.19−4.10(m,1H)、2.90−2.78(m,2H)、2.15−2.01(m,3H)、1.91−1.74(m,2H)、1.67−1.46(m,3H)、1.42−1.33(m,1H)、1.32(t,J=7.6Hz、3H)、0.97(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:0.86min、(METCR1673、Generic 2min)、m/z 266.00(M
++1).
工程16:tert−ブチル((R)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((R)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物の合成
DMF(7mL)中のラセミN−((1S,2R,4S)−4−アミノ−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩(90%、70mg、0.21mmol)の懸濁液に、DIPEA(0.15ml、0.83mmol)および(R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸(51mg、0.25mmol)を加えた後、HATU(103mg、0.27mmol)を室温で加えた。室温で2時間撹拌した後、反応を1mLの水でクエンチし、次に、減圧下で濃縮乾固した。残渣をDCM(50mL)に溶解させ、水(20mL)および塩水(20mL)で洗浄した。有機相をMgSO
4上で乾燥させ、減圧下で蒸発させたところ、白色の固体残渣が得られた。この残渣を、Biotage(試料をSNAP KP−SIL 25gのカートリッジに湿式充填した、DCM中2%〜20%のMeOHの溶離剤)によって精製した。組み合わされた透明の画分を減圧下で蒸発させたところ、白色の固体が得られた。この固体をDCM(10mL)に溶解させ、重力によってろ紙に通してろ過して、不溶性のシリカゲルを除去し、不溶性のシリカゲルを10mLのDCMで洗浄した。ろ液を減圧下で蒸発させたところ、tert−ブチル((R)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((R)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物が白色の固体、58mgとして得られ(55%の収率、NMRにより、約90%の純度が示され;DMF 約5重量%、DCM 約2重量%およびテトラメチル尿素 約3重量%を含有する)、それをさらに精製せずに使用した。TLC(DCM中10%のMeOH)、Rf=0.46。
1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 6.78(d,J=8.7Hz、1H)、6.42(s,1H)、6.03(s,1H)、5.09(s,1H)、4.22(s,1H)、4.12−3.84(m,2H)、2.81(q,J=5.2Hz、2H)、2.46−2.29(m,2H)、2.02−1.64(m,5H)、1.43(s,9H)、1.31(t,J=7.6Hz、3H)、1.58−1.05(m,4H)、1.22(d,J=6.7Hz、3H)、0.93(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:1.32min、(METCR1673、Generic 2min)、m/z 451.00(M
++1)、473.10(M+Na
+).
工程17:N−((1S,2R,4S)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドとN−((1R,2S,4R)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドとのジアステレオマー混合物の合成
ジオキサン(5ml)中の4MのHClを、DCM(5mL)中のtert−ブチル((R)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((R)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物(95%、65mg、0.14mmol)の溶液に室温で加えた。混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去したところ、白色の固体残渣が得られ、残渣をEtOAC(15mL)で研和した。この混合物を約2分間超音波処理し、次に、ろ過して、白色の固体を収集し、EtOAc(約5mL)で洗浄し、出発材料から導入されたテトラメチル尿素の可溶性不純物を除去した。次に、白色の固体をMeOHに溶解させ、不溶性材料をろ去した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、N−((1S,2R,4S)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩とN−((1R,2S,4R)−4−((R)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩とのジアステレオマー混合物が白色の固体(45mg、99%の収率)として得られた。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ 6.47(s,1H)、4.17(dt,J=8.8、4.0Hz、2H)、3.97(dq,J=9.1、5.0、4.3Hz、2H)、3.64(h,J=6.7Hz、1H)、2.84(q,J=7.6Hz、2H)、2.65−2.46(m,3H)、2.06−1.85(m,6H)、1.79(ddt,J=20.0、10.4、4.3Hz、4H)、1.58−1.35(m,8H)、1.34(d,J=6.7Hz、4H)、1.31(t,J=7.6Hz、3H)、0.94(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:2.73min、(METCR11416、Hires 7min)、m/z 351.00(M
++1)、373.05(M+Na
+).
実施例7
N−((1S,2R,4S)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド
および
N−((1R,2S,4R)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド(ジアステレオマー混合物)(化合物番号6を参照)の合成
工程1:tert−ブチル((S)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((S)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物の合成
(R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸を、ラセミN−((1S,2R,4S)−4−アミノ−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩と結合するのに使用された同じ手順にしたがって、後者を(S)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ブタン酸と結合したところ、tert−ブチル((S)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートおよびtert−ブチル((S)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物が得られ、それを、白色の固体(79mg、76%の収率、90%の純度)(微量のDMF、8重量%のDCMおよび2重量%のテトラメチル尿素を含有する)として単離した。TLC(DCM中10%のMeOH)、Rf=0.46。
1H NMR(250MHz、クロロホルム−d)δ 6.78(d,J=8.6Hz、1H)、6.42(s,1H)、6.02(s,1H)、5.09(s,1H)、4.32−4.11(m,1H)、4.11−3.85(m,2H)、2.81(q,J=6.2Hz、2H)、2.44−2.25(m,2H)、2.07−1.62(m,5H)、1.59−1.08(m,4H)、1.43(s,9H)、1.31(t,J=7.6Hz、3H)、1.22(d,J=6.6Hz、3H)、0.93(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:1.32min、(METCR1673、Generic 2min)、m/z 451.15(M
++1)、473.10(M+Na
+).
工程2:N−((1S,2R,4S)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドとN−((1R,2S,4R)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドとのジアステレオマー混合物の合成
tert−ブチル((R)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((R)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物からBoc基を除去するのに使用されたのと同じ手順にしたがって、tert−ブチル((S)−4−(((1S,3R,4S)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとtert−ブチル((S)−4−(((1R,3S,4R)−3−エチル−4−(5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)シクロヘキシル)アミノ)−4−オキソブタン−2−イル)カルバメートとのジアステレオマー混合物により、N−((1S,2R,4S)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドとN−((1R,2S,4R)−4−((S)−3−アミノブタンアミド)−2−エチルシクロヘキシル)−5−エチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド塩酸塩とのジアステレオマー混合物が得られ、それを、白色の固体(50mg、82%の収率)として単離した。
1H NMR(500MHz、メタノール−d4)δ 8.15(dd,J=18.9、7.5Hz、0H)、6.47(s,1H)、4.21−4.12(m,1H)、4.02−3.91(m,1H)、3.70−3.57(m,1H)、2.84(q,2H)、2.63−2.45(m,2H)、2.04−1.87(m,3H)、1.86−1.69(m,2H)、1.57−1.35(m,4H)、1.38−1.27(m,6H)、0.94(t,J=7.4Hz、3H).LCMS:2.71min、(METCR11416、Hires 7min)、m/z 351.05(M
++1)、373.00(M+Na
+).
実施例8
SMYD3生化学的アッセイ
一般的な材料
S−アデノシルメチオニン(SAM)、S−アデノシルホモシステイン(SAH)、トリス、Tween20、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ウシ皮膚ゼラチン(BSG)、およびトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩溶液(TCEP)を、可能な限り高いレベルの純度でSigma−Aldrichから購入した。80 Ci/mmolの比活性を有する3H−SAMを、American Radiolabeled Chemicalsから購入した。384ウェル乳白色OptiPlatesおよびSPAビーズ(Perkin Elmer、カタログ番号RPNQ0013)を、PerkinElmerから購入した。
基質
参照配列AAF63496.3に対応するN末端GSTタグ化MEKK2(MAP3K2)タンパク質を、Life Technologies(カタログ番号PV4010)から購入した。このタンパク質をHigh Five昆虫細胞中で発現させ、85%を超える純度になるまで精製した。タンパク質の同一性をタンパク質分解後のMS/MS分析によって確認した。使用されるタンパク質配列は以下のものであった:
分子生物学
完全長ヒトSMYD3アイソフォーム1(BAB86333)を、His6タグおよびTEVおよびSUMO切断部位を含有する修飾されたpET21bプラスミド中に挿入した。SMYD3の2つの一般的な変異体が集団に存在するため、その後、部位特異的な突然変異生成を行って、アスパラギンからリジンまでのアミノ酸13を変更して、プラスミドpEPZ533を得た。位置13におけるリジンが、より一般的に存在する配列(NP_001161212)に一致する。
タンパク質発現
大腸菌(E.coli)(BL21 codonplus RIL菌株、Stratagene)を、コンピテント細胞およびプラスミドDNAを混合し、30分間にわたって氷上でインキュベートした後、42℃で1分間にわたって熱ショックを与え、2分間にわたって氷上で冷却することによって、プラスミドpEPZ553を用いて形質転換した。形質転換された細胞を成長させ、37℃で一晩、100μg/mLのアンピシリンおよび17μg/mLのクロラムフェニコールを含むLB寒天上で選択した。単一クローンを用いて、100μg/mLのアンピシリンおよび17μg/mLのクロラムフェニコールを含む200mLのLB培地を接種し、180rpmで、オービタルシェーカー上で、37℃でインキュベートした。対数増殖期になったら、培養物を2LのLB培地中で1:100に希釈し、OD600が約0.3になるまで増殖させ、その後、培養物を15℃および160rpmでインキュベートした。OD600が約0.4に達したら、IPTGを0.1mMの最終濃度になるまで加え、細胞を15℃および160rpmで一晩増殖させた。細胞を、4℃で4分間にわたる、8000rpmにおける遠心分離によって採取し、精製のために−80℃で貯蔵した。
タンパク質精製
発現された完全長ヒトHisタグ化SMYD3タンパク質を、緩衝液A(25mMのトリス、200mMのNaCl、5%のグリセロール、5mMのβ−メルカプトエタノール、pH7.8)による樹脂の平衡化後に、ニッケル親和性クロマトグラフィーによって細胞ペーストから精製した。カラムを、緩衝液B(緩衝液Aおよび20mMのイミダゾール)で洗浄し、Hisタグ化SMYD3を、緩衝液C(緩衝液Aおよび300mMのイミダゾール)で溶離した。Hisタグ、TEVおよびSUMO切断部位を除去し、1:200(ULP1:SMYD3)の比率におけるULP1タンパク質の添加によって、天然SMYD3を生成した。イミダゾールを、緩衝液A中で一晩、透析によって除去した。透析された溶液を第2のニッケルカラムに加え、天然SMYD3タンパク質を、カラムフロースルー(flow−through)から収集した。フロースルーを、緩衝液D(25mMのトリス、5%のグリセロール、5mMのβ−メルカプトエタノール、50mMのNaCl、pH7.8)中で透析し、ULP1を、Q sepharose fast flowカラムを用いて除去した。SMYD3を、緩衝液Aで溶離し、緩衝液Aにより平衡化されたS200サイズ排除カラムを用いてさらに精製した。SMYD3を、89%の最終純度で2mg/mLになるまで濃縮した。
MEKK2タンパク質基質に対するSMYD3酵素アッセイの一般的手順
アッセイは全て、使用当日に調製された、25mMのトリス−Cl(pH8.0)、1mMのTCEP、0.005%のBSG、および0.005%のTween 20からなる緩衝液中で行った。100%のDMSO(1ul)中の化合物を、384チャネルヘッド(Agilent Technologies)が装着されたBravo自動液体処理プラットフォームを用いて、384ウェル乳白色OptiPlate中にスポッティングした。DMSO(1ul)を、最大シグナル対照のために列11、12、23、24、行A〜Hに加え、公知の生成物であり、SMYD3の阻害剤である1ulのSAHを、最小シグナル対照のために列11、12、23、24、行I〜Pに加えた。SMYD3酵素を含有する反応混液(cocktail)(40ul)を、Multidrop Combi(Thermo−Fisher)によって加えた。化合物を、SMYD3とともに、室温で30分間インキュベートさせ、次に、反応を開始させるために、SAMおよびMEKK2を含有する反応混液(10ul)を加えた(最終容量=51ul)。成分の最終濃度は以下のとおりであった:SMYD3は0.4nMであり、3H−SAMは8nMであり、MEKK2は12nMであり、最小シグナル対照ウェル中のSAHは1mMであり、DMSO濃度は2%であった。3H−SAMを、MEKK2へのその取り込みが検出されないレベルまで希釈する100uMの最終濃度まで放射性標識されていないSAM(10ul)を加えることによって、アッセイを停止した。放射性標識されたMEKK2を、シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いて検出した。0.5Mのクエン酸中のSPAビーズの10uLの10mg/mLの溶液を加え、プレートを1分間にわたって600rpmで遠心分離して、放射性標識されたMEKK2をSPAビーズ上に沈殿させた。次に、壊変毎分(dpm)として、あるいはカウント毎分(cpm)と呼ばれる、3H標識MEKK2の量を測定するために、PerkinElmer TopCountプレートリーダーにおいてプレートを読み取った。
4パラメータIC50フィット
ここで、トップおよびボトムは、通常、変動されるが、3パラメーターフィットではそれぞれ100または0に固定され得る。ヒル係数は、通常、変動されるが、3パラメーターフィットでは同様に1に固定され得る。Yは、阻害%であり、Xは、化合物濃度である。
本開示のそれぞれの化合物についてのSMYD3生化学的アッセイデータが、表1中の、「SMYD3生化学的IC50(μM)」という表題の列に示される。
実施例9
SMYD3細胞アッセイ
トリメチル−MEKK2−In−Cell Westernアッセイ
293T/17接着細胞を、ATCC(米国培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection))(Manassas,VA,USA)から購入した。MEM/Glutamax培地、Optimem Reduced Serum培地、ペニシリン−ストレプトマイシン、0.05%のトリプシンおよび1×D−PBSを、Life Technologies(Grand Island,NY,USA)から購入した。PBS−10Xを、Ambion、Life Technologies(Grand Island,New York,USA)から購入した。Tween 20を含むPBS(PBST(10x))を、KPL(Gaithersburg,Maryland,USA)から購入した。Tet System FBSに承認されたFBS US Sourceを、Clontech(Mountain View,California,USA)から購入した。Odysseyブロッキング緩衝液、800CWヤギ抗ウサギIgG(H+L)抗体、680CWヤギ抗マウスIgG(H+L)およびLicor Odyssey赤外線スキャナを、Licor Biosciences(Lincoln,NE,USA)から購入した。トリ−メチル−リジン[A260]−MEKK2抗体、MEKK2およびSMYD3プラスミドは、Epizymeで作製された。抗flagモノクローナルマウス抗体を、Sigma(St.Louis,MO,USA)から購入した。メタノールを、VWR(Franklin,MA,USA)から購入した。10%のTween 20を、KPL,Inc.(Gaithersburg,Maryland,USA)から購入した。Fugeneを、Promega(Madison,WI,USA)から購入した。Biotek ELx405を、BioTek(Winooski,Vermont,USA)から購入した。multidrop combiを、Thermo Scientific(Waltham,Massachusetts,USA)から購入した。
293T/17接着細胞を、増殖培地(10%のv/vのTet System FBSが補充されたMEM/Glutamax培地において維持し、5%のCO2下で、37℃で培養した。
トリメチル−リジン−MEKK2およびMEKK2の検出のための細胞処理、In Cell Western(ICW)
293T/17細胞を、T150フラスコ当たり30mLの培地中のcm2当たり33,333個の細胞の濃度のアッセイ培地中で播種し、5%のCO2下で、37℃でインキュベートした。滅菌したEppendorf中で1350μLのOpti−MEMを、Fugene(81μL)とまず混合することによって、プラスミドを、細胞への送達のために調製し、室温(RT)で5分間インキュベートした。C−3XFlagを含むMEKK2−flag(13.6ug/T150)MEKK2 p3XFlag−CMV−14、およびC−3XFlagプラスミドを含まないSMYD3(0.151ug/T150)SMYD3 p3XFlag−CMV−14を、1.7mLの滅菌した微量遠心管に等分した。MEKK2およびSMYD3の遺伝子IDは、それぞれNM_006609.3およびQ9H7B4である。次に、Opti−MEM/Fugene混合物の全体積を、DNAプラスミドを含有する微量遠心管に加え、混合し、次に、室温で15分間インキュベートした。293T/17細胞上の培地を新しくし、DNA/Fugene複合体を各フラスコに無菌で加え、穏やかに揺すり、37Cで5時間インキュベートした。次に、培地を除去し、細胞を、フラスコ中で、PBSで1回洗浄した。トリプシン0.05%(3mL)を加え、細胞を3分間インキュベートした。室温のMEM+10%のTet system FBSを加え、細胞を穏やかに混合し、Vi−細胞を用いてカウントした。細胞を、DMSOで希釈された試験薬剤を含有する384ウェル黒色/透明ポリ−D−リジン被覆プレートに、50μLのMEM/10%のTet FBS/Pen/Strep中で、100,000個の細胞/mLで播種した。試験化合物の最終的な最高濃度は40μMであった。DMSOの総濃度は、0.2%(v/v)を超えなかった。プレートを、低空気流領域(low−airflow area)で、室温で30分間インキュベートした後、24時間にわたって、5%のCO2下で、37℃でインキュベートした。10分間にわたる氷冷(−20℃)メタノール(90μL/ウェル)による固化および透過化の前に、アッセイプレートの全てのウェルから培地を吸引した。プレートを、BioTek ELx405上で、PBSで3回すすいだ。PBSを、最後の吸引によって除去し、Odysseyブロッキング緩衝液(50μL/ウェル)を各ウェルに加え、室温で1時間インキュベートした。一次抗体溶液を調製し(希釈剤(Odysseyブロッキング緩衝液+0.1%のTween 20)中の、1:600の希釈率の抗トリメチル−MEKK2および1:10,000の希釈率のマウス抗flag抗体)、ウェル当たり20μLを、Multidrop Combiを用いて分配した。次に、アッセイプレートを箔で密封し、4℃で一晩インキュベートした。プレートを、Biotek ELx405上で、PBS−Tween(1X)で5回洗浄し、ペーパータオルで拭き取って、過剰な試薬を除去した。検出抗体溶液(希釈剤(Odysseyブロッキング緩衝液+0.1%のTween 20)中で1:400に希釈されたIRDye 800 CWヤギ抗ウサギIgG、および希釈剤(Odysseyブロッキング緩衝液+0.1%のTween 20)中で1:500のIRDye 680CWヤギ抗マウスIgGを加え(20μL/ウェル)、室温で1時間にわたって暗所でインキュベートした。次に、プレートを、ELx405上で、PBS−T(1X)で4回洗浄した。水による最後のすすぎを行った(115μL/ウェルで、ELx405上で3回洗浄)。次に、プレートを、200×gで、ペーパータオル上で逆さにして遠心分離して、過剰な試薬を除去した。プレートを、1時間にわたって暗所で乾燥させた。84μmの解像度、中程度の品質(medium quality)、フォーカスオフセット(focus offset)4.0、MEKK2−flagシグナルを測定するための700チャネル強度=3.5、各ウェルのトリメチル−MEKK2シグナルを測定するための800チャネル強度=5で、Odyssey Imagerを用いて、700および800の波長の積分強度を測定した。
計算:
まず、各ウェルの比率を、下式によって求めた:
各プレートは、DMSOのみの処理(最小阻害)の14の対照ウェルならびに最大阻害の14の対照ウェル(バックグラウンド)を含んでいた。各対照タイプの比率値の平均を計算し、それを用いて、プレート中の各試験ウェルについての阻害パーセントを求めた。対照化合物を、40μMから開始して全部で9つの試験濃度に対してDMSO中で2倍に連続希釈した。阻害パーセントを(以下で)計算した。
非線形回帰曲線を生成して、化合物の濃度につき3組のウェルを用いてIC50および用量反応関係を計算した。
本開示のそれぞれの化合物についてのSMYD3細胞アッセイデータが、表1中の、「SMYD3細胞IC50(μM)」という表題の列に示される。
実施例10
SMYD2生化学的アッセイ
一般的な材料
S−アデノシルメチオニン(SAM)、S−アデノシルホモシステイン(SAH)、ビシン、Tween20、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ウシ皮膚ゼラチン(BSG)、およびトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)を、可能な限り高いレベルの純度でSigma−Aldrichから購入した。80 Ci/mmolの比活性を有する3H−SAMを、American Radiolabeled Chemicalsから購入した。384ウェルストレプトアビジンFlashplatesを、PerkinElmerから購入した。
基質
ペプチドは、21stCenturyBiochemicalsによってN末端リンカー−親和性タグモチーフおよびC末端アミドキャップを用いて合成された。ペプチドを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により95%超の純度になるまで精製し、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって確認した。配列は、ARTKQTARKSTGGKAPRKQLATKAARKSA(K−Biot)−アミド(配列番号3)であった。
生化学的酵素活性アッセイのための組み換えSMYD2酵素の生成
完全長SMYD2(NP_064582.2)を、TEVプロテアーゼ切断部位が前にある、N末端His6タグおよびFLAGタグを有するpFastbac−Htb−licベクターにクローニングした。タンパク質を、Sf9昆虫細胞中で発現させた。細胞を、溶解緩衝液(25mMのHEPES−NaOH、pH7.5、200mMのNaCl、5%のグリセロール、および5mMのβ−ME)中で再懸濁させ、超音波処理によって溶解させた。タンパク質を、Ni−NTA(Qiagen)によって精製した後、His6タグを除去するためのTEV切断、減法的Ni−NTA(Qiagen)、およびS200カラム(GE Healthcare)を用いたゲルろ過クロマトグラフィーを行った。精製されたタンパク質を、20mMのトリス−HCl、pH8.0、100mMのNaCl、および1mMのTCEP中で貯蔵した。
ペプチド基質に対するSMYD2酵素アッセイの一般的手順
アッセイは全て、使用当日に調製された、20mMのビシン(pH=7.6)、1mMのTCEP、0.005%のウシ皮膚ゼラチン、および0.002%のTween20からなる緩衝液中で行った。100%のDMSO(1ul)中の化合物を、384チャネルヘッド(Thermo Scientific)が装着されたPlatemate Plusを用いて、ポリプロピレン384ウェルV底プレート(Greiner)中にスポッティングした。DMSO(1ul)を、最大シグナル対照のために列11、12、23、24、行A〜Hに加え、公知の生成物であり、SMYD2の阻害剤である1ulのSAHを、最小シグナル対照のために列11、12、23、24、行I〜Pに加えた。SMYD2酵素を含有する反応混液(40ul)を、Multidrop Combi(Thermo−Fisher)によって加えた。化合物を、SMYD2とともに、室温で30分間インキュベートさせ、次に、反応を開始させるために、3H−SAMおよびペプチドを含有する反応混液(10ul)を加えた(最終容量=51ul)。成分の最終濃度は以下のとおりであった:SMYD2は1.5nMであり、3H−SAMは10nMであり、ペプチドは60nMであり、最小シグナル対照ウェル中のSAHは1000uMであり、DMSO濃度は2%であった。3H−SAMを、ペプチド基質へのその取り込みが検出されないレベルまで希釈する600uMの最終濃度まで非放射標識SAM(10ul)を加えることによって、アッセイを停止した。次に、384ウェルポリプロピレンプレート中の50ulの反応物を、384ウェルFlashplateに移し、ビオチン化ペプチドを、ストレプトアビジン表面に少なくとも1時間結合させてから、Biotek ELx405プレート洗浄装置において0.1%のTween20で3回洗浄した。次に、壊変毎分(dpm)として測定されるかあるいはカウント毎分(cpm)と呼ばれる、Flashplate表面に結合された3H標識ペプチドの量を測定するために、PerkinElmer TopCountプレートリーダーにおいてプレートを読み取った。
阻害%計算
ここで、dpm=壊変毎分、cmpd=アッセイウェル中のシグナル、minおよびmaxはそれぞれ最小および最大シグナル対照である。
4パラメータIC50フィット
ここで、トップおよびボトムは、通常、変動されるが、3パラメーターフィットではそれぞれ100または0に固定され得る。ヒル係数は、通常、変動されるが、3パラメーターフィットでは同様に1に固定され得る。Iは、化合物濃度である。
これまで本発明を十分に記載してきたが、本発明が、本発明またはその任意の実施形態の範囲に影響を与えずに、条件、配合、および他のパラメータの広い同等の範囲内で実施され得ることが当業者によって理解されよう。
本発明の他の実施形態は、本明細書の検討および本明細書に開示される本発明の実施から当業者に明らかであろう。本明細書および実施例はあくまでも例示であるものとみなされることが意図され、本発明の真の範囲および趣旨は以下の特許請求の範囲によって示される。
本明細書に引用される全ての特許および刊行物は、全体が参照により本明細書に完全に援用される。